ここからサイトの主なメニューです

外来語の表記(答申)(抄)

国語審議会

平成三年二月七日

外来語の表記(答申)(抄)

前文

〔はじめに〕

国語審議会は、昭和四一年六月以来、文部大臣の諮問に応じ、「国語施策の改善の具体策について」の審議を行っている。これまでに、「当用漢字改定音訓表」と「改定送り仮名の付け方」(昭和四七年六月)、「常用漢字表」(昭和五六年三月)、「改定現代仮名遣い」(昭和六一年三月)を答申し、これらは、いずれも内閣告示・内閣訓令によって実施された。引き続き、国語審議会は、昭和六二年一月以降、「外来語の表記」の問題について審議を進め、このたび、この『外来語の表記』を作成した。

〔『外来語の表記』の作成の経緯〕

国語審議会は、昭和六二年一月の総会で、昭和四一年の諮問において検討すべき問題点として示された事項のうち、「現代かなづかい」に関連する事項としての「外来語の表記」の問題を取り上げて審議することとした。以来、総会をはじめ、外来語表記委員会、小委員会など、合計八六回の会議を開いて検討を行い、平成二年三月には外来語表記委員会の試案を公表して広く各方面の意見を聞くなど、四年にわたり慎重な審議を重ねた。

審議に当たっては、昭和二九年の国語審議会部会報告「外来語の表記について」をはじめ、外来語や外国の地名・人名の書き方に関する明治以来の諸案、日本新聞協会や日本放送協会等で定めている現行の諸基準を参考にするとともに、現代の小型国語辞典に採録されている外来語や、官報、省庁の白書、教科書等に出現する外来語及び外国の地名・人名の表記の実態を把握することに努めた。また、各界・各方面から寄せられた要望や意見等も参照した。

その結果、以下に述べるような認識と方針の下に、この『外来語の表記』を作成するに至った。

〔「外来語の表記」についての考え方〕

1 外来語について

外国語から国語に取り入れた語を外来語と言う。漢語の多くは古く中国語から取り入れたものであるが、慣用として外来語の中には含めない。我が国は室町末期以降、ポルトガル語、オランダ語から、江戸末期以降は、英語、ドイツ語、フランス語その他の欧米諸言語から多くの語を取り入れた。そこで、外来語と言えば主としてこれら欧米系の諸言語に由来するものを指すことが多い。外来語を「洋語」と呼ぶことがあるのもこのためである。現代では、その中でも英米語系の外来語の占める割合が非常に大きいが、「シューマイ」「マージャン」「オンドル」「キセル」など近隣の東洋諸言語に由来する外来語もある。

外来語は、元の外国語から国語に取り入れられるとき、国語の構造に合せて、発音や語形、意味用法に変化が生じ、国語化するのが普通である。この国語化の程度によって、外来語をおよそ次のように分けることができる。

(1) 国語に取り入れた時代が古く、国語に融合しきっていて、外国語に由来する感じが余り残っていないもの。例えば、「たばこ、煙草」「てんぷら、天麩羅」「じゅばん、襦袢」など。この類は、平仮名や漢字で書かれることも多く、語形についても、書き表し方についても、十分に国語化している。

(2) 既に国語として熟しているが、なお外国語に由来するという感じが残っているもの。例えば、「ラジオ」「ナイフ」「スタート」など。この類は、語形のゆれが比較的少なく、比較的よく国語化した語形に基づいて、片仮名で書き表す。

(3) 外国語の感じが多分に残っているもの。例えば、「ジレンマ」「フィクション」「エトランゼ」など。この類は、語形にゆれがあるものが多く見られる。外国語の原形に対する顧慮から語形を正そうとする力が働きやすく、「ジレンマ」に対して「ディレンマ」、「エトランゼ」に対して「エトランジェ」のようなゆれが生じる。現代の和語や漢語にない音が用いられることもある。

一方、国語の文章や談話の中に外国語の語句がそのまま取り入れられ使用されることもある。このようなものは、外国語と呼んで、外来語とは区別すべきものであり、また、今回取り上げる直接の対象には含めないでよいと考えた。ただし、この種の外国語と、上記(3)の類の外来語との境界は、必ずしも判然としたものではない。

なお、「ニューヨーク」「ローマ」などの地名や「コロンブス」「ゲーテ」などの人名は、固有名詞という点で一般の外来語と区別されるものであるが、その国語への取り入れ方については一般の外来語と共通する面もあるので、今回の「外来語の表記」の審議においては、このような地名・人名も対象に含めることとした。一方、中国・韓国等の地名・人名は、我が国の文章の中で漢字で書かれることが長い習慣であった。それぞれの国の原音に基づく片仮名表記も行われているが、この問題は、今後の課題とし、今回の審議においては直接の対象とはしなかった。(ただし、今回示すものは「シャンハイ」「ソウル」等の表記には及ぼし得るものである。)また、PTA、CM、kgなど、国語の中で用いられるアルファベット表記については、問題の外に置くこととした。

2 外来語を片仮名で書く習慣について

現代の外来語は片仮名で書き表すのが一般的であるが、外来語表記の歴史を見ると、この傾向はそれほど古いものではない。欧米系の外来語が流入し始めた室町末期から江戸初期の国語の文献では、外国語や外来語の表記は、漢字であったり、平仮名であったり、時には片仮名であったりして、一定していなかった。外来語を漢字で書くことは明治以後も続き、語によっては戦後まで残った。

漢字平仮名交じり文の中には外国語・外来語を片仮名で書くことを組織的に行った例は新井白石の著述(「西洋紀聞」―一八世紀初め)に見られる。蘭学の文献ではこれを受け継ぎ、明治期の外来語急増に伴って、外来語を片仮名で書く習慣が確立した。(国定読本においては、明治四三年から使用した第二期国定読本以後、片仮名書きが大勢となった。)その後、大正から昭和にかけて、新しい外来語が増加し、戦後の外来語急増期に外来語の片仮名表記が決定的となった。

3 外来語の音と仮名表記

国語の音は、「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」「キャ」「キュ」「キョ」「ジャ」「ジュ」「ジョ」などの仮名に対応する音を基本単位とする。その種類は、現代のいわゆる和語と漢語については、直音、拗音合わせて一〇〇、これに撥音、促音、長音が加わる。

外国語が外来語として国語化するについても、基本的にはこれらの音が用いられているが、さらに、外国語の原音に応じて、現代の和語や漢語にはない音が外来音として国語の中に取り入れられ、それに当たる特別の仮名表記が工夫されてきた。例えば、「フィルム」の「フィ」、「メロディー」の「ディ」のようなものである。また、長音については、和語や漢語の場合と異なり、長音符号「ー」を用いることがほぼ定着している。

このような、外来語の仮名表記については、従来、各方面で論議され、いろいろな取決めが立案され実施されてきた。しかし、それらは必ずしも一致したものではなく、また、それらの取決めに合わない書き方も行われている。そこで、今回、改めて現代にふさわしいその在り方を考えたものである。

「外来語の表記」を検討するに当たっては、仮名を音との対応において用いるという考え方に立つとともに、慣用を尊重することを基本的な方針とした。そして、どのようなものが外来音として国語の中に取り入れられているかを実例に即して検討した結果、在来の国語の音のほかに、(1)言い分け聞き分けの上で余り無理がなく、外来音として国語の中に入っていると考えられるものに対応する仮名、(2)言い分け聞き分けの上では十分安定していないが、外来音としてある程度国語の中に入っていると考えられるものに対応する仮名を取り上げることにした。

現実には、様々な状況に応じて、これら以外の音を仮名で書き表すことが必要になる場合もあるが、それについては取決めを行わず、自由とすることにした。

〔『外来語の表記』の性格、構成及び内容〕

この『外来語の表記』の性格、構成及び内容は、次のとおりである。

なお、昭和二九年の国語審議会部会報告「外来語の表記について」は、従来各方面で参考にされてきたので、「内容」の項では便宜それとの比較を記した。

1 性格

(1) この『外来語の表記』は、法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表すための「外来語の表記」のよりどころを示すものである。

(2) この『外来語の表記』は、科学、技術、芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。

(3) この『外来語の表記』は、現代の国語を書き表すものであって、過去に行われた様々な表記(注参照)を否定しようとするものではない。また、固有名詞など(例えば人名、会社名、商品名等)でこれによりがたいものには及ぼさない。 (注) 例えば、明治以来の文芸作品等においては、左記のような仮名表記も行われている。

ヰ‥スヰフトの「ガリ



ー旅行記」 ヱ‥ヱルテル ヲ‥ヲルポール 





イオリン 





オロン 





ルレエヌ 





ルガ ヂ‥ケンブリッヂ ヅ‥ワーヅワース

2 構成

(1) この『外来語の表記』は、「本文」と「付録」とから成る。

(2) 本文には、「外来語の表記」に用いる仮名と符号の表を掲げ、これに留意事項として、原則的なものと細則的なものを添えた。

(3) 付録には、用例集として、日常よく用いられる外来語を主に、留意事項の細則的なものに例示した語や、その他の地名・人名の例などを併せ掲げた。

3 内容(昭和二九年の国語審議会部会報告「外来語の表記について」との比較)

(1) この『外来語の表記』は、外来語や外国の地名・人名を書き表す場合の仮名の用い方を示したものである。

(注) 昭和二九年の報告では、外国の地名・人名の書き方については、別に考慮するとして、対象に含めなかった。

(2) 「シェ、ジェ」「ティ、ディ」「ファ、フィ、フェ、フォ」「デュ」の仮名は、外来語や外国の地名・人名を書き表すのに一般的に用いるものとした。(ただし、従来「セ、ゼ」「チ、ジ」「ハ、ヒ、ヘ、ホ」「ジュ」と書く慣用のある場合は、それによる。)

(注) 昭和二九年の報告では、「シェ、ジェ」「ティ、ディ」「ファ、フィ、フェ、フォ」はなるべく「セ、ゼ」「チ、ジ」「ハ、ヒ、ヘ、ホ」と書き、「デュ」は、「ジュ」と書くとしていた。

(3) 「ウィ、ウェ、ウォ」「クァ、クィ、クェ、クォ」「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ」や「トゥ、ドゥ」「テュ」「フュ」「ヴュ」等の仮名は、外来語や外国の地名・人名を原音や原つづりになるべく近く書き表そうとする場合に用いるものとした。

(注) 昭和二九年の報告では、「ウィ、ウェ、ウォ」「クァ、クィ、クェ、クォ」「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ」はなるべく「ウイ、ウエ、ウオ」「カ、クイ、クエ、コ」「バ、ビ、ブ、ベ、ボ」と書き、「トゥ、ドゥ」「テュ」「フュ」「ヴュ」は「ト、ド又はツ、ズ」「チュ」「ヒュ」「ビュ」と書くとしていた。

〔その他〕

1 学校教育

この『外来語の表記』は、性格の項で述べたとおり、現代の一般の社会生活における「外来語の表記」のよりどころを示したものである。学校教育においては、この趣旨を考慮して適切な取扱いをすることが望ましい。

2 外来語、外国語のいわゆる氾濫の問題について

この問題は直接表記に結びつくものではないが、関連する問題として総会を中心に論議をした。必要以上に外国語を使うことは望ましいことではないという意見とともに、必ず自然に淘汰され、必要なものだけが定着していくだろうという意見があった。

本文

「外来語の表記」に用いる仮名と符号の表

1 第1表に示す仮名は、外来語や外国の地名・人名を書き表すのに一般的に用いる仮名とする。

2 第2表に示す仮名は、外来語や外国の地名・人名を原音や原つづりになるべく近く書き表そうとする場合に用いる仮名とする。

3 第1表・第2表に示す仮名では書き表せないような、特別な音の書き表し方については、ここでは取決めを行わず、自由とする。

4 第1表・第2表によって語を書き表す場合には、おおむね留意事項を適用する。

留意事項その1(原則的な事項)

1 この『外来語の表記』では、外来語や外国の地名・人名を片仮名で書き表す場合のことを扱う。

2 「ハンカチ」と「ハンケチ」、「グローブ」と「グラブ」のように、語形にゆれのあるものについて、その語形をどちらかに決めようとはしていない。

3 語形やその書き表し方については、慣用が定まっているものはそれによる。分野によって異なる慣用が定まっている場合には、それぞれの慣用によって差し支えない。

4 国語化の程度の高い語は、おおむね第1表に示す仮名で書き表すことができる。一方、国語化の程度がそれほど高くない語、ある程度外国語に近く書き表す必要のある語――特に地名・人名の場合――は、第2表に示す仮名を用いて書き表すことができる。



5 第2表に示す仮名を用いる必要がない場合は、第1表に示す仮名の範囲で書き表すことができる。

例 イェ→イエ ウォ→ウオ トゥ→ツ、ト ヴァ→バ

6 特別な音の書き表し方については、取決めを行わず、自由とすることとしたが、その中には、例えば、「スィ」「ズィ」「グィ」「グェ」「グォ」「キェ」「ニェ」「ヒェ」「フョ」「ヴョ」等の仮名が含まれる。

留意事項その2(細則的な事項)

以下の各項に示す語例は、それぞれの仮名の用法の一例として示すものであって、その語をいつもそう書かなければならないことを意味するものではない。語例のうち、地名・人名には、それぞれ(地)、(人)の文字を添えた。

[Roman1 ] 第1表に示す「シェ」以下の仮名に関するもの

1 「シェ」「ジェ」は、外来音シェ、ジェに対応する仮名である。

〔例〕 シェーカー シェード ジェットエンジン ダイジェスト シェフィールド(地) アルジェリア(地) シェークスピア(人) ミケランジェロ(人)

注 「セ」「ゼ」と書く慣用のある場合は、それによる。

〔例〕 ミルクセーキ ゼラチン

2 「チェ」は、外来音チェに対応する仮名である。

〔例〕 チェーン チェス チェック マンチェスター(地) チェーホフ(人)

3 「ツァ」「ツェ」「ツォ」は、外来音ツァ、ツェ、ツォに対応する仮名である。

〔例〕 コンツェルン シャンツェ カンツォーネ フィレンツェ(地) モーツァルト(人) ツェッペリン(人)

4 「ティ」「ディ」は、外来音ティ、ディに対応する仮名である。

〔例〕 ティーパーティー ボランティア ディーゼルエンジン ビルディング アトランティックシティー(地) ノルマンディー(地) ドニゼッティ(人) ディズニー(人)

注1 「チ」「ジ」と書く慣用のある場合は、それによる。

〔例〕 エチケット スチーム プラスチック スタジアム スタジオ ラジオ チロル(地) エジソン(人)

注2 「テ」「デ」と書く慣用のある場合は、それによる。

〔例〕 ステッキ キャンデー デザイン

5 「ファ」「フィ」「フェ」「フォ」は、外来音ファ、フィ、フェ、フォに対応する仮名である。

〔例〕 ファイル フィート フェンシング フォークダンス

バッファロー(地) フィリピン(地) フェアバンクス(地) カリフォルニア(地) ファーブル(人) マンスフィールド(人) エッフェル(人) フォスター(人)

注1 「ハ」「ヒ」「ヘ」「ホ」と書く慣用のある場合は、それによる。

〔例〕 セロハン モルヒネ プラットホーム ホルマリン メガホン

注2 「ファン」「フィルム」「フェルト」等は、「フアン」「フイルム」「フエルト」と書く慣用もある。

6 「デュ」は、外来音デュに対応する仮名である。

〔例〕 デュエット プロデューサー デュッセルドルフ(地) デューイ(人)

注 「ジュ」と書く慣用のある場合は、それによる。

〔例〕 ジュース(deuce) ジュラルミン

[Roman2 ] 第2表に示す仮名に関するもの

第2表に示す仮名は、原音や原つづりになるべく近く書き表そうとする場合に用いる仮名で、これらの仮名を用いる必要がない場合は、一般的に、第1表に示す仮名の範囲で書き表すことができる。

1 「イェ」は、外来音イェに対応する仮名である。

〔例〕 イェルサレム(地) イェーツ(人)

注 一般的には、「イエ」又は「エ」と書くことができる。

〔例〕 エルサレム(地) イエーツ(人)

2 「ウィ」「ウェ」「ウォ」は、外来音ウィ、ウェ、ウォに対応する仮名である。

〔例〕 ウィスキー ウェディングケーキ ストップウォッチ

ウィーン(地) スウェーデン(地) ミルウォーキー(地) ウィルソン(人) ウェブスター(人) ウォルポール(人)

注1 一般的には、「ウイ」「ウエ」「ウオ」と書くことができる。

〔例〕 ウイスキー ウイット ウエディングケーキ ウエハース ストップウオッチ

注2 「ウ」を省いて書く慣用のある場合は、それによる。

〔例〕 サンドイッチ スイッチ スイートピー

注3 地名・人名の場合は、「ウィ」「ウェ」「ウォ」と書く慣用が強い。

3 「クァ」「クィ」「クェ」「クォ」は、外来音クァ、クィ、クェ、クォに対応する仮名である。

〔例〕 クァルテット クィンテット クェスチョンマーク クォータリー

注1 一般的には、「クア」「クイ」「クエ」「クオ」又は「カ」「キ」「ケ」「コ」と書くことができる。

〔例〕 クアルテット クインテット クエスチョンマーク クオータリー カルテット レモンスカッシュ キルティング イコール

注2 「クァ」は、「クヮ」と書く慣用もある。

4 「グァ」は、外来音グァに対応する仮名である。

〔例〕 グァテマラ(地) パラグァイ(地)

注1 一般的には、「グア」又は「ガ」と書くことができる。

〔例〕 グアテマラ(地) パラグアイ(地) ガテマラ(地)

注2 「グァ」は、「グヮ」と書く慣用もある。

5 「ツィ」は、外来音ツィに対応する仮名である。

〔例〕 ソルジェニーツィン(人) ティツィアーノ(人)

注 一般的には、「チ」と書くことができる。

〔例〕 ライプチヒ(地) ティチアーノ(人)

6 「トゥ」「ドゥ」は、外来音トゥ、ドゥに対応する仮名である。

〔例〕 トゥールーズ(地) ハチャトゥリヤン(人) ヒンドゥー教

注 一般的には、「ツ」「ズ」又は「ト」「ド」と書くことができる。

〔例〕 ツアー(tour) ツーピース ツールーズ(地) ヒンズー教 ハチャトリヤン(人) ドビュッシー(人)

7 「ヴァ」「ヴィ」「ヴ」「ヴェ」「ヴォ」は、外来音ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォに対応する仮名である。

〔例〕 ヴァイオリン ヴィーナス ヴェール ヴィクトリア(地) ヴェルサイユ(地) ヴォルガ(地) ヴィヴァルディ(人) ヴラマンク(人) ヴォルテール(人)

注 一般的には、「バ」「ビ」「ブ」「ベ」「ボ」と書くことができる。

〔例〕 バイオリン ビーナス ベール ビクトリア(地) ベルサイユ(地) ボルガ(地) ビバルディ(人) ブラマンク(人) ボルテール(人)

8 「テュ」は、外来音テュに対応する仮名である。

〔例〕 テューバ(楽器) テュニジア(地)

注 一般的には、「チュ」と書くことができる。

〔例〕 コスチューム スチュワーデス チューバ チューブ チュニジア(地)

9 「フュ」は、外来音フュに対応する仮名である。

〔例〕 フュージョン フュン島(地・デンマーク) ドレフュス(人)

注 一般的には、「ヒュ」と書くことができる。

〔例〕 ヒューズ

10 「ヴュ」は、外来音ヴュに対応する仮名である。

〔例〕 インタヴュー レヴュー ヴュイヤール(人・画家)

注 一般的には、「ビュ」と書くことができる。

〔例〕 インタビュー レビュー ビュイヤール(人)

[Roman3 ] 撥音、促音、長音その他に関するもの

1 撥音は、「ン」を用いて書く。

〔例〕 コンマ シャンソン トランク メンバー ランニング ランプ ロンドン(地) レンブラント(人)

注1 撥音を入れない慣用のある場合は、それによる。

〔例〕 イニング(←インニング) サマータイム(←サンマータイム)

注2 「シンポジウム」を「シムポジウム」と書くような慣用もある。

2 促音は、小書きの「ッ」を用いて書く。

〔例〕 カップ シャッター リュックサック ロッテルダム(地) バッハ(人)

注 促音を入れない慣用のある場合は、それによる。

〔例〕 アクセサリー(←アクセッサリー) フィリピン(地)(←フィリッピン)

3 長音は、原則として長音符号「ー」を用いて書く。

〔例〕 エネルギー オーバーコート グループ ゲーム ショー テーブル パーティー ウェールズ(地) ポーランド(地) ローマ(地) ゲーテ(人) ニュートン(人)

注1 長音符号の代わりに母音字を添えて書く慣用もある。

〔例〕 バレエ(舞踊) ミイラ

注2 「エー」「オー」と書かず、「エイ」「オウ」と書くような慣用のある場合は、それによる。

〔例〕 エイト ペイント レイアウト スペイン(地) ケインズ(人) サラダボウル ボウリング(球技)

注3 英語の語末の―er、―or、―arなどに当たるものは、原則としてア列の長音とし長音符号「ー」を用いて書き表す。ただし、慣用に応じて「ー」を省くことができる。

〔例〕 エレベーター ギター コンピューター マフラー エレベータ コンピュータ スリッパ

4 イ列・エ列の音の次のアの音に当たるものは、原則として「ア」と書く。

〔例〕 グラビア ピアノ フェアプレー アジア(地) イタリア(地) ミネアポリス(地)

注1 「ヤ」と書く慣用のある場合は、それによる。

〔例〕 タイヤ ダイヤモンド ダイヤル ベニヤ板

注2 「ギリシャ」「ペルシャ」について「ギリシア」「ペルシア」と書く慣用もある。

5 語末(特に元素名等)の―(1)umに当たるものは、原則として「―(イ)ウム」と書く。

〔例〕 アルミニウム カルシウム ナトリウム ラジウム サナトリウム シンポジウム プラネタリウム

注 「アルミニウム」を「アルミニューム」と書くような慣用もある。

6 英語のつづりのxに当たるものを「クサ」「クシ」「クス」「クソ」と書くか、「キサ」「キシ」「キス」「キソ」と書くかは、慣用に従う。

〔例〕 タクシー ボクシング ワックス オックスフォード(地) エキストラ タキシード ミキサー テキサス(地)

7 拗音に用いる「ヤ」「ユ」「ヨ」は小書きにする。また、「ヴァ」「ヴィ」「ヴェ」「ヴォ」や「トゥ」のように組み合せて用いる場合の「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」も、小書きにする。

8 複合した語であることを示すための、つなぎの符号の用い方については、それぞれの分野の慣用に従うものとし、ここでは取決めを行わない。

〔例〕 ケースバイ、ケース ケース・バイ・ケース ケース―バイ―ケース

マルコ・ポーロ マルコ=ポーロ

付録

用例集

凡例

1 ここには、日常よく用いられる外来語を主に、本文の留意事項その2(細則的な事項)の各項に例示した語や、その他の地名・人名の例などを五十音順に掲げた。地名・人名には、それぞれ(地)、(人)の文字を添えた。

2 外来語や外国の地名・人名は、語形やその書き表し方の慣用が一つに定まらず、ゆれのあるものが多い。この用例集においても、ここに示した語形やその書き表し方は、一例であって、これ以外の書き方を否定するものではない。なお、本文の留意事項その2に両様の書き方が例示してある語のうち主なものについては、バイオリン/ヴァイオリンのような形で併せ掲げた。

【ア】

アーケード アイスクリーム アイロン アインシュタイン(人) アカデミー アクセサリー アジア(地) アスファルト アトランティックシティー(地) アナウンサー アパート アフリカ(地) アメリカ(地) アラビア(地) アルジェリア(地) アルバム アルファベット アルミニウム アンケート

【イ】

イエーツ/イェーツ(人) イェスペルセン(人) イエナ(地) イエローストン(地) イギリス(地) イコール イスタンブール(地) イタリア(地) イニング インタビュー/インタヴュー インド(地) インドネシア(地) インフレーション

【ウ】

ウイークデー ウィーン(地) ウイスキー/ウィスキー ウイット ウィルソン(人) ウェールズ(地) ウエストwaist ウエディングケーキ/ウェディングケーキ ウエハース ウェブスター(人) ウォルポール(人) ウラニウム

【エ】

エイト エキス エキストラ エジソン(人) エジプト(地) エチケット エッフェル(人) エネルギー エプロン エルサレム/イェルサレム(地) エレベーター/エレベータ

【オ】

オーエン(人) オーストラリア(地) オートバイ オーバーコート オックスフォード(地) オフィス オホーツク(地) オリンピック オルガン オレンジ

【カ】

ガーゼ カーテン カード カーブ カクテル ガス ガソリン カタログ カット カップ カバー カムチャツカ(地) カメラ ガラス カリフォルニア(地) カルシウム カルテット カレンダー カロリー ガンジー(人) カンツォーネ

【キ】

ギター キムチ キャベツ キャンデー キャンプ キュリー(人) ギリシャ/ギリシア(地) キリマンジャロ(地) キルティング

【ク】

グアテマラ/グァテマラ(地) クイーン クイズ クインテット クーデター クーポン クエスチョンマーク クオータリー/クォータリー グラビア クラブ グランドキャニオン(地) クリスマスツリー グリニッジ(地) グループ グレゴリウス(人) クレジット クレヨン

【ケ】

ケインズ(人) ゲーテ(人) ケープタウン(地) ケーブルカー ゲーム ケンタッキー(地) ケンブリッジ(地)

【コ】

コーヒー コールタール コスチューム コップ コピー コペルニクス(人) コミュニケーション コロンブス(人) コンクール コンクリート コンツェルン コンピューター/コンピュータ コンマ

【サ】

サーカス サービス サナトリウム サハラ(地) サファイア サマータイム サラダボウル サラブレッド サンドイッチ サンパウロ(地)

【シ】

シーボルト(人) シェーカー シェークスピア(人) シェード ジェットエンジン シェフィールド(地) ジェンナー(人) シドニー(地) ジブラルタル(地) ジャカルタ(地) シャツ シャッター シャベル シャンソン シャンツェ シュークリーム ジュースjuice,deuce シューベルト(人) ジュラルミン ショー ショパン(人) シラー(人) シンフォニー シンポジウム

【ス】

スイートピー スイッチ スイング スウェーデン(地) スーツケース スープ スカート スキー スケート スケール スコール スコップ スター スタジアム スタジオ スタンダール(人) スチーム スチュワーデス ステージ ステッキ ステレオ ステンドグラス ステンレス ストーブ ストックホルム(地) ストップウオッチ/ストップウォッチ スプーン スペイン(地) スペース スポーツ ズボン スリッパ

【セ】

セーター セーラー〔~服〕 セメント ゼラチン ゼリー セルバンテス(人) セロハン センター セントローレンス(地)

【ソ】

ソウル(地) ソーセージ ソファー ソルジェニーツィン(人)

【タ】

ダーウィン(人) ターナー(人) ダイジェスト タイヤ ダイヤモンド ダイヤル タオル タキシード タクシー タヒチ(地) ダンス

【チ】

チーズ チーム チェーホフ(人) チェーン チェス チェック チケット チップ チフス チャイコフスキー(人) チューバ/テューバ チューブ チューリップ チュニジア/テュニジア(地) チョコレート チロル(地)

【ツ】

ツアーtour ツーピース ツールーズ/トゥールーズ(地) ツェッペリン(人) ツンドラ

【テ】

ティー ディーゼルエンジン ディズニー(人) ティチアーノ/ティツィアーノ(人) ディドロ(人) テープ テーブル デカルト(人) テキサス(地) テキスト デザイン テスト テニス テネシー(地) デパート デューイ(人) デューラー(人) デュエット デュッセルドルフ(地) テレビジョン テント テンポ

【ト】

ドア ドーナツ ドストエフスキー(人) ドニゼッティ(人) ドビュッシー(人) トマト ドライブ ドライヤー トラック ドラマ トランク トルストイ(人) ドレス  ドレフュス(人) トロフィー トンネル

【ナ】

ナイアガラ(地) ナイフ ナイル(地) ナトリウム ナポリ(地)

【ニ】

ニーチェ(人) ニュース ニュートン(人) ニューヨーク(地)

【ネ】

ネーブル ネオンサイン ネクタイ

【ノ】

ノーベル(人) ノルウェー(地) ノルマンディー(地)

【ハ】

パーティー バイオリン/ヴァイオリン ハイキング ハイドン(人) ハイヤー バケツ バス パスカル(人) バター ハチャトリヤン/ハチャトゥリヤン(人) バッハ(人) バッファロー(地) バドミントン バトン バニラ ハノイ(地) パラグアイ/パラグァイ(地) パラフィン パリ(地) バルブ バレエ〔舞踊〕 バレーボール ハンドル

【ヒ】

ピアノ ビーナス/ヴィーナス ビール ビクトリア/ヴィクトリア(地) ビスケット ビスマルク(人) ビゼー(人) ビタミン ビニール ビバルディ/ヴィヴァルディ(人) ビュイヤール/ヴュイヤール(人) ヒューズ ビルディング ヒンズー教/ヒンドゥー教 ピンセット

【フ】

ファーブル(人) ファイル ファッション ファラデー(人) ファン フィート フィクション フィラデルフィア(地) フィリピン(地) フィルム フィレンツェ(地) フィンランド(地) プール フェアバンクス(地) フェアプレー ブエノスアイレス(地) フェルト フェンシング フォーク フォークダンス フォード(人) フォーム フォスター(人) プディング フュージョン フュン島(地) ブラームス(人) ブラシ プラスチック プラットホーム プラネタリウム ブラマンク/ヴラマンク(人) フランクリン(人) ブレーキ フロイト(人) プログラム プロデューサー

【ヘ】

ヘアピン ペイント ベーカリー ヘーゲル(人) ベーコン ページ ベール/ヴェール ベストセラー ペダル ベニヤ〔~板〕 ベランダ ペリー(人) ヘリウム ヘリコプター ベルサイユ/ヴェルサイユ(地) ペルシャ/ペルシア(地) ヘルシンキ(地) ヘルメット ベルリン(地) ペンギン ヘンデル(人)

【ホ】

ホイットマン(人) ボウリング〔球技〕 ホース ボートレース ポーランド(地) ボーリングboring ボクシング ポケット ポスター ボストン(地) ボタン ボディー ホテル ホノルル(地) ボランティア ボルガ/ヴォルガ(地) ボルテール/ヴォルテール(人) ポルトガル(地) ホルマリン

【マ】

マージャン マイクロホン マカオ(地) マッターホーン(地) マドリード(地) マニラ(地) マフラー マラソン マンション マンスフィールド(人) マンチェスター(地) マンモス

【ミ】

ミイラ ミキサー ミケランジェロ(人) ミシシッピ(地) ミシン ミッドウェー(地) ミネアポリス(地) ミュンヘン(地) ミルウォーキー(地) ミルクセーキ

【メ】

メーカー メーキャップ メーデー メガホン メッセージ メロディー メロン メンデル(人) メンデルスゾーン(人) メンバー

【モ】

モーター モーツァルト(人) モスクワ(地) モデル モリエール(人) モルヒネ モンテーニュ(人) モントリオール(地)

【ヤ】

ヤスパース(人)

【ユ】

ユーラシア(地) ユニホーム ユングフラウ(地)

【ヨ】

ヨーロッパ(地) ヨット

【ラ】

ライバル ライプチヒ(地) ラジウム ラジオ ラファエロ(人) ランニング ランプ

【リ】

リオデジャネイロ(地)  リズム  リノリウム  リボン  リュックサック  リレー  リンカーン(人)

【ル】

ルーベンス(人) ルーマニア(地) ルクスlux ルソー(人)

【レ】

レイアウト レール レギュラー レコード レスリング レニングラード(地) レビュー/レヴュー レフェリー レベル レモンスカッシュ レンズ レンブラント(人)

【ロ】

ローマ(地) ロケット ロシア(地) ロダン(人) ロッテルダム(地) ロマンス ロマンチック ロンドン(地)

【ワ】

ワイマール(地) ワイヤ ワシントン(地) ワックス ワット(人)

 

 

 

 

-- 登録:平成21年以前 --