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1 年齢と体力・運動能力

 平成19年度の体力・運動能力に関する調査結果の概要は,次のとおりである。

(1)テスト項目ごとにみた一般的傾向

 握力,上体起こし,長座体前屈の3テスト項目は6歳から79歳まで,また反復横とび,20メートルシャトルラン(往復持久走),立ち幅とびの3テスト項目については6歳から64歳までを対象にしたテスト項目である。また,50メートル走とボール投げ(ソフトボール投げまたはハンドボール投げ)は6歳から19歳までの青少年を対象にしたテスト項目である。
 テスト項目ごとにみた加齢に伴う一般的傾向は,以下のとおりである。

ア 握力

 筋力の指標である握力の加齢に伴う変化の傾向を,図1−1に示した。
 握力は,すべての年齢段階で男子が女子より高い水準を示し,加齢に伴う男女の差は,12歳ごろから徐々に大きくなる傾向にある。
 男子は17歳ごろまで著しい向上傾向を示し,その後も緩やかに向上を続ける。一方,女子は40歳代前半まで緩やかな向上傾向を示している。
 男子は35〜39歳で,女子は40〜44歳でピークに達しており,体力の他の要素に比べピークに達する年代が遅い。ピーク時以後は男女とも緩やかな低下傾向を示し,60〜64歳には,男女ともにピーク時の約85パーセントに,75〜79歳では,男子で約70パーセント,女子で約75パーセントに低下する。

図1−1 加齢に伴う握力の変化

  • (注)図は,3点移動平均法を用いて平滑化してある。

イ 上体起こし

 筋力・筋持久力の指標である上体起こしの加齢に伴う変化の傾向を,図1−2に示した。
 上体起こしは,すべての年齢段階で男子が女子より高い水準を示している。
 男子は,14歳ごろまで著しい向上傾向を示し,17歳ごろピークに達している。
 ピーク時以後は急激な低下傾向を示し,60〜64歳にはピーク時の約55パーセントに,75〜79歳では約30パーセントにまで低下する。
 女子は14歳ごろピークに達し,数年間その水準を保持した後に緩やかな低下をはじめる。45〜49歳以降に急激な低下傾向を示し,60〜64歳にはピーク時の約45パーセントに,75〜79歳では約25パーセントにまで低下する。

図1−2 加齢に伴う上体起こしの変化

  • (注)図1−1の(注)に同じ。

ウ 長座体前屈

 柔軟性の指標である長座体前屈の加齢に伴う変化の傾向を,図1−3に示した。
 長座体前屈は,男女差が最も小さいテスト項目である。
 男子は11歳以降著しい向上傾向を示し,その後さらに増加し17歳でピークに達する。その後,緩やかな低下傾向を示している。
 一方,女子は6歳から男子よりもやや高い水準を示したまま,13歳ごろまで著しい向上傾向を示し,17歳ごろピークに達する。その後,緩やかな低下傾向を示している。
 60〜64歳には,男子でピーク時の約75パーセント,女子で約85パーセントに,さらに75〜79歳には,男子で約65パーセント,女子で約75パーセントに低下する。

図1−3 加齢に伴う長座体前屈の変化

  • (注)図1−1の(注)に同じ。

エ 反復横とび

 敏捷性の指標である反復横とびの加齢に伴う変化の傾向を,図1−4に示した。
 反復横とびは,すべての年齢段階で男子が女子より高い水準を示している。
 男子は14歳ごろまで急激な向上傾向を示し,17歳ごろピークに達する。
 一方,女子は11歳ごろまでは急激な向上傾向を示し,14歳ごろピークレベルに達し,19歳ごろまでほぼその水準が保たれ,その後,緩やかな低下傾向を示している。
 60〜64歳には,男子はピーク時の約65パーセント,女子は約70パーセントに低下する。

図1−4 加齢に伴う反復横とびの変化

  • (注)図1−1の(注)に同じ。

オ 20メートルシャトルラン(往復持久走)

 全身持久力の指標である20メートルシャトルラン(往復持久走)の加齢に伴う変化の傾向を,図1−5に示した。
 20メートルシャトルラン(往復持久走)は,すべての年齢段階で男子が女子より高い水準を示している。
 男子は14歳,女子は13歳で迎えるピークまで急激な向上傾向を示しているが,その後の数年間は,男子はやや持続,女子は緩やかに低下する傾向を示す。
 19歳ごろから男女とも著しい低下傾向を示し,60〜64歳には,男女ともピーク時の約25パーセントにまで低下する。

図1−5 加齢に伴う20メートルシャトルラン(往復持久走)の変化

  • (注)図1−1の(注)に同じ。

カ 立ち幅とび

 筋パワー(瞬発力)及び跳能力の指標である立ち幅とびの加齢に伴う変化の傾向を,図1−6に示した。
 立ち幅とびは,すべての年齢段階で男子が女子より高い水準を示している。
 男子は,14歳ごろまで著しい向上傾向を示し,その後も緩やかな向上傾向を続け,20〜24歳ごろにピークに達している。
 女子は,14歳ごろピークに達し,20歳代前半までその水準が保持され,その後,緩やかな低下傾向を示している。
 男女とも,60〜64歳には,ピーク時の約75パーセントに低下する。

図1−6 加齢に伴う立ち幅とびの変化

  • (注)図1−1の(注)に同じ。

キ 50メートル走

 スピード及び走能力の指標である50メートル走の加齢に伴う変化の傾向を,図1−7に示した。
 50メートル走は,6歳から11歳までは,男子がわずかに高い水準を示したまま男女ともに著しい向上傾向を示している。
 さらに,男子はその後も向上傾向が続き,17歳ごろピークを迎える。一方,女子は14歳ごろピークを迎え,その後,緩やかな低下傾向を示している。

図1−7 加齢に伴う50メートル走の変化

  • (注)図1−1の(注)に同じ。

ク ボール投げ(ソフトボール投げ・ハンドボール投げ)

 筋パワー(瞬発力),投能力,及び巧ち性の指標であるボール投げの加齢に伴う変化の傾向を,図1−8に示した。
 ボール投げは,6歳から11歳を対象としたソフトボール投げにおいて,6歳からすでに男子が女子よりも高い水準を示し,男女ともに著しい向上傾向を示すが,男子の向上傾向が顕著なため,加齢に伴ってその差はさらに拡大する傾向にある。
 12〜19歳を対象としたハンドボール投げにおいては,男子は17歳ごろのピークまで向上傾向を続ける。一方,女子では17歳ごろでピークを迎えるが,男子に比べ向上傾向が非常に緩やかなため,その差は17歳ごろまで,ソフトボール投げに引き続き拡大する傾向にある。

図1−8 加齢に伴うボール投げの変化

  • (注)図1−1の(注)に同じ。