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行政手続法の施行及びこれに伴う宗教法人法の一部改正について

庁文宗第一〇五号

平成六年八月二四日
各都道府県知事あて
文化庁次長通達

行政手続法の施行及びこれに伴う宗教法人法の一部改正について

平成五年一一月一二日、行政手続法(法律第八八号)が公布され、また、同日公布された行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(法律第八九号)によって、別添のとおり、宗教法人法の一部が改正されましたが、両法律は、いずれも平成六年一〇月一日に施行が予定されています。

ついては、これらの施行に伴う宗教法人事務について、下記に留意の上処理してください。

一 行政手続法の施行に伴う宗教法人事務について

(一) 行政手続法第五条に基づく認証に関する審査基準については、別紙「規則等の認証に関する審査基準(留意事項)例」に準じて定めることとし、これにより難いときは、文化庁と協議すること。

(二) 行政手続法第六条に基づく標準処理期間については、各都道府県の実情により定めても差し支えないが、その標準処理期間を定める場合には、宗教法人法の規定に基づく認証に関する決定は申請を受理した日から三月以内に行わなければならないこと及びその期間には、申請の到達から受理をした日までの期間が含まれることに留意して定めること。

(三) 宗教法人法に規定する認証の申請の受理については、行政手続法第七条及び第八条の適用があることに特に留意すること。

(四) 行政手続法第一二条に基づく不利益処分に関する処分基準については、次のとおり取り扱うこと。

[cir1 ] 宗教法人法第七九条に規定する公益事業以外の事業の停止命令についての処分基準は、どのような場合に停止命令をするかが宗教法人法上具体的に規定されているが、どの程度の期間の停止命令とするかは過去に事例がないことから、当分の間定めないこととする。

[cir2 ] 宗教法人法第八〇条に規定する認証の取消しについての処分基準は、どのような場合に認証の取消しをするかが宗教法人法上具体的に規定されているため、定めないこととする。

二 宗教法人法の一部改正について

(一) 今回の宗教法人法の改正は、行政手続法の施行に伴い、「公益事業以外の事業の停止命令」(宗教法人法第七九条第一項)及び「認証の取消」(宗教法人法第八〇条第一項)の「不利益処分」について、行政手続法と重複する規定を削除するとともに、より国民の権利利益の保護に資すると考えられる特例規定を存置するためのものであること。

(二) 「公益事業以外の事業の停止命令」については、行政手続法の「弁明の機会の付与」の手続が適用されることとなるが、宗教法人法の事前手続では、宗教法人に対し口頭で意見を述べる機会を与えることを前提としていることにかんがみ、宗教法人法第七九条第三項を改正し、行政手続法第二九条第一項の特例として、所轄庁が弁明の機会を付与するに当たっては、当該宗教法人が書面により弁明することを申し出たときを除き、口頭による弁明の機会を付与することとしたこと。

また、宗教法人法の事前手続では、宗教法人の代表者又は代理人の意見を聞く場合は、これらの者の外、随伴者に対しても意見を述べる機会を与える旨規定されているが、行政手続法の「弁明の機会の付与」の手続にはこの旨の規定がないため、その制度を存置して、宗教法人法第八二条において、「公益事業以外の事業の停止命令」に関し口頭により弁明をする場合、随伴者に対しても意見を述べる機会を与えることを明記したこと。

(三) 「認証の取消」については、行政手続法の「聴聞」手続が適用されることとなるが、宗教法人法の事前手続では、行政手続法の「補佐人」に相当する随伴者は、許可を要さず出頭できることとされていたことにかんがみ、宗教法人法第八〇条に第四項を新設し、行政手続法第二〇条第三項の特例として、聴聞の主宰者は、補佐人の出頭について申し出があったときは、これを許可しなければならないこととしたこと。

また、宗教法人法における随伴者は、三人までは人数を制限されることなく出頭できたところから、行政手続法における補佐人についても同様の措置をとることとし、聴聞の主宰者は、必要に応じ、補佐人の数を三人までに制限することができることとしたこと。

別紙

規則等の認証に関する審査基準(留意事項)例

宗教法人法(以下「法」という。)に基づく規則、規則の変更、合併及び任意解散の認証に関する審査に当たっては、法の規定の外、特に以下の点に留意して行うものとする。

一 設立に係る規則の認証について

(一) 法第二条に規定する宗教団体としての要件を具備するか否かの審査に当たっては、その個々の要件が、宗教団体の特性によって多種多様であり、また、相互に関連することもあることから個々には弁別し難い場合があるので、総合的に判断を行う。

(二) 法第二条の宗教団体とは、同条に規定する要件を形式的に具備するのみならず、現に団体としての実体を有し、社会通念上他の個人又は団体とは区別された独自の活動を行っている団体をいう。

したがって、認証申請に係る団体(以下「当該団体」という。)が宗教団体であるかどうかについては、次の点に留意の上、(一)を踏まえて判断する。

[cir1 ] 当該団体が法第二条に規定する主目的のための宗教活動を行っているかどうかについて、法第一三条第一号に規定する当該団体が宗教団体であることを証する書類(以下「宗教団体であることを証する書類」という。)として、過去三年間程度の実績の一覧の添付を求め、これを客観的に証明する写真等により確認すること。

[cir2 ] 信者及びいわゆる宗教教師の存否について、宗教団体であることを証する書類として、その一覧の添付を求め、適切な方法により確認すること。なお、信者の数については、宗教団体としての実体の確認の観点から審査すること。

[cir3 ] 宗教団体としての実体について、次の事務運営、経理及び財産の状況について調査し、確認すること。

ア 宗教団体であることを証する書類として、当該団体の組織、意思決定方法、財産の管理等に関する規約の添付を求め、過去三年間程度これに従った運営がなされているかどうかを調査すること。

イ 宗教団体であることを証する書類として、過去三年間程度の収支予算書及び収支計算書の添付を求め、その真実性とともに、予算の執行が他と区別される独立した経済主体として行われているかどうかを調査すること。

ウ 宗教団体であることを証する書類として、財産目録の添付を求め、礼拝の施設に係る不動産などの財産が、他と分離独立した当該団体自身のものであるかどうかを調査すること。なお、団体の永続性についても検討すること。

[cir4 ] 法第二条第一号の団体については、現地において礼拝の施設を確認すること。なお、礼拝の施設については、当該団体の特性及び慣習を考慮の上、公開性の確保についても検討すること。

[cir5 ] 法第二条第二号の団体の実体については、被包括宗教団体との関係に関する実績をも調査することにより確認すること。

(三) 当該団体が法第六条に規定する公益事業その他の事業を行うこととしている場合、次の点を審査する。

[cir1 ] 公益事業その他の事業の規模が過大である等により、法第二条に規定する宗教団体の主たる目的を欠くこととなっていないかどうかを確認すること。

[cir2 ] 公益事業以外の事業については、法第二条に規定する宗教団体の主たる目的を達成するための業務と矛盾し、又はこれに支障を生じさせるものは、宗教法人の行うことのできないその目的に反する事業に当たると解されるので、この観点から検討すること。

(四) 法第一三条に基づき提出された書類について、その証明している事実の存否に理由ある疑いを持つ場合には、その疑いを解明するための調査を行う。

二 規則の変更の認証について

(一) 法第二七条に基づき提出された書類について、その証明している事実の存否に理由ある疑いを持つ場合には、その疑いを解明するための調査を行う。なお、規則の変更の手続に関し、規則の変更に関与する代表役員その他の役員等は、正当に選任された者であることを要するから、この点に疑義がある場合は、これらの者の手続を調査する。

(二) 新たに事業に関する規定を設けるための規則の変更については、一の(三)の観点から審査する。

(三) 目的の変更、主たる事務所の移転等に係る規則の変更の場合において、当該宗教法人の同一性に疑義がある場合は、宗教活動や礼拝の施設の現状、代表役員その他の役員等の選任経過等について十分な調査を行う。

三 合併及び任意解散の認証について

法第三八条又は第四五条に基づき提出された書類について、その証明している事実の存否に理由ある疑いを持つ場合には、その疑いを解明するための調査を行う。

 

 

 

 

-- 登録:平成21年以前 --