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学校教育における外来語及び音訓の取扱いについて

2初小第四〇号

平成二年一〇月二二日
各都道府県教育委員会指導事務主管課長・全国連合小学校長会・全日本中学校長会・全国高等学校長協会・社団法人教科書協会あて
文部省初等中等教育局小学校課長通知

学校教育における外来語及び音訓の取扱いについて

このことについて、文部省では本年五月から調査研究協力者会議を設けて検討を行ってきたところですが、このたび、「学校教育における外来語及び音訓の取扱いについて」(第一次審議のまとめ)が別紙のとおりまとまりましたので、お送りします。

この第一次審議のまとめについて御意見がありましたら、一一月三〇日(金)までに本職あてお知らせください。

別紙

学校教育における外来語及び音訓の取扱いについて(第一次審議のまとめ)

平成二年一〇月

学校教育における外来語及び音訓の取扱いに関する調査研究協力者会議

本協力者会議は、平成二年五月から学校教育における外来語及び音訓の取扱いについて検討してきたところであるが、この度、その改善方針を左記のとおり中間的にとりまとめた。今後、これについて広く意見を聞き、また国語審議会における外来語にかかわる審議の動向などに留意しつつ、更に検討を行うこととしたい。

[Roman1 ] 学校教育における外来語の取扱いについて

学校教育における外来語の取扱いについては、各教科の教科書における外来語の表記を中心にして指導が行われている。従来、教科書については、教科用図書検定において外国の国名に関する基準は示されているが、地名、人名その他の外来語の表記に関しては具体的な基準はなく、各教科書発行者にまかされてきた。

国語審議会は、平成二年三月に「外来語の表記(案)」を公表した。この案は現代の社会生活における「外来語の表記」のよりどころを示したものであり、学校教育においてはこの趣旨を考慮して適切な取扱いをすることが望ましいとの提言がなされている。

本協力者会議は、この提言の趣旨を踏まえ、学校教育における外来語の取扱いについて検討した結果、次のとおりとするのが適当であると考える。

一 基本的な考え方

(一) 学校教育における外来語の表記の取扱いについては、「外来語の表記」が一般の社会生活において現代の国語を書き表すためのよりどころを示すものであることを考慮し、高等学校までの段階において、「外来語の表記に用いる仮名と符号の表」に示された仮名の読み書きができるよう指導することを基本とし、併せて日常使われる外来語の読み書きができるよう指導するものとする。

(二) 学校教育における外来語の表記の取扱いについては、児童生徒の発達段階やこれまでの学校教育における取扱いの状況などを考慮し、小・中・高等学校の各学校段階における指導の指針や範囲を示すこととする。

二 改善の内容

小・中・高等学校の各学校段階における外来語(外国の地名・人名を含む。以下同じ。)の表記の指導については、次のとおりとする。

(一) 小学校における取扱い

[cir1 ] 第一学年から第三学年までにおける外来語の表記の指導は、片仮名の指導の中において行うこととする。その指導に当たっては、日常使われる簡単な外来語の読み書きができるようにするとともに、外来語の表記の仕方を知ることができるよう配慮する。

その指導の範囲は、原則として「外来語の表記に用いる仮名と符号の表」の第一表(以下第一表という。)の左欄の表記とする。ただし、特に慣用の強いものについては、第一表の右欄及び「外来語の表記に用いる仮名と符号の表」の第二表(以下第二表という。)の表記によることができる。

[cir2 ] 第四学年においては、外来語を書き表すのに一般的に用いる仮名の大体の読み書きについて指導する。その指導に当たっては、日常よく使われる外来語の読み書きができるようにする。第五学年及び第六学年においても継続的に指導するよう配慮する。

第四学年から第六学年までの指導の範囲は、原則として第一表の左欄の表記及び右欄の表記の大体とする。ただし、特に慣用の強いものについては、第二表の表記によることができる。

(二) 中学校における取扱い

第一学年においては、小学校の指導の基礎に立って、外来語を書き表すのに一般的に用いる仮名の読み書きについて指導する。また、外来語の表記には原音や原つづりになるべく近く書き表すために用いられる表記があることを知り、必要に応じてそれを用いた外来語の大体の読み書きができるようにする。第二学年及び第三学年においても継続的に指導するよう配慮する。

第一学年から第三学年までの指導の範囲は、原則として第一表の表記及び第二表の表記の大体とする。

(三) 高等学校における取扱い

外来語の表記の指導は、「国語[Roman1 ]」等の科目の言語事項の指導の中において行うこととする。

その指導の範囲は、原則として第一表及び第二表の表記とする。

(備考)「外国語の表記に用いる仮名と符号の表」については、別紙参照のこと。

[Roman2 ] 学校教育における音訓の取扱いについて

学校教育における音訓の取扱いについては、昭和四八年の「当用漢字音訓表」の内閣告示に伴い、昭和四九年に音訓等調査研究協力者会議が取りまとめた「音訓の取扱いについて」を参考にして指導が行われている。

その後、昭和五六年に「常用漢字表」が内閣告示され、それに伴い音訓の取扱いについて検討することが課題になっていた。また、平成元年の小学校学習指導要領の学年別漢字配当表の改訂に伴い、音訓の取扱いを検討することが課題になっていた。

本協力者会議は、このような経過等を踏まえ、学校教育における音訓の取扱いについて検討した結果、次のとおりとするのが適当であると考える。

一 基本的な考え方

(一) 学校教育における音訓の取扱いについては、漢字学習として行われているが、「常用漢字表」が一般社会における音訓を含めた漢字使用の目安として制定されたものであることを考慮し、高等学校までの段階において常用漢字の音訓の読みに慣れ、それらの音訓に対応する主な常用漢字が書けるよう指導するものとする。

(二) 学校教育における音訓の取扱いについては、主として次の視点について児童生徒の発達段階やこれまでの学校教育における取扱いの状況などを考慮し、小・中・高等学校の各学校段階における音訓の割り振りを行うこととする。

[cir1 ] 児童生徒の日常生活及び学校生活に必要な語彙であること。

[cir2 ] 国民としてもつべき基本的な語彙であること。

[cir3 ] 他教科等において必要な学習語彙であること。

[cir4 ] 児童生徒にとって習得や定着の状況からみて無理のない音訓であること。

二 改善の内容

前記一の考え方に基づき、小・中・高等学校の各学校段階別の音訓の取扱いについては、次のとおりとする。

(一) 常用漢字表の制定に伴う音訓の取扱い

[cir1 ] 常用漢字表で増えた漢字九五字の音訓一四三(音八六、訓五七)について

小学校で指導することが適当な音訓、中学校で指導することが適当な音訓及び高等学校で指導することが適当な音訓は、次の表のとおりとする。


漢字

音訓

エン

 

 

 

さる

 

 

オウ

 

 

 

 

 

うず

 

 

 

 

 

くつ

 

 

 

 

 

かせぐ

 

 

カイ

 

 

ガイ

 

 

かき

 

 

カク

 

 

 

から

 

 

かた

 

 

カツ

 

 

カツ

 

 

カン

 

 

ガン

 

 

キョウ

 

 

 

はさむ

 

 

 

はさまる

 

 

キョウ

 

 

 

ためる

 

 

キン

 

 

 

えり

 

 

グウ

 

 

 

すみ

 

 

ケイ

 

 

ケイ

 

 

 

ほたる

 

 

ケン

 

 

 

ゲン

 

 

 

きらう

 

 

 

いや

 

 

コウ

 

 

コウ

 

 

 

みぞ

 

 

コン

 

 

さき

 

 

さら

 

 

サン

 

 

サン

 

 

 

かさ

 

 

 

 

シャ

 

 

 

さえぎる

 

 

ジャ

 

 

 

 

 

 

へび

 

 

シャク

 

 

 

くむ

 

 

ジュウ

 

 

 

しる

 

 

ジュク

 

 

ショウ

 

 

ショウ

 

 

 

よい

 

 

ジョウ

 

 

 

なわ

 

 

ジョウ

 

 

シン

 

 

 

くちびる

 

 

ジン

 

 

 

はなはだ

 

 

 

はなはだしい

 

 

すえる

 

 

 

すわる

 

 

すぎ

 

 

セイ

 

 

セイ

 

 

 

ゆく

 

 

セン

 

 

セン

 

 

ソウ

 

 

 

さす

 

 

ソウ

 

 

ソウ

 

 

ソウ

 

 

 

 

 

 

 

タク

 

 

たな

 

 

チョウ

 

 

 

いどむ

 

 

チョウ

 

 

 

ながめる

 

 

チョウ

 

 

 

つる

 

 

つか

 

 

つける

 

 

 

つかる

 

 

テイ

 

 

テイ

 

 

デイ

 

 

 

どろ

 

 

トウ

 

 

トウ

 

 

 

むね

 

 

 

むな

 

 

ドウ

 

 

 

ほら

 

 

トツ

 

 

トン

 

 

 

 

 

 

バク

 

 

はだ

 

 

ハチ

 

 

 

ハツ

 

 

 

 

 

 

 

とびら

 

 

ビョウ

 

 

 

ねこ

 

 

ヒン

 

 

ビン

 

 

フン

 

 

ヘイ

 

 

ホウ

 

 

 

あわ

 

 

ホウ

 

 

ホウ

 

 

 

ほめる

 

 

ボク

 

 

ボク

 

 

ほり

 

 

 

 

 

みがく

 

 

マツ

 

 

みさき

 

 

モウ

 

 

 

ボウ

 

 

ヤク

 

 

 

 

ユウ

 

 

 

 

リュウ

 

 

 

たつ

 

 

レイ

 

 

 

もどす

 

 

 

もどる

 

 

わく

 

 

[cir2 ] 常用漢字表で新たに付け加わった音訓について

ア 中学校で指導することが適当な音訓

危(あやぶむ)、香(かおる)、露(ロウ)

イ 高等学校で指導することが適当な音訓

栄(はえる)、憩(いこう)、愁(うれえる)、謡(うたう)、和(オ)

[cir3 ] 常用漢字表の付表に新たに付け加わった語について

ア 中学校で指導することが適当な語

おじ(叔父、伯父)、おば(叔母、伯母)、でこぼこ(凸凹)

イ 高等学校で指導することが適当な語

さじき(桟敷)

(二) 新学習指導要領における学年別漢字配当表の改訂に伴う音訓の取扱い

[cir1 ] 小学校で指導する漢字として新たに加えられた二〇字について

小学校で指導することが適当な音訓、中学校で指導することが適当な音訓及び高等学校で指導することが適当な音訓は、次の表のとおりとする。


漢字

音訓

オウ

 

 

 

さくら

 

 

ゲキ

 

 

 

はげしい

 

 

サツ

 

 

 

ふだ

 

 

さら

 

 

 

 

 

えだ

 

 

 

 

 

かう

 

 

ショウ

 

 

 

まつ

 

 

セイ

 

 

 

ジョウ

 

 

 

もる

 

 

 

さかる

 

 

 

さかん

 

 

セキ

 

 

 

シャク

 

 

 

むかし

 

 

ソウ

 

 

 

 

 

ソウ

 

 

 

ショウ

 

 

 

よそおう

 

 

ソク

 

 

 

たば

 

 

タン

 

 

テキ

 

 

 

ふえ

 

 

トウ

 

 

 

 

 

 

まめ

 

 

バイ

 

 

 

うめ

 

 

はこ

 

 

ヘイ

 

 

 

なみ

 

 

 

ならべる

 

 

 

ならぶ

 

 

 

ならびに

 

 

 

 

 

くれる

 

 

 

くらす

 

 

 

 

 

ゆめ

 

 

(注) 「皿」については再掲である。

[cir2 ] 中学校以降において指導する漢字となった一〇字について

中学校で指導することが適当な音訓

壱(イチ)、勧(カン、すすめる)、歓(カン)、兼(ケン、かねる)、釈(シャク)、需(ジュ)、称(ショウ)、是(ゼ)、俗(ゾク)、弐(ニ)

(三) 昭和四九年に音訓等調査研究協力者会議が取りまとめた「音訓の取扱いについて」に示されている音訓の取扱い(前記(二)の音訓の取扱いを除く。)

次の音訓を除き、従前どおりの取扱いとする。

ア 小学校で指導することが適当な音訓(従来中学校に割り振られていた音訓)

天(あま)

イ 中学校で指導することが適当な音訓(従来小学校に割り振られていた音訓)

上(のぼせる、のぼす)、費(ついやす、ついえる)

ウ 高等学校で指導することが適当な音訓(従来中学校に割り振られていた音訓)

過(あやまつ、あやまち)、絹(ケン)、興(おこる、おこす)仕(ジ)、障(さわる)、織(ショク)、否(いな)、目(ま)

三 各学校段階に割り振られた音訓の取扱い

(一) 各学校段階に割り振られた音訓は、各学校段階において指導する目安としての性格を有するものである。したがって、学校においては、教科書教材などとの関連を考慮して弾力的に取り扱うことができる。

(二) 各学校段階別に割り振られた音訓については、学校における指導の参考として取り扱われるよう周知されることが望ましい。

別紙

「外来語の表記」に用いる仮名と符号の表(抄)

1 第1表に示す仮名は、外来語や外国の地名・人名を書き表すのに一般的に

用いる仮名とする。

2 第2表に示す仮名は、外来語や外国の地名・人名を原音や原つづりになる

べく近く書き表そうとする場合に用いる仮名とする。


第1表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シェ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チェ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツァ

 

 

ツェ

ツォ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ティ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファ

フィ

 

フェ

フォ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第2表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イェ

 

キャ

 

キュ

 

キョ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィ

 

ウェ

ウォ

シャ

 

シュ

 

ショ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クァ

クィ

 

クェ

クォ

チャ

 

チュ

 

チョ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツィ

 

 

 

ニャ

 

ニュ

 

ニョ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トゥ

 

 

ヒャ

 

ヒュ

 

ヒョ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グァ

 

 

 

 

ミャ

 

ミュ

 

ミョ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゥ

 

 

リャ

 

リュ

 

リョ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴァ

ヴィ

ヴェ

ヴォ

ギャ

 

ギュ

 

ギョ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テュ

 

 

ジャ

 

ジュ

 

ジョ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フュ

 

 

ビャ

 

ビュ

 

ビョ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴュ

 

 

ピャ

 

ピュ

 

ピョ

 

 

 

 

 

ン(撥音)

 

ッ(促音)

 

ー(長音符号)

 

(平成2年3月 国語審議会「外来語の表記(案)」)

-- 登録:平成21年以前 --