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文部科学省初等中等教育局メールマガジン

第89号 平成20年5月29日

初中教育ニュース
第89号


[目次]

  • □ 【シリーズ】教員免許更新制がはじまります!(第2回)
  • □ 【シリーズ】C・Sの知恵袋(第6回)−コミュニティ・スクールをご存知ですか?−
  • □ 【シリーズ】生徒指導の車窓から(第10回)沖縄体験学習−愛知県東海市教育委員会の取組−
  • □ 【シリーズ】「放課後子ども教室推進事業」(放課後子どもプラン)(第1回)
  • □ 【お知らせ】「平成20年度全国ユースフォーラム」のご案内
  • □ 【お知らせ】『リンネの教え—知識へのインスピレーションの—』の紹介
  • □ 【お知らせ】宇宙教育シンポジウム−宇宙の目を教育に活かす−の開催について
  • □ 【コラム】まえかわの「ま、え〜か」番外編
  • □ 編集後記

□【シリーズ】教員免許更新制がはじまります!(第2回)

〔教職員課教員免許企画室〕

 前号からはじまりましたシリーズ 教員免許更新制がはじまります!ですが、今回のテーマは「修了確認期限をご確認願います」です。

 前号でも少し触れましたが、平成21年3月31日以前に授与された免許状(「旧免許状」とします。)には、有効期間の定めがありません。
 しかしながら、旧免許状をお持ちの教員の皆さんは、免許状更新講習を受講・修了していただくことが義務とされています。

 ところが、来年4月の制度スタートとともに、すべての教員の方々が一斉に更新講習を受講するということになりますと、更新講習を開設する受け入れ側の大学が対応しきれない恐れがあります。
 そこで、教員の皆さんそれぞれの生年月日に応じて、順番に更新講習を受けていただくために設定されたのが、「修了確認期限」というものです。

 この修了確認期限は、基本的に、35歳、45歳、55歳の年齢で迎える年度末としています。(ちなみに、平成23年3月31日時点で、すでに56歳以上の教員の方々には、修了確認期限が割り振られておりませんので、更新講習の受講義務はありません。)
 ただし、栄養教諭免許状をお持ちの教員の方々の場合には、その方が栄養教諭であるかいなかにかかわらず、栄養教諭免許状を授与された日ごとに、修了確認期限が設定されています。教諭免許状や養護教諭免許状をお持ちの教員の方であっても、栄養教諭免許状を持っていれば、同様の取り扱いになります。
 これは、栄養教諭免許状という制度ができたのが平成16年度ということで、免許状を授与されてからまだ10年が経っていないことから、そのような取り扱いとなっています。

 同様の趣旨から、「教諭免許状の授与を受けてから、10年経っていない」という教員の方や「一種免許状を授与されたのは10年以上前だが、専修免許状を授与されてからは10年も経っていない」、といった教員の方々についても、最後の免許状授与日から最長10年間という期間内で、「修了確認期限の延期」ということができるしくみになっています。
 この「修了確認期限の延期」については、その他にも「やむを得ない事由」など、いくつかのパターンがありますが、それについては、号を改めましてご説明したいと思います。

 このように、旧免許状をお持ちのすべての方に、修了確認期限が割り振られていますので、まずは、皆さんそれぞれで「修了確認期限」をご確認いただきたいと思います。
 修了確認期限の確認方法ですが、文部科学省のホームページの以下のページをご覧ください。
「平成21年3月31日までに教員免許状を授与された現職教員の方々へ」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/08041112.htm
(※教員免許更新制へリンク)

 この資料の中で、具体的に修了確認期限が割り振られた表がありますが、

  • 教諭免許状、養護教諭免許状のみを所持されている方は「表1」
  • 栄養教諭免許状を所持されている方は「表2」

をそれぞれご確認いただくと、修了確認期限が一目でわかると思います。
 表1及び表2にあります修了確認期限の右側には、免許状更新講習の受講期間についても、掲載しております。修了確認期限の2ヶ月前までに、免許状更新講習の受講・修了を終えて、都道府県教育委員会に手続を済ませておく必要がありますので、あわせてご注意願います。

 なお、修了確認期限は、旧免許状をお持ちのすべての教員の方々に割り振られていますが、校長や教頭などの職にある方々は、免許状更新講習の受講が免除される可能性のある方もいます。

 次回は、「免許状更新講習の受講義務のある方と受講できる方」について、ご説明したいと思います。

 修了確認期限のご確認や教員免許更新制に関する情報が掲載されている、文部科学省HPのアドレスはこちらです。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/index.htm
(※教員免許更新制へリンク)


□【シリーズ】C・Sの知恵袋(第6回)−コミュニティ・スクールをご存知ですか?−

〔初等中等教育企画課教育制度改革室〕

 コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は、公立学校の運営に保護者や地域住民が参画するための仕組みで、平成16年に制度化されました。
 コミュニティ・スクールについて広く知ってもらうためのシリーズ一問一答の第6回、今回は、最新のコミュニティ・スクール指定状況と初めて作成した事例集についてご紹介します。

Q14.最新のコミュニティ・スクールの指定状況はどのようになっていますか。

A14.コミュニティ・スクールに指定され、学校運営協議会を設置している学校は、平成20年4月1日現在で、343校となっており、平成19年度と比べると、146校と大幅に増加しています。コミュニティ・スクールの導入を全市的に進めている自治体における指定の追加が主な増加理由となっています。また、平成20年度以降にコミュニティ・スクールの指定が予定されている学校は210校あります。
 343校の内訳を学校種ごとにみると、幼稚園17園、小学校243校、中学校76校、高等学校3校、特別支援学校4校となっています。また、地域ごとに指定状況をみると、コミュニティ・スクールが域内にある都道府県は29都府県であり、学校の設置者別では、2県63市区町村教育委員会で指定されています。このうち、指定の多い教育委員会は、京都市110校、出雲市49校、岡山市35校、世田谷区22校、三鷹市19校となっています。

Q15.コミュニティ・スクール事例集を作成したと聞きましたが、どのような内容ですか。

A15.コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)についてより理解を高め、各地の取組の参考となるよう、「コミュニティ・スクール事例集」を作成しました。この事例集では、それぞれの地域や学校で行われている様々な取組を、できるだけ分かりやすく共有できるよう、いろいろな角度からコミュニティ・スクールの事例を取りまとめています。
 これから導入を考える地域においても、すでに指定校がある地域においても、今後の取組の参考となるような内容です。
 すでに全国の公立学校及び教育委員会に配付しており、HPにも掲載しておりますので、是非ご覧ください。事例集の送付を希望される方は、下記メールアドレスまでご連絡ください。(部数には限りがございますので、予めご了承ください。)

  • 例えば次のような事項について、取組を紹介しています。
    • コミュニティ・スクール導入のきっかけ
    • 学校運営協議会委員の人選の工夫
    • 学校運営協議会としての実際の活動の方法や内容
    • 人事に関する意見の活用事例
    • 学校運営協議会で出された意見の実現方法
    • これまでの取組の成果と今後の課題

★★★★★★皆さんに直接ご説明します★★★★★★

 コミュニティ・スクールについてよく分からない、もっと説明して欲しいという声が各地から寄せられているため、説明の機会を設けさせていただけるようであれば、直接担当者が皆さんの市区町村をお訪ねして、ご説明させていただこうと思っています。
 地域の方々、保護者の皆さん、学校現場の先生方、教育委員会の方々、そして民間の団体の方々においても、コミュニティ・スクールについて勉強会や研修の折など、説明が必要な機会がございましたら、お気軽に以下の連絡先までご連絡ください。必要であれば、コミュニティ・スクールについてのパンフレット・事例集もお送りします。

  • コミュニティ・スクールに関する各種資料を含めて、コミュニティ・スクールについての経緯等詳細は以下の文科省HPからご覧になれます。
    http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/community/004.htm
    (※コミュニティ・スクールについてへリンク)

□【シリーズ】−生徒指導の車窓から−(第10回)[沖縄体験学習 −愛知県東海市教育委員会の取組−]

〔初等中等教育局児童生徒課〕

 今日の子どもたちにとって、体験活動が果たす役割は大きく、体験活動の機会を豊かにすることは、極めて有意義です。文部科学省においては、今年度より、農林水産省・総務省と連携して「子ども農山漁村交流プロジェクト」を実施するなど、子どもたちの体験活動の充実に向けた取組を推進しています。各教育委員会においても、体験活動を推進するための様々な取組が行われており、今回は愛知県東海市教育委員会の「沖縄体験学習」の取組をご紹介します。

 愛知県東海市教育委員会では、今年度から、市内6つの市立中学校の2年生全員が3泊4日の日程で沖縄を訪れて、自然体験等の体験活動を通して環境や平和について学ぶ「沖縄体験学習」を実施します。体験学習に係る費用は市が全額負担します。本事業の予算は約7,500万円を計上し、引率の教員を含めて約1,100人が参加する予定です。
 東海市と沖縄市は友好都市関係にあり、その一環として、両市の中学生代表10数人をお互いの都市に派遣する交流事業を20年以上継続しています。この交流事業を経験した生徒たちが人間的に大きく成長する姿がみられます。そのためすべての中学生にこの事業に参加させることができないかという声が教育委員会に多く寄せられるようになりました。
 また、友好都市である沖縄市や渡嘉敷島にある国立沖縄青少年交流の家の全面的な協力も得られることとなり、今年6月から「沖縄体験学習」を実施する運びとなりました。
 「沖縄体験学習」の主な活動内容としては、平和学習として平和祈念資料館等の見学、語り部の話を聴く会などを予定しています。この活動を通して命や平和の尊さを心に刻んでくれるものと期待しています。また自然体験・環境学習として、国立沖縄青少年交流の家での海洋研修を行います。さらに東海市と沖縄市の中学校との交流を計画しています。
 この貴重な体験学習を通して、中学生のものの見方・考え方が広がるとともに、4日間の共同生活を通して生徒同士の支え合い、高め合う関係が構築され、今後の中学校生活の充実につながることを心から期待しています。


□【シリーズ】「放課後子ども教室推進事業」(放課後子どもプラン)(第1回)

〔生涯学習政策局生涯学習推進課〕

 「放課後子ども教室推進事業」は、放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、子どもが安全・安心な場所で学習や体験活動・交流活動の取組を実施するものです。
 シリーズ第1回として、岡山県玉野市での取組をご紹介します。

やまだ子ども楽級(がっきゅう)
(玉野市立山田小学校放課後子ども教室)

岡山県玉野市立山田小学校長 船越 直美

 やまだ子ども楽級(がっきゅう)は、子どもの居場所づくり・地域の教育力の向上を目的として開設され、本年度で6年目を迎えます。ここ数年は、全校児童100名の内30名弱の児童が参加しています。活動場所は、主に市民センター、小学校の体育館や図工室で、科学教室、料理教室、平日や夏休み中の市民センター図書室開放などを行っています。
 ここ山田地域は、海と山に囲まれ古くから塩田があったところです。この楽級(がっきゅう)では、土曜日の活動として、当時の地域の特色を生かした「古代の塩作り体験」という活動があります。約1か月かけて製塩土器を作り、その中に海水を入れ蒔を燃やして蒸発させ塩を作ります。とてもこくのある塩ができます。また、休耕田を利用した「菜の花プロジェクト」や、近くの池を竹炭を利用して浄化する活動も行っています。
 私もこの楽級(がっきゅう)に時々参加させていただき、活き活きと活動する子どもたちが、多様な体験や地域の大人とのふれあいを通して、地域を大切に思う気持ちを膨らませているように思います。また、子どもたちも、指導者や講師の方と地域でお会いしたとき、あいさつや、ちょっと会話ができるようになるなどの効果もみられます。そのことが、私自身もうれしくて、学校通信にも記事を取り上げるなどしています。
 「子どもは地域の宝、地域の人材として地域で育てる」をモットーに、これからも子ども楽級(がっきゅう)が続いていってほしいと願っています。

 「放課後子ども教室」の情報は、以下の「放課後子どもプラン」のホームページをご覧ください。
http://www.houkago-plan.go.jp/
(※放課後子どもプランホームページへリンク)


□【お知らせ】「平成20年度全国ユースフォーラム」のご案内

〔スポーツ・青少年局参事官(青少年健全育成担当)付〕

 文部科学省では、全国から300名の高校生等を集め、15の異なる分科会テーマ別に20名程度の高校生が、性別、学年、出身地域の壁を越えて3日間に渡って熱く議論し、団結して内容をまとめ、代表を選んで発表を行う「全国ユースフォーラム」を今年度も開催します。

 今年で9回目となる本フォーラムでは、毎年、熱意あふれる高校生等の参加により、朝から晩まで活発な討議が行われています。

 2泊3日の間、寝食を共にし一つのテーマに向かい合った参加者には仲間意識も芽生え、フォーラム終了後も連絡を取り合い、互いに意見交換などを続けている参加者OB・OGもいます。

 そんなフォーラムに参加してみたい高校生世代の皆さん、生徒を参加させてみたいとお考えの先生方、県によっては参加申込みを締め切っているところもありますが、受付中の県、追加募集を実施している県もございます。
 フォーラムの詳細は以下のとおりですので、参加希望の際は、各学校、教育委員会をとおして、お問い合わせ・お申し込み下さい。

1.日時・会場

平成20年8月1日(金曜日)〜3日(日曜日)
独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター
東京都渋谷区代々木神園町3-1

2.参加費用・経費

 会場までの往復の旅費(最終日に会場でお渡ししますので、往路の片道分は立て替えていただきます。)、会場での宿泊費・食費は、主催者が負担します。

3.申し込み・締め切り

 参加申し込みの締め切りは、各県・教育委員会等がそれぞれ県毎に定めていますので、所属する学校等をとおしてお問い合わせ下さい。

4.参加者数・資格

 以下の条件をすべて満たす全国の高校生等300名

  • 全日程参加できる人
  • 高校生世代(平成2年4月2日生まれ〜平成5年4月1日生まれ)または、高等学校に在籍している平成20年4月1日時点で20歳未満の人
  • 日本語でコミュニケーションができる人
  • しっかりと自分の意見を持っている人
  • みんなの意見を聞いて、積極的に自分の考えを発言できる人

5.内容

 15の分科会テーマごとに分かれ、3日間にわたり討論を行い、最終日の全体報告会において、討議した結果を報告します。討議結果をまとめた報告書は、参加者の他、各県教育委員会、衆議院青少年問題に関する特別委員会委員等に配付されます。

6.過去の報告書・募集要綱

  http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/ikusei/zenkokuforum/index.htm(※全国ユースフォーラム<報告書>へリンク)をご覧ください。


□【お知らせ】『リンネの教え—知識へのインスピレーションの—』の紹介

〔科学技術・学術政策局国際交流官付〕

 18世紀にスウェーデンに生まれ、植物学・分類学で偉大な業績を残したカール・フォン・リンネの生誕300年を記念して、「リンネ学校プロジェクト」がウプサラ大学とスウェーデン王立科学アカデミーが中心となって進められています。
 プロジェクトの一環として作成された本誌は、章ごとにリンネと読者(あなた)とが話し合いながら、一つのテーマを様々な角度から詳しく掘り下げていく構成になっています。このため、身の回りの事例から、現在の科学技術を応用した事例まで、幅広く理解を深めることができるようになっています。
 本誌は、以下のホームページからダウンロードすることができます。(サイトは英語表記ですが、冊子は日本語です。)興味のある方は是非ご覧下さい。
http://www.bioresurs.uu.se/skolprojektlinne/info_jap.html
(※Skolprojekt Linneホームページへリンク)

  • 本件連絡先
    文部科学省科学技術・学術政策局国際交流官付
    電話:03-5253-4111(内線4057)

□【お知らせ】宇宙教育シンポジウム−宇宙の目を教育に活かす−の開催について

〔研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室〕

 文部科学省は、「宇宙教育シンポジウム−宇宙の目を教育に活かす−」を開催いたします。本シンポジウムでは、地球観測衛星による観測データの教育現場での利用拡大を目的として、日本が誇る「だいち」(ALOS)の観測データなどを活用した教材やそれらを用いた教育現場での活用事例を通じ、教育関係者の皆様に最先端の宇宙技術の魅力についてご紹介します。

1.主催

文部科学省(協力:New Education Expo実行委員会・株式会社内田洋行)

2.開催日・場所

  • 東京会場
    平成20年6月6日(金曜日)16時〜18時
    東京ファッションタウン(TFTビル)(東京都江東区有明3-1)
  • 大阪会場
    平成20年6月19日(木曜日)13時〜15時
    大阪マーチャンダイズ・マート(OMM)(大阪府大阪市中央区大手前1-7-31)

3.参加受付(参加費無料)

 本シンポジウムは、New Education Expo 実行委員会が開催する「New Education Expo 2008」の併催事業として実施します。参加申し込み・詳細情報は、「New Education Expo 2008」の下記ホームページをご覧ください。
http://apcf.uchida.co.jp/expo/index.cfm
(※内田洋行ホームページへリンク)

〔お問い合わせ〕
文部科学省研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室
担当:松井
電話:03-5253-4111(内線4538)


「文部科学時報」5月号 平成20年5月28日発売

文部科学省の総合政策広報誌「文部科学時報」5月号(文部科学省編集)

第一特集「幼稚園教育要領・小学校学習指導要領の改訂」
第二特集「iPS細胞研究を含む幹細胞・再生医学研究の推進」
羅針盤 明日の日本、地球の未来
テーマ「教育の未来を展望する」

  • 梶田 叡一(国立大学法人兵庫教育大学長)
  • 田村 哲夫(学校法人渋谷教育学園理事長)
  • 渡海 紀三朗(文部科学大臣)

<聞き手>玉井 日出夫(文部科学審議官)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/jihou/011001.htm
(※出版物案内へリンク)


「教育委員会月報」 5月号 発売のお知らせ

 文部科学省の実施する施策や各都道府県・市町村教育委員会の特色ある取組等の紹介など、教育委員会関係者に有用な情報を提供している「教育委員会月報」(文部科学省初等中等教育企画課編集)5月号は、5月9日発売になりました。

  • 特集
    中央教育審議会「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について−知の循環型社会の構築を目指して−」(答申)について

「初等教育資料」5月号 発売のお知らせ

 初等教育の課題を特集し、学習指導等の充実を図るために参考となる資料や情報を幅広く提供している「初等教育資料」5月号(文部科学省教育課程課/幼児教育課編集)は新学習指導要領の特集号として4月25日に発売しました。

  • 特集
    「学習指導要領の改訂1
    幼稚園教育要領、小学校学習指導要領(総則、国語科、社会科、算数科)の改訂のポイントを掲載

http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/main_b7.htm
(※出版物案内へリンク)


「中等教育資料」5月号 発売のお知らせ

 中学校・高等学校の学校づくり・授業づくりに役立つ情報が満載の月刊誌「中等教育資料」(文部科学省教育課程課編集)5月号が5月1日に発売されました。
特集テーマ 「言語活動を重視した指導の充実」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/main_b7.htm
(※出版物案内へリンク)


月刊「生涯学習」6月号 平成20年5月26日発売

生涯学習行政担当者必携 実務に必要な情報満載
「特集」学校支援地域本部
「インタビュー−学びの達人−」石原さとみさん(女優)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/chiiki/chiiki/08020402/001.pdf(PDF:123KB)
(※地域づくり支援室についてへリンク)



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□【コラム】まえかわの「ま、え〜か」番外編

年齢主義か課程主義か

 5月5日の読売新聞に、「杓子定規な教育界」という見出しのコラム記事が載っていた。高校で数学の出前授業をしている大学教授が語ったという次のような話が紹介されている。
 「小学校高学年で習う算数を大方理解している高校生は全体の半数に過ぎない」のに、現場の先生は「生徒の理解度などお構いなしに教科書の内容を教壇で唱え、履修させたという体裁を整える」「文部科学省や学校のやることはあまりに杓子定規」。
 また、NPO法人の代表が語ったという日系ブラジル人の子どもの事例も紹介されている。小6の男児が授業に身が入らないので、日本語の習熟度をテストしたら結果は小2レベルだった事例。小学校低学年で来日した少女が、授業がわからずに不登校を繰り返し、中3になっても「午前中に電話して」という日本語を理解しなかった事例。二人とも、年齢で学年が決められ、自動的に進級していたという。「日本語の習熟度に応じた勉強をしていれば、理解の度合いも随分違ったのではないだろうか」とその記事は疑問を投げかける。
 その記事は最後に、「9歳でブラジルに渡ったら小学1年生にさせられた。でも頑張ったら、翌年には最上級生にしてもらえた」という移民の言葉を紹介し、「『年齢主義が学校教育法の原則』と文科省は言うが、時にはこのくらいの鷹揚さがあってもいいのにと思う」と結んでいる。

 すべての子どもに「わかる授業」をすることは、学校教育で何より大事なことだ。授業がわからない子どもを何時間もただ教室に座らせておくのは、無意味な苦行を強いるようなものだ。上記の記事は、その原因が学校教育法の「年齢主義」にあると断じている。しかし、本当に「年齢主義」は学校教育法の原則なのだろうか?

 「年齢主義」に対立する概念は「課程主義」だ。入学・進級・卒業を年齢で決めるのが「年齢主義」。教育課程を修得したかどうかで決めるのが「課程主義」。「履修主義」対「修得主義」と言う場合もある。
 6歳未満の早期入学や「飛び級」「飛び入学」など、年齢相当より上の学年で学ぶことを原則として認めないという意味で、学校教育法は確かに「年齢主義」に立っている。
 しかし、学校教育法は、年齢相当より下の学年で学ぶことも認めていないのかというと、決してそうではない。
 学校教育法第17条第1項ただし書は、子どもが小学校の課程を修了しないときは、保護者はその子を15歳まで小学校に就学させる義務を負うと規定している。つまり「15歳の小学生」も存在しうる。
 また、学校教育法施行規則第35条は、就学猶予・免除が終わった子どもを小学校のどの学年に編入するかを校長が決めるとき、その子の年齢だけでなく「心身の発達状況」も考慮するものとしている。その結果、9歳の子どもを小学1年に入れるということも制度上ありうる。
 学校教育法施行規則第57条により、校長は各学年の課程の修了又は卒業を「児童の平素の成績を評価して」認定することとされているが、課程の修了が認められない場合、その子どもはもとの学年に留め置かれることになる。これを「原級留置」という。
 こうした規定を見れば、学校教育法体系は、教育課程を修得しなければ進級・卒業を認めないという意味では「課程主義」に立っていることがわかる。

 問題は、法令上は「年齢主義」と「課程主義」の両面があるのに、実際には、年齢に応じて自動的に進級・卒業させてしまう「年齢主義」が当然のように行われていることだ。
 もちろん、どの程度の学習到達度で「課程の修了」と認めるかについては議論の余地があるだろう。障害を抱える子どもについては、障害の種類や程度に応じた判断も必要だろう。補充的な指導や習熟度に応じた指導がしたくても教員数が足りない場合もあるだろう。友達と一緒に進級したいという子どもや保護者の気持ちもあるだろう。過年齢や学齢超過の子どもの在籍については、学校の受入能力の問題や教育委員会の方針の違いもあるだろう。だから単純に「課程主義」を押し通せばよいというものでないことはわかる。
 しかし、子どもの編入学や進級・卒業認定にあたっては、その子の成長のために良いか悪いかを第一の判断基準にすべきではないのか。何らかの事情で学校に通えなかった子ども、外国から来て日本語が不自由な子ども、どこかでつまずいて授業がわからなくなった子ども、そういう子どもをただ機械的に年齢相当の学年に入れ、1年たったら進級させ、修業年限が来たら自動的に卒業させれば済むというものではない。子どもの未来を奪うような「年齢主義」は採るべきではない。その子のために採りうる最善の方策は何なのか、学校と保護者が十分に話し合って決めていくことが大事なのだと思う。

 個に応じた指導を徹底し、ひとりひとりに「わかる授業」を行うことは、実は大変な努力を要する仕事だ。新指導要領で学習内容が増えれば、さらに多くの努力が求められることになる。定数改善などの条件整備が必要になることは明らかだ。そのために努力することが教育行政の責任であることは、深く肝に銘じておきたい。

〔大臣官房審議官(初等中等教育局担当) 前川 喜平〕


□【編集後記】

  • 研修生として文部科学省にお世話になり始め、早いもので8週間が経ちました。そんな私が日々、心から待ちこがれているのは、正体不明の重圧から解放される至福のひととき。そう、それは休日。働く者にとって休日の訪れは、何ものにも代え難い喜びがあります。ところが東京に来て以来、休日はいつも曇天続き。お出掛け意欲を削がれます。洗濯物も生乾きで異臭が部屋に漂います。たまに晴れ間が見えるので強引に出掛けると、目的地に着くまでに雨が降り出し、頭の地肌を人前にさらす始末です。そういえば、小学校6年間で大雨のため運動会が4回中止され、中学校の宿泊学習では、嵐の大山で遭難しかけたことを思い出しました。かなり純度の高い雨男のようです。(K・S)
  • 先週末、ゴルフを始めて2回目のコースに行ってきました。前回かなり痛い思いをしたグリーン周りやパッドが、練習の成果か(?)調子がよく、予想外によいスコアがでたのですが、嬉しい反面、次回のラウンドで変な欲が出てしまわないか不安になっています。ゴルフを始めて以来、中々上達せず中だるみの期間もあったのですが、今回、少しながら上達を実感できたので、良い意味での欲も出てきて、ますますはまってしまいそうです。しかし、うっかり、くるぶしに靴下焼けをしてしまい、中学校の部活以来の懐かしさを味わっています・・・。女性ゴルファーの皆さん、お気を付け下さい。(K・Y)
  • コミュニティ・スクール事例集が、ようやく現場の皆さんのもとに届いています。思い入れを持って編集に携わった人間として、原稿執筆にご協力いただいた方々への感謝の気持ちと、出来上がったときの感慨は言葉に表せないほどのものでした。何度も何度も原稿のやり取りにお付き合いいただいた全国42校のコミュニティ・スクールと16の関係教育委員会の皆様にはこの場を借りてお礼を言わせていただきます。本当にありがとうございました。出来上がるまでは、間違いがないか穴があくほど何度も読み返した原稿ですが、出来上がった後は間違いがあったらどうしようと、ページを開くのが恐いです。(C・S)
  • 物事の一部分だけを取り上げて、「悪いのはまるまるだ!」と言う批判を目にします。なぜ今そうなっているのか、多面的な分析も、過去の議論の検証もない。それでも決まり文句は、「これはもう一部の問題ではなく(組織)全体の問題だ」。そんな発言に、どれだけの人が傷ついているのか。他人事ではなく、私も肝に銘じなければなりません。目の前の子どもが卒業後もなんとか社会でやっていけるようにと、現場で、日々、心を配り、汗をかいていらっしゃる皆さんを文科省の発言が傷つけてはならない。霞ヶ関にいる一職員の思いです。(T・Y)
  • このメールマガジンは、幼稚園から高等学校までの初等中等教育を中心に、教育改革を巡る様々な情報を迅速にお届けするために発行しています。
  • 「こんなコンテンツを載せて欲しい」「この人の話を聞きたい」などのご意見・ご要望等ございましたら、sy-mel@mext.go.jpまでお寄せ下さい。

お問合せ先

発行元 文部科学省初等中等教育局内

「初中教育ニュース」編集部
電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2007)

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