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教職員等の選挙運動の禁止等について

14文科初第一〇四七号

平成一五年一月二七日
各都道府県・指定都市教育委員会教育長あて
文部科学省初等中等教育局長通知

教職員等の選挙運動の禁止等について

公務員は、全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではなく、その政治的中立性を確保するとともに、行政の公正な運営の確保を図る必要があることは言うまでもありません。

特に、教育公務員(校長、教頭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、常勤及び再任用短時間勤務講師、実習助手、寄宿舎指導員)については、教育の政治的中立性の原則に基づき、学校において特定の政党の指示又は反対のために政治的活動をすることは禁止され、さらに選挙運動等の政治的行為の制限等についても公職選挙法及び教育公務員特例法に特別の定めがなされているところです。

このたびの選挙にあたっても、左記の事項に留意の上、貴教育委員会が服務監督権を有する教育公務員に対して禁止行為の周知徹底を図り、教育公務員が個人としての立場で行うか職員団体等の活動として行うかを問わず、これらの規定に違反する行為や教育の政治的中立性を疑わしめる行為をすることにより、国民の教育に対する信頼を損なうことのないよう、服務の確保について格段の配慮をお願いします。

また、教育公務員以外の教育委員会事務局職員等については、地方公務員法により政治的行為が制限されているところであり、いやしくも、公務員の政治的中立性を疑わしめる行為をすることにより、教育行政に対する国民の信頼を損なうことのないよう、その服務の確保についても格段の配慮をお願いします。

その際、非違を犯した者があったときは、厳正な措置をとられるようお願いします。

さらに、教育委員会の委員についても、積極的に政治運動をすること及びその地位を利用して選挙運動をすることは禁止されているので、念のため申し添えます。

特に、近年、公務員による公職選挙法違反が大きな社会問題となったこと等をふまえ、本年四月に行われる統一地方選挙に際しては、一段と以上の趣旨の徹底を図るようお願します。

なお、都道府県教育委員会におかれては、以上の趣旨を域内の市町村教育委員会に周知くださいますようお願いします。

一 公務員がその地位を利用して選挙運動をすることは全面的に禁止され、また、候補者の推薦、後援団体の結成に参画するような選挙運動とみなされる行為をすることも禁止されていること。(公職選挙法第一三六条の二)

二 学校教育法に規定する学校の校長及び教員は、学校の児童・生徒等に対する教育上の地位を利用して選挙運動をすることができないこと。(公職選挙法第一三七条)

三 公務員には、公職選挙法による規制のほか、一定の政治的行為の制限がなされていること。(地方公務法第三六条及び国家公務員法第一〇二条)

(一) 公立学校の教育公務員の政治的行為の制限については、国立学校の教育公務員の例によるものであり(教育公務員特例法第二一条の四)、国立学校の教育公務員について制限されている「政治的行為」とは、国家公務員法第一〇二条及びこれに基づく人事院規則一四―七に規定されている政治的行為を指すものであること。

(二) したがって、公立学校の教育公務員について制限されている政治的行為は、教育公務員以外の地方公務員について制限されている政治的行為とは異なるものであり、かつ、その制限の地域的範囲は勤務地域の内外を問わずに全国に及ぶものであること。

四 以上の選挙運動の禁止又は制限は、公務員としての身分を有する限り、勤務時間の内外を問わず適用されるものであり(ただし人事院規則一四―七第六項第一六号については勤務時間内に限られる。)、休暇、休職(いわゆる在籍専従も含む。)、育児休業、停職等により現実に職務に従事しない者にあっても異なる取扱いを受けるものではないこと。

五 選挙運動等の禁止制限規定に違反する行為は、公務員の服務義務違反として懲戒処分の対象となるばかりでなく、前記一(公務員の地位利用による選挙運動)及び前記二(教育者の地位利用による選挙運動)の場合にあっては、刑事上の処罰の対象となるものであること、(公職選挙法第二三九条第一項第一号及び第二三九条の二第二項)

六 違反行為の例を列挙すると別紙のとおりであるが、具体的事例について判断するに当たっては、右欄の関係法令を参照して誤りなきを期せられたいこと。

(別紙)

公立学校教職員に禁止されている選挙運動等に関する行為の具体例


行為の例

関係法令

 

(「規則6―[cir1 ]、[cir8 ]等」とあるのは、「人事院規則14―7第6項第1号及び第8号等」を示す。)

1 候補者の推薦等

 

(1) 特定の候補者の当選を図るため、PTA等の会合の席で、その候補者の推薦を決定させること。

公選法136の2、137

規則6―[cir1 ]、[cir8 ]、[cir11 ]

(2) 校長・教員の地位を利用して、投票の周旋勧誘(いわゆる票の割り当て等)を行うとか、あるいは、演説会の開催その他の選挙運動の企画に関与したりすること。

公選法136の2、137

規則6―[cir1 ]、[cir8 ]、その他

(3) 特定の候補者を支持するため、校長・教員の地位を利用して、その候補者の後援団体を結成したり、その団体の構成員となることを勧誘すること。

公選法136の2、137

規則6―[cir1 ]、[cir5 ]、[cir6 ]

2 投票の依頼又は勧誘

 

(1) PTA等の会合の席上で特定の候補者へ投票するよう依頼すること。

公選法136の2、137

規則6―[cir1 ]、[cir8 ]、[cir11 ]

(2) 学校における児童・生徒及び保護者に対する面接指導の際、自分の支持する政党や候補者の名を挙げること。

公選法136の2、137

規則6―[cir1 ]

(3) 家庭訪問の際に、特定の政党や候補者に投票するよう勧誘すること。

公選法136の2、137

規則6―[cir1 ]、[cir8 ]

(4) 選挙運動員として、候補者の自動車などに乗り、投票を呼びかけること。

規則6―[cir8 ]

(5) 教職員としての地位を利用して電話で投票を依頼すること。

公選法136の2、137

規則6―[cir1 ]、[cir8 ]

3 署名運動

 

(1) 特定の政党や候補者の名を挙げて、賛成又は反対の署名運動をすること。

公選法138の2

規則6―[cir9 ]

(2) (1)の署名運動に協力するよう勧誘すること。

規則6―[cir9 ]

4 デモ行進

 

(1) 特定の政党又は候補者などを支持し又は反対するためのデモ行進のような示威運動を企て、指導し、又は援助すること。

規則6―[cir10 ]

(2) 選挙運動のために、自動車を連ねたり、隊伍を組んで歩くなど気勢をはること。

公選法140

5 新聞、雑誌、ビラ等

 

特定の政党や候補者などを支持し又は反対するために書かれた新聞、雑誌、ビラ等に関して、次のような行為をすること。

ア 発行すること。

イ 回覧に供すること。

ウ 掲示し又は配布すること。

エ 多数の人に朗読して聞かせること。

オ 以上の用に供するために著作し又は編集すること。

公選法142、143、146、148

規則6―[cir7 ]、[cir13 ]

6 広告、ポスター、あいさつ状等

 

(1) 選挙用ポスターをはってまわること。

規則6―[cir13 ]

(2) 受持ちの児童生徒に上記のポスターをはらせること。

公選法136の2、137

規則6―[cir1 ]

(3) 特定の政党や候補者を推薦する保護者あての文書を児童生徒に持ち帰らせること。

公選法136の2、137、142

規則6―[cir1 ]、[cir13 ]

(4) 選挙運動期間中、政党、候補者あるいはその家族、選挙運動員などの名を記載した年賀状、暑中見舞状などのあいさつ状を配ったり、掲示したりすること。

公選法142、143、146

規則6―[cir13 ]

(5) 「○○候補者の当選を期す」というようなポスターなどを職員室の壁にはること。

公選法143、145

規則6―[cir13 ]

(6) 以上の例のほか、選挙期間中、文書などについての配布又は掲示の禁止の規制を免れる行為として、いかなる名義をもってするを問わず、政党や候補者の名を記載した文書(推薦お礼のポスターなど)を配ったり、掲示したりすること。

公選法146

規則6―[cir13 ]

(7) 選挙運動用のポスターや葉書に推薦人として肩書を付して名前を連ねること。

公選法136の2、137

規則6―[cir1 ]

7 演説等

 

(1) 選挙運動のための個人演説会又は街頭で演説すること。

規則6―[cir8 ]、[cir11 ]

(2) 不特定多数の人に対し、特定の政党や候補者を支持し又は反対する意見を述べること。

規則6―[cir11 ]

(3) 選挙運動のための個人演説会などで、ピケを張ったり、必要以上にやじったりして妨害すること(集団で行えば更に重い罰則がある。)。

公選法225、230

8 資金カンパ

 

特定の政党、候補者などを支持し若しくは反対するために資金カンパを求め、又はそのような資金カンパの計画立案に参与し、又はその集金を援助すること。

規則6―[cir3 ]

9 その他

 

(1) 選挙運動のために放送設備(例えば校内放送設備)を使用すること。

公選法151の5

規則6―[cir11 ]

(2) 受持ちの児童生徒の保護者が候補者、選挙運動員又は有権者であるとき、担当教員である地位を利用して、これらの者を威迫すること。

公選法225、136の2、137

規則6―[cir1 ]

-- 登録:平成21年以前 --