信頼される学校づくりを進めていく上では、各学校における教育活動等の状況について、適切に評価を行うためのシステムを構築して教育の質を保証し、不断の検証を図るとともに、学校の情報を積極的に公開して説明責任を果たしていくことが重要である。このような観点から、平成14年4月1日より施行されている小学校設置基準等において、学校評価について自己評価の実施と結果の公表が努力義務化されるとともに、保護者等に対する情報提供についても、各学校は積極的にこれを行うものとされたところである。
施行後2年が経過し、各学校における学校評価への工夫ある取組みが進む中、昨年に引き続き文部科学省では、小学校設置基準等に規定する自己評価とその結果の公表状況のほか、外部評価の実施状況等を調査した。なお、今回の調査では、全国の公立学校と同様に国立、私立学校についても調査した。以下、公立学校を中心に調査結果の概要を示す。
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学校評価の実施状況
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平成15年度間に自己評価を実施した公立学校は41,335校(94.6パーセント)〔前回88.4パーセント〕で、さらに学校種別の実施率をみると、幼稚園76.7パーセント〔前回61.8パーセント〕、小学校98.5パーセント〔前回95.6パーセント〕、中学校98.4パーセント〔前回94.8パーセント〕、高等学校が86.7パーセント〔前回69.6パーセント〕、盲・聾・養護学校90.3パーセント〔前回76.7パーセント〕となっており、全ての学校種で実施率が上昇している。また、外部評価(保護者や地域住民等による評価)を実施した公立学校は28,019校(64.1パーセント)〔前回44.3パーセント〕で、実施率は約20ポイント上昇している。学校種別でみると、幼稚園30.3パーセント〔前回15.9パーセント〕、小学校71.6パーセント〔前回50.6パーセント〕、中学校69.1パーセント〔前回48.4パーセント〕、高等学校55.9パーセント〔前回37.8パーセント〕、盲・聾・養護学校59.9パーセント〔前回39.6パーセント〕となっており、外部評価の導入が進んでいる。【図表1 】 |
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次に、都道府県別の実施状況をみると、自己評価実施率については、一部を除いて100パーセントに近い値となっているものの、外部評価の実施状況は依然として各都道府県・指定都市によってばらつきがみられる。【図表10、11】 |
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国立学校については、自己評価実施校は248校(94.7パーセント)、外部評価実施校は174校(66.4パーセント)である。【図表1 】 |
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私立学校については、自己評価実施校は4,591校(43.9パーセント)、外部評価実施校は1,618校(15.5パーセント)となっている。また、学校設置者による評価は2,295校(21.9パーセント)となっている。【図表1 】 |
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学校評価結果の公表状況
学校評価の公表状況について、自己評価実施校のうち評価結果を公表している公立学校は39.0パーセント〔前回38.9パーセント※〕、国立学校は48.0パーセント、私立学校は24.1パーセントとなっている。また、外部評価実施校のうち評価結果を公表している公立学校は83.0パーセント〔前回73.2パーセント※〕、国立学校は63.8パーセント、私立学校は43.1パーセントとなっている。外部評価結果の公表に比べ、自己評価結果の公表が進んでいないが、信頼される学校評価制度を確立するためには自己評価の公表が重要である。【図表2】
※全国都道府県教育長協議会調査の確定値
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学校評価の実施回数、評価項目、評価者
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平成15年度間の公立学校における学校評価の実施回数をみると、自己評価については各学期末に行う学校が多数(52.9パーセント)〔前回約52パーセント〕であり、外部評価については年度末に行う学校が多数を占める(63.7パーセント)〔前回約63パーセント〕。国立学校、私立学校については、いずれも年度末または各学期末に実施される傾向にある。【図表3】 |
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次に評価項目についてであるが、自己評価については、国公私立いずれも授業研究・教育課程、学校行事、校内研修・研究といった項目が上位を占めるが、情報の公開・発信、経理・文書の管理については、あまり評価対象とされていない。その他の主な自己評価項目として校種間連携、特別支援教育、医療機関との連携、国際教育、カウンセリングなどが報告されている。
外部評価については、国公私立いずれも学校行事、地域・家庭との連携、健康・安全指導、情報の公開・発信等が上位を占めるが、校内研修・研究、授業時数、校務分掌・校内組織、経理・文書管理等の項目が、外部評価の対象とされる割合は少ない。その他に挙げられた主な外部評価の例として、学校給食、人権教育、教職員の外部対応などが報告されている。【図表4、5】 |
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外部評価の評価者については、公立学校においては保護者(約78パーセント)、国立学校においては学校評議員(約79パーセント)、私立学校においては保護者(約64パーセント)が上位を占める。また、約40パーセントの公立学校で、児童生徒による評価を取り入れていることが注目される。その他に挙げられた外部評価者の例としては、インターンシップ先企業主、学校支援ボランティア、大学研究室、学習塾教師などがあった。【図表6】 |
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学校評価結果の公表方法
学校評価の結果を公表することは、保護者や地域住民に学校運営における理解や協力を促すとともに、学校の説明責任を果たす上で重要である。
調査結果によると、公立学校における評価結果の公表は、学校便りの配付(約69パーセント)、学校評議員への説明(約58パーセント)、保護者への説明会(約44パーセント)等の機会を利用して行われている。その他に挙げられた主なものとしては、学校要覧への掲載、入試説明会、オープンスクール参観者への説明会等があった。【図表7】
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学校評価における成果と課題
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学校評価を通じて得られた成果としては、主として次年度の取組みの参考、改善点の明確化、教職員の共通理解の推進など、学校内部での成果が目立つ。一方で、保護者や地域住民の意識の変化、地域の協力の推進といった面における成果はあまり認識されていない。その他の主な成果として、校務分掌組織の改善、個人情報の保護、後援会や同窓会、学校評議員の協力の推進といった例が報告されている。【図表8】 |
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学校評価実施上の課題として、国公私立いずれの学校も評価項目の設定、学校評価の活用、評価基準の設定、評価結果の公表方法、といった課題を抱えている割合が高い。その他の主な例として評価の妥当性、評価の集計といった課題が報告された。学校評価を実施した後には、学校評価の目的や実施方法、結果の活用方法を再度点検するなど、効果的な運用に向けたさらなる取組みが期待されるところである。【図表9】 |
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情報提供に関する教育委員会の取組
平成15年度間に都道府県・市町村教育委員会において、学校の情報提供を推進するために実施した取組を聞いたところ、去年に引続き、ホームページ開設の推進、指導を実施する都道府県教育委員会が約77パーセント、市町村教育委員会で約27パーセントと最も高く、取組の主流となっている。その他、学校管理規則に情報提供に関する規定を設けている都道府県・指定都市教育委員会は約32パーセント、学校公開週間を設定している都道府県・指定都市教育委員会は約25パーセント、教育の日又は教育週間を設定している都道府県・指定都市教育委員会は約20パーセントであった。また、情報提供に関する説明会・研修会を実施している都道府県・指定都市教育委員会は約40パーセント〔前回約20パーセント〕となり、意識の高まりがみられる。【図表12】
学校が、情報提供に向けた取組を行う上で、各教育委員会のサポートは不可欠であり、今後もさらなる教育委員会の積極的な支援が期待される。
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