(「平成19年度体力・運動能力調査報告書(以下「報告書」と記載)」p.1~p.53)
国民の体力・運動能力の現状を明らかにするとともに,体育・スポーツの指導と行政上の基礎資料を得る。
小学生(6~11歳)
中学生~大学生(12~19歳)
(中学12~14歳,高校全日制15~17歳,高校定時制15~18歳,高等専門学校(男子)18、19歳,短期大学(女子)18、19歳,大学18、19歳)
成年(20~64歳)
高齢者(65~79歳)
平成19年5月~10月(小・中・高校生は5月~7月)
| 区分 | 標本数 | 回収数 | 回収率 |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 13,536 | 13,520 | 99.9 |
| 中学校 | 8,460 | 8,434 | 99.7 |
| 高等学校(全日制) | 7,614 | 7,365 | 96.7 |
| 高等学校(定時制) | 1,504 | 1,392 | 92.6 |
| 高等専門学校(男子) | 600 | 582 | 97.0 |
| 短期大学(女子) | 600 | 577 | 96.2 |
| 大学 | 2,400 | 2,219 | 92.5 |
| 成年 | 33,840 | 31,130 | 92.0 |
| 高齢者 | 5,640 | 5,588 | 99.1 |
| 合計 | 74,194 | 70,807 | 95.4 |
(図1-1、図1-2、図1-3、図1-4、図1-5、図1-6、図1-7、図1-8)
男女とも6歳から加齢に伴い体力水準は向上し,男子では青少年期(6~19歳)の17歳ごろピークに達するのに対して,女子では青少年期(6~19歳)の14歳ごろピークに達し,その後数年間その水準を保持する傾向を示している。
その後,男女とも20歳以降は体力水準が加齢に伴い低下する傾向を示している。
なお,握力については,男子は35~39歳で,女子は40~44歳でピークに達する。
(図2-1、図2-2、図2-3、図2-4、図2-5、図2-6、図2-7、図2-8、図2-9、図2-10、図2-11、図2-12、図2-13、図2-14、図2-15、図2-16、図2-17、図2-18、図2-19、図2-20)
長期的に年次変化の比較が可能である,握力及び走能力(50メートル走・持久走),跳能力(立ち幅とび),投能力(ソフトボール投げ・ハンドボール投げ)などの基礎的運動能力を図2-1~10に示した。また,新体力テストから採用された上体起こし,長座体前屈,反復横とび,20メートルシャトルラン及び新体力テスト合計点の10年間の年次推移を図2-11~20に示した。
長期的にみると,握力についてはほとんど変化はみられないが,走,跳,投能力にかかる項目は,依然低い水準になっている。
なお,新体力テスト施行後の10年間では,基礎的運動能力である,走,跳,投にかかる項目のうち,立ち幅とびでは緩やかに低下しているが,50メートル走,ソフトボール投げ・ハンドボール投げでは,低下の傾向を示していない。また一部の年代を除いて,上体起こし,長座体前屈,反復横とび,20メートルシャトルランでは向上傾向を示している。
これら新体力テストの10年間の年次推移を合計点でみると,小学生では大きな変化はみられないが,中学生以上の年代では緩やかな向上傾向を示している。
(図3-1、図3-2、図3-3、図3-4、図3-5、図3-6、図3-7、図3-8)
成年において,長期的に年次変化の比較が可能な握力,反復横とび及び急歩の年次推移を図3-1~3に示した。また,新体力テストから採用された上体起こし,長座体前屈,20メートルシャトルラン,立ち幅とび及び新体力テストの合計点について10年間の年次推移を図3-4~8に示した。
長期的にみると,握力と急歩には,一定の傾向はみられないが,反復横とびでは,向上傾向を示している。
なお,新体力テスト施行後の10年間では,握力,急歩,20メートルシャトルランは各年代を通してほとんど変化は見られない。反復横とびは,20~30歳代ではほとんど変化はみられないが,40歳代以降では緩やかな向上傾向を示している。上体起こしは多くの年代で向上傾向を示しているが,長座体前屈では多くの年代で低下傾向にある。立ち幅とびは,20~30歳代で低下傾向を示しているが、その他の年代ではほとんど変化はみられない。
これら新体力テストの10年間について年次推移を合計点でみると,20~30歳代の女子では低下傾向がみられるが,40歳以降では男女とも緩やかな向上傾向を示している。
(図4-1、図4-2、図4-3、図4-4、図4-5、図4-6、図4-7)
高齢者における握力,上体起こし,長座体前屈,開眼片足立ち,10メートル障害物歩行,6分間歩行及び新体力テストの合計点について10年間の年次推移を図4-1~7に示した。
高齢者では,いずれのテスト項目も新体力テスト施行後の10年間だけの比較が可能である。握力については,ほとんど変化がみられないが,その他の多くの項目が向上傾向を示している。
合計点についても向上傾向がみられる。
長期的に年次変化の比較が可能な青少年と成年の体力・運動能力について,平成19年度と昭和60年度との比較を行った。
青少年において,昭和60年度との比較が可能な項目(小学生:握力(10、11歳),50メートル走,立ち幅とび(6~9歳),ソフトボール投げ,中学生:握力,50メートル走,持久走,ハンドボール投げ,高校生:握力,50メートル走,持久走,ハンドボール投げ)について,平成19年度と昭和60年度との比較(図5-1,図5-3,図5-5)を行うとともに,運動・スポーツの実施状況についても,長期的な変化を検討し,運動・スポーツ実施頻度(図5-2,図5-4,図5-6)から考察を加えた。
昭和60年度と比較して平成19年度の体格(身長・体重)については,男女ともに向上がみられるが,体力・運動能力については,男女ともに全ての項目で低下がみられ,特に50メートル走,立ち幅とび,ソフトボール投げにおいては,大きな低下がみられた。
運動・スポーツの実施頻度は,男女ともに「ほとんど毎日(週に3日以上)」群の割合が減少しており,特に女子において大きな減少がみられる。
これらのことから,小学生の体力の向上においては,運動・スポーツの実施頻度は重要な要素であり,今後,体力の向上に向けて,家庭,学校,地域が連携して運動実施頻度を向上させるための取組を行うことが必要である。
昭和60年度と比較して平成19年度の体格(身長・体重)については,男女ともに向上がみられた。体力・運動能力については男女ともに全ての項目で低下がみられたが,その低下の程度を小学生と比較すると,男子においては比較的小さいものであった。
運動・スポーツ実施頻度は,男女ともに「ほとんど毎日(週3日以上)」群の割合が増加する傾向にある。特に男子では約90パーセントが「ほとんど毎日(週3日以上)」と回答している。
これらのことから,中学生では,特に男子において,運動・スポーツ実施頻度の高さが,体力の低下に歯止めをかけていると考えることができる。しかし,いまだに全体的に昭和60年度の体力水準を下回っていることや,全身持久力の低下が大きいことを考えると,今後,運動・スポーツ実施状況を詳細に調査し,運動強度や実施内容を検証する必要がある。
昭和60年度と比較して,平成19年度の体格(身長・体重)については男女ともに向上がみられるが,体力・運動能力については男女ともに全ての項目で低下がみられた。また,全ての項目において男子より女子の低下が大きい。
運動・スポーツ実施頻度は,男子では,「ほとんど毎日(週3日以上)」群の割合が増加しているが,そのほかの群の割合は減少または横ばいとなっている。また女子では,「しない」群の割合が増加してきており,平成19年度では約3割の女子が「しない」と回答している。男女ともに運動・スポーツをする人と,しない人の2極化の傾向が顕著になっている。
これらのことから,「しない」群及び「ときたま(月1~3日程度)」群の割合を減少させるため,運動・スポーツ実施頻度の低い高校生が,積極的に運動やスポーツに取り組む環境をつくり,運動・スポーツ離れに歯止めをかける必要がある。
成年において,長期的に年次変化の比較が可能な項目(握力,反復横とび,及び急歩)について,昭和60年度と平成19年度との比較(図5-7,図5-9)を行うとともに,運動・スポーツの実施状況についても,長期的な変化を検討し,実施頻度(図5-8,図5-10)から考察を加えた。
昭和60年度と比較して,平成19年度の身長については,男女とも向上がみられるが,体重については,男子は向上,女子は低下がみられる。
体力・運動能力については,男女ともに反復横とびは,向上しているが,急歩では低下している。
運動・スポーツ実施頻度については,昭和60年度と比較すると,男女ともに「ときたま(月1~3日程度)」群の割合が減少し,「しない」群の割合が増加している。
これらのことから,「しない」群を「ときどき(週1~2日程度)」群へ引き上げるようにするために,継続的に運動・スポーツを実施するための方策や,ライフスタイル構築のサポートが必要である。
昭和60年度と比較すると,平成19年度の体格(身長・体重)については,男女とも向上がみられる。
体力・運動能力については,男子の急歩に低下がみられるが,それ以外は向上または,ほとんど変化がない状況であった。
運動・スポーツ実施頻度については,昭和60年度と比較すると,平成19年度は男女ともに「ほとんど毎日(週3~4日以上)」群,「ときどき(週1~2日程度)」群の割合が増加しており,「しない」群の割合が減少している。特に女子における「しない」群の割合の減少が大きい。
これらのことから,運動・スポーツ実施頻度の高い人の割合が増加したことが,体力・運動能力の向上につながっていると考えられる。今後,一層の健康の保持増進を図るためには,「しない」人に対する意識啓発を行う必要がある。
新体力テスト施行後10年間の各項目及び合計点の年次推移を表1-1~3及び図6-1~3に示した。
新体力テスト施行後の10年間では,基礎的運動能力である,走,跳,投にかかる項目のうち,立ち幅とびでは緩やかに低下しているが,50メートル走,ソフトボール投げ・ハンドボール投げでは,低下の傾向を示していない。また一部の年代を除いて,上体起こし,長座体前屈,反復横とび,20メートルシャトルランでは向上傾向を示している。
これら新体力テストの10年間の年次推移を合計点でみると,小学生では大きな変化はみられないが,中学生以上の年代では緩やかな向上傾向を示している。
新体力テスト施行後の10年間では,握力,20~30歳代の反復横とび,急歩,20メートルシャトルランについてはほとんど変化はみられないが,40歳以降の反復横とび,上体起こしは緩やかな向上傾向を示し,長座体前屈では低下傾向を示している。
これら新体力テストの10年間について年次推移を合計点でみると,20~30歳代の女子では低下傾向がみられるが,40歳以降では男女とも緩やかな向上傾向を示している。
新体力テスト施行後の10年間では,握力については,ほとんど変化がみられないが,その他の多くの項目が向上傾向を示している。
合計点についても向上傾向がみられる。
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