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別添

学校における転落事故防止の留意点

1.安全対策の基本的な考え方

ソフト面とハード面一体となった取組

  • 学校における転落事故防止のための安全対策は、安全管理・指導に関するソフト面での取組と学校施設に関するハード面での取組を、一体的かつ計画的に、教職員のみならず学校関係者が相互に連携し、実施することが重要である。

事故情報の共有

  • 安全面の課題を明確化するため、全国の学校等における転落事故情報を適切に把握し、個別の安全対策を進めることが重要である。

学校の現状把握

  • 学校環境を学習及び生活の場として安全に維持するために、各学校の施設設備やその管理・運用の状況について、教職員、設置者及び設計者等関係者の共通理解を継続的に図っていくことが重要である。
  • 法令に基づき、教職員及び専門家等による多面的な安全点検を行い、適切な維持管理及び補修等を行うことが重要である。その際、児童生徒等及び保護者が参画することは、多様な視点で安全点検を行う上で有効である。

安全指導の充実

  • フェンスがない屋上や天窓が設置されている場所など、転落の危険がある場所については、出入口の施錠や立入禁止の指導を行うなど、適切な対策を講じることが重要である。
  • 窓や手すりのあるバルコニーなど、適切に行動すれば転落事故が通常発生しない場所についても、転落につながる行動を防止するために、児童生徒等への継続的な安全指導を行うことが重要である。
  • 教職員同士の連携を密にし、安全指導に関して共通理解を徹底するとともに、保護者等の協力も得ながら、児童生徒等が自ら安全に行動することができる資質能力をはぐくむことが重要である。

施設面の配慮

  • 児童生徒等の目線に立ち、児童生徒等の多様な行動に対し十分な安全性を備えた教育環境を形成することが重要である。
  • 安全対策を講じるに当たっては、デザイン面での配慮や教育環境としての本来の機能とのバランス等が重要である。

2.安全対策上の具体的な留意事項

【共通事項】

事故情報の共有

  • 独立行政法人日本スポーツ振興センターの提供する事故情報の活用や、教職員及び設置者等の連携により、全国の学校等における事故事例に関する情報を適切に把握し、各学校における安全対策を講じることが重要である。

学校の現状把握

  • 教職員が各学校において点検が必要な項目を認識した上で、学校保健(安全)法に基づき、日常的に安全点検を行うことが重要である。その際、児童生徒等や保護者等の目線を含めた多面的な安全点検が行われるよう工夫をすることが有効である。特に、改修等により施設の状況に変化が生じた場合には、改めて安全点検を行うことが重要である。
  • 建築基準法に基づき、施設について専門的な知見のある者による定期的な安全点検を適切に行うことが重要である。
  • 経年劣化の進行等により安全性が低下している場合は、速やかに補修等適切な対応を行うことが重要である。
  • 設計意図、点検結果、補修・改修履歴等の学校施設の安全管理に関する情報を、設置者及び教職員が専門家の協力を得るなどして文書等により継続的かつ確実に共有することが重要である。
  • 通常の経路からは立ち入れない場所において、柵を乗り越える、樋を伝うなどにより危険箇所に移動することが想定される場合には、安全指導の徹底を図ることや施設面での対策を講じることが重要である。

安全指導の充実

  • 死亡や障害につながる可能性が強い転落事故の特性について児童生徒等に十分に認識させるとともに、転落事故が想定される場所への立ち入りの禁止や、窓の清掃時などにおいて転落しないよう細心の注意を払うことなど、保護者等の協力も得ながら指導することが重要である。その際、指導を行っても、なお、児童生徒等は転落につながる行動をとったり、転落事故の危険がある場所へ立ち入ったりする可能性があることから、継続的に指導を行うことが重要である。
  • 学校内の危険箇所を児童生徒等に認識させ、自律的に判断して安全に行動することができる資質能力をはぐくむためには、具体的で分かりやすい指導を行うことが重要である。例えば、児童生徒等と教職員が一緒になり校内安全マップを作成することなども有効である。
  • 児童生徒等が通常使用しないような場所で活動する場合において、児童生徒等の行動によっては転落の危険性があるときには、事前に点検を実施し、必要な措置を講じた上で、教職員が同席し適切に指導することが重要である。また、活動に当たって、例えば、活動前に想定される危険について児童生徒等に指摘させる、転倒しやすい履物を避けるなどの安全確保のための指導を行うことが重要である。
  • 教職員は、相互の連携を密にし、必要に応じてボランティア等の協力を得て、事故が発生しやすい休憩時間中や放課後において定期的な巡回等を行うなど、安全管理の徹底を図ることが重要である。

施設面の配慮

  • 転落の危険がある場所については、一見して危険であることを理解しやすいデザインや、具体的で分かりやすい効果的な表示等による注意喚起など、各部について、細部に至るまで十分な安全性を確保した計画・設計とすることが重要である。また、既存施設についても、点検を適切に行い必要に応じ速やかに改善することが重要である。

【個別事項】

天窓(トップライト)

  • 人が乗ることを想定していない天窓については、転落の危険性について児童生徒等に十分理解させ、絶対に乗ることのないよう周知徹底することが重要である。
  • 児童生徒等の近づく可能性のある場所に設置された天窓は、天窓の構造や設置状況等を把握した上で、周囲に防護柵を設置することや内側に落下防護ネットを設置すること等、安全な構造とすることが重要である。また、天窓の周辺に植栽を配置するなど、天窓に近づきにくい状況を作ることも有効である。
  • 通常、児童生徒等が近づく可能性の低い場所に設置された天窓についても、児童生徒等の多様な行動を踏まえ、適切な安全対策を講じることが重要である。

屋上

  • 屋上への出入口は、必要に応じ施錠することが重要である。
  • 行われる活動内容・活動形態を踏まえつつ、児童生徒等の多様な行動に対し、十分な安全性を有する手すり、防護フェンス等を設けることが重要である。
  • 塔屋等のタラップについては、児童生徒等が容易に登ることのないよう、一段目が高く設定されていることを確認するなどの配慮が重要である。その際、必要に応じ、タラップを覆い施錠する等の対策も有効である。

窓(転落のおそれがあるもの)

  • 腰壁の高さや窓の形状等について確認し、必要に応じ、窓面への手すりの設置や窓の開閉方式等について検討を行うことが重要である。
  • 窓から身を乗り出すことや窓枠に乗ること等による転落の危険性について、児童生徒等に十分に理解させることが重要である。
  • 窓下には足掛りとなるものを設置しないことが重要である。
  • 転落防止用手すりの設置に当たっては、手すりから身を乗り出すことや手すりの上に乗ること等による転落の危険性について、児童生徒等に十分に理解させ、新たな危険箇所とならないようにすることが重要である。
  • 暗幕など窓の開閉状態が判別できないものを使用する場合には、窓の開閉状態を確認した上で、適切な配慮を行うよう指導することが重要である。

庇(ひさし)

  • 児童生徒等の近づく可能性のある場所に庇が設置されている場合は、日頃の指導や効果的な表示により立ち入り禁止の徹底を図るとともに、児童生徒等の庇への進入防止のために、必要に応じ、窓面への手すりの設置や窓の開閉方式等について検討を行うことが重要である。

バルコニー等

  • バルコニー、階段、吹抜け、外廊下等の手すりについては、十分な安全性を有するものとし、その下に足掛りとなるものを設置しないことが重要である。また、手すりから身を乗り出すことや手すりの上に乗ること等による転落の危険性について、児童生徒等に十分理解させることが重要である。

その他

  • 本来、人が乗ることを想定していない、渡り廊下や駐輪場の屋根、天井裏等についても、乗ることにより破損して重大な事故につながることを、児童生徒等に十分理解させることが重要である。