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第4章 学校のICT化のサポート体制を支える人材の育成について

 学校のICT化のサポート体制を整備し、教育の情報化を組織的かつ計画的に進める上で、それを支える人材の育成・確保は極めて重要な要素である。
 本章では、学校のICT化のサポート体制において重要な機能を担うこととなる「ICT支援員」と「教育CIO補佐官」について、それぞれ具体的な研修プログラムを提案する。
 これにより、それぞれに求められる人材像をより明確にし、教育委員会や学校における適切なサポート体制の整備に資するとともに、企業や団体によるこれらの人材供給が充実されることの両面を期待するものである。

4−1 ICT支援員の研修プログラム

(1)研修プログラムの考え方

 前章で述べたようにICT支援員の積極的な活用を進めるべきであり、それを念頭に置いた研修プログラムとする必要がある。
 そのため、研修前の段階において「ワープロや表計算などが使えるレベル」にある者を想定し、研修後の段階において「授業や校務などにおけるICT活用を支援できるレベル」を目指して、そのための基本的な知識やスキルを身に付けることをねらいとする。
 内容や方法については、現場への配置前などに集合研修やe−ラーニングにより受講するもの(OFFJT)のほか、前章で述べたとおり、実際に現場で経験を積みながら身に付けていくことや(OJT)、継続的な自己啓発によることも重要であることから、それらも含めた内容とする必要がある。
 OFFJTについては、採用時の条件や各人の能力、研修のために確保可能な日数などに応じて研修を実施できるよう、研修内容をユニット化し、それらを適切に組み合わせて実施できるものである必要がある。
 また、教室など実際の現場では教員や子どもとのコミュニケーションが非常に重要であることから、その点も含めた内容とすることが必要である。

(2)研修プログラムの具体例

 前項で述べたことを踏まえ、ICT支援員の研修プログラムの例を表4−1に示す。なお、このプログラムは、必要と考えられるユニットを網羅的に盛り込んだものであり、教育委員会や学校におけるニーズ等に応じて必要なユニットを選択して実施することを想定したものである。教育委員会における教育CIOや教育CIO補佐官が戦略的に内容を検討することが極めて重要である。


表4−1 ICT支援員の研修プログラム(ユニット構成例)

 また、ICT支援員について、各人の能力に応じて短期間(1日)で集合研修等を行うとした場合のモデルを表4−2に示す。


表4−2 ICT支援員の研修プログラム(モデル)

4−2 教育CIO補佐官の研修プログラム

(1)研修プログラムの考え方

 教育委員会において教育CIO機能を担う人材(教育CIO、教育CIO補佐官)にとって必要とされる研修プログラムについて考える。
 教育CIOについては、第2章で述べたとおり教育長や教育次長がその任に当たることが期待されるが、教育CIO補佐官を設置して業務を分担するような場合、教育CIOと教育CIO補佐官がそれぞれその業務に係る研修を受けることが最も望ましいものの、実際の研修受講を考えたとき、教育長あるいは教育次長が数日にわたって研修に参加することは現実的に難しい面もある。
 こうしたことを考慮し、ここでは、主に教育CIO補佐官を対象とした研修プログラムを提案することとする。教育CIOは、教育CIO補佐官にこうした研修を受講する機会を積極的に与えるとともに、研修成果等についての教育CIO補佐官からの報告や説明も踏まえて、学校のICT化のサポート体制の整備・推進を適切に実行に移していく役割が求められる。
 また、第2章で述べたような教育CIOを補佐する組織(「教育情報化推進本部」など)を設置する場合も、当該組織のキーパーソンとなる者(例えば部課長クラス)にこうした研修を受講する機会を与えるなどの同様の取組みが求められる。

 教育CIO補佐官については、第2章で述べた教育CIO機能が備えるべき教育・技術・行政の3つの分野のいずれかに関し、研修前の段階において「教育の情報化に関する基本的な概念や専門知識などを理解しているレベル」にある者を想定し、研修後の段階において「学校のICT化に関するビジョンを構築し、戦略的にマネジメント・実行できる」レベルを目指すことをねらいとする。
 内容や方法については、現場への配置前などに集合研修やe−ラーニングにより受講するもの(OFFJT)のほか、実際に現場で経験を積みながら身に付けていくことや(OJT)、継続的な自己啓発によることも重要であることから、それらにも考慮した内容とする必要がある。
 また、OFFJTについては、知識獲得を目的とした講義形式によるほか、各人の能力や経験に応じた研修を実施でき、問題解決能力を育成する観点から演習・実習形式によるものも充実させるため、教育・技術・行政の各分野にわたり研修内容をユニット化し、それらを適切に組み合わせて実施できるような配慮が必要である。

(2)研修プログラムの具体例

 前項で述べたことを踏まえ、教育CIO補佐官の研修プログラムの例を表4−3に示す。なお、このプログラムは、必要と考えられるユニットを網羅的に盛り込んだものであって、受講者においては十分な知識や経験がない分野を優先して受講することが望ましい。
 また、数日間の集合研修等で、講義形式によるユニットで構成したものと、演習・実習形式によるユニットで構成したものの例を表4−4に示す。こうした研修プログラムについては、例えば、都道府県教育委員会が市区町村教育委員会の教育CIO補佐官育成のための研修プログラムとして実施していくことが考えられるとともに、本研修プログラムを参考に、民間や大学等において、あるいはこれらが連携することにより、研修コースの開設や研修テキストの開発を行うことも強く望まれる。


表4−3 教育CIO補佐官の研修プログラム(ユニット構成例)


表4−4 教育CIO補佐官の研修プログラム(モデル)

4−3 学校CIO・学校CIO補佐官の研修について

 教育CIOの決定した学校のICT化のビジョン等に基づき、具体的に学校における情報化の推進役となる学校CIO機能に係る研修として、学校CIOとしての役割を担う学校管理職(校長・副校長・教頭)に対する研修や、学校CIO補佐官としての役割を担う情報主任(又は情報化担当教員)に対する研修を充実させる必要がある。
 教育CIOは、教育CIO補佐官に係る研修プログラムから必要なユニットを選択して管理職研修の研修内容に盛り込むなどにより戦略的に実施することが必要である。特に、第2章で述べたCIO機能のうち「人材育成・活用」で掲げているように、学校管理職(校長・副校長・教頭等)に対して、情報化におけるリーダーシップや学校経営との関わり等を重視しながら、地域や学校の抱える問題と関連付けるなどして、学校のICT化に対する意識付けを図っていくことが極めて重要である。