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生涯学習審議会「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について(答申)」の送付について

文生生第一七六号

平成四年八月三日
各都道府県知事、各都道府県教育委員会教育長あて
文部省生涯学習局長通知

生涯学習審議会「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について(答申)」の送付について

生涯学習審議会では、平成三年二月に文部大臣から諮問を受け、今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について、調査審議が行われてきたところでありますが、七月二九日の総会において、文部大臣に対し答申がなされましたので、参考までに送付いたします。

今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について(答申)

(平成四年七月二九日)

(生涯学習審議会)

目次

はじめに

第一部 生涯学習についての基本的な考え方

一 これまでの経緯

二 生涯学習の必要性について

三 豊かな生涯学習社会を築いていくために

四 当面重点的に充実・振興方策を考えるべき四つの課題について

第二部 当面重点を置いて取り組むべき四つの課題

第一章 社会人を対象としたリカレント教育の推進について

一 生涯学習とリカレント教育

二 リカレント教育の現状と課題

第二章 ボランティア活動の支援・推進について

一 生涯学習とボランティア活動

二 ボランティア活動の現状と課題

第三章 青少年の学校外活動の充実について

一 生涯学習と青少年の学校外活動

二 家庭や地域における現状と学校外活動の充実に向けての課題

第四章 現代的課題に関する学習機会の充実について

一 現代的課題とは

二 現代的課題に関する学習の現状と課題

第三部 四つの課題についての充実・振興方策

一 適切な学習機会の拡充

二 学習情報の提供と学習相談体制の整備充実

三 関係機関等の連携・協力の推進

四 人材の育成及び活用等

五 生涯学習関連施設の整備充実

六 多様なメディアの活用

七 学習者に対する経済的支援

八 企業等の役割とそれに対する支援

九 評価

一〇 その他

第四部 生涯学習の振興に向けて

〔参考資料〕

一 諮問文

二 文部大臣諮問理由説明

三 生涯学習審議会委員名簿

四 各課題別委員会の構成、審議事項等

五 生涯学習審議会審議経過

六 課題別委員会調査研究協力者名簿

はじめに

本審議会は、平成三年二月一日、文部大臣から「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」諮問を受けた。

その後、具体的課題として「一人一人の学習成果を生かしたボランティア活動の推進」、「社会人を対象とした体系的・継続的なリカレント教育の推進」、「時代の要請に即応した現代的課題に関する学習機会の充実」、「青少年の学校外活動の充実」について調査審議を行うこととし、同年七月には四つの課題別委員会を設置し、審議を進めてきた。

各課題別委員会では、同年九月から平成四年一月まで調査審議を行い、各課題別委員会における「審議の経過」を取りまとめ、平成四年二月一九日、総会に報告を行った。

この「審議の経過」に基づいて、更に調査審議を進め、平成四年五月一三日には「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」(中間まとめ)として公表した。

本審議会は、その後更に関係団体との意見交換を行うなど、各界各方面の意見を聴きながら慎重に審議を重ね、ここに答申として取りまとめた。

第一部 生涯学習についての基本的な考え方

一 これまでの経緯

(一) 生涯教育の考え方は、昭和四〇年のユネスコの成人教育に関する会議において初めて提案されて以来、国際的に普及してきたものである。我が国では昭和四一年、中央教育審議会(以下「中教審」という。)が後期中等教育の拡充整備について答申した際に、学校中心の教育観にとらわれて社会の諸領域における一生を通じての教育という観点を見失ってはならないとの考え方を示している。さらに、昭和四六年の社会教育審議会の「急激な社会構造の変化に対処する社会教育のあり方について」の答申において、家庭教育、学校教育、社会教育の三者が有機的関係を見失い、学校教育だけに過度の負担や期待をかける傾向もあるとして、あらゆる教育は生涯教育の観点から再検討を迫られているとの指摘が行われている。また、OECDも、昭和四八年、「リカレント教育―生涯学習のための戦略―」の報告書をまとめ、リカレント教育の必要性を提言している。

(二) このような経緯を踏まえ、昭和五六年に中教審は「生涯教育について」の答申の中で、初めて本格的に「生涯学習」の考え方を取り上げている。中教審では、人々は、自己の充実・啓発や生活の向上のため、適切かつ豊かな学習の機会を求めており、これらの学習は、各人がその自発的意思に基づき、必要に応じて、自己に適した手段・方法を自ら選んで、生涯を通じて行うものであり、これを生涯学習と呼ぶのがふさわしいとし、この生涯学習のために、自ら学習する意欲と能力を養い、社会の様々な教育機会を、相互の関連性を考慮しつつ総合的に整備充実しようとするのが生涯教育の考え方であると指摘している。言い換えれば、生涯教育は、生涯学習を助けるために教育制度全体がその上に打ち立てられるべき、基本的な理念であるとしている。

(三) 昭和五九年から六二年まで設置された臨時教育審議会は、従来の教育を提供する側の立場の生涯教育から、学習者の視点に立った、生涯学習の考え方に重点を置いて提言を行うとともに、教育改革の視点として、個性重視の原則、生涯学習体系への移行、変化への対応の三つを掲げている。そして、我が国が今後、社会の変化に主体的に対応し、活力ある社会を築いていくためには、学歴社会の弊害を是正するとともに、学習意欲の新たな高まりと、多様な教育サービス供給体系の登場、科学技術の進展などに伴う新たな学習需要の高まりにこたえ、学校中心の考え方を改め、生涯学習体系への移行を主軸とする、教育体系の総合的な再編成を図っていかなければならないと提言している。(第二次及び最終答申)

(四) 平成二年一月、中教審は「生涯学習の基盤整備について」答申を行っているが、そこでは、前記のような考え方を踏まえつつ、今後生涯学習を推進するに当たっては、特に次の三つの点に留意する必要があるとしている。

[cir1 ] 生涯学習は、生活の向上、職業上の能力の向上や、自己の充実を目指し、各人が自発的意思に基づいて行うことを基本とするものであること。

[cir2 ] 生涯学習は、必要に応じ、可能な限り自己に適した手段及び方法を自ら選びながら、生涯を通じて行うものであること。

[cir3 ] 生涯学習は、学校や社会の中で意図的・組織的な学習活動として行われるだけでなく、人々のスポーツ活動、文化活動、趣味、レクリエーション活動、ボランティア活動などの中でも行われるものであること。

また、この答申では、生涯学習を振興するに際して国や地方公共団体に期待される役割は、人々の学習が円滑に行われるよう、生涯学習の基盤を整備して人々の生涯学習を支援していくことであるとし、国、都道府県、市町村における生涯学習の基盤整備のための具体的施策として、生涯学習の推進体制、地域における生涯学習推進の中心機関、生涯学習活動重点地域、民間教育事業の支援の在り方等について提言を行っている。

(五) 平成二年の中教審答申を受けて、同年六月、「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」が制定された。この法律は、生涯学習体系への移行という時代の要請にこたえるため、文部省を中心にして、当面実現可能な、また速やかに実現すべき諸施策等について規定したものであるが、生涯学習に関する初めての法律として、その意義は非常に大きい。本審議会は、この法律の規定により設置されたものである。

(六) 平成三年四月の中教審の「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について」の答申は、生涯学習の成果の評価に関する実態と考え方について答申するとともに、高校教育の改革について触れた部分でも生涯学習の視点を掲げている。ここでは、学習校育を生涯学習の一環としてとらえ、過度の受験競争など学校教育が抱えている問題点を解決するためにも、生涯のいつでも自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果を評価するような生涯学習社会を築いていくことが望まれるとしている。

二 生涯学習の必要性について

今日、人生八〇年時代を迎え、また社会が複雑化・成熟化したことにより、人々は社会生活を送っていく上で、学校教育修了後も引き続き、絶えず新たな知識・技術を習得していく必要性を強く感じており、豊かで充実した人生を送るためには、生涯学習に取り組むことが不可欠となってきている。また、人々は学習することで新しい可能性を見付け、新たな自己を発見する喜びを体験することもでき、生涯学習に取り組むことで、自らを豊かにすることができるのである。

今日の我が国の社会において、生涯学習の必要性が高まってきた社会的背景には、次の諸点が挙げられる。

(科学技術の高度化)目覚ましい科学技術の高度化は、人々の生活環境を大きく変化させており、絶えず新たな知識・技術への対応が必要となってきている。

(情報化)マス・メディアの発達やコンピュータの普及、ファクシミリ、パソコン通信、衛星通信などの新しい情報通信ネットワークの発達など、情報化の進展は著しく、人々は、多様なメディアや情報に主体的に対応し活用する能力を求められている。

(国際化)国際化の急速な進展により、我が国が国際社会の一員として積極的な役割を果たすとともに、国際社会に貢献していくことが求められている。そのためにも、異文化を理解・尊重するとともに、我が国の文化に正しい認識を持つことが必要となっている。また、国際情勢は常に変化しており、これに適切に対応することが求められている。

(高齢化)我が国の高齢化は急速に進んでおり、このことは、年齢を問わず、すべての人にかかわる事柄であることから、生涯にわたってこの問題への理解と心構えを持つことが必要となってきている。

(価値観の変化と多様化)生活水準の上昇、自由時間の増大、教育水準の向上などを背景として、物の豊かさから心の豊かさが求められるとともに、価値観が多様化し、生涯を通じての生きがいや自己実現など、人間性豊かな生活を求める意識が高まってきている。

(男女共同参画型社会の形成)女性の社会進出が進む中で、男女の固定的な役割分担意識を改め、社会のあらゆる分野に女性が参画できるよう、条件整備を図っていくことが求められている。

(家庭・地域の変化)都市化、工業化、核家族化、少子化等に伴う家庭や地域社会の変化の中で、人間形成の基礎を培い生活を支えている家庭や地域社会の基盤の弱体化が危惧されており、その機能を回復し充実させていくことが必要となってきている。

三 豊かな生涯学習社会を築いていくために

生涯学習についてのこれまでの考え方を踏まえつつ、本審議会としては、基本的な考え方として、今後人々が、生涯のいつでも、自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が社会において適切に評価されるような生涯学習社会を築いていくことを目指すべきであると考える。

そのためには、今後、適切な学習機会の拡大や、学習情報提供サービスの充実を図るなど、学校教育も含めた社会の様々な教育・学習システムを総合的にとらえ、それらの連携を強化し、人々の学習における選択の自由をより拡大し、学習活動を支援していくことが重要である。

先般決定された政府の「生活大国五か年計画」においても、同様の趣旨から、豊かな学習・文化環境の形成や余暇環境の整備などが提言されている。

本審議会としては、来るべき二一世紀に向けて、人々の生涯学習をより充実したものにし、一人一人の生涯学習への熱意を高め、生涯学習社会を築いていくためには、更に次のような視点が必要であると考える。

(一) 人々が生涯にわたって学習に取り組むというライフスタイルを確立することが重要である

我が国が二一世紀において、引き続き国際社会に貢献していくためには、経済的な発展を追求するだけでなく、教育、学術、文化、スポーツ、福祉、地球環境、経済などの諸分野での、国際的な協力・援助への積極的な姿勢が必要である。一方で、資源の乏しい我が国が、引き続き社会の活力を維持していくためには、次の世代においても、人々が常に自己の充実や生きがいを目指し、自発的意思に基づき、生涯にわたって学習に取り組むというライフスタイルを確立していくことが望ましい。

生涯学習については、単に、社会の変化に対応して知識・技術を身に付けていく必要があるという観点だけでなく、人間が人間として生きていくために生涯学習が必要であるということにも留意すべきである。すなわち、人々は、学習することで新しい自己を発見し、喜びを感じるのであり、学ぶことそれ自体が生きがいともなり得るのである。人は存在するために学習する必要があるとも言えよう。

また、人々は、生涯学習において、仲間と互いに教え合い、励まし合って、学ぶ楽しさや喜びを周囲の人々に広げていくこともできる。生涯学習を、学ぶ人自身の個人としての生きがいとするだけでなく、家庭や職場や地域において、人々が共に学び、協力し、励まし合って生涯学習に取り組んでいくことで、家庭や職場や地域が生き生きと活気にあふれ、充実し、発展していくことが期待される。

このように、人々が心豊かに生活し、家庭や職場や地域がそれぞれ充実・向上し、活性化していくためには、一人一人が積極的に生涯学習に取り組んでいくことが重要である。

(二) 人々の様々な潜在的学習需要を顕在化し、具体的な学習行動にまで高める必要がある

二で述べたように、社会の著しい変化に伴い、人々は生涯の各時期、各領域における学習の必要性を感じており、学習したいとの意欲は高まってきつつある。しかしながら、その意欲はあるものの、具体的な学習活動に結び付いていない場合も多い。

その理由としては、[cir1 ]時間的余裕がない、[cir2 ]希望する分野の学習機会がない、[cir3 ]学習機会が身近にない、[cir4 ]経済的な負担が大きい、[cir5 ]適切な学習情報がない、[cir6 ]具体的きっかけや仲間が見付からない、[cir7 ]専門的なレベルの学習機会がない、[cir8 ]家族や職場の協力が得られない、[cir9 ]学習の成果を生かす場や機会がない、[cir10 ]子供や家族の世話をする人がいない、[cir11 ]ついつい怠惰になってしまうなどが挙げられるであろう。

学習意欲を生かすためには、このように、様々な理由から具体的な学習活動に結び付いていない潜在的な学習需要を顕在化させ、学習行動にまで高めていくことが必要である。そのためには、人々の学習ニーズを的確に把握し、適切な学習機会を提供することと、その情報を適切に提供するシステムが必要になってくる。また、学習意欲を高めるための啓発活動に努め、学習相談に応じられる体制作りや、学習の成果が評価されるような条件作りに努めることも重要である。

さらに、心身に障害のある人や病気がちな人などが、生涯学習に参加しやすくなるような配慮が必要である。

人々の意欲を具体的な学習行動にまで高めるためには、学習機会を提供する側が、学習者の視点に立って、学習内容、学習方法に常に改善・工夫を加え、人々の様々な学習要求に適切にこたえる努力をしていくことも必要である。

(三) 学校その他の教育機関等と密接な連携を図り、専門的な学習需要にこたえる必要がある

生涯学習の振興を図るためには、生涯学習の広がりを一層大きくし、いつでも、どこでも、誰でも学習することができるよう、学習者や学習分野の範囲を広げていくことが重要である。また、広がりを求めるだけでなく、内容についても、より高度で専門的な学習ニーズにこたえ、高さや深さを更に追及していく努力も必要である。

このような観点に立てば、学習機会を提供する側の国、地方公共団体、社会教育施設、スポーツ・文化施設、職業能力開発施設、社会福祉施設等や民間事業者などが、より一層、学校などの教育機関やその他の研修・研究機関等と密接な連携を図っていくことが必要になってくる。特に今後は、大学や大学院レベルの学習機会の提供が従来よりも求められ、高等教育機関の教育・研究機能を一層高め、生涯学習の振興に資するための努力をしていくことが重要になってくると考えられる。また、各省庁、地方公共団体、特殊法人、公益法人、企業等の教育研修機関や研究機関の蓄積する専門的な情報や知識・技術を、生涯学習のために活用することも重要であり、これらの関連施設や研究施設等を、新しい生涯学習の場としてとらえることも必要となってくるであろう。人々が本当に望んでいる、専門的な分野やレベルの学習機会に、比較的容易にアクセスできるような条件整備が必要となっている。リカレント教育などの充実を図っていく必要性はここにある。

また、学習機会を提供する側の、小学校、中学校、高等学校などの初等中等教育機関や、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校専門課程(以下「専門学校」という。)などの高等教育機関、社会教育施設、行政、民間事業者などが、それぞれの「垣根」を超えて、真に学習者のためにそれぞれの情報を提供し合い、連携と協力を深め、多様で質の高い学習機会の提供とその情報のネットワークを作っていく必要がある。

(四) 学習の成果を職場、地域や社会において生かすことのできる機会や場を確保する必要がある

人々の生涯学習に対する需要は、ますます増大していくものと考えられるが、学習活動を通じて身に付けた知識や技術を、職場、地域や社会の中で活用したいという要請も大きくなっている。

生涯学習は、生活の向上、職業上の能力の向上や自己の充実を目指して行われることが多いが、学んだ知識・技術を発表したり、他の人に教えたり、それを生かして社会に貢献したいと考えることは極めて自然なことである。学習の成果を生かして、人々の生涯学習に役立てたり、地域の活性化に貢献したり、社会教育、家庭教育、青少年の学校外活動やスポーツ・文化活動などの指導者となったり、ボランティア活動に取り組むなどの活動を行うことは、学習者にとっても新たな喜びであり、生きがいや励みになるものである。

また、生涯学習の成果を地域や社会で生かしていくことは、これから学習しようとする人々や、現在学んでいる人々にとってもよい刺激となって、生涯学習への意欲を一層高めることにもつながるものである。

このため、今後、人々の生涯学習の成果を発表する機会や場を増やしたり、職場や地域で、その成果を活用できる機会や場を拡充することが重要な課題となっている。

四 当面重点的に充実・振興方策を考えるべき四つの課題について

(一) 本審議会は、昨年二月、文部大臣から「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」諮問を受けた。その際、諮問理由として、これまでの施策の現状を踏まえつつ、今後一層重点を置いて推進すべき具体的課題として、社会人を対象とした体系的・継続的なリカレント教育の推進、一人一人の学習の成果を生かしたボランティア活動の推進、青少年の学校外活動の充実、時代の要請に即応した現代的課題に関する学習機会の充実の四つの課題について、検討する必要があるとの説明を受けた。

(二) 本審議会は、文部大臣の諮問を受けて、これらの四つの課題について、次のような観点から、充実・振興方策を慎重に検討してきたところである。

[cir1 ] 著しい技術革新の進展や産業構造の変化等は、社会人にとって、もう一度大学等で、専門的な知識や技術を学習する必要性をもたらしており、リカレント教育のような、高度で専門的かつ体系的な社会人再教育が必要となってきている。また、大学審議会の答申を受けて、生涯学習を視野に入れた、大学等の制度の弾力化などの高等教育の改革が進められており、高等教育機関において生涯学習の展開を進めていくことは、学習機会を提供している種々の機関にとっても刺激になり、全体のレベルアップにつながるものである。

[cir2 ] 近年、自由時間の増大や経済的な豊かさが進む中で、精神的な充実感や生きがいを求めて、個人の自由意思に基づき、その知識・技術や技能を、進んで社会に提供したいと考える人も増えてきている。ボランティア活動は、生涯学習と密接な関連を有しているが、多くの人々が生涯学習に取り組むとともに、学習の成果を生かして、ボランティア活動に参加したいと考えるようになってきている。

[cir3 ] 週休二日制の普及や学校週五日制の導入に伴い、人々は、自由時間の主体的かつ有益な過ごし方を、子供の時から身に付けていくことが必要になっている。また、少子化や核家族化などが進み、子供たちの異年齢集団での活動の必要性は高まってきており、家庭教育の充実と、青少年の学校外活動の一層の充実が求められている。

[cir4 ] 急激な社会の変化に伴い、時代の要請する行動様式、価値観などが従来と大きく変化し、従来の考え方では、現実の事態に対応しにくくなっている。人々が充実した社会生活を営んでいくために、自ら進んで学び、身に付けていくことが望ましい現代的課題が、数多く生じてきている。

第二部 当面重点を置いて取り組むべき四つの課題

第一章 社会人を対象としたリカレント教育の推進について

一 生涯学習とリカレント教育

(一) リカレント教育の考え方

[cir1 ] 生涯学習とリカレント教育

リカレント教育は、昭和四八年のOECD報告書「リカレント教育―生涯学習のための戦略―」で広く提唱されたもので、青少年期という人生の初期に集中していた教育を、個人の全生涯にわたって、労働、余暇などの他の諸活動と交互に行う形で分散させるものであり、いわゆる正規の教育制度とあらゆる種類の成人教育施策を統合する教育システムの確立を目指す理念であるとされている。

リカレント教育は多義的な概念であり、諸外国でもそのとらえ方や重点の置き方は一様ではないが、「職業人を中心とした社会人に対して学校教育の修了後、いったん社会に出た後に行われる教育であり、職業から離れて行われるフルタイムの再教育のみならず、職業に就きながら行われるパートタイムの教育も含む。」と理解することができる。リカレント教育は、我が国では「還流教育」や「回帰教育」と訳されたこともあるが、定着していない。本審議会において「高度で専門的かつ体系的な社会人再教育」と称することも考えられるが、今日では一般的に「リカレント教育」の用語が用いられているので、ここでは、この用語によることとした。

リカレント教育の「教育」という用語は、学習機会を提供する側の立場に立ったものであるが、リカレント教育で学習することは生涯学習の一環である。リカレント教育における学習は、生涯学習の重要な一部をなすものである。なお、リカレント教育においては、職業や社会生活に必要な知識・技術を習得するため、大学(大学院を含む。以下同じ。)、短期大学、専門学校などを中心に行われる、専門的・体系的な、職業人を主な対象とした教育が大きなウェイトを占めており、リカレント教育の推進を図る場合においては、この点に十分留意する必要がある。

[cir2 ] リカレント教育の機能

リカレント教育の機能は、その教育内容や対象等により、大きく次の三つに類型化することができよう。第一は、社会の変化に対応する、専門的で高度な知識・技術のキャッチアップやリフレッシュのための教育機能、第二は、既に一度学校や社会で学んだ専門分野以外の幅広い知識・技術や、新たに必要となった知識・技術を身に付けるための教育機能、第三は、現在の職業や過去の学習歴・学習分野に直接のかかわりのない分野の教養を身に付け、人間性を豊かにするための教育機能である。これらの教育機能には重なり合う面もあるが、この三つの機能があることを踏まえつつ、リカレント教育の現状の把握、課題や推進方策の検討を進めることが有意義と考えられる。

(二) リカレント教育の意義

[cir1 ] 社会人から見たリカレント教育の意義

近年の社会の著しい変化の中で、職業生活や社会生活を通じて生ずる人々の多様な学習ニーズに対応する、体系的・継続的なリカレント教育の学習機会への要請が高まっている。特に、男女共同参画型社会の形成を目指すことや高齢化社会の進展に伴う、女性や中高年齢者の再就職や社会参加という観点からのリカレント教育の重要性は、一層増大していくものと考えられる。また、日本が国際社会に貢献することが従来に増して求められており、国際化への対応という観点からも、リカレント教育の意義は大きい。

リカレント教育による学習活動や経験を通じて、職業生活や社会生活への刺激や動機付けが得られるということや、自己の生活を充実し、人間性を豊かなものとしていくということからも、社会人のリカレント教育に対する期待と要請は、今後も高まっていくものと考えられる。

また、地域において、このような社会人のためのリカレント教育の学習機会が整備され、人々が積極的にこれに参加していくことは、地域社会の活性化にもつながると考えられる。

[cir2 ] 企業等から見たリカレント教育の意義

従来から、我が国では、大企業を中心に企業内教育が広く行われ、経済社会の発展の上で大きく貢献してきたことが指摘されているが、最近における、産業社会の変化や科学技術等の急速な進展につれて、個々の企業だけでは対応しにくい新たな課題も生じており、先端技術の分野等における、より高度なリカレント教育の学習機会の充実に対する要請が強くなってきている。

また、新規事業の開始、他分野への参入などの新たな動向に伴い、OJT(仕事を通じての教育訓練)とジョブローテーションを中心とした企業内人材育成では、十分な対応がしにくい場合が生じてきており、これらとOff―JT(仕事を一時的に離れて行う教育訓練)を組み合わせた人材育成が、従来に増して必要となってきている。

さらに、企業等においては、企画や研究開発などの創造的な活動を行える人材に対する要請が増しており、学問的環境の中で創造力を高める場として、リカレント教育の学習機会が求められている。

特に、中小企業など、種々の制約から自らOff―JTを実施することが困難な企業等を対象として、リカレント教育の学習機会の一層の充実・活用を含め、Off―JTのための新しいシステムの確立と、学習に対する支援体制の整備が必要となっている。

リカレント教育は、社会人一人一人の職業や社会生活上の必要等に対応し、適切な学習機会が整備・活用されることにより、人々の人生が、一層実り豊かなものとなるところに本来的なねらいがあることは言うまでもないが、企業等の人材育成のための新しい課題等への対応としても、リカレント教育を推進することの意義は大きいものと考えられる。

[cir3 ] 学校の教育研究機能とリカレント教育

リカレント教育の推進のためには、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校(以下「大学等」という。)などが大きな役割を担うことが期待される。

個人や企業等では対応することが難しい、基礎的な教育や先端的な理論・技術の理解・評価、長期的な予測・判断などの新たな情報の創造は学校の役割であり、これらに関する教育内容について、積極的に社会人の学習機会を広げていくことが求められている。

また、社会人を積極的に受け入れるなど、リカレント教育を行うことを通じて、学校自体の教育機能が活性化されるとともに、学校が社会に対し広く開かれ、その教育機能が全体として充実していくことが求められている。

さらに、このようなリカレント教育を、学校の補助的な教育機能としてとらえるのではなく、生涯学習社会において学校に期待される重要な機能の一つとして位置付けることにより、教育システム全体を見直していくという観点が生まれる。

なお、平成四年をピークとして高等教育への伝統的な進学年齢層である一八歳人口が減少に向かうこととなる。今後大学等は、その教育研究機能を有効に活用し、社会人のリカレント教育のニーズに一層積極的に対応していくことが期待されている。

二 リカレント教育の現状と課題

(一) 学校等における社会人受入れの現状と課題

現在、様々な形態により、大学等において、社会人に対する学習機会が提供されている。

これらの制度は、着実に拡充され、社会人が学習しやすい環境が整えられてきているが、今後も、さらにその充実を図っていくことが望まれる。リカレント教育の推進体制を整備するためには、教員や職員のリカレント教育への理解を一層深めていく必要がある。

さらに、社会人に対する教育は、高等学校等から進学してきた学生に対するものとは、教育方法等を異にすることが有益な場合もあるので、そのための配慮や工夫が望まれる。

また、大学等の公開講座は、その教育研究機能や成果を広く社会に開放するためのもので、逐次拡充されてきているが、なお関係者の一部には、公開講座の意義が十分理解されず、通常の教育に余裕のある場合に行うものだとの考え方も見られる。

大学や短期大学において、継続的な公開講座の実施や学習情報の提供、学習相談、生涯学習に関する調査研究等を行う機関として、生涯学習教育研究センター等の設置も始まっている。

放送大学は、放送等を効果的に活用した大学教育を実施している新しいタイプの大学であり、生涯学習の中核的機関として、社会人・有職者などに大学教育の機会を提供し、我が国の高等教育の改善・充実に貢献している。現在、放送対象地域が関東地域などの一部に限られているので、放送大学の全国化が重要な課題となっている。

専修学校・各種学校は、社会のニーズに柔軟に対応している実践的・専門的な職業教育機関である。今後、柔軟な学校制度としての特色を生かし、専門的な職業技術教育の分野などを中心に、リカレント教育において大きな役割を果していくことが期待される。

また、各省庁の設置する各種の教育研修機関等においても、それぞれの設置目的に従い、職業上必要な専門的・実践的な教育研修が行われている。

(二) リカレント教育推進事業

リカレント教育の考え方に基づき、文部省においては、平成三年度よりリカレント教育推進事業を実施している。これは、地域における社会人や産業界等の学習ニーズに対応した体系的・継続的なリカレント教育を、高等教育機関の高度な教育研究機能等により推進するための先導的パイロット事業として行われているものである。

今後、地域において、社会人や企業等の側の学習ニーズ、地域の状況・特性等に的確に対応し、産・官・学等の関係者、関係機関相互の幅広い連携・協力体制の下に、リカレント教育の要請に対応していくことが必要となっている。

また、従来から、様々な機関において様々な形態により、社会人に対する学習機会が提供されているが、それらは必ずしも体系化されていないので、関係機関相互の連携・協力を図る必要がある。

(三) 民間における社会人に対する学習機会

民間においても、カルチャーセンター、社会通信教育等の民間生涯学習関係事業者により、様々な研修事業等が行われている。

また、企業の教育訓練については、実務とも組み合わせながら、短期間のものを中心に様々な教育訓練コースが実施されているが、今後は、すべての働く人々がより学びやすい環境となるよう、条件整備を進めていく必要がある。

社会人の自己啓発のニーズの高まりに対応するリカレント教育の推進のためには、このような、民間や企業における、社会人に対する学習機会の現状や学習ニーズの動向を踏まえながら、体系的・継続的なリカレント教育の学習機会を、大学等の教育機関が積極的に提供していくとともに、社会人の学習する意欲を支援するシステムを様々な角度から整備していく必要がある。

第二章 ボランティア活動の支援・推進について

一 生涯学習とボランティア活動

(一) 生涯学習とボランティア活動

生涯学習は、人々が、自発的意思に基づいて生涯にわたって行うことを基本とするもので、意図的・組織的な学習活動として行われるだけでなく、人々の様々な活動の中でも行われるものであり、幅広い範囲にわたっている。

ボランティア活動は、個人の自由意思に基づき、その技能や時間等を進んで提供し、社会に貢献することであり、ボランティア活動の基本的理念は、自発(自由意思)性、無償(無給)性、公共(公益)性、先駆(開発、発展)性にあるとする考え方が一般的である。

このような生涯学習とボランティア活動との関連は、次の三つの視点からとらえることができる。第一は、ボランティア活動そのものが自己開発、自己実現につながる生涯学習となるという視点、第二は、ボランティア活動を行うために必要な知識・技術を習得するための学習として生涯学習があり、学習の成果を生かし、深める実践としてボランティア活動があるという視点、第三は、人々の生涯学習を支援するボランティア活動によって、生涯学習の振興が一層図られるという視点である。これら三つの視点は、実際の諸活動の上で相互に関連するものである。

ボランティア活動は、このように、生涯学習との密接な関連を有するとともに、その活動は、現代社会における諸課題を背景として行われるものであることから、豊かで活力ある社会を築き、生涯学習社会の形成を進める上で重要な役割を持つ。そのため、あらゆる層の人々が学習の成果をボランティア活動の中で生かすことができる環境の整備を図ることが必要である。

(二) ボランティア活動の意義

ボランティア活動の領域は、幅広く日常の生活のあらゆる側面に及んでおり、例えば、地域の持つ教育機能を高めることや、高齢化社会への対応、豊かで潤いのある地域社会の形成に欠かせないものである。そのためには、子供から高齢者まですべての人々が、それぞれその立場や能力に応じて、ボランティア活動に参加することが重要である。特に、青少年期においては、身近な社会に積極的にかかわる態度を培い、自らの役割を見いだす上で、その教育的意義は大きい。

これまでの我が国のボランティア活動は、個人の自主性を重んじる欧米と異なり、地域社会との密着性と、ある程度の強制や義務感がなければ進まないという傾向が見られた。

歴史的には、近隣の人同士が世話をし合うといった地縁的な活動があり、さらに、民間団体の社会福祉運動、奉仕活動、社会教育活動などが行われてきた。昭和四〇年前後から「ボランティア」という言葉が普及し始め、ボランティアによる活動を支援するための組織作りが民間で始められた。昭和四六年の社会教育審議会答申「急激な社会構造の変化に対処する社会教育のあり方について」において、地域における連帯意識の形成との関連でボランティア活動が注目され、その後、生きがいや充実感という視点から、臨時教育審議会において指摘された。生涯学習の基盤整備の視点から、中教審の平成二年の答申においても、その重要性が指摘されている。

(三) ボランティアの活動分野

第一部で述べたような、科学技術の高度化、情報化、国際化、高齢化等の近年における社会の変化を背景として、ボランティアの活動分野は、社会福祉の分野のほか、教育、文化、スポーツ、学術研究、国際交流・協力、人権擁護、自然環境保護、保健・医療、地域振興など多岐にわたっている。

今後展開されるボランティア活動としては、例えば、地球環境問題への取組、開発途上国や在日外国人に対する支援などの国際協力の分野等があり、さらには、企業等による社会貢献活動とボランティア活動との関連も注目される。

(四) ボランティア活動に対する評価の視点

ボランティア及びボランティア活動に対する評価としては、活動した本人の自己評価、ボランティア活動を受けた側の評価、社会全体からの評価の三つの視点が考えられる。

ボランティア及びボランティア活動に対する評価については、多様な考え方があり、活動した本人のボランティア活動を行ったことによる充実感、あるいは、ボランティア活動を受けた側の感謝の言葉で十分であるという考え方があると同時に、ボランティア活動を支援し、発展させるためには、経済的対価ではない何らかの社会的評価をするべきであるという考え方もある。

社会的評価の形態については、例えば、個々のボランティア活動を賞賛し公表すること、ボランティア活動の実績が何らかの資格取得の際に勘案されること、社会全体でボランティア活動がどの程度行われているのかを質的・量的に把握することにより、統計を整備し、認識を高めることなどが考えられる。もとより、こうした視点が、ボランティア活動の自発性、先駆性などの特質を損なうものであってはならない。

二 ボランティア活動の現状と課題

(一) ボランティア活動の現状

ボランティア活動は、個人の主体的な活動が基礎となるものであり、その状況を網羅的に把握することは難しいが、社会福祉施設や在宅福祉サービス等、社会福祉の分野におけるボランティアが多い。一方、社会教育施設(公民館、図書館、博物館、青少年教育施設、婦人教育施設等)、スポーツ・文化施設、学校等においてボランティア活動をしている人々がいる。また、社会教育やスポーツ・文化関係団体等においても、ボランティア活動、あるいはボランティア活動を支援する事業を実施している。

さらに、専門的技術を持った高齢者による海外での技術協力活動、青年による青少年の非行防止活動、自然環境保護活動などのボランティア活動も行われている。

近年、多忙な職業人や高齢者など、様々な人々がボランティア活動に参加する動きが出てきている。

企業においては、近年、社会への貢献や勤労者の自己実現を目指した活動及びその支援を行う事例が、「企業市民(コーポレートシティズン)」の取組として見られるようになった。また、地域社会への貢献を目指して、地域団体や労働組合においても、ボランティア活動の意義を積極的にとらえ始めている。

さらに、関係団体が連携して、地域におけるボランティア活動を推進・援助するための組織等を検討するなどの取組も見られる。

(二) ボランティア活動に関する学習機会の現状

ボランティア活動に関する学習の機会は、意識啓発、資質・能力の向上を図るため、ボランティア活動を希望する人、ボランティア活動を行っている人、リーダー、施設職員、教員等、あらゆる人々を対象として、行政や民間団体等により幅広く提供されている。

学校においては、児童生徒に勤労の尊さや社会奉仕の精神を培う体験的な活動として、道徳や特別活動を中心に、ボランティア活動にかかわる指導が行われている。

(三) ボランティア活動の支援・推進に向けての課題

[cir1 ] ボランティア活動をめぐる社会的文化的風土づくり

ボランティア活動は即ち福祉・慈善活動という、社会一般の限定された認識や、活動に消極的な意識を改め、生涯を通じて、あらゆる層の人々が、様々なボランティア活動に取り組むことができる社会的文化的風土づくりが重要である。

そのためには、家庭教育、学校教育、社会教育を通して、ボランティアに関する基礎的な理解を深め、社会参加の精神を培う学習を充実させる必要がある。

[cir2 ] ボランティア層の拡大と活動の場の開発

誰もが社会の一員として、自然に無理なく、そして楽しくボランティア活動を行えるような条件を整えることにより、ボランティア層の拡大を目指すことが重要である。とりわけ、男女共同参画型社会の形成を視野に入れ、今までの主婦を中心とした活動から、児童、生徒及び学生や、勤労者、退職後間もないシニア層等、幅広い層の活動への発展が期待される。

そのためには、ボランティアとして活動するための基礎的な学習機会の充実や、学習の成果と能力を生かした活動の場の開発が今後の課題であり、特に公的施設・機関等の役割が期待される。

また、行政とかかわりを持ってボランティア活動が行われる場合、行政として行うべきことと、ボランティアが行う活動とが明確にされず、その活動を行政の補助的なものとみなす認識があって、行政職員、ボランティア双方において問題となることが多く、相互の役割とボランティア活動等に対する正しい認識を深めることが望まれる。

[cir3 ] 情報の提供と相談体制の整備充実、連携・協力の推進

ボランティア活動を求める側のニーズと、ボランティアの意欲が効果的に結び付くよう、活動をする側と受ける側の実態を把握して、求めに応じた情報の提供及び相談体制の整備充実を行うことが求められている。また、ボランティア、民間団体、企業、勤労者、行政など関係者の連携・協力が重要であり、相互の情報交換等を推進することが必要である。

[cir4 ] 事故等への対応と過剰な負担の軽減のための支援

ボランティア活動中に事故等が発生した場合、責任や補償について争われることがある。そのため、事故等を懸念してボランティアが活動を自ら控えたり、国民一般の活動への参加意欲をそぐことのないよう、責任を明確にして活動が行われるような方策が必要である。

さらに、ボランティア活動の無償性の理念を堅持しつつ、過剰な負担を個人に強いることを避けて、志ある人がボランティア活動を継続して行えるような方策が求められる。

[cir5 ] 企業における課題

ボランティア活動をどうとらえるかについて模索している企業も多いが、勤労者の自己実現を支援する意義を理解して、企業が自ら、地域の一員としての役割を十分踏まえた積極的な対応を行うことが期待される。

[cir6 ] 評価に関する課題

ボランティア活動に対する評価については多様な考え方があるが、何らかの評価を行うことがボランティア活動の発展につながるという観点から、自発性、無償性等の理念を考慮しながら評価の在り方を検討することが必要である。

第三章 青少年の学校外活動の充実について

一 生涯学習と青少年の学校外活動

(一) 生涯学習と青少年の学校外活動の意義

生涯学習は、人々が自発的な意思に基づいて行うことを基本とするものであり、これに必要な積極的な意欲、課題発見や課題解決の能力等の基礎は、人間形成の基礎が培われる青少年期に養う必要がある。これらの意欲・能力等は、学校教育と学校外における多様な生活体験・活動体験があいまって、総合的・全人的に形成されていくものであると言うことができる。

青少年期における学校教育と学校外活動の間の相互補完的な関係は、更に広く、系統的・組織的に編成された学習と、各人が自らの興味・関心に応じて選択し実践する、自発的・体験的な活動との間の関係としてとらえることができるものであり、生涯にわたる学習活動全体を通じて応用されるものである。このため、生涯学習の振興に当たっては、青少年期の経験として、学校教育における基礎・基本の学習と並んで、学校外活動の持つ意義を重視することが極めて大切である。

特に、学校教育への過度の依存の傾向とともに、家庭での生活体験や、学校の外における直接体験的な活動の不足が指摘されており、これらのバランスを確保するため学校外活動の充実を図ることは、重要な課題になっている。

なお、今日、子供の無気力や引きこもりなどの現象が指摘されるようになってきており、学校外の日常生活の中で、異年齢集団における多様な活動の経験を通して、子供の自立や社会性の発達を促すことも大切である。

(二) 学校週五日制と学校外活動

平成四年度の二学期から幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特殊教育諸学校において学校週五日制が導入されるが、これは、学校、家庭及び地域における子供の生活全体を見直し、家庭や地域における生活時間の比重を高める必要があるとの観点から行われるものである。このことは、これまでの教育の仕組みを大幅に改変するものであり、学校、家庭及び地域相互の連携を一層緊密にし、それぞれが持つ教育機能が十分発揮されるようにすることが大切である。

また、学校週五日制は、子供が家庭でゆとりのある生活をしたり、地域での多様な活動に参加する機会を増加させる契機となるものである。今日、学歴偏重、知識偏重等の風潮が指摘されている中で、豊かな生活体験・活動体験を通じて養われる、自発性、創造性などを含めた真の意味での学力が身に付きにくくなっていること、さらには、将来にわたって自らの生活を切り開いていくのに必要な、全人的な力も培われ難くなっていること等の懸念があることを踏まえると、学校週五日制を積極的に活用して、子供の全人的な人間形成を図っていくことが重要である。

その際、家庭、地域の関係団体・機関や学校などを含め、社会全体の理解と協力により学校外活動の基盤の強化を図るとともに、学校外活動の充実のための諸施策を推進していくことが求められる。

二 家庭や地域における現状と学校外活動の充実に向けての課題

(一) 家庭生活の変化と地域での活動体験の現状

家庭の状況については、子供が親の働く姿を目にしたり、家庭の中で親子が共に過ごす、きょうだい間で切磋琢磨するなどの経験が減少していることがうかがわれる。このような状況下で、日常生活の中で他の人々と共に活動する意欲や能力の基盤が培われにくくなっているとの指摘がある。

地域における子供の活動については、異年齢の仲間と自発的に活動したり、多様な直接体験を積み重ねる等の機会が少なくなってきていることがうかがわれる。

(二) 学校外活動の充実に向けての課題

国や地方公共団体によって、家庭教育に関する親の学習機会等の充実のための施策や、青少年教育活動に係る各種事業の推進及び青少年団体等の育成、各種社会教育施設等の整備などが図られているが、これらの施策の充実を一層積極的に推進する必要がある。

今後の活動の促進に当たっては、社会変化によって生じている様々な課題を視野に入れ、子供が今日の社会動向に対する基礎的な興味・関心を養えるよう、活動の新しい視点を工夫することが重要である。

特に、身近な地域における子供の活動の場の充実・確保、青少年教育施設等の整備・充実、地域の青少年団体等の育成・活性化、学校外活動を支援する人材の確保に努める必要があり、また、学校の施設も高機能・多機能化を図り、身近な活動の場として十分活用されるよう整備・充実を図っていくことが望ましい。

さらに、社会一般における休日の拡大傾向を踏まえ、地域に密着している市町村等において、休日を活用した学校外活動の総合的な振興方策を計画的に推進していくことが有意義と考える。

また、心身に障害のある子供が、地域における活動に参加しやすいよう配慮することが大切である。

今日の子供の価値観や活動ニーズには個性化・多様化の傾向が見られるので、学校外活動の充実を図るに当たっては、現代の子供にとって魅力のある活動の内容・方法、多様な活動の場や機会の提供に努めることにより、子供が主体的に活動経験を積み重ねていくことを支援する環境作りを進めることが必要である。

学校外活動の中でもとりわけスポーツは、それ自体楽しさと喜びを与えるものであるが、また同時に、異年齢集団が共通のルールの下に活動を行い、公正さ、協調性、規律、忍耐力等を養い、体力作りにも資するなど青少年の発育に大きな意義を有するものであるので、青少年のスポーツ活動を一層振興していく必要がある。

また、青少年が優れた芸術文化に親しみ、豊かな情操をはぐくむとともに、地域の歴史的文化的環境を理解し、伝統文化への関心を高めることができるよう、青少年の芸術鑑賞、文化活動への参加や、地域の長い歴史の中で伝承されてきた文化財に親しむ機会の充実等について、一層の配慮を払う必要がある。

なお、学校における部活動などの課外活動と学校外活動との連携を必要に応じて図るなどの配慮も必要である。

学校外活動の充実を図る上では、子供の生活行動に極めて大きな影響を与える親をはじめ、地域の人々や学校の教員を含めた、関係者の適切な配慮が重要である。

とりわけ、子供の人間形成の上で第一義的な役割と責任を持っている各家庭において、日常の生活体験を豊かにするよう努めるとともに、家庭や学校では得にくい活動の経験の機会を、地域で子供に積極的に与えるよう配慮することが重要である。

なお、学習塾通いの問題については、子供の全人的な成長を図る観点から、過度の学習塾通いの弊害に留意し、保護者等に対して理解と自粛を求めることが必要である。

また、学校外活動の多様性から、活動に関連を持つ施設・団体・事業・関係行政機関は多岐にわたるので、これらの相互の連携・協力を一層促進することが重要である。

第四章 現代的課題に関する学習機会の充実について

一 現代的課題とは

(一) 現代的課題の意義

今日の我が国の社会は、第一部で述べたように、科学技術の高度化、情報化、国際化、高齢化の進展等により、急激な変化を遂げつつある。そのことが人間の生き方、価値観、行動様式を変化させ、従来の生き方、価値観、行動様式が、時代の要請するものとそぐわなくなっている。このようなことから、地球環境の保全、国際理解等の世界的な課題をはじめ、高齢化社会への対応、男女共同参画型社会の形成等、人々が社会生活を営む上で、理解し、体得しておくことが望まれる課題が増大している。ここで言う現代的課題とは、このような社会の急激な変化に対応し、人間性豊かな生活を営むために、人々が学習する必要のある課題である。

現代的課題については、学習者が学習しようと思っても学習機会がなかったり、自己の学習課題に結び付かなかったり、学習課題として意識されないものも多い。

これからの我が国においては、人々がこのような現代的課題の重要性を認識し、これに関心を持って適切に対応していくことにより、自己の確立を図るとともに、活力ある社会を築いていく必要がある。そのためには、生涯学習の中で、現代的課題について自ら学習する意欲と能力を培い、課題解決に取り組む主体的な態度を養っていくことが大切である。その際、生涯学習の意欲・能力等の基礎は青少年期に培われることに留意して、学校教育及び学校外活動を通じ、発達段階に応じて、現代的課題に関する興味・関心を養う学習や活動の機会の充実が望まれる。さらに、社会の急激な変化に直面している成人の場合については、積極的に現代的課題に関する学習機会の充実を図ることが必要である。

(二) 主な現代的課題

現代的課題には多様なものがあるが、それを生涯学習の中で取り上げるに際しては、学習者の事情や学習者を取り巻く状況などに即してとらえることが大切である。そのため、学習機会を提供する側にあっては、このことに十分留意しつつ、学習者個人、家庭、地域社会、国、国際社会、地球といった様々な視野から現代的課題を検討することが期待される。

また、多様な現代的課題の中から、学習課題とするものを選択するに当たっては、それが心豊かな人間の形成に資すること(豊かな人間性)を基本としつつ、特に、その課題が社会的観点から見てどれだけの広がりを持っているか(社会性・公共性)、どれだけその学習が時代の要請に即応しているか、緊急・必要であるか(現代性・緊急性)などの観点から行われることが重要である。

このような観点から、現時点における具体的な現代的課題を挙げると、例えば、生命、健康、人権、豊かな人間性、家庭・家族、消費者問題、地域の連帯、まちづくり、交通問題、高齢化社会、男女共同参画型社会、科学技術、情報の活用、知的所有権、国際理解、国際貢献・開発援助、人口・食糧、環境、資源・エネルギー等が考えられる。

なお、現代的課題は、社会や人々の生活の変化に応じて流動的なものであるため、学習機会の提供に当たっては、地域の実情に照らして、何が現代的課題であるか、常に研究していくことが必要である。

二 現代的課題に関する学習の現状と課題

(一) 学習への関心

人々の学習への関心の現状を見ると、人々の身近な問題や実益を伴う問題についての関心が高く、比較的自分と空間的・時間的に遠い問題には、余り関心を示さない傾向が見られる。

最近は、青少年や女性、高齢者等の中には、学習成果を生かしたボランティア活動を活発に実践する人々が見られるものの、必ずしも、多くの人々が地域社会や国際社会の一員としての生き方を追求し、その学習成果を社会に還元しようとする視点を持って学習しているわけではない。また、学習している人は、その過程において一層学習への関心を高めていくため、学習していない人との認識の差が広がる傾向にある。

(二) 学習機会の現状

人々の多様な学習ニーズに対応して、地域社会では、様々な学習機会が提供されている。

現代的課題に関しては、社会教育施設における学級・講座、大学の公開講座等において取り上げられており、また、関係省庁、首長部局等においても、様々な学習機会の提供が行われている。しかし、学級・講座の学習内容についての全体的な傾向を見ると、一般的な教養・情操関係やレクリエーション関係などのものが多く、必ずしも、現代的課題のような社会性・公共性のある学習課題への取組は十分であるとは言えない。

(三) 行政の役割

人々に学習機会を提供する機関は多様であるが、特に現代的課題に関する学習機会の提供については、行政の果たすべき役割が大きい。

現代的課題の意義や、社会性、公共性、現代性、緊急性という学習課題の選択の観点に即した課題設定や、学習機会の提供に関するこれまでの行政の対応は、必ずしも十分とはいえない状況にあるので、今後、行政施策として、現代的課題に関する学習機会の充実を図っていくに当たっては、生涯学習関連機関の連携・協力の強化、学級・講座の開設、学習情報提供・学習相談体制の整備充実等、特段の努力が必要である。

第三部 四つの課題についての充実・振興方策

一 適切な学習機会の拡充

生涯学習の振興において、人々の学習活動を支援するためには、適切な学習機会の拡充を図ることが大切である。その際、心身に障害のある人や病気がちな人などが生涯学習に取り組むことができるよう、適切な配慮が望まれる。

また、週休二日制の普及や学校週五日制の導入など、近年の休日の拡大傾向に伴って、土曜日や休日等における学習機会の提供へのニーズが高まっており、生涯学習の機会を提供する各種の施設や機関等において、この点を十分考慮に入れる必要がある。

(一) リカレント教育の学習機会の拡充

[cir1 ] 大学等におけるリカレント教育

社会人や職業人の知識・技術のキャッチアップやリフレッシュのための教育を推進するため、大学等の教育研究機能を一層高め、リカレント教育の学習機会を積極的に拡充していくことが重要である。

特に、国際社会で活躍し得る人材の育成、高度な専門的知識・能力を持つ職業人の再教育という観点からも、大学院レベルのリカレント教育の学習機会の拡充が必要である。

さらに、専門的技術教育や職業教育の分野では、専門学校の機能を積極的に活用することが望ましい。なお、専門学校の卒業者に大学編入学資格等を認めることについて、社会人の大学における学習機会を広く確保し、産業界の技術者等の充実を図る観点からも、今後検討が進められることが望まれる。

[cir2 ] リカレント教育の実施体制・方法

リカレント教育の推進のため、公開講座の充実、出張講座の開設など、大学等が地域や産業界と連携・協力しながら広く学習機会を提供することが必要である。その際、大学等でリカレント教育に当たる教員組織や事務体制等の充実が望まれる。

また、従来の教育内容・方法では十分な対応が困難な場合も考えられるので、大学等において、社会人に対応した履修形態の多様化・弾力化、新たなリカレント教育プログラムや教育方法の開発研究などを進め、社会人の希望や意欲にこたえる教育内容を提供することが期待される。また、企業人を含めた学外の講師の活用も効果的と考えられる。

週休二日制への移行等に伴い、社会人、職業人への学習機会の確保の観点から、大学等の教職員の勤務時間などについて、十分な配慮が望まれる。

さらに、大学等が組織的にリカレント教育に対応していくために、生涯学習教育研究センターなどを計画的に整備することが望まれる。

(二) ボランティア活動に関する学習機会の拡充

ボランティア活動を希望する人のために、ボランティアの精神、ボランティア活動の理念等について学習する機会を、様々な形で拡充することが重要である。

ボランティアを受け入れる公的施設・機関等においては、職員を対象に、ボランティア活動に対する正しい認識を培う研修を行うことが必要である。

また、学校教育においては、児童、生徒及び学生がボランティア精神などを培う体験的活動を行うことや、教育活動全体を通じて積極的な指導がなされることが重要である。

なお、これらの学習機会の目的、内容に応じた学習プログラムや活動メニューの開発、学習資料・事例集の作成・配布が必要である。

(三) 青少年の学校外活動における学習機会の拡充

子供の発達段階に応じて、自然や社会への基礎的な興味・関心を養う観点から、次のような学習機会の拡充や活動の充実を促進する必要がある。

[cir1 ] 自然環境や社会環境など環境とのかかわりや、科学技術への興味・関心を培う活動

[cir2 ] 地域の生活に密着した国際交流活動など、国際化社会に生きるための素養を身に付ける活動

[cir3 ] 地域社会におけるボランティア活動、高齢者や障害者との交流活動、勤労体験活動など、多様な社会参加を経験する活動

[cir4 ] 身近な地域において、異年齢の仲間作りを促進し、自発的な活動意欲を育てる活動

また、週休二日制の普及や学校週五日制の導入など、近年の休日の拡大傾向を活用し、各家庭において休日の活動計画が立てやすくなるように、休日における子供の活動、家族としての活動の振興を、例えば市町村等において地域の人々を対象とする「ホリデー・プラン」、「サタデー・プラン」、「親子プラン」などの形で呼び掛け、計画的に推進していくことが望ましい。

(四) 現代的課題に関する学習機会の拡充

教育委員会や社会教育施設は、人々の学習ニーズの高度化を考慮し、現代的課題に関する学級・講座等を拡充することが必要である。

特に、現代的課題に対する人々の学習意欲を高めるような、魅力あるプラグラムを開発・提供することが必要である。

また、公民館など、社会教育施設における学級・講座等については、より多くの参加者が得られるようその活性化を図ることが必要である。

文部省や教育委員会以外の行政機関において、それぞれの所掌事務に関連して提供している、現代的課題に関する学習プログラムについても、学習者の立場に立った内容の改善・充実が望まれる。

二 学習情報の提供と学習相談体制の整備充実

人々の学習活動を支援するためには、最も適した学習機会を選択することができるよう、学習機会を提供する機関、指導者などに関する情報を収集・整理し、適切な情報を提供する情報提供体制や、学習者をその求めに適した学習機会等に結び付けるための学習相談体制を、各地域で整備することが必要である。また、公的施設だけでなく、人々の身近なところで必要な情報が入手できることが望ましい。

その際、コンピュータ等の活用により、人々の学習ニーズに迅速かつ的確に対応する、生涯学習情報提供システムなどのネットワークの整備が重要である。この場合、都道府県においては生涯学習推進センター等が、市町村においては中央公民館等が、それぞれの圏域の中心となることが望ましい。

さらに、大学等を含めた教育機関や生涯学習関連施設等との連携を図り、民間の諸活動との関連も考慮しつつ、都道府県域を越えたネットワークを整備し、将来的にはネットワークを全国化することが期待される。

(一) リカレント教育に関する情報の提供と学習相談体制の整備充実

リカレント教育に関して、地域や産業界が理解や認識を深めるよう啓発資料を提供することや、各種の具体的な学習情報を積極的に地域の人々、企業等へ提供することが重要である。

学習相談においては、リカレント教育における学習の成果の活用や、職業選択等に関する相談を充実することも望ましい。

(二) ボランティア活動に関する情報の提供と相談体制の整備充実

ボランティア活動を希望する人、活動している人、受ける側の人のそれぞれのニーズに適切に対応できるよう、各種の学習や活動に関する情報の収集・提供を行う体制を整備する必要がある。

ボランティアを受け入れる施設・機関は、ボランティア活動について総合的に連絡調整するための窓口を設置するとともに、専門的職員を配置することが必要である。

市町村、都道府県において、公民館などの社会教育施設等を活用し、各種のボランティア関係団体と連携して、情報の提供や相談を行うボランティア活動の支援のための拠点、例えば「生涯学習ボランティアセンター」のような場を整備し、その運営に当たっては、ボランティアによる相談員を置くことも考えられる。

さらに、全国的な規模でボランティア活動に関する各種情報の収集・提供、学習資料の作成、調査研究などを行う、生涯学習ボランティアの支援のための全国的なセンターの機能を整備することも考えられる。

(三) 青少年の学校外活動に関する情報の提供の充実

子供や家族が訪れやすい身近な場所に学習情報提供のコーナーを設置するなど、日常生活の中で、活動の場や機会に関する情報に接することができるようにすることが必要である。

教育委員会は、学校外活動に関する情報の収集と提供を積極的に行うことが重要である。その際、マス・メディアの理解と協力を得たり、学校などを通じて各家庭に情報を提供するなどの工夫も有効である。

また、活動の事例集、手引書などの作成・頒布に努めることや、青少年団体の活動への理解と参加の促進を図るため、必要に応じ、青少年団体が行う広報活動に協力することが望ましい。

(四) 現代的課題に関する学習情報の提供と学習相談体制の整備充実

教育委員会、社会教育施設、大学等、首長部局や民間団体等を含め、幅広い範囲から学習情報を収集し、その整理、提供体制を整備するとともに、住民に対して、現代的課題の学習に関し、分かりやすく、きめ細かな相談に応じることが必要である。

現代的課題について分かりやすいビデオ、パンフレット等を作成・提供し、様々な機会を通じて啓発活動を行うことも重要である。

三 関係機関等の連携・協力の推進

生涯学習の振興のためには、文部省、関係省庁、教育委員会、首長部局、大学等の高等教育機関、社会教育関係団体、スポーツ・文化関係団体、民間教育事業者、産業界等の関係者による、相互の幅広くかつ密接な連携・協力が必要である。

特に、国においては、文部省及び関係省庁が生涯学習の振興のための協議の場を設け、施策の推進等について十分な連携・協力を図っていく必要がある。

(一) リカレント教育実施のための連携・協力の推進

リカレント教育にかかわる事業の推進に当たっては、産・官・学等の関係者・機関がそれぞれの役割を明確にしながら、幅広い相互の連携・協力を図っていくことが大切であり、地域のリカレント教育を支援・推進するために、「リカレント教育推進協議会」など、行政と民間との協力によるリカレント教育推進のための組織や機関を設けることが考えられる。

(二) ボランティア活動に関する連携・協力の推進

都道府県・市町村の教育委員会は、民間団体等の協力を得ながら、関係行政部局と連携を取りつつ、「生涯学習ボランティア活動推進会議」等を開催することが必要である。

また、全国的な規模での連携・協力を図るための会議等の開催も望まれる。

(三) 学校外活動に関する関係団体・機関、学校の連携・協力の推進

学校外活動の充実を図る上で、青少年団体等の地域団体と教育委員会や社会教育施設との間の連携、地域団体間の連携、学校と地域団体との間における連携の促進を図ることが期待される。

(四) 現代的課題に関する関係機関の連携・協力の推進

都道府県・市町村においては、生涯学習の推進のための連絡会議を活用し、教育委員会等を中心とする関係部局の連絡・協力、地域の実態に即した学習課題等について検討を行うことが重要である。

国においては、各地域における現代的課題に関する学習機会の提供を総合的・効果的に推進するために、連絡会議の設置等により、関係省庁間の連携・協力の在り方等について適時検討を行うことが期待される。

四 人材の育成及び活用等

生涯学習の振興のためには、人材の育成・活用及び関係団体の育成が重要である。特に、生涯学習に関する専門的職員、指導者の養成や、メディアを有効に活用できるような資質を持った職員の養成が必要である。

施設の長や社会教育主事、学芸員、司書、公民館主事等の専門的職員の研修の一層の充実を図るとともに、大学等における高度の資質向上のための研修プログラムについて検討する必要がある。また、このような専門的職員の資格の在り方について検討することが望ましい。

さらに、生涯学習関連施設等の関係職員について、各種の研修等を実施することにより、相互の交流を図り、その資質の向上を図ることが重要である。

講師、助言者等には、大学等、企業、地域社会における特定分野の専門的指導者、生涯学習関連施設等の関係職員など幅広く求めていくことが大切である。

特定分野の専門的指導者については、これを積極的に発掘・確保するとともに、「人材バンク」等に登録して、活動への協力を得ることが重要である。

生涯学習を実践し、支援する関係団体の活動は、生涯学習を推進する上で大きな役割を果たしており、特にボランティア活動や青少年の学校外活動に関して、今後もその推進の重要な担い手となることが期待される。

(一) ボランティア活動におけるリーダーの育成

ボランティア活動においては、その中心となる経験豊富な世話役的リーダーの役割が大きいことから、ボランティアを受け入れる施設及び機関等は、必要に応じ、ボランティア活動のリーダーとなる人の資質・能力の向上を図る機会を設けることが必要である。

(二) 学校外活動を支援する関係団体の育成等

青少年の学校外活動の充実を図るため、広く地域の人々の参加や協力を得るとともに、各家庭が自ら参加することや、父母等が積極的に参加することが望ましい。

また、学校外活動を支援する青少年団体、その他多様な地域団体等の積極的な育成、団体活動の促進を図ることが必要である。

五 生涯学習関連施設の整備充実

人々に多様な学習機会を提供するために、生涯学習関連施設の整備充実が重要である。

公民館、博物館、図書館、婦人教育会館等の社会教育施設、学校施設、スポーツ・文化施設や複合的多機能型生涯学習関連施設の整備充実や運営の改善を進めるとともに、都道府県において生涯学習の振興に資するための事業を一体的に行う生涯学習推進センターの整備が必要である。また、他の行政部局等が所管する関係施設も含めて、生涯学習関連施設が総合的・計画的に整備されることが望ましい。

特に、生涯学習関連施設の整備に当たっては、障害者や高齢者への配慮とともに、保育室を設けるなど人々が利用しやすいような配慮が望まれる。

さらに、国においてもこのような生涯学習関連施設の諸活動を支援するとともに、施設等の相互の連携・協力を促進するため、既存の生涯学習に関する全国的な施設等の機能を活用しながら、次のような役割を持つ全国的な生涯学習の推進のためのセンターを整備し、その機能を充実することが望ましい。

[cir1 ] 全国的な生涯学習情報の収集・提供

[cir2 ] 多様なメディアを活用した学習ソフトの開発

[cir3 ] 学習プログラム・教材等の研究開発

[cir4 ] 生涯学習関連施設等の職員の養成・研修

[cir5 ] 学習成果の評価等に関する調査研究

(一) リカレント教育実施のための施設の整備充実

地域の中核的役割を担う施設を整備・活用し、産・官・学が連携・協力するとともに、地域の大学等が交流を深めつつリカレント教育を実施する、「リカレント教育・交流プラザ」のような場を整備すること等が期待される。

(二) 青少年教育施設等の整備充実

青少年に豊かな生活体験や活動体験の機会を提供する上で、青少年教育施設の役割は大きい。

全国の青少年教育施設の中心的役割を果たしている国立オリンピック記念青少年総合センターについては、前記の全国的な青少年教育施設としての役割を視野に入れながら、スポーツ・文化・国際交流・指導者研修等、青少年の生涯学習に関する活動の国内及び国際的な拠点として、総合的な基盤整備を進める必要がある。

また、少年自然の家、青年の家等の青少年教育施設の機能の充実を促進するとともに、都市において、子供の興味・関心に応じて多様な活動を行える活動拠点として、多機能型の施設の整備を図る必要がある。

その他、青少年の多様な活動の場となる国立科学博物館をはじめ、地方公共団体や民間の設置する自然科学や人文系の博物館やスポーツ・文化施設、様々な子供向けの施設など、各種施設の一層の整備と活用が必要である。

(三) 生涯学習活動を支援する観点からの学校施設づくり

学校の施設は、地域社会において最も身近で利用しやすい生涯学習活動の場としての役割を有しており、その重要性は年々増してきている。

今後は、人々の生涯学習活動の基盤を培うという観点から、人間性豊かな児童生徒を育てる教育環境作りに配慮した、快適な学校施設づくりを進めるとともに、地域住民の利用を考慮した施設整備を推進し、単に学校教育活動の場としてのみならず、その教育機能を幅広く地域社会に広げ、生涯学習活動を積極的に支援する観点から、学校施設の一層の整備と活用を図っていくことが必要である。

また、地域社会において特色ある学校施設づくりを推進していくことも望ましいことである。

六 多様なメディアの活用

学習機会や学習情報には、地域間の格差があったり、時間・場所等の制約があるので、人々の生涯学習を支援する上で、多様なメディアの果たす役割は大きい。

その役割として、第一に、人々が個人で学習に取り組む場合に必要となる、多様な情報や学習のための教材・資料を人々に提供すること、第二に、地域的な事情により学習機会に恵まれない人々や学習時間を確保できない人々に対して、多様なメディアを導入することにより、時間や場所の制約の克服を可能とする学習の方法・手段を提供することなどが挙げられる。

そのため、メディアの持つ可能性について、先導的な調査研究を一層推進することが重要である。

特に、現代的課題については、マルチメディアや通信衛星等の多様なメディアの活用が必要である。

また、現代的課題に関する学習機会の拡充のため、既存の公共・民間の放送等のメディアの活用及び関係者等との積極的な連携の推進が重要であり、都道府県にあっては、当該地域の放送等のメディアの、現代的課題への積極的対応について理解を求める努力が重要である。

なお、放送大学は生涯学習の機関として重要な役割を果たすものであり、放送衛星などの新しい放送メディアの活用も検討しつつ、その対象地域を全国に拡充することが望まれる。

放送等を活用した、大学公開講座や大学等の通信教育の充実も期待される。

さらに、映像資料等の貸出・提供など、人々のメディア活用を支援する図書館、視聴覚センター、視聴覚ライブラリー等の機能の一層の充実が必要である。

七 学習者等に対する経済的支援

生涯学習は、基本的に人々が自発的意思に基づいて行うものであるが、必要がある場合には、その活動に対して経済的支援が行われることが望ましい。

(一) 社会人の学習に対する経済的な支援

リカレント教育の学習者に対する支援や、リカレント教育を行う大学等の高等教育機関に対する、国、地方公共団体、企業等の支援の充実を図ることが望まれる。

(二) ボランティア活動を行う個人・団体に対する経済的な支援

ボランティア活動は、無償性の理念に基づくものであるが、継続的で充実した活動を行うことができるよう、ボランティア活動を行う個人・団体に対して、活動のための連絡・通信、運営等に必要な資金などを支援することは有意義である。

また、ボランティア活動に伴う経済的な負担の軽減のため、ボランティア活動の実費補償の在り方を検討する必要がある。

特に、事故等を適切に対処し、負担等を軽減するため、ボランティア保険の充実と普及を積極的に推進する必要がある。

なお、ボランティア活動に対する民間の助成を促進するため、団体の設置や、既存の団体がボランティア活動を助成するよう働き掛けることも重要である。

個人・企業等がボランティア活動を行う団体等に対して経済的支援を行った場合の税制上の配慮等について検討する必要がある。

八 企業等の役割とそれに対する支援

(一) 企業等による支援

企業等において、勤労者の生涯学習を支援するため、有給教育訓練休暇制度などを活用したリカレント教育休暇や、ボランティア休暇・休職制度の積極的な導入・普及が期待される。

また、企業等において、研修や退職準備教育の一部として、ボランティア活動に関する学習が行われることが望ましい。その際、独自にこのような取組を行うことが難しい中小企業等においては、例えば数社で共同して行うことも考えられる。

さらに、ボランティア活動や青少年の学校外活動に関し、企業等の持つノウハウの社会への還元、勤労者の参加の支援、企業施設の地域への開放や場所の提供等の便宜供与などを図ることが期待される。

(二) 企業等に対する支援

企業等のニーズに適切に対応する学習コースの開発や実施を含め、リカレント教育の推進のためには、国や関係機関が先導的な役割を果たしていくことが必要である。

また、リカレント教育のため学校に勤労者を派遣する企業等に対する、その負担軽減のための経済的な支援などが考えられる。

リカレント教育を行う大学等の高等教育機関に対し、企業等が資金を提供する場合の手続面の改善、税制上の措置の活用を進める必要がある。また、生涯学習振興のための寄附金についての税制上の優遇措置等についても、今後の課題として検討していく必要がある。

九 評価

(一) リカレント教育における評価

リカレント教育による学習成果を、大学等において学校の正規の単位として認定する方向が広がることが期待される。

また、科目等履修生制度などにより修得した単位を積み重ねて学士の学位を取得する、単位累積加算制度の検討が進められることも期待される。

さらに、専門学校等における学習で習得した専門的・実践的な知識・技術等の学習成果に対して一定の称号を付与するなど、社会的な評価を確立するための方策を検討することが必要である。

一方、企業等においても、リカレント教育により得られた学習成果が適切に評価される人事管理システムの採用が進められることが期待される。

なお、リカレント教育の支援に積極的に取り組み成果をあげている企業等を国や地方公共団体が顕彰することも、リカレント教育の普及・啓発に資すると考えられる。

(二) ボランティア活動に対する社会的評価

ボランティア活動を今後一層支援し、発展させるために必要な社会的な評価の在り方として、例えば次のような点について検討する必要がある。

[cir1 ] 学校外のボランティア活動の経験やその経験を通して得た成果を適切に学校における教育指導に生かすこと。

[cir2 ] ボランティア活動の経験やその成果を賞賛すること。

[cir3 ] ボランティア活動の経験やその成果を資格要件として評価すること。

[cir4 ] ボランティア活動の経験やその成果を入学試験や官公庁・企業等の採用時における評価の観点の一つとすること。

履歴書にボランティア活動歴を記載することを奨励したり、そのために履歴書の様式を工夫すること等も検討に値する事柄であろう。

ボランティア活動の経験やその成果は、社会的な評価項目の一つとして考えられるものであるが、社会的評価を行う場合は、無償性、自発性等ボランティア活動の基本的理念を損なうことのないよう留意する必要がある。

また、ボランティア活動を社会において量的・質的に把握する統計的な調査研究を行うことが望ましい。

一〇 その他

(一) 大学等の関係者におけるリカレント教育への理解の促進

大学等でリカレント教育に当たる教員の実績を評価していく意識が、大学等の関係者に広まることが望まれる。

また、大学等でリカレント教育に関する事務等に当たる職員に対して、研修等を通じて理解を促進することが必要である。

(二) ボランティア活動の場の開発等

ボランティア活動の分野、活動場所の開発に当たっては、ボランティアの自主性、自発性を尊重することを前提とし、青少年から高齢者まであらゆる層の人々が、楽しく、無理なく参加できるよう留意し、活動場所を幅広く柔軟にとらえることが大切である。

また、人々の学習の成果を社会のあらゆる分野で生かすため、ボランティア活動に関する調査研究が必要となっている。

なお、行政と関連したボランティア活動については、行政機関が果たす役割とボランティアが行う活動を明らかにし、ボランティアが単なる行政の補助でなく、サービスの質を高める上で一定の役割を担っていることを、職員とボランティアが相互に理解し合うことが重要である。

(三) 現代的課題に関する学習機会の充実のための行政の役割

現代的課題に関する学習機会の提供については、特に行政の果たすべき役割が大きい。

現代的課題に関する学習機会の充実に当たっては、市町村、都道府県、国がそれぞれの主たる役割を考慮しながら、緊密に連携を取って進める必要がある。

なお、生涯学習は、自発的意思に基づいて行われるものであり、現代的課題に関しても、人々の学習意欲の啓発を図りつつ、自発的に学習活動に参加するよう奨励・援助することが基本である。行政においては、現代的課題についての学習の奨励・援助が学習者への押し付けにならないよう、十分留意する必要がある。

第四部 生涯学習の振興に向けて

~豊かな生涯学習社会を築いていくために~

(一) 学歴より生涯にわたる学習の蓄積の重視を

我が国では、従来から学校教育に依存し過ぎる傾向があり、また、学校教育が量的に拡大してきたこともあって、教育全体の中で、その占める比重が非常に大きくなっている。しかも、その学校教育は主として青少年期に集中的に実施されてきた。そして、このことは大学や高校などへの進学について、過度の受験競争や学習塾通いなどの弊害をもたらし、大きな社会的問題となっている。これを緩和するためには、基本的には、社会の学歴偏重の考え方を是正していく必要がある。また、各種の公的職業資格の受験等に必要な学歴等の要件についても、一定の生涯学習の成果などで代替していくような努力も必要であろう。

社会において、青少年期に卒業した学校の学歴のみを尊重するというのでなく、生涯にわたって何を学んできたか、どのような知識、技術、技能や資格を身に付け、どのようにして豊かな人間性を養ってきたか、どのように人生を歩んできたかなどの、個人の生涯にわたる学習暦や学習の蓄積が重視されるような環境を醸成していかなければならない。生涯のいつでも自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が評価されるような生涯学習社会を築いていく必要がある。

(二) 身近なところから自発的に生涯学習を

生涯学習は、いつでも、どこでも、誰でも自由に取り組めるものであり、組織的な学習活動だけでなく、スポーツ活動、文化活動、趣味、レクリエーション活動、ボランティア活動など、幅広い活動の中でも行われるものである。人は学習することで新しい可能性を身付け、新しい自己を発見することもできるのであり、充実した人生を送るために、一人一人が身近なところから行動し、まず生涯学習に取り組んでみることが望まれる。

(三) 学習する人に暖かい励ましを

多くの人が生涯学習に積極的に取り組んでいくためには、学習する個人の自主的な意欲と努力に期待するだけでなく、人々の学習意欲を具体的な学習活動に高めていくとともに、その学習活動を支援することが必要である。

行政の役割としては、多様化・高度化する人々の学習需要を的確に把握し、これに適切にこたえ、多様で質の高い学習機会を提供することと、両者を結び付けるための適切な情報サービスの提供が重要である。

また、家庭、学校、企業等、生涯学習関連団体、行政など、学習者の周囲のすべての人々が、生涯学習の意義を理解し、暖かい励ましと協力を行うことが望まれる。

さらに、企業等の生涯学習への支援や協力が、社会的に評価されるような風土を作っていく必要がある。

(四) 地域の生涯学習の振興を

豊かな生涯学習社会を築いていく上で、地域への期待は大きい。地域は、人々の日常生活圏において、住民の生活、活動の拠点であると同時に、人々の交流、助け合いの場でもあり、自治会や町内会、商店街、各種の組織や様々なサークル等により、生涯学習に関する多彩な活動が行われている。近年、生涯学習のまちづくりを施策の中核とする地方公共団体も増えてきている。

また、都市化の進展とともに、ともすれば希薄になりがちな人と人との心の触れ合いの機会を増やし、郷土の文化や歴史への理解と愛着を深めるなど、生涯学習の観点から日々の生活や人生をより豊かにしていく上で、地域は重要な役割を担っている。

地域の教育機能を高め、青少年の健全育成や学校外活動の充実を図ることは重要な課題であり、そのためにも、生涯学習の振興に積極的に取り組んでいくことが期待される。

(五) 本審議会は国民各界各層に、生涯学習社会の建設に向けて、生涯学習の意義と大切さを訴え、理解と協力を求めるものである。

○ 家庭へ

(一) 子供の人間形成にとって、家庭は重要な役割を有している。家庭は最初の学習の場であり、また、学校、社会と並ぶ生涯にわたる学習の場として位置付けられる。家庭は、生涯学習の原点として、乳幼児期から豊かな心、自ら学ぶ力、学習する意欲や個性、基本的生活習慣を培う基盤としての役割を担っている。

家庭において、親子や家族が共に楽しく学び、生涯学習に取り組むことは、子供の人間形成にとって有意義であり、親子相互の理解を深め、互いの啓発・向上にも役立つものである。各家庭において、教育信念を持つとともに、生涯学習に親しむ雰囲気を育て、学びやすい環境を作ることが望まれる。

(二) 子供を、学力偏差値だけでなくその個性や能力を様々な角度から多面的に評価し、生きていくため必要な真の意味での学力を身に付けさせることが必要になってきている。また、健やかな心と体を育てるため、過度の塾通いの弊害に留意するとともに、学校週五日制の導入や、週休二日制の普及により増加する自由な時間を生かし、自然や芸術に触れたり、ボランティア活動やスポーツをするなど、それぞれの家庭で、子供が家族と共に休日を効果的に活用することが期待される。

○ 学校へ

(一) 学校では、生涯にわたる人間形成の基礎を培うため、基礎的・基本的な内容の指導を徹底し、個性を生かす教育の充実を図るとともに、自己教育力の育成を図ることが期待されている。

特に学力については、単なる知識や技能の量の問題としてとらえるのでなく、学校、家庭及び地域における学習や生活を通して子供が自ら考え、主体的に判断し、行動するために必要な資質や能力として身に付けるものであるという認識を持つことが重要である。

(二) 小学校、中学校、高等学校などの学校も、発達段階に伴う一定の年齢層の児童生徒に対する教育機関としての役割のみでなく、幅広く地域の生涯学習のための役割を果たすよう、その教育機能を、社会や地域に広げることが期待される。また、地域の生涯学習関連機関や団体との、密接な連携・協力を図ることが重要である。

(三) 大学、短期大学、高等専門学校、専門学校などの高等教育機関は、生涯学習社会を築いていく上で大きな役割を担っている。社会人のリカレント教育の実施など、生涯学習の機会を提供することは、大学等の重要な機能の一つであり、今後一層、生涯学習への積極的な取組が期待される。

(四) 学校の教員が自らの生涯学習に取り組むことは、教員自身にとっても、新しい発見と自己の充実・向上に結び付くものであり、使命感の高揚や指導力の向上にも役立つとともに、学校教育そのものにも好ましい影響を与えるものである。

また、経験豊かな社会人や生涯学習の指導者などを、幅広く学校教育の場に迎え入れることは、学校の教育機能を高めることに役立ち、学校教育の活性化にもつながるものであり、積極的な対応が望まれる。

○ 企業等へ

(一) 我が国の社会、経済の発展において、企業等の果たしてきた役割は大きい。今後は、企業自身の発展のためにも、社会的存在としての役割が大きくなってきていることに留意し、企業自らの活動として生涯学習を支援し、その推進に貢献することが期待される。また、生涯学習に関心を持つ企業等を中心とした、生涯学習推進のための協議会のような組織作りが期待される。

(二) 勤労者の生涯学習の振興のためには、企業等の理解と協力が不可欠である。リカレント休暇、ボランティア休暇の導入などにより積極的に支援するとともに、勤労者が生涯学習しやすい条件作りのため、時短、週休二日制など、勤労者の自由時間、余暇時間の増大などの方策を一層促進することが望まれる。また、ボランティア活動の経験やリカレント教育などの生涯学習の成果を、採用、昇任などの際に適切に評価することが望まれる。

○ 生涯学習関連団体へ

今日、生涯学習の必要性が一般に認識されるようになった背景には、これまでの社会教育関係者等の永年にわたる地道な努力がある。特に、社会教育関係団体はじめ、福祉やボランティア関係団体等、生涯学習関連団体の果たしてきた役割は大きい。また、スポーツや文化関係の団体も大きな役割を果たしており、民間のカルチャーセンター、スポーツセンター等も多様な学習機会を提供している。これら民間の諸団体は、生涯学習の振興を図る上で重要な役割を担っており、今後とも、新しい視点に立って、生涯学習の振興のため、その活動を一層充実することが期待される。

○ 行政へ

(一) この提言の実現のためには、文部省はじめ各省庁、教育委員会、知事・市町村長部局等行政各機関それぞれの、生涯学習に対する深い理解と相互の連携・協力が重要である。

(二) 生涯学習の振興のためには、特に都道府県や市町村の役割が大きい。

各都道府県において生涯学習審議会の設置が進められ、それぞれの地域における生涯学習の振興のための施策の検討と体制の整備が行われているが、その一層の充実・推進が期待される。

市町村においても、地域の特色を生かした生涯学習の振興のための施策の検討と体制の整備が望まれる。

このような観点から、教育委員会の生涯学習振興における中核的な役割が期待されており、住民のニーズにこたえ、多様かつ柔軟な施策の積極的な推進とその活性化が求められている。

(三) あらゆる分野の行政の関係者が、生涯学習への理解を深め、それぞれ自らの担当する行政に生涯学習の視点を取り入れることが必要である。

特に、生涯学習の振興のためには、それぞれの行政担当者が、所管行政の範囲にこだわらず、何よりも学習者の視点に立って、他の行政や民間との協力・連携を積極的に図っていくことが望まれる。

参考資料

一 諮問文

文生生第九八号

生涯学習審議会

次の事項について、別紙理由を添えて諮問します。

今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について

平成三年二月一日

文部大臣 井上裕

(理由)

我が国社会の進展に伴い、国民の学習需要は一層多様化、高度化しつつある。このような状況に対応し、国民がその自発的意思に基づき、生涯にわたって充実した学習をすることができるよう所要の施策を推進することは今日の大きな課題である。

このことについては、これまでも、教育、スポーツ及び文化の各分野にわたって生涯学習に資するための施策を展開してきたところであるが、今日の我が国社会の変化等の動向に鑑みて、これまでの施策の現状を踏まえつつ、学校教育、社会教育及び文化の振興に関し生涯学習に資するための施策に関し、今後重点を置いて推進すべき課題について検討する必要がある。

二 文部大臣諮問理由説明

諮問に当たり、一言御挨拶申し上げます。

生涯学習審議会は、昨年制定されました生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律に基づき、学校教育、社会教育及び文化の振興に関し、生涯学習に資するための施策に関する重要事項について調査審議を行う文部大臣の諮問機関として昨年八月に発足いたしました。

以来、審議会におかれましては、生涯学習に関し自由な意見の交換をいただき、このたびの諮問に当たっては、これらの意見も十分参考とさせていただきました。

生涯学習については、これまでも中央教育審議会、臨時教育審議会等から種々の提言がなされ、文部省においては、これらの提言を受けて生涯学習の振興のための教育、スポーツ及び文化にわたる様々な施策や生涯学習の推進のための基盤整備に資する施策を展開してまいりましたが、我が国が今後心豊かで活力に満ちた社会を築いていくためには、国民が自発的意思に基づき生涯にわたって充実した学習活動ができるよう所要の施策を一層推進することが今日大きな課題となっております。

今後における生涯学習の振興方策を審議するに当たっては、このようなこれまでの施策の現状と、我が国社会の変化等にかんがみて今後生涯学習の振興を図るうえで特に重視すべき視点を踏まえて、学校教育、社会教育及び文化の振興に関し生涯学習に資するための施策に関し、今後重点を置いて推進すべき課題について検討する必要があると考えております。

その際には、技術革新や国際化の進展、長寿社会の到来、自由時間の増大等の社会の変化への対応、また人間性豊かな生活や男女共同参加型社会の形成の重要性など、今後の生涯学習の振興を図る上で重視すべき視点を踏まえた検討が必要であると考えます。

そのうえで、これまで行われてきた施策の現状を踏まえて、国民の学習需要の多様化・高度化が進む中で今後一層重点的に推進すべき具体的課題について、次のような諸点を中心として検討する必要があるのではないかと考えております。

具体的課題といたしましては、まず第一に一人一人の学習の成果を生かしたボランティア活動の推進という課題、第二に社会人を対象とした体系的・継続的なリカレント教育の推進という課題、第三に時代の要請に即応した現代的課題に関する学習機会の充実という課題、第四に青少年の学校外活動の充実という課題などが考えられるのではないかと思います。

審議会におかれては、以上のことを踏まえ、今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について御審議を賜りたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ恐縮に存じますが、何とぞ格別の御協力を賜りますようお願い申し上げます。

三 生涯学習審議会委員名簿

(平成二年八月二八日~平成四年八月二七日)


氏名

現職

天井幸子

全国地域婦人団体連絡協議会理事

荒巻禎一

京都府知事

磯邊律男

株式会社博報堂代表取締役社長

◎伊藤正己

日本育英会会長

井内慶次郎

東京国立博物館長

岩瀬良三

前千葉県教育委員会教育長

生内玲子

交通評論家

大澤弘之

科学技術会議議員

大森厚

学校法人中央工学校理事長・校長

岡本包治

立教大学教授

荻原伊智朗

国際卓球連盟会長、財団法人日本卓球協会副会長

香月秀雄

放送大学学園顧問

小山義夫

農林水産省農業者大学校長

澤田茂生

日本電信電話株式会社代表取締役副社長

清水畏三

学校法人桜美林学園理事長・学園長

○土田將雄

上智大学長

土屋瞳

社団法人日本PTA全国協議会評議員・前母親委員会委員長

道正邦彦

財形住宅金融株式会社代表取締役会長

永嶋達夫

前都立戸山高等学校長

福川伸次

株式会社神戸製鋼所代表取締役副社長

藤原房子

株式会社日本経済新聞社編集委員

邊見正和

社団法人日本海難防止協会専務理事

宮崎幸雄

社団法人中央青少年団体連絡協議会会長

森英恵

デザイナー

森嶌昭夫

名古屋大学教授

東浦めい

日本放送協会解説委員、茨城県立婦人教育会館館長(平成四年五月二○日死去)

藁科満治

日本労働組合総連合会会長代行、全日本電機機器労働組合連合会会長(平成四年四月八日辞任)

(◎印は会長、○印は副会長)

四 各課題別委員会の構成、審議事項等


 

審議事項

主査

副主査

委員

第一委員会

一人一人の学習の成果を生かしたボランティア活動の推進

道正邦彦

藤原房子

荒巻禎一

岡本包治

邊見正和

藁科満治

第二委員会

社会人を対象とした体系的・継続的なリカレント教育の推進

清水畏三

森嶌昭夫

天井幸子

磯邊律男

大森厚

東浦めい

第三委員会

時代の要請に即応した現代的課題に関する学習機会の充実

井内慶次郎

永嶋達夫

生内玲子

大澤弘之

澤田茂生

福川伸次

森英恵

第四委員会

青少年の学校外活動の充実

宮崎幸雄

岩瀬良三

荻村伊智朗

香月秀雄

小山義雄

土屋瞳

五 生涯学習審議会審議経過

(総会)


回数

開催月日

審議の概要

第1回

平成2年

8月29日(水)

○会長に伊藤正己委員、副会長に土田將雄委員を選出

○自由討議

第2回

9月17日(月)

○説明及び自由討議

第3回

10月29日(月)

○生涯学習の振興方策に関する自由討議

第4回

12月5日(水)

○生涯学習の振興方策に関する自由討議

第5回

平成3年

2月1日(金)

○井上裕文部大臣から「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」諮問

○文部大臣諮問理由説明

○自由討議

第6回

3月1日(金)

○今後の審議の進め方について

第7回

4月19日(金)

○「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」に関する調査審議の進め方について

○「ボランティア活動の推進について」ヒアリング

・三浦清一郎氏(学校法人福原学園常務理事、九州共立大学副学長、九州女子大学・九州女子短期大学副学長)

・大久保邦子氏(社会教育施設ボランティア交流会実行委員)

・祐成善次氏((社)日本青年奉仕協会常務理事)

○自由討議

第8回

5月22日(水)

○「リカレント教育の推進について」ヒアリング

・清成忠男氏(法政大学経営学部教授)

・有馬真喜子氏((財)横浜市女性協会理事長、国連婦人の地位委員会委員)

・朝倉祝治氏(横浜国立大学工学部教授)

○自由討議

第9回

6月13日(水)

○「現代的課題に関する学習機会の充実について」ヒアリング

・石井威望氏(慶応義塾大学環境情報学部教授)

・市川昭午氏(国立教育研究所教育政策研究部長)

・縫田曄子氏(ジャーナリスト、国立婦人教育会館運営委員会会長)

○自由討議

第10回

7月2日(火)

○「青少年の学校外活動の充実について」ヒアリング

・坂本昇一氏(千葉大学教育学部教授)

・久保大氏(東京都教育庁生涯学習部振興計画課長)

・廣谷顕一氏(三郷町子ども会連合会会長・前奈良県子ども会連合会副会長)

○自由討議

第11回

7月24日(水)

○課題別委員会の構成について

○具体的課題に関するヒアリングのまとめについて

第12回

平成4年

2月19日(水)

○各課題別委員会における審議の経過及び今後の審議の進め方について

○各課題別委員会の「審議の経過(案)」について

○「中間まとめ」の構成について

第13回

3月17日(火)

○「中間まとめ骨子案」について

第14回

4月2日(木)

○「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について(中間まとめ)(案)」について

第15回

4月14日(火)

○「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について(中間まとめ)(案)」について

第16回

4月23日(木)

○「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について(中間まとめ)(案)」について

第17回

5月13日(水)

○「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について(中間まとめ)」について

第18回

6月17日(水)

○「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について(中間まとめ)」についての関係団体との意見交換について

○「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について(中間まとめ)」についての反響等について

第19回

7月9日(木)

○「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について(答申)(案)」について

第20回

7月16日(木)

○「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について(答申)(案)」について

第21回

7月29日(水)

○「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について(答申)」について

(課題別委員会)

<第1委員会> 一人一人の学習の成果を生かしたボランティア活動の推進


回数

開催月日

審議の概要

第1回

平成3年

9月18日(水)

○副主査の指名

○今後の審議の進め方について

○課題別委員会の検討課題について

○自由討議

第2回

10月24日(木)

○「一人一人の学習の成果を生かしたボランティア活動の推進について ―検討の骨子案―」について

第3回

11月22日(金)

○「一人一人の学習の成果を生かしたボランティア活動の推進について ―検討の骨子案―」について

第4回

12月9日(月)

○「一人一人の学習の成果を生かしたボランティア活動の推進について ―第1委員会における審議のまとめ案―」について

第5回

平成4年

1月21日(火)

○「一人一人の学習の成果を生かしたボランティア活動の推進について ―第1委員会における審議の経過(案)―」について

<第2委員会> 社会人を対象とした体系的・継続的なリカレント教育の推進


回数

開催月日

審議の概要

第1回

平成3年

9月11日(水)

○副主査の指名

○今後の審議の進め方について

○課題別委員会の検討課題について

○自由討議

第2回

11月13日(水)

○「社会人を対象とした体系的・継続的なリカレント教育の推進について ―検討の骨子案―」について

第3回

11月26日(火)

○「社会人を対象とした体系的・継続的なリカレント教育の推進について ―検討の骨子案―」について

第4回

12月11日(水)

○「社会人を対象とした体系的・継続的なリカレント教育の推進について ―第2委員会におけるまとめ案―」について

第5回

平成4年

1月16日(木)

○「社会人を対象とした体系的・継続的なリカレント教育の推進について ―第2委員会における審議の経過(案)―」について

<第3委員会> 時代の要請に即応した現代的課題に関する学習機会の充実


回数

開催月日

審議の概要

第1回

平成3年

9月19日(木)

○副主査の指名

○今後の審議の進め方について

○課題別委員会の検討課題について

○自由討議

第2回

10月25日(金)

○「時代の要請に即応した現代的課題に関する学習機会の充実について ―検討の骨子案―」について

第3回

11月29日(金)

○「時代の要請に即応した現代的課題に関する学習機会の充実について ―検討の骨子案―」について

第4回

12月10日(火)

○「時代の要請に即応した現代的課題に関する学習機会の充実について ―第3委員会におけるまとめ案―」について

第5回

平成4年

1月28日(火)

○「時代の要請に即応した現代的課題に関する学習機会の充実について ―第3委員会における審議の経過(案)―」について

<第4委員会> 青少年の学校外活動の充実


回数

開催月日

審議の概要

第1回

平成3年

9月27日(金)

○副主査の指名

○今後の審議の進め方について

○課題別委員会の検討課題について

○自由討議

第2回

10月29日(火)

○「青少年の学校外活動について ―検討の骨子案―」について

第3回

11月19日(火)

○「青少年の学校外活動について ―検討の骨子案―」について

第4回

平成4年

1月22日(水)

○「青少年の学校外活動について ―第4委員会における審議の経過(案)―」について

(関係団体との意見交換)平成4年6月9日(火)

○第1グループ(第1委員会関係)


団体名

出席者(役職・氏名)

日本労働組合総連合会

社会政策局長 中川宏一氏

全国地域婦人団体連絡協議会

事務局長 松下直子氏

日本体育協会

日本スポーツ少年団常任委員 酒井和男氏

全国社会福祉協議会

事務局長 鈴木五郎氏

全国市長会

亀岡市長 谷口義久氏

都道府県教育長協議会

第2部会主査、神奈川県教育長 渥美精一氏

経済団体連合会

社会貢献部調査役 田代正美氏

○第2グループ(第2委員会関係)


団体名

出席者(役職・氏名)

全国専修学校各種学校総連合会

副会長 酒井清氏

事務局長 横山茂氏

日本私立大学団体連合会

教育改革委員会委員 加藤地三氏

〃 中原爽氏

〃 望月清司氏

国立大学協会

生涯学習特別委員会委員長 太田時男氏

中央職業能力開発協会

能力開発事業部ビジネス・キャリア認定制度準備室室長 松田雄一氏

全国中小企業団体中央会

労働部長 橋本一美氏

○第3グループ(第3委員会関係)


団体名

出席者(役職・氏名)

日本図書館協会

理事長 高橋徳太郎氏

常務理事 酒川玲子氏

〃 大澤正雄氏

民間放送教育協会

理事 蓮見博民氏

事務局次長 齋藤繁男氏

全国公民館連合会

会長 吉里邦夫氏

全国社会教育委員連合

会長 天城勲氏

日本視聴覚教育協会

理事 高桑康雄氏

〃 久保田晃氏

常務理事 藤井健治氏

事務局長 望月武夫氏

日本博物館協会

専務理事 毛利正夫氏

○第4グループ(第4委員会関係)


団体名

出席者(役職・氏名)

中央青少年団体連絡協議会

常務理事 大野重男氏

事務局長 亀岡重則氏

全国児童館連合会

理事 鈴木一光氏

日本商工会議所

東京商工会議所教育問題委員会幹事会座長 宮川博之氏

全国町村教育長会

監事 清水重太郎氏

日本PTA全国協議会

会長 三浦規雄氏

教育問題委員会委員長 櫻井和朋氏

全国連合小学校長会

対策部長 大野幸男氏

全国民間カルチャー事業協議会

代表幹事 二宮操一氏

〃 山本思外里氏

六 課題別委員会調査研究協力者名簿

第一委員会:一人一人の学習の成果を生かしたボランティア活動の推進

天野正子(千葉大学文学部教授)

大堀哲(国立科学博物館教育部長)

興梠寛((社)日本青年奉仕協会事務局長)

田代正美((社)経済団体連合会社会貢献部調査役)

永井順国(読売新聞論説委員) (五名)

第二委員会:社会人を対象とした体系的・継続的なリカレント教育の推進

朝倉祝治(横浜国立大学工学部教授)

有馬真喜子((財)横浜市女性協会理事長)

清成忠男(法政大学経営学部教授)

中村琢磨(日鉄ヒューマンデベロップメント社長)

吉崎四郎(富山県民生涯学習カレッジ学長) (五名)

第三委員会:時代の要請に即応した現代的課題に関する学習機会の充実

浅井経子(淑徳短期大学社会福祉学科助教授)

池田秀男(広島大学教育学部教授)

石内巌(群馬県教育委員会生涯学習課長)

市川昭午(国立教育研究所教育政策研究部長)

水越敏行(大阪大学人間科学部教授) (五名)

第四委員会:青少年の学校外活動の充実

明石要一(千葉大学教育学部助教授)

大塚祐子(松戸市立幸谷小学校長)

末吉裕郎((社)全国子ども会連合会常務理事)

日丸哲也(群馬大学教育学部教授、(財)日本体育協会日本スポーツ少年団常任委員) (四名)

(平成四年一月現在)

-- 登録:平成21年以前 --