ここからサイトの主なメニューです

民間等との共同研究の取扱いについて

13文科振第一一七八号

平成一四年三月二九日
各国立学校長・各大学共同利用機関長・大学評価・学位授与機構長・国立学校財務センター所長あて
文部科学省研究振興局長・文部科学省大臣官房会計課長通

民間等との共同研究の取扱いについて

今日、大学等における民間等との共同研究に対する社会の各方面からの要請・期待が大きくなっています。

これらの要請等に大学等が積極的に対応し、大学等の主体性を確保しつつ、学術研究の社会的協力・連携を深めていくことは、社会に対する貢献として極めて重要であるとともに、民間等との活発な交流を通して有益な刺激を受けるということからも有意義なことであります。

また、大学等がその研究の特性を発揮し、共同研究を推進し民間等との連携を図ることにより、社会経済の活力と国民福祉の向上を支える独創的な研究開発を展開することが重要となっております。

このため、従来、民間等との共同研究については、平成一一年三月三〇日付け文学助第一九五号学術国際局長・会計課長通知「民間等との共同研究の取扱いについて」により取り扱ってきたところですが、民間機関等の多様なニーズに対応し、より一層産学連携の推進を図るため、左記のとおり取り扱うこととしますので通知します。

なお、民間等との共同研究の実施に当たっては、引き続き、受入れに当たっての審査や研究の実施状況等の公表などを適切に行い、社会の疑惑を招かないよう御配慮願います。

おって、平成一一年三月三〇日付け文学助第一九五号学術国際局長・会計課長通知「民間等との共同研究の取扱いについて」及び昭和五九年五月八日付け文学助第一七二号学術国際局長・会計課長通知「受託研究及び民間等との共同研究に係る特許等の実施等について」は廃止します。

一 定義

本通知において「共同研究」とは、次のものをいう。

(一) 国立学校、大学共同利用機関、大学評価・学位授与機構及び国立学校財務センター(以下「各機関」という。)における共同研究

各機関において、民間等外部の機関(以下「民間機関等」という。)から研究者及び研究経費等を受け入れて、当該各機関の教官が当該民間機関等の研究者と共通の課題につき共同して行う研究。

(二) 各機関及び民間機関等における共同研究

各機関及び民間機関等において共通の課題について分担して行う研究で、各機関において、民間機関等から研究者及び研究経費等、又は研究経費等を受け入れるもの。

二 学内組織の整備

(一) 各機関の長は、共同研究の受入れの決定を適切に行うため、共同研究の受入れ等共同研究の実施に必要な事項を審議するための学内組織を整備すること。また、必要に応じ、「大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律」に基づく技術移転事業者等との連携を図ること。

(二) 各機関の長は、共同研究契約を締結するにあたっては、外部の専門家の活用も図るなど、柔軟かつ迅速な対応に努めること。

三 共同研究の受入れの決定等

(一) 共同研究の受入れは、民間機関等の申請に基づいて各機関の長が決定すること。

ただし、当該研究を行う学部(教養部を含む。)、附置研究所、附属病院(分院を含む。)、大学院の研究科、全国共同利用施設又は学内共同教育研究施設等の部局の長(以下「学部等の長」という。)に、この決定をゆだねることができること。

(二) 各機関の長は、三の(一)により共同研究の受入れを決定するに当たって、共同研究経費の配分を希望する場合は、別に通知するところにより研究振興局長に申請すること。

(三) 各機関の長又は学部等の長は、共同研究の受入れを決定したときは、その決定の内容を契約担当官に通知すること。

四 契約の締結

共同研究契約の締結は契約担当官において、三の(三)の各機関の長又は学部等の長の通知に基づき行うこと。

五 共同研究の取扱い

(一) 研究者の受入れ

[cir1 ] 各機関は、民間機関等に属する研究者を受け入れる場合は、民間等共同研究員として受け入れること。

[cir2 ] 民間等共同研究員は、民間機関等において、現に研究業務に従事しており、共同研究のために在職のまま各機関に派遣される者であること。

[cir3 ] 民間等共同研究員の研究料の額(消費税相当額含む)は、年額四二万円とし、月割り計算はしないものとすること。

[cir4 ] 研究料は、共同研究契約を締結した後直ちに徴収するものとすること。

[cir5 ] 同一年度内において研究期間を延長することとなる場合には、同一の民間等共同研究員に係る研究料は、改めて徴収する必要はないこと。

[cir6 ] 研究料の歳出予算額は、三五万円とすること。

(二) 共同研究に要する経費

[cir1 ] 一の(一)の各機関における共同研究の場合

ア 各機関は、その施設・設備を共同研究の用に供するとともに、当該施設・設備の維持・管理に必要な経常経費等を負担すること。

イ 民間機関等は、共同研究遂行のために、五の(二)の[cir1 ]のアにより各機関が負担するもののほか、特に必要となる謝金、旅費、研究支援者等の人件費、消耗品費、光熱水料等の直接的な経費(以下「直接経費」という。)を負担すること。

ウ 各機関は、共同研究の遂行に必要な経費を適切に分担する観点から、五の(二)の[cir1 ]のイの直接経費の一部を、必要に応じ、予算の範囲内において、負担して差し支えないこと。

エ 各機関は、五の(二)の[cir1 ]のウにより直接経費の一部を負担するに当たり、既定経費以外に特に予算措置を必要とする場合には、別途共同研究経費の配分を申請することができること。

オ 民間機関等から受け入れる共同研究に要する経費は、歳入歳出予算を通して経理すること。

[cir2 ] 一の(二)の各機関及び民間機関等における共同研究の場合

五の(二)の[cir1 ]に加え、民間機関等における研究に要する経費等は、民間機関等の負担とすること。

(三) 設備等の取扱い

[cir1 ] 五の(二)の[cir1 ]により、研究の必要上、各機関において新たに取得した設備等は、各機関の所有に属すること。

[cir2 ] 五の(二)の[cir2 ]により、研究の必要上、民間機関等において新たに取得した設備等は、民間機関等の所有に属すること。

[cir3 ] 一の(一)及び[cir2 ]で各機関で行う共同研究の遂行上必要な場合には、民間機関等から、共同研究に要する経費のほか、その所有に係る設備を受け入れることができること。

(四) 研究場所

[cir1 ] 各機関の教官は、各機関において行う研究又は分担して行う研究のために必要な場合には、民間機関等の施設において研究を行うことができること。

[cir2 ] 五の(四)の[cir1 ]の場合において、教官が当該民間機関等の施設において研究を行う場合は、研究用務のための正規の出張として手続きをとること。

(五) 進行状況の報告等

[cir1 ] 各機関及び民間機関等は、共同して、共同研究の進行状況の把握等を行うこと。

[cir2 ] 各機関及び民間機関等は、研究期間中、必要に応じて報告会を開催するなど、進行状況について報告を行うとともに、進行その他について民間機関等と協議すること。

(六) 実績報告書の作成

各機関及び民間機関等は、実施期間中に得られた研究成果について、実績報告書を取りまとめること。

(七) 研究成果の公表

共同研究による研究成果は、公表を原則とするものであること。

なお、その公表の時期・方法については、必要な場合には、特許権等の取得の妨げにならない範囲において、各機関の長は、民間機関等と協議のうえ、契約書等において適切に定めること。

(八) 特許出願

[cir1 ] 各機関の長及び民間機関等の長は、共同研究に伴い発明が生じた場合には、速やかに、相互に通報するとともに、帰属の決定、出願事務等が迅速かつ円滑に行われるよう努めること。

[cir2 ] 各機関の長及び民間機関等の長は、速やかに発明の帰属を決定できるよう、共同研究の契約時に、相互の役割分担等を協議し定めておくこと。

なお、各機関の長又は学部等の長は、各機関に設置されている発明委員会に、当該発明の帰属の決定を審議させるものとし、発明があった都度同委員会を開催するなど、その迅速な処理に努めること。

[cir3 ] 各機関の長又は民間機関等の長は、各機関の教官又は民間等共同研究員が、共同研究の結果それぞれ独自に発明を行った場合において、特許出願を行おうとするときは、当該発明を独自に行ったことについて、あらかじめ、それぞれ相手方の同意を得ること。

[cir4 ] 各機関の長及び民間機関等の長は、各機関の教官又は民間等共同研究員が共同研究の結果共同して発明を行った場合において、特許出願を行おうとするときは、持ち分等を定めた共同出願契約を締結のうえ、共同出願を行うこと。

ただし、民間機関等の長から特許を受ける権利を承継した場合は、各機関の長が単独で出願を行うこと。

[cir5 ] 各機関の長は、五の(八)の[cir4 ]による共同出願契約を締結する場合、外部の専門家を活用するなど柔軟かつ迅速な対応に努めつつ、当該教官と当該民間等共同研究員との持ち分案を定めたうえで、共同出願契約を締結すること。

なお、各機関の長又は学部等の長は、当該持ち分案及び当該共同出願契約の締結等を発明委員会に審議させるものとし、事案の都度同委員会を開催するなど、その迅速な処理に努めること。

(九) 特許権等の実施

[cir1 ] 各機関の長は、共同研究の結果生じた発明につき、国が承継した特許を受ける権利又はこれに基づき取得した特許権(以下「国が承継した特許権等」という。)を民間機関等又は民間機関等の指定する者に限り、出願したときから一〇年を超えない範囲内において優先的に実施させることができること。

[cir2 ] 各機関の長は、共同研究の結果生じた発明につき、民間機関等との共有に係る特許を受ける権利又はこれに基づき取得した特許権(以下「共有に係る特許権等」という。)を民間機関等の同意を得て、民間機関等の指定する者又は各機関の長の指定する者に対し、出願したときから一〇年を超えない範囲内において優先的に実施させることができること。

[cir3 ] 五の(九)の[cir1 ]、[cir2 ]の場合における優先的実施期間については、必要に応じて更新することができること。なお、更新する場合の取扱いに当たって、特許権等の実施は、国の財産の運用であることに留意し、公共性・公平性を著しく損なわないことなどについて考慮のうえ取り扱うこと。

[cir4 ] 五の(九)の[cir1 ]の場合において、民間機関等若しくは民間機関等の指定する者が国が承継した特許権等を、五の(九)の[cir2 ]の場合において、民間機関等の指定する者又は各機関の長の指定する者が共有に係る特許権等を、それぞれ優先的実施の期間中、一定期間(各機関の長と民間機関等の長が協議して定めた期間)を超えて、正当な理由なく実施しないときは、各機関の長は、民間機関等、民間機関等の指定する者及び各機関の長の指定する者以外の者に対し、民間機関等又は民間機関等の指定する者の意見を聴取のうえ、当該特許権等の実施を許諾することができること。

[cir5 ] 五の(九)の[cir1 ]、[cir2 ]又は[cir4 ]により、国が承継した特許権等若しくは共有に係る特許権等の実施を許諾したとき、又は、共有に係る特許権等を国と共有する民間機関等が実施するときは、別に実施契約を定め、実施料を徴収すること。

(一〇) 実用新案権等の取扱い

実用新案権及び実用新案登録を受ける権利については、五の(八)及び(九)に準じて取り扱うこと。

(一一) 秘密の保持

各機関の長及び民間機関等の長は、共同研究契約の締結に当たり、相手方より提供又は開示を受け、もしくは知り得た情報について、あらかじめ協議のうえ、非公開とする旨、定めることができること。

六 その他

(一) 学内諸規程を整備するに当たっては、研究の実施状況等の公表などについても配慮すること。

(二) 五の(二)の[cir1 ]のエにおける共同研究経費に係る申請の取扱いについては、別途、毎年度文部科学省からの通知により行うことに留意すること。