|
今、「子どもの安全」が脅かされている。
近年、学校を発生場所とする犯罪の件数が増加している。凶悪犯が増加するとともに、外部の者が学校へ侵入した事件が、平成14年には2,168件と、平成11年(1,042件)と比べて2倍を超える状況にある。
平成11年12月には京都市立日野小学校において、平成13年6月には大阪教育大学教育学部附属池田小学校において、あまりにも痛ましく、安全であるべき学校において、決してあってはならない事件が発生した。
文部科学省では、学校における事件・事故が大きな問題になっている近年の状況を重く受け止め、学校安全の充実にハード・ソフトの両面から取り組む「子ども安心プロジェクト」を推進している。このプロジェクトの中で、「学校への不審者侵入時の危機管理マニュアル」の作成(平成14年12月)や、「学校施設整備指針」における防犯対策関係規定の充実(平成15年8月)、防犯や応急手当の訓練により教職員や子どもの安全対応能力の向上を図る「防犯教室」の開催の支援など、様々な施策を推進してきた。
これらを踏まえ、全国各地の学校では、学校や地域の状況に応じた学校安全に関する取組が行われてきているものの、附属池田小学校の事件の後も、昨年12月の京都府や兵庫県の小学校の事件など、学校に不審者が侵入して子どもの安全を脅かす事件や、通学路で子どもに危害が加えられる事件が後を絶たない。
関係者には、「私たちの学校や地域では事件は起こるまい」などと楽観せず、「事件はいつ、どこでも起こりうるのだ」という危機感を持っていただきたい。その上で、様々な対策を意図的に講じていかなければ学校の安全は確保できないという認識の下、緊張感を持って子どもの安全確保に取り組んでいただきたい。
また、子どもの健全な育成が学校、家庭、地域社会との連携・協力なしになし得ないのと同様、「安全・安心な学校づくり」、「安全・安心な子どもの居場所づくり」も地域ぐるみの取組なしにはなし得るものではない。
保護者の方々、地域社会の方々、警察・消防・自治会・防犯協会等の関係機関・団体の方々におかれては、学校や子どもの安全をめぐる危機的な状況を是非御理解いただき、次世代を担う子どもの安全を守るための取組に積極的に御協力願いたい。
このたび、各学校でより具体的な安全確保の取組を推進していただくため、学校や設置者が子どもの安全確保のための具体的な取組を行うに当たっての留意点や学校、家庭、地域社会、関係機関・団体の連携により子どもの安全を確保するための方策等について、別紙のようにまとめた。
これを関係する全ての方々にお読みいただき、それぞれの学校や地域で子どもの安全確保のための取組が積極的に推進されることを願ってやまない。
なお、文部科学省では、平成16年度においても、「子ども安心プロジェクト」として、「防犯教室」の開催の支援に関する事業や、地域との連携を重視した学校安全に関する実践的な取組を行う「地域ぐるみの学校安全推進モデル事業」等を引き続き推進するほか、新たに、教職員の危機管理意識を向上させるための「防犯教育指導者用参考資料」の作成・配付を行うこととしている。また、学校施設の防犯対策に関する事例集の作成をはじめとする、学校施設の安全対策に関する事業も推進することとしている。
今後も、文部科学省としては、学校安全に関する施策について、組織的、継続的に対応していきたい。
| 学校安全に関する具体的な留意事項等 |
【学校による具体的取組についての留意点】
| |
・ |
実効ある学校マニュアルの策定 |
|
・ |
学校安全に関する校内体制の整備 |
| |
・ |
教職員の危機管理意識の向上 |
|
・ |
校門等の適切な管理 |
| |
・ |
防犯関連設備の実効性ある運用 |
|
・ |
子どもの防犯教育の充実 |
| |
・ |
日常的な取組体制の明確化 |
|
|
|
|
【設置者による具体的取組についての留意点】
| |
・ |
設置する学校の安全点検の日常化 |
|
・ |
教職員に対する研修の実施 |
|
【地域社会に協力願いたいこと】
| |
・ |
学校安全の取組に御協力いただける方の組織化を |
| |
・ |
不審者情報等を地域で共有できるネットワークの構築を |
| |
・ |
「子ども110番の家」の取組への一層の御協力を |
| |
・ |
安全・安心な「子どもの居場所づくり」を |
|
| 【地域の関係機関・団体に協力願いたいこと】
|
|
(スポーツ・青少年局学校健康教育課)
|