第83号 平成20年3月28日
初中教育ニュース
第83号
〔スポーツ・青少年局青少年課〕
平成13年12月に制定された「子ども読書活動の推進に関する法律」に基づき、施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、平成14年8月に「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(第一次)が閣議決定されました。
この第一次計画の策定からおおむね5年が経過したため、これまでの成果や課題等の検証のもと、新たな「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が、平成20年3月11日に閣議決定、国会報告されました。
新しい計画では、地域間の読書環境格差が十分に改善されていないという課題を踏まえ、主要な施策につき実現目標を掲げました。また、国、地方公共団体、関係機関等との連携を強調するとともに、学校・図書館におけるボランティアとの連携など、地域ぐるみの読書活動の推進を目指しています。さらに、保護者、図書館、学校等関係者が各施策に取り組みやすくなるよう、家庭、地域、学校など対象者ごとの構成に整理しました。
文部科学省としては、新たな計画に基づき、子どもの健やかな成長に資する読書活動の推進に向け、子どもの読書活動の推進に関する施策の一層の充実を図っていくこととしています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/03/08031005.htm
(※報道発表へリンク)
文部科学省の実施する施策や各都道府県・市町村教育委員会の特色ある取組等の紹介など、教育委員会関係者に有用な情報を提供している「教育委員会月報」4月号(文部科学省初等中等教育企画課編集)は4月10日に発売予定です。
特集:今年度の重要施策と課題
初等教育の課題を特集し、学習指導等の充実を図るために参考となる資料や情報を幅広く提供している「初等教育資料」4月号(文部科学省教育課程課/幼児教育課編集)は新学習指導要領の特集号として4月14日に発売予定です。
特集 「生きる力」の理念を共有する
(資料として幼稚園教育要領、小学校学習指導要領を全文掲載)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/main_b7.htm
(※出版物案内へリンク)
中学校・高等学校の学校づくり・授業づくりに役立つ情報が満載の月刊誌「中等教育資料」(文部科学省教育課程課編集)4月号が4月14日に発売になります。
特集テーマ 「新しい教育課程の改善の方向」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/main_b7.htm
(※出版物案内へリンク)
生涯学習行政担当者必携 実務に必要な情報満載
「特集」新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について
「インタビュー−学びの達人−」中嶋常幸さん(プロゴルファー)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/chiiki/chiiki/08020402/001.pdf(PDF:123KB)
(※地域づくり支援室についてへリンク)
法的安定性と具体的妥当性
「法的安定性」と「具体的妥当性」。これは、むかしむかし私が大学に入って間もない頃、法学入門の講義を聴いて覚えた言葉だ。
「法的安定性」とは、法はみだりに変わってはいけないということ。Aという要件があれば必ずBという権利が生じる。Cという行為があれば必ずDという罰が与えられる。その同じ法が今日もあしたもあさっても確実に存在する。自分がその法を守るのと同じように他人もその法を守ってくれるはずだと期待できる。その安心感が社会を安定させる。
法令は条文だけでは働かない。解釈・運用が必要だ。その解釈・運用も一定していなければならない。その解釈・運用に当たる者が、法的安定性を無視してその時々で恣意的な判断をしたら、人々は大変迷惑する。「朝令暮改」とか「猫の目行政」などと批判されるのがそれだ。
一方「具体的妥当性」とは、個々の具体的な場合に法を適用した結果が、誰もが納得する妥当なものでなければならないということ。普通の人々の健全な常識や正義感にかなった結果にならなければ、法への信頼は失われる。
法令の解釈・運用を行う者が、具体的妥当性を無視して条文の文理のみに忠実であると、場合によって不公平あるいは不合理な結果を招くことになる。そんな仕事の仕方は「お役所仕事」とか「杓子定規」などと批判される。法令の文言を盾にとって明らかに社会正義や人権感覚に反するような結果を押しつける役人のことを「法匪」という。
制定された時点ではそれなりの妥当性があった法令も、現代の様々な事態に文字どおりに当てはめると支障をきたす場合がある。法的安定性にあぐらをかいて時代遅れの法令を十年一日のごとく杓子定規に適用するだけで事足れりとしていては、新しい時代の新しい事態に対して、ことごとく具体的妥当性を失うことになりかねない。
そういう場合には、時代の変遷に合わせて解釈・運用を変えることも必要だ。法令の解釈には、拡大解釈、縮小解釈、類推解釈、反対解釈などいろいろな手法がある。法令の運用にも弾力的運用と言われるものがある。それらは、既存の法令の条文のもとで、具体的な場合に妥当な結果をもたらすための技術である。既存の法制度を新しい時代の現実に適合させるために、とりあえず法令の条文の範囲内でその解釈・運用を改める。そうやって法的安定性を保ちつつ具体的妥当性を実現するのだ。
しかし、拡大解釈や弾力的運用にも、おのずから一定の限度がある。法文と実態、制度と現実との乖離という事態を、既存の法令の解釈・運用で当面はしのぐとしても、その乖離があまりにも大きくなってしまった場合、無理な解釈・運用を続けることは、かえって法的安定性を損なうことになる。そのような場合には、きちんと法令を改正し制度を改革しなければならない。そうすることによって法的安定性も回復する。
教育行政の衝に当たる者は、教育制度を守りつつ教育制度を変えていくという、一見二律背反的な責任を負っている。新たな課題には正面から取り組み、将来ビジョンを国民と共有しながら、教育制度や教育法令のあり方を不断に見直していかなければならない。
その第一歩は、制度と現実との乖離がどこで生じているのかを正しく認識することである。
〔大臣官房審議官(初等中等教育局担当) 前川 喜平〕
「初中教育ニュース」編集部
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