第98号 平成20年9月11日
初中教育ニュース
第98号
〔初等中等教育局教育課程課〕
文部科学省では、本年3月に公示された新学習指導要領の円滑な実施を図るため、平成21年度概算要求において「新学習指導要領の円滑な実施に向けた支援策」として対前年度471億円増の546億円を計上しました。
ここでは、「新学習指導要領の円滑な実施に向けた支援策」として概算要求に計上したそれぞれの事業の概要を紹介します。なお、これらの事業に関する詳細な資料は「新しい学習指導要領」ホームページに掲載していますので御覧ください。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm
(※新しい学習指導要領へリンク)
中学校における武道の必修化の完全実施(平成24年)に向け、以下のとおり必要な条件整備を図ります。
その他、新学習指導要領の円滑な実施のための以下の事業を実施します。
文部科学省では、概算要求に盛り込んだこれらの支援策を通じて新学習指導要領の円滑な実施が図られるよう、今後の予算編成に全力で取り組んでいきます。各自治体におかれましては、これらの要求を踏まえ、各地域・各学校において新学習指導要領の円滑な実施が図られるよう必要な教育条件の整備を行い、各地域・各学校の取組を支援していただきますようお願いします。
〔初等中等教育局教職員課教員免許企画室〕
シリーズ第9回となる今回のテーマは「更新講習を受講された後」です。
来年の4月から教員免許更新制がスタートし、免許状更新講習の受講義務がある現職教員の方は、それぞれの修了確認期限までに、30時間以上の免許状更新講習を受講・修了していただくこととなりますが、今回は、この免許状更新講習を受講・修了された、その後の手続の流れについて、ご説明します。
免許状更新講習を30時間以上受講・修了された場合、そのままでは、所持されている教員免許状が修了確認期限後も有効となるわけではありません。その後に、各自で必要な手続を行う必要があります。
この手続は、免許管理者である都道府県教育委員会に申請する必要があります。
この申請は、旧免許状所持の方の場合には、更新講習を受講・修了したことを免許管理者から確認を受けるための申請であり、「更新講習修了確認」申請というものです。
申請の期限としては、更新講習を受講・修了した後に、修了確認期限の2ヶ月前までに、免許管理者に対して申請を行う必要があります。
例えば、修了確認期限が平成23年3月31日の方の場合には、その2ヶ月前の平成23年1月31日までに、申請を行う必要があります。修了確認期限までに申請すればよいというわけではありませんのでご注意願います。
申請先の免許管理者についてですが、現職教員等の方の場合、勤務地の都道府県教育委員会(それ以外の方は、住所地の都道府県教育委員会)に申請することになります。
免許状の授与を受けた都道府県教育委員会が、現在の勤務地とは異なる場合でも、現在の勤務地がある都道府県教育委員会になります。
また、複数の都道府県教育委員会から授与された場合についても、同様に、勤務地のある都道府県教育委員会が免許管理者となります。
例えば、東京都内の小学校に勤務されている方で、小学校教諭免許状を千葉県教育委員会から授与され、また、養護教諭免許状を茨城県教育委員会から授与された場合、勤務地は東京都内ですので、免許管理者である東京都教育委員会に申請することになります。千葉県教育委員会や茨城県教育委員会に申請する必要はありませんし、申請することもできません。
申請にあたっての必要な書類としては、以下のようなものがあります。
なお、申請に際しての必要な書類については、実際の申請先である都道府県教育委員会にご確認いただくようお願いします。
都道府県教育委員会に申請を行い、都道府県教育委員会での更新手続が完了した際には、ご本人に対して、更新講習修了確認の証明がなされます。あわせて、免許状授与権者及び所轄庁にも通知されます。
次回は、「更新講習の受講のしかた」について、ご説明します。
(文部科学省の教員免許更新制に関するHPがリニューアルしました!!)
修了確認期限のご確認や教員免許更新制に関する情報が掲載されている、文部科学省HPのアドレスはこちらです。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/index.htm
(※教員免許更新制へリンク)
〔初等中等教育局教職員課教員免許企画室〕
今回は、南国鹿児島県にあります鹿児島大学で開催されました予備講習にお邪魔してまいりました。
鹿児島大学では、離島での予備講習として、種子島と奄美大島でそれぞれ実施しました。種子島では、西之表市にて3日間で必修領域の講習が12時間開設されており、私は、8月27日に行われた6時間分の講義を受講しました。
午前中は「子どもの発達に関する脳科学及び心理学等の最新知見」というテーマでの講義でした。グループ活動が随所に取り入れられており、周りの人とふれあいながら学ぶことができました。
講義の内容は、脳の発達や発達障害(LD、ADHD、アスペルガー症候群等)への支援のあり方、そしてカウンセリング技術について等、ロールプレイング等も交えた、中身の濃いものでした。この講習を受けて、クライアント(児童・生徒や保護者)が安心して話せる雰囲気作りのためには、耳を傾けて聞き、相手の感情や言葉を丁寧に受け止める姿勢が大事なのだと改めて感じました。
発達障害についての講義の中での「診断は医者の仕事。支援が教師の仕事」という言葉には考えさせられました。さまざまな発達障害の病名や呼称が広く認知されるようになってきましたが、単純に分類したり断定したりするのではなく、教師はその子どもがどんな支援を必要としているのか、周りはどんな配慮をしなくてはいけないのかを考える必要があると考えました。
午後は、「教育改革の動向と教育課程」というテーマでの講義でした。昨今の教育界の大きな動きを『第3の教育改革』と捉え、そこから現代の国内で、そして国際社会で求められている能力のまとめをしました。PISAの順位に関しては「順位だけを見たのでは、一概に学力が下がったとは言い切れない。ただ、無解答率が増加したという傾向については、検討する必要がある」という言葉が印象的でした。
教育関係法規については、主に教育基本法と学校教育法の改正の説明に重点が置かれていました。その他に実務的な法改正もたくさん行われていますが、目標や理念について、より具体的に明示された教育基本法と学校教育法の改正点を学習することが、まず大切なのだろうと感じました。
現場にいると、法律について学ぶ機会はなかなか得られません。この更新講習によって、これらの法律のうえに公教育が成り立っているということや、その存在・意義に目を向けることができるのではないでしょうか。制度や法律、指導要領などの講義は難しいと思いがちですが、講師の方は適宜質問を受けたり、受講生の机間に入って問いかけたり語りかけたりと、工夫されていました。
履修認定試験は、午前・午後ともそれぞれ講義終了後に30分ずつ実施されました。午前中は、問題行動の目立つ児童に対してどのようなケアが必要か、という論述問題。自分が学級担任だったら、教科担任だったらとあれこれ想定して、できること・やるべきことを一気に書きあげました。午後の試験は「指導要領の改訂について」というテーマでの論述問題。実践経験に即した文章は書きやすいですが、法律や制度についてまとめるのは、なかなか難しいものです。幸いにして、どちらの試験も資料や自筆のノートを持ち込んでよいとのことだったので、それらを見ながら、出題に沿ってどうにかまとめました。どちらも20分ぐらいかかりました。
講師の方の話によると、資料の持ち込みを許可する理由は、「学んだ事柄を暗記できたかどうかではなくどれだけ応用でき、実践に反映できるかを問いたいから」とのことでした。得た知識や技能を、生活や行動に活かす…新学習指導要領の求める「生きる力」と同じ理念で試験が行われていました。
鹿児島大学は、来年度も、積極的に更新講習を実施していきたいと考えているそうです。今年の予備講習でのさまざまな実践や工夫を活かして、来年度以降の制度実施ではさらに充実した講習が開設されることを望みます。
次回は、北海道稚内市で、8月30~31日に開催されました予備講習の様子についてご報告いたします。
(文部科学省の教員免許更新制に関するHPがリニューアルしました!!)
修了確認期限のご確認や教員免許更新制に関する情報が掲載されている、文部科学省HPのアドレスはこちらです。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/index.htm
(※教員免許更新制へリンク)
〔生涯学習政策局生涯学習推進課〕
「放課後子ども教室推進事業」は、放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、子どもが安全・安心な場所で学習や体験活動・交流活動の取組を実施するものです。
シリーズ第7回として、滋賀県大津市での取組をご紹介します。
放課後子ども教室の取り組みについて
滋賀県大津市立比叡平小学校長 伊東 豊
比叡平小学校は比叡山の中腹に開かれた住宅地の中にある小学校です。平成17年度より地域子ども教室開設のための実行委員会が組織され、平成17年7月に地域子ども教室がスタートしました。平成19年4月からは、放課後子ども教室として実施していただいています。指導員や安全管理員には地域の各種団体のメンバーや趣旨に賛同する地域のボランティア約15名が現在交代であたってくださっています。事務局は公民館の生涯学習専門員が担当しておられます。
子どもたちがのびのびと活動できるように、また、親しみを持って参加してくれるようにとの願いを込め、教室名を「ワンダーランド」と名づけられました。活動は毎週1回14時~17時とし、全校児童を対象に学校の余裕教室や運動場、体育館で活動しています。参加できない児童がないように開催曜日が特定の曜日に偏らない工夫もされています。活動内容は、織物遊び、囲碁・将棋、オセロ、カロム、卓球、バドミントン、けん玉など多くのメニューが用意されており、放課後になると低学年から順次集まって活動しています。保護者の承諾書がないと参加できない登録制になっており、随時受け付けています。登録制は、安全面での配慮です。
「ワンダーランド」がスタートし、地域の方が学校に足を運んでいただくようになってよかったと思うことがいくつかあります。
一つ目は、これまで以上に地域の方と学校との距離が近くなったことです。
二つ目は、地域の方と顔見知りになることで、地域の中でも子どもたちがしっかり挨拶ができるようになり、社会のルールもこれまで以上に守れるように育っていることです。
三つ目は、子どもも大人も互いに元気をもらっていることです。
「ワンダーランド」は自由遊びを基本に運営されていますが、みんなで遊ぶ場の設定も思いやりや協調性の育成の視点から大切ではないかとの反省もあります。課題をクリアーしながら一歩一歩前へ進む「ワンダーランド」になることを願っています。
「放課後子ども教室」の情報は、以下の「放課後子どもプラン」のホームページをご覧ください。
http://www.houkago-plan.go.jp
〔高等教育局専門教育課教員養成企画室〕
この度、文部科学省Webサイトに、教職大学院のページを開設しました。教職大学院は、より高度な専門性と豊かな人間性・社会性を備えた力量ある教員を養成するため、教員養成に特化した専門職大学院として、平成20年度から全国に19校(国立15校、私立4校)が開設されています。
入学者としては、
学部からの進学者、
現職教員、が対象とされています。当Webサイトでは、制度の概要や開設校の情報等、教職大学院全般について情報発信をしていきたいと思いますので、ご活用下さい。
〔生涯学習政策局調査企画課外国調査係〕
文部科学省は,平成20年8月31日に,『諸外国の教育動向2007年度版』(教育調査第138集)を公表しました。本書は,アメリカ合衆国,イギリス,フランス,ドイツ,中国,韓国及びその他の各国の教育事情について,教育政策・行財政,生涯学習,初等中等教育,高等教育,教員及びその他の各ジャンル別に2007年の主な動向をまとめたものです。同教育調査は,従来の『諸外国の教育の動き』(1999~2006年)の名称,レイアウト等を一部変更したものです。本書は,明石書店より税込3,990円(本体3,800円)で出版されています。詳しくは,ホームページをご覧下さい。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/08082703.htm
(※出版物案内(その他の出版物)へリンク)
[生涯学習政策局調査企画課]
この度,標記調査の結果の一部を中間報告として取りまとめましたので,お知らせいたします。
なお,調査結果の主な特徴点は,以下のとおりです。
なお,本調査の結果は文部科学省ホームページに掲載しておりますので,ご参照下さい。
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/index02.htm
(※学校教員統計調査(指定統計第62号)へリンク)
〔生涯学習政策局参事官(学習情報政策担当)付〕
文部科学省では、映画その他の映像作品及び紙芝居について、教育上価値が高く、学校教育又は社会教育に広く利用されることが適当と認められるものを選定し、あわせて教育に利用される映像作品等の質的向上に寄与するために、教育映像等審査規程(昭和29年文部省令第22号)に基づいて映像作品等の審査を行っています。
7月の文部科学省選定作品等(学校教育教材)の紹介
〔国土交通省 都市・地域整備局 公園緑地・景観課 景観・歴史文化環境整備室〕
国土交通省が作成した「景観まちづくり学習」モデルプログラムを実施する小・中学校に対し、財団法人都市文化振興財団より10万円が助成される「景観まちづくり学習支援助成事業」の助成対象校11校が、同事業審査会(東京学芸大学名誉教授 小澤紀美子委員長)の審査を経て、下記のとおり決定いたしました。
なお、平成21年度の募集は、平成21年1月から2月の間に行う予定です。詳細は景観まちづくり学習支援助成事業のホームページをご覧ください。
また、「景観まちづくり学習」モデルプログラムについては、景観まちづくり教育ホームページをご覧ください。
問い合わせ先:財団法人都市文化振興財団 西本 電話 03-3299-8861
文部科学行政の“今”が読みやすく分かる、総合政策マガジン!
<<9月号の特集>>http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/jihou/011001.htm
(※出版物案内へリンク)
小学校教育・幼稚園教育の情報満載の月刊誌「初等教育資料」(文部科学省教育課程課編集)9月号が8月25日に発売されました。ただ今絶賛発売中です。
特集テーマ 「生きる力」をはぐくむ教育の新たな展開
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/main_b7.htm
(※出版物案内へリンク)
生涯学習行政担当者必携 実務に必要な情報満載
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/chiiki/chiiki/08020402/001.pdf(PDF:123KB)
(※地域づくり支援室についてへリンク)
拝啓 民秋史也社長様
先日は、広島県で開催された平成20年度の市町村教育委員会研究協議会のパネルディスカッションにご参加いただきありがとうございました。
株式会社モルテンは、オリンピックのバスケットボールでは7大会連続で公式試合球として採用されるなど国際的に活躍されている企業ですが、そういう会社の経営者の方からご覧になって、学校のマネジメントはいかにあるべきかご意見をいただくことを私自身とても楽しみにしておりました。
予想どおり、パネルでの社長からのご指摘は、とても刺激的なものでした。
「モンスター・ペアレンツなどという言葉はおかしい。顧客の注文にはすべて真摯に対応すべき。教育的に適当でないのであればそれは正面から説得すべきである。」、「工場の騒音に対して近所からクレームが来たら当社では総務部門が対応する。開発部門には対応させない。学校現場への苦情に対応するサービスをするのが教育委員会の役割ではないか。先生方には読み書きそろばんをしっかりと教えてもらうべきである。」、「教育委員に依頼するときに権限と責任を明確にして具体的なミッションを与えているのか。なんとなく名誉職でお願いしますということでは責任ある仕事は期待できない。」「学校の先生も熱心な先生とそうでない先生に分かれているように見える。先生は通常のサラリーマンと同じではない。子どもが高熱を出したときに、深夜だから診察しないなどという小児科の先生は相手にされない。職業としての宿命があるのだ。」などなど、貴重なご意見を数多くいただきました。
かつて広島県の教育委員を2期務められていましたし、会社でも人材を育てることを重視して実践を行っておられるので、とても説得力のあるお話の数々でした。
自分は、会社の中で、適切な仕事を探してきて社員にその仕事を差し上げるという気持ちで社長としての仕事をしているのだ、という言葉には本当に敬服いたしました。
一緒にパネルに参加していただいた、千葉大学の天笠教授、広島県PTA連合会の高橋会長、東広島市の木村教育長も、はじめは、民秋社長の迫力に押され気味でしたが、全体を通してみるとそれぞれのお立場で、意見を主張され反論されていました。
教育委員会と学校との関係、教育委員会の中での合議制教育委員会と事務局との関係。学校教育を取り巻く課題が多様化・複雑化する中で、教育三法の改正の一環として地方教育行政の組織及び運営に関する法律も改正されました。教職員の人事を含めて事務局任せにせずに合議制教育委員会がしっかりと審議することとなりましたが、法改正がなされればそれで終わりとは思っておりません。各教育委員会での実践を共有し、合議制教育委員会で実際どのように審議を実質化していくか、深めていかなければならないと考えています。また、教育委員会と学校との関係についても、多数の学校を設置する大きな市の教育委員会では、どうしてもマネジメントが学校任せになる傾向があります。しかし、中には教育委員会に学校問題解決支援チームをつくって、法律家や警察官OBなどの参加も得て学校をサポートする動きも出てきています。こういう動きを全国にも広げていくことが必要かと考えています。
西日本ブロックから約500名の市町村の教育委員の皆さんにご参加いただきましたが、皆さん議論の内容に満足して帰っていただけのではないかと思います。
今後とも、教育行政に対するご指導、ご支援、叱咤激励よろしくお願い申し上げます。
敬具
〔初等中等教育局 初等中等教育企画課長 常磐 豊〕
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