初中教育ニュース
第96号
〔初等中等教育局教職員課教員免許企画室〕
シリーズ第8回となる今回のテーマは「受講義務と受講免除との関係」です。
「受講義務」については第3回で、「受講免除」については第5回で触れさせていただきましたが、今回は「受講義務」と「受講免除」との両者の関係について、ご説明したいと思います。
「受講義務」と「受講免除」との関係でご確認いただきたい主な点としては、次のようなことがあげられます。
まず、1点目の『「受講義務者」の対象の方は「受講免除」の場合がある。』という点です。
「受講免除」の対象の方は、
とされています。
これらの方々は、「受講義務者」であると同時に、「受講免除」される可能性もあります。
つまり、まずは、「受講義務」があり、その上で「受講免除」ができる方々ということになっています。
次に2点目の『「受講義務」がなければ「受講免除」ができない。』という点です。
「受講義務」がない方は、「受講免除」する対象(義務)が存在しないということです。「受講義務」があるからこそ、「受講免除」も可能ということです。
そこで、最近、いろいろと誤解が多い点として、今年度実施されている「予備講習」に関連した点です。
この「予備講習」は、来年4月からの本格実施を前にして、各大学等が試行的に実施している講習のことです。「予備講習」については、第4回でふれさせていただきましたが、「予備講習」を履修することによって、履修時間に応じて、更新講習の受講が免除されることとなっています。
「予備講習」を受講することで、更新講習の「受講義務」のある方、「受講義務」はないが更新講習を「受講できる」方、いずれも教員免許状を更新できるではないか、と思われがちですが、「受講免除」により更新講習修了確認を受けたものと扱われるのは、「受講義務」のある方に限られます。更新講習受講免除の認定の申請を行う時点で、受講義務者でないと、免除認定ができません。
例えば、今年の夏に「予備講習」を履修された小学校の教諭の方が、来年4月以降の申請期間になった際に、現職教員(教諭や非常勤講師など)の職にあれば「受講義務者」ですので、「受講免除」を行うことができますが、現職教員でない場合には、「受講義務者」ではないため、「受講免除」の認定の申請をしても、「受講免除」がされません。ただし、修了確認期限までに、小学校の教諭や非常勤講師など現職教員に復帰されれば、その時点で、受講義務者になりますので、その際には「受講免除」の認定の申請を行えば、「免除」することは可能です。
また、更新講習の受講義務はないけれど、更新講習を受講することは可能な方(例えば、実習助手、寄宿舎指導員、認定子ども園の保育士など)が、予備講習を履修されても、「受講義務」がありませんので、「受講免除」されません。
最後に『「受講免除」の対象の方でも何もしなければ免許状は失効してしまう。』という点です。
校長先生や指導主事の方にお会いした際に、たまにですが、「私は免除対象者だから何もしなくてもいいですよね!」とおっしゃる方にお目にかかることがあります。
誤解のないように確認させていただきますが、「免除対象者」であっても、何もせずに修了確認期限を経過してしまった場合、お持ちになっている免許状は失効してしまいます。
これは、「免除対象者」である前に、「受講義務者」でもあるからです。
そのため、更新講習受講期間(修了確認期限の2年2月前から2月前までの期間)になった際には、必ず、免許管理者(都道府県教育委員会)に更新講習受講免除の認定の申請を行い、免許管理者から免除の認定を受けるようにしてください。
繰り返しますが、この手続きをしない場合には、免許状は失効してしまいます。くれぐれもご注意願います。
以上のとおり、ご説明させていただきました点について、とても複雑となっておりますが、「受講義務」と「受講免除」との関係について、今一度、ご確認いただければと思います。
次回は、「更新講習を受講された後」について、ご説明します。
修了確認期限のご確認や教員免許更新制に関する情報が掲載されている、文部科学省HPのアドレスはこちらです。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/index.htm
(※教員免許更新制へリンク)
〔生涯学習政策局生涯学習推進課〕
「放課後子ども教室推進事業」は、放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、子どもが安全・安心な場所で学習や体験活動・交流活動の取組を実施するものです。
シリーズ第6回として、群馬県吉井町での取組をご紹介します。
遊び場クラブ(放課後子ども教室)
群馬県吉井町立岩平小学校長 宮下 秀幸
岩平小遊び場クラブは、「児童に安全な遊び場を確保し、健全な遊びを与えて、余暇の時間を有意義に過ごせるようにする」ことが目的です。
本校区は周囲を山に囲まれ、通学範囲も広く、路線バスを利用する児童も少なくありません。また、校門前の道路は朝夕通勤、通学等の車で交通量がとても多い地域です。このようなことを背景に「子どもたちを安心して友達や兄弟姉妹と遊ばせたい」という強い願いにより、岩平小PTA役員を中心に平成19年5月に保護者及びボランティア16名、児童59名で「岩平小遊び場クラブ」が誕生しました。毎週月曜日と金曜日の放課後、校庭を中心に竹とんぼ飛ばしやサッカーなどをしたり、雨の日は体育館でのお手玉作りや図書室での読書などをしたりと、季節や天候により様々な活動を行っています。
発足当初は、校庭東でシートを敷いて活動していましたが、町教育委員会生涯学習課の配慮により事務所としてプレハブを設置していただきました。本年度は、ボランティア29名、児童70名でスタートし、子どもたちのよい活動の場となっています。
遊び場クラブが始まって良かった点は、以下の通りです。
以上の通りですが、これまで、友だちの家が遠く、帰宅後室内で過ごすことが多かった子どもたちが、大人が見守っている校庭で、安心して活動し、豊かな社会性や情緒が育まれている姿は、家庭・地域・学校の新しい連携の形だと思います。
「放課後子ども教室」の情報は、以下の「放課後子どもプラン」のホームページをご覧ください。
http://www.houkago-plan.go.jp/
(※放課後子どもプランホームページへリンク)
〔初等中等教育局特別支援教育課〕
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所では、本年4月に、発達障害のある子どもたちの教育の推進・充実に向けて、発達障害教育情報センターを設置しました。
本センターでは、発達障害に関わる教員及び保護者をはじめとする関係者への支援を図り、さらに広く国民の理解を得るために、各種情報提供や理解啓発、調査研究活動を行うことを目的としています。
去る8月27日に、各種情報を一括して提供するWebサイトの運営を開始いたしました。
当Webサイトでは、発達障害に関する最新情報や教員研修用講座、教材教具・支援機器、各種研究会・研修会等の情報を配信しています。
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所のホームページから閲覧できますので、ぜひご利用ください。
今度とも、都道府県・市町村教育委員会や大学等の研究機関、保護者団体、NPOなどの関係機関及び厚生労働省の発達障害情報センターとも連携を図りながら、情報提供の充実に努めてまいります。
〔文教施設企画部施設企画課防災推進室〕
文部科学省では、国立学校法人、地方公共団体及び学校法人の学校施設担当者、学校施設を計画・設計する実務者などを対象に、耐震化に関する技術的質問や補助制度についての質問などにお答えする相談窓口を設置していますので、ご活用下さい。
『学校施設の耐震化推進に関する相談窓口』
http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/bousai/taishin/03061201/004.htm
(※防災への取組へリンク)
〔文教施設企画部施設企画課〕
これまで文部科学省は、環境への負荷の低減や環境教育に役立てるため、公立学校を対象にパイロット・モデル事業を実施するなど、エコスクールの整備充実を推進してきました。
しかしながら、地球温暖化対策の強化など我が国の環境対策の推進のためには、全ての学校において環境を考慮した施設づくりを目指す必要があります。
このため、文部科学省では、平成19年8月から「学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議」において、環境を考慮した学校施設づくりについて検討し、平成20年6月に中間報告「環境を考慮した学校施設(エコスクール)の今後の推進方策について」が取りまとめられました。
本中間報告は、学校施設のエネルギー消費実態及び学校施設を取り巻く状況の変化を踏まえ、環境を考慮した学校施設づくりを推進していくための課題や基本的な考え方等を示しています。
学校や設置者においては、これらを参考に環境を考慮した学校施設づくりの取組を一層推進していただくことを期待するものです。
文部科学省では、今後、本中間報告に関する各方面からの御意見をいただいた上で、国の推進方策や学校設置者の役割等について更に検討を深め、本年度末に最終報告を取りまとめる予定です。
<中間報告の概要・本文については文部科学省のホームページで閲覧できます>
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/07/08072807.htm
(※報道発表へリンク)
〔生涯学習政策局調査企画課〕
文部科学省では、学校に関する基本的事項を明らかにすることを目的として毎年実施している、学校基本調査の平成20年度の速報を公表しました。
調査結果の主な概要は以下のとおりです。
詳しくはホームページをご覧ください。
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/08072901/index.htm
(※平成20年度学校基本調査速報へリンク)
〔生涯学習政策局参事官(学習情報政策担当)付〕
文部科学省では、映画その他の映像作品及び紙芝居について、教育上価値が高く、学校教育又は社会教育に広く利用されることが適当と認められるものを選定し、あわせて教育に利用される映像作品等の質的向上に寄与するために、教育映像等審査規程(昭和29年文部省令第22号)に基づいて映像作品等の審査を行っています。
6月の文部科学省選定作品等(学校教育教材)の紹介
文部科学行政の“今”が読みやすく分かる、総合政策マガジン!
8月号では>> ●特集:6月に改正された学校保健安全法、学校給食法のポイントを詳しく解説します。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/jihou/011001.htm
(※出版物案内へリンク)
中学校・高等学校の学校づくり・授業づくりに役立つ情報が満載の月刊誌「中等教育資料」(文部科学省教育課程課編集)9月号が9月1日に発売されます。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/main_b7.htm
(※出版物案内へリンク)
生涯学習行政担当者必携 実務に必要な情報満載
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/chiiki/chiiki/08020402/001.pdf(PDF:123KB)
(※地域づくり支援室についてへリンク)
7月の人事異動で、初等中等教育局担当の大臣官房審議官を拝命した徳久です。今後ともよろしくお願いします。最近のトピックで思ったことを綴ってみました。
4年に一度のスポーツの祭典である北京オリンピックが事前の不安材料の予想を覆し、大過なく成功裏に終了した。中国にとって国の威信をかけた国際式典、ある意味で中国の国力を世界に知らしめる貴重な機会となったと思う。
日本も、メダル獲得の期待の高まりの中で、各選手が連日連夜奮闘し、金メダル9個、銀メダル6個、銅メダル10個、合計25個のメダルを獲得した。当初の目標には達しないものの、過去最多だった前回のアテネオリンピックの37個には及ばないが、昭和63年・1988年のソウルオリンピック以降で2番目、歴代でも5位タイという好成績を収めた。
欧米でのオリンピック開催の場合は時差との関係で、ライヴ映像で優勝の瞬間を見ることは難しいが、今回は時差1時間、テレビ放映上の都合で試合は夜行われることも多く、皆様方も夜テレビでライヴ観戦し応援されていた方も少なくないと思う。とことん頑張り抜き自らの目標を達成された方、心ならずも不本意な成績に終わった方、次のロンドンオリンピックに再度挑戦される方、今季限りで引退される方、各選手様々であろうが、いずれももてる力を最大限発揮し、世界の並み居る強豪たちと最高レベルの戦いを行ってくれたと思う。本当にお疲れ様でした。また、夢と感動を与えていただいてありがとうございました。
これらのトップアスリートの中に、天才肌の力・才能をもった選手と言われる人がいる。通常の選手では真似できないような技のキレや勝負強さなどを持ち合わせた選手のことだ。類まれなる素晴らしい才能への賞賛の辞であろう。しかしここで忘れられがちなのは、その才能が親譲りだけの才能、本人の努力なくある日突然に身についた才能ではないということだ。そのようになるまでに、その影でいかに本人の人一倍の努力があったことか。確かに、尋常人と比べ才能の素地はあるのだろう。しかしそれを超一流のものとして開花させるために来る日も来る日も練習に明け暮れ、その末に神の技の体得に至ったのだ。
例えば、今回金メダルに輝いた日本女子ソフトボールのエース上野投手は、御承知のように、最後の2日間3試合をすべて一人で投げ抜いた。合計28イニング球数413球。彼女の投げる直球は世界最速で、周りの選手から見ると「才能だ」と評価されている。しかし、彼女はそう言われるのを一番嫌うそうだ。小学校時代から、また大人になった今も人一倍練習をしてきた。「才能なんかじゃない。それだけの練習をしているから勝てる。世界一になりたければ世界一の練習をするしかない。」と彼女は言う。そして練習練習の末言葉どおり世界一になったのだ。
このことは教育の世界にも当てはまるだろう。天才と言われた人で一部の例外はあるかも知れないが、本人の勉学への意欲と努力なくして大成はまずない。勉学は、自ら管理しうる限りある時間の一部を、他に優先して振り向けないといけないし、集中力や持続力、忍耐力も必要とする。個人差はあるにせよ一定の勉学の時間なくしては学力の伸長は期待できない。
文部科学省の実施する全国学力・学習状況調査の結果によれば、中学3年生で、学校の授業時間以外での1日の勉強時間が30分未満の生徒の割合は、平日で18パーセント、休日では37パーセントにのぼる。当然のことながら、勉強時間が長い生徒のほうが正答率が高いというデータが出ている。より多く努力した者に学力は備わるのである。
楽しいことばかりしていて、要領よく点数を稼ごうとしても所詮難しい。何か、勉強に多く時間を割くことがカッコ悪い、努力しないでいい目を見たいというゆがんだ価値観がありはしないか。もちろんその前提として、学ぶことの意義付けができていないといけないし、ひいては努力したことが確実に報われる社会構造でなければならないのは言うまでもない。
また、学力の要素について言えば、一定の基礎的・基本的な知識・技能を身に付け、それらを活用し思考力・判断力・表現力により課題を解決していくので、知識・技能の習得の素地なくして、深遠なる思考、的確な判断、豊かな表現は期待できないだろう。
現行の学習指導要領で「生きる力」の理念を標榜しながら、それを実現するための具体的手立てが十分でなかったとの反省の基に、今般新しい学習指導要領の改定を行った訳である。その反省点の一つとして、ともすれば知識・技能の習得を過小評価しそれが不十分な状況下でも、総合的な学習の時間での課題解決的な学習を過大視し過ぎたのではないか。要は、それらのバランスである。したがって今回、基礎的・基本的な知識・技能の習得にも時間をより費やすことができるように、国語、社会、算数・数学、理科、外国語、(保健)体育の授業時間数も増加させた。そのなかで確かな学力を定着させる学習指導が充実されることが期待される。
〔大臣官房審議官(初等中等教育局担当)
久 治彦〕
発行元 文部科学省初等中等教育局内
「初中教育ニュース」編集部
電話:03-5253-4111(代表)(内線2007)