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日本語教育のための試験の改善について―日本語能力試験・日本語教育能力検定試験を中心として―(報告)(抄)

日本語教育のための試験の改善に関する調査研究協力者会議

平成一三年三月三〇日

日本語教育のための試験の改善について―日本語能力試験・日本語教育能力検定試験を中心として―(報告)(抄)

はじめに

近年、我が国と諸外国との国際交流の進展に伴い、広く日本語学習への関心が高まってきており、学習者の数も増加の傾向にある。

多様な日本語学習の目的や需要、それに対応した日本語教員の活躍する場の広がりなど日本語教育を取り巻く状況の変化の中で、日本語を母語としない者対象に日本語能力を測定する「日本語能力試験」や、日本語教員の知識・能力を判定する「日本語教育能力検定試験」は、それぞれ開始後十数年を経て、その内容の工夫・改善等の必要性が指摘されているところである。

これらの試験の新たな展開など日本語教育施策の振興を更に効果的に図ることは、我が国の内外における国際交流や文化理解を一層深めることに繋がり、お互いの国や文化の真の理解を深めるための基盤となるものである。

このような観点から、本協力者会議では両試験の一層の充実・改善を図ることを目途に、試験の基本的な在り方や実施体制・方法等について幅広い視野から検討を重ね、その結果をここに「日本語教育のための試験の改善について」としてまとめた。

今後、実施団体や日本語教育関係者及び関係団体により、この提言の実現に向けた検討や取組が積極的に行われることが望まれる。

[Roman1 ] 日本語能力試験の改善について

一 日本語能力試験の現状と課題

(一) 日本語能力試験の現状

日本語能力試験は、日本語を母語としない者を対象に日本語能力を測定し認定することを目的としている。日本語能力試験は、一級から四級の級別に行うもので、国内においては(財)日本国際教育協会が昭和五八年度から、海外においては国際交流基金が昭和五九年度から、毎年一回、一二月に実施している。

受験者は年々増加しており、平成一二年度には、国内九都道府県、海外三五の国・地域(八二都市)で実施され、国内外の総受験者数は、二〇一、〇二一人であった。

日本語能力試験は、基本的な日本語能力の測定を目的とするとともに、一級から四級まである級の中で、特に一級及び二級は外国人留学生の大学等の入学選考にも活用されている。特に一級の認定基準については、この両者の目的を両立させようという考えの下に設定されている。

(二) 日本語能力試験の課題

このような状況の下に、これまで試験関係者の努力によって試験問題作成のための出題基準の作成、試験問題の信頼性・妥当性の向上などが図られてきた。

しかし、外国人留学生の大学等の入学選考については、日本の大学等での勉学に対応できる日本語力を測定する「日本留学試験」の実施が平成一四年度から予定されている。このことに鑑み、日本語能力試験の基本的な在り方については、特にその目的・役割を検討する必要がある。

また、国内外の日本語学習者の増加とともに、日本語能力試験の受験者についても、一級、二級の受験者が必ずしも日本への留学希望者のみではないという状況が以前から生じている。このような状況の中で、日本語能力試験が、多様な学習者の需要に適合し、今後より多くの学習者が受験することを促し、学習意欲の向上に資するためには、学習者が必要とする基本的で幅広い日本語能力を測定する試験へと、目的を明確化することを検討する必要がある。日本語能力試験が上述のとおり学習者の到達目標として利用されている状況を踏まえると、今後、日本語に関する知識があるかどうか、またそれが実際に運用できるかどうかを測定するための試験として、位置付けを明確にして実施されるべきである。

日本語能力試験の各級別の認定基準は、学習時間数を基準にして初級の四級から上級の一級へという区分になっているが、学習者の需要が多様化している現状においては、むしろ具体的な言語技能を勘案した認定基準を設けることが合理的であると考えられる。したがって、どのような級別及び認定基準が適当であるか、見直しを行っていくことが必要である。

また、現行の試験は、文字・語彙、聴解、読解・文法の三つの類別に分けて出題されているが、これらの類別の内容を運用能力をより重視する視点から見直すとともに、各類別の構成の仕方や各類別ごとの部分受験を認めること等についても将来検討が行われる必要がある。

二 日本語能力試験の内容の改善について

(一) 日本語能力試験の基本的な在り方

[cir1 ] 目的・役割

日本語能力試験は、知識だけでなく実際に運用できる日本語能力を測定することを今以上に重視するとともに、さらに、口頭能力試験や記述試験においても日本語によるコミュニケーション能力を測定する試験方法も考えていくことが望ましい。ここで用いる日本語コミュニケーション能力とは、人と人とが実際に接触し、意志の疎通をはかろうとする際に、日本語に関する知識だけではなく、例えば、様々な社会・文化的要素にも気を配るなど、双方向的かつ柔軟に運用できる日本語能力のことである。

また、日本語能力試験は、日本語運用能力の測定と、学習奨励となるような到達度の測定の両方の役割を持った試験と考えられる。その場合、日本語学習者の学習目標の到達度(学習課題をどのくらい達成しているか)を見る性格が強い下位の級から、日本語運用の熟達度(日本語の運用能力がどのくらいあるのか)を見る性格が強い上位の級になるに従い、文字・語彙・文法といった知識的側面及び言語運用的側面の難度を高めることとすべきである。なお、各級の試験内容を見直す場合は、従来の日本語能力試験との継続性についても十分配慮する必要がある。

さらに、国内外における日本語教育を巡る状況の変化の中で、異文化間の理解や共生等を促進するために、日本語非母語話者と日本人との日常的な接触・交流を支える日本語の運用能力を測定する試験という視点からの検討も忘れてはならない。

[cir2 ] 受験者日本語能力試験は、原則として日本語を母語としない者を対象として日本語能力を測定する試験とする。

[cir3 ] 認定基準

現行の認定基準は、学習時間数を基準にして級別区分が行われているが、学習者の需要が増加し国内外での異文化接触・交流場面が多様化している現状においては、むしろ実際の接触・交流場面で共通して必要と考えられる具体的な言語技能や言語活動を勘案した認定基準を設けることが合理的であると考える。このため、例えば認定基準を記述する場合には、例示として「○級なら○○ができる」という、試験者にとって分かりやすい記述の方法が考えられる。

また、現行の一級の認定基準における「大学における学習・研究の基礎として役立つような」の記述に関しては、「日本留学試験」の設置目的と明確に区別するため、日本語能力試験の認定基準においては、大学等の入学志願者のための日本語能力の測定を目的とするような記述は見直すべきである。

(二) 日本語能力試験の構成

[cir1 ] 級別の在り方

級別の在り方については、現行の級別では一、二級と三、四級との間の差が大きいことが指摘されているが、このことについては、上位の級と下位の級の構成内容を調整することで解決できるであろう。

また、将来は文字を媒介としないで受けられる試験を開設することにより、新たな受験者層を開拓できるものと考える。日本語学習への動機付け及び学習の奨励のために「五級」相当の試験を設けることも検討するに値する。ただし、当面は、従来の試験との継続性を踏まえ、級の数は四つとし、四級の中に「五級」相当の内容を含めることも一案である。

[cir2 ] 初等・中等教育段階の学習者への対応

近年の日本語学習者の増加において特に海外の初等・中等教育機関における学習者数は大幅な伸びを示しており、海外での日本語学習者数約二一〇万人(平成一〇年度・国際交流基金調査)のうち、初等・中等教育機関の学習者は約三分の二を占めている。

海外における初等・中等教育段階の学習者向けの試験は、その国の教育課程や日本語教育態勢等の状況に合わせて行うことが適切である。しかしながら日本語教育関係の人材が十分でない国も多く、そのような場合には我が国が初等・中等教育段階の学習者向けの試験問題作成を支援することも必要であろう。

すでに各国において、初等・中等教育段階の学習者の日本語能力を測るために日本語能力試験が活用されている実態があるが、日本語能力試験の試験問題は、基本的に成人学習者を想定して作成されているため、年少者にとっては理解が困難な内容の設問が含まれている場合がある。試験問題の作成においては初等・中等教育段階の学習者への配慮も必要となる場合もあろう。

なお、初等・中等教育段階の学習者への対応として、国際交流基金では日本語能力試験とは別の試験として、例えば年少者向けの試験問題素材集(教材に近い形の試験キット)の開発が考えられている。

(三) 日本語能力試験の類別

従来の試験は「文字・語彙」、「聴解」、「読解・文法」の三類別で構成されているが、「読解・文法」は言語知識を問う文法と運用能力を問う読解が混在する類別となっている。しかし、類別としては主として知識面を問う「文字・語彙・文法」と、運用面を問う「聴解」、「読解」のような分け方が望ましいと考える。現在、実施団体において行っている統計的な調査分析を踏まえ、類別案についてさらに検討されることが必要である。

また、類別とともに出題内容は、学習目標への到達度を測定する下位の級では言語知識を問うものを多くし、日本語運用の熟達度を測定する性格が強い上位の級では、運用能力を問うものを多くして測定することが考えられる。

なお、口頭能力を測定する試験の開発や部分受験については、将来に向けての課題として検討することが望まれる。

三 日本語能力試験の実施体制及び方法

(一) 日本語能力試験の実施体制

日本語能力試験の実施体制については、[cir1 ]試験問題作成、[cir2 ]試験実施、[cir3 ]試験に関する調査研究、[cir4 ]試験の管理・評価の整備・拡充が重要である。そのためには、予算、人員等の一層の充実のほか、日本語教育に関係する各機関が有しているデータや知識を日本語の試験の共通的基盤となるように共有していく連携協力体制の形成が必要である。

また、試験においては問題作成のための基礎的な研究が必要であり、それに基づいて問題作成や分析評価が行われるべきである。問題作成と分析評価については、実施団体間で緊密に連携を取りながら共通理解の基盤となる基本的な情報を共有することが必要である。

さらに、いずれかの機関が、常に新しい言語資源・データ等を備え、より良質な試験問題の作成に資することが求められている。そのため、国立国語研究所等を核として、基礎的データの整備や日本語の試験のための基礎的な調査研究などの日本語教育の支援体制を検討することが必要であろう。

試験問題の作成体制については、これまで作成者に過重の負担をかけていることに鑑み、試験問題作成者の増員、半数交替制等の導入によって、作成者の負担を軽減するとともに、試験作成に関わる人材養成(試験問題素案作成者を含む。)を同時に行えるようにすることが必要である。並行して、試験作成者とは独立に、作成過程の節目、節目に試験問題素案を検討して改善点を提示する評価委員会を設置するなど、試験作成者に対する支援体制を一層充実させることが重要である。

近年、身体障害者等の受験が国内外とも増えてきているが、受験特別措置の認定、障害別の試験問題の公平性の保持、受験時の介護・協力等、障害受験者へきめ細かく対応すべく体制の一層の整備が必要であろう。

(二) 実践的能力を測定する方法

実践的な運用能力を測定する方法については、ある一定の条件を満たす者を対象とする口頭能力試験や記述試験の開設、インターネットの利用も含む試験のコンピュータ化や、口頭能力試験のための試験者ないし採点者の養成など、着手可能な部分と将来的な課題とを分けて考え、今後における具体的な実施を念頭に調査研究を継続して進めることが必要であろう。

また、将来の検討課題の一つとして、試験の結果の表示に関して、素点ではなく尺度得点を用いることが挙げられる。このことについては、日本語能力試験の得点の時期(年度)間の等化の実現や日本語能力試験の得点表示の改善のため、実施団体において平成九年度から等化用試験問題を用いた調査を行っているところであり、その成果が期待されるところである。

なお、試験の複数回実施についても要望が強いが、具体的な実施については、等化の問題を含めて継続的に検討することが必要であると考える。

[Roman2 ] 日本語教育能力検定試験の改善について

一 日本語教育能力検定試験の現状と課題

(一) 日本語教育能力検定試験の現状

日本語教育能力検定試験は、日本語教員の専門性の確立と日本語教育の水準の向上を目的に、日本語教員の知識・能力を判定するものとして、(財)日本国際教育協会が昭和六二年度から、毎年一回、一月に実施している。

平成一二年度は、国内四地区で実施され受験者は五、八五八人であった。

また、日本語教育能力検定試験は、日本語教員を目指す人たちの学習到達目標として活用されている実態があるとともに、日本語教育施設に教員として採用されるための条件とされることが多く、日本語教育施設における教育水準を高める上において大きな役割を果たしてきた。

(二) 日本語教育能力検定試験の課題

[cir1 ] 日本語教育能力検定試験の内容

平成一二年三月の文化庁・日本語教員の養成に関する調査研究協力者会議報告『日本語教育のための教員養成について』(以下『教員養成について』という。)において、日本語教育能力検定試験の内容については、出題範囲や試験方法が日本語教育に関する知識を測定することに偏重しているのではないかと指摘されている。特に、出題範囲に挙げられている主要項目の各事項ごとの断片的な知識問題に対して短い時間で効率的に答えていく受験能力が必要とされていることや、日本語教育に必要な実践的な能力について十分に測定することができないなどの問題が指摘されている。

[cir2 ] 日本語教育能力検定試験の水準

日本語教育能力検定試験は、大学学部の日本語教員養成副専攻課程修了の水準を想定した試験となっているが、日本語教育の専門家の活躍の場が多様化し、より専門的な知識・能力が必要とされる教育の場においては、現在の日本語教育能力検定試験の合格水準を満たす知識や能力だけでは十分に対応できないという問題もある。

また、日本語教育能力検定試験の水準については、現行の水準(大学学部の日本語教員養成副専攻課程修了者相当)を保ちながら、日本語教育の世界により多様な人材の参加が期待でき、幅広い知識とより実践的な能力を測定できるものが求められている。また、現行の水準の試験とは別に一段高い水準の試験を新たに設けることについて検討することも期待されている。このような多角的な検討を要する日本語教育能力検定試験の水準設定については、実施形態等と合わせた検討も必要である。

[cir3 ] 日本語教育能力検定試験の出題範囲

日本語教育能力検定試験の出題範囲は、昭和六二年四月の文部省・日本語教員検定制度に関する調査研究会報告『日本語教員検定制度について』における「出題範囲」に基本的に準拠してきた。

また、前述の『教員養成について』においては、既に今後の日本語教員養成における教育内容が示されている。その中で、日本語教員として望まれる資質・能力や日本語教育の専門家としての知識・能力を適切に測定するために、日本語教育能力検定試験の出題範囲を見直すことの必要性も指摘されている。

二 日本語教育能力検定試験の内容の改善について

(一) 日本語教育能力検定試験の基本的な在り方

[cir1 ] 日本語教育能力検定試験の内容及び水準

『教員養成について』において、日本語教員養成課程編成の基本的方針として従来設けられていた主専攻・副専攻の区分は設けないこととし、基礎から応用に至る選択的な「日本語教員養成において必要とされる教育内容」が示されている。このことにより、日本語教育能力検定試験の内容は、現行の試験における専門家としての最低限の知識・能力を測定するという水準を保った上で、幅広い知識とより実践的な能力を測定することもできる試験を目指すことが期待される。

また、水準については、「日本語教員養成において必要とされる教育内容」に基づいて大学や日本語教員養成機関等がこれから設置・改編していくであろう養成講座の修了生と同等程度の者が国内外に日本語教育の専門家として活躍していくための基礎的・基本的な知識・能力の必要条件を満たしているか否かを測定するものとすべきである。

[cir2 ] 日本語教育能力検定試験の受験資格

日本語教育能力検定試験の創設当初は、副専攻課程ができる以前から日本語教員であった人たちが副専攻の水準の知識や能力があることを審査するという目的のため、受験資格は、学歴は問わず満二〇歳以上の者を対象としてきた。今後は、大学入学年齢について規制緩和の方針にある現在の教育改革の動向を勘案し、日本語教育の場に広く教育者・指導者等としてふさわしい知識・能力を有する多くの人材の受け入れを促すため、年齢制限は設けないことが望ましい。

なお、この日本語教育能力検定試験は、教員の資格を認定するものではない。また、日本語教員としての適性・資質等についても、この試験だけで認定できるものではなく、採用する各々の機関・施設等がそれらの点について評価することが望まれる。

(二) 日本語教育能力検定試験の出題範囲

日本語教育能力検定試験の出題範囲は、基本的に「日本語教員において必要とされる教育内容」において示された五区分を踏まえ「社会・文化・地域」、「言語と社会」、「言語と心理」、「言語と教育」、「言語一般」とし、その五区分は緩やかな関係ととらえ、また優先順位を設けず、いずれも等価と位置付けることが望ましいと考える。

また、出題範囲の内容は、多様な学習需要や社会状況の変化等を踏まえ実施団体において必要に応じて検討し、出題範囲に変更すべき内容が生じた場合は、受験関係者に対して変更の内容と時期についてできるだけ速やかに周知を行うべきである。

本協力者会議において提示する出題範囲は、おおむね次のとおりである。

出題範囲

次のとおりとする。ただし全範囲にわたって出題されるとは限らない。


区分

主要項目

一 社会・文化・地域

一 世界と日本

(一) 諸外国・地域と日本

(二) 日本の社会と文化

二 異文化接触

(一) 異文化適応・調整

(二) 人口の移動(移民・難民政策を含む.)

(三) 児童生徒の文化間移動

三 日本語教育の歴史と現状

(一) 日本語教育史

(二) 日本語教育と国語教育

(三) 言語政策

(四) 日本語の教育哲学

(五) 日本語及び日本語教育に関する試験

(六) 日本語教育事情:世界の各地域、日本の各地域

四 日本語教員の資質・能力

二 言語と社会

一 言語と社会の関係

(一) 社会文化能力

(二) 言語接触・言語管理

(三) 言語政策

(四) 各国の教育制度・教育事情

(五) 社会言語学・言語社会学

二 言語使用と社会

(一) 言語変種

(二) 待遇・敬意表現

(三) 言語・非言語行動

(四) コミュニケーション学

三 異文化コミュニケーションと社会

(一) 言語・文化相対主義

(二) 二言語併用主義(バイリンガリズム(政策))

(三) 多文化・多言語主義

(四) アイデンティティ(自己確認、帰属意識)

三 言語と心理

一 言語理解の過程

(一) 予測・推測能力

(二) 談話理解

(三) 記憶・視点

(四) 心理言語学・認知言語学

二 言語習得・発達

(一) 習得過程(第一言語・第二言語)

(二) 中間言語

(三) 二言語併用主義(バイリンガリズム)

(四) ストラテジー(学習方略)

(五) 学習者タイプ

三 異文化理解と心理

(一) 社会的技能・技術(スキル)

(二) 異文化受容・適応

(三) 日本語教育・学習の情意的側面

(四) 日本語教育と障害者教育

四 言語と教育

一 言語教育法・実技(実習)

(一) 実践的知識・能力

(二) コースデザイン(教育課程編成)、カリキュラム編成

(三) 教授法

(四) 評価法

(五) 教育実技(実習)

(六) 自己点検・授業分析能力

(七) 誤用分析

(八) 教材分析・開発

(九) 教室・言語環境の設定

(一〇) 目的・対象別日本語教育法

二 異文化間教育・コミュニケーション教育

(一) 異文化間教育・多文化教育

(二) 国際・比較教育

(三) 国際理解教育

(四) コミュニケーション教育

(五) 異文化受容訓練

(六) 言語間対照

(七) 学習者の権利

三 言語教育と情報

(一) データ処理

(二) メディア/情報技術活用能力(リテラシー)

(三) 学習支援・促進者(ファシリテータ)の養成

(四) 教材開発・選択

(五) 知的所有権問題

(六) 教育工学

五 言語一般

一 言語の構造一般

(一) 言語の類型

(二) 世界の諸言語

(三) 一般言語学・日本語学・対照言語学

(四) 理論言語学・応用言語学

二 日本語の構造

(一) 日本語の構造

(二) 音声・音韻体系

(三) 形態・語彙体系

(四) 文法体系

(五) 意味体系

(六) 語用論的規範

(七) 文字と表記

(八) 日本語史

三 コミュニケーション能力

(一) 受容・理解能力

(二) 言語運用能力

(三) 社会文化能力

(四) 対人関係能力

(五) 異文化調整能力

(注) 「一 社会・文化・地域」「二 言語と社会」「三 言語と心理」「四 言語と教育」「五 言語一般」の五区分は、緩やかな関係ととらえ、また優先順位を設けず、いずれも等価と位置付ける。

三 日本語教育能力検定試験の実施及び方法

(一) 日本語教育能力検定試験の実施

日本語教育能力検定試験の実施については、前述の「社会・文化・地域」、「言語と社会」、「言語と心理」、「言語と教育」、「言語」の五区分を踏まえ、筆記試験と聴解試験に分けることとし、各内容は極力同じ時間配分により行うことが望ましい。

また、日本語教育能力検定試験は、基礎的・基本的な知識・能力を総合的に測定する試験であり、部分受験は認めないことが適切であると考える。

なお、日本語教育能力検定試験の実施に関しては、出題範囲の内容の変更に対応した試験の問題作成、分析評価や一層の改善のための調査研究など、それらの体制の整備・充実が継続的に行われることが必要であろう。

さらに、日本語教育能力検定試験の実施に当たっては、この試験が日本語教育界全体に大きく寄与している実状を踏まえ、今後とも信頼性の高い試験として実施されるよう実施団体との連携・協力、例えば(社)日本語教育学会との連携が積極的に行われることが望まれる。

(二) 実践的能力を測定する方法

実践的能力を測定する方法については、現行の記述試験においても部分的に行われているが、今後は、より実際の教育の場面に即した実践能力を測定するため、例えばビデオ等の電子媒体(メディア)の使用など一層の工夫が求められる。

また、教員として必要とされる言語運用能力なども測定できるような実技試験の開発に関しては、現在の問題作成・実施体制等を勘案すると将来に向けての検討課題であると考えるが、その実現が強く望まれることを指摘しておきたい。

参考資料(略)

日本語教育のための試験の改善に関する調査研究協力者(略)