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前文教施設企画部長の事案に係る調査チームの調査報告

平成20年7月10日

○収賄事件の概要

 警視庁及び東京地方検察庁から提供されている情報は以下のとおり。

○収賄側

  • 被告人
    大島 寛(前文教施設企画部長)
  • 罪名
    収賄罪(刑法第197条第1項前段)
  • 逮捕・起訴
    逮捕 平成20年4月4日(金曜日)
    起訴 平成20年4月24日(木曜日)
    再逮捕 平成20年4月24日(木曜日)
    起訴 平成20年5月15日(木曜日)

○贈賄側

  • 被告人
    倉重 裕一(ペンタビルダーズ株式会社顧問)
  • 罪名
    贈賄罪(刑法第198条)
  • 逮捕・起訴
    逮捕 平成20年4月4日(金曜日)
    起訴 平成20年4月24日(木曜日)
    なお、大島の再逮捕に係るものについては、贈賄側は時効が成立している。

○概要

  • 1) 大島は、倉重に対し国立大学法人等の施設整備予定事業の一覧表を提供するなどの有利便宜な取り計らいをした謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたい旨の趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、倉重から、
    • 平成16年4月上旬ころ、現金100万円
    • 平成17年4月上旬ころ、現金100万円、20万円
    • 平成18年4月上旬ころ、現金50万円
    の計4回、計270万円の供与を受け、もって前記職務に関して賄賂を収受。(収賄)
  • 2) 倉重は、平成18年4月上旬ころ、大島に対して前記の趣旨のもとに現金50万円を供与し、大島の前記職務に関し賄賂を供与。(贈賄)

○調査チームによる調査結果の概要

本事案に係る事実関係

1 大島の収賄に関する事実関係について

(1) 大島と倉重の関係
  •  大島が文教施設部計画課課長補佐であった平成3年か4年ころから、倉重によるゴルフ(多くは倉重が費用を負担)等の接待が始まる。
  •  大島夫妻と倉重夫妻は、平成8年からほぼ毎年海外旅行。
(2) 倉重からの現金の収受
  •  平成11年4月から平成18年4月までに、計8回、合計470万円を海外旅行の支度金等の名目で収受。
(3) 大島による便宜供与の内容
  • 1実施事業一覧の提供
    翌年度に各国立大学法人等で実施予定の施設整備事業に関し、大学等名、事業名等の一覧を、平成13年3月以降、計8回提供。
  • 2)財務省との実施計画協議に用いられる建物配置図の提供
    財務省との実施計画協議(毎年3月)に用いられる、各施設整備事業に係る建物が大学等のどこに位置するかを図示した資料を、平成12年4月以降、計7回提供。

2 大島以外の職員等と倉重との関係について

(1) 現職職員と倉重との関係
  •  現職職員のうち、文教施設企画部の職員の中で、倉重とゴルフや会食を共にしたり(倉重が費用を負担)、物品の贈与を受けた事実があるとする者が4名
  •  このうち、1名は、倉重と、計19回のゴルフ及び計19回程度の会食を共にし、その他ゴルフクラブセット等の贈与を受けていた。また、1名は、倉重と、計19回のゴルフ及び計6回程度の会食を共にし、その他ワイシャツの仕立て券等の贈与を受けていた。
  •  上記2名は、倉重に資料(上記実施事業一覧等)を提供。
  •  倉重関連を除き、他の業者とゴルフや会食等を行った事例は確認されず。
(2) 部長等経験者と倉重との関係
  •  部長等在職当時に、倉重とゴルフ及び会食を共にしたとする者が2名、ゴルフを共にしたとする者が1名(費用負担については自分の分について支払いをした場合と倉重が負担した場合とがあり。)。
  •  倉重に対して特別に情報の提供を行った記憶がある者はいなかった。
  •  倉重以外の業者とのゴルフや会食等を行った者は聞き取りの結果では確認されず。
(3) 国立大学法人等と倉重との関係
  •  26の国立大学法人等の施設関係部署等に倉重が来訪したことを確認。
  •  国立大学法人等の職員の中に、倉重とゴルフや会食を共にしたり(多くは倉重が費用を負担)、物品の贈与を受けた者が11名
  •  このうち1名は、倉重と、計約10回のゴルフ及び計6回程度の会食を共にし、その他自宅のエアコン4台等の贈与を受けていた。
  •  国立大学法人等において五洋建設又はペンタビルダーズ社が受注した施設整備工事について、入札・契約の過程や落札率の状況等から不自然な点があったと認められる事例は確認されず。
(4) 社団法人文教施設協会と本事案の関係
  •  同協会の運営への倉重の参画や、本事案に関し倉重が同協会の活動自体を直接利用した事実は確認されず。

○再発防止策等

1.背景・要因

  •  関係者と倉重の不適切な関係は、大島と倉重の関係に起因するところが大きいと考えられるが、それに加えて、下記の要因が複合的に絡み合った状況が背景として存在。
    • 1 予算関連情報の管理の不徹底
    • 2 文教施設企画部における硬直的な人事
    • 3 服務規律の不徹底

2.再発防止策等

(ア)国立大学法人等の施設整備事業のプロセスにおける情報管理の改善等

  • 1 資料の外部への提供の可否、提供時期の明確化
  • 2 実施予定事業一覧の公表時期の早期化及び建物配置図の公表
  • 3 外部の者へ提供することができない資料の管理の徹底
  • 4 「国立大学等施設整備に関する検討会」の運営の改善

(イ)文教施設企画部に係る人事異動のあり方の改善

  • 1 建築系職員の他局課への積極的な配置など、幅広い人事異動のより一層の推進
  • 2 建築系職員の採用手続き等の改善
  • 3 国立大学法人等の施設担当部署における人事の改善の促進

(ウ)服務規律の一層の徹底

  • 1 服務規律の徹底について取組みの体系的・継続的な実施
  • 2 服務規律についてのマニュアルの作成、周知・徹底
  • 3 服務規律についての研修等の充実
  • 4 施設整備担当部署における取組みの促進

(エ)再発防止策に関連して実施すべき事項

  •  一般競争入札の拡大や談合等不正行為への厳正な対応による入札及び契約の公正さの確保等。
  •  職員の再就職、人事交流について、ルールに則った厳正な運用。
  •  文教施設協会のあり方の見直し。(文部科学省出身常勤理事の退任、文部科学省発注事業への応募の自粛、あり方の抜本的な見直し)

(オ)再発防止策のフォローアップ等

  •  再発防止策の具体的な実施及びそのフォローアップ等を行うため、事務次官をトップとする実施本部を設置。
  •  本事案について各国立大学法人等に対し情報提供するとともに、引き続き各国立大学法人等における施設整備事業に係る契約手続きや、服務規律の保持に関する取組みの状況について点検を要請し、文部科学省においてその状況を把握するとともに、必要に応じ所要の措置を講ずることとする。