平成20年10月14日
企業等採用責任者 各位
就職問題懇談会座長
平野 眞一
(名古屋大学長)
国公私立の大学、短期大学及び高等専門学校(以下「大学等」という。)で構成する就職問題懇談会においては、大学等卒業予定者の就職活動の秩序を維持し、正常な学校教育と学生の学習環境を確保するとともに、学生の就職機会の均等を期するため、別添のとおり「申合せ」を行い、全国の大学等に趣旨の徹底を図っております。
大学等は、この「申合せ」を行うに当たり、学生に高い学力と豊かな人間性を身に付けさせた上で卒業生として社会に送り出すという、本来大学等が果たすべき社会的使命と責任を十分認識するとともに、その責務を果たすため、全教職員が協力し、全学的にこれを実行することを確認したところであります。
採用選考活動の早期化は、大学等の教育機能の低下を招くものであり、十分な教育を受け得なかった学生を採用することなど、企業にとっても不利益をもたらすことになり、早期離職との関連も危惧されます。さらに、早期化を要因とする長期化は、採用選考活動の複雑化や多重内定など、混乱を引き起こしております。
また、中央教育審議会も、一方で大学自らが、「学士力」等の「学習成果」の達成に向け、教育内容・方法の改善、学修評価の厳格化を徹底して進めるべきことを指摘するとともに、他方では産業界においても、大学教育の成果を適切な時点で評価すべきことや、企業における採用活動の早期化は、企業が大学教育の「学び」を軽視していることを学生に示すことになることを指摘しております。
つきましては、貴職におかれては、平成21年度大学等卒業予定者の就職・採用活動の秩序を維持するため、上記「申合せ」の内容について十分御理解いただくとともに、採用活動に当たっては、社団法人日本経済団体連合会で定める「倫理憲章」の趣旨に則り、特に下記事項について御配慮をいただきますようお願いいたします。
記
1.採用選考活動の早期化是正について
- (1)卒業学年に達しない学生に対する実質的な採用選考活動を厳に慎み、採用選考活動を早期に開始しないようにするとともに、可能な限り休日や祝日等、例えば長期休暇期間に行う等、大学等の教育活動を尊重した採用活動を行うこと。
- (2)正式内定開始前の9月30日以前に内定承諾書、誓約書、連帯保証書の提出を求める等、学生の自由な就職活動を妨げ、心理的な負担となる拘束を行わないこと。また、内定後に内定式や入社前研修等を行う場合には、学生の学修に支障がないよう配慮すること。
2.採用活動の公平・公正の確保について
- (1)学生の応募書類は、「大学等指定書類(『履歴書・写真・自己紹介書』、『成績証明書《卒業見込証明書を含む》』)」とし、就職差別につながる恐れのある項目を含む「会社指定書類」《エントリーシート等を含む》、「戸籍謄(抄)本」、「住民票」等の提出を求めないこと。
- (2)男女雇用機会均等法及びその指針の趣旨に則った採用活動を行うこと。特に、総合職採用において女子学生への特段の配慮が行われること。
- (3)採用情報の提供に当たっては、求める人材の能力や資質を具体的に示し、公平・公正な公開を徹底するとともに、学校名、学部・学科、地域により就職情報(情報誌、ダイレクトメール等を含む)の提供や採用選考に差異を設けない等、就職の機会均等について一層の改善を図ること。
3.その他の事項について
- (1)卒業の際、未就職であったり、非正規雇用となった学生が、新たな就職先を求め、再チャレンジできるよう配慮していただきたいこと。
- (2)学生の職業観の育成や学習意欲の喚起を促す観点から、重要な意義を有するインターンシップについて、積極的に受け入れていただきたいこと。
ただし、インターンシップは、教育の一環として位置付けられた就業体験であり、採用選考と直結した受入れは本来の趣旨にそぐわないものであることに留意していただきたいこと。
(別添省略)