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国際化学オリンピック参加生徒の成績について

平成20年7月21日

文部科学省
「夢・化学-21」委員会
日本化学会化学教育協議会

 文部科学省では、独立行政法人科学技術振興機構を通じて、国際的な科学技術コンテストに参加する若者を支援する事業を実施しておりますが、このたび、ブダペスト(ハンガリー)で開催された「第40回国際化学オリンピック」に参加した生徒が、銅メダルを獲得したとの連絡を受けましたので、報告いたします。

1.受賞状況

銅メダル4名

2.参加者

4名の高校生(日本からは6回目の参加)

3.受賞者詳細

銅メダル 東 星一(あずま せいいち)さん 灘高等学校(兵庫県)3年
銅メダル 小澤 直也(おざわ なおや)さん 駒場東邦高等学校(東京都)2年
銅メダル 鈴木 裕太(すずき ゆうた)さん 宮城県仙台第二高等学校(宮城県)3年
銅メダル 福井 識人(ふくい のりひと)さん 灘高等学校(兵庫県)3年

4.参加国数/人数

66カ国・地域/257名

5.場所/期間

ブダペスト(ハンガリー)/平成20年7月12日〜21日(現地時間)

6.派遣機関

「夢・化学-21」委員会、日本化学会化学教育協議会


参考資料

◆日本代表団の日程

7月11日(金曜日) 東京発−ブダぺスト着
7月12日(土曜日) 参加登録
7月13日(日曜日) 開会式
7月14日(月曜日) エクスカーション
7月15日(火曜日) 実験問題試験
7月16日(水曜日) エクスカーション
7月17日(木曜日) 筆記問題試験
7月18日(金曜日) エクスカーション
7月19日(土曜日) エクスカーション
7月20日(日曜日) 閉会式
7月21日(月曜日) ブダぺスト発—東京着(22日午前)
7月22日(火曜日) 文部科学省・経済産業省等へ帰国報告

  • エクスカーションでは、遠足などのイベントやハンガリー文化体験などが行われます。

◆日本代表の出身地

東 星一(あずま せいいち) 岐阜県本巣市
小澤 直也(おざわ なおや) 神奈川県横浜市
鈴木 裕太(すずき ゆうた) 宮城県仙台市
福井 識人(ふくい のりひと) 大阪府貝塚市

◆派遣選手及び同行役員のコメント

派遣選手のコメント

東 星一さん/灘高等学校3年生(兵庫県)
 とりあえず、今は、全部終わってほっとしています。試験は思った以上に難しかったので、メダルがとれて本当にうれしいです。実験は点数が悪かったけど、筆記は実力を出せたと思ってます。ブダペストに来て、いろいろ、日本と違うことを感じることができ、貴重な経験ができたことを感謝しています。

小澤 直也さん/駒場東邦高等学校2年生(東京都)
 試験は予想以上に難しかったのですが、メダルがとれてよかったです。ただ、少し悔しい思いもしています。僕は2年生なので、来年もぜひ、参加できるようにこれからまた頑張りたいと思います。海外の高校生は英語がとても流暢で、僕らも化学だけでなく英語も勉強が必要だと感じました。

鈴木 裕太さん/宮城県仙台第二高等学校3年生(宮城県)
 日本はこれまでずっとメダルをとってきたというプレッシャーがあったのですが、メダルがとれて今はほっとしています。代表に選ばれたとき、日本で選らばれる人は銅メダルは確実と言っている人がいましたが、世界のレベルは非常に高いことを実感しました。

福井 識人さん/灘高等学校3年生(兵庫県)
 銅メダルがとれてとてもうれしいです。汚点を残さずにこれてよかったです。日本は実験があまり得意でないと聞いていたのですが、やはり実験は思った以上に難しかったです。実験の練習が必要だと痛感しました。

同行役員のコメント

木原 伸浩/神奈川大学理学部教授
 日本の高校の化学のレベルをはるかに超えた問題に取り組んで、立派な成績を挙げた生徒たちにまずおめでとうと言いたいと思います。今後、このオリンピックを目指して、学校の化学に飽き足らない多くの高校生が、どんどんより高度な化学に挑戦していくことを期待します。しかしこのオリンピックで本当に良い成績を上げるには、有効数字を考えながら単位を忘れずに計算すること、数字に対応する現実をイメージすること、正確にしかも大胆な実験操作を行なうこと、先入観を排して実験結果を眺めること、現実に起こる可能性を十分に吟味すること、など、化学に限らず科学の基本的素養を身にしみこませていかなければなりません。基本的な技術はもちろんですが、単に知識をため込むだけではなく、それを柔軟な発想で粘り強く使いながら、必要な情報を注意深く拾い上げて行くことが必要です。それは彼らの今後の問題であると同時に教育する我々の側の問題だとも感じました。最後になりましたが、メンバーの選抜、トレーニング、派遣にご尽力くださいました関係各位に厚く御礼申し上げます。

真船 文隆/東京大学総合文化研究科准教授
 ハンガリー到着時、日本代表生徒の皆さんはとても緊張した様子でしたので、私達も心配しましたが、実験、筆記試験後に会ったときのほっとした表情がとても印象的でした。今回は筆記問題、実験課題とも内容はオーソドックスでしたが、難易度は高く、参加66カ国のトップクラスの生徒達でも、解くのにとても苦労したようです。今回のハンガリー大会は、生徒全員が銅メダルという結果でした。生徒達が約一年間かけて化学オリンピックの準備をし、世界のトップの生徒と立派に競い合ってメダルを獲得したことを高く評価して頂きたいと思います。化学のコンペティションに加えて、生徒の皆さんはハンガリーで伸び伸びと国際交流できたと思います。この経験を活かして、今後益々活躍されることを期待いたします。生徒への教育、さまざまなご支援を頂き、関係各位に厚く御礼申し上げます。

◆今回のオリンピックで出された試験問題

実験問題

 グルコース(ブドウ糖)に基本的な反応を行いその進行を確かめる実験、基本的な操作で生じる無機物質の組成を決める実験、8種類の無色透明な水溶液に溶けた物質を特定する実験−と3課題を5時間をかけて取り組む問題である。化学の素養と眼力を身に付けた高校生なら十分な成果を出せて、挑戦しがいのある課題だろう。

筆記問題

 物理化学、有機化学、無機化学、分析化学から全部で9問がバランスよく出題された。今年は量子化学と高分子化学の出題はなかった。ラベルの一部が破れた酸の水溶液について、酸の濃度を推理させる問題、未来の資源として期待されている「メタンハイドレート」のミクロ構造を考えさせる問題、ご当地問題としてハンガリーで開発された医薬品の合成と代謝生成物の問題などが特徴的。誘導部分には必要十分な説明があり、化学の基礎体力を試す良問ぞろいだと言える。

◆過去の国際化学オリンピックにおける日本代表の成績

2003年—ギリシャ・アテネ大会(第35回大会)

  • 開催期間
    2003年7月5日(土曜日)〜14日(月曜日)
  • 参加規模
    59ヵ国、232人
  • 成績結果
    銅メダル2個、敢闘賞2個

2004年—ドイツ・キール大会(第36回大会)

  • 開催期間
    2004年7月18日(日曜日)〜27日(火曜日)
  • 参加規模
    61ヵ国、233人
  • 成績結果
    金メダル1個、銅メダル3個

2005年—台湾・台北大会(第37回大会)

  • 開催期間
    2005年7月16日(土曜日)〜25日(月曜日)
  • 参加規模
    59ヵ国、225人
  • 成績結果
    銀メダル1個、銅メダル3個

2006年—韓国・慶山大会(第38回大会)

  • 開催期間
    2006年7月2日(月曜日)〜11日(水曜日)
  • 参加規模
    67カ国、255人
  • 成績結果
    金メダル1個、銀メダル3個

2007年—ロシア・モスクワ大会(第39回大会)

  • 開催期間
    2007年7月15日(土曜日)〜24日(火曜日)
  • 参加規模
    66カ国、256人
  • 成績結果
    銅メダル4個

◆国際化学オリンピック(IChO=International Chemistry Olympiad)について

 1968年に東欧3ヵ国(ハンガリー、旧チェコスロバキア、ポーランド)が始めた高校生の学力試験から発展した1年に1度開催される「化学」の国際大会である。参加資格があるのは高校生または高校と同等の学校(ただし高校相当の学年)に在学する20歳未満の生徒となる。
 大会は世界の高校生が一同に会し、化学の実力を競うと同時に交流を深めることを目的としている。毎年7月に10日間開かれ、生徒らはそれぞれ5時間の実験問題(Experimental Examination)と筆記問題(Theoretical Examination)に挑戦する。成績優秀者には金メダル(参加者の1割)、銀メダル(同2割)、銅メダル(同3割)が贈られる。
 日本は2003年のアテネ大会より参加しており、2004年のドイツ・キール大会から4年連続で参加生徒全員がメダルを獲得している。2008年はハンガリー・ブタペスト、2009年はイギリス・ケンブリッジで開催される。そして2010年には日本・東京での開催が決定し、現在、野依良治先生(ノーベル化学賞受賞)を組織委員長に準備を進めている。

◆全国高校化学グランプリ

HP http://gp.csj.jp/
(※全国高校化学グランプリホームページへリンク)
 「高校化学グランプリ」は、国際的にも通用する若い化学者を育てることを目的として、「夢・化学-21」委員会と日本化学会化学教育協議会が1998年、東京と仙台の2ヵ所で試験的に実施したのが始まりである。翌1999年から、「全国高校化学グランプリ」として全国規模で開催されるようになり、今日では参加者が2,000人を超す大会に発展した。また、国際化学オリンピックに出場する日本代表生徒は、「全国高校化学グランプリ」の優秀者から選ばれている。
 2004年度からは、文部科学省から『学(まな)びんピック認定大会』として承認され、名実ともに“化学の甲子園”としての役割を担う大会となっている。

◆参考資料に関するお問い合わせ先◆

ホームページ http://icho.csj.jp/(※国際化学オリンピックホームページへリンク)  http://www.kagaku21.net/(※夢・化学-21ホームページへリンク)

  • 社団法人日本化学会/冨樫、遠藤
    電話03-3292-6164/FAX03-3292-6318
  • 社団法人日本化学工業協会内/青山(「夢・化学-21」委員会)
    電話03-3297-2555/FAX03-3297-2615
  • 7月21日(月曜日・祝日)中に代表生徒の写真(ブダペストにて撮影)をご入用の方は、以下までご連絡ください。
    アズ・ワールドコム ジャパン株式会社/木幡(こはた)
    電話090-5994-2440/e-mail:yuki@w-az.co.jp

お問合せ先

文部科学省科学技術・学術政策局基盤政策課

石橋、西田、坂井
電話番号:03-6734-4191(直通)、03-5253-4111(代表)(内線4192、4193、3890)

日本化学会

冨樫、遠藤
電話番号:03-3292-6164(直通)

(科学技術・学術政策局基盤政策課)