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発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針について

原子力安全委員会決定

平成二年八月三〇日

発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針について

当委員会は、平成二年七月二四日付けで原子炉安全基準専門部会から提出のあった標記指針に関する報告書について、その内容を検討した結果、別添のとおり「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」を定める。

従来、当委員会は発電用軽水型原子炉施設の安全審査を行うに当たって、昭和五二年六月一四日に原子力委員会が策定(平成元年三月二七日に原子力安全委員会が一部改訂)した「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」を用いてきたが、今後はこれに代えて、別添の「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」を用いることとする。

なお、本指針については、今後の新たな知見と経験により、適宜見直しを行うものとする。

〔別添〕

発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針

[Roman1 ] まえがき

本指針は、発電用軽水型原子炉(以下「軽水炉」という。)の設置許可申請(変更許可申請を含む。以下同じ。)に係る安全審査において、安全性確保の観点から設計の妥当性について判断する際の基礎を示すことを目的として定めたものである。

軽水炉の設置許可申請に係る安全審査において用いられる安全設計審査指針は、最初は昭和四五年四月に、当時の原子力委員会が定めたものであり、その後昭和五二年六月に、同じく当時の原子力委員会が、これを全面的に見直して改訂を行った。昭和五二年の安全設計審査指針の改訂以来、一〇年以上が経過し、この間軽水炉の技術の改良及び進歩には著しいものがあった。また、この間に、米国で発生したTMI事故等、国内外に生じた様々な事象から得られた教訓も含めて、軽水炉に関する経験の蓄積も大きいものがあった。これらを踏まえ、従来の指針について全面的見直しを行い、指針の内容の一層の明確化及び体系化を図ったものである。

また、本指針の改訂とともに、原子炉施設の各種構築物、系統及び機器の安全機能の重要度についての判断のめやす及び本指針の適用方法について、新たに「発電用軽水型原子炉施設の安全機能の重要度分類に関する審査指針」(以下「重要度分類指針」という。)を定めることとした。したがって、本指針の適用に当たっては、「重要度分類指針」も併せて参照すべきである。

[Roman2 ] 本指針の位置付けと適用範囲

本指針は、今日までの軽水炉に関する経験と最新の技術的知見に基づき、軽水炉の設置許可申請に係る安全審査に当たって確認すべき安全設計の基本方針について定めたものであって、原子炉施設の一般的な設計基準を指向したものではない。

安全審査においては、当該原子炉施設の安全設計が、少なくとも本指針の定める要求を十分に満足していることを確認する必要がある。ただし、安全設計の一部が本指針に適合しない場合であっても、それが技術的な改良、進歩等を反映したものであって、本指針を満足した場合と同様又はそれを上回る安全性が確保し得ると判断される場合は、これを排除するものではない。

本指針は、軽水炉施設を対象としているが、その他の原子炉施設の安全審査においても参考となり得ると考える。

[Roman3 ] 用語の定義

本指針において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(一) 「安全機能」とは、原子炉施設の安全性を確保するために必要な構築物、系統又は機器の有する機能であって、次に掲げるものに分類される。

1) その喪失により、原子炉施設を異常状態に陥れ、もって一般公衆ないし従事者に過度の放射線被ばくを及ぼすおそれのあるもの。

2) 原子炉施設の異常状態において、この拡大を防止し、又はこれを速やかに収束せしめ、もって一般公衆ないし従事者に及ぼすおそれのある過度の放射線被ばくを防止し、又は緩和するもの。

(二) 「安全機能の重要度」とは、原子炉施設の安全性確保の見地からの安全機能の重要度の度合いをいう。

(三) 「通常運転」とは、計画的に行われる起動、停止、出力運転、高温待機、燃料取替え等の原子炉施設の運転であって、その運転状態が所定の制限内にあるものをいう。

(四) 「異常状態」とは、通常運転を逸脱させるような、何らかの外乱が原子炉施設に加えられた状態であって、運転時の異常な過渡変化及び事故をいう。

(五) 「運転時の異常な過渡変化」とは、原子炉施設の寿命期間中に予想される機器の単一の故障若しくは誤動作又は運転員の単一の誤操作、及びこれらと類似の頻度で発生すると予想される外乱によって生ずる異常な状態をいう。

(六) 「事故」とは、「運転時の異常な過渡変化」を超える異常な状態であって、発生する頻度はまれであるが、原子炉施設の安全設計の観点から想定されるものをいう。

(七) 「原子炉格納容器バウンダリ」とは、原子炉格納容器設計用の想定事象に対して、圧力障壁となり、かつ、放射性物質の放散に対する障壁を形成するよう設計された範囲の施設をいう。

(八) 「原子炉冷却材圧力バウンダリ」とは、原子炉の通常運転時に、原子炉冷却材(PWRにおいては一次冷却材)を内包して原子炉と同じ圧力条件となり、異常状態において圧力障壁を形成するものであって、それが破壊すると原子炉冷却材喪失となる範囲の施設をいう。

(九) 「原子炉冷却材系」とは、原子炉の通常運転時に炉心を直接冷却する原子炉冷却材の系統(PWRにおいては一次冷却系、BWRにおいては原子炉冷却材再循環系、主蒸気系及び給水系)をいう。

(一〇) 「原子炉冷却系」とは、原子炉の通常運転時及び異常状態において、原子炉から熱を除却する系統(原子炉冷却材系、残留熱を除去する系統、非常用炉心冷却系、二次冷却系(PWRの場合)、最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統等)をいう。

(一一) 「原子炉停止系」とは、臨界又は臨界超過の状態から原子炉に負の反応度を投入することにより、原子炉を臨界未満にし、高温停止から低温停止に至る反応度の変化を補償し、かつ、臨界未満を維持するための機能を備えるよう設計された設備をいう。

(一二) 「反応度制御系」とは、原子炉の反応度を制御することにより、原子炉の出力、燃焼、核分裂生成物等の変化に伴う反応度変化を調整するよう設計された設備をいう。

(一三) 「安全保護系」とは、原子炉施設の異常状態を検知し、必要な場合、原子炉停止系、工学的安全施設等の作動を直接開始させるよう設計された設備をいう。

(一四)「工学的安全施設」とは、原子炉施設の破損、故障等に起因して、原子炉内の燃料の破損等による多量の放射性物質の放散の可能性がある場合に、これを抑制又は防止するための機能を備えるよう設計された施設をいう。

(一五) 「単一故障」とは、単一の原因によって一つの機器が所定の安全機能を失うことをいい、従属要因に基づく多重故障を含む。

(一六) 「動的機器」とは、外部入力によって能動的に所定の機能を果たす機器をいう。

(一七) 「多重性」とは、同一の機能を有する同一の性質の系統又は機器が二つ以上あることをいう。

(一八) 「多様性」とは、同一の機能を有する異なる性質の系統又は機器が二つ以上あることをいう。

(一九) 「独立性」とは、二つ以上の系統又は機器が設計上考慮する環境条件及び運転状態において、共通要因又は従属要因によって、同時にその機能が阻害されないことをいう。

(二〇) 「燃料の許容設計限界」とは、原子炉の設計と関連して、燃料の損傷が安全上許容される程度であり、かつ、継続して原子炉の運転をすることができる限界をいう。

[Roman4 ] 原子炉施設全般

指針一 準拠規格及び基準

安全機能を有する構築物、系統及び機器は、設計、材料の選定、製作及び検査について、それらが果たすべき安全機能の重要度を考慮して適切と認められる規格及び基準によるものであること。

指針二 自然現象に対する設計上の考慮

一 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、その安全機能の重要度及び地震によって機能の喪失を起こした場合の安全上の影響を考慮して、耐震設計上の区分がなされるとともに、適切と考えられる設計用地震力に十分耐えられる設計であること。

二 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、地震以外の想定される自然現象によって原子炉施設の安全性が損なわれない設計であること。重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器は、予想される自然現象のうち最も苛酷と考えられる条件、又は自然力に事故荷重を適切に組み合わせた場合を考慮した設計であること。

指針三 外部人為事象に対する設計上の考慮

一 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、想定される外部人為事象によって、原子炉施設の安全性を損なうことのない設計であること。

二 原子炉施設は、安全機能を有する構築物、系統及び機器に対する第三者の不法な接近等に対し、これを防御するため、適切な措置を講じた設計であること。

指針四 内部発生飛来物に対する設計上の考慮

安全機能を有する構築物、系統及び機器は、原子炉施設内部で発生が想定される飛来物に対し、原子炉施設の安全性を損なうことのない設計であること。

指針五 火災に対する設計上の考慮

原子炉施設は、火災発生防止、火災検知及び消火並びに火災の影響の軽減の三方策を適切に組み合わせて、火災により原子炉施設の安全性を損なうことのない設計であること。

指針六 環境条件に対する設計上の考慮

安全機能を有する構築物、系統及び機器は、その安全機能が期待されているすべての環境条件に適合できる設計であること。

指針七 共用に関する設計上の考慮

安全機能を有する構築物、系統及び機器が二基以上の原子炉施設間で共用される場合には、原子炉の安全性を損なうことのない設計であること。

指針八 運転員操作に対する設計上の考慮

原子炉施設は、運転員の誤操作を防止するための適切な措置を講じた設計であること。

指針九 信頼性に関する設計上の考慮

一 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、その安全機能の重要度に応じて、十分に高い信頼性を確保し、かつ、維持し得る設計であること。

二 重要度の特に高い安全機能を有する系統については、その構造、動作原理、果たすべき安全機能の性質等を考慮して、多重性又は多様性及び独立性を備えた設計であること。

三 前項の系統は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できる設計であること。

指針一〇 試験可能性に関する設計上の考慮

安全機能を有する構築物、系統及び機器は、それらの健全性及び能力を確認するために、その安全機能の重要度に応じ、適切な方法により、原子炉の運転中又は停止中に試験又は検査ができる設計であること。

[Roman5 ] 原子炉及び原子炉停止系

指針一一 炉心設計

一 炉心は、それに関連する原子炉冷却系、原子炉停止系、計測制御系及び安全保護系の機能とあいまって、通常運転時及び運転時の異常な過渡変化時において、燃料の許容設計限界を超えることのない設計であること。

二 炉心を構成する燃料棒以外の構成要素及び原子炉圧力容器内で炉心近辺に位置する構成要素は、通常運転時及び異常状態において原子炉の安全停止及び炉心の冷却を確保し得る設計であること。

指針一二 燃料設計

一 燃料集合体は、原子炉内における使用期間中に生じ得る種々の因子を考慮しても、その健全性を失うことがない設計であること。

二 燃料集合体は、輸送及び取扱い中に過度の変形を生じない設計であること。

指針一三 原子炉の特性

炉心及びそれに関連する系統は、固有の出力抑制特性を有し、また、出力振動が生じてもそれを容易に制御できる設計であること。

指針一四 反応度制御系

一 反応度制御系は、通常運転時に生じることが予想される反応度変化を調整し、所要の運転状態に維持し得る設計であること。

二 制御棒の最大反応度価値及び反応度添加率は、想定される反応度投入事象に対して原子炉冷却材圧力バウンダリを破損せず、また、炉心冷却を損なうような炉心、炉心支持構造物及び原子炉圧力容器内部構造物の破壊を生じない設計であること。

指針一五 原子炉停止系の独立性及び試験可能性

原子炉停止系は、高温待機状態又は高温運転状態から、炉心を臨界未満にでき、かつ、高温状態で臨界未満を維持できる少なくとも二つの独立した系を有するとともに、試験可能性を備えた設計であること。

指針一六 制御棒による原子炉の停止余裕

原子炉停止系のうち制御棒による系は、高温状態及び低温状態において、反応度価値の最も大きい制御棒一本が完全に炉心の外に引き抜かれ、挿入できないときでも、炉心を臨界未満にできる設計であること。

指針一七 原子炉停止系の停止能力

一 原子炉停止系に含まれる独立した系のうち少なくとも一つは、通常運転時及び運転時の異常な過渡変化時において、燃料の許容設計限界を超えることなく、高温状態で炉心を臨界未満にでき、かつ、高温状態で臨界未満を維持できる設計であること。

二 原子炉停止系に含まれる独立した系の少なくとも一つは、低温状態で炉心を臨界未満にでき、かつ、低温状態で臨界未満を維持できる設計であること。

指針一八 原子炉停止系の事故時の能力

事故時において、原子炉停止系に含まれる独立した系の少なくとも一つは、炉心を臨界未満にでき、また、原子炉停止系に含まれる独立した系の少なくとも一つは、炉心を臨界未満に維持できる設計であること。

[Roman6 ] 原子炉冷却系

指針一九 原子炉冷却材圧力バウンダリの健全性

一 原子炉冷却材圧力バウンダリは、通常運転時及び異常状態において、その健全性を確保できる設計であること。

二 原子炉冷却材系に接続する配管系は、原則として隔離弁を設けた設計であること。

指針二〇 原子炉冷却材圧力バウンダリの破壊防止

原子炉冷却材圧力バウンダリは、通常運転時、保修時、試験時及び異常状態において、脆性的挙動を示さず、かつ、急速な伝播型破断を生じない設計であること。

指針二一 原子炉冷却材圧力バウンダリの漏えい検出

原子炉冷却材圧力バウンダリから原子炉冷却材の漏えいがあった場合、その漏えいを速やかに、かつ、確実に検出できる設計であること。

指針二二 原子炉冷却材圧力バウンダリの供用期間中の試験及び検査

原子炉冷却材圧力バウンダリは、その健全性を確認するために、原子炉の供用期間中に試験及び検査ができる設計であること。

指針二三 原子炉冷却材補給系

原子炉冷却材補給系は、原子炉冷却材の小規模の漏えい等が生じた場合においても、原子炉冷却材の保有量を回復できるように、適切な流量で給水できる能力を有する設計であること。

指針二四 残留熱を除去する系統

一 残留熱を除去する系統は、原子炉の停止時に、燃料の許容設計限界及び原子炉冷却材圧力バウンダリの設計条件を超えないように、炉心からの核分裂生成物の崩壊熱及びその他の残留熱を除去できる機能を有する設計であること。

二 残留熱を除去する系統は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できるように、多重性又は多様性及び独立性を適切に備え、かつ、試験可能性を備えた設計であること。

指針二五 非常用炉心冷却系

一 非常用炉心冷却系は、想定される配管破断等による原子炉冷却材喪失に対して、燃料の重大な損傷を防止でき、かつ、燃料被覆の金属と水との反応を十分小さな量に制限できる設計であること。

二 非常用炉心冷却系は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できるように、多重性又は多様性及び独立性を備えた設計であること。

三 非常用炉心冷却系は、定期的に試験及び検査ができるとともに、その健全性及び多重性の維持を確認するため、独立に各系の試験及び検査ができる設計であること。

指針二六 最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統

一 最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統は、重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器において発生又は蓄積された熱を最終的な熱の逃がし場に輸送できる設計であること。

二 最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できるように、多重性又は多様性及び独立性を適切に備え、かつ、試験可能性を備えた設計であること。

指針二七 電源喪失に対する設計上の考慮

原子炉施設は、短時間の全交流動力電源喪失に対して、原子炉を安全に停止し、かつ、停止後の冷却を確保できる設計であること。

[Roman7 ] 原子炉格納容器

指針二八 原子炉格納容器の機能

一 原子炉格納容器は、原子炉格納容器設計用の想定事象に対し、その事象に起因する荷重(圧力、温度、動荷重)及び適切な地震荷重に耐え、かつ、適切に作動する隔離機能とあいまって所定の漏えい率を超えることがない設計であること。

二 原子炉格納容器は、定期的に、所定の圧力により原子炉格納容器全体の漏えい率測定ができる設計であること。

三 原子炉格納容器は、電線、配管等の貫通部及び出入口の重要な部分の漏えい試験ができる設計であること。

指針二九 原子炉格納容器バウンダリの破壊防止

原子炉格納容器バウンダリは、通常運転時、保修時、試験時及び異常状態において、脆性的挙動を示さず、かつ、急速な伝播型破断を生じない設計であること。

指針三〇 原子炉格納容器の隔離機能

一 原子炉格納容器壁を貫通する配管系は、原則として、原子炉格納容器隔離弁を設けた設計であること。

二 主要な配管系に設ける原子炉格納容器隔離弁は、事故時に隔離機能の確保が必要となる事態に際して、原則として、自動的、かつ、確実に閉止される機能を有する設計であること。

指針三一 原子炉格納容器隔離弁

一 原子炉格納容器隔離弁は、実用上可能な限り原子炉格納容器に接近して設けた設計であること。

二 原子炉格納容器隔離弁の設置は、次の設計であること。

(一) 原子炉格納容器の内側において開口しているか又は原子炉冷却材圧力バウンダリに連絡している配管系のうち、原子炉格納容器の外側で閉じていない配管系については、原則として原子炉格納容器の内側に一個及び外側に一個とすること。

(二) 前号(一)の配管系以外の配管系のうち、原子炉格納容器の内側又は外側において閉じている配管系については、原則として原子炉格納容器の外側に一個とすること。

(三) 原子炉格納容器隔離弁は、閉止後駆動動力源の喪失によっても隔離機能が喪失することがないこと。

(四) 原子炉格納容器隔離弁は、定期的な動作試験が可能であり、かつ、重要な弁については、漏えい試験ができること。

指針三二 原子炉格納容器熱除去系

一 原子炉格納容器熱除去系は、原子炉格納容器設計用の想定事象に対し、その事象に起因して放出されるエネルギーによって生じる原子炉格納容器内の圧力及び温度を低下させるために十分な機能を有する設計であること。

二 原子炉格納容器熱除去系は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できるように、多重性又は多様性及び独立性を備え、かつ、試験可能性を備えた設計であること。

指針三三 格納施設雰囲気を制御する系統

一 格納施設雰囲気浄化系は、原子炉格納容器設計用の想定事象に対し、その事象に起因して環境に放出される放射性物質の濃度を減少させる機能を有する設計であること。

二 可燃性ガス濃度制御系は、格納施設の健全性を維持するため、原子炉格納容器設計用の想定事象に対し、その事象に起因して原子炉格納容器内に存在する水素又は酸素の濃度を抑制することができる機能を有する設計であること。

三 格納施設雰囲気を制御する系統は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できるように、多重性又は多様性及び独立性を備え、かつ、試験可能性を備えた設計であること。

[Roman8 ] 安全保護系

指針三四 安全保護系の多重性

安全保護系は、その系統を構成する機器若しくはチャンネルに単一故障が起きた場合、又は使用状態からの単一の取り外しを行った場合においても、その安全保護機能を失わないように、多重性を備えた設計であること。

指針三五 安全保護系の独立性

安全保護系は、通常運転時、保修時、試験時及び異常状態において、その安全保護機能を失わないように、その系統を構成するチャンネル相互を分離し、それぞれのチャンネル間の独立性を実用上可能な限り考慮した設計であること。

指針三六 安全保護系の過渡時の機能

安全保護系は、運転時の異常な過渡変化時に、その異常な状態を検知し、原子炉停止系を含む適切な系統の作動を自動的に開始させ、燃料の許容設計限界を超えないように考慮した設計であること。

指針三七 安全保護系の事故時の機能

安全保護系は、事故時に、その異常な状態を検知し、原子炉停止系及び必要な工学的安全施設の作動を自動的に開始させる設計であること。

指針三八 安全保護系の故障時の機能

安全保護系は、駆動源の喪失、系統の遮断及びその他の不利な状況が生じた場合においても、最終的に原子炉施設が安全な状態に落ち着く設計であること。

指針三九 安全保護系と計測制御系との分離

安全保護系は、計測制御系と部分的に共用する場合には、計測制御系の影響により安全保護系の機能を失わないように、計測制御系から機能的に分離された設計であること。

指針四〇 安全保護系の試験可能性

安全保護系は、原則として原子炉の運転中に、定期的に試験できるとともに、その健全性及び多重性の維持を確認するため、各チャンネルが独立に試験できる設計であること。

[Roman9 ] 制御室及び緊急時施設

指針四一 制御室

制御室は、原子炉及び主要な関連施設の運転状況並びに主要パラメータが監視できるとともに、安全性を確保するために急速な手動操作を要する場合には、これを行うことができる設計であること。

指針四二 制御室外からの原子炉停止機能

原子炉施設は、制御室外の適切な場所から原子炉を停止することができるように、次の機能を有する設計であること。

(一) 原子炉施設を安全な状態に維持するために、必要な計測制御を含め、原子炉の急速な高温停止ができること。

(二) 適切な手順を用いて原子炉を引き続き低温停止できること。

指針四三 制御室の居住性に関する設計上の考慮

制御室は、火災に対する防護設計がなされ、さらに、事故時にも従事者が制御室に接近し、又はとどまり、事故対策操作を行うことが可能なように、遮へい設計がなされ、かつ、火災又は事故によって放出することがあり得る有毒ガス及び気体状放射性物質に対し、換気設計によって適切な防護がなされた設計であること。

指針四四 原子力発電所緊急時対策所

原子炉施設は、事故時において必要な対策指令を発するための緊急時対策所が原子力発電所に設置可能な設計であること。

指針四五 通信連絡設備に関する設計上の考慮

原子炉施設は、適切な警報系及び通信連絡設備を備え、事故時に原子力発電所内に居るすべての人に対し的確に指示ができるとともに、原子力発電所と所外必要箇所との通信連絡設備は、多重性又は多様性を備えた設計であること。

指針四六 避難通路に関する設計上の考慮

原子炉施設は、通常の照明用電源喪失時においても機能する避難用の照明を設備し、単純、明確かつ永続的な標識を付けた安全避難通路を有する設計であること。

[Roman10 ] 計測制御系及び電気系統

指針四七 計測制御系

一 計測制御系は、通常運転時及び運転時の異常な過渡変化時における次の各号に掲げる事項を十分考慮した設計であること。

(一) 炉心、原子炉冷却材圧力バウンダリ、原子炉格納容器バウンダリ及びそれらに関連する系統の健全性を確保するために必要なパラメータは、適切な予想範囲に維持制御されること。

(二) 前号のパラメータについては、必要な対策が講じ得るように予想変動範囲内での監視が可能であること。

二 計測制御系は、事故時において、事故の状態を知り対策を講じるのに必要なパラメータを適切な方法で十分な範囲にわたり監視し得るとともに、必要なものについては、記録が可能な設計であること。

特に原子炉の停止状態及び炉心の冷却状態は、二種類以上のパラメータにより監視又は推定できる設計であること。

指針四八 電気系統

一 重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器が、その機能を達成するために電源を必要とする場合においては、外部電源又は非常用所内電源のいずれからも電力の供給を受けられる設計であること。

二 外部電源系は、二回線以上の送電線により電力系統に接続された設計であること。

三 非常用所内電源系は、多重性又は多様性及び独立性を有し、その系統を構成する機器の単一故障を仮定しても次の各号に掲げる事項を確実に行うのに十分な容量及び機能を有する設計であること。

(一) 運転時の異常な過渡変化時において、燃料の許容設計限界及び原子炉冷却材圧力バウンダリの設計条件を超えることなく原子炉を停止し、冷却すること。

(二) 原子炉冷却材喪失等の事故時の炉心冷却を行い、かつ、原子炉格納容器の健全性並びにその他の所要の系統及び機器の安全機能を確保すること。

四 重要度の高い安全機能に関連する電気系統は、系統の重要な部分の適切な定期的試験及び検査が可能な設計であること。

[Roman10 ][Roman1 ] 燃料取扱系

指針四九 燃料の貯蔵設備及び取扱設備

一 新燃料及び使用済燃料の貯蔵設備及び取扱設備は、次の各号に掲げる事項を満足する設計であること。

(一) 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、適切な定期的試験及び検査ができること。

(二) 貯蔵設備は、適切な格納系及び空気浄化系を有すること。

(三) 貯蔵設備は、適切な貯蔵能力を有すること。

(四) 取扱設備は、移送操作中の燃料集合体の落下を防止できること。

二 使用済燃料の貯蔵設備及び取扱設備は、前項の各号に掲げる事項のほか、次の各号に掲げる事項を満足する設計であること。

(一) 放射線防護のための適切な遮へいを有すること。

(二) 貯蔵設備は、崩壊熱を十分に除去し、最終的な熱の逃がし場へ輸送できる系統及びその浄化系を有すること。

(三) 貯蔵設備の冷却水保有量が著しく減少することを防止し、適切な漏えい検知を行うことができること。

(四) 貯蔵設備は、燃料集合体の取扱い中に想定される落下時においても、その安全機能が損なわれるおそれがないこと。

指針五〇 燃料の臨界防止

燃料の貯蔵設備及び取扱設備は、幾何学的な安全配置又はその他の適切な手段により、想定されるいかなる場合でも、臨界を防止できる設計であること。

指針五一 燃料取扱場所のモニタリング

燃料取扱場所は、崩壊熱の除去能力の喪失に至る状態及び過度の放射線レベルを検出できるとともに、これを適切に従事者に伝えるか、又はこれに対して自動的に対処できる設計であること。

[Roman10 ][Roman2 ] 放射性廃棄物処理施設

指針五二 放射性気体廃棄物の処理施設

原子炉施設の運転に伴い発生する放射性気体廃棄物の処理施設は、適切なろ過、貯留、減衰、管理等により、周辺環境に対して、放出放射性物質の濃度及び量を合理的に達成できる限り低減できる設計であること。

指針五三 放射性液体廃棄物の処理施設

一 原子炉施設の運転に伴い発生する放射性液体廃棄物の処理施設は、適切なろ過、蒸発処理、イオン交換、貯留、減衰、管理等により、周辺環境に対して、放出放射性物質の濃度及び量を合理的に達成できる限り低減できる設計であること。

二 放射性液体廃棄物の処理施設及びこれに関連する施設は、これらの施設からの液体状の放射性物質の漏えいの防止及び敷地外への管理されない放出の防止を考慮した設計であること。

指針五四 放射性固体廃棄物の処理施設

原子炉施設から発生する放射性固体廃棄物の処理施設は、廃棄物の破砕、圧縮、焼却、固化等の処理過程における放射性物質の散逸等の防止を考慮した設計であること。

指針五五 固体廃棄物貯蔵施設

固体廃棄物貯蔵施設は、原子炉施設から発生する放射性固体廃棄物を貯蔵する容量が十分であるとともに、廃棄物による汚染の拡大防止を考慮した設計であること。

[Roman10 ][Roman3 ] 放射線管理

指針五六 周辺の放射線防護

原子炉施設は、通常運転時において原子炉施設からの直接ガンマ線及びスカイシャインガンマ線による敷地周辺の空間線量率を合理的に達成できる限り低減できる設計であること。

指針五七 放射線業務従事者の放射線防護

一 原子炉施設は、放射線業務従事者の立入場所における線量当量を合理的に達成できる限り低減できるように、放射線業務従事者の作業性等を考慮して、遮へい、機器の配置、遠隔操作、放射性物質の漏えい防止、換気等、所要の放射線防護上の措置を講じた設計であること。

二 原子炉施設は、異常状態において放射線業務従事者が必要な操作を行うことができるように、放射線防護上の措置を講じた設計であること。

指針五八 放射線業務従事者の放射線管理

原子炉施設は、放射線業務従事者を放射線から防護するために、放射線被ばくを十分に監視及び管理するための放射線管理施設を設けた設計であること。

また、放射線管理施設は、必要な情報を制御室又は適当な場所に表示できる設計であること。

指針五九 放射線監視

原子炉施設は、通常運転時及び異常状態において、少なくとも原子炉格納容器内雰囲気、原子炉施設の周辺監視区域周辺及び放射性物質の放出経路を適切にモニタリングできるとともに、必要な情報を制御室又は適当な場所に表示できる設計であること。

解説

本指針を適用するに当たって、運用上の注意を必要とし、又は指針そのものの意義、解釈をより明確にしておく必要があると考えられる事項について、次にその解釈を掲げることとした。

なお、ここに解説として取り上げた指針本文中の項目は以下のとおりである。

[Roman3 ] 用語の定義

(一) 安全機能

(二) 安全機能の重要度

(六) 事故

(七) 原子炉格納容器バウンダリ

(八) 原子炉冷却材圧力バウンダリ

(一三) 安全保護系

(一四) 工学的安全施設

(一五) 単一故障

(一八) 多様性

(一九) 独立性

(二〇) 燃料の許容設計限界

[Roman4 ] 原子炉施設全般

指針一 準拠規格及び基準

指針二 自然現象に対する設計上の考慮

指針三 外部人為事象に対する設計上の考慮

指針四 内部発生飛来物に対する設計上の考慮

指針五 火災に対する設計上の考慮

指針六 環境条件に対する設計上の考慮

指針七 共用に関する設計上の考慮

指針八 運転操作に対する設計上の考慮

指針九 信頼性に関する設計上の考慮

指針一〇 試験可能性に関する設計上の考慮

[Roman5 ] 原子炉及び原子炉停止系

指針一二 燃料設計

指針一三 原子炉の特性

指針一四 反応度制御系

指針一五 原子炉停止系の独立性及び試験可能性

指針一七 原子炉停止系の停止能力

指針一八 原子炉停止系の事故時の能力

[Roman6 ] 原子炉冷却系

指針一九 原子炉冷却材圧力バウンダリの健全性

指針二三 原子炉冷却材補給系

指針二四 残留熱を除去する系統

指針二五 非常用炉心冷却系

指針二六 最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統

指針二七 電源喪失に対する設計上の考慮

[Roman7 ] 原子炉格納容器

指針二八 原子炉格納容器の機能

指針三〇 原子炉格納容器の隔離機能

指針三一 原子炉格納容器隔離弁

指針三二 原子炉格納容器熱除去系

指針三三 格納施設雰囲気を制御する系統

[Roman8 ] 安全保護系

指針三四 安全保護系の多重性

指針三五 安全保護系の独立性

指針三六 安全保護系の過渡時の機能

指針三八 安全保護系の故障時の機能

指針三九 安全保護系と計測制御系との分離

指針四〇 安全保護系の試験可能性

[Roman9 ] 制御室及び緊急時施設

指針四一 制御室

指針四二 制御室外からの原子炉停止機能

指針四三 制御室の居住性に関する設計上の考慮

[Roman10 ] 計測制御系及び電気系統

指針四七 計測制御系

指針四八 電気系統

[Roman10 ][Roman2 ] 放射性廃棄物処理施設

指針五二 放射性気体廃棄物の処理施設

指針五三 放射性液体廃棄物の処理施設

[Roman10 ][Roman3 ] 放射線管理

指針五八 放射線業務従事者の放射線管理

指針五九 放射線監視

[Roman3 ] 用語の定義

(一) 「安全機能」

「安全機能」を有する構築物、系統及び機器については、別に「重要度分類指針」において定める。

(二) 「安全機能の重要度」

「安全機能の重要度」については、別に「重要度分類指針」において定める。

(六) 「事故」

「想定される」とは、原子炉施設の安全設計の観点から考慮すべき頻度で発生すると考えられることをいう。

本指針にいう「想定される飛来物」、「想定される静的機器の単一故障」等も、前期の考え方に準じて解釈する。

(七) 「原子炉格納容器バウンダリ」

「原子炉格納容器設計用の想定事象」とは、原子炉格納容器の設計の妥当性について判断するための想定事象をいい、原子炉格納容器の機能の確保に障害となる圧力・温度の上昇、動荷重の発生、可燃性ガスの発生及び放射性物質の濃度について評価された結果のうち、着目するパラメータについて最も厳しい条件を包絡した事象をいう。具体的には、「発電用軽水型原子炉施設の安全評価に関する審査指針」に定める。

(八) 「原子炉冷却材圧力バウンダリ」

「原子炉冷却材圧力バウンダリ」とは、次の範囲の機器及び配管をいう。

[cir1 ] 原子炉圧力容器及びその付属物(本体に直接付けられるもの、制御棒駆動機構ハウジング等)

[cir2 ] 原子炉冷却材系を構成する機器及び配管。ただし、PWRにおいては一次冷却材ポンプ、蒸気発生器の水室・管板・管・加圧器、一次冷却系配管、弁等をいい、また、BWRにおいては、主蒸気管及び給水管の原子炉側からみて第二隔離弁を含みそこまでとする。

[cir3 ] 接続配管

(a) 通常時開、事故時閉となる弁を有するものは、原子炉側からみて、第二隔離弁を含みそこまでとする。

(b) 通常時閉、事故時閉となる弁を有するものは、原子炉側からみて、第一隔離弁を含みそこまでとする。

(c) 通常時閉、原子炉冷却材喪失時開となる弁を有する非常用炉心冷却系等も(a)に準ずる。

前期において「隔離弁」とは、自動隔離弁、逆止弁、通常時ロックされた閉止弁及び遠隔操作閉止弁をいう。

(一三) 「安全保護系」

安全保護系には、原子炉停止系を緊急作動するための信号回路と工学的安全施設等の作動を行わせるための信号回路とがあり、いずれの設備も検出器から動作装置入力端子までをいう。

(一四) 「工学的安全施設」

「工学的安全施設」とは、非常用炉心冷却系、原子炉格納容器(隔離弁を含む。)、格納施設雰囲気浄化系等をいう。

(一五) 「単一故障」

「従属要因」とは、単一の原因によって必然的に発生する要因をいう。

(一八) 「多様性」

「異なる性質」とは、所定の機能を全部又は一部を喪失するモードが同じでないことをいう。

(一九) 「独立性」

「共通要因」とは、二つ以上の系統又は機器に同時に作用する要因であって、例えば環境の温度、湿度、圧力、放射線等による影響因子、及び系統又は機器に供給される電力、空気、油、冷却水等による影響因子をいう。

(二〇) 「燃料の許容設計限界」

「継続して原子炉の運転をすることができる」とは、必ずしもそのままの状態から原子炉を運転することを意味するものではなく故障箇所の修理及び必要な場合における燃料の検査・交換を行った後に運転を再開することも含む。

燃料の許容設計限界設定のめやすとしては、燃料ペレットの最高温度、燃料被覆管の最高温度、最大熱流束、最小限界熱流束比、最小限界出力比、燃料ペレットの最大エンタルピ、燃料被覆管の最大変形量等が判断の基礎となる。

[Roman4 ] 原子炉施設全般

指針一 準拠規格及び基準

安全機能を有する構築物、系統及び機器の設計、材料の選定、製作及び検査に当たっては、原則として現行国内法規に基づく規格及び基準によるものとする。

ただし、外国の規格及び基準による場合又は規格及び基準で一般的でないものを適用する場合には、それらの規格及び基準の適用の根拠、国内法規に基づく規格及び基準との対比並びに適用の妥当性を明らかにする必要がある。

「規格及び基準によるものである」とは、対象となる構築物、系統及び機器について設計、材料の選定、製作及び検査に関して準拠する規格及び基準を明らかにしておくことを意味する。

指針二 自然現象に対する設計上の考慮

「適切と考えられる設計用地震力に十分耐えられる設計」については、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」において定めるところによる。

「自然現象によって原子炉施設の安全性が損なわれない設計」とは、設計上の考慮を要する自然現象又はその組合わせに遭遇した場合において、その設備が有する安全機能を達成する能力が維持されることをいう。

「重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器」については、別に「重要度分類指針」において定める。

「予定される自然現象」とは、敷地の自然環境を基に、洪水、津波、風、凍結、積雪、地滑り等から適用されるものをいう。

「自然現象のうち最も苛酷と考えられる条件」とは、対象となる自然現象に対応して、過去の記録の信頼性を考慮の上、少なくともこれを下回らない苛酷なものであって、かつ、統計的に妥当とみなされるものをいう。

なお、過去の記録、現地調査の結果等を参考にして、必要のある場合には、異種の自然現象を重畳させるものとする。

「自然力に事故荷重を適切に組み合わせた場合」とは、最も苛酷と考えられる自然力の事故時の最大荷重を単純に加算することを必ずしも要求するものではなく、それぞれの因果関係や時間的変化を考慮して適切に組み合わせた場合をいう。

指針三 外部人為事象に対する設計上の考慮

「外部人為事象」とは、飛行機落下、ダムの崩壊、爆発等をいう。

指針四 内部発生飛来物に対する設計上の考慮

「内部発生飛来物」とは、内部発生エネルギーの高い流体を内蔵する弁及び配管の破断、高速回転機器の破損、ガス爆発、重量機器の落下等によって発生する飛来物をいう。なお、二次的飛来物、火災、溢水、化学反応、電気的損傷、配管の破損、機器の故障等の二次的影響も考慮するものとする。

指針五 火災に対する設計上の考慮

「火災により原子炉施設の安全性を損なうことのない設計」とは、「発電用軽水型原子炉施設の火災防護に関する審査指針」に適合した設計をいう。

指針六 環境条件に対する設計上の考慮

「その安全機能が期待されているすべての環境条件」とは、通常運転時及び異常状態において、その機能が期待されている構築物、系統及び機器が、その間にさらされると考えられるすべての環境条件をいう。

指針七 共用に関する設計上の考慮

ここでいう「原子炉の安全性を損なうことのない設計」とは、共用によっても、異常状態において必要とされる安全機能が阻害されることがなく、原子炉の一基が関与する異常状態において他の原子炉の停止及び残留熱除去が達成可能であること、並びに共用される構築物、系統及び機器の想定される故障により同時に二基以上の原子炉の事故をもたらさないことをいう。

指針八 運転員操作に対する設計上の考慮

「適切な措置を講じた設計」とは、人間工学上の諸因子を考慮して、盤の配置及び操作器具、弁等の操作性に留意すること、計器表示及び警報表示において原子炉施設の状態が正確かつ迅速に把握できるよう留意すること。保守点検において誤りを生じにくいよう留意することなどの措置を講じた設計であることをいう。

また、異常状態発生後、ある時間までは、運転員の操作を期待しなくても必要な安全機能が確保される設計であることをいう。

指針九 信頼性に関する設計上の考慮

「安全機能の重要度に応じて、十分に高い信頼性」及び「重要度の特に高い安全機能を有する系統」については、別に「重要度分類指針」において定める。

「単一故障」は、動的機器の単一故障と静的機器の単一故障に分けられる。重要度の特に高い安全機能を有する系統は、短期間では動的機器の単一故障を仮定しても、長期間では動的機器の単一故障又は想定される静的機器の単一故障のいずれかを仮定しても、所定の安全機能を達成できるように設計されていることが必要である。

前期の動的機器の単一故障又は想定される静的機器の単一故障のいずれかを仮定すべき長期間の安全機能の評価に当たっては、その単一故障が安全上支障がない期間内に除去又は修復できることが確実であれば、その単一故障を仮定しなくてよい。

指針一〇 試験可能性に関する設計上の考慮

「適切な方法」とは、実系統を用いた試験又は検査が不適当な場合には、試験用のバイパス系を用いることなどを許容することを意味する。

[Roman5 ] 原子炉及び原子炉停止系

指針一二 燃料設計

「生じ得る種々の因子」とは、燃料棒の内外圧差、燃料棒及び他の材料の照射、負荷の変化により起こる圧力・温度の変化、化学的効果、静的・動的荷重、燃料ペレットの変形、燃料棒内封入ガスの組成の変化等をいう。

指針一三 原子炉の特性

「固有の出力抑制特性を有し」とは、予想されるすべての運転範囲において、原子炉出力の過渡的変化に対し、燃料の損傷を防止又は緩和するため、ドップラ係数、減速温度係数、減速材ボイド係数、圧力係数等を総合した反応度フィードバックが、急速な固有の出力抑制効果を持つことをいう。

「出力振動が生じてもそれを容易に制御できる」とは、燃料の許容設計限界を超える状態に至らないよう十分な減衰特性を持つか、あるいは出力振動を制御し得ることをいう。

指針一四 反応度制御系

「制御棒の最大反応度価値」の評価に当たっては、原子炉の運転状態との関係で、制御棒の挿入の程度及び配置状態を制限するなど、反応度価値を制限する装置が設けられている場合には、その効果を考慮してもよい。

「想定される反応度投入事象」とは、原子炉に反応度が異常に投入される事象をいい、「発電用軽水型原子炉施設の安全評価に関する審査指針」及び「発電用軽水型原子炉施設の反応度投入事象に関する評価指針」において定めるところによる。

指針一五 原子炉停止系の独立性及び試験可能性

現在軽水炉で採用されている制御棒による系及び可溶性毒物による系(BWRにおけるほう酸注入系、PWRにおける化学体積制御設備のほう酸注入系)は、その性能からみて指針一五を満足する原子炉停止系と考える。

なお、制御棒による原子炉停止系自身が独立した複数個の停止機能を持ち、その数が高温停止に必要な数に比し十分な余裕を持っている場合には、実質的に幾つかの独立した停止系とみなせる。

「高温状態で臨界未満を維持できる」とは、過渡状態が収束した後、キセノン崩壊により反応度が添加されるまでの期間、臨界未満を維持することをいい、さらにそれ以降の長期の臨界未満の維持は、他の系統の作動を期待してよいことをいう。なお、事象により原子炉の停止能力を備えた系統の作動が期待できる場合には、その寄与を考慮してよい。

指針一七 原子炉停止系の停止能力

「低温状態で炉心を臨界未満にでき、かつ、低温状態で臨界未満を維持できる」とは、高温臨界未満の状態からキセノン崩壊及び原子炉冷却材温度変化による反応度添加を補償しつつ、低温未臨界状態を達成し、かつ、維持することをいう。

指針一八 原子炉停止系の事故時の能力

事故時におれる原子炉停止系の能力について、原子炉の停止能力を備えた系統の作動が期待できる場合には、その寄与を考慮してよい。例えば、PWRの主蒸気管破断時において原子炉停止系が非常用炉心冷却系と複合して、炉心を臨界未満にでき、かつ、炉心を臨界未満に維持できる場合である。

[Roman6 ] 原子炉冷却系

指針一九 原子炉冷却材圧力バウンダリの健全性

「健全性を確保できる設計」とは、原子炉停止系、原子炉冷却系、計測制御系、安全保護系、安全弁等の機能によって、原子炉冷却材圧力バウンダリの急冷・急熱及び異常な圧力上昇を抑制し、原子炉冷却材圧力バウンダリ自体は、その遭遇する温度変化及び圧力に対して十分耐え、異常な原子炉冷却材の漏えい又は破損の発生する可能性が極めて小さくなるよう考慮された設計をいう。

「隔離弁を設けた設計」とは、原子炉冷却材系に接続され、その一部が原子炉冷却材圧力バウンダリを形成する配管系に関しては、原子炉冷却材圧力バウンダリとならない部分からの異常な漏えいが生じた場合において、原子炉冷却材の喪失を停止させるため、配管系の通常運転時の状態及び使用目的を考慮し、適切な隔離弁を設けた設計をいう。

指針二三 原子炉冷却材補給系

「原子炉冷却材補給系」とは、原子炉冷却材系へ原子炉冷却材を補給する系統(BWRにおける制御棒駆動水圧系及び原子炉隔離時冷却系(給水系を除く。)、PWRにおける充てんポンプによって補給する系統)をいう。

「原子炉冷却材の小規模の漏えい」とは、原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する弁、ポンプ等のシール部及び原子炉冷却材圧力バウンダリの小亀裂等からの原子炉冷却材の漏えいをいう。

指針二四 残留熱を除去する系統

「残留熱を除去する系統」とは、主復水器による熱除去ができない場合にも残留熱を除去できるように設けられる系統(BWRにおける原子炉隔離時冷却系、残留熱除去系、高圧炉心スプレイ系、自動減圧系等、PWRにおける蒸気発生器、主蒸気逃がし弁、主蒸気安全弁、補助給水設備、余熱除去設備等)をいう。また、これに関連し、原子炉冷却材系を減圧する系統として、BWRでは主蒸気逃がし安全弁、PWRでは加圧器逃がし弁等がある。

「その他の残留熱」とは、通常運転中に炉心、原子炉冷却材系等の構成材、原子炉冷却材及び二次冷却材(PWRの場合)に蓄積された熱をいう。

「適切に備え」とは、異常状態における当該系統の機能について、多重性又は多様性及び独立性を必要とすることをいう。

指針二五 非常用炉心冷却系

「配管破断等」とは、例えば逃がし弁の開固着のように、物理的破断は発生しないものの原子炉冷却材喪失を生じさせる事象を含むことを意味する。

指針二六 最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統

「最終的な熱の逃がし場」とは、海、河、池、湖又は大気をいう。

「最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統」とは、非常用炉心冷却系、残留熱を除去する系統等から最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統(原子炉補機冷却設備、原子炉補機冷却海水設備等)をいう。

「適切に備え」とは、異常状態における当該系統の機能について、多重性又は多様性及び独立性を必要とすることをいう。

指針二七 電源喪失に対する設計上の考慮

長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない。

非常用交流電源設備の信頼度が、系統構成又は運用(常に稼働状態にしておくことなど)により、十分高い場合においては、設計上全交流動力電源喪失を想定しなくてもよい。

[Roman7 ] 原子炉格納容器

指針二八 原子炉格納容器の機能

「電線、配管等の貫通部及び出入口の重要な部分」とは、漏えいの観点から重要である部分をいい、具体的には、弾性シール又は伸縮ベローズが使用される出入口及び貫通部をいう。

指針三〇 原子炉格納容器の隔離機能

「原子炉格納容器隔離弁」とは、自動隔離弁(事故時に充分な隔離機能を発揮するように配慮された逆止弁を含む。)、通常ロックされた閉止弁及び遠隔操作閉止弁をいう。前記でいう「事故時に充分な隔離機能を発揮するように配慮された逆止弁」とは、原子炉格納容器壁を貫通する当該系統に、原子炉格納容器内外いずれかの位置で破損が生じ、その逆止弁に対する逆圧がすべて喪失した条件においても、必要な隔離機能が重力等によって維持されるように設計された逆止弁をいう。

「原則として、原子炉格納容器隔離弁を設けた」とは、原子炉の安全上重要な計測又はサンプリングを行う配管、制御棒駆動機構用水圧管等の配管であってその配管を通じての漏えいが十分許容される程度に少ないものを除き、原子炉格納容器隔離弁を設けることをいう。

「主要な配管系」とは、原子炉格納容器隔離弁を設けなければならない配管系のうち、高温運転時に原子炉格納容器隔離弁が閉止されているように設計された配管系を除き、通常運転状態のまま放置すれば原子炉格納容器からの許容されない漏えいの原因となるおそれのある配管系をいう。

「原則として、自動的、かつ、確実に閉止される機能」とは、安全保護系からの原子炉格納容器隔離信号等により自動的に閉止され、かつ、原子炉格納容器隔離弁以外の隔離障壁とあいまって、単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても原子炉格納容器からの放射性物質の漏えいを低減し得ることをいう。また、ここでいう「原則として」とは、主要な配管系であっても事故の収束に必要な系統の配管系は、その系統の安全機能を阻害しないために、自動隔離信号によって閉止することを要しないことをいう。ただし、その場合であっても、それらの配管系により、原子炉格納容器の隔離機能が失われてはならない。

なお、自動的に閉止される原子炉格納容器隔離弁も事故後の必要な処置のため隔離解除が考慮されていなければならない。

指針三一 原子炉格納容器隔離弁

「原子炉格納容器の外側で閉じていない配管系」とは、事故時の配管系の状態を考慮し、隔離されない場合、原子炉格納容器内雰囲気から外部への放射性物質の許容されない放出の経路となるものをいう。

「原則として原子炉格納容器の内側に一個及び外側に一個とする」とは、原子炉格納容器隔離機能以外の安全上の考慮を含め、その妥当性が示される場合には、外側に二個の原子炉格納容器隔離弁を設けることも許容されることを意味する。

「原則として原子炉格納容器の外側に一個とする」とは、機能状態を考慮し原子炉格納容器外部に連絡していない配管系については、内側又は外側に一個の原子炉格納容器隔離弁を設けることも許容されることを意味する。

指針三二 原子炉格納容器熱除去系

「原子炉格納容器熱除去系」とは、原子炉格納容器設計用の想定事象に対し、原子炉格納容器内の圧力及び温度を十分に低下させ得る機能を有するもので、例えば、原子炉格納容器スプレイ系及びその熱除去系をいう。

指針三三 格納施設雰囲気を制御する系統

「格納施設雰囲気を制御する系統」とは、格納施設雰囲気浄化系及び可燃性ガス濃度制御系をいう。

「格納施設雰囲気浄化系」とは、BWRにおいては、非常用ガス処理系、非常用再循環ガス処理系、原子炉格納容器スプレイ系等を、PWRにおいては、アニュラス空気再循環設備、原子炉格納容器スプレイ系等をいう。

「水素又は酸素の濃度を抑制する」とは、原子炉格納容器の内部を不活性な雰囲気に保つこと、又は必要な場合再結合等により水素若しくは酸素の濃度を燃焼限界以下に抑制することをいう。

[Roman8 ] 安全保護系

指針三四 安全保護系の多重性

「チャンネル」とは、安全保護動作に必要な単一の信号を発生させるために必要な構成要素(抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、スイッチ、導線等)及びモジュール(内部連絡された構成要素の集合体)の配列であって、検出器から論理回路入口までをいう。

指針三五 安全保護系の独立性

「チャンネル相互を分離し」とは、一方のチャンネルにおいて不利な条件が発生した場合において、他方のチャンネルも同種の不利な条件が発生しないこと、又はその安全機能が阻害されるような影響を受けないようになっていることをいう。

指針三六 安全保護系の過渡時の機能

安全保護系の過渡時の機能の具体例としては、原子炉の過出力状態や出力の急激な上昇を防止するために、異常な状態を検知し、原子炉停止系を作動させ、緊急停止の動作を開始させることなどをいう。

指針三八 安全保護系の故障時の機能

「駆動源の喪失、系統の遮断及びその他の不利な状況」とは、電力若しくは計装用空気の喪失又は何らかの原因により安全保護系の論理回路が遮断されるなどの状況をいう。なお、不利な状況には、環境条件も含むが、どのような状況を考慮するかは、個々の設計に応じて判断する。

「最終的に原子炉施設が安全な状態に落ち着く」とは、安全保護系が故障した場合においても、原子炉施設が安全側の状態に落ち着くか、又は安全保護系が故障してそのままの状態にとどまっても原子炉施設の安全上支障がない状態を維持できることをいう。

指針三九 安全保護系と計測制御系との分離

「安全保護系の機能を失わない」とは、接続された計測制御系の機器又はチャンネルに単一故障、誤操作若しくは使用状態からの単一の取り外しが生じた場合においても、これにより悪影響を受けない部分の安全保護系が指針三四から指針三八を満たすことをいう。

指針四〇 安全保護系の試験可能性

「原子炉の運転中に、定期的に試験できる」とは、安全保護系の機能が健全に保持されていることを運転中に適当な期間ごとに確認できることをいうが、運転中における機能確認試験の実施中においても、その機能自体が維持されていると同時に、原子炉停止系、非常用炉心冷却系等の不必要な動作が発生しないことをいう。

[Roman9 ] 制御室及び緊急時施設

指針四一 制御室

「主要パラメータが監視できる」とは、指針四七で監視が要求されるパラメータのうち、連続的に監視する必要のあるものを制御室において監視できることをいう。

「急速な手動操作」とは、原子炉の停止及び停止後の原子炉冷却の確保のための操作をいう。

指針四二 制御室外からの原子炉停止機能

「制御室外の適切な場所から原子炉を停止することができる」とは、何らかの原因で制御室に接近できない場合の対策が講じられていることをいう。

「原子炉の急速な高温停止ができる」とは、直ちに原子炉を停止し、残留熱を除去し、高温停止状態に安全に保持することをいう。

指針四三 制御室の居住性に関する設計上の考慮

「従事者が制御室に接近し、又はとどまり」とは、事故発生後、事故対策操作をすべき従事者が制御室に接近できるよう通路が確保されていること、及び従事者が制御室に適切な期間滞在できること、並びに事故対策操作後、従事者が交替のため接近する場合においては、放射線レベルの減衰及び時間経過とともに可能となる被ばく防護策が採り得ることをいう。

[Roman10 ] 計測制御系及び電気系統

指針四七 計測制御系

「健全性を確保するために必要なパラメータ」とは、炉心の中性子束、中性子束分布、原子炉水位、原子炉冷却材系の圧力・温度・流量、原子炉冷却材の水質、原子炉格納容器内の圧力・温度・雰囲気ガス濃度等をいう。

「事故の状態を知り対策を講じるのに必要なパラメータ」とは、原子炉格納容器内雰囲気の圧力、温度、水素ガス濃度、放射性物質濃度等をいう。

「記録」とは、事象の経過後において、必要なパラメータが参照可能であることを含む。

指針四八 電気系統

「外部電源系」とは、外部電源(電力系統又は主発電機)からの電力を原子炉施設に供給するための一連の設備をいう。

「非常用所内電源系」とは、非常用所内電源設備(非常用ディーゼル発電機、バッテリ等)及び工学的安全施設を含む重要度の特に高い安全機能を有する設備への電力供給設備(非常用母線スイッチギヤ、ケーブル等)をいう。

「重要度の特に高い安全機能」及び「重要度の高い安全機能」については、別に「重要度分類指針」において定める。

[Roman10 ][Roman2 ] 放射性廃棄物処理施設

指針五二 放射性気体廃棄物の処理施設、指針五三 放射性液体廃棄物の処理施設

気体及び液体の放射性廃棄物の処理施設は、周辺公衆の線量当量を合理的に達成できる限り低く保つ設計であることが必要であり、このためには別に定める「発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に関する指針」を満足しなければならない。

指針五三 放射性液体廃棄物の処理施設

「放射性液体廃棄物の処理施設」とは、原子炉施設の運転に伴い発生する放射性液体廃棄物のほか、スラッジ等の固体が混入している液体状の放射性廃棄物を分離・収集し、廃液の性状により、適切なろ過、蒸発処理、イオン交換、貯留、減衰等を行う施設をいう。

「関連する施設」とは、処理施設を収納する建屋又は区域をいう。

「液体上の放射性物質の漏えいの防止及び敷地外への管理されない放出の防止を考慮した設計」については、「放射性液体廃棄物処理施設の安全審査に当たり考慮すべき事項ないしは基本的な考え方」において定めるところによる。

[Roman10 ][Roman3 ] 放射線管理

指針五八 放射線業務従事者の放射線管理

「必要な情報を制御室又は適当な場所に表示できる」とは、制御室において放射線管理に必要なエリア放射線モニタによる空間線量率を、また、適当な場所において管理区域における空間線量率、空気中の放射性物質の濃度及び床面等の放射性物質の表面密度を、それぞれ表示できることをいう。

指針五九 放射線監視

「モニタリング」とは、サンプリング、放射線モニタ等により、放射性物質濃度等を測定及び監視することをいう。

「適切にモニタリングできる」とは、通常運転時及び異常状態において、放射性物質の放出の監視及び空間線量率の測定ができ、事故時に迅速な対策処理が行えるように、放射線源、放出点、原子力発電所周辺、予想される放射性物質の放出経路等適切な場所をモニタリングできることをいう。

通常運転時におけるモニタリングについては、「発電用軽水型原子炉施設における放出放射性物質の測定に関する指針」において定めるところによる。

事故時におけるモニタリングについては、「発電用軽水型原子炉施設における事故時の放射線計測に関する審査指針」において定めるところによる。

-- 登録:平成21年以前 --