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近代遺跡の調査の実施について

8保記第三九号

平成八年八月一三日
各都道府県教育委員会文化財主幹課長あて
文化庁文化財保護部記念物課長通知

近代遺跡の調査の実施について

標記のことについて、本年度から八か年の計画で、近代遺跡の全国調査を実施することになりました。

今回実施する全国調査は、今後近代遺跡の保存や活用に取り組む際の基礎資料となるものですので、調査の意義を御理解いただき、御協力くださいますようお願い申しあげます。

本年度は、所在調査の一年目として、鉱業、エネルギー産業、重工業、軽工業の分野について調査を実施しますので、別添の近代遺跡調査実施要項を御参照の上、所定の様式により、平成九年一月末までに調査票を御提出願います。また、本年一一月末に調査状況を中間報告願います。

なお、建造物課が平成二年度より実施している近代化遺産の調査と重複する遺跡についても御記入ください。

近代遺跡調査実施要項

(平成八年七月一八日)

(文化財保護部長決裁)

近代の遺跡については、従来文化財保護法による指定等の保護は、あまり進んでいない状況にある。一方、土地利用の改変や都市の再開発等に伴い、消滅の危機に瀕しているものも少なくないと考えられる。このため、我が国の近代の歴史を理解する上で欠くことのできない重要な遺跡について適切な保護をはかることが急務となっているが、遺跡の保存状況についての全国的な調査は、未だ十分に行われていないのが現状である。そこで、文化財保護企画特別委員会報告(平成六年七月一五日)や近代の文化遺産の保存・活用に関する調査研究協力者会議報告(平成七年一月二〇日=記念物分科会関係報告、平成八年七月八日=全体報告)等の提言を踏まえ、平成八年度から近代遺跡の全国調査を実施する。

調査は、次の要領により、都道府県教育委員会、市町村教育委員会、その他近代の遺跡に関する情報を有する機関等の協力を得て行い、調査の成果は報告書としてまとめ、国、都道府県、市町村等の関係者の活用に供することとする。

一 対象とする時期

対象とする遺跡の時期は、幕末・開国頃から第二次世界大戦終結頃までとする。

二 対象とする遺跡の分野区分

調査の対象は、政治・経済・社会・文化その他のすべての分野にわたるが、便宜上、近代の遺跡が特に多く残存していると考えられる経済の分野を産業別に区分し、次の一一の分野区分に従い調査を行う。

なお、近代の遺跡はその種類もきわめて多岐にわたるため、各地域の近代化にとって重要な遺跡であって、以下の分野区分に適合しないものもあると考えられる。このような遺跡については、各分野の「その他」の項で報告されたい。

経済

[cir1 ] 鉱業

[cir2 ] エネルギー産業(鉱業を除く。)

[cir3 ] 重工業

[cir4 ] 軽工業

[cir5 ] 交通・運輸・通信業

[cir6 ] 商業、金融業

[cir7 ] 農林水産業

社会

[cir8 ] 社会(生活様式、都市計画、保健・衛生、福祉、社会運動等)

政治

[cir9 ] 政治(立法、行政、司法、外交、軍事、政治運動等)

文化

[cir10 ] 文化(学術、芸術、教育、情報伝達等)

その他

[cir11 ] その他(前記[cir1 ]~[cir10 ]に属しない分野)

三 選択の基準

今回の調査は、近代の歴史を理解する上で欠くことのできない重要な遺跡について、国および地方公共団体の適切な保護を図るための基礎資料を得るため、近代の遺跡の遺存状況について調査するものである。

(一) 調査の対象とする遺跡は、次のア及びイを満たすものとする。

ア 次のいずれかに該当するものであること。

[cir1 ] 我が国の近代史を理解する上で、欠くことができない遺跡であること。

[cir2 ] 近代史の各分野において、学術研究上重要な意義を有する遺跡であること。

[cir3 ] 各地域における近代史の特徴をよく示す遺跡であること。

イ 遺跡の保存状態が良好で、遺跡にかかわる建造物、遺構、敷地等が良好に保存されており、学術的価値が高いこと。

(二) 留意事項

[cir1 ] 近代の歴史事象に直接又は密接にかかわる遺跡を対象とし、記念碑・顕彰碑、復元建物等の二次的な遺跡は対象としない。

[cir2 ] 移築された建造物等であっても、歴史的意義を有する物件は調査の対象とする。

[cir3 ] 近世以前から続いている遺跡であっても、近代の遺跡としての特色を備えている遺跡は調査の対象とする。

四 調査の方法

(一) 調査は、平成八年度から概ね八年計画で実施する。

(二) 調査は、所在調査と詳細調査の二段階に分けて行う。

[cir1 ] 所在調査

所在調査は、一一分野のうち三~四分野ずつ平成八年度から三年間で行う。

[cir2 ] 詳細調査

詳細調査は、各分野ごとに、第一年度に検討委員会により詳細調査の対象となる遺跡の選定、第二年度に調査の実施、第三年度に調査報告書の作成と保存を要する遺跡の選定、の三年計画で行う。平成九年度以降、同一五年度までの間に、所在調査の終了した分野のうち二~三分野ずつ年次計画により行う。(別紙調査スケジュール表参照)

五 所在調査

(一) 所在調査は、近代遺跡の全国的な所在状況を把握することを目的とし、各都道府県教育委員会に依頼し、市町村教育委員会や都道府県および市町村の関係部局・機関等の協力を得て実施する。

(二) 所在調査のデータは、所在調査票に記入し、毎年度一一月末まで(平成八年度は一月末まで)に文化庁に提出する。(別紙所在調査票様式参照)その際、Aランク遺跡(左記(四)参照)については、写真三~四点(スライドとも)も合わせて提出されたい。

(三) 調査項目は次の通りとする。

一 分野、遺跡の名称

二 所在地

三 所有者

四 年代

五 遺跡の説明

六 保存の状態

七 管理の状況

八 指定の有無

九 遺跡の評価

(四) 遺跡の評価については、三(一)の選択の基準に照らして遺跡を評価し、A、B、Cの三段階にランク付けを行う。

その際、我が国の近代史を理解する上で欠くことのできない遺跡をA、各地域の近代史を理解する上で特に重要な遺跡をB、その他の遺跡をCとする。

六 詳細調査

(一) 詳細調査は、遺跡の歴史的意義、保存状態等について詳細な調査を行うことを目的に、当該遺跡に詳しい専門家等に委嘱して行う。

(二) 詳細調査の実施に当たっては、都道府県・市町村教育委員会に対し、資料提供及び現地調査への協力を依頼する。

(三) 詳細調査の結果は、所定の調査票に記入し、毎年度三月末までに文化庁に提出する。

(四) 詳細調査の調査票には、遺跡の立地、成立年代、歴史的変遷、遺跡の現況、保存修理の経緯、遺跡の文化財的価値、関連する古絵図、古写真、古文献の所在、調査・研究歴等について、六、〇〇〇字(四〇〇字詰原稿用紙一五枚)程度にまとめて記述する。

また、次の資料を添付する。

a 遺跡の現況写真一〇枚程度、関連する古絵図の写真・古写真一〇枚程度

b 遺跡についての調査報告書・研究論文等のリスト

調査スケジュール表 ([cir1 ]、[cir2 ]、[cir3 ]・・・は分野を示す。)


 

所在調査

詳細調査

対象遺跡の選定

調査

報告書作成

H8

[cir1 ][cir2 ][cir3 ][cir4 ]

 

 

 

9

[cir5 ][cir6 ][cir7 ][cir8 ]

[cir1 ][cir2 ]

 

 

10

[cir9 ][cir10 ][cir11 ]

[cir3 ][cir4 ]

[cir1 ][cir2 ]

 

11

 

[cir5 ][cir6 ]

[cir3 ][cir4 ]

[cir1 ][cir2 ]

12

 

[cir7 ][cir8 ]

[cir5 ][cir6 ]

[cir3 ][cir4 ]

13

 

[cir9 ][cir10 ][cir11 ]

[cir7 ][cir8 ]

[cir5 ][cir6 ]

14

 

 

[cir9 ][cir10 ][cir11 ]

[cir7 ][cir8 ]

15

 

 

 

[cir9 ][cir10 ][cir11 ]

(様式表示)

(様式表示)

 

 

 

 

-- 登録:平成21年以前 --