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スポーツ振興対策の改善について

国体第七号

平成二年四月二三日
各都道府県教育委員会教育長あて
文部省体育局長通知

スポーツ振興対策の改善について

このたび、総務庁長官から文部大臣に対し、別添のとおり、スポーツ振興対策に関する行政監察結果に基づく勧告がなされました。

文部省としては、今後、この勧告の趣旨に沿って、スポーツ振興施策について所要の改善措置を講じていくこととしています。

ついては、貴教育委員会におかれても、この勧告の趣旨を踏まえ、左記の点に留意して、スポーツ振興施策の適切な実施に努められるようお願いします。

一 生涯スポーツ推進事業について

地域住民のスポーツ活動に対する需要を把握し、事業の実施につき周知を図りつつ、各事業の目的に沿って事業の効果的実施を図るよう、管下の市町村教育委員会を指導すること。

二 社会体育指導者派遣事業について

管下の市町村教育委員会における社会体育指導体制の整備状況を的確に把握し、社会体育指導体制の整備充実を図る必要性の高い市町村教育委員会へ派遣すること。

また、派遣先市町村教育委員会に対し、派遣期間内に社会体育担当の社会教育主事を任用するよう指導すること。

三 スポーツ施設の管理運営について

多数の利用が予想される祝日や日曜日には開館し、また、利用申込手続きを簡素化するなど、利用者の利便に配慮したスポーツ施設の運営を行うとともに、管下の市町村教育委員会に対してこのことを指導すること。

四 スポーツ施設の整備について

社会体育施設整備費補助に係る事業計画の取りまとめに当たっては、管下の市町村の財政力、施設の整備水準、同種類似施設の利用状況、学校体育施設の開放状況及び設置予定施設の利用見込みを把握し、施設設置の必要性について十分な検討を行うこと。

五 学校体育施設の開放について

公立小・中学校の体育施設の開放については、地域住民の需要を的確に把握し、その開放の促進を図るとともに、開放に当たっては、祝日や日曜日における開放の促進等利用者の利便に配慮するよう、管下の市町村教育委員会を指導すること。

六 国民体育大会の開・閉会式の集団演技の練習等について

国民体育大会の開・閉会式の集団演技への児童生徒の参加のための練習を学校において行う場合は、学校教育法施行規則及び学習指導要領において定められている教育課程の基準の範囲内で適切に行われるよう、管下の市町村教育委員会を指導すること。

また、国民体育大会の開催に際し、教員の採用について、その人事計画等に支障が生じることのないよう、なお一層配慮すること。

別添

総監第一二八号

平成二年四月二三日

文部大臣殿

総務庁長官

スポーツ振興対策に関する行政監察の結果(勧告)―生涯スポーツを中心として―

この度、スポーツ振興対策に関する行政を監察した結果、別紙のとおり貴省所管事項について改善する必要の認められるものがありますので、勧告します。

なお、これについては、別添のスポーツ振興対策に関する行政監察結果報告書を参照の上適切な改善措置を講じ、その結果を平成二年七月三一日までに御回答ください。

担当:行政監察局監察官 幸曙光

電話:(五八一)六三六一(内線四五四四)

別紙

スポーツ振興対策に関する行政監察結果に基づく勧告―生涯スポーツを中心として―

平成二年四月

総務庁

前書き

スポーツは、個人の心身の健全な発達に資するとともに、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に寄与する重要な役割を果たすものである。その態様としては、[cir1 ]国民一人一人が生涯にわたり健康で明るく充実した生活を送るために日常生活の中で実施する生涯スポーツ、[cir2 ]オリンピック、国際的な競技大会などに参加するような第一線選手又はこれを目指す青少年が記録等に挑む競技スポーツ及び[cir3 ]児童、生徒及び学生が学校教育の一環として心身の発達状況に応じて行う学校体育・スポーツの三つがある。

このうち、生涯スポーツについては、近年、余暇時間の増大や生活水準の向上、人口の高齢化等に伴い、国民のスポーツ活動に対するニーズが多様化・高度化し、健康に対する関心も高まってきており、国は、その振興を図るため、従来から、地方公共団体が実施する各種スポーツ振興事業、スポーツ施設の整備及び学校体育施設の開放に対する補助、スポーツ指導者の養成等により、国民があらゆる機会とあらゆる場所においてスポーツに親しむことができるような諸条件の整備を進めてきている。国民体育大会(以下「国体」という。)は、国民の各層を対象とする体育・スポーツの祭典として、昭和二一年に第一回大会が京阪神を中心とする地域で、その後各都道府県持ち回り方式で順次開催され、昭和六三年の第四三回京都大会からは二巡目に入っている。

一方、生涯スポーツについては、これに対する国民のニーズ等を踏まえ、各種振興事業の効果的実施、スポーツ施設の効率的整備及び有効利用の促進、学校体育施設等の開放の一層の促進、国体の在り方の見直し等が各方面から要請されている。

この監察は、このような状況を踏まえ、生涯スポーツの振興を図る観点から、生涯スポーツ振興事業、スポーツ施設の利用者サービス、スポーツ施設の整備、学校教育施設の開放、国体の開催等の状況を調査し、関係行政の改善に資することを目的として実施したものである。

目次

一 生涯スポーツ振興対策の見直し

(一) 地域における生涯スポーツ振興事業の効果的実施

(二) スポーツ施設の利用者サービスの向上

(三) スポーツ施設の重点的・効率的整備

二 学校体育施設の開放の促進

(一) 公立小・中学校の体育施設の開放の促進

(二) 国立大学の体育施設の開放の促進

三 国体の運営の改善

(一) 国体の開催に係る基本的な共通ルールの策定

(二) 国体の開催に伴う学校教育への支障の防止

一 生涯スポーツ振興対策の見直し

(一) 地域における生涯スポーツ振興事業の効果的実施

国民一人一人が生涯にわたり日常生活の中でスポーツに親しむことは、健康の保持増進と体力の向上に役立つだけでなく、明るく豊かで生きがいのある生活を営む上で重要となっている。

文部省は、地域住民が日常生活においてスポーツ活動を積極的に行い生涯にわたりスポーツに親しむことを助長する観点から、生涯スポーツ推進事業として、市町村教育委員会(以下「市町村教委」という。)がスポーツ活動を推進するための七種の事業(以下「メニュー事業」という。)の中から特定のものを選定して実施する場合に、これに要する運営経費の一部(二分の一以内)を都道府県教育委員会(以下「都道府県教委」という。)を通じて補助(昭和六三年度予算額三億八、六九六万円)するほか、市町村教委における社会体育指導体制の整備・充実を図るため、社会体育指導者派遣事業として、都道府県教委が市町村教委に社会体育指導者を派遣する場合に、これに要する経費の一部(一〇分の四相当)を交付(昭和六三年度予算額一一億五、九二〇万円)している。

ア 生涯スポーツ推進事業

本事業の各メニュー事業は、いずれも、それぞれの事業目的に即した少年、親子、高齢者、婦人等各層の地域住民を対象として、スポーツ教室、スポーツ大会、スポーツ指導者講習会等を開催する方式により実施することとされている。

今回、二〇都道府県内において昭和六一年度又は昭和六二年度に本事業を実施している二八一市町村教委の中から五〇市町村教委を抽出してその実施状況を調査した結果、文部省が事業運営上の指針等を示していないこともあって、次の状況が認められる。

[cir1 ] 調査対象とした市町村教委の中には、各メニュー事業の対象者から参加を希望するスポーツの種目やスポーツ教室等の開催時期等につきあらかじめ要望を聴取するとともに、これらを基に計画したスポーツ教室等の開催周知を学校を通じるなど多様な方法により行っていること等から相応の事業効果を上げているものがある一方で、このような有効な諸措置を講じていないため、次のとおり、事業効果を上げていないものがある。

((1)) 少年スポーツ活動育成事業、親子スポーツ活動推進事業等は、それぞれ、これまでスポーツ活動への参加の機会が少なかった少年や意欲の乏しい少年、親子等を対象とするものであるが、これらの事業の中には、野球教室、少年体力テスト会等の参加者が既にスポーツ活動に慣れ親しんでいるスポーツ少年団の団員によって占められているもの、親子を対象とした歩くスキー講習会の参加者が成人のみとなっているもの等がある。

((2)) 各メニュー事業により実施したスポーツ教室等の中には、野外活動(キャンプ)の参加予定人員を三五人と見込み一〇人の講師を派遣したものの、参加者が九人にすぎなかったもの等その運営が非効率となっているものがある。

[cir2 ] ビーチボールを利用したビーチバレー、グラウンド・ゴルフ等は、高齢者や婦人に適したスポーツ種目であることから、高齢者スポーツ活動推進事業等により実施されるスポーツ教室等において対象種目として取り入れられることが期待されている。市町村教委の中には、スポーツの実技指導等を行うことを任務とする体育指導委員により、あらかじめ各地区においてこれらスポーツへの関心を喚起させるためのPRを行った上でスポーツ教室を開催し、参加者が計画を上回る成果を上げているものがある一方で、このような事前のPR活動を行わないまま、これらスポーツ種目を内容とするスポーツ教室等を計画したため、参加希望者がなく中止せざるを得なくなっているものがある。

[cir3 ] 少年スポーツクラブ育成事業は、市町村教委が指導者を派遣する等により少年スポーツクラブ等を育成し、活発な少年スポーツ活動を定着化させることを目的としている。このため少年スポーツクラブ等に指導者を派遣した場合には、派遣期間中に後継の指導者となるべきリーダーを養成するなどにより派遣終了後も引き続き当該クラブの活動を継続させることが重要であるが、市町村教委の中には、後継の指導者となるべきリーダーの養成が十分でなく、また、新規会員を確保するための働きかけも不十分なため、指導者の派遣終了後少年サッカークラブ等が消滅しているものがある。

イ 社会体育指導者派遣事業

本事業は、市町村教委の社会体育指導体制の整備・充実を図ることを目的とするものであることから、市町村教委任用の社会教育主事(以下「市町村スポーツ主事」という。)が配置されていない市町村教委に社会体育指導者を派遣する場合には、一定の派遣期間中にその任用を確保することが重要である。

しかし、文部省は、都道府県教委に対し、計画的なローテーションを組むなどにより社会体育指導者の派遣先を順次他の市町村教委に展開していくよう指導してはいるが、その派遣期間については明示していない。

今回、一〇都道府県教委を抽出し、社会体育指導者派遣事業の実施状況を調査した結果、次のとおり、本事業の趣旨がいかされていない状況が認められる。

[cir1 ] 都道府県教委の中には、社会体育指導者の派遣中及び派遣後における派遣先市町村教委での市町村スポーツ主事の任用状況を把握していないものがある。

[cir2 ] 都道府県教委別に抽出市町村教委における市町村スポーツ主事の任用状況をみると、都道府県教委の中には、社会体育指導者の派遣期間を三年間とし、派遣先の市町村教委に対し機会があるごとにその任用を要請したり、派遣期間を若干延長するなどにより市町村スポーツ主事の配置を促進しており、その任用が進ちょくしているものがある一方で、市町村教委に対する指導が徹底していないため、派遣先市町村教委のほとんどすべてにおいて市町村スポーツ主事が任用されていないなどその任用が低調となっているものがある。

[cir3 ] 社会体育指導体制が整備されておらず社会体育指導者の派遣を受けていない市町村教委がありながら、同一市町村教委への派遣期間が一一年になるなど長期化しているものがある。

したがって、文部省は、地域における住民各層のスポーツ活動の振興を図る観点から、次の措置を講ずる必要がある。

[cir1 ] 生涯スポーツ推進事業については、成果を上げている例を参考として、地域住民のスポーツ活動に関する需要把握やスポーツ教室等の効果的な運営方法等についての標準的な指針を作成するとともに、都道府県教委を通じ市町村教委に対し、同指針に基づき、各メニュー事業の目的に沿った効果的な実施を図るよう指導すること。

[cir2 ] 社会体育指導者派遣事業については、その趣旨の徹底を図るため、補助要綱等により標準的な派遣期間を設定するとともに、都道府県教委に対し、次の措置を講ずるよう指導すること。

ア 各市町村教委における社会体育指導体制の整備状況を的確に把握した上、社会体育指導者の派遣計画を策定し、社会体育指導体制の整備・充実を図る必要性の高い市町村教委へ派遣すること。

イ 派遣先市町村教委に対し、前記派遣期間内に市町村スポーツ主事を任用するよう指導すること。

(二) スポーツ施設の利用者サービスの向上

近年におけるスポーツ活動に対する国民のニーズの多様化・高度化に伴い、スポーツ施設を管理・運営するに当たっては、利用者である国民の利便に配慮することが重要となっている。

文部省は、各都道府県知事・同教育委員会等に対し、「地域のスポーツ、文化、芸術の振興に関する連絡会議」(文部大臣を議長とし関係省庁の部局長等を構成員とするもの)において決定された「地域のスポーツ、文化、芸術の振興に関する施策」を主たる内容とする「地域のスポーツ、文化、芸術の振興について」(昭和五八年六月二四日付け文体体第八一号、事務次官通知)を発し、その中で既存の公共スポーツ施設について利用する住民の立場に立ってその利用の活性化を図るよう指導している。

しかしながら、今回、二〇都道府県内の七九市町村管内において都道府県又は市町村が文部省等国からの補助等を受けて設置したスポーツ施設及び労働省が雇用促進事業団に設置させたスポーツ施設について、都道府県、市町村等(雇用促進事業団が設置したスポーツ施設については都道府県を通じ市町村又は民間に委託)による管理・運営状況を調査した結果、スポーツ施設の管理・運営に関する標準的な指針が示されていないこともあって、次のとおり、施設利用者の利便を配慮した管理・運営が行われていない状況が認められる。

[cir1 ] 住民の身近な施設であるスポーツ施設については、利用者にとって祝日・日曜日は平日に比べて便利であることから、これらの日に利用し得るよう開放しておくことが重要であるが、体育館又は武道館の中には、年間を通じ開館(担当職員の休日は交替により付与)しているものや、これらの日を開館しその翌日を閉館としているものがある一方で、祝日又は日曜日を閉館としているものがある。

[cir2 ] スポーツ施設を住民の利用の用に供するに当たっては、利用申込手続を簡素なものにする等住民の立場に立った配慮が重要であるが、次のとおり、これに欠けるものがある。

((1)) 調査対象とした市町村の中には、それぞれのスポーツ施設の設置は各事業主管部局が行っていてもその管理・運営は教育委員会事務局が一元的に行っているもの、また、設置・管理はともに各事業主管部局が行いつつもそれぞれの施設に対する利用申込みの受付及び抽選は教育委員会事務局が一元的に行っているものがある。しかしながら、その一方で、同種のスポーツ施設でありながら、それぞれを設置した各事業主管部局がその管理・運営を行い、翌月分の利用申込みに係る抽選も異なった日に行っているため、利用者は各抽選日にその都度出向かなければならず不便となっているものがある。

((2)) 館内を団体利用と個人利用に区分している総合体育館について、団体利用にあっては申込みの受付を利用希望日の三か月前から開始し、申込みの順位により利用を認めているものの、三日前で締め切っており、また、当日空きがあっても個人利用を認めていないため、結果として当該フロア・区画が遊休化しているものがある。

((3)) 一般住民と学校(児童・生徒)の共同利用を目的とした社会体育施設として水泳プールを設置しながら、学校の児童・生徒が授業時間外も専用しており、一般住民が利用できない状況となっているものがある。

したがって、文部省は、「さわやか行政サービス運動について」(昭和六三年一月二六日閣議決定)の趣旨にもかんがみ、スポーツ施設の利用者サービスの向上を図る観点から、関係省庁と協議して、利用者の利便に配慮した運営を行っている例を参考としてスポーツ施設の管理・運営に関する標準的な指針を作成するとともに、都道府県知事、同教育委員会等に対し、当該指針に基づき点検を行った上必要な改善措置を講ずるよう指導する必要がある。

(三) スポーツ施設の重点的・効率的整備

スポーツ施設については、広く国民が生涯にわたってスポーツに親しみ、豊かな生活を送るとともに、健康の保持増進と体力つくりを図る上で重要な機能を果たすことから、文部省、建設省等は、地方公共団体が行うその整備に対し補助等を行い、また、労働省は雇用促進事業団に整備させてきている。

このうち、主なものを挙げれば、文部省は、スポーツ振興法(昭和三六年法律第一四一号)に基づき、地方公共団体が社会体育施設を整備する費用の一部を補助(昭和六三年度補助金額五八億円、補助率:施設整備費三分の一)するとともに、建設省は、都市公園法(昭和三一年法律第七九号)に基づき、地方公共団体が運動施設を含む各種公園施設から成る都市公園計画を策定し、これを基に毎年度それらを整備する際に、その費用の一部を補助(昭和六三年度公園事業費補助金額八七二億円、うち運動施設関係概算約一五九億円、補助率:施設整備費二分の一、用地取得費三分の一)しており、また、労働省は、雇用保険法(昭和四九年法律第一一六号)に基づき、勤労者体育施設について、自ら設置決定を行い雇用促進事業団に整備させるに際し出資(労働保険特別会計の雇用勘定、昭和六三年度事業費(出資金)四三億円)している。

さらに、民間においても営利事業又は非営利事業としてスポーツ施設を整備してきている。

今回、二〇都道府県内の七九市町村における文部省及び建設省の補助金又は労働省の出資金(以下「国庫補助金等」という。)によるスポーツ施設の整備状況等を調査した結果、次の状況が認められる。

ア スポーツ整備の設置状況

(ア) スポーツ施設の整備状況を文部省が実施した「体育・スポーツ施設現況調査報告」(昭和六〇年九月現在)によってみると、全国のスポーツ施設数は、総数二九万二、一一七施設と第一回目の調査を行った昭和四四年の一四万八、〇五九施設の約二倍となっている。スポーツ施設の種別にみると、学校体育施設が一五万八、一一九施設(全体の五四・一パーセント)、国又は地方公共団体が設置し管理・運営(民間に委託しているものを含む。)している公共スポーツ施設が六万七七七施設(二〇・八パーセント)、職場スポーツ施設が二万九、三三二施設(一〇・一パーセント)、個人又は営利団体(企業)が営利を目的として設置している民間営利スポーツ施設が二万七、一四八施設(九・三パーセント)等となっており、特に公共スポーツ施設及び民間営利スポーツ施設は、いずれもこの約一五年間において六倍以上に増加している。

(イ) スポーツ施設の整備指針については、文部省の保健体育審議会が昭和四七年一二月二〇日に「体育・スポーツの普及振興に関する基本方策について(答申)」の中で「体育・スポーツ施設の整備基準」(以下「文部省整備基準」という。)を答申しており、文部省は、これまで、この基準を目安として、社会体育施設の整備を進めてきている。

調査対象とした七九市町村における昭和六三年四月現在の公共スポーツ施設について、種類別に文部省整備基準の充足状況をみると、同基準に達しているものは、運動広場七〇市町村(八八・六パーセント、このうち基準を超えているもの五七市町村(七二・二パーセント))、コート(テニスコート及びバレーコートをいう。以下同じ。)五七市町村(七二・二パーセント、同前四六市町村(五八・二パーセント))、体育館五五市町村(六九・六パーセント、同前三八市町村(四八・一パーセント))、柔剣道場四五市町村(五七・〇パーセント、同前六市町村(七・六パーセント))、水泳プール四八市町村(六〇・八パーセント、同前二三市町村(二九・一パーセント))となっており、いずれの種類の公共スポーツ施設も過半数の市町村が文部省整備基準に達している。

なお、調査対象とした七九市町村のうち、総合計画、総合振興計画等の長期計画の一部としてスポーツ施設整備計画を策定している七二市町村について同計画の達成状況をみても、[cir1 ]達成している市町村二四(三三・三パーセント)、[cir2 ]ほぼ達成している市町村二五(三四・七パーセント)、[cir3 ]未達成の市町村二三(三一・九パーセント)となっており、約七〇パーセントの市町村では公共スポーツ施設の整備が進んでいる状況が認められる。

(ウ) 調査対象とした七九市町村が昭和五八年度から昭和六三年度までの間に整備した公共スポーツ施設の財源措置状況をみると、施設総数五五九(一市町村当たり七施設)のうち、国庫補助金等(前記三省以外の省庁によるものを含む。)によるものが三三〇施設(五九・〇パーセント)、市町村の単独事業によるものが二二九施設(四一・〇パーセント)であり、単独事業によるものを含む総事業費(一、二四四億六、二一九万円)に占める国庫補助金等(二二四億五、九六七万円)の割合は一八・〇パーセントとなっており、自主財源で賄っている割合は高いものとなっている。

また、総事業費(用地取得費を含む。)に占める文部省及び建設省の国庫補助金の割合は、社会体育施設整備費補助にあっては七・一パーセント、公園事業費補助にあっては三一・五パーセントとなっている。これを市町村の財政状況別にみると、財政力指数が一を超える市町村(一一)にあっては、社会体育施設整備費補助二・七パーセント、公園事業費補助二六・〇パーセントとなっているのに対し、財政力指数が一未満の市町村(六八)にあってはそれぞれ一三・五パーセント、三四・四パーセントとなっており、財政力指数が一を超える市町村の方が自主財源の割合が高くなっている。

(エ) 調査対象とした七九市町村の中には、既存施設の有効利用を図る観点から、市町村立小・中学校等の移転又は統廃合によって不要となった学校体育施設を社会体育施設に転用し、その結果、施設新設の抑制効果をもたらしている例が一六市町村において三四施設あるほか、施設新設に替えて民間の職場スポーツ施設を一定の曜日に借り上げ、住民に利用させているものなどがある。

イ スポーツ施設の利用状況

国庫補助金等によって整備したスポーツ施設については、整備目的に即して有効利用されることが重要である。

今回、二〇都道府県の七九市町村内において都道府県又は市町村が文部省の社会体育施設整備費補助により整備した一三七施設、建設省の公園事業費補助により整備した一三六施設及び労働省が雇用促進事業団に整備させた勤労者体育施設二九施設の総計三〇二施設を抽出して、これらの利用状況を調査した結果、次のとおり、文部省及び建設省の補助により整備した施設において利用が低調となっている状況が認められる。

[cir1 ] 利用可能日数(屋内型施設にあって閉館日、屋外型施設にあっては降雨・積雪に伴う利用不能日等を除いたもの)に対する利用日数(利用者数の多寡や利用時間の長短を問わず、利用実績がある日はすべて一日とみなしたもの)の割合(以下「利用率」という。)が五〇パーセントに満たないものが五三施設(一七・五パーセント)あり、これらの中には、利用率が一〇パーセントに満たないものが六施設(二・〇パーセント)ある。

[cir2 ] 実際に利用のあった一日当たり延べ利用者数をみても、三〇人に満たないものが四四施設(一四・六パーセント)あり、これらの中には、一日当たり延べ利用者数が一〇人に満たないものが五施設(一・七パーセント)ある。

ウ スポーツ施設の設置計画に対する審査状況

国庫補助金等により整備するスポーツ施設の設置計画についての審査に当たって、国は、既存の同種類似施設の整備状況等を的確に把握し、施設を設置する必要性・緊急性等を厳正に点検することが重要である。

今回、文部省、建設省及び労働省におけるにおけるこれら諸施設の整備に係る審査等の実施状況を調査した結果、いずれも学校体育施設の開放実績等(予定を含む。)を審査の要素としていないほか、次のとおり、審査等が不十分な状況が認められる。

[cir1 ] 文部省は、社会体育施設整備費補助事業計画書により既存施設についてはその設置状況を把握することとしているが、市町村に無償譲渡することとして民間団体が設置したスポーツ施設を既存施設として把握することとはしていない。また、既存施設の利用状況については必要に応じ把握することとしているにとどまっており、施設を新設することによる既存施設に与える影響については審査の要素としていない。

[cir2 ] 建設省は、地方公共団体に対し、指導通達「都市公園等整備緊急措置法及び都市公園法の一部を改正する法律の施行について」(昭和五一年一〇月二一日付け都公緑発第一四七号、都市局長通達)等により、都市公園計画の立案(変更を含む。)時に、都市計画上の観点からスポーツ施設の適正な配置等を検討するに際し既存施設の設置・利用状況及び設置予定施設の利用見込みについては把握するよう指導しているが、施設を新設することによる既存施設に与える影響については把握するよう指導していない。また、調査対象とした地方公共団体の中には、建設省の指導に係る既存施設の設置・利用状況を把握していないものがある。

[cir3 ] 労働省は、市町村からの勤労者体育施設の設置要望の審査に当たり、「勤労者福祉施設設置計画基本方針」(昭和六二年五月二一日付け職発第三〇四号、職業安定局長通達)により既存施設の設置・利用状況を資料として添付させ設置予定の勤労者体育施設の利用見込みをチェックすることとしているが、同施設を設置することによる既存施設に与える影響については審査の対象としていない。

このように関係省庁におけるこれら諸施設の新設計画に対する審査等が不十分となっていることから、((1))スポーツ施設の整備が相当進んでいる市町村において、文部省、建設省及び労働省の国庫補助金等によりスポーツ施設を新設した結果、既存施設及び新設施設とも利用が低調となっていたり、新設施設に利用が集中したため既存施設の利用が激減しているもの、((2))需要の少ない地域に設置しているため利用が皆無に等しいもの及び((3))スポーツ施設の一部を他用途に転用しているなど目的どおりの利用が行われていないものが認められる。

したがって、文部省、建設省及び労働省は、国庫補助金等によるスポーツ施設の重点的、効率的整備等を図る観点から、次の措置を講ずる必要がある。

[cir1 ] スポーツ施設の整備に係る国庫補助金等については、地方公共団体の財政力、スポーツ施設の整備水準等に応じ重点的に採択するとの方針の確立を図ること。

[cir2 ] 新設に係る補助申請等の審査等に当たっては、前記方針の実現を図るため、審査基準等に既存の同種類似施設の利用状況、学校体育施設の開放状況、新設予定施設の需要見込み等をも要素として盛り込み、これに基づき、施設設置の必要性・緊急性等についての点検を厳正に行うこと。

[cir3 ] 補助事業により整備したスポーツ施設であっても、利用が低調となっているものについては、地方公共団体に対し、各種スポーツ行事を計画的・積極的に開催するなどにより利用の促進を図るよう指導すること。

二 学校体育施設の開放の促進

(一) 公立小・中学校の体育施設の開放の促進

近年、生活水準の向上、自由時間の増大等に伴い、国民のスポーツ活動の場に対するニーズが高まっており、これにこたえるためには、屋外運動場、体育館等の学校体育施設がスポーツ施設総数の過半数を占め、このうち特に市町村立小・中学校の体育施設は、地域住民の身近に所在し、かつ、通常、平日の夜間、休日等には児童・生徒の利用が少ないことから、学校教育に支障の生じない範囲においてこれらの施設を地域の一般住民に積極的に開放することが重要となっている。

文部省は、「学校体育施設開放事業の推進について」(昭和五一年六月二六日付け文体体第一四六号、事務次官通知)により、都道府県教委を通じ市町村教委に対し学校体育施設の開放を促進するよう指導しており、また、公立学校の体育施設の開放に際し、市町村教委が市町村立小・中学校及び高等学校の体育施設の管理及び安全面での指導の任に当たる管理指導員を配置する場合に、これに要する経費(謝金)の一部(三分の一)を都道府県教委を通じ補助(昭和六三年度予算額三億五、一四一万円)とするとともに、都道府県教委又は市町村教委がそれぞれ設置した公立学校の体育施設に夜間照明施設、クラブハウス等の施設を付設する場合に、これに要する経費(建設費)の一部(三分の一)を補助(昭和六三年度予算額七億二、〇〇〇万円)している。

なお、市町村立小・中学校の体育施設の地域の一般住民に対する開放率(施設保有校に対する開放校の割合、全国ベース)は、文部省の「体育・スポーツ施設現況調査」(昭和五九年度の実績)の結果を基に算出すると、屋外運動場七九・五パーセント、体育館八二・五パーセントであるのに対し、、水泳プールは二一・一パーセントとなっている。

今回、市町村立小・中学校の体育施設の地域の一般住民に対する開放状況及び都道府県教委における補助金に係る審査・採択状況を調査した結果、なお次のような問題が認められる。

ア 開放状況

[cir1 ] 今回、一九都道府県の一、四三七校(三二市町村)を抽出して体育施設の開放状況を調査した経過、屋外運動場及び体育館の開放率は、それぞれ六九・九パーセント(施設保有校一、四三七に対し開放校一、〇〇五)、七七・七パーセント(同一、四二七に対し一、一〇九)となっているのに対し、水泳プールの開放率は、公共・民間等の水泳プールが相当に整備されていることもあって、一・一パーセント(同一、一六九に対し一三)にとどまっている。また、これを市町村単位にみると、屋外運動場及び体育館の開放率がともに八〇パーセントを超えているところが二一ある半面、五〇パーセントに満たないところは二であり、また、水泳プールを開放しているところは四にとどまっている。

水泳プールについて、開放を行っていない小・中学校の中から三四校(全く開放していないもの七及び放課後等に自校の児童・生徒のみに利用させているもの二七を抽出して開放の可否を検討したところ、これらの中には、地域住民から開放要望がありながらこれを把握していないものや、開放要望を把握してはいても、衛生上の懸念(児童・生徒への眼病等の感染の恐れ)を主たる理由として開放を行っていないものがある。

なお、未開放の理由として挙げている衛生上の懸念については、現に開放している学校にあっては、水質管理の徹底によりこれまで病気の感染などの問題は生じていない。

[cir2 ] 開放している学校体育施設については、各市町村とも広報紙等により地域住民に開放周知を行っているが、これら施設の中には、利用者にとって平日に比べて便利な祝日・日曜日を未開放としているものがある。

イ 管理指導員に係る謝金補助の実施状況

本補助金は、学校体育施設の開放の促進・拡大を図るという奨励的性格を有していることから、都道府県教委が市町村教委からの申請案件を審査するに当たっては、新規開放予定校を採択することにより順次開放校の拡大を図っていくことが重要である。

しかしながら、今回、一、四三七校の中から九四校を抽出して、都道府県教委における本補助金に係る審査・採択状況を調査した結果、次のとおり、本補助金の趣旨がいかされていない状況が認められる。

[cir1 ] 補助要綱等において補助の標準的な期間が示されていないこともあって、未開放校が残っているにもかかわらず、同一の学校が六年以上継続して補助対象となっているものが二九校(四市町村)あり、中には、一二年になっているものがある。

[cir2 ] 既に単独市町村費により管理指導員が配置され学校体育施設の開放が定着化している学校が改めて補助対象となっているものがある。

したがって、文部省は、公立小・中学校の体育施設の開放をより一層促進する観点から、次の措置を講ずる必要がある。

[cir1 ] 学校体育施設、特に水泳プールについては、都道府県教委を通じ市町村教委に対し、地域住民の需要を的確に把握した上、その開放を促進するとともに、学校体育施設の開放に当たっては、休日開放の促進等利用者の利便に配慮するよう指導すること。

[cir2 ] 管理指導員に係る謝金補助については、開放の促進を図るため、補助要綱等で補助の対象とする標準的な期間を設定した上、都道府県教委に対し、新規開放予定校を採択するよう指導すること。

(二) 国立大学の体育施設の開放の促進

文部省は、国立大学の体育施設の開放を促進するため、「学校体育施設開放の推進について」(昭和五一年七月二六日付け文体体第一四六号、体育局長・大学局長連名通達)により国立大学長に対して、地方公共団体等から体育施設の開放の要望があったときは教育研究に支障のない範囲において協力するよう指導しているほか、昭和五三年度からは開放に要する消耗品費、備品費等について予算措置(昭和六三年度予算額九、三六八万円)を講じている。

今回、一一都道府県内に所在する国立大学四六校(大学一五校、付属小・中学校三一校)を抽出して体育施設の開放状況を調査した結果、体育施設の全部又は一部を開放することとしている国立大学は三二校(大学一一校(開放対象施設一一二、未開放施設四一)、付属小・中学校二一校(開放対象施設六一、未開放施設一一))、体育施設を全く開放していない国立大学は一四校(大学四校三四施設、付属小・中学校一〇校三六施設)となっており、次のとおり、体育施設の開放が不十分な状況が認められる。

ア 開放対象施設の周知

[cir1 ] 文部省の調査結果によると、昭和六二年度に体育施設を開放している大学は九五校中八一校(八五・三パーセント)となっているが、八一校中一一校(一一二施設)についての開放状況は次のとおりである。

((1)) 地域住民に対し市町村広報紙により開放している旨を周知するとともに、同紙において開放対象施設、利用時間帯、申込み先等を明示しているものは一校(二施設)にすぎない。

((2)) 周知を行っている一校の利用実績は、おおむね良好であるが、周知を行っていない一〇校の開放対象施設(一一〇)にあっては、昭和六〇年度から昭和六二年度までの間に全く利用実績のないものが六六施設(六〇・〇パーセント)に達し、この間に利用実績のある四四施設について昭和六二年度における利用日数をみても、年間一〇日以下の施設が二七施設(六一・四パーセント)あり、また、利用者も特定の者となっているものがある。

[cir2 ] 付属小・中学校についても、体育施設を開放することとしている二一校(六一施設)のうち開放周知を行っているのは一校(一施設)であり、また、周知を行っていない学校に係る開放対象施設(六〇)の利用実績も低調となっている。

イ 未開放施設の開放

[cir1 ] 体育施設を全く開放していない大学四校の三四施設及び体育施設の一部を開放することとしている大学四校の未開放施設四一について、各国立大学は、未開放の理由として、授業や学生の課外活動などの利用が多く部外者に開放できるような空き時間がないことを挙げているが、開放していないこれら七五施設の中から二四施設(全く開放していない大学の施設一八及び一部を開放することとしている大学の未開放施設六)を抽出してその利用状況等を調査した結果、これらの中には、学生が利用していない日が多く開放の余地のあるものがあり、しかも地域住民等が利用要望を有していることから、その開放を行うことが必要と認められるものがある。

[cir2 ] 付属小・中学校については、体育施設を全く開放していない一〇校の三六施設及び体育施設の一部を開放することとしている七校の未開放施設一一の中からそれぞれ八施設、二施設の合計一〇施設を抽出して利用状況等を調査した結果、これらの中には、夜間及び休日には児童・生徒の利用がなく、しかも地域住民等から開放要望があることから開放を行うことが必要と認められるものがある。

したがって、文部省は、国立大学の体育施設の開放を積極的に促進する観点から、国立大学に対し、市町村教委等との連携の強化を図りつつ、次の措置を講ずるよう指導する必要がある。

[cir1 ] 開放することとしている体育施設については、市町村広報紙等に開放する時間帯等を明示することにより地域住民に対する開放の周知を行い、開放の促進を図ること。

[cir2 ] 開放していない体育施設については、学生等の利用状況及び地域住民の開放要望を的確に把握して、開放の促進を図ること。

三 国体の運営の改善

(一) 国体の開催に係る基本的な共通ルールの策定

国体は、広く国民の間にスポーツを普及して、アマチュアリズムとスポーツ精神の高揚及び国民の健康増進と体力の向上を図り、併せて地方スポーツの振興と地方文化の発展に寄与するとともに、国民生活を明るく豊かにするとの目的の下に、国民の体育・スポーツの祭典として、昭和二一年に京阪神地域で第一回大会が開催され、その後都道府県持ち回り方式で毎年開催されており、昭和六三年の第四三回京都大会からは二巡目に入っている。この間、財団法人日本体育協会(以下「日体協」という。)及びその加盟競技団体は国体の基礎を築くとともにその発展に大きな役割を果たしてきている。

毎年開催される各国体は、スポーツ振興法第六条第一項の規定により、日体協、国(文部省)及び開催地の都道府県が共同して開催することとされている。文部省は、各国体の主催者の一つであるほか、文部省設置法(昭和二四年法律第一四六号)、スポーツ振興法等によりスポーツ行政の主管省、日体協及び日体協加盟の各競技団体に対する指導監督官庁並びに都道府県に対する指導・助言・援助機関としての役割を担っている。

しかしながら、今回、国体に係る文部省の措置状況等を調査した結果、次のような問題が認められる。

ア 基本的な共通ルールの決定等

開催地都道府県の決定の仕組み、実施し得る競技の種類・範囲、参加人員(役員及び各競技ごとに参加し得る監督・選手の数)の上限、各競技ごとに必要となる施設の基準等各国等を通ずる基本的な共通ルール(以下「基本的な共通ルール」という。)の策定等については、次のとおり、日体協が主体となっており、文部省はその役割を十分果たしていない。

[cir1 ] 基本的な共通ルールは、日体協がその内部規定である「国民体育大会開催基準要項」(昭和三〇年一月一七日制定、最新改訂昭和六三年八月二四日第一三次改訂、以下「日体協基準要項」という。)として定めており、また、二巡目以降の国体の在り方についての検討も日体協が行い、その結果に基づき成年二部制の導入、採点方法の変更等について日体協基準要項の改訂を行っている。

[cir2 ] 日体協基準要項の内容をみても、次のとおり、三者共催の趣旨に即していないものがある。

((1)) 国体の開催地については、日体協が国体の開催を希望する都道府県から提出される開催申請書を調査審議の上、文部省と協議して内定及び決定する(日体協基準要項一二項一号)。

((2)) 開催地が二県以上にまたがる場合の開・閉会式会場及び競技会場地の決定については、当該都道府県が協議の上、日体協の承認を得なければならない(同六項三号)。

((3)) 開催地都道府県実行委員会は、各国体の開催に係る予算・決算、施設計画等について、日体協と協議し承認を得なければならない(同二三項四号)。

[cir3 ] 昭和四八年に国体の社会体育の行事としての性格を明確にし、実施競技種目を弾力的に選択する等の基本的な共通ルールの改訂が行われたが、これも日体協が日体協基準要項の改訂という形で行い、文部省の措置としては、これを受けて都道府県知事等に対し日体協基準要項改訂の趣旨の解説及びその徹底を図るための通知を行うにとどまっている。

イ 施設基準の運用等の状況

国体の開催に当たって必要となる競技施設については、各競技ごとにその規模、数等の基準が日体協基準要項に基づく細則において「施設基準」として定められており、日体協加盟の各競技団体は、通常、国体開催年の五年前ごろまでに、開催予定の都道府県の現地視察を行い、施設基準を満たす施設の有無等について点検し、必要に応じ都道府県に対し施設の整備を要請している。

今回、昭和五三年から平成三年までの間に国体を開催し又は開催を予定している都道府県(調査対象としなかった滋賀県(第三六回大会)を除く。以下同じ。)における国体用競技施設の整備状況を調査した結果、次のとおり、施設基準の見直しが行われていない等の状況が認められる。

[cir1 ] 競技種別の変更(教員の部の廃止)に伴い施設基準の見直しが必要となっているものがあるにもかかわらず、長期間これが行われていない。このため、競技施設の中には、競技団体からの要請もあり都道府県が施設基準どおりの施設を整備したものの、競技には利用されていないものがある。

[cir2 ] 国体用競技施設の中には、次のとおり、施設基準を上回る整備を余儀なくされているものがある。

((1)) 施設基準に基づく施設により競技を実施することが可能であるにもかかわらず、競技団体が施設基準を上回る施設の整備を要請し、都道府県が当該要請どおりの施設を整備したものの、国体終了後、その維持管理に相当の経費を要することから当該施設を撤去しているものがある。

((2)) 二巡目国体から行うこととされた採点方法の変更や成年二部制の導入に当たっては、これらにより参加人員及び施設の増をもたらさないこととされているが、競技団体の中には、i採点方法の変更に伴い、総合成績への寄与度を考慮して、競技種目数を増加させているもの、また、ii成年二部制の導入に当たって、従来の参加人員の範囲内ではあるものの選手数を増加させているものがあり、このため、それぞれ都道府県において当該施設基準を上回る施設の整備を余儀なくされているものがある。

[cir3 ] 国体用競技施設については、できるだけ既存施設を活用するとともに、施設基準の運用に当たっては、現地の実情・特性に即して弾力的に行うこととされている。都道府県の中には、その有する既存施設が施設基準を満たしておらず、また、その増設も立地上不可能となっているところがあり、一日程度の日程延長で対応しようとしたものの、競技団体が施設基準どおりの施設を整備するよう要請しているため、その対応に苦慮しているものがある。

したがって、文部省は、次の措置を講ずる必要がある。

[cir1 ] 日体協及び都道府県の代表と協議の上、国体の開催に係る基本的な共通ルールを定めること。

[cir2 ] 施設基準を始め基本的な共通ルールについて、日体協及び都道府県の代表と協議の上、必要に応じて見直しを行うとともに、その運用の適正化を図ること。

(二) 国体の開催に伴う学校教育への支障の防止

国体の開催地都道府県においては、従来から、国体の開催に当たり、集団演技等の練習を通じて協調性の養成等教育的効果が期待できるとして開・閉会式の集団演技等に児童・生徒を参加させており、また、中には、選手強化方策の一環として有望選手を体育教員に採用しているものがある。文部省は、これらの実施に当たっては、学校教育や教員の人事計画への支障や悪影響を防止するため、過度にわたることのないよう配慮することを一部の開催地都道府県教委等に対して指導している。

しかし、今回、児童・生徒の集団演技のための練習に係る指導の実施状況及び体育教員の採用状況を調査した結果、なお次のような問題が認められる。

[cir1 ] 昭和六〇年から昭和六三年までに国体を開催している四府県における児童・生徒の集団演技のための練習に係る指導の実施状況をみると、通常、国体開催年の前年一年間は一か月に一~二回、開催当年の半年間は一週間に一~二回程度実施しており、これら府県の中には、小学生については開・閉会式会場の所在する市内の五年生児童の全員を対象として集団演技への参加希望者を募集した上、授業に支障が生じないよう希望者を授業時間外に集めて実施しているものもあるが、その他の県にあっては、集団演技に参加する小・中学校を割り当て、当該小・中学校では集団演技のための練習に係る指導を授業時間中に行っている。その結果、抽出調査した学校では、いずれも、学校教育法施行規則(昭和二二年文部省令第一一号)第二四条の二及び第五四条において各教科、道徳及び特別活動ごとに定められている標準授業時数を充足していない教科等があり、中には、その不足時数の合計が八五に達している学校がある。

なお、国体開催予定の都道府県教委は、市町村教委を通じ集団演技に参加する各学校に対し、先催県の例に倣って、集団演技のための練習に係る指導に充てることができる教科等については体育及び特別活動を示し、また、その授業時数については開催前年及び開催当年を通じ合計四七~五五時間とするよう指導しているが、各学校では、この時数を大きく上回って実施しており、しかも、上記体育及び特別活動以外の各教科等の授業時数に食い込んでいる。

[cir2 ] 昭和五三年から昭和六三年までに国体を開催した府県(一〇)における体育教員の採用状況をみると、国体開催年の前後において、体育教員の採用者数に変動がないもの(三府県)がある一方、特に国体開催の前年又は当年において国体に出場予定の選手を体育教員として多数採用し、国体後においては採用者数が激減しているもの(三県)がある。これらの県の中には、教員として多数採用しておりながら、これらを教育現場に配置することができず、国体事務局等に配置しておき体育教員の退職等に伴う欠員の発生を待って、教育現場に配置替えを行うこととしているもの、国体終了後五年間にわたり中学校・高等学校を通じての新規採用が一人にとどまっているなど体育教員の年齢層に断層が生じているものがある。

したがって、文部省は、国体開催に伴う学校教育や教員の人事計画への支障や悪影響を防止する観点から、都道府県教委に対し、次の措置を講ずるよう指導する必要がある。

[cir1 ] 国体の開・閉会式の集団演技への児童・生徒の参加については、各教科等の標準授業時数の遵守を図るため、市町村教委に対し、各学校における集団演技のための練習に係る指導を国が定める教育課程の基準の範囲内で適切に行うよう指導すること。

[cir2 ] 国体の開催に際しての教員の採用については、教員の人事計画等に支障を与えることのないようなお一層配慮すること。

別添

スポーツ振興対策に関する行政監察結果報告書―生涯スポーツを中心として―

平成二年四月

総務庁行政監察局

前書き

スポーツは、個人の心身の健全な発達に資するとともに、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に寄与する重要な役割を果たすものである。その態様としては、[cir1 ]国民一人一人が生涯にわたり健康で明るく充実した生活を送るために日常生活の中で実施する生涯スポーツ、[cir2 ]オリンピック、国際的な競技大会などに参加するような第一線選手又はこれを目指す青少年が記録等に挑む競技スポーツ及び[cir3 ]児童、生徒及び学生が学校教育の一環として心身の発達状況に応じて行う学校体育・スポーツの三つがある。

このうち、生涯スポーツについては、近年、余暇時間の増大や生活水準の向上、人口の高齢化等に伴い、国民のスポーツ活動に対するニーズが多様化・高度化し、健康に対する関心も高まってきており、国は、その振興を図るため、従来から、地方公共団体が実施する各種スポーツ振興事業、スポーツ施設の整備及び学校体育施設の開放に対する補助、スポーツ指導者の養成等により、国民があらゆる機会とあらゆる場所においてスポーツに親しむことができるような諸条件の整備を進めてきている。国民体育大会(以下「国体」という。)は、国民の各層を対象とする体育・スポーツの祭典として、昭和21年に第1回大会が京阪神を中心とする地域で、その後各都道府県持ち回り方式で順次開催され、昭和63年の第43回京都大会からは二巡目に入っている。

一方、生涯スポーツについては、これに対する国民のニーズ等を踏まえ、各種振興事業の効果的実施、スポーツ施設の効率的整備及び有効利用の促進、学校体育施設等の開放の一層の促進、国体の在り方の見直し等が各方面から要請されている。

この監察は、このような状況を踏まえ、生涯スポーツの振興を図る観点から、生涯スポーツ振興事業、スポーツ施設の利用者サービス、スポーツ施設の整備、学校体育施設の開放、国体の開催等の状況を調査し、関係行政の改善に資することを目的として実施したものである。

目次

第1 監察の目的等

第2 監察結果

1 生涯スポーツ振興対策の見直し

(1) 地域における生涯スポーツ振興事業の効果的実施

(2) スポーツ施設の利用者サービスの向上

(3) スポーツ施設の重点的・効率的整備

2 学校体育施設の開放の促進

(1) 公立小・中学校の体育施設の開放の促進

(2) 国立大学の体育施設の開放の促進

3 国体の運営の改善

(1) 国体の開催に係る基本的な共通ルールの策定

(2) 国体の開催に伴う学校教育への支障の防止

第1 監察の目的等

1 目的

国民が生涯にわたり日常生活の中で実施する生涯スポーツについては、国民のスポーツ活動に対するニーズの高まり等に対応して、その振興を図ることが重要となっている。国は、各種スポーツ振興事業、スポーツ施設の整備、学校体育施設の開放、国体の開催等諸条件の整備を進めてきているが、これらの施策については、その効率的な実施や在り方の見直し等が要請されている。

この監察は、このような状況を踏まえ、生涯スポーツの振興を図る観点から、生涯スポーツ振興事業、スポーツ施設の利用者サービス、スポーツ施設の整備、学校体育施設の開放、国体の開催等の状況を調査し、関係行政の改善に資することを目的として実施したものである。

2 対象機関

文部省、農林水産省、労働省、建設省

国立大学(大学15、附属小・中学校31)

都道府県(22)、都道府県教育委員会(21)、市町村(79)、市町村教育委員会(115)、公立小・中学校(66)、関係団体等

3 担当部局

行政監察局

管区行政監察局 7局(北海道(旭川行政監察分室を含む。)、東北、関東、中部、近畿、中国四国、九州)

四国行政監察支局

行政監察事務所 12事務所(栃木、群馬、山梨、長野、奈良、鳥取、島根、徳島、高知、長崎、宮崎、沖縄)

4 実地調査時期

昭和63年7月~9月

第2 監察結果

1 生涯スポーツ振興対策の見直し

(1) 地域における生涯スポーツ振興事業の効果的実施

(勧告)


国民一人一人が生涯にわたり日常生活の中でスポーツに親しむことは、健康の保持増進と体力の向上に役立つだけでなく、明るく豊かで生きがいのある生活を営む上で重要となっている。

文部省は、地域住民が日常生活においてスポーツ活動を積極的に行い生涯にわたりスポーツに親しむことを助長する観点から、生涯スポーツ推進事業として、市町村教育委員会(以下「市町村教委」という。)がスポーツ活動を推進するための7種の事業(以下「メニュー事業」という。)の中から特定のものを選定して実施する場合に、これに要する運営経費の一部(2分の1以内)を都道府県教育委員会(以下「都道府県教委」という。)を通じて補助(昭和63年度予算額3億8,696万円)するほか、市町村教委における社会体育指導体制の整備・充実を図るため、社会体育指導者派遣事業として、都道府県教委が市町村教委に社会体育指導者を派遣する場合に、これに要する経費の一部(10分の4相当)を交付(昭和63年度予算額11億5,920万円)している。

ア 生涯スポーツ推進事業

本事業の各メニュー事業は、いずれも、それぞれの事業目的に即した少年、親子、高齢者、婦人等各層の地域住民を対象として、スポーツ教室、スポーツ大会、スポーツ指導者講習会等を開催する方式により実施することとされている。

今回、20都道府県内において昭和61年度又は昭和62年度に本事業を実施している281市町村教委の中から50市町村教委を抽出してその実施状況を調査した結果、文部省が事業運営上の指針等を示していないこともあって、次の状況が認められる。

[cir1 ] 調査対象とした市町村教委の中には、各メニュー事業の対象者から参加を希望するスポーツの種目やスポーツ教室等の開催時期等につきあらかじめ要望を聴取するとともに、これらを基に計画したスポーツ教室等の開催周知を学校を通じるなど多様な方法により行っていること等から相応の事業効果を上げているものがある一方で、このような有効な諸措置を講じていないため、次のとおり、事業効果を上げていないものがある。

((1)) 少年スポーツ活動育成事業、親子スポーツ活動推進事業等は、それぞれ、これまでスポーツ活動への参加の機会が少なかった少年や意欲の乏しい少年、親子等を対象とするものであるが、これらの事業の中には、野球教室、少年体力テスト会等の参加者が既にスポーツ活動に慣れ親しんでいるスポーツ少年団の団員によって占められているもの、親子を対象とした歩くスキー講習会の参加者が成人のみとなっているもの等がある。

((2)) 各メニュー事業により実施したスポーツ教室等の中には、野外活動(キャンプ)の参加予定人員を35人と見込み10人の講師を派遣したものの、参加者が9人にすぎなかったもの等その運営が非効率となっているものがある。

[cir2 ] ビーチボールを利用したビーチバレー、グラウンド・ゴルフ等は、高齢者や婦人に適したスポーツ種目であることから、高齢者スポーツ活動推進事業等により実施されるスポーツ教室等において対象種目として取り入れられることが期待されている。市町村教委の中には、スポーツの実技指導等を行うことを任務とする体育指導委員により、あらかじめ各地区においてこれらスポーツへの関心を喚起させるためのPRを行った上でスポーツ教室を開催し、参加者が計画を上回る成果を上げているものがある一方で、このような事前のPR活動を行わないまま、これらスポーツ種目を内容とするスポーツ教室等を計画したため、参加希望者がなく中止せざるを得なくなっているものがある。

[cir3 ] 少年スポーツクラブ育成事業は、市町村教委が指導者を派遣する等により少年スポーツクラブ等を育成し、活発な少年スポーツ活動を定着化させることを目的としている。このため少年スポーツクラブ等に指導者を派遣した場合には、派遣期間中に後継の指導者となるべきリーダーを養成するなどにより派遣終了後も引き続き当該クラブの活動を継続させることが重要であるが、市町村教委の中には、後継の指導者となるべきリーダーの養成が十分でなく、また、新規会員を確保するための働きかけも不十分なため、指導者の派遣終了後少年サッカークラブ等が消滅しているものがある。

イ 社会体育指導者派遣事業

本事業は、市町村教委の社会体育指導体制の整備・充実を図ることを目的とするものであることから、市町村教委任用の社会教育主事(以下「市町村スポーツ主事」という。)が配置されていない市町村教委に社会体育指導者を派遣する場合には、一定の派遣期間中にその任用を確保することが重要である。

しかし、文部省は、都道府県教委に対し、計画的なローテーションを組むなどにより社会体育指導者の派遣先を順次他の市町村教委に展開していくよう指導してはいるが、その派遣期間については明示していない。

今回、10都道府県教委を抽出し、社会体育指導者派遣事業の実施状況を調査した結果、次のとおり、本事業の趣旨がいかされていない状況が認められる。

[cir1 ] 都道府県教委の中には、社会体育指導者の派遣中及び派遣後における派遣先市町村教委での市町村スポーツ主事の任用状況を把握していないものがある。

[cir2 ] 都道府県教委別に抽出市町村教委における市町村スポーツ主事の任用状況をみると、都道府県教委の中には、社会体育指導者の派遣期間を3年間とし、派遣先の市町村教委に対し機会あるごとにその任用を要請したり、派遣期間を若干延長するなどにより市町村スポーツ主事の配置を促進しており、その任用が進ちょくしているものがある一方で、市町村教委に対する指導が徹底していないため、派遣先市町村教委のほとんどすべてにおいて市町村スポーツ主事が任用されていないなどその任用が低調となっているものがある。

[cir3 ] 社会体育指導体制が整備されておらず社会体育指導者の派遣を受けていない市町村教委がありながら、同一市町村教委への派遣期間が11年になるなど長期化しているものがある。

したがって、文部省は、地域における住民各層のスポーツ活動の振興を図る観点から、次の措置を講ずる必要がある。

[cir1 ] 生涯スポーツ推進事業については、成果を上げている例を参考として、地域住民のスポーツ活動に関する需要把握やスポーツ教室等の効果的な運営方法等についての標準的な指針を作成するとともに、都道府県教委を通じ市町村教委に対し、同指針に基づき、各メニュー事業の目的に沿った効果的な実施を図るよう指導すること。

[cir2 ] 社会体育指導者派遣事業については、その趣旨の徹底を図るため、補助要綱等により標準的な派遣期間を設定するとともに、都道府県教委に対し、次の措置を講ずるよう指導すること。

ア 各市町村教委における社会体育指導体制の整備状況を的確に把握した上、社会体育指導者の派遣計画を策定し、社会体育指導体制の整備・充実を図る必要性の高い市町村教委へ派遣すること。

イ 派遣先市町村教委に対し、上記派遣期間内に市町村スポーツ主事を任用するよう指導すること。

(説明)

ア 体育・スポーツ振興事業等の概要

地域住民が自らの健康、体力を維持増進し活力ある生活を営み、明るく豊かな地域社会を築くためには、日常生活におけるスポーツ活動を積極的に推進し、生涯を通じスポーツに親しめるようこれを助長するための総合的な施策を進めることが重要である。

文部省は、表1に掲げるとおり、都道府県教委又は市町村教委が行う諸事業の実施に要する経費の一部を補助している。

表1 文部省補助による体育・スポーツ振興事業等の概要


補助事業名

事業の趣旨

事業主体

昭和63年度予算額

1 社会体育指導者派遣事業

都道府県教委が市町村教委の求めに応じて社会体育指導者を派遣する事業

都道府県教委

1,159,200千円

(4/10相当)

2 体育・スポーツ振興事業

 

 

1,189,054

369,231

(定額)

(1) 一般事業

ア 学校体育施設開放運営者研修等事業

イ 地域スポーツ推進情報提供事業

ウ 都道府県競技力向上ジュニア対策事業

エ 格技指導者養成事業

オ 学校体育実技認定・指導事業運動部活動指導者派遣事業

カ 中学校・高等学校スポーツ活動振興事業

キ 全国レクリエーション大会及び全日本ユースラリー

スポーツ指導者等の確保と資質の向上を図るための各種の講習会・研修会の開催及びスポーツ施設の利用方法に関する情報を提供する事業等

都道府県教委

(2) 生涯スポーツ振興事業

 

市町村教委

819,823千円

351,405

(1/3)

ア 学校体育施設開放事業

地域住民のスポーツ活動の場として、学校体育施設を有効に利用するために行う事業(管理指導員謝金)

 

イ 生涯スポーツ推進事業

(ア) 少年スポーツ活動育成事業

(イ) 少年スポーツクラブ育成事業

(ウ) 親子スポーツ活動推進事業

(エ) 高齢者スポーツ開発事業

(オ) 高齢者スポーツ活動推進事業

(カ) 婦人スポーツ活動推進事業

(キ) 勤労青少年スポーツ活動推進事業

地域住民が生涯にわたりスポーツに親しみ、健康・体力の維持増進を図ることを目的として市町村が行う幼児から高齢者を対象にしたスポーツ活動事業

 

389,956

(1/2以内)

 

 

 

 

 

ウ アジア地域スポーツ交流事業

市町村住民とアジア諸国の国民との間で市民レベルのスポーツ交流大会等を行う事業

 

 

81,462

(1/2以内)

エ 地域スポーツクラブ連合育成事業

地域のスポーツクラブを有機的に連合させた組織づくりを行う事業

 

 

(1/3以内)

 

 

 

 

 

(注)

1 文部省の資料による。

2 「補助事業名」欄中、2―(2)のア~エの各事業は、メニュー事業であり、これらの中から選定された事業に係る国庫補助金の額が1市町村当たり合計100万円以上であることが補助要件となっている。

3 「昭和63年度予算額」欄の( )内は、補助率である。

イ 生涯スポーツ推進事業の見直し

(ア) 事業の概要

生涯スポーツ推進事業は、市町村教委が行う幼児から高齢者までの各層の住民を対象にして実施するスポーツ活動事業の実施に要する経費の一部を補助するものであり、地域住民が生涯にわたりスポーツに親しみ、健康、体力の維持増進を図ることを目的としている。

同事業は、表2のとおり、7種のメニュー事業からなっており、各メニュー事業の具体的な内容は、推進会議の開催、広報活動の実施及び指導者講習会の開催等のほか、少年、親子、高齢者等それぞれの事業目的に即した各層の地域住民を対象とした各種のスポーツ教室やスポーツ大会の開催などとなっている。

市町村教委は、これらのメニュー事業の中から希望する1又は複数の事業を選定し実施することとされている。

表2 生涯スポーツ推進事業の内容


事業名

事業目的

具体的な内容

補助対象経費等

少年スポーツ活動育成事業

これまでスポーツ活動への参加の機会が少なかった少年や、意欲の乏しい少年を対象に、スポーツ活動に親しむための態度を培うこと。

・少年スポーツ活動育成会議

・広報活動

・指導者研修会

・各種スポーツ教室

・各種スポーツ大会

・野外活動

・補助対象経費講師等の謝金、旅費、賃金、消耗品費、印刷製本費、通信運搬費、借料及び損料、スポーツ用具費(備品費は除く。)、会議費、その他事業の実施に直接必要な経費

・補助金の額補助対象経費の2分の1以内の額

少年スポーツクラブ育成事業

発育盛りの少年を対象としたスポーツ活動を計画的、継続的なものとするため、スポーツクラブ等を育成し、活発な少年スポーツ活動を定着化すること。

・指導者研修会

・少年スポーツクラブへの指導者派遣事業

・スポーツ交流大会(野外活動を含む。)

・少年スポーツクラブ活動促進事業

親子スポーツ活動推進事業

子供の基礎体力つくりに親が参加し、心身ともにたくましい子供を育成するとともに、親子の交流を深めること。

・親子スポーツ活動研究・推進会議

・広報活動

・指導者研修会・養成講習会

・各種スポーツ教室(親子にふさわしい試行教室を含む。)

・親子のスポーツ交歓大会

・親子の野外活動

高齢者スポーツ開発事業

高齢者にふさわしい多様なスポーツ活動の機会を提供するため、高齢者の体力を考慮し、興味・関心を充足する適切なスポーツ種目を開発すること。

・高齢者スポーツ開発・推進会議

・広報活動

・指導者研修会・養成講習会

・各種スポーツ教室(試行種目による教室を含む。)

・各種スポーツ大会

・健康・体力相談事業

 

高齢者スポーツ活動推進事業

高齢者の健康・体力の維持増進と社会的交流を深めるため、高齢者の多様なニーズに応じたスポーツ活動を実施すること。

・高齢者スポーツ活動推進会議

・広報活動

・指導者研修会・養成講習会

・各種スポーツ教室

・各種スポーツ大会

・健康・体力相談事業

 

婦人スポーツ活動推進事業

婦人の健康・体力の維持増進と社会的交流を深めるため、婦人の多様なニーズに応じたスポーツ活動を実施すること。

・婦人スポーツ活動推進会議

・広報活動

・指導者研修会

・各種スポーツ教室

・各種スポーツ大会

・健康・体力相談事業

 

勤労青少年スポーツ活動推進事業

勤労青少年の体力の向上と生涯を通してスポーツに親しむ態度の育成を図るため、勤労青少年の多様なニーズに応じたスポーツ活動を実施すること。

・勤労青少年スポーツ活動推進会議

・広報活動

・指導者研修会

・各種スポーツ教室

・各種スポーツ大会

・勤労者スポーツ活動促進事業

 

(注) 文部省の資料による。

(イ) 事業の実施状況

昭和60年度から昭和63年度までの間において生涯スポーツ推進事業を実施した市町村教委数は、表3のとおりで、スポーツ活動への参加の機会が少ない少年を対象とする少年スポーツ活動育成事業及び家庭にとじこもりがちの婦人を対象とする婦人スポーツ活動推進事業を実施している市町村教委が多い状況となっている。

表3 生涯スポーツ推進事業のメニュー事業別実施状況(全国)

(単位:市町村教委)


 

年度

昭和60

61

62

63

事業名

 

 

 

 

 

少年スポーツ活動育成事業

207

229

242

250

少年スポーツクラブ育成事業

109

76

78

81

親子スポーツ活動推進事業

123

129

134

137

高齢者スポーツ開発事業

5

7

4

5

高齢者スポーツ活動推進事業

82

82

84

94

婦人スポーツ活動推進事業

220

236

219

214

勤労青少年スポーツ活動推進事業

62

76

74

76

計(事業実施延べ市町村教委数)

808

835

835

857

(注) 文部省の資料による。

今回、20都道府県内において昭和61年度又は昭和62年度に生涯スポーツ推進事業を実施した281市町村教委の中から50市町村教委を抽出して各教委におけるメニュー事業の実施状況を調査した結果、表4のとおり、親子スポーツ活動推進事業、少年スポーツ活動育成事業、少年スポーツクラブ育成事業及び婦人スポーツ活動推進事業が多く実施されている。

表4 抽出調査対象50市町村教委における生涯スポーツ推進事業のメニュー事業別実施状況

(単位:市町村教委)


事業名

昭和61年度

62年度

事業実施市町村教委数

少年スポーツ活動育成事業

16

15(12)

19

少年スポーツクラブ育成事業

17

15(13)

19

親子スポーツ活動推進事業

20

21(16)

25

高齢者スポーツ開発事業

2

3(2)

3

高齢者スポーツ活動推進事業

9

8(5)

12

婦人スポーツ活動推進事業

15

13(9)

19

勤労青少年スポーツ活動推進事業

8

9(8)

9

本事業の実施市町村教委数

延数

87

84(65)

106

実数

45

43(38)

50

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 「昭和62年度」欄の( )内は、昭和61年度にも同メニュー事業を実施した市町村教委数であり、内数である。

3 「事業実施市町村教委数」欄には、昭和61年度及び昭和62年度に当該メニュー事業を実施した市町村教委数と昭和61年度又は昭和62年度に当該メニュー事業を実施した市町村教委数の合計を計上した。

抽出調査した50市町村教委における本事業の実施状況をみると、次の事例のとおり、市町村教委が各メニュー事業の対象者から参加を希望するスポーツの種目やスポーツ教室等の開催時期等につきあらかじめ要望を聴取した上事業計画を策定するとともに、スポーツ教室等の開催周知を学校を通じるなど多様な方法により行っていること等から、相応の事業効果を上げているものがある。

〔事例〕

E県E1市教委は、昭和61年度及び昭和62年度に親子スポーツ活動推進事業を実施している。同事業の実施に当たって同市教委では、体育指導委員があらかじめ各地区ごとに子供会やPTAの役員から実施を希望する種目及び希望する実施時期を聴取して事業計画を策定しており、また、同事業実施の周知は、[cir1 ]月2回発行の市広報紙への募集要領の掲載、[cir2 ]募集ポスターや要領の公民館及び市内のスポーツ店への掲示、[cir3 ]市内の小学校、中学校、幼稚園及び保育園への趣旨説明とともに協力要請、[cir4 ]子供会及びPTAの役員に対する協力要請など多様な方法により行っている。この結果、昭和62年度における参加者は、表5のとおり、各教室等とも相当多いものとなっている。

表5 親子スポーツ教室等の実施状況


教室等名

内容

期間

時間数

参加者数

親子水泳教室

・足かけキック→バタ足→25mクロール

5日間

10時間

46組

107人

親子リズム体操教室

・リズム遊び

3

10

17組

38人

親子バドミントン教室

・ラケットの握り方→初歩のゲーム

5

10

15組

30人

地区別親子スポーツ教室

・e4地区

 

 

 

 

ミニテニス教室等

・ミニテニス、グラウンド・ゴルフ等

8

16

113組

・e5地区

 

 

 

 

軽スポーツ教室

・伸び伸びストレッチング、エアロビクス体操等

4

8

27組

 

小学校5年生親子スポーツ教室

・グラウンド・ゴルフ等

1

5

150組

・e6地区

 

 

 

 

軽スポーツ教室

・グラウンド・ゴルフ等

5

10

30組

・e7地区

 

 

 

 

バドミントン教室

・バドミントン、ミニテニス

5

10

40組

・e7地区

 

 

 

 

軽スポーツ教室

・グラウンド・ゴルフ、ミニテニス等

5

10

230組

・e8地区

 

 

 

 

軽スポーツ教室

・グラウンド・ゴルフ等

5

10

30組

・e9地区

 

 

 

 

軽スポーツ教室

・グラウンド・ゴルフ等

5

10

延べ211組

三世代ハイキング(テクテク大会)

e10山周辺ハイキング

1

150人

親子バスハイキング

e11公園周辺ハイキング

1

56組

147人

(注) 当庁の調査結果による。

一方、文部省が事業運営上の指針を示しておらず、また、上記のような有効な諸措置が講じられていないことから、13市町村教委において、次のとおり、事業効果が上がっていないものが認められる。

[cir1 ] スポーツ教室及びスポーツ大会の参加者が事業目的に即した者となっていないもの

〔事例1〕

少年スポーツ活動育成事業は、これまでスポーツ活動への参加の機会が少なかった少年や意欲の乏しい少年を対象としてスポーツ活動に親しむための態度を培うことを目的としており、あらかじめ学校を通ずるなどして、これらの者が希望するスポーツ種目やスポーツ教室・スポーツ大会の開催時期等を把握した上で実施することが重要である。

しかし、A県A1町教委は、昭和62年度に、スポーツ活動への参加の機会が少ない少年等からの要望を把握することなく、しかも、一般の小・中学生に参加を呼びかけるよりもスポーツ少年団を対象とした方が参加が得られやすく運営も容易であることを理由として、少年体力テスト会を「スポーツ少年団運動適性テスト」とし、少年スポーツ秋季体育祭を「スポーツ少年団秋季体育祭」として実施している。このため、少年体力テスト会にあっては参加者150人のうち134人(89.3パーセント)が、少年スポーツ秋季体育祭にあっては270人のうち253人(93.7パーセント)がスポーツ少年団の団員で占められている。

〔事例2〕

P県P1町教委は、昭和61年度に少年スポーツ活動育成事業として剣道教室及び野球教室を開催しているが、スポーツ活動への参加の機会が少ない少年等の要望を把握することなく、しかも、参加者の募集に当たり少年であれば誰でも自由に参加できることとしたため、剣道教室にあっては37人のうち34人が、また、野球教室にあっては38人全員が、それぞれスポーツ少年団員によって占められている。

〔事例3〕

親子スポーツ活動推進事業は、子供の基礎体力つくりに親が参加し、心身ともにたくましい子供を育成するとともに、親子の交流を深めることを目的としており、その対象者は親子とされている。

A県A2町教委は、昭和62年度に同事業として、参加予定人員を親子20人と見込んで「歩くスキー講習会」を開催したが、当地域は比較的降雪量が少なく歩くスキーがあまり普及していないこと及びスキー用具持参を参加の条件としたことから、参加者は成人のみ(8人)となっている。

〔事例4〕

M県M1町教委は、昭和61年度に勤労青少年を対象とする勤労青少年スポーツ活動推進事業としてソフトボール大会を開催しているが、関係者に対する周知措置が十分でないため、勤労青少年の参加がなく、中学生及び高校生のみが参加している。

[cir2 ] 計画に比べ参加者が著しく少なく非効率な運営となっているもの

抽出調査した50市町村教委が生涯スポーツ推進事業として実施しているスポーツ教室、スポーツ大会、指導者講習会等について、各市町村教委が見込んだ参加予定人員と参加人員とを対比すると、表6のとおり、参加予定人員に対し参加人員が50パーセントに満たないものが11件(7市町村教委)ある。

表6 参加予定人員に対し参加人員が50パーセントを下回るもの

(単位:人、%)


事業名

教室等名

市町村教委名

参加予定人員(A)

参加人員

(B)

割合(B/A)

備考

少年スポーツ活動育成事業

バレーボール教室

C県C1市

50

15

30

昭和61年度

バレーボール教室

C県C1市

50

15

30

昭和62年度

 

軟式テニス教室

S県S1町

20

6

30

 

少年スポーツクラブ育成事業

野外活動

R県R1町

35

9

25.7

 

指導者講習会

V県V1町

36

11

30.6

 

親子スポーツ活動推進事業

親子ボール教室

H県H1村

60

24

40

 

親子臨海学級

L県L1村

100

35

35

 

 

親子ハンドボール教室

O県O1市

60

14

23.3

昭和61年度

 

親子ハンドボール教室

O県O1市

60

18

30

昭和62年度

婦人スポーツ活動推進事業

ジャズダンス教室

C県C1市

40

16

40

 

勤労青少年スポーツ活動推進事業

バドミントン教室

R県R1町

60

18

30

 

(注) 当庁の調査結果による。

これらのうち、市町村教委が見込んだ参加者予定人員に対する参加人員の割合が30パーセント程度(参加人員が10人程度)のものの例は、次のとおりである。

〔事例1〕

R県R1町教委は、昭和62年度に少年スポーツクラブ育成事業として、スポーツ少年団の交歓大会(「野外活動」(キャンプ))を開催しているが、計画では参加予定人員を35人と見込み、これに対応して10人の講師を派遣したものの、少年からの要望の把握が十分でないため参加者は9人と少なく、同事業の運営は非効率となっている(所要経費:他の3クラブの合宿における指導を含めた講師に対する謝金5万円)。

〔事例2〕

S県S1町教委は、昭和62年度に少年スポーツ活動育成事業として、参加予定人員を小・中学生20人と見込んで軟式テニス教室を開催(6回開催 所要経費:講師に対する謝金3万6,000円)しているが、同町広報紙に募集要領を掲載してはいるものの、他に有効な働きかけを行っていないため、参加者は6人にとどまっている。

〔事例3〕

V県V1町教委は、昭和61年度に少年スポーツクラブ育成事業として、参加予定人員を36人と見込んで少年スポーツクラブ指導者講習会を開催(所要経費:講師に対する謝金3万円)しているが、参加者は体裁を整えるために参加させた同町教委の臨時職員2人を含めて11人にとどまっている。

これは、同町教委における情報収集が十分でなく、当日当該指導者講習会の開催と商工会によるソフトボール大会の開催とが重複したため、参加予定と見込んでいた者の多くが商工会による当該ソフトボール大会に参加したことによるものである。

[cir3 ] 計画したスポーツ教室を実施していないもの

ビーチボールを使用したビーチバレー、グラウンド・ゴルフ、インディアカ等は必ずしも普及はしていないものの、特に高齢者や婦人に適したスポーツ種目であることから、広報及び実技指導等を行うことによりその普及を図ることが期待されている。市町村教委の中には、スポーツの実技指導等を行うことを任務とする体育指導委員により、あらかじめ各地区においてこれらスポーツへの関心を喚起させるためのPRを行った上で、スポーツ教室を開催し、見込んでいた参加予定人員を上回る参加者が得られているもの(事例1参照)がある一方で、このような事前のPR活動を行わないままこれらスポーツ種目を内容とするスポーツ教室を計画したため、参加希望者がなく中止せざるを得なくなっているもの(事例2及び3参照)がある。

〔事例1〕

H県H1市教委は、昭和61年度に婦人スポーツ活動推進事業として、 インディアカ教室を開催している。同市教委の体育指導員は、インディアカ競技への関心を喚起するため、各地区において開催される子供会の役員会やPTAの役員会に出向き、PRを兼ねた実技指導を行っている。同市教委は、実技指導を受けた者からのスポーツ教室の種目に取り入れてほしいとする要望を踏まえてインディアカ教室の開催を計画していることから、見込んでいた参加予定人員(34人)を大きく上回る参加者(75人)が得られている。

〔事例2〕

N県N1町教委は、昭和61年に高齢者スポーツ活動推進事業として、ビーチボールを使用したビーチバレーボール大会、グラウンド・ゴルフ教室及びグラウンド・ゴルフ大会を、ゲートボール大会に引き続いて開催することを計画し、ゲートボール大会参加者がビーチバレーボール大会、グランド・ゴルフ教室及びグランド・ゴルフ大会にも参加すると見込んでいた。しかし、同町内ではビーチバレーボール及びグラウンド・ゴルフがいまだ普及していないにもかかわらず、事前のPR活動を行っていなかったこと等から、参加希望者がなく開催するに至っていない。

また、同町教委は、昭和61年度に婦人スポーツ活動推進事業として、ビーチバレー教室(10回程度の開催を計画)を町民体育祭等の機会に実施することを計画し、町内全世帯にチラシを配布したが、上記と同様、事前のPR活動を行っていなかったこと等から参加希望者が少なく開催するに至っていない。

〔事例3〕

S県S3村教委は、昭和61年度に婦人スポーツ活動推進事業として、インディアカ教室の開催を計画したが、上記事例2と同様の事情から参加希望者がなく開催するに至っていない。

[cir4 ] 少年スポーツクラブの育成及び活動の定着化を目的として指導者を派遣しているものの、当該派遣終了後まもなく同クラブが消滅しているもの

〔事例1〕

少年スポーツクラブ育成事業は、スポーツクラブ等を育成し、活発な少年スポーツ活動を定着化することを目的としている。R県R2市教委は、少年スポーツクラブに指導者を派遣し、派遣期間中に後継の指導者を養成するなどにより派遣終了後も引き続き当該クラブの活動を継続させることを目的として少年スポーツクラブ育成事業を実施している。しかし、同市教委は、表7のとおり、昭和61、62年度にそれぞれ6スポーツクラブに指導者を派遣(指導者派遣に係る謝金は1スポーツクラブ4万円)しているものの、後継の指導者となるべきリーダーの養成が十分でなく、また、新規会員を確保するための働きかけも不十分なため、昭和61年度に指導者を派遣した6クラブのうち4クラブが、62年度に指導者を派遣した6クラブのうち1クラブが、それぞれ昭和63年7月末現在では消滅している。

表7 指導者を派遣した少年スポーツクラブの存続状況


昭和61年度

昭和62年度

少年スポーツクラブ名

加入者数

現存の有無

少年スポーツクラブ名

加入者数

現存の有無

r1サッカークラブ

27人

r6バドミントンクラブ

22人

r2レクレーションクラブ

19

r7サッカークラブ

22

r2バレーボールクラブ

39

r8バレーボールクラブ

21

r3バレーボールクラブ

27

r9サッカークラブ

58

r4水泳クラブ

48

r5サッカークラブ

19

r5体力つくりクラブ

28

r10バレークラブ

25

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 調査時点は、昭和63年7月31日現在である。

〔事例2〕

M県M2町教委は、少年スポーツクラブ育成事業として、昭和61年度に剣道クラブ(指導者派遣に係る謝金1万8,000円)及び卓球クラブ(同謝金3万円)のそれぞれに指導者を派遣しているが、剣道クラブにあっては定例練習日における指導者の確保が困難なため、また、卓球クラブにあっては新規会員を確保するための働きかけが不十分なこともあって、いずれも昭和62年度には消滅している。

〔類似事例〕

[cir1 ] A県A3町教委(a8剣道クラブ)

[cir2 ] T県T1町教委(ソフトボールクラブ)

(ウ) 以上のとおり、抽出調査対象とした50市町村教委のうち13市町村教委において生涯スポーツ推進事業の運営等につき何らかの問題が発生している状況にかんがみ、本事業が所期の目的に即し効果的かつ適正に実施され、その実効を確保するためには、文部省において成果を上げている例を参考として事業運営上のノウハウや留意事項等を盛り込んだ標準的な運営指針を作成することが必要と認められる。

なお、抽出調査対象とした50市町村教委のうち、本事業に係る業務が1人体制の下で行われているものが12市町村教委あり、このうち8市町村教委(66.7パーセント)において上記問題が認められたことからみて、これら1人体制の市町村教委にあって担当職員の配置換えが行われても当該事業の円滑かつ効果的な実施を確保するためには、上記運営指針を作成しこれを市町村教委に提示する必要性は特に高いと認められる。

ウ 社会体育指導者派遣事業の見直し

社会体育指導者派遣事業は、都道府県教委が市町村教委の求めに応じて社会体育指導者(通常、都道府県教委が、中学校又は高等学校の教員の中から選抜している。社会教育主事(下記注参照)の資格を併有する者が多い。)を派遣することにより、市町村教委における社会体育指導体制の整備・充実を図り、地域住民のスポーツ活動の振興に資することを目的として昭和50年度に発足したものであり、文部省は、社会体育指導者の派遣に要する経費(人件費)の10分の4相当額を都道府県教委に対し、交付している。

(注) 社会教育主事は、社会教育法(昭和24年6月10日法律第207号)第9条の2及び第9条の3の規定に基づき、都道府県教委の事務局又は市町村教委の事務局に置かれ、社会教育(スポーツに関する教育を含む。)を行う者に専門的技術的な助言と指導を与えることが職務とされている。

昭和60年度から昭和63年度までの社会体育指導者派遣事業における交付金予算額等の推移は、表8のとおりであり、この数年間、派遣者数はおおむね590人、予算額は約11億6,000万円となっている。

表8 社会体育指導者派遣事業の実施状況

(単位:人、千円)


 

年度

昭和60

61

62

63

区分

 

 

 

 

 

派遣者数

596

590

590

590

予算額

1,159,200

同左

同左

同左

(注) 文部省の資料による。

社会体育指導者派遣事業は、市町村教委における社会体育指導体制の整備・充実を奨励するという性格を有するものであることから、都道府県教委は市町村スポーツ主事(社会教育主事の資格を取得していることが必要)を配置していない等社会体育指導体制が弱体な市町村教委に順次計画的に社会体育指導者を派遣するとともに、社会体育主管課に市町村スポーツ主事が未配置で、かつ、社会体育指導者の派遣を受けた市町村教委にあっては、その派遣期間中に市町村スポーツ主事の任用を確保することが重要であり、社会体育指導者の計画的な派遣のためには、あらかじめ一定の派遣期間を定めて置くことが必要である。

しかし、文部省は、都道府県教委に対し、都道府県教委社会教育主管課長会議(昭和60年)において配布した資料により、社会体育指導者派遣事業の実施に当たっては、計画的なローテーションを組むなどにより派遣先を順次他の市町村教委に展開していくよう指導してはいるが、社会体育指導者の派遣期間については明示していない。

今回、10都道府県教委を抽出し、社会体育指導者派遣事業の実施状況を調査した結果、次のとおり、本事業の趣旨がいかされていない状況が認められる。なお、抽出調査した10都道府県教委における社会体育指導者の派遣状況は、表9のとおりであり、派遣対象市町村教委数809のうち、派遣実績のある市町村教委は503(62.2パーセント)、未派遣市町村教委は306(37.8パーセント)となっており、昭和63年4月1日現在の派遣者数は128人である。

表9 調査対象10都道府県教委における社会体育指導者派遣事業の実施状況


 

区分

派遣対象市町村教委数(A)

派遣実績のある市町村教委数

未派遣市町村教委数

昭和63.4.1現在の派遣者数

昭和59~62年度の単年度当たりの新規派遣市町村教委数(D)

未派遣市町村教委を解消するまでの所要期間(C/D)

都道府県教委

 

派遣済み

派遣中

計(B)

割合(B/A)

市町村教委数(C)

割合(C/A)

A県

212

96

23

119

56.1

93

43.9

26

11.3

9年

B県

71

28

5

33

46.5

38

53.5

8

2.7

15

H県*

87

70

16

86

98.9

1

1.1

16

5.3

1

J県

43

20

6

26

60.5

17

39.5

6

3.0

6

М県*

82

35

8

43

52.4

39

47.6

9

3.0

13

P県*

43

26

10

36

83.7

7

16.3

13

3.2

3

R県*

53

42

8

50

94.3

3

5.7

12

3.5

1

S県*

95

27

7

34

35.8

61

64.2

7

2.7

23

Т県

79

25

7

32

40.5

47

59.5

9

1.5

32

U県*

44

27

17

44

100

0

0

22

3.7

809

396

107

503

62.2

306

37.8

128

39.9

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 昭和63年4月1日現在である。

3 派遣対象市町村教委数は、政令市を除くとともに、都道府県庁所在市等を派遣対象外としている都道府県教委にあってはこれをも除外した。

4 2回目の派遣中の市町村は、「派遣済み」欄に計上した。

5 表側の印は、社会体育指導者の派遣中及び派遣後における派遣先市町村教委での市町村スポーツ主事の任用状況を把握していない都道府県教委であることを示す。

[cir1 ] 都道府県教委は、本事業の趣旨からみて、派遣先市町村教委における市町村スポーツ主事の任用状況を的確に把握しておく必要があるが、都道府県教委の中には、社会体育指導者の派遣中及び派遣後における派遣先市町村教委での市町村スポーツ主事の任用状況を把握していないもの(表9において・印を付した6都道府県教委)がある。

[cir2 ] 今回、抽出調査した10都道府県内の809市町村教委のうち、昭和58年度から昭和62年度までの間に社会体育指導者の派遣が終了した127市町村教委を抽出して社会体育主管課における市町村スポーツ主事の配置状況を調査した結果、表10のとおり、i都道府県教委から市町村教委に対する配置指導が積極的に行われた結果、配置率(派遣先市町村教委数に対する市町村スポーツ主事の配置市町村数の割合)が80パーセントとなっている都道府県教委(A県及びM県)がある半面、ii都道府県教委から市町村教委に対する指導が徹底していないため、配置率が50パーセントに満たない都道府県教委が4あり、これらの中には、派遣先市町村教委のほとんどすべてにおいてスポーツ主事が配置されていないところ(B県)がある。

表10 抽出調査10都道府県の市町村教委における市町村スポーツ主事の配置状況

(単位:市町村教委、%)


 

区分

市町村教委数(A)

左のうち市町村スポーツ主事を配置している市町村教委数(B)

配置率(B/A)

都道府県教委

 

 

 

A県

20

16

80.0

M県

10

8

80.0

T県

29

21

72.4

H県

13

9

69.2

R県

12

6

50.0

P県

11

5

45.5

U県

9

4

44.4

S県

10

2

20.0

B県

7

1

14.3

J県

6

0(注4参照)

0

127

72

56.7

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 (A)欄には、今回抽出調査した10都道府県において昭和58年度から昭和62年度までの間(ただし、T県教委については、昭和50年度から昭和62年度までの間)に社会体育指導者の派遣を受けた市町村教委を計上した。

3 (B)欄は、社会体育主管課に市町村スポーツ主事を配置している市町村教委を計上した。

4 J県教委は、市町村スポーツ主事を配置している市町村教委に社会体育指導者を派遣しており、派遣終了後、当該被派遣者を市町村職員として任用するよう要請しているが、その任用が行われていないものである。

〔事例1〕 市町村教委に対する積極的な働きかけ等により市町村スポーツ主事の配置を促進しているもの

A県教委は、社会体育指導者派遣事業の実施に当たり、派遣期間を3年目途とするとともに、市町村スポーツ主事が配置されていない市町村教委に優先して派遣することとし、昭和62年度までに管内212市町村教委のうち119市町村教委に対し社会体育指導者を派遣(派遣中を含む。)しており、その派遣期間は平均3年1か月となっている。

A県教委は、派遣先の市町村教委に対し、機会あるごとにその任用を要請したり、派遣期間を若干延長するなどにより市町村スポーツ主事の配置を促進しており、昭和61年度又は昭和62年度に派遣を終了した20市町村教委のうち16市町村教委(80.0パーセント)に市町村スポーツ主事が配置されている。

〔事例2〕 市町村教委に対する働きかけが不十分なもの

B県教委は、昭和63年度までに県内の71市町村教委のうち33市町村教委に社会体育指導者を派遣している。このうち昭和60年度又は61年度に派遣を終了した7市町村教委における市町村スポーツ主事の配置状況をみると、県教委の市町村教委に対する働きかけが十分でないため、市町村スポーツ主事を配置しているのは1市町村教委のみとなっている。

[cir3 ] 抽出調査した10都道府県教委別に昭和50年度から昭和62年度までの間に派遣された社会体育指導者の派遣期間をみると、平均で3年余りとなっている都道府県が多いが、中には3年8か月(J県)、5年3か月(P県)、6年2か月(U県)と相当長期間にわたっているものがある。

また、上記の抽出調査した127市町村教委への社会体育指導者の派遣期間をみると、派遣期間が長期化しておりながら市町村スポーツ主事が配置されていないものや、他に未派遣市町村教委が残っておりながら、社会体育指導者を同一市町村教委に長期間派遣しているものがある。

〔事例1〕 長期間派遣しておりながら、市町村スポーツ主事が未配置となっているもの

U県教委は、県内の全市町村教委(44)に社会体育指導者を派遣している。このうちU1町教委は、昭和52年度から昭和63年度までの12年間継続(うち県単独事業による派遣期間3年を含む。)して社会体育指導者が派遣されているが、同町教委はいまだ市町村スポーツ主事を配置していない。

〔事例2〕 他に未派遣市町村教委が残っておりながら、社会体育指導者を同一市町村教委に長期間派遣しているもの

T県教委は、昭和63年4月1日現在、県内79市町村教委のうち32市町村教委に社会体育指導者を派遣済み又は派遣中であり、未派遣市町村教委は47となっている。これらの未派遣市町村教委を解消するには、前記表9のとおり、現状のような派遣者数の規模による場合、32年も要するにかかわらず、派遣済み又は派遣中の32市町村教委の中には、同一市町村教委に継続して7年間派遣しているものが2市町村教委、また、6年間のものが2市町村教委ある(これらの中には、同一市町村教委に2回にわたり派遣しその派遣期間の合計が11年間になっているものがある。)。

なお、抽出調査した市町村教委の中には、次のとおり、社会体育指導体制を整備した上、スポーツ振興5か年計画を策定するなどして各種スポーツ活動を推進しているものもみられる。

〔事例〕

A県A4市(平成元年3月31日現在の人口9万2,316人)は、社会体育に関する事務を所掌している同市教委体育課に市町村スポーツ主事(1人)を配置(その下に3人の補助者を配置)した上、スポーツ振興行政の重点的推進及びスポーツ振興のための具体的施策を内容とする「A4市スポーツ振興5か年計画」(計画期間 昭和60年度~平成元年度)を独自に策定し、これに基づき、表11のとおり、市単独事業又は補助事業(昭和61年度)により、幼児から高齢者までの各層の地域住民を対象に各種スポーツ活動を実施している。

表11 スポーツ振興事業の実施状況


対象者

事業名

事業開始年度

事業費(千円)

昭和62年度の実績

 

 

昭和61

昭和62

昭和63

 

幼児

幼児健康教室(3~5歳児と親)

昭和54

1,359

1,820

1,884

日曜日別に6コース(306組)1コース30回

少年

*ジュニアスポーツスクール(小学1、2年生)

57

318

1,632

1,716

30回(57人)延べ1,357人

 

*ジュニアスポーツスクール(小学3、4年生)

57

 

 

 

30回(41人)延べ963人

 

ジュニアスポーツスクール(小学5、6年生)

63

 

昭和63年度から実施

 

柔道教室(小学2~6年生)

55

150

144

20回(12人)延べ197人

 

水泳教室(小学1~2年生)

48

1,786

1,496

1,605

36回(126人)

 

水泳教室(小学3~6年生)

48

 

 

 

36回(101人)

 

*夏休み水泳教室(小学生)

48

313

286

324

5会場(260人)

 

*少年スポーツクラブ育成事業

59

1,048

19団体に対し187人の指導者を延べ105回派遣(61年度)

勤労青少年

勤労青少年スポーツ教室

46

299

314

324

バレーボール(16人)、バスケットボール(18人)、卓球(31人)

少年、婦人

長靴ホッケー大会

63

15

昭和63年度から実施

 

スノーホッケー大会

63

15

 

婦人

婦人水泳教室

昭和48

(少年水泳教室に含む)

30回(124人)

 

レディススキースクール

61

36

昭和61年度のみ実施

高齢者(60歳以上)

*高齢者健康教室

54

1,014

754

825

曜日別6コース(341人)1コース30回

マスターズスポーツ大会

53

369

昭和63年度から実施

市民

スケート教室

56

7

15

15

2回(61人)

 

歩くスキー等

55

20

23

20

1回(53人)

 

長靴アイスホッケー

62

4

300

24人

 

スノーホッケー講習会

62

25

40

26人

 

歩こう会

39

191

189

218

6回(延べ386人)

 

ファミリー登山

52

 

 

 

2回(延べ177人)

 

ファミリーキャンプ

61

 

 

 

1回(40人)

 

*市長杯スポーツ大会

58

156

106

96

8競技を実施

 

新春水泳大会

49

170

202

192

1回(270人)

 

クロスカントリースキー大会

60

205

169

140

1回(103人)

 

トレーニング指導

53

1,314

1,498

1,527

毎日(延べ21,605人)

 

水泳ワンポイントレッスン

57

345

267

270

土曜日(延べ449人)

 

市民スポーツの日、体育の日

40

221

124

246

スポーツの日:(延べ8,312人)

体育の日:(1,821人)

市民団体

指導者派遣事業

59

292

105

180

5競技、14回(延べ320人)

指導者

*スポーツ指導者研修会

51

307

130

100

1回(34人)

スポーツクラブ等

社会体育施設開放(月曜)

55

364

322

273

3施設(延べ10,680人)

学校体育施設開放事業

44

1,270

1,109

1,564

夜間14校(延べ8,187人)

市民表彰

青少年スポーツ賞

58

386

235

255

表彰(57人)

 

スポーツ大会出場奨励金

58

1,217

1,064

870

青少年文化賞と併せて実施

団体

スポーツ団体への補助

37

3,563

3,200

3,225

体育協会等への補助

市民

県民スポーツ大会への派遣

44

208

208

208

夏季(353人)、冬季(24人)

広報

スポーツガイドの作成

60

210

230

230

1,000部

18,330

17,128

18,676

 

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 「事業名」欄のの事業は、昭和61年度に補助事業として実施したものである。

(2) スポーツ施設の利用者サービスの向上

(勧告)


近年におけるスポーツ活動に対する国民のニーズの多様化・高度化に伴い、スポーツ施設を管理・運営するに当たっては、利用者である国民の利便に配慮することが重要となっている。

文部省は、各都道府県知事、同教育委員会等に対し、「地域のスポーツ、文化、芸術の振興に関する連絡会議」(文部大臣を議長とし関係省庁の部局長等を構成員とするもの)において決定された「地域のスポーツ、文化、芸術の振興に関する施策」を主たる内容とする「地域のスポーツ、文化、芸術の振興について」(昭和58年6月24日付け文体体第81号、事務次官通知)を発し、その中で既存の公共スポーツ施設について利用する住民の立場に立ってその利用の活性化を図るよう指導している。

しかしながら、今回、20都道府県内の79市町村管内において都道府県又は市町村が文部省等国からの補助等を受けて設置したスポーツ施設及び労働省が雇用促進事業団に設置させたスポーツ施設について、都道府県、市町村等(雇用促進事業団が設置したスポーツ施設については都道府県を通じ市町村又は民間に委託)による管理・運営状況を調査した結果、スポーツ施設の管理・運営に関する標準的な指針が示されていないこともあって、次のとおり、施設利用者の利便を配慮した管理・運営が行われていない状況が認められる。

[cir1 ] 住民の身近な施設であるスポーツ施設については、利用者にとって祝日・日曜日は平日に比べて便利であることから、これらの日に利用し得るよう開放しておくことが重要であるが、体育館又は武道館の中には、年間を通じ開館(担当職員の休日は交替により付与)しているものや、これらの日を開館しその翌日を閉館としているものがある一方で、祝日又は日曜日を閉館としているものがある。

[cir2 ] スポーツ施設を住民の利用の用に供するに当たっては、利用申込手続を簡素なものにする等住民の立場に立った配慮が重要であるが、次のとおり、これに欠けるものがある。

((1)) 調査対象とした市町村の中には、それぞれのスポーツ施設の設置は各事業主管部局が行っていてもその管理・運営は教育委員会事務局が一元的に行っているもの、また、設置・管理はともに各事業主管部局が行いつつもそれぞれの施設に対する利用申込みの受付及び抽選は教育委員会事務局が一元的に行っているものがある。しかしながら、その一方で、同種のスポーツ施設でありながら、それぞれを設置した各事業主管部局がその管理・運営を行い、翌月分の利用申込みに係る抽選も異なった日に行っているため、利用者は各抽選日にその都度出向かなければならず不便となっているものがある。

((2)) 管内を団体利用と個人利用に区分している総合体育館について、団体利用にあっては申込みの受付を利用希望日の3か月前から開始し、申込みの順位により利用を認めているものの、3日前で締め切っており、また、当日空きがあっても個人利用を認めていないため、結果として当該フロア・区画が遊休化しているものがある。

((3)) 一般住民と学校(児童・生徒)の共同利用を目的とした社会体育施設として水泳プールを設置しながら、学校の児童・生徒が授業時間外も専用しており、一般住民が利用できない状況となっているものがある。

したがって、文部省は、「さわやか行政サービス運動について」(昭和63年1月26日閣議決定)の趣旨にもかんがみ、スポーツ施設の利用者サービスの向上を図る観点から、関係省庁と協議して、利用者の利便に配慮した運営を行っている例を参考としてスポーツ施設の管理・運営に関する標準的な指針を作成するとともに、都道府県知事、同教育委員会等に対し、当該指針に基づき点検を行った上必要な改善措置を講ずるよう指導する必要がある。

(説明)

ア 近年、余暇時間の増大や生活水準の向上等に伴い、生涯にわたり健康で明るく充実した生活を送るために日常生活の中でスポーツに親しむことを実践していこうという人々が増加している。この状況を総理府が実施した「体力・スポーツに関する世論調査」(昭和63年10月)の結果によってみると、図1のとおり、最近1年間に何らかの運動やスポーツを行った者は人口(20歳以上)の64パーセントでほぼ3人に2人の割合となっている。

また、国民の立場に立った親切な行政、真心のこもった行政を実現するため、昭和63年1月26日付け閣議決定「さわやか行政サービス運動について」に基づき、国及び特殊法人はもとより地方公共団体にも協力を求めて、「さわやか行政サービス運動」を全国的、持続的に実施しているところである。

このような状況にかんがみ、スポーツ施設の管理・運営に当たっては、施設利用者である国民の利便に配慮することが重要となっている。

文部省は、各都道府県知事、同教育委員会等に対し、「地域のスポーツ、文化、芸術の振興について」(昭和58年6月24日付け事務次官通知、注参照)を通知しており、その中で「既存施設について利用する住民の立場に立って事業の企画、利用時間、利用方法等の運営の見直しを行い、その利用の活性化を図る」よう指導している。

(注) 同通達は、昭和58年4月1日付け閣議了解に基づき設置された「地域のスポーツ、文化、芸術の振興に関する連絡会議」(文部大臣を議長とし、文部省を始め、地域のスポーツ、文化、芸術に関係する12省庁の部局長等で構成)において決定された「地域のスポーツ、文化、芸術の振興に関する施策」を主たる内容としており、同会議における関係各省庁による協議結果に基づき、文部省が他省庁の諸施策に係る事項を含め一括して上記地方公共団体に対し通知したものである。

図1 国民の運動・スポーツの実施状況



(注) 総理府の「体力・スポーツに関する世論調査」による。

今回、20都道府県内の79市町村管内において都道府県又は市町村が文部省等国からの補助等を受けて設置したスポーツ施設及び労働省が雇用促進事業団に設置させたスポーツ施設(勤労者体育施設)の合計983の中から452施設を抽出(表12参照)し、管理・運営状況を調査した結果、スポーツ施設の管理・運営に関する標準的な指針が示されていないこともあって、次のとおり、施設の利用者の利便に配慮した管理・運営が行われていない状況が認められる。

表12 各省庁等別施設数(調査対象20都道府県)

(単位:施設)


区分

施設総数(A)

抽出調査対象施設数(B)

Bの内訳

 

体育館

武道館

野球場

テニスコート

プール

その他

補助

文部省

377

171

67

15

15

13

42

19

 

建設省

379

150

13

3

43

30

15

46

 

その他省庁

134

75

26

0

11

3

9

26

雇用促進事業団

93

56

45

2

0

2

7

0

983

452

151

20

69

48

73

91

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 「その他」は、陸上競技場、多目的広場、サッカー・ラグビー場等である。

なお、地方公共団体が国の補助等により設置した施設は、当該地方公共団体が自ら又は民間団体等に委託して管理・運営を行っており、また、労働省が雇用促進事業団に設置させた施設は、通常、都道府県を通じ市町村又は民間団体にその管理・運営が委託されている。

[cir1 ] 祝日及び日曜日は平日に比べて利用者にとって便利であるにもかかわらず、体育館又は武道館についてこれらの日を閉館としているもの。

今回調査した体育館(151)及び武道館(20)における開館日の状況をみると、表13のとおり、年間を通じ閉館日なし、年末年始のみ閉館、年末年始及び1週間のうち平日1日を閉館など祝日及び日曜日に開館しているものが、体育館にあっては93.3パーセント、武道館にあっては85.0パーセントある一方で、祝日を閉館しているもの(体育館9、武道館3)や日曜日を閉館としているもの(体育館1)がある。

なお、祝日及び日曜日に開館している体育館、武道館にあっては、担当職員の休暇について、交替制を設けたり、その翌日を閉館とするなどにより対処している。

表13 調査対象とした体育館及び武道館の開館日の状況

(単位:館、%)


 

区分

祝日及び日曜日を閉館しているもの

日・祝日を閉館しているもの

種類

 

閉館日なし

年末年始のみ閉館

1週間のうち平日1日閉館

年末年始、1週間に平日1日閉館

その他

小計

年末年始、1週間のうち平日1日及び祝日閉館

日曜日閉館

 

体育館

20

19

5

93

4

141

9

1

151

 

(13.2)

(12.6)

(3.3)

(61.6)

(2.6)

(93.3)

(6.0)

(0.7)

(100)

武道館

5

3

0

9

0

17

3

0

20

 

(25.0)

(15.0)

(0)

(45.0)

(0)

(85.0)

(15.0)

(0)

(100)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 体育館・武道館以外の野球場、プール等の施設については、祝日及び日曜日に一般の利用に供していないものは認められなかった。

祝日又は日曜日を閉館としている例は、次のとおりである。

〔事例1〕

V2市は、V2市民体育館(昭和59~61年度建設省補助、事業費21億2,300万円うち国庫補助額5億7,700万円、メインアリーナ、サブアリーナ及びトレーニング室からなっている。)を設置している。同体育館は、交通に便利な市街地に位置しており、その管理・運営は市直営により行い、日曜日は開館としているものの、祝日は閉館としている。

しかし、同市民体育館と同じ市内にあり祝日も開館としている県立V1体育館について昭和62年度における曜日別の利用者数をみると、表14のとおり、平日における1日当たりの平均利用者数は8,820人であるのに対し、日曜日は1万15人と平日の13.5パーセント増となっている。このような状況にかんがみ、V2市民体育館に係る祝日の潜在的利用需要は相当に上るものとみられる。

表14 県立V1体育館における平日と日曜日の利用者数の比較(昭和62年度)

(単位:人、%)


 

曜日

平日(火曜日~土曜日)

日曜日(B)

合計(A+B)

区分

 

計(A)

1曜日当たりの平均(A/5)

利用者数

44,104

8,820.8

10,015

54,119

比率

(100)

(113.5)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 本体育館は、月曜日を閉館としているので平日から除外した。

〔事例2〕

O県は、県立武道館(昭和44~45年度文部省補助、事業費1億8,400万円うち国庫補助額3,000万円、柔剣道場、弓道場、相撲場等からなっている。)の管理・運営をO4協会に委託しており、日曜日は開館としているものの、祝日は同協会職員の勤務を要しない日とされていることから閉館としている。

しかし、同武道館の昭和62年度の曜日別の利用実績をみると、表15のとおり、利用件数1万3,237件のうち、日曜日の利用が2,923件(22.1パーセント)と最も多いことからみて、日曜日と同様に祝日も開館とする必要性は高いものと認められる。

表15 O県立武道館の曜日別利用実績(昭和62年度)

(単位:件、%)


区分

日曜日

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

土曜日

合計

当日券利用

2,565

 

2,734

1,317

1,939

2,193

1,713

12,461

貸切使用

20

17

11

10

7

13

78

教室使用

338

0

0

360

0

0

698

合計

2,923

2,751

1,328

2,309

2,200

1,726

13,237

構成比(%)

22.1

20.8

10.0

17.5

16.6

13.0

100

(注)

1 当庁の調査結果による。なお、回数券による利用が1,097件あるが、これは利用日を特定できないため除外した。

2 本武道館は、月曜日を閉館としている。

〔事例3〕

R県は、R県立武道館(昭和53~54年度文部省補助、事業費4億4,200万円うち国庫補助額4,400万円、柔道場、剣道場からなっている。)の管理・運営を直営により行っており、祝日は閉館としているが、武道団体は、各団体主催の大会は休日に集中して実施しており、やむを得ず学校の体育館を利用せざるを得ない場合が多いので、祝日の開館を要望している。

〔事例4〕

L県L2町は、l1体育館(昭和61年度文部省補助、事業費9,900万円うち国庫補助額2,400万円、の閉館日を、「L2町体育館管理運営規則」(昭和50年3月11日教育委員会規則第2号)により月曜日としているが、実際には、同体育館の管理はこれに隣接して設置されている同町老人福祉センターの職員が行い、また、同体育館の利用者も隣接の老人福祉センターを利用する老人がほとんどであり、しかも同センターの閉館日が日曜日とされていることを理由として、同体育館にあっても、日曜日を閉館とし月曜日を開館としている。

しかし、同町内にある他の2体育館の曜日別の利用実績をみると、表16のとおり、町民体育館及びスポーツセンター体育館にあっては日曜日及び土曜日の利用者数が他の曜日のそれに比べて多い状況にあることに加え、当該11体育館の立地条件(同町の中心部に位置し交通の便の良好)からみても、日曜日を開館することとすれば、l1体育館についても、上記老人以外の者による利用需要は多いものと認められる。

表16 L2町の3体育館の曜日別利用状況(昭和63年度実績)

(単位:人、%)


体育館名

日曜日

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

土曜日

合計

11体育館

81

1,130

1,042

1,147

1,082

1,009

1,321

6,812

町民体育館

6,567

700

2,315

3,714

4,336

1,402

4,686

23,720

スポーツセンター体育館

1,203

0

563

803

753

1,066

1,849

6,237

7,851

1,830

3,920

5,664

6,171

3,477

7,856

36,769

構成比(%)

21.3

5.0

10.7

15.4

16.7

9.5

21.4

100

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 11体育館の日曜日の利用者は、ゲートボール大会(1日)の利用者数である。

これらのほか、管理体制がないことを理由に上げて祝日を閉館としているものが9か所みられ、管理人を配置している他のスポーツ施設にあっては祝日を開館とした場合にはその翌日を閉館として対処していることから、これらの祝日を閉館としている施設についても、同様の方法によることとすれば祝日を開館とすることは可能と認められる。

[cir2 ] スポーツ施設を住民の利用に供するに当たっては、利用申込手続を簡素なものにする等住民の立場に立った配慮が重要であるが、これに欠けるもの。

((1)) 同種スポーツ施設でありながら、それぞれを設置した各事業主管部局がその管理・運営を行い、しかも利用申込みに係る抽選も異なった日に行っているため、利用者にとって不便となっているものがある。

〔事例〕

N県N2市は市内にテニスコートを6か所(25面)設置している。表17のとおり、市教委が3か所(17面)、同市建設部開発課が2か所(6面)及び海洋センターが1か所(2面)について管理・運営を行っており、利用申込みに係る抽選についても、市教委は3か所のうち2か所を毎月10日に、開発課は毎月25日に、同市役所においてそれぞれ行っている(なお、市教委が管理している残り1か所は公民館において、また海洋センターテニスコートは同センターにおいてそれぞれ随時利用申込みを受け付けている。)。

このため、市教委及び開発課がそれぞれ管理・運営しているテニスコートの双方を利用したいとする団体(テニス関係団体約60のうち6団体が双方を利用)等は、それぞれの抽選日にその都度市役所に出向かなければならず、不便となっている。(これら双方を利用している団体は、いずれも抽選を同一の日にするよう要望している。)。

表17 N2市のテニスコートの管理・運営状況


管理者

施設名

施設の規模

利用者の決定方法

市教委

n1テニス場

クレーコート12面

翌月分の利用申込みの抽選を毎月10日に行っている。

 

n2テニス場

クレーコート4面(夜間照明有り)

 

n3スポーツ広場テニスコート

クレーコート1面

n14公民館において随時受け付けている。

市建設部開発課

n4テニスコート

全天候型コート4面(夜間照明有り)

翌月分の利用申込みの抽選を毎月25日に行っている。

n5テニスコート

全天候型コート2面(夜間照明有り)

海洋センター

海洋センターテニスコート

全天候型コート2面

海洋センターにおいて随時受け付けている。

(注) 当庁の調査結果による。

なお、今回調査した市町村の中には、利用者の利便を図るため、i各種スポーツ施設の設置は各事業主管部局が行っていても、その管理・運営は教育委員会事務局が一元的に行っているもの(次の事例1)、また、iiスポーツ施設の設置及び物的管理はそれぞれの事業主管部局が行っているものの、それぞれの施設に対する利用申込みの受付やその抽選は教育委員会事務局で一元的に行っている(次の事例2)ものがある。

〔事例1〕

E県E2町は、表18のとおり、野球場(運動広場)3か所、体育館2か所、プール2か所、テニスコート3か所(11面)、球技場2か所及び弓道場1か所を設置している。このうち、文部省補助に係る施設(総合体育館1か所、プール2か所)は同町教委において、また、他の施設は町長部局において設置しているが、その管理・運営は、町教委事務局が一元的に行っている。

なお、野球場及び体育館の夜間利用については、利用希望者が多いことから隔月ごとに開催している利用調整会議において利用申込みの調整を行っており、それ以外の時間帯及び他の施設については申込み順で決定している。

表18 E2町のスポーツ施設の管理状況


施設の種別

施設名

補助事業名等

整備年度

管理者

 

 

 

 

 

 

野球場(運動広場)

総合グラウンド野球場

単独事業

昭和45

 

町教委

 

54

 

 

 

北部グラウンド広場

 

61

 

 

 

南部グラウンド広場

 

 

 

 

体育館

e1体育館

工業再配置促進事業(通商産業省補助)

53

 

 

 

総合体育館

社会体育施設整備事業(文部省補助)

56

 

 

プール

e2プール

同上

50

 

 

 

町営プール

同上

58

 

 

テニスコート

総合グラウンドテニスコート(3面)

単独事業

58

 

 

 

北部グラウンドテニスコート(1面)

県の補助事業

54

 

 

 

e3公園テニスコート(7面)

公園事業(建設省補助)

61、62

 

 

球技場

総合グラウンド球技場

単独事業

45

 

 

 

緑地広場

農村地域工業導入特別交付等事業(通商産業省)

52

 

 

弓道場

E2町弓道場

単独事業

61

 

 

 

 

 

 

 

 

(注) 当庁の調査結果による。

〔事例2〕

J県J1市は、表19のとおり、テニスコートを4か所(15面)設置しており、そのうち2か所(9面)を土木部公園緑地課が、また、残りの2か所(6面)を市教委が管理しているが、当該テニスコートの利用申込みの受付は、市教委が一括して行っている。土曜日及び日曜日の利用は抽選により決定することとしているが、同市教委事務局が毎月第1火曜日に翌月分の抽選を4か所分まとめて行っており、利用者の利便に配慮した運営が行われている。

表19 J1市のテニスコートの管理・運営状況


管理者

施設名

施設の規模

使用申込先

 

 

 

 

 

土木部公園緑地課

中央公園テニスコート

3面

 

市教委

 

j1公園テニスコート

6面

 

 

市教委

北青少年運動広場(テニスコート)

3面

 

 

 

西青少年運動広場(テニスコート)

3面

 

 

 

 

 

 

 

(注) 当庁の調査結果による。

((2)) 管内の一定のフロア・区画を曜日又は時間帯により団体利用と個人利用とに区分した上、団体利用の申込みの受付については利用希望日の3か月前から開始し、申込みの順位により利用を認めているものの、利用申込みの有無にかかわらず3日前で受付を締め切っており、また、当日空きがあっても個人の利用は認めないこととしているため、結果として当該フロア・区画が遊休化しているものがある。

〔事例〕

C県C2市は、総合体育館(昭和54~55年度文部省補助、事業費12億7,600万円うち国庫補助額1億円、第1、第2、第3スポーツホール、トレーニングルーム等からなっている。)の第1及び第2スポーツホールについては、表20のとおり、曜日又は時間帯により団体利用と個人利用とに区分している。

表20 C2市総合体育館の利用プログラム



は、利用希望日の3か月前から先着順で開始しており、利用申込みの有無にかかわらず3日前で締め切っている。また、上記両ホールの団体利用区分については、当日空きがあっても個人利用を認めないこととしている。

このため、昭和63年7月の第1スポーツホールの団体利用の状況をみると、団体利用可能な51件(午前、午後、夜間をそれぞれ1件とカウント)のうち利用されているのは36件(70.6パーセント)であり、残り15件については当該スペースが遊休化する結果となっている。

このような状況にかんがみ、スポーツ施設を本来の目的に即し利用し得るものとするためには、利用申込みは一定の期限で締め切ることなく、また、当日団体利用の申込みがない場合には個人利用を認めることとすることが必要となっている。

((3)) 一般住民と学校の共同利用を目的とした社会体育施設であるプールについて、通常、利用時間帯を区分するなどにより、両者が利用し得るよう配慮が行われているが、今回調査した同種のプールの中には、学校の児童・生徒が授業時間外も専用しているため、一般住民の利用が制限されているものがある。

〔事例〕

N県N3町は、文部省補助(N3町営中央プール:事業費739万円うち国庫補助額120万円、昭和42年度設置、N3町営n9プール:事業費650万円うち国庫補助額63万円、昭和45年度設置)により、一般住民と学校の共同利用を目的としてプールを設置しているが、その管理・運営及び利用の状況をみると、表21のとおり、同町の条例では利用者を制限していないものの、学校にその管理を任せていることもあって、児童・生徒のみが利用していることから、一般住民の中には利用要望を有しているものがありながら、その利用は皆無となっており、事実上学校プールと化している。

表21 一般住民と学校の共同利用を目的として設置したプールの管理・運営及び利用状況


施設名

利用学校等名

利用期間等

管理・運営及び利用状況

N3町営中央プール

N3町立N3中学校

夏休み前後の授業及び夏休み期間の13時~16時

同プールはN3中学校に隣接して設置されており、日常の管理は同中学校が行い、夏休み期間中の管理はアルバイトの監視員により行われている。利用者は、N3中の生徒のみで一般住民の利用は皆無となっている。

N3町営n9プール

n15小学校のn16、n17地区の生徒

夏休み期間の13時~16時

同プールは、旧n9小学校に隣接して設置されており、同校が廃校となった以後は、同小学校の校区であったn16、n17地区の小学校PTAの監視の下に、同地区の小学校の児童が利用しており、一般住民の利用は皆無となっている。

(注) 当庁の調査結果による。

(3) スポーツ施設の重点的・効率的整備

(勧告)


スポーツ施設については、広く国民が生涯にわたってスポーツに親しみ、豊かな生活を送るとともに、健康の保持増進と体力つくりを図る上で重要な機能を果たすことから、文部省、建設省等は、地方公共団体が行うその整備に対し補助等を行い、また、労働省は雇用促進事業団に整備させてきている。

このうち、主なものを挙げれば、文部省は、スポーツ振興法(昭和36年法律第141号)に基づき、地方公共団体が社会体育施設を整備する費用の一部を補助(昭和63年度補助金額58億円、補助率:施設整備費3分の1)するとともに、建設省は、都市公園法(昭和31年法律第79号)に基づき、地方公共団体が運動施設を含む各種公園施設から成る都市公園計画を策定し、これを基に毎年度それらを整備する際に、その費用の一部を補助(昭和63年度公園事業費補助金額872億円、うち運動施設関係概算約159億円、補助率:施設整備費2分の1、用地取得費3分の1)しており、また、労働省は、雇用保険法(昭和49年法律第116号)に基づき、勤労者体育施設について、自ら設置決定を行い雇用促進事業団に整備させるに際し出資(労働保険特別会計の雇用勘定、昭和63年度事業費(出資金)43億円)している。

さらに、民間においても営利事業又は非営利事業としてスポーツ施設を整備してきている。

今回、20都道府県内の79市町村における文部省及び建設省の補助金又は労働省の出資金(以下「国庫補助金等」という。)によるスポーツ施設の整備状況等を調査した結果、次の状況が認められる。

ア スポーツ施設の整備状況

(ア) スポーツ施設の整備状況を文部省が実施した「体育・スポーツ施設現況調査報告」(昭和60年9月現在)によってみると、全国のスポーツ施設数は、総数29万2,117施設と第1回目の調査を行った昭和44年の14万8,059施設の約2倍となっている。スポーツ施設の種別にみると、学校体育施設が15万8,119施設(全体の54.1パーセント)、国又は地方公共団体が設置し管理・運営(民間に委託しているものを含む。)している公共スポーツ施設が6万777施設(20.8パーセント)、職場スポーツ施設が2万9,332施設(10.1パーセント)、個人又は営利団体(企業)が営利を目的として設置している民間営利スポーツ施設が2万7,148施設(9.3パーセント)等となっており、特に公共スポーツ施設及び民間営利スポーツ施設は、いずれもこの約15年間において6倍以上に増加している。

(イ) スポーツ施設の整備指針については、文部省の保健体育審議会が昭和47年12月20日に「体育・スポーツの普及振興に関する基本方策について(答申)」の中で「体育・スポーツ施設の整備基準」(以下「文部省整備基準」という。)を答申しており、文部省は、これまで、この基準を目安として、社会体育施設の整備を進めてきている。

調査対象とした79市町村における昭和63年4月現在の公共スポーツ施設について、種類別に文部省整備基準の充足状況をみると、同基準に達しているものは、運動広場70市町村(88.6パーセント、このうち基準を超えているもの57市町村(72.2パーセント))、コート(テニスコート及びバレーコートをいう。以下同じ。)57市町村(72.2パーセント、同前46市町村(58.2パーセント))、体育館55市町村(69.6パーセント、同前38市町村(48.1パーセント))、柔剣道場45市町村(57.0パーセント、同前6市町村(7.6パーセント))、水泳プール48市町村(60.8パーセント、同前23市町村(29.1パーセント))となっており、いずれの種類の公共スポーツ施設も過半数の市町村が文部省整備基準に達している。

なお、調査対象とした79市町村のうち、総合計画、総合振興計画等の長期計画の一部としてスポーツ施設整備計画を策定している72市町村について同計画の達成状況をみても、[cir1 ]達成している市町村24(33.3パーセント)、[cir2 ]ほぼ達成している市町村25(34.7パーセント)、[cir3 ]未達成の市町村23(31.9パーセント)となっており、約70パーセントの市町村では公共スポーツ施設の整備が進んでいる状況が認められる。

(ウ) 調査対象とした79市町村が昭和58年度から昭和63年度までの間に整備した公共スポーツ施設の財源措置状況をみると、施設総数559(1市町村当たり7施設)のうち、国庫補助金等(上記3省以外の省庁によるものを含む。)によるものが330施設(59.0パーセント)、市町村の単独事業によるものが229施設(41.0パーセント)であり、単独事業によるものを含む総事業費(1,244億6,219万円)に占める国庫補助金等(224億5,967万円)の割合は18.0パーセントとなっており、自主財源で賄っている割合は高いものとなっている。

また、総事業費(用地取得費を含む。)に占める文部省及び建設省の国庫補助金の割合は、社会体育施設整備費補助にあっては7.1パーセント、公園事業費補助にあっては31.5パーセントとなっている。これを市町村の財政状況別にみると、財政力指数が1を超える市町村(11)にあっては、社会体育施設整備費補助の2.7パーセント、公園事業費補助26.0パーセントとなっているのに対し、財政力指数が1未満の市町村(68)にあってはそれぞれ13.5パーセント、34.4パーセントとなっており、財政力指数が1を超える市町村の方が自主財源の割合が高くなっている。

(エ) 調査対象とした79市町村の中には、既存施設の有効利用を図る観点から、市町村立小・中学校等の移転又は統廃合によって不要となった学校体育施設を社会体育施設に転用し、その結果、施設新設の抑制効果をもたらしている例が16市町村において34施設あるほか、施設新設に替えて民間の職場スポーツ施設を一定の曜日に借り上げ、住民に利用させているものなどがある。

イ スポーツ施設の利用状況

国庫補助金等によって整備したスポーツ施設については、整備目的に即して有効利用されることが重要である。

今回、20都道府県の79市町村内において都道府県又は市町村が文部省の社会体育施設整備費補助により整備した137施設、建設省の公園事業費補助により整備した136施設及び労働省が雇用促進事業団に整備させた勤労者体育施設29施設の総計302施設を抽出して、これらの利用状況を調査した結果、次のとおり、文部省及び建設省の補助により整備した施設において利用が低調となっている状況が認められる。

[cir1 ] 利用可能日数(屋内型施設にあっては閉館日、屋外型施設にあっては降雨・積雪に伴う利用不能日等を除いたもの)に対する利用日数(利用者数の多寡や利用時間の長短を問わず、利用実績がある日はすべて1日とみなしたもの)の割合(以下「利用率」という。)が50パーセントに満たないものが53施設(17.5パーセント)あり、これらの中には、利用率が10パーセントに満たないものが6施設(2.0パーセント)ある。

[cir2 ] 実際に利用のあった1日当たり延べ利用者数をみても、30人に満たないものが44施設(14.6パーセント)あり、これらの中には、1日当たり延べ利用者数が10人に満たないものが5施設(1.7パーセント)ある。

ウ スポーツ施設の設置計画に対する審査状況

国庫補助金等により整備するスポーツ施設の設置計画についての審査に当たって、国は、既存の同種類似施設の整備状況等を的確に把握し、施設を設置する必要性・緊急性等を厳正に点検することが重要である。

今回、文部省、建設省及び労働省におけるこれら諸施設の整備に係る審査等の実施状況を調査した結果、いずれも学校体育施設の開放実績等(予定を含む。)を審査の要素としていないほか、次のとおり、審査等が不十分な状況が認められる。

[cir1 ] 文部省は、社会体育施設整備費補助事業計画書により既存施設についてはその設置状況を把握することとしているが、市町村に無償譲渡することとして民間団体が設置したスポーツ施設を既存施設として把握することとはしていない。また、既存施設の利用状況については必要に応じ把握することとしているにとどまっており、施設を新設することによる既存施設に与える影響については審査の要素としていない。

[cir2 ] 建設省は、地方公共団体に対し、指導通達「都市公園等整備緊急措置法及び都市公園法の一部を改正する法律の施行について」(昭和51年10月21日付け都公緑発第147号、都市局長通達)等により、都市公園計画の立案(変更を含む。)時に、都市計画上の観点からスポーツ施設の適正な配置等を検討するに際し既存施設の設置・利用状況及び設置予定施設の利用見込みについては把握するよう指導しているが、施設を新設することによる既存施設に与える影響については把握するよう指導していない。また、調査対象とした地方公共団体の中には、建設省の指導に係る既存施設の設置・利用状況を把握していないものがある。

[cir3 ] 労働省は、市町村からの勤労者体育施設の設置要望の審査に当たり、「勤労者福祉施設設置計画基本方針」(昭和62年5月21日付け職発第304号、職業安定局長通達)により既存施設の設置・利用状況を資料として添付させ設置予定の勤労者体育施設の利用見込みをチェックすることとしているが、同施設を設置することによる既存施設に与える影響については審査の対象としていない。

このように関係省庁におけるこれら諸施設の新設計画に対する審査等が不十分となっていることから、((1))スポーツ施設の整備が相当進んでいる市町村において、文部省、建設省及び労働省の国庫補助金等によりスポーツ施設を新設した結果、既存施設及び新設施設とも利用が低調となっていたり、新設施設に利用が集中したため既存施設の利用が激減しているもの、((2))需要の少ない地域に設置しているため利用が皆無に等しいもの及び((3))スポーツ施設の一部を他用途に転用しているなど目的どおりの利用が行われていないものが認められる。

したがって、文部省、建設省及び労働省は、国庫補助金等によるスポーツ施設の重点的、効率的整備等を図る観点から、次の措置を講ずる必要がある。

[cir1 ] スポーツ施設の整備に係る国庫補助金等については、地方公共団体の財政力、スポーツ施設の整備水準等に応じ重点的に採択するとの方針の確立を図ること。

[cir2 ] 新設に係る補助申請等の審査等に当たっては、上記方針の実現を図るため、審査基準等に既存の同種類似施設の利用状況、学校体育施設の開放状況、新設予定施設の需要見込み等をも要素として盛り込み、これに基づき、施設設置の必要性・緊急性等についての点検を厳正に行うこと。

[cir3 ] 補助事業により整備したスポーツ施設であって、利用が低調となっているものについては、地方公共団体に対し、各種スポーツ行事を計画的・積極的に開催するなどにより利用の促進を図るよう指導すること。

(説明)

ア スポーツ施設の概要

スポーツ施設については、広く国民が生涯にわたってスポーツに親しみ、豊かな生活を送るとともに、健康の保持と体力つくりを図る上で重要な機能を果たすことから、関係省庁は地方公共団体が行うその整備に対し補助等を行い、また、自ら整備してきている。このうち、主なものを挙げれば、表22のとおり、文部省は、スポーツ振興法第20条の規定に基づき、地方公共団体が社会体育施設を整備する費用の一部を補助するとともに、建設省は、都市公園法に基づき、地方公共団体が運動施設を含む各種公園施設から成る都市公園計画を策定し、これを基に毎年度それらを整備する際に、その費用の一部を補助しており、また、労働省は、勤労者体育施設について、自ら設置決定を行い雇用促進事業団に整備させるに際し出資している。

表22 主要なスポーツ施設の補助等の概要

(単位:百万円)


区分

補助金等名

事業内容

補助率

昭和63年度の補助金等の額

文部省

社会体育施設整備費補助金(一般会計)

地方公共団体が体育館、水泳プール等を建設する場合に、これに要する費用の一部を補助

施設整備費

3分の1

5,801

建設省

公園事業費補助(一般会計)

都市公園法に基づき地方公共団体が都市公園を整備する費用に対する補助の一環として、都市公園施設である運動施設に対し補助

・施設整備費

2分の1

・用地取得費

3分の1

公園事業費補助

87,180

うち運動施設関係

約15,901

労働省(雇用促進事業団)

勤労者体育施設(労働保険特別会計(雇用勘定)雇用促進事業団出資金)

労働省の福祉の増進を図り、もって雇用の促進と職業の安定に資するため、労働省が体育施設の設置を決定し、これに基づき雇用促進事業団が設置

(定額出資)

(国からの出資金)

4,300

(注) 文部省、建設省及び労働省の資料に基づき作成した。

また、文部省及び建設省の補助によるスポーツ施設並びに労働省が雇用促進事業団に整備させているスポーツ施設(勤労者体育施設)の昭和61年度以降における整備実績(全国計)は、表23、24及び25のとおりであり、社会体育施設整備費補助金及び公園事業費補助とも景気浮揚のために公共投資を増額した昭和62年度には施設数が増加している。

表23 社会体育施設整備費補助によるスポーツ施設の整備実績

(単位:施設、百万円)


区分

昭和61年度

昭和62年度

昭和63年度

体育館

62

64

49

水泳プール

21

30

20

運動場

231

270

149

柔剣道場

20

15

9

特別体育施設

2

3

1

野外活動施設

7

5

8

343

387

236

補助金額

6,672

7,068

5,801

(注)

1 文部省の資料による。

2 特別体育施設とは、研究、研修等の機能を有する体育施設又は公認陸上競技場を全天候競技場に改修するものである。

表24 公園事業費補助によるスポーツ施設の整備実績

(単位:施設、百万円)


区分

昭和61年度

昭和62年度

昭和63年度

陸上競技場

12

8

8

野球場

39

33

26

サッカー、ラグビー場

13

7

7

テニスコート(面数)

224

267

166

体育館

12

18

14

水泳プール

11

15

15

運動広場

59

86

68

370

434

304

補助金額

総額

72,047

68,731

87,180

 

うち運動施設関係

14,842

17,023

15,901

(注)

1 建設省の資料による。

2 補助金額のうち運動施設関係は、予算科目等として設けられていないので、面積比等により算出したものである。

3 事業実施箇所数である。

表25 勤労者体育施設の整備実績

(単位:施設、百万円)


区分

昭和61年度

昭和62年度

昭和63年度

勤労者体育施設A型

46

25

21

勤労者体育施設B型

16

15

12

62

40

33

出資金額

7,100

5,010

4,300

(注)

1 労働省の資料による。

2 勤労者体育施設A型とは、体育館、野球場、テニスコート等であり、同B型とは、多目的グラウンド、ローラースケート場、芝生広場等のスポーツ施設である。

イ スポーツ施設の整備状況

(ア) スポーツ施設の整備状況を文部省が実施した「体育・スポーツ施設現況調査報告」によってみると、次のとおりである(図2参照)。

[cir1 ] 昭和60年9月1日現在のスポーツ施設の総数は29万2,117施設と第1回の調査を行った昭和44年の14万8,059施設の約2倍となっている。

[cir2 ] スポーツ施設を種別にみると、国公私立の小学校、中学校、高等学校等が学校教育活動のために設置する「学校体育施設」が15万8,119施設と全体の54.1パーセントを占め、国又は地方公共団体が設置し管理・運営している「公共スポーツ施設」が6万777施設(全体の20.8パーセント)、従業員100人以上の職場において従業員のための福利厚生施設として設置されている「職場スポーツ施設」が2万9,332施設(10.1パーセント)、個人又は営利団体(企業)が営利を目的として設置している「民間営利スポーツ施設」が2万7,148施設(9.3パーセント)、スポーツ団体、特殊法人等が営利を目的としないで、広く一般の国民に便宜を供している「民間非営利スポーツ施設」が1万6,741施設(5.7パーセント)となっている。

[cir3 ] 昭和44年と昭和60年とを比較すると、前記[cir1 ]のとおりスポーツ施設の総数では約2倍となっており、施設の種別には学校体育施設約1.5倍、職場スポーツ施設約1.2倍となっているものの、民間非営利スポーツ施設約6.6倍、民間営利スポーツ施設約6.5倍、公共スポーツ施設約6倍となっている。

図2 体育・スポーツ施設数の推移



(注) 「体育・スポーツ現況調査報告」(文部省体育局)による。

(イ) スポーツ施設の整備指針については、文部省の保健体育審議会が昭和47年12月20日に「体育・スポーツの普及振興に関する基本方策について(答申)」の中で、表26の事項を内容とする整備基準を答申しており、文部省は、これまで、この基準を目安としてその整備を進めてきている。

表26 日常生活圏域における体育・スポーツ施設の整備基準


 

施設

屋外運動場

屋内運動場

水泳プール

人口

 

運動広場

コート

体育館

柔剣道場

 

1万人

面積10,000m2の運動広場1か所

面積1,560m2のコート2か所

床面積720m2の体育館1か所

床面積220m2の柔剣道場1か所

水面積400m2のプール1か所

3万人

面積10,000m2の運動広場2か所

面積2,200m2のコート4か所

床面積720m2の体育館2か所

床面積320m2の柔剣道場1か所

水面積400m2のプール2か所

5万人

面積10,000m2の運動広場3か所

面積2,200m2のコート6か所

床面積720m2の体育館3か所

床面積320m2の柔剣道場1か所

水面積400m2のプール3か所

10万人

面積10,000m2の運動広場6か所

面積2,840m2のコート10か所

床面積720m2の体育館5か所

床面積400m2の柔剣道場1か所

水面積400m2のプール6か所

(注) 文部省保健体育審議会答申「体育・スポーツ施設の普及振興に関する基本方策について(答申)」(昭和47年12月)による。

なお、上記保健体育審議会は、平成元年11月に「21世紀に向けたスポーツの振興方策について」を答申し、その中でスポーツ施設の整備の指針を提言しているが、文部省においてその後の取扱いを検討中である。一方、都市計画中央審議会答申「今後の都市公園等の整備と管理はいかにあるべきか(答申)」(昭和60年8月)においては、運動施設の種類ごとの人口10万人当たり整備量及び配置の標準を提言している。

今回、20都道府県の79市町村における昭和63年4月1日現在の公共スポーツ施設(国又は地方公共団体が整備した施設)について文部省整備基準の充足状況を調査した結果は、次のとおりである。

[cir1 ] 文部省整備基準を充足している市町村数は、表27のとおり、運動広場70(88.6パーセント)、コート57(72.2パーセント)、体育館55(69.6パーセント)、柔剣道場45(57パーセント)及び水泳プール48(60.8パーセント)であり、いずれの種類の公共スポーツ施設においても過半数の市町村が文部省整備基準を充足している。

[cir2 ] 文部省整備基準を超えている市町村数は、表27のとおり、運動広場57(72.2パーセント)、コート46(58.2パーセント)、体育館38(48.1パーセント)、柔剣道場6(7.6パーセント)及び水泳プール23(29.1パーセント)となっている。

表27 調査対象市町村における文部省整備基準の充足状況

(単位:市町村、%)


区分

運動広場

コート

体育館

柔剣道場

水泳プール

文部省整備基準を充足(A)

70(88.6)

57(72.2)

55(69.6)

45(57.0)

48(60.8)

(A)のうち文部省整備基準を超えているもの(B)

57(72.2)

46(58.2)

38(48.1)

6(7.6)

23(29.1)

文部省整備基準を未充足(C)

9(11.4)

22(17.8)

24(30.4)

34(43.0)

31(39.2)

計(A+C)

79(100)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 「文部省整備基準を充足」とは、文部省整備基準と同一のもの及びこれを超えているものである。

3 ( )内は、79市町村を100とした場合の指数である。

今回調査した市町村のうちM県M3市、D県D1町及びF県F1町について文部省整備基準の充足状況をみると、表28のとおり、3市町ともすべての種類の公共スポーツ施設について文部省整備基準を充足しており、また、施設の種類別にみても、運動広場、コート、体育館については3市町とも、柔剣道場については1町、水泳プールについては2町が文部省整備基準を超えている(このほか、後述エの(イ)a事例1、2、3、4、5、7、8、b事例1においても同じ状況がみられる。)。

表28 文部省整備基準を充足して公共スポーツ施設を整備している例

(単位:施設)


区分

基準、現況別

運動広場

コート

体育館

柔剣道場

水泳プール

M3市(M県)(人口47,798人)

基準

3

6

3

1

3

整備数

10

16

6

1

3

D1町(D県)(人口10,742人)

基準

1

2

1

1

1

整備数

2

5

2

2

7

F1町(F県)(人口7,683人)

基準

1

2

1

1

1

整備数

5

4

4

1

6

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 小・中学校等の統廃合により不要となった学校体育施設を社会体育施設に転用しているものを含む。

なお、今回調査した79市町村における総合計画、総合振興計画等の長期計画の一部としてのスポーツ施設整備計画の策定状況とその達成状況をみると、同計画を策定している市町村は72あり、また、整備計画を達成している市町村は、表29のとおり、[cir1 ]達成している市町村24(33.3パーセント)、[cir2 ]ほぼ達成している市町村25(34.7パーセント)、[cir3 ]未達成の市町村23(31.9パーセント)となっており、約70パーセントの市町村では公共スポーツ施設の整備が進んでいる状況が認められる。

表29 調査対象市町村におけるスポーツ施設の整備計画の達成状況

(単位:市町村、%)


区分

達成している

ほぼ達成している

未達成

市町村数

24

25

23

72

(構成比)

(33.3)

(34.7)

(31.9)

(100)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 「ほぼ達成している」とは、計画の約80パーセント以上進ちょくしているものである。

3 策定年次及び計画期間は市町村により異なる。

(ウ) 今回調査した79市町村が昭和58年度から昭和63年度までの間において整備したスポーツ施設の財源措置状況をみると、表30のとおり、この間に総数559施設(1市町村当たり7施設)が整備されており、[cir1 ]このうち、国庫補助金等(文部省、建設省及び労働省以外の省庁の補助等を含む。)によるものが330施設(59.0パーセント)、市町村の単独事業によるものが229施設(41.0パーセント)あり、[cir2 ]単独事業によるものを含む総事業費に占める国庫補助金等の割合は18.0パーセントで自主財源によって賄っている割合は高いものとなっている。

表30 市町村におけるスポーツ施設整備の財源

(単位:施設、%)


区分

昭和58~63年度整備数

左の財源構成

 

国の補助事業

市町村の単独事業

総事業費

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うち国庫補助金等

79市町村計

 

 

 

百万円

百万円

330

229

559

124,462

22,459

(構成比)

(59.0)

(41.0)

(100)

(100)

(18.0)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 「市町村の単独事業」には、補助基準以下の施設整備を含む。

3 「市町村の単独事業」には、都道府県費補助により整備した施設を含む。

4 「国の補助事業」及び「総事業費」には文部省、建設省及び労働省以外の省庁の補助等によるものを含む。

5 「総事業費」及び「国庫補助金等」には、用地費、造成費等を含む。

今回調査した79市町村において社会体育施設整備費補助又は公園事業費補助により整備したスポーツ施設について総事業費(用地取得費を含む。以下同じ。)に占める国庫補助金の割合をみると、表31のとおり、社会体育施設整備費補助にあっては6.8パーセント、公園事業費補助にあっては31.5パーセントとなっている。また、この割合を市町村の財政状況別にみると、財政力指数が1を超える市町村(11)にあっては、社会体育施設整備費補助2.7パーセント、公園事業費補助26.0パーセント、財政力指数が1未満の市町村(68)にあっては、それぞれ13.5パーセント、34.4パーセントとなっており、財政力指数が1を超える市町村の方が自主財源の割合が高くなっている。

表31 調査対象市町村において補助事業により整備された公共スポーツ施設の総事業費に占める国庫補助金の割合

(単位:百万円、%)


区分

社会体育施設整備費補助

公園事業費補助

 

総事業費

左のうち国庫補助金

総事業費

左のうち国庫補助金

財政力指数1以上

16,621

453

3,445

894

(11市町村)

(100)

(2.7)

(100)

(26.0)

財政力指数1未満

10,016

1,354

6,668

2,295

(68市町村)

(100)

(13.5)

(100)

(34.4)

26,637

1,807

10,113

3,189

 

(100)

(6.8)

(100)

(31.5)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 社会体育施設整備費補助事業においては補助対象とされていない用地取得費を含む。

今回調査した79市町村のうち8市町村について総事業費に占める国庫補助金の割合をみると、表32のとおり、社会体育施設整備費補助(補助率3分の1)にあっては、市町村は通常独自に補助対象の上限を超えてスポーツ施設の整備を行っているため、3分の1より低くなっており、中には1.2パーセントにすぎないものがあり、最高でも28.8パーセントとなっている。また、公園事業費補助(施設整備費補助率2分の1、用地取得費補助率3分の1)にあっては、都市公園等整備5か年計画に基づき事業を実施しており、総事業費に占める国庫補助金の割合は、18.8パーセントから40パーセントまでとなっている。

表32 補助事業により整備されたスポーツ施設の財源内訳の例


区分

市町村

設置年度

施設名

事業費

財源内訳

 

(財政力指数)

 

 

都道府県

市町村

社会体育施設整備費補助(文部省)

 

昭和

 

千円

千円

千円

千円

J県J2市

61

温水プール

773,810

99,492

37,000

637,318

(1.22)

 

 

(100)

(12.9)

(4.8)

(82.4)

C県C3市

58~60

市スポーツセンター

11,848,009

143,891

11,704,118

(1.34)

 

(100)

(1.2)

 

(98.8)

J県J3町

58

町営J4プール

102,270

10,293

4,500

87,477

(0.69)

 

(100)

(10.1)

(4.4)

(85.4)

 

58

町営J5プール

62,979

10,170

4,500

48,309

 

 

 

(100)

(16.1)

(7.1)

(76.7)

 

 

60

町営J6プール

168,460

9,264

4,500

154,696

 

 

 

(100)

(5.5)

(2.7)

(91.8)

 

 

62

町営J7プール

160,000

13,360

4,500

142,140

 

 

 

(100)

(8.4)

(2.8)

(88.8)

 

N県N3町

58~59

総合町民体育館

472,442

109,259

5,000

358,183

 

(0.251)

 

(100)

(23.1)

(1.1)

(75.8)

 

 

62

町運動場

10,500

3,028

7,472

 

 

 

 

(100)

(28.8)

 

(71.2)

公園事業費補助(建設省)

H県H2町

57~59

総合体育館

2,362,678

557,000

1,805,678

(1.72)

 

 

(100)

(23.6)

 

(76.4)

D県D2町

56~61

野球場

149,230

28,000

756

120,474

(1.26)

 

 

(100)

(18.8)

(0.5)

(80.7)

A県A5市

61

相撲場

41,800

8,000

33,800

(0.63)

 

 

(100)

(19.1)

 

(80.9)

 

F県F2町

55~61

町民体育館

409,357

88,650

44,000

276,707

 

(0.42)

 

 

(100)

(21.7)

(10.7)

(67.6)

 

 

58~59

スポーツ広場

149,630

59,800

89,830

 

 

 

 

(100)

(40.0)

 

(60.0)

 

 

62

テニス場

47,290

13,860

33,430

 

 

 

 

(100)

(29.3)

 

(70.7)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 用地取得費を含む。

(エ) 調査対象とした79市町村の中には、表33のとおり、既存施設の有効利用を図る観点から、[cir1 ]市町村立小・中学校等の移転又は統廃合によって不要となった学校体育施設を社会体育施設に転用し、その結果、施設新設の抑制効果をもたらしている例が16市町村において34施設あるほか、[cir2 ]施設新設に替えて、

((1)) 民間の職場スポーツ施設を一定の曜日に借り上げ、住民に利用させているもの(1市15施設)、

((2)) 民間企業の営利スポーツ施設(プール)を借り上げ、町民に無料で利用させているもの(1町1施設)、

((3)) 中学校の体育館を拡張し、これを開放施設として住民に利用させているもの(1市9校)

などの創意工夫を行っているものがある。

表33 既存学校体育施設等の有効利用につき創意工夫している例


区分

都道府県名

市町村名

創意工夫の内容

統廃合等によって不要となった学校体育施設の活用

A県

A2町

昭和57年4月の中学校の統廃合によって不要となった体育館(541m2及び校舎の一部(165m2)を町民体育館に転用。

D県

D3市

中学校の跡地を市民の運動広場(2か所)に転用し、野球場(3面)、テニスコート(2面)として活用。また、小学校の跡地をテニスコート(3面)に転用し、社会体育施設として活用。

 

D2町

昭和62年度に移転した小学校の体育館、運動場を社会体育施設として活用。

F県

F1町

小学校の統廃合により不要となった屋外運動場(4か所)、体育館(2館)及びプール(3か所)を昭和60年4月から社会体育施設として活用。

H県

H3町

昭和58年に小学校体育館を新築したことに伴い、従来の体育館(360m2)を社会体育施設として活用。

L県

L3市

中学校の移転に伴い、旧校舎の一部を改修し、柔道場(225m2)として活用。

M県

M3市

・市立高校の移転に伴い不要となったグランド(9,225m2)及び体育館(1,655m2)を市の体育施設として昭和57年から活用。

・小学校の統廃合によって不要となったグランド(4,262m2)を運動広場に転用し、ソフトボール場(1面)及びゲートボール場(2面)として活用。

・中学校の移転に伴い不要となった体育館(747m2)を社会体育施設に転用。

 

 

M4町

中学校の統廃合により不要となった運動場(6,000m2及び7,000m2の2か所)をそれぞれ町民広場に転用して活用。

 

 

M5町

県立高校の移転に伴い不要となった体育館(701m2)を県から譲り受け社会教育センター体育館として活用。

 

N県

N3町

町立3小学校の統合により不要となった2小学校の運動場を地区の運動広場として活用。

 

Q県

Q1市

・統廃合によって不要となった小学校の体育館(223m2)及び運動場(528m2)をそれぞれ地区の体育施設として活用。

・小学校の体育館の新設によって不要となった旧体育館(300m2)を卓球場として活用。

 

S県

S2町

中学校の移転に伴い不要となった体育館を昭和55年4月から地区体育館として活用。

 

T県

T2市

中学校の移転に伴い不要となった体育館を昭和52年4月から地区スポーツセンターに転用し、バレーボール、バトミントン、空手道場として活用。

 

 

T3市

昭和56年3月に廃校となった小学校のプールを市の児童プールに転用し、主として地区の住民が利用。

 

 

T4町

廃校となった小学校の運動場をゲートボール場に転用し、地元の老人クラブ等が利用。

 

 

T1町

昭和61年3月に廃校となった小学校分校の運動場を地区の運動広場に転用し、地元の老人クラブ等がゲートボール等に利用。

民間施設の借上げ等

C県

C3市

各中学校の体育館を拡張し、これを開放施設として住民に開放するもので、昭和63年8月現在9校において実施中。

 

C4市

民間の職場スポーツ施設及び私立大学の体育施設を借り上げ、一定の曜日に住民に使用させるもので、昭和63年8月現在、野球場(3社3施設)、テニスコート(5社10面)及び体育館(2社2館)を利用中。

S県

S2町

町は民間企業が開設しているプールを町民に無料で利用させるため、民間企業と利用契約を締結し、7月17日~8月30日(10時~18時)までの間、町が利用証を発行し利用者に配布(昭和62年度利用実績5,965人、昭和63年度の契約金340万円)。

(注) 当庁の調査結果による。

また、調査対象とした79市町村の中には、地域の公共スポーツ施設の整備については、新設に替えて学校体育施設の開放によって対応しようとするところが29市町村(36.7パーセント)ある。

ウ スポーツ施設の利用状況

国庫補助等によって整備したスポーツ施設については整備目的に即して有効利用されることが重要である。

今回、20都道府県の79市町村内において都道府県又は市町村が文部省の社会体育施設整備費補助により整備したスポーツ施設(137)、建設省の公園事業費補助によって整備したスポーツ施設(136)及び労働省が雇用促進事業団に整備させた勤労者体育施設(29)の総計302施設を抽出して、これらの利用状況を調査した結果、以下のとおり、文部省及び建設省の補助により整備した施設において利用が低調となっている状況が認められる。

[cir1 ] 302施設のうち約半数の152施設が90パーセント以上の利用率となっているものの、50パーセントに満たないものが53施設(17.5パーセント)あり、これらの中には利用率が10パーセントに満たないものも6施設(2.0パーセント)ある(表34参照)。

利用率を補助事業等の別にみると、社会体育施設整備費補助及び公園事業費補助によって整備したスポーツ施設において利用率が低いものが多い状況が認められる。

表34 スポーツ施設の利用率(昭和62年度)

(単位:施設数、%)


 

利用率

10%未満

10%以上20%未満

20%以上30%未満

30%以上50%未満

50%以上70%未満

70%以上90%未満

90%以上

区分

 

 

 

 

社会体育施設整備費補助によるもの

3(2.2)

3(2.2)

5(3.6)

6(4.4)

8(5.8)

21(15.3)

91(66.4)

137(100)

公園事業費補助によるもの

3(2.2)

4(2.9)

6(4.4)

23(16.9)

22(16.2)

37(27.2)

41(30.1)

136(100)

勤労者体育施設

0(―)

0(―)

0(―)

0(―)

2(6.9)

7(24.1)

20(69.0)

29(100)

6(2.0)

7(2.3)

11(3.6)

29(9.6)

32(10.6)

65(21.5)

152(50.3)

302(100)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 利用率は、利用可能日数(屋内型施設にあっては閉館日、屋外型施設にあっては降雨・積雪に伴う利用不能日(改修工事等に伴う場合を含む。)を除いた日数)に対する利用日数(利用者数の多寡や利用時間の長短を問わず、利用実績がある日はすべて1日とみなしたもの)の割合である(以下同じ。)。

なお、利用率が10パーセント未満の6施設及び10パーセントの1施設の合計7施設について、その利用が低調となっている理由をみると、表35のとおり、市又は村の中心から離れた交通不便な遠隔地に設置されているなど住民の利用が期待できない場所に設置されている、利用者が一部の地域に限られている、競技が普及しておらず利用対象者が少ないなどとなっている。

表35 利用率が低いスポーツ施設の概要


区分

設置主体

設置年度

施設名

事業費(うち国庫補助)

昭和62年度利用率

利用率が低い理由等

文部省

[cir1 ]V県V3村

昭和61

村運動公園サブグランド(((社)))

千円

24,480

(6,066)

3.9

・村の中心から約3km離れた運動公園内にあり、周辺は畑で住宅はほとんどなく、周辺住民の利用が期待できない条件下にある。

・施設から徒歩5分の場所にバス停があるが、1日に数本しかバスは運行しておらず、交通の便が悪い。

・村では、利用の向上は望めないとして、特段の対策を講じていない。

 

[cir2 ]M県M1市

61

m1スポーツグランド体育館(((社)))

49.829

(4,906)

10.0

・市中心部から車で30分を要し利用に不便で、一部地域の住民の利用に限られている(対象人口900人)

・小学校統合時の条件の一つとなっていた経緯から設置

・現在以上の利用の向上は望めない。(後述エの(イ)a事例4)

 

[cir3 ]R県R3町

49

r11中学校プール(((社)))

7,765

(1,293)

昭和62年度以降、次の理由から利用を休止

・民家からプール利用者の騒音について強い苦情が出たこと。

・プールの規模が縦18.5m、横7m(3コース)と小さく手狭となったこと。

・プール利用者の駐輪場を設けているが、道路の交通量が増加し、危険なこと。

・県単独事業により昭和61年度に同一区域内にプールを設置したこと。

 

[cir4 ]M県M1市

61

m2スポーツグランドテニスコート(((社)))

6,060

(1,780)

8.3

上記[cir2 ]の理由と同じ。

建設省

[cir5 ]D県D3市

50

d1バレーコート(((公)))

5,870

(不明)

0

・屋外のバレーボールコートとして設置されているが、バレーボールの利用者は体育館内での利用を希望

 

[cir6 ]A県A5市

61

a3公園相撲場(((公)))

41,800

(8,000)

1.1

・設置に当たっての需要予測と設置後の利用促進が不十分(後述エの(イ)b事例2)

 

[cir7 ]Q県Q1市

49

総合運動公園相撲場(((公)))

4,900

(不明)

0.3

・相撲がQ1地区において未普及であること。

・更衣室、シャワー等の付帯施設がなく、利用しにくいこと。

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 「施設名」欄の((社))は社会体育施設整備費補助により、また、((公))は公園事業費補助により設置された施設であることを示す。

3 昭和62年度利用率は、実際に利用のあった日数を利用可能日数で除して得た数値を計上した。

4 [cir2 ]及び[cir4 ]にあっては、使用料免除者による利用については、記録がないため、利用実績から除いた。[cir5 ]にあっては、ネットの有料貸出しによる利用実績によった(自由使用に係る利用者は含まない。)。

[cir2 ] 昭和62年度に実際に利用のあった1日当たり延べ利用者数をみると、表36のとおり、302施設のうち約半数の155施設が100人以上の利用者数となっているが、30人に満たないものが44施設(14.6パーセント)あり、これらの中には、1日当たり延べ利用者数が10人にも満たないものが5施設(1.7パーセント)ある。

表36 スポーツ施設の1日当たり延べ利用者数(昭和62年度)

(単位:施設数、%)


 

延べ利用者数

10人未満

10人以上30人未満

30人以上100人未満

100人以上200人未満

200人以上

区分

 

 

 

 

社会体育施設整備費補助によるもの

3(2.2)

24(17.5)

44(32.1)

30(21.9)

36(26.3)

137(100)

公園事業費補助によるもの

2(1.5)

15(11.0)

38(27.9)

39(28.7)

42(30.9)

136(100)

勤労者体育施設

0(―)

0(―)

21(72.4)

7(24.1)

1(3.4)

29(100)

5(1.7)

39(12.9)

103(34.1)

76(25.2)

79(26.2)

302(100)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 1日当たり延べ利用者数は、昭和62年度延べ利用者数を実利用日数で除して得た。

表36において1日当たり利用者数が10人未満のスポーツ施設の例は、次のとおりである。

(事例)

L県L1村テニスコート(設置年度:昭和60年度文部省補助、事業費25,075千円うち国庫補助額7,117千円、施設の概要:ハードコート2面、クレイコート2面計4面)

当テニスコートは、昭和60年8月から住民の利用に供し、昭和62年度の利用率は98.5パーセントとなっており、年間の利用者数は昭和60年度323人、61年度746人、62年度1,173人と増加する傾向にはあるものの、1日当たり延べ利用者数は、昭和62年度にあっても3.6人(1面当たり0.9人)と少ない。村は、昭和60年度の開設当初から利用率の向上を図るため、毎年テニス教室を開催(昭和60年度27回、61年度26回、62年度18回)しているものの、なお上記のような利用率にとどまっており、4面設置する必要性が乏しかったものと思料される。

なお、設置場所は、村の中央に位置し、総合運動公園の一画にあり、グランド、多目的体育館が設置されていることから、住民にとつて利用しにくい条件下にはない。

(注) 5施設のうち、文部省補助に係る他の2施設は前記表35の[cir3 ]及び[cir4 ]であり、建設省補助に係る2施設は同[cir5 ]及び[cir7 ]である。

302施設の種類別の利用状況をみると、表37のとおり、((1))平均利用率にあっては、水泳プール(90.5パーセント)、体育館(89.0パーセント)のように約90パーセントに達しているものがある一方で、運動広場(60.0パーセント)、陸上競技場(65.9パーセント)のように低いものがあり、また、((2))1日当たり延べ利用者数にあっては、コート(59.2人)、柔道場(111人)のように少ないものがある。

表37 スポーツ施設の種類別利用状況(昭和62年度)

(単位:施設数、%、人)


スポーツ施設の種類

調査対象数

利用状況

 

平均利用率

1日当たり延べ利用者数

 

 

 

 

 

 

 

 

 

利用率が50%未満

 

1日当たり30人未満

運動広場等

89(100)

60.0

32(36.0)

187.6

8(9.0)

コート

35(100)

82.8

4(11.4)

59.2

16(45.7)

体育館

89(100)

89.0

5(5.6)

202.5

10(11.2)

柔剣道場

17(100)

84.9

3(17.6)

111.1

4(23.5)

水泳プール

56(100)

90.5

4(7.1)

380.2

6(10.7)

陸上競技場

16(100)

65.9

5(31.3)

239.0

0(0)

302(100)

53(17.5)

44(14.6)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 ( )内は、調査対象数を100とした場合の割合である。

エ スポーツ施設の設置計画に対する審査状況

(ア) 国庫補助等により整備するスポーツ施設の設置計画についての審査に当たって、国は、既存の同種類似施設の整備状況等を的確に把握し、施設を設置する必要性・緊急性等を厳正に点検し設置することが重要である。

今回、文部省、建設省及び労働省におけるスポーツ施設の整備に係る審査等の実施状況を調査した結果、いずれも学校体育施設の開放実績等(予定を含む。)を審査の要素としていないほか、次のとおり、審査が不十分な状況が認められる。

a 社会体育施設整備費補助

文部省は、「社会体育施設整備費補助事業計画書作成要領」等に基づき、社会体育施設整備費補助の審査を次の手続により行うこととしている。

((1)) 市町村において社会体育施設整備費補助事業計画書を作成し、都道府県教委に提出(事業実施年度の前年度の1月~2月)

((2)) 都道府県教委による市町村からの社会体育施設整備費補助事業計画書についての審査(同2月)

((3)) 都道府県教委が優先順位等の意見を付して、次の書類により文部省へ進達(同前)・補助事業計画内訳書、・補助事業計画一覧表、・補助事業計画総括表

((4)) 文部省による都道府県教委からのヒアリング及び審査(同3月)

((v)) 採択の内定通知(事業実施年度の5月)

文部省は、補助事業計画書について、社会体育施設整備費補助事業計画書作成要領に基づき、((1))文部省整備基準を目安として需要度の高い地方公共団体であるか否か、((2))財政力の弱い地方公共団体であるか否か、((3))財源、敷地が確保されているもの等事業が年度内に完了することが確実なものか否かの観点から審査し、これらに該当するものを優先して採択することとしており、既存施設については設置状況を把握することとしているが、3年後に市町村に無償譲渡することとして民間団体(財団法人)(注参照)が設置しているスポーツ施設を把握することとはしていない。また、既存施設の利用状況については必要に応じ把握することとしているにとどまっており、施設を新設することにより既存施設に与える影響については審査の要素とはしていない(補助申請等の諸様式、添付資料の記載事項とはされていない。該当事例:後述(イ)a事例1、2、3、4、5、b事例1)。

(注) x1財団は、昭和48年3月28日に設立された運輸省所管の公益法人であり、寄附行為によれば、その業務は、青少年のためのスポーツ施設(プール、艇庫、体育館等)を整備することとされている。

x1財団が建設したスポーツ施設は、当初3年間市町村に運営委託され、その間利用度が高く、健康づくりの拠点として地域に定着していると認められれば、市町村に無償譲渡されることとなっている。

昭和63年度末現在の全国の整備数は、プール329、艇庫129、体育館265、運動広場9、武道館2、テニスコート3となっている。

なお、都道府県教委は、補助事業計画書の審査に当たって、((1))市町村の財政状況、((2))財源、敷地の確保状況については把握している。

b 公園事業費補助

公園及び緑地は、道路、駐車場、下水道等とともに都市計画法(昭和43年法律第100号)第11条の規定に基づき都市計画に都市施設として、その位置、区域、面積等を定めることとされている。市町村が定める都市計画決定等の手続は、図3のとおりで、市町村は、事業の実施に当たって、知事の事業認可を得た上で、公園事業の国庫補助金の交付申請を行うこととされている。

図3 市町村が定める都市計画決定等の諸手続



(注) 建設省の資料による。

都市計画の立案に当たっては、都市計画法第6条及び都市計画法施行規則(昭和44年建設省令第49号)第5条に定める都市計画に関する基礎調査として、人口規模、土地利用のほか、運動施設を含む都市施設について、その位置、利用状況及び整備の状況を把握することとされている。また、建設省は、「都市公園等整備緊急措置法及び都市公園法の一部を改正する法律の施行について」(昭和51年10月21日付け建設省都公緑発第147号都市局長通達)等により、地方公共団体に対して、都市公園の設計に当たっては、気象、地形、植性等の自然的条件及び誘致区域内の人口構成、レクリエーション需要、交通等の社会的条件を考慮の上、都市公園の有する環境保全機能、レクリエーション機能及び防災機能が最も効果的に発揮されるとともに、安全かつ快適な環境及び美的な景観が創造されるよう努めるほか、施設の配置、規模については、それぞれの施設の機能と利用者の動向・需要を配慮したものとするよう指導している。

以上のように上記通達等では、既存のスポーツ施設の設置状況及び利用状況については把握することとされているが、施設を新設することによる既存施設に与える影響については把握するよう指導していない。また、調査対象とした地方公共団体の中には、都市公園の計画立案に当たり、既存のスポーツ施設の設置・利用状況を把握していないものがある(該当事例:後述(イ)a事例6、b事例2)。

このように建設省は地方公共団体に対し都市公園計画の立案時に既存施設の設置状況、利用状況を把握するよう指導していること、また、公園整備は都市計画に従って行われることから、都道府県の都市公園主管部局は、公園事業費補助の交付申請に当たり、都市公園施設が都市公園法等で定める技術上の基準に適合しているか否かについて審査を行っている。

なお、公園事業費補助の交付申請手続は、公園事業採択基準及び都市公園事業国庫補助要望調書作成要領に基づき、次により行うこととされている。

((1)) 建設省から都道府県都市公園主管部局に都市公園事業国庫補助要望調書の提出依頼(事業実施の前年度の6月)

((2)) 市町村が都市公園事業国庫補助要望調書を都道府県都市公園主管部局に提出(同6月)

((3)) 都道府県都市公園主管部局から建設省に上記((1))の調書を提出(同7月)

((4)) 建設省から都道府県都市公園主管部局に都市公園事業補助要望調書の提出依頼(同11月)

((v)) 市町村から都道府県都市公園主管部局に都市公園事業補助要望調書を提出(同11月)

((6)) 建設省による都道府県都市公園主管部局からのヒアリング(同12月)

((7)) 内定通知(当該年度の予算成立後)

c 勤労者体育施設

労働省は、「勤労者福祉施設設置計画基本方針」(昭和62年5月21日付け職発第304号職業安定局長通達)等に基づき市町村からの勤労者体育施設の設置要望に係る審査を次により行うこととしている。

((1)) 市町村は福祉施設設置要望に関する資料、福祉施設建設に関する資料及び福祉施設建設予定地に関する資料を作成し、都道府県労働主管部局に提出(設置の前年度の9月)

((2)) 都道府県労働主管部局による市町村からのヒアリング(同10月)

((3)) 都道府県労働主管部局は優先順位等の意見を付して市町村からの資料を労働省に提出(同10月末)

((4)) 労働省において都道府県からのヒアリングを実施し、設置決定を行い、雇用促進事業団及び都道府県等に設置決定の通知(同1月~3月)

労働省は、市町村からの設置要望の審査に当たり、前記勤労者福祉施設設置計画基本方針等に基づき、((1))人口がおおむね1万人以上であって、かつ、雇用保険被保険者数がおおむね2,000人以上の市町村の区域内の設置であること、((2))用地が確保されていること、((3))設置後の総利用延べ人数が1万人以上であって、うち雇用保険被保険者等の利用が5,000人以上見込まれるか否かを既存類似施設の設置・利用状況を基に審査することとしており、設置予定の勤労者体育施設の利用見込みなど設置の必要性についても確認することとしている。しかし、労働省は、同施設を設置することによる既存施設に与える影響については審査の対象としておらず、また、都道府県の中には、既存の類似施設の設置・利用状況を把握していないものがある(該当事例:後述(イ)a事例7、8)。

(イ) このように関係省庁におけるこれら諸施設の新設計画に対する審査が不十分となっていることから、次の例に示すとおり、((1))スポーツ施設の整備が相当進んでいる市町村において文部省、建設省及び労働省の補助金等によりスポーツ施設を新設した結果、既存施設及び新設施設とも利用が低調となっていたり、新設施設に利用が集中したため既存施設の利用が激減しているもの、((2))需要の少ない地域にこれら施設を設置しているため利用が皆無に等しくなっているもの、((3))スポーツ施設の一部を他用途に転用しているなど設置目的どおりの利用が行われていないもの等が認められる。

a スポーツ施設の整備が相当進んでいる市町村に国庫補助等によりスポーツ施設の整備を行った結果、既存施設及び新設施設とも利用が低調となっていたり、新設施設に利用が集中したため既存施設の利用が激減しているもの

〔事例1〕


都道府県名

D県

施設名

d2柔道場

市町村名

D1町

施設概況

所管省庁名

文部省

市町村概況

財政力指数

0.389

施設設置年度

昭和56年度

人口

10,742人

建設費

8,200千円

 

 

(国庫補助額)

(2,439千円)

面積

178.35km2

 

敷地面積

―m2

 

 

(建築延面積)

(104.8)

[cir1 ] D1町は、昭和53年度に町単独事業によりd3柔道場を設置しているが、さらに、昭和56年度に社会体育施設整備費補助を受けてd2柔道場を設置している。

[cir2 ] d2柔道場の設置に係るD県教委における社会体育施設整備費補助事業計画書についての審査の実施状況をみると、同教委は、((1))各市町村におけるスポーツ施設数の絶対数が不足している、((2))県全体としてもスポーツ施設の設置要望が少ないとして、既存施設の利用状況等を把握しておらず、また、新設施設の利用計画(見込み)については、補助申請等の様式にもなく、文部省からも聴取されないとして、把握していない。

このため、同教委は、市町村から要望のあったスポーツ施設の新設については、毎年要望どおり進達している。

[cir3 ] d3柔道場及びd2柔道場の昭和62年度における利用状況をみると、表38のとおり、いずれも利用率は10パーセント台にとどまっている。

表38 D1町に設置されている柔道場の利用状況


 

区分

設置年度

面積

事業名

総事業費(うち国庫補助)

昭和62年度利用状況

柔道場名

 

 

 

利用率

延べ利用者数

d3柔道場

昭和53

100m2

町単独事業

不明

12.9

1,190人

d2柔道場

56

104.8

社会体育施設整備費補助事業

8,200

(2,439)

12.6

1,231

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 利用率は、実利用日数を利用可能日数(開設日)で除して得た。

[cir4 ] 人口1万人規模の地域における柔剣道場の文部省整備基準は1か所(床面積200平方メートル)となっていることからみて、D1町に柔道場を2か所設置する必要性は低い。

〔事例2〕


都道府県名

D県

施設名

d3プール

市町村名

D1町

施設概況

所管省庁名

文部省

市町村概況

財政力指数

0.389

施設設置年度

昭和60年度

人口

10,742人

建設費

42,650千円

 

 

(国庫補助額)

(8,672千円)

面積

178.35km2

 

敷地面積(建築延面積)

375m2

[cir1 ] D1町には、昭和59年度までに一般住民と学校との共同利用の水泳プールが5か所(社会体育施設整備費補助によるもの3か所、県の補助事業によるもの1か所、町単独事業によるもの1か所)及び3年後に町に無償譲渡することとしてx1財団が設置している水泳プールが1か所設置されているにもかかわらず、同町は、社会体育施設整備費補助の申請を行い、昭和60年度にd3プールが補助事業として採択されている。

D県教委及び文部省における事業計画書の審査状況をみると、いずれも((1))3年後に町に無償譲渡することとしてx1財団が設置している水泳プールを既存施設とみなしていない、((2))既存施設の利用(開放)状況を把握していないなど施設新設の必要性及び利用見込みの審査が不十分となっている。

なお、人口1万人規模の地域における水泳プールの文部省整備基準は、水面積400平方メートルの水泳プールが1か所となっているが、同町のプールは7か所も設置されている。

[cir2 ] これら7水泳プールの昭和62年度の利用状況は、表39のとおりで、特に昭和62年度に設置したd3プールの1日当たり利用者数が26人(学校体育での利用は含まない。)と少ない。

表39 D1町に設置されている水泳プールの利用状況


 

区分

設置年度

面積

事業名

事業費(うち国庫補助)

昭和62年度の利用状況

水泳プール名

 

 

 

利用実績

1日当たりの利用者数((B+C)/A)

 

 

 

 

開設日(A)

児童の利用(B)

一般の利用(C)

計(B+C)

 

昭和

m2

 

千円

d4プール

39

375

町単独事業

11,611

(―)

38

895

126

1,021

26.9

d5プール

44

375

県補助事業

10,995

(1,500)

38

2,211

292

2,503

65.9

d6プール

46

375

社会体育施設整備費

12,400

(1,125)

38

1,123

96

1,219

32.1

d7プール

56

375

43,590

(9,330)

38

1,602

323

1,925

50.7

d8プール

57

375

48,270

(9,535)

38

950

396

1,346

35.4

D1町x1プール

59

385

民間団体

103,000

(―)

100

不明

不明

15,147

151.5

d3プール

60

375

社会体育施設整備費

42,650

(8,672)

38

863

140

1,003

26.4

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 d4プール及びD1町x1プール以外は学校に隣接して設置されている。

〔事例3〕


都道府県名

O県

施設名

O1地区体育館

市町村名

O3町

施設概況

所管省庁名

文部省

市町村概況

財政力指数

0.195

施設設置年度

昭和61年度

人口

4,340人

建設費

63,123千円

 

 

(国庫補助額)

(19,551千円)

面積

110.65km2

 

敷地面積

994.5m2

 

 

(建築延面積)

(527.0)

[cir1 ] O3町は、町内にx1財団が昭和56年度に設置した体育館(1,104平方メートル)及び同町が昭和59年度に社会体育施設整備費補助により設置したO2地区体育館(500.2平方メートル)がありながら、昭和61年度に文部省の同一補助によりO1地区体育館を設置している。

体育館に係る補助事業計画書をみると、2体育館が既に存するにもかかわらず、1館(O2地区体育館)として記載し、x1財団が設置した体育館を記載していない。

このため、O県教委及び文部省とも、既存の体育館を1館とみて審査を行い、文部省は、昭和61年度に補助事業の採択を行っている。

(注) x1財団が昭和56年度に設置した体育館は、昭和60年に無償譲渡されている。

[cir2 ] このため、表40のとおり、人口規模が4,000人程度のO3町に3体育館が設置され、昭和62年度の利用率をみると、新設したO1地区体育館は50パーセント、既存のO2地区体育館は35.9パーセントにとどまっている。

また、昭和60年度の2館の利用者数に比べて昭和62年度の3館の利用者数は減少していることからみて、利用者の一部が新設体育館に移動したにすぎないものと考えられる。

表40 O3町内に設置されている体育館の利用状況


 

区分

設置年度

面積

補助事業名

事業費(うち国庫補助)

利用率(%)

延べ利用者数(人)

体育館名

 

 

昭和60年度

61

62

昭和60年度

61

62

O3町x1海洋センター

昭和56

m2

1,104.0

千円

343,739

(―)

100

100

100

7,919

35,256

33,208

o2地区体育館

59

500.2

社会体育施設整備費

58,203

(16,695)

26.6

24.4

35.9

1,219

1,717

1,686

o1地区体育館

61

527.0

63,123

(19,551)

63.0

3,033

2,131.2

465,065

(36,246)

39,138

36,973

37,927

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 利用率は、実利用日数を利用可能日数(開設日)で除して得た。

なお、人口規模1万人の地域における体育館の文部省整備基準は1館(床面積720平方メートル)であることからみて、人口約1,000人のO1地区に体育館を整備する必要性は低い。

〔事例4〕


都道府県名

M県

施設名

m1スポーツグラウンド体育館

市町村名

M3市

施設概況

所管省庁名

文部省

市町村概況

財政力指数

0.76

施設設置年度

昭和61年度

人口

47,798人

建設費

48,829千円

 

 

(国庫補助額)

(14,906千円)

面積

111.97km2

 

敷地面積

m2

 

 

(建築延面積)

(500)

[cir1 ] M3市には、昭和60年度末現在、既存の体育館が4館(((1))M3市社会体育館、昭和48年度設置、662平方メートル、((2))M3市勤労青少年体育センター、昭和49年度設置、879平方メートル、((3))M3市m2体育施設、昭和51年度設置、632平方メートル、((4))M3市m4町体育施設、昭和57年度学校体育館から転用、1,113平方メートル)及びM3市勤労青少年ホーム(昭和45年度設置、体育室157平方メートル)が設置されている状況の下で、同市は、昭和61年度に社会体育施設整備費補助によりm1スポーツグランド体育館を設置している。

同体育館を設置した背景には、昭和59年度に旧M3市立m1小学校とm13小学校とを統合する際、地元との間でm1小学校跡地に体育館を設置するとの約束があったことが挙げられる。

[cir2 ] M県教委におけるM3市からの社会体育施設整備事業計画に対する審査の状況をみると、既存類似施設の利用状況、他省の補助等による整備計画及び設置予定施設の利用見込みを具体的に把握しておらず、要望に係る施設新設の必要性について十分な検討を行っていない。

[cir3 ] m1スポーツグラウンド体育館の昭和62年度の利用状況(利用料免除者の利用を除く。)をみると、((1))利用率は10.0パーセントと低く、また、((2))延べ利用者数も2,801人(1日当たり平均20人)と少ないものとなっている。

また、既存の体育館のうちM3市m4町体育施設の昭和62年度の利用率をみても27パーセントと低いものとなっている。

〔事例5〕


都道府県名

B県

施設名

B1町b1体育館

市町村名

B1町

施設概況

所管省庁名

文部省

市町村概況

財政力指数

0.502

施設設置年度

昭和59年度

人口

29,263人

建設費

214,870千円

 

 

(国庫補助額)

(33,390千円)

面積

72.40km2

 

敷地面積

4,136.55m2

 

 

(建築延面積)

(1,353.0)

[cir1 ] B1町は、町内の4地区にそれぞれ体育館を設置するとの方針の下に、いまだ体育館を設置していなかったb1地区にb1体育館を設置すべく社会体育施設整備費補助事業計画書を作成し、B県教委に提出した。

B県教委は、同計画書について、既存施設が3館存することや新設予定施設の利用見込み等を考慮することなく審査し、文部省に進達している。

文部省は、同県教委の審査と同様の審査を行い、昭和59年度事業として採択している。

[cir2 ] この結果、B1町には昭和59年度以降体育館が4館設置されている。これらの利用状況をみると、表41のとおり、((1))b1体育館が供用開始された昭和60年度における4体育館の延べ利用者数は増加したものの、((2))その後、4館全体では減少に転じており、((3))特にb5体育館とb1体育館との利用が競合し、前者の延べ利用者数の減少分は後者の延べ利用者数にほぼ匹敵する状況となっているなど、利用者が単に移動したにすぎないものとなっており、b1体育館を設置したことによる利用者の増加は認められない。

表41 B1町内に設置されている体育館の利用状況


 

区分

設置年度

面積

事業名

延べ利用者数

体育館名

 

 

 

昭和58年度

59

60

61

62

 

昭和

m2

 

b5体育館

50

1,125.0

民間企業からの寄付

46,469

43,268

41,802

29,765

26,969

x1体育館

57

726.2

x1財団による設置事業

21,011

28,005

21,353

22,478

22,963

B1町勤労者体育センター

54

696.0

勤労者体育施設

14,464

14,867

15,544

10,953

10,503

b1体育館

59

1,050.0

社会体育施設整備費補助

14,225

11,963

14,538

3,597.2

81,944

86,140

92,924

75,159

74,973

(注) 当庁の調査結果による。

〔事例6〕


都道府県名

D県

施設名

d9野球場

市町村名

D2町

施設概況

所管省庁名

建設省

市町村概況

財政力指数

1.261

施設設置年度

昭和59年度

人口

25,229人

建設費

149,230千円

 

 

(国庫補助額)

(28,000千円)

面積

53.75km2

 

敷地面積

27,700m2

 

 

(建築延面積)

(―)

[cir1 ] D2町には、昭和58年度までに町単独事業によるもの2か所(2万8,400平方メートル、2面)、建設省の公園補助事業によるもの2か所(5万8,200平方メートル、5面)計4か所(8万6,600平方メートル、7面)の野球場が整備されていたが、同町は、昭和59年度に公園事業費補助によりd9野球場(2万7,700平方メートル、2面)を整備している。

[cir2 ] D県(土木部都市計画課)における審査状況をみると、同県は、町単独事業による既存施設を含めた既存施設の設置・利用状況及び新設施設の利用計画(利用見込み)について把握しておらず、公園全体の施設が技術的基準に合致しているか否かに重点を置いた審査を行っている。

[cir3 ] このため、D2町における野球場の整備数は、5か所(11万4,300平方メートル、9面)となっている。

[cir4 ] これら5か所の野球場の昭和62年度における利用状況をみると、表42のとおり、町単独事業によって整備した野球場の利用実績は不明であるが、残る公園事業費補助によって整備した3施設(7面)の利用率は、((1))d10公園野球場41.4パーセント、((2))d11野球場55.0パーセント、((3))d9野球場22.1パーセントとなっている。

表42 D2町に設置されている野球場の利用状況


 

区分

設置年度

規模

事業名

総事業費(うち国庫補助)

昭和62年度利用率

昭和62年度延べ利用者数

野球場名

 

面積

面数

 

 

昭和

m2

 

千円

d10公園野球場

49

17,300

2

公園事業費補助

53,000

(6,000)

41.4

14,748

d12公園野球場

54

14,000

1

町単独事業

8,610

(―)

不明

不明

d11野球場

55

40,900

3

公園事業費補助

100,500

(15,000)

55.0

不明

d13公園野球場

58

14,400

1

町単独事業

8,390

(―)

不明

不明

d9野球場

59

27,700

2

公園事業費補助

149,230

(28,000)

22.1

8,479

114,300

9

319,730

(49,000)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 利用率は、実利用日数を利用可能日数(開設日)で除して得た。

3 自由使用に係る利用者数は不明である。

〔事例7〕


都道府県名

Q県

施設名

q1勤労者体育センター

市町村名

Q2町

施設概況

所管省庁名

労働省

市町村概況

財政力指数

0.489

施設設置年度

昭和60年度

人口

25,071人

建設費

88,000千円

 

 

(国庫補助額)

(71,680千円)

面積

28.73km2

 

敷地面積

1,807m2

 

 

(建築延面積)

(1,053)

[cir1 ] Q2町には、昭和46年度に文部省の補助により設置したQ2町q4町民体育館(建設費40,233千円うち国庫補助額4,200千円、建築延べ面積1,067平方メートル)及び昭和48年度に通商産業省の工業再配置促進対策交付金により設置したQ2町q2町民体育館(建設費73,365千円うち交付金45,750千円、建築延べ面積1,213平方メートル)がある。

(なお、Q2町は人口3万人以下であり、体育館の文部省整備基準は2館となる。)

[cir2 ] Q2町は、既設の体育館が2館あったが、町内の勤労者が増加し、町民税を納付する勤労者の割合が約80パーセントを占めることから、体育館を設置することを検討し、昭和59年度に勤労者体育施設の設置をQ県(雇用保険課)に要望した。

Q県(雇用保険課)は、Q2町の設置要望を受けて、既存の類似施設の設置・利用状況及び設置予定の勤労者体育施設の利用見込みを検討した結果、((1))既存の2体育館の利用はおおむね良好であること、((2))勤労者体育施設の利用者は利用基準(年間総利用者数1万人うち雇用保険被保険者等5,000人)を満たすと見込まれること、((3))県内の他市町村からの設置要望がなく他市町村との競合がなかったことから、勤労者体育施設設置後の既存2体育館の利用見込み(影響による利用者減少)までは考慮せず、労働省へ進達している。

また、労働省においてもQ県と同様な審査を行った上昭和60年度に設置決定を行い、同年度に雇用促進事業団に勤労者体育施設を設置させている。

[cir3 ] Q2町では、体育館が3館となるとともに、表43のとおり、既存施設の利用が低下し、特にq4町民体育館の場合、勤労者体育施設が供用開始された昭和61年度以降の利用率が50パーセントを下回る状況となっている。

表43 Q2町に設置されている体育館の利用状況


 

区分

q4町民体育館

q2町民体育館

勤労者体育センター

年度

 

利用者数

利用率

利用者数

利用率

利用者数

利用率

利用者数

昭和

58

5,505

64.8

11,707

82.2

17,212

59

5,375

74.2

10,374

100.0

15,715

60

4,805

87.1

11,574

95.4

16,379

61

4,375

49.0

10,005

66.3

11,892

64.0

26,272

62

4,239

46.4

8,357

64.2

18,275

82.7

30,871

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 利用率は、実利用日数を利用可能日数(開設日)で除して得た。

〔事例8〕


都道府県名

P県

施設名

P2勤労者体育センター

市町村名

P2町

施設概況

所管省庁名

労働省

市町村概況

財政力指数

0.27

施設設置年度

昭和58年度

人口

6,154人

建設費

116,000千円

 

 

(国庫補助額)

(89,600千円)

面積

22.99km2

 

敷地面積

1,745m2

 

 

(建築延面積)

(1,198)

[cir1 ] P2町には、昭和48年に文部省の補助により設置したP2町民体育館(建設費91,131千円うち国庫補助額10,000千円、体育室の面積817平方メートル)及び昭和56年度に農林水産省の新農業構造改善事業費補助により設置したP1農業者トレーニングセンター(建設費263,500千円うち国庫補助額131,750千円、体育室の面積1,226平方メートル)の2体育館が設置されていた。

このうち、P2町民体育館は、隣接して設置されていた町立P2小学校の体育館が老朽化したことにより昭和53年度に撤去されたことから、実質的に学校体育館として、平日は学校の授業に使用し、夜間(17時以降)に町内のスポーツ少年団(2団体)が週5回(1回2時間)、地域バレーボールクラブが週1回(約2時間)使用する程度となっている。

一方、P1農業者トレーニングセンターは、利用対象者の地域をP2町のほか隣接するP3町及びP4町としてP2町の西部に設置されている。

[cir2 ] このように町内に既存の体育館が2館あるものの、1館は学校体育施設化し、他の1館は農業者を利用対象者とし3町にまたがる広域施設であるため、P2町民が気軽に利用できないとして、P2町は昭和57年7月20日に地元負担が少ないことを理由にx1財団体育館の設置要望を行い、同年9月18日に設置決定が行われ、昭和57年度に同体育館の建設が行われた(設置場所町内P2地区、対象人口約3,900人)。

さらに、同町は、P2地区に体育館が設置されることとなったものの、P3地区(人口約2,300人)には、実質的に体育館がなく、両地区のバランスをとる必要から、勤労者体育施設の昭和58年度設置要望をP県(雇用保険課)に提出(昭和57年9月30日)したところ、県及び労働省の審査を経て昭和58年度採択が決定している。

なお、本件の県への要望書には、x1財団体育館が設置決定された昭和57年9月18日以降であるにもかかわらず、同町内には小学校の体育館を兼ねた町民体育館が1館あるのみで、P1農業者トレーニングセンター(昭和56年度設置)及びx1財団の体育館(昭和57年度設置予定)はないものとしている。

[cir3 ] 以上の結果、P2町内には、体育館が4館設置されている(人口1万人以下の地域における体育館の文部省整備基準は1館)。

なお、これら体育館の利用状況は、表44のとおりである。

表44 P2町に設置されている体育館の利用状況


 

区分

P2町民体育館

P1農業者トレーニングセンター

X1財団体育館

勤労者体育施設

年度

 

利用者数

利用率

利用者数

利用率

利用者数

利用率

利用者数

利用率

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昭和58

 

 

 

7,357

70.6

 

 

 

 

59

 

P2小学校が学校体育施設として管理しており把握していない。

 

6,981

87.8

 

不明

 

不明

20,956

100.0

60

 

 

 

10,029

71.1

 

 

 

 

24,131

100.0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

61

 

 

 

9,007

57.5

27,725

不明

22,132

100.0

62

 

 

 

8,796

39.4

35,680

不明

25,769

100.0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 x1財団体育館は、昭和57年度に設置され、昭和58~60年度は同財団が自ら管理し、その後昭和61年度にP2町に無償譲渡されている。

b 需要の少ない地域に設置されているため、利用が皆無に等しくなっているもの

〔事例1〕


都道府県名

N県

施設名

N3町運動場(n6スポーツ広場)

市町村名

N3町

施設概況

所管省庁名

文部省

市町村概況

財政力指数

0.251

施設設置年度

昭和62年度

人口

9,123人

建設費

10,500千円

 

 

(国庫補助額)

(3,028千円)

面積

82.82km2

 

敷地面積

4,039m2

 

 

(建築延面積)

(―)

[cir1 ] N3町には、昭和61年度末現在、4か所の運動広場(((1))n7スポーツ広場、昭和48年度設置、3グランド27,883平方メートル、((2))N3地区スポーツ広場、昭和56年度設置、2,398平方メートル、((3))n8地区スポーツ広場、昭和56年度設置、1,737平方メートル、((4))n9地区スポーツ広場、昭和55年度設置、1,701平方メートル、計33,917平方メートル)が設置されているが、同町は、昭和62年度に本件n6スポーツ広場を設置すべくN県教委に社会体育施設整備費補助事業計画書を提出している。

しかし、((1))n6スポーツ広場の設置予定地域にあるn10小学校の運動場が土曜日の午後及び日曜日に開放されているが、月に2回程度(ゲートボール、グラウンドゴルフの練習)しか利用されていない、((2))人口1万人規模の地域における運動広場の文部省整備基準は、面積1万平方メートルの運動広場1か所であるが、N県教委は、既存類似施設の利用状況、設置予定施設の利用見込み等の把握を行わずに、市町村から提出された計画はすべて進達するとの方針の下に文部省へ進達している。

文部省は、同様に十分な審査を行うことなく、昭和62年度の補助事業として採択している。

[cir2 ] n6スポーツ広場は、昭和63年4月から供用開始されているが、上記[cir1 ]のような事情もあって、同年4月から8月までの利用状況をみると、7月23日にオープン記念ゲートボール大会が1回開催されたのみである。

また、昭和48年度に設置されたn7スポーツ広場(主として野球、ソフトボールに利用)の昭和62年度における利用実績は、利用率は50.3パーセント、延べ利用者数は5,423人(利用日1日当たり63.8人、1グランド当たり21.3人)と必ずしも利用が多いとは認められない。

〔事例2〕


都道府県名

A県

施設名

a3公園相撲場

市町村名

A5市

施設概況

所管省庁名

建設省

市町村概況

財政力指数

0.629

施設設置年度

昭和61年度

人口

363,631人

建設費

41,800千円

 

 

(国庫補助額)

(8,000千円)

面積

749.42km2

 

敷地面積

1,400m2

 

 

(建築延面積)

(―)

[cir1 ] a3公園(陸上競技場、野球場、体育館、プール等のスポーツ施設が集中して設置されている。)の整備に当たり、A5市は、((1))同公園内に従前から相撲場が設置されていたこと、((2))相撲連盟から要望もあったことから、旧相撲場を廃止し、その跡地に建設省の公園事業費補助を得て昭和61年度に新相撲場を設置している。しかし、相撲場を設置するに際してのA5市における旧相撲場の利用実績及び新たに設置する相撲場の需要見込みの把握及び利用促進が不十分なため、昭和62年度の利用実績は、利用可能日数184日に対して2日(1.1パーセント)と少なく、利用者数も年間350人にとどまっている。

[cir2 ] A県では、A5市からの相撲場設置の公園事業計画の取りまとめに当たり、都市公園施設の技術的基準に適合するか否かについてはチェックしているが、相撲場の必要性、利用見込み等については把握していない。

(注) 利用率が低い例については、上記のほか、前記表35の例がある。

〔事例3〕


都道府県名

M県

施設名

第二テニス場

市町村名

M4町

施設概況

所管省庁名

建設省

市町村概況

財政力指数

0.301

施設設置年度

昭和56年度

人口

8,313人

建設費

24,458千円

 

 

(国庫補助額)

(10,000千円)

面積

120.20km2

 

敷地面積

2,469m2

 

 

(建築延面積)

クレーコート4面

[cir1 ] M4町は、昭和53年度に社会体育施設整備費補助を受けて第一テニス場(総事業費32,500千円うち国庫補助額が4,585千円、面積3,955平方メートル、全天候型コート4面及びクレーコート2面 計6面)を設置したが、昭和56年度に同テニス場から約1キロメートル離れた場所に公園事業費補助により第二テニス場を設置している。

[cir2 ] それぞれの施設の利用状況をみると、表45のとおり、((1))利用者数は昭和61年度以降減少傾向にあり、特に第二テニス場の昭和62年度の利用者数は天候の影響もあり半減している。((2))利用率は、第一テニス場にあっては50パーセントを上下しているが、第二テニス場にあっては昭和58年度の利用率は約98パーセントであったものが、昭和62年度には、33.2パーセントとなっている。

表45 M4町に設置されているテニス場の利用状況


 

区分

第一テニス場

第二テニス場

年度

 

利用者数

利用率

利用者数

利用率

昭和58

2,196人

52.7%

1,676人

97.7%

59

2,115

50.8

1,926

35.8

60

2,482

67.9

1,908

41.4

61

2,108

50.2

1,349

34.9

62

1,855

45.2

951

33.2

(注) 当庁の調査結果による。

[cir3 ] 第二テニス場の利用が以上のようになってきている理由についてM4町教委では、近くに全天候型コートを有する第一テニス場があるため、設備のよい方に利用者が流れるためであるとしている。

c スポーツ施設の一部を他用途に転用しているもの

〔事例〕


都道府県名

N県

施設名

N3町総合町民体育館

市町村名

N3町

施設概況

所管省庁名

文部省

市町村概況

財政力指数

0.251

施設設置年度

昭和58~59年度

人口

9,123人

建設費

472,442千円

 

 

(国庫補助額)

(109,259千円)

面積

82.82km2

 

敷地面積

5,692.5m2

 

 

(建築延面積)

(3,213.7)

[cir1 ] N3町には、昭和55年度に設置したN3町農村勤労福祉センター(建設費144,240千円うち労働省の交付金79,600千円、体育室の面積667平方メートル)があったが、国体を契機として昭和58~59年度に総合町民体育館を社会体育施設整備費補助を受けて設置している(人口1万人の地域における体育館の文部省整備基準は1館)。

[cir2 ] N3町は、総合町民体育館の設置に当たり、町の室内スポーツの拠点とするため、各種用途の利用に対応するようトレーニング室、幼児体育室、卓球場及び高齢者体育室を整備したが、住民の需要を把握した上で整備したものでないことから、表46のとおり、他用途に供しているものや遊休化しているものがある。

表46 総合町民体育館内施設の転用等の状況


施設名

利用状況

トレーニング室(82.01m2)

設置当初からトレーニング器具等は設置しておらず、隣接しているN3中学校生徒がフェンシングの練習を行っており、事実上フェンシング室となっている。

幼児体育室(45.9m2)

利用希望者がないため、物置となっている。

卓球場(272m2)

卓球は主として隣接する農村勤労福祉センターを利用させることとしており、同センターが使えず、当施設の利用希望がある場合に利用させている(抽出調査した7か月間のうち4日利用)。

高齢者体育室(91.01m2)

利用希望がないため、柔道場として利用(抽出調査した7か月間のうち41日利用)

(注) 当庁の調査結果による。

d 利用者の約半数が中学生となっているもの

〔事例〕


都道府県名

P県

施設名

P5町勤労者体育センター

市町村名

P5町

施設概況

所管省庁名

労働省

市町村概況

財政力指数

0.569

施設設置年度

昭和51年度

人口

20,813人

建設費

72,996千円

 

 

(国庫補助額)

(68,000千円)

面積

39.54km2

 

敷地面積

1.984m2

 

 

(建築延面積)

(体育室840)

[cir1 ] 勤労者体育施設は、中小企業に働く勤労者及び農村地域における労働者の利用に供されることを目的とする体育施設であり、その設置に要する財源は労働保険特別会計の雇用勘定において負担することとされている。

[cir2 ] 労働省は、P5町からの設置要望に基づき、昭和51年度に勤労者体育施設の設置決定を行い、雇用促進事業団に同施設を設置させている。

[cir3 ] 昭和58年度以降の勤労者体育施設の利用状況をみると、表47のとおり、年間総利用者数及び雇用保険被保険者等は利用基準を上回っているものの、年間総利用者数の約半分は隣接するp4中学校の生徒の利用となっている。この理由は次のとおりである。

((1)) 勤労者体育施設の利用時間は、9時から21時までとされているが、平日の9時から16時はP4中学校の授業に、16時から19時及び日曜・祭日の9時から13時は同中学校のクラブ活動に利用していること。

((2)) 雇用保険被保険者等の利用は、平日の19時から21時、日曜・祭日の13時から21時と制限されていること。

((3)) p4中学校には体育館があるが、隣接するp4小学校体育館との共用となっており、中学生の方が多いことから、円滑な学校教育が行えないとして、上記((1))及び((2))のような運用を行っていること。

なお、同施設を管理しているP5町教委では、中学生の授業又はクラブ活動の時間帯に住民からの利用申込みがあった場合には、他の体育館(昭和60年度に設置した構造改善センターの体育館(715平方メートル)又は勤労青少年ホームの体育室(昭和50年度設置、体育室476平方メートル))で対応することとしている。

表47 P5町勤労者体育センターの利用状況


 

年度

昭和58

59

60

61

62

区分

 

 

 

 

 

 

利用率

83.9%

87.4%

86.8%

92.2%

92.5%

利用者数

15,548人

17,134人

15,332人

12,915人

15,564人

内訳

対象者

7,364

9,052

9,826

6,645

8,562

非対象者

8,185

8,082

5,506

6,270

7,002

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 利用率は、実利用日数を利用可能日数(開設日)で除して得た。

2 学校体育施設の開放の促進

(1) 公立小・中学校の体育施設の開放の促進

(勧告)


近年、生活水準の向上、自由時間の増大等に伴い、国民のスポーツ活動の場に対するニーズが高まっており、これにこたえるためには、屋外運動場、体育館等の学校体育施設がスポーツ施設総数の過半数を占め、このうち特に市町村立小・中学校の体育施設は、地域住民の身近に所在し、かつ、通常、平日の夜間、休日等には児童・生徒の利用が少ないことから、学校教育に支障の生じない範囲においてこれらの施設を地域の一般住民に積極的に開放することが重要となっている。

文部省は、「学校体育施設開放事業の推進について」(昭和51年6月26日付け文体体第146号、事務次官通知)により、都道府県教委を通じ市町村教委に対し学校体育施設の開放を促進するよう指導しており、また、公立学校の体育施設の開放に際し、市町村教委が市町村立小・中学校及び高等学校の体育施設の管理及び安全面での指導の任に当たる管理指導員を配置する場合に、これに要する経費(謝金)の一部(3分の1)を都道府県教委を通じ補助(昭和63年度予算額3億5,141万円)するとともに、都道府県教委又は市町村教委がそれぞれ設置した公立学校の体育施設に夜間照明施設、クラブハウス等の施設を付設する場合に、これに要する経費(建設費)の一部(3分の1)を補助(昭和63年度予算額7億2,000万円)している。

なお、市町村立小・中学校の体育施設の地域の一般住民に対する開放率(施設保有校に対する開放校の割合、全国ペース)は、文部省の「体育・スポーツ施設現況調査」(昭和59年度の実績)の結果を基に算出すると、屋外運動場79.5パーセント、体育館82.5パーセントであるのに対し、水泳プールは21.1パーセントとなっている。

今回、市町村立小・中学校の体育施設の地域の一般住民に対する開放状況及び都道府県教委における補助金に係る審査・採択状況を調査した結果、なお次のような問題が認められる。

ア 開放状況

[cir1 ] 今回、19都道府県の1,437校(32市町村)を抽出して体育施設の開放状況を調査した結果、屋外運動場及び体育館の開放率は、それぞれ69.9パーセント(施設保有校1,437に対し開放校1,005)、77.7パーセント(同1,427に対し1,109)となっているのに対し、水泳プールの開放率は、公共・民間等の水泳プールが相当に整備されていることもあって、1.1パーセント(同1,169に対し13)にとどまっている。また、これを市町村単位にみると、屋外運動場及び体育館の開放率がともに80パーセントを超えているところが21ある反面、50パーセントに満たないところは2であり、また、水泳プールを開放しているところは4にとどまっている。

水泳プールについて、開放を行っていない小・中学校の中から34校(全く開放していないもの7及び放課後等に自校の児童・生徒のみに利用させているもの27)を抽出して開放の可否を検討したところ、これらの中には、地域住民から開放要望がありながらこれを把握していないものや、開放要望を把握してはいても、衛生上の懸念(児童・生徒への眼病等の感染の恐れ)を主たる理由として開放を行っていないものがある。

なお、未開放の理由として挙げている衛生上の懸念については、現に開放している学校にあっては、水質管理の徹底によりこれまで病気の感染などの問題は生じていない。

[cir2 ] 開放している学校体育施設については、各市町村とも広報紙等により地域住民に開放周知を行っているが、これら施設の中には、利用者にとって平日に比べて便利な祝日・日曜日を未開放としているものがある。

イ 管理指導員に係る謝金補助の実施状況

本補助金は、学校体育施設の開放の促進・拡大を図るという奨励的性格を有していることから、都道府県教委が市町村教委からの申請案件を審査するに当たっては、新規開放予定校を採択することにより順次開放校の拡大を図っていくことが重要である。

しかしながら、今回、1,437校の中から94校を抽出して、都道府県教委における本補助金に係る審査・採択状況を調査した結果、次のとおり、本補助金の趣旨がいかされていない状況が認められる。

[cir1 ] 補助要綱等において補助の標準的な期間が示されていないこともあって、未開放校が残っているにもかかわらず、同一の学校が6年以上継続して補助対象となっているものが29校(4市町村)あり、中には、12年になっているものがある。

[cir2 ] 既に単独市町村費により管理指導員が配置され学校体育施設の開放が定着化している学校が改めて補助対象となっているものがある。

したがって、文部省は、公立小・中学校の体育施設の開放をより一層促進する観点から、次の措置を講ずる必要がある。

[cir1 ] 学校体育施設、特に水泳プールについては、都道府県教委を通じ市町村教委に対し、地域住民の需要を的確に把握した上、その開放を促進するとともに、学校体育施設の開放に当たっては、休日開放の促進等利用者の利便に配慮するよう指導すること。

[cir2 ] 管理指導員に係る謝金補助については、開放の促進を図るため、補助要綱等で補助の対象とする標準的な期間を設定した上、都道府県教委に対し、新規開放予定校を採択するよう指導すること。

(説明)

ア 学校体育施設の開放措置状況

(ア) 学校体育施設の開放の必要性

学校体育施設は、スポーツ施設(昭和60年9月1日現在29万2,117施設)の54.1パーセント(同15万8,119施設、前記項目の1の(3)イ参照)を占めており、また、学校体育施設総数に占める市町村立小・中学校の体育施設は、表48のとおり、82.6パーセントと大きな割合を占めている上、地域住民の身近に所在し、かつ、通常、平日の夜間、休日等には児童・生徒の利用が少ないのが実情となっている。

このようなことから、既存施設の有効利用を図るとともに、国民のスポーツ活動の場に対するニーズの高まりにこたえるため、学校教育に支障のない範囲においてこれら学校体育施設を地域の一般住民に開放することが重要となっている。

表48 学校体育施設総数に占める市町村立小・中学校体育施設の割合

(単位:施設、%)


施設名

学校体育施設総数(A)

市町村立小・中学校体育施設(B)

(B/A)

運動場

40,243

33,675

83.7

体育館

40,149

32,029

79.8

水泳プール

29,003

24,640

85.0

109,395

90,344

82.6

(注)

1 文部省の「体育・スポーツ施設現況調査」(昭和60年9月1日現在)に基づき作成した。

2 「学校体育施設総数」は、国公私立の小学校、中学校、高等学校、高等専門学校、大学及び特殊教育諸学校の体育施設の合計数である。

なお、学校体育施設を含めた学校施設の利用については、学校教育法(昭和22年法律第26号)第85条において「学校の施設を社会教育その他公共のために、利用させることができる。」と規定されているとともに、社会教育法(昭和24年法律第207号)第44条において「学校の管理機関は、学校教育上支障がないと認める限り、その管理する学校の施設を社会教育のために利用に供するよう努めなければならない。」と規定されており、また、スポーツ振興法(昭和36年法律141号)第13条においても「国及び地方公共団体は、その設置する学校の教育に支障のない限り、当該学校のスポーツ施設を一般のスポーツのための利用に供するよう努めなければならない。」と規定されている。

(イ) 文部省の指導・措置状況

文部省は、市町村立小・中学校の体育施設の開放の促進を図るため、「学校体育施設開放事業の推進について」(昭和51年6月26日付け文体体第146号、事務次官通知)により、都道府県教委を通じ市町村教委に対し、開放を実施する場所・時間帯、開放時の施設管理の方法等を明示し、学校体育施設の開放を積極的に行うよう指導している。

また、文部省は、表49のとおり、公立学校の体育施設の開放に際し、市町村教委が市町村立小・中学校及び高等学校の体育施設の管理及び安全面での指導の任に当たる管理指導員を配置する場合に要する経費(謝金)の一部(3分の1)を都道府県教委を通じ補助(昭和63年度予算額3億1,541万円)するとともに、都道府県教委又は市町村教委が都道府県立又は市町村立の学校の体育施設に夜間照明施設、クラブハウス等の施設を付設する場合に要する経費(建設費)の一部(3分の1)を補助(昭和63年度予算額7億2,000万円)している。

表49 公立学校の体育施設の開放に係る国庫補助の概要


区分

管理指導員に係る謝金補助

夜間照明施設、クラブハウス等の施設の付設に係る補助

補助事業名等

○ 学校体育施設開放事業

(一般会計の(項)体育振興費の(目)地方スポーツ振興費補助金の中の市町村生涯スポーツ振興事業に含まれる4種類のメニュー事業の一つ)

○ 学校体育諸施設補助

(一般会計の(項)公立文教施設整備費の(目)公立学校施設整備費補助金の中の学校体育諸施設補助による8種類の対象事業中の夜間照明施設、クラブハウス等の整備事業)

事業内容

○ 市町村が設置する小学校、中学校及び高等学校の体育施設を一般住民のスポーツ活動のために開放するに際し、管理指導員を置く事業

○ 開放日数は、年間100日以上を標準とし、1日(1回)の開放時間は、3時間程度

○ 学校体育施設の開放のため公立学校の照明施設、クラブハウス等を整備する事業

補助対象経費

○ 学校体育施設開放校に置かれる管理指導員に対する諸謝金

○ 施設の設置に必要な経費

補助金の額

○ 補助対象経費の3分の1以内(1日(1回)600円を限度とする。)

○ 補助率3分の1

交付対象

(補助事業者)都道府県

(間接補助事業者)市町村

(補助事業者)地方公共団体

(注) 補助要綱等に基づき当庁で作成した。

なお、学校体育施設の開放については、臨時教育審議会の「教育改革に関する第3次答申」(昭和62年4月1日、注1参照)を受け、文部省は、都道府県知事、都道府県教委及び指定都市教委に対し、「臨時教育審議会「教育改革に関する第3次答申」について」(昭和62年5月8日付け文初高第190号初等中等教育局長、教育助成局長、社会教育局長、体育局長連名通知)の中で、改めてその促進を図るよう指導(注2参照)している。

(注)

1 臨時教育審議会「教育改革に関する第3次答申」(昭和62年4月1日)(抄)

第4章 スポーツと教育

(1) 生涯スポーツの推進

[cir4 ] 運動場・体育館などの学校スポーツ施設等については、さらに積極的に充実を図っていくとともに、地域社会の共同の施設であるとの観点から、その整備・利用の在り方を検討する。また、水泳プールについては、温水プールの整備も含め、地域社会において効率的に使用し得る方策を検討する。

2 昭和62年5月8日付け文初高第190号連名通知(抄)

3 生涯スポーツの推進

ア 地域住民のスポーツ活動に供するため、学校体育施設の使用可能な時間帯等を地域住民に明示するなどして学校開放を促進すること。その場合の施設等の留意事項については、昭和51年6月24日付け文体体第146号文部事務次官通知「学校体育施設開放事業の推進について」において示しており、その趣旨の一層の徹底を図ること。

イ 市町村立小・中学校の体育施設の開放状況

(ア) 概況

a 市町村立小・中学校の屋外運動場、体育館及び水泳プールの地域の一般住民に対する開放率を文部省の「体育・スポーツ施設現況調査報告」に基づき算出すると、表50のとおり、屋外運動場及び体育館にあっては、小・中学校計で、昭和49年度に60パーセント台であったものが、昭和59年度にはおおむね80パーセントと上昇しているのに対し、水泳プールにあっては、昭和49年度及び昭和59年度ともおおむね21パーセントと横ばい状態にある。

表50 市町村立小・中学校の体育施設の開放率の推移

(単位:校、%)


区分

昭和49年度

昭和53年度

昭和59年度

 

施設保有校数(A)

開放校数(B)

開放率(B/A)

施設保有校数(A)

開放校数(B)

開放率(B/A)

施設保有校数(A)

開放校数(B)

開放率(B/A)

屋外運動場

小学校

24,154

16,706

69.2

24,591

18,153

73.8

23,921

19,209

(20,176)

80.3

(84.3)

中学校

9,987

6,983

69.9

10,151

7,275

71.7

9,754

7,558

(7,599)

77.5

(77.9)

34,141

23,689

69.4

34,742

25,428

73.2

33,675

26,767

(27,775)

79.5

(82.5)

体育館

小学校

19,232

12,336

64.1

19,762

15,721

79.6

22,316

18,694

(19,167)

83.8

(85.9)

中学校

8,679

6,236

71.9

8,792

7,146

81.3

9,713

7,722

(7,834)

79.5

(80.7)

 

27,911

18,572

66.5

28,554

22,867

80.1

32,029

26,416

(27,001)

82.5

(84.3)

水泳プール

小学校

13,350

2,872

21.5

16,181

3,034

18.8

18,141

4,036

(7,158)

22.2

(39.5)

中学校

4,899

1,054

21.5

5,666

984

17.4

6,499

1,158

(2,007)

17.8

(30.9)

18,249

3,926

21.5

21,847

4,018

18.4

24,640

5,194

(9,165)

21.1

(37.2)

(注)

1 文部省の「体育・スポーツ施設現況調査報告」(昭和51年3月、昭和56年6月、昭和62年1月)に基づき作成した。

2 昭和59年度の( )内は、自校の児童・生徒のみに利用させている小・中学校を含めた数である。

3 開放の態様としては、週のうち特定の日を定めるなど定期的に開放するもの、夏休みなどの一定の期間中開放するもののほか、不定期に要請に応じて開放するものの三つがある。

b 今回、19都道府県内の1,437校(32市町村)を抽出して、市町村立小・中学校の体育施設の地域の一般住民に対する開放の状況を調査した結果、その開放率は、表51のとおり、屋外運動場にあっては、69.9パーセント(小学校72.2パーセント、中学校65パーセント)、体育館にあっては、77.7パーセント(小学校84.9パーセント、中学校62.2パーセント)となっているのに対し、水泳プールの開放率は、公共・民間等の水泳プールが相当に整備されていることもあって、1.1パーセント(小学校1.5パーセント、中学校0.3パーセント、水泳プール保有校1,169に対し開放校13)にとどまっている。

表51 調査対象市町村の学校体育施設の開放状況(昭和62年度)

(単位:校、%)


区分

屋外運動場

体育館

水泳プール

 

小学校

中学校

小学校

中学校

小学校

中学校

施設保有校数(A)

985

452

1,437

977

450

1,427

821

348

1,169

開放校数(B)

711

294

1,005

829

280

1,109

12

1

13

開放率(B/A)

72.2

65.0

69.9

84.9

62.2

77.7

1.5

0.3

1.1

(注) 当庁の調査結果による。

また、学校体育施設の開放率別の市町村数をみると、表52のとおり、屋外運動場及び体育館の開放率がともに80パーセント以上となっている市町村は21(施設別では、屋外運動場23(71.9パーセント)、体育館24(75パーセント))であり、管内のこれら両施設の開放率がともに100パーセトとなっている市町村は14にも上っている一方で、これら両施設の開放率がともに50パーセントに満たない市町村は2(施設別では、屋外運動場5(15.6パーセント)、体育館3(9.4パーセント))ある。また、水泳プールを開放している市町村は4(うち全校を開放している市町村2)にすぎず、全く開放していない市町村は28に上っている。

表52 学校体育施設の開放率別の市町村数

(単位:市町村、%)


区分

100%

99~90

89~80

79~50

49~1

0

調査対象市町村数

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋外運動場

15

(46.9)

2

(6.3)

6

(18.8)

4

(12.5)

4

(12.5)

1

(3.1)

 

32

(100)

 

23

(71.9)

4

(12.5)

5

(15.6)

 

 

体育館

15

(46.9)

6

(18.8)

3

(9.4)

5

(15.6)

3

(9.4)

0

 

 

 

24

(75.0)

5

(15.6)

3

(9.4)

 

 

屋外運動場及び体育館の双方

14

1

6

3

2

0

 

 

21

3

2

 

 

水泳プール

2

(6.3)

0

0

0

2

(6.3)

28

(87.5)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 管内の全小・中学校が屋外運動場、体育館及び水泳プールの3施設を地域の一般住民に開放している市町村は2である。

3 ( )内は構成比を示す。

なお、市町村立小・中学校等の水泳プールの整備については、公立学校施設整備費補助の一環として、昭和34年度から国庫補助が行われており、その数は、表53のとおり、昭和44年に1万1,636であったものが、昭和60年9月には2万6,973と約2.3倍に増加している。これによる児童・生徒の水泳に親しむ機会の増大に伴い、順次、それらの者の卒業と経年経過により一般社会における水泳人口は増加してきているものと見込まれる。

表53 学校水泳プール数の推移

(単位:施設)


年月

昭和44.7

50.7

55.1

60.1

施設名

11,636

(100)

19,949

(171.4)

23,798

(204.5)

26,973

(231.8)

(注)

1 文部省の「体育・スポーツ施設現況調査報告」(昭和46年1月、昭和51年3月、昭和56年6月、昭和62年1月)による。

2 ( )内は、昭和44年7月を100とした場合の指数である。

(イ) 水泳プールの開放の余地

今回、地域の一般住民に水泳プールを開放していない34校(全く開放していないもの7及び夏期休暇中等に自校の児童・生徒のみに利用させているもの27)を抽出して、開放の可否について調査した結果、これらの中には、当該地域において公共水泳プールの整備が進んでいること等から、地域の一般住民が開放要望を有していないものもある一方で、次のとおり、地域の一般住民からの開放要望がありながらこれを把握していないものや、把握していても衛生上の懸念(児童・生徒への眼病、皮膚病の感染の恐れ及び大腸菌等による水質汚濁)があることを主たる理由として開放していないものがみられる。

○ 地域の一般住民から開放要望がありながらこれを把握していないもの

〔事例〕 L県L1村(l2中学校)

村内には、県が設置した青少年野外活動センターの水泳プールのほか、夏期休暇中自校の児童・生徒のみに利用させている学校水泳プールが小学校4及び中学校1(いずれも管理指導員配置済み)があるが、前者の場合、利用者は同センターの利用者に限られており、一般村民が利用できる水泳プールがない状況となっている。

このため、村内在住の住民、特に高校生が学校水泳プールの開放を要望しているが、村ではこれを把握していなかった。

○ 地域の一般住民からの開放要望を把握しているが、衛生上の懸念を主たる理由として開放を行っていないもの

〔事例1〕 R2市(r12小学校及びr13小学校)

R2市立の小・中学校(50校)の水泳プールは、いずれも地域の一般住民への開放は行われていない(夏期休暇中には自校の児童・生徒のみに利用させている。)。

同市(人口31万2,000人)には、公共水泳3プール及び民間水泳プール4があるものの、夏期においては、市民の水泳プールに対する需要に応じきれないことから、市民から学校水泳プールの開放要望があり、市教委もこうした市民からの学校水泳プールの開放要望を把握しているが、児童・生徒への眼病等の感染の恐れがあることを主たる理由として学校水泳プールの開放を行っていない。

〔事例2〕 Q1市(q6西小学校)

Q1市立の小・中学校(24校)の水泳プールは、いずれも地域の一般住民への開放は行われていない(うち、12校にあっては、夏期休暇中においては自校の児童・生徒のみには利用させている。)。

同市(人口6万5,000人)には、民間水泳プールが一つしかないことから、市民から学校水泳プールの開放要望があり、市教委もこうした市民からの学校水泳プールの開放要望を把握しているが、児童・生徒への眼病等の感染の恐れがあることを主たる理由として学校水泳プールの開放を行っていない。

しかしながら、これらの市町村が学校水泳プールを開放していない主たる理由として挙げている衛生上の懸念については、既に開放を行っている市町村では、次のような諸措置を講じており、特に問題は生じていない。

[cir1 ] 管理指導員等が、表54のとおり、1日数回水質測定を行い、文部省の「学校環境衛生の基準について」(昭和39年6月12日付け文体保第208号体育局長通知)により示されている水質基準の基準値を保つよう塩素剤の投入や水の入替え等を行っている。

(注) 水泳プールで感染する恐れのある病気(主に眼病)の原因となるウイルスや病原菌は、水質基準の遊離残留塩素度(0.4mg/l以上)であれば殺菌され、また、水質汚濁についても同基準の大腸菌群数等を基準値以下に保つことにより防止できる。

[cir2 ] 水泳プールの利用規程等で利用者に対して入水前のシャワーによる身体の洗浄を義務付けるとともに、伝染病り患者等の利用を制限している。

(注) 学校水泳プールについては、公立学校施設整備費補助事業による、プール本体(水槽)とともにシャワー設備等の附属施設も補助対象となっており、上記未開放校にあってもシャワー設備は整備されている。

表54 地域の一般住民に開放している学校水泳プールに係る衛生管理対策等(昭和62年度)


市町村名

人口

水泳プール数(施設)

地域住民一般への開放形態

衛生管理対策

管理指導員の確保方策(管理指導員に係る費用等)

 

学校

 

公共

民間

 

 

 

 

 

 

 

 

うち開放校

 

 

 

 

 

A県

千人

 

 

 

 

 

 

 

 

A3町

5.4

3

3

0

0

3

・開放日時(a7小の例)

7.1~8.24

10:00~21:00

・子供と大人が一緒に利用

文部省の「学校環境衛生の基準」による水質基準を保つよう、同町の管理指導員が1日数回水質測定をしている。

・町単独経費で1校当り、1~2名配置

・397,667円(1校平均)

C県C5市

320.9

43

7

1

4

48

・開放日時

8.6~8.21

9:30~17:00

・子供と大人が一緒に利用

上記の水質基準を保つよう、管理委託を受けたメンテナンス会社の社員が1日数回水質測定をしている。

・市単独経費で民間のビルメンテナンス会社にプール管理を一括(7校分)して委託

・4,798,000円(7校分の合計)

C県C6市

425.4

24

1

3

6

33

・開放日時

8.21~8.30

9:30~15:00

・子供と大人が一緒に利用

上記の衛生基準の水質基準を保つよう、管理委託を受けた地区体力つくり推進協議会の管理指導員が1日数回水質測定をしている。

・市単独経費で地区体力つくり推進協議会に管理指導業務を委託

・280,720円(1校分)

N県N4町

10.5

2

2

1

0

3

・開放日時

8.19~8.28

9:30~15:30

・子供と大人が一緒に利用

上記の水質基準を保つよう、同町の管理指導員が1日数回水質測定をしている。

・町単独経費で管理指導員を1校当たり1名配置

・156,000円(1校分)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 「水泳プール数」欄の「学校」は市町村立小・中学校の水泳プールであり、「公共」は地方公共団体が設置した水泳プール、「民間」は学校と公共以外の水泳プールである。

なお、学校水泳プールを開放していない市町村の中には、水泳プールの開放に際しては、事故の防止等のため、管理指導員を置く必要があるが、これに係る経費負担が困難であることを挙げているところもある。しかしながら、管理指導員に係る謝金補助(次項ウ参照)の活用や自校の児童・生徒のみに利用させている学校にあっては既に管理指導員(ボランティアを含む。)が配置されており、その活用により対処が可能であるほか、学校水泳プールの利用期間が最良でも夏期の約2か月間であることから、前期表54のとおり、単独市町村費で管理指導員を確保している例があるなど、多様な方策により管理指導員を確保することは可能と認められる。

また、学校体育施設の開放に当たっては、各市町村とも通常、開放校単位に学校関係者、利用者の代表、市町村教委等から構成される運営委員会を設け、運営方法の協議、利用日程の調整等を行うとともに、グループを育成し団体による利用の促進(前記文部省通知「学校体育施設開放事業の推進について」においても「学校の体育施設を教育委員会に登録した団体の利用に供する形態が望ましいこと。」とされている。)を図ることにより、地域の一般住民のスポーツ活動の振興に資しており、中には、利用者団体が開放時において、自主的に、施設の管理、利用者の安全の管理等を行っているところもある。

(ウ) 開放することとしている体育施設の利用者サービスの状況

市町村立小・中学校の体育施設のうち屋外運動場及び体育館については、前記2の(1)イ(ア)のとおり相当に開放が進んでおり、また、今回調査した32市町村は、いずれも、開放することとしているこれら体育施設については、市町村広報紙、パンフレット等により地域住民に対する周知を行っており、昭和62年度における利用実績も、これらの市町村内の小・中学校の屋外運動場37施設及び体育館47施設を抽出して調査したところ、表55のとおり、年間51日以上開放実績のあるものが、屋外運動場27施設(73パーセント)、体育館43施設(91.5パーセント)とおおむね良好となっている。

表55 開放対象施設の開放実績(昭和62年度)

(単位:施設、%)


開放日数

屋外運動場

体育館

300日以上

4(10.8)

27(73.0)

9(19.1)

43(91.5)

201~299日

6(16.2)

 

7(14.9)

 

101~200

4(10.8)

 

16(34.0)

 

51~100

13(35.1)

 

11(23.4)

 

11~50

8(21.6)

2(4.3)

10日以下

2(5.4)

2(4.3)

37(100)

47(100)

(注) 当庁の調査結果による。

しかしながら、抽出調査した84開放対象施設について、開放を行っている曜日等をみると、次の状況となっている。

地域の一般住民にとって日曜日及び祝日は平日に比べて利用しやすいことから、管理指導員を交替で休ませる、翌日を振替休日とするなどにより、これらの日を開放しているものが屋外運動場で34施設、体育館で37施設あるが、表56のとおり、これらの日であっても開放していないものが屋外運動場で3施設、体育館で10施設ある。

表56 開放対象施設の開放日

(単位:施設、%)


区分

通年開放(年末年始を除く。)

4月~11月の間毎日開放

日曜日・祝日にのみ開放

土曜日・日曜日を除き開放

日曜日・祝日を除き開放

屋外運動場

30

(81.1)

2

(5.4)

2

(5.4)

2

(5.4)

1

(2.7)

37

(100)

 

34

(91.9)

3

(8.1)

 

体育館

34

(72.3)

0

3

(6.4)

5

(10.6)

5

(10.6)

47

(100)

 

37

(78.7)

10

(21.3)

 

(注) 当庁の調査結果による。

ウ 管理指導員に係る謝金補助の実施状況

管理指導員に係る謝金補助は、前記2の(1)ア(イ)のとおり、市町村立の小・中学校及び高等学校の体育施設の開放の促進・拡大を図るという奨励的性格を有していることから、都道府県教委が市町村教委からの補助金の交付申請を審査するに当たっては、新規開放予定校を採択することにより、順次開放校の拡大を図っていくことが重要となっており、文部省は、毎年度、各都道府県教委に対する補助金交付時の留意事項の一つとして補助実施市町村の採択に当たっては新規開放校を優先するよう指導している。

(注) 本補助金は、昭和51年度に「学校体育施設管理指導員謝金事業」として発足し、翌昭和52年度に、別途措置されていた「校庭開放事業」(社会教育局所管)と統合の上、「学校体育施設開放事業」(体育局所管)となり、昭和53年度には、補助金の整理合理化の一環として「基礎体力つくり・スポーツ振興事業」の中の1事業とされ、その後昭和60年度からは現行の「生涯スポーツ振興事業」のメニュー事業の一つとなっている。

なお、管理指導員に係る謝金補助の予算額、補助市町村数及び補助学校数は、表57のとおり、昭和60年度以降年々減少しており、昭和63年度にあっては、それぞれ約3億5,000万円、332市町村及び7,178校となっている。

表57 管理指導員に係る謝金補助の実施状況(全国)

(単位:校、千円)


年度

58

59

60

61

62

63

予算額

528,000

475,200

451,440

419,839

377,855

351,405

補助市町村数

451

522

424

405

358

332

補助学校数

6,892

7,573

7,599

7,590

7,315

7,178

(注) 文部省の資料による。

今回、19都道府県の32市町村内の1,437校(これら19都道府県管内で昭和62年度に本補助の対象となったものは3,906校(182市町村)の中から94校(11市町村)を抽出して、本補助金の審査・採択状況を調査した結果、次のとおり、本補助金の趣旨がいかされていない状況が認められる。

[cir1 ] 補助の期間が長期にわたっているもの

調査した94校における補助の期間をみると、表58のとおり、6年以上のものが48校(本補助制度発足以来継続して12年間にもわたって補助を受けているもの14校)あり、これらの中には、当該市町村に未開放校がなお残っているものが29校(同上4校)ある。

表58 抽出調査対象校における補助の期間


区分



都道府県名

市町名

学校数(A)

開放校数(B)

開放率(B/A)

補助校数(C)

Cのうち抽出校数(D)

Dの補助の期間(E)

 

 

 

 

 

 

 

5年以下

6年以上

開放率100%未満

1

A県

A1町

11

9

81.8

9

9

9

0

2

 

A2町

10

9

90.0

9

9

9

0

 

3

 

A5市

93

40

43.0

40

10

3

7

 

4

B県

B2町

7

5

71.4

5

5

5

0

 

5

L県

L4市

61

43

70.5

20

10

1

9

 

6

O県

O2市

32

27

84.4

22

10

3

7

 

7

V県

V4市

20

18

90.0

18

8

2

6(4)

 

小計

 

61

32

29(4)

開放率100%

8

A県

A3町

4

4

100

4

4

4

0

9

F県

F3市

34

34

100

34

10

0

10(10)

 

10

N県

N2市

38

38

100

28

10

10

0

 

11

P県

P6市

59

59

100

9

9

0

9

 

小計

 

33

14

19(10)

合計

 

94

46

48(14)

(注)

1 当庁の調査の結果による。

2 A~Cの各欄は昭和62年3月末現在による。

3 Eの欄の( )内は、継続して12年間にわたつて補助の対象となつている学校数で内数である。

〔事例〕 同一市町村に未開放校が多数残っておりながら、同一の学校に長期間補助しているもの

A県A5市立小・中学校の屋外運動場及び体育館の昭和62年度における開放率は、表59のとおり、いずれの施設も小・中学校計で43.0パーセントと昭和59年度の全国平均を大きく下回っている。こうしたことから、体育館については、屋外での運動ができない冬期は利用希望者が競合し、希望する日時に利用することができないことがある等のため、市民からその開放校の拡大の要望がある。

表59 A5市立小・中学校の体育施設の開放状況(昭和62年度)

(単位:校、%)


屋外運動場

体育館

施設保有校(A)

開放校(B)

開放率(B/A)

施設保有校(A)

開放校(B)

開放率(B/A)

93

40

43.0

93

40

43.0

(注) 当庁の調査結果による。

このように未開放校が多数あり、市民の開放要望がある中で、同市における管理指導員に係る謝金補助の受給状況をみると、表60のとおり、開放校はすべて本補助金を受けており、昭和53年度に補助を受けた10校がそのまま継続して補助を受けているなどいったん補助を受けるとそのまま継続している状況となっている。

表60 学校体育施設開放校数等の推移

(単位:校、%)


区分

昭和53年度

55

60

61

62

市立小・中学校数(A)

89

91

92

94

93

開放校数(B)

10

25

36

38

40

開放率(B/A)

11.2

27.5

39.1

40.4

43.0

Bのうち国庫補助校

10

25

36

38

40

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 開放校は、いずれも体育館と運動場の双方を開放している。

[cir2 ] 既に単独市町村費により管理指導員が配置され、その開放が定着化している学校体育施設に対し、改めて補助を行っているもの

今回調査した94校の体育施設のうち昭和62年度に補助が開始されたものは24校24施設であり、このうち新規開放校(体育施設)は1校のみで、残りの23校は、表61のとおり、いずれも既に5~14年前に単独市町村費により管理指導員を配置するとともに、利用者団体等を中心とした運営委員会を設けて学校開放を行っているなど開放が定着化しているものである。

表61 開放が定着化している学校に対する補助


町名

学校数

開放校数

補助対象

事項

A県A1町

11

9

(体育館)

9

(体育館)

A1町では、昭和48年度から61年度までの間、町単独事業で管理指導員を配置し、学校体育施設の開放を実施しているが、昭和62年度から本補助の対象となっている(昭和62年度総事業費136.6万円、うち国庫補助額45万円)。

A県A2町

10

9

(屋外運動場)

(体育館)

9

(屋外運動場)

(体育館)

A2町では、昭和55年度から61年度までの間、町単独事業で管理指導員を配置し、学校体育施設の開放を実施しているが、昭和62年度から本補助の対象となっている(昭和62年度総事業費143万円、うち国庫補助額47万円)。

B県B2町

7

5

(屋外運動場)

(体育館)

5

(屋外運動場)

(体育館)

B2町では、昭和58年度から61年度までの間、町単独事業で管理指導員を配置し、学校体育施設の開放を実施しているが、昭和62年度から本補助の対象となっている(昭和62年度総事業費100万円、うち国庫補助額30万円)。

(注) 当庁の調査結果による。

(2) 国立大学の体育施設の開放の促進

(勧告)


文部省は、国立大学の体育施設の開放を促進するため、「学校体育施設開放の推進について」(昭和51年7月26日付け文体体第146号、体育局長・大学局長連名通達)により国立大学長に対し、地方公共団体等から体育施設の開放の要望があったときは教育研究に支障のない範囲において協力するよう指導しているほか、昭和53年度からは開放に要する消耗品費、備品費等について予算措置(昭和63年度予算額9,368万円)を講じている。

今回、11都道府県内に所在する国立大学46校(大学15校、附属小・中学校31校)を抽出して体育施設の開放状況を調査した結果、体育施設の全部又は一部を開放することとしている国立大学は32校(大学11校(開放対象施設112、未開放施設41)、附属小・中学校21校(開放対象施設61、未開放施設11))、体育施設を全く開放していない国立大学は14校(大学4校34施設、附属小・中学校10校36施設)となっており、次のとおり、体育施設の開放が不十分な状況が認められる。

ア 開放対象施設の周知

[cir1 ] 文部省の調査結果によると、昭和62年度に体育施設を開放している大学は95校中81校(85.3パーセント)となっているが、81校中11校(112施設)についての開放状況は次のとおりである。

((1)) 地域住民に対して市町村広報紙により開放している旨を周知するとともに、同紙において開放対象施設、利用時間帯、申込み先等を明示しているものは1校(2施設)にすぎない。

((2)) 周知を行っている1校の利用実績は、おおむね良好であるが、周知を行っていない10校の開放対象施設(110)にあっては、昭和60年度から昭和62年度までの間に全く利用実績のないものが66施設(60.0パーセント)に達し、この間に利用実績のある44施設について昭和62年度における利用日数をみても、年間10日以下の施設が27施設(61.4パーセント)あり、また、利用者も特定の者となっているものがある。

[cir2 ] 附属小・中学校についても、体育施設を開放することとしている21校(61施設)のうち開放周知を行っているのは1校(1施設)であり、また、周知を行っていない学校に係る開放対象施設(60)の利用実績も低調となっている。

イ 未開放施設の開放

[cir1 ] 体育施設を全く開放していない大学4校の34施設及び体育施設の一部を開放することとしている大学4校の未開放施設41について、各国立大学は、未開放の理由として、授業や学生の課外活動などの利用が多く部外者に開放できるような空き時間がないことを挙げているが、開放していないこれら75施設の中から24施設(全く開放していない大学の施設18及び一部を開放することとしている大学の未開放施設6)を抽出してその利用状況等を調査した結果、これらの中には、学生が利用していない日が多く開放の余地のあるものがあり、しかも地域住民等が利用要望を有していることから、その開放を行うことが必要と認められるものがある。

[cir2 ] 附属小・中学校については、体育施設を全く開放していない10校の36施設及び体育施設の一部を開放することとしている7校の未開放施設11の中からそれぞれ8施設、2施設の合計10施設を抽出して利用状況等を調査した結果、これらの中には、夜間及び休日には児童・生徒の利用がなく、しかも地域住民等から開放要望があることから開放を行うことが必要と認められるものがある。

したがって、文部省は、国立大学の体育施設の開放を積極的に促進する観点から、国立大学に対し、市町村教委等との連携の強化を図りつつ、次の措置を講ずるよう指導する必要がある。

[cir1 ] 開放することとしている体育施設については、市町村広報紙等に開放する時間帯を明示することにより地域住民に対する開放の周知を行い、開放の促進を図ること。

[cir2 ] 開放していない体育施設については、学生等の利用状況及び地域住民の開放要望を的確に把握して、開放の促進を図ること。

(説明)

ア 国立大学の体育施設の開放措置状況

国立の大学及び同附属小・中学校の体育施設については、公立小・中学校のそれと同様に、スポーツ振興法等によりスポーツ活動の場として地域の一般住民の利用に供することが求められており(前記項目2の(1)ア(ア)参照)、文部省は、その開放の促進を図るため、「学校体育施設開放の推進について」(昭和51年7月26日付け文体体第146号体育局長・大学局長連名通知)により、国立大学長に対し、地方公共団体等から体育施設の開放の要望があったときは教育研究に支障のない範囲において協力するよう指導している。

また、臨時教育審議会の「教育改革に関する第3次答申」(昭和62年4月1日、注参照)においても、開放するスポーツ施設をリストアップして、公表し、一般住民の利用を進めるよう指摘されている(なお、同答申を受け、その趣旨の周知徹底を図るための措置は、市町村立小・中学校の体育施設の場合(項目2の(1)ア(イ)参照)と異なり、講じられていない。)。

(注) 臨時教育審議会「教育改革に関する第3次答申」(昭和62年4月1日)(抄)

第4章 スポーツと教育

(1) 生涯スポーツの推進

[cir3 ] 大学のスポーツ施設…などについては、開放する施設をリストアップして、公表し、一般住民の利用を進める。

なお、文部省は、体育施設の開放に要する備品費、消耗品費等について、表62のとおり、年間約9,400万円の予算措置を講じている(国立大学の体育施設の開放に当たっては、公立小・中学校の場合(項目2の(1)ア(イ)参照)と異なり、管理指導員の配置及び照明施設等の施設整備に対しては特別の措置はとられていないが、開放時の施設管理等(鍵の受渡し、利用後の点検等)は、通常、大学の職員が行っており、また、必要な施設の整備に要する経費は国立学校特別会計の施設整備費により措置することが可能となっている。)。

表62 体育施設の開放に要する経費(備品費、消耗品費等)に係る予算措置状況

(単位:千円)


年度

昭和58

59

60

61

62

63

予算額

93,987

93,987

93,987

93,765

93,987

93,684

(注) 文部省の資料による。

イ 国立大学の体育施設の開放状況

(ア) 体育施設の開放方針等

国立大学の体育施設の開放状況は、文部省の調査結果によれば、表63のとおり、大学95校のうち開放を行っているものは81校(85パーセント)である。

表63 国立大学の体育施設の開放状況(昭和62年度)


大学数(A)

開放大学数(B)

開放率(B/A)

利用実績

 

延利用件数

延利用人数

95校

81校

85.3%

5,183件

333,452人

(注) 文部省の資料による。

今回、11都道府県内に所在する国立大学46校(大学15校及び附属小・中学校31校)を抽出して、それらが保有する体育施設295(大学187、附属小・中学校108)の昭和62年度における開放状況を調査した結果、表64のとおり、各校保有の体育施設の全部又は一部を開放することとしている国立大学は32校(大学11校(開放対象施設112、未開放施設41)、附属小・中学校21校(開放対象施設61、未開放施設11))、保有する体育施設を全く開放しないこととしている国立大学は14校(大学4校34施設、附属小・中学校10校36施設)となっている。

表64 調査対象国立大学の開放状況(昭和62年度)

(単位:校、施設)


 

区分

抽出調査対象

開放方針

開放対象施設についての周知状況

学校

 

学校数

施設数

全部又は一部を開放することとしているもの

全く開放しないこととしているもの

周知を行っているもの

周知を行っていないもの

 

 

 

 

学校数

施設数

学校数

施設数

学校数

施設数

学校数

施設数

 

 

 

 

開放対象施設

未開放施設

小計

 

 

 

大学

15

187

11(4)

112

41

153

4

34

1

2

10

110

附属小・中学校

31

108

21(7)

61

11

72

10

36

1

1

20

60

46

295

32(11)

173

52

225

14

70

2

3

30

170

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 「全部又は一部を開放することとしているもの」欄の学校数の( )内は、一部を開放することとしている学校で内数である。

(イ) 開放対象施設についての周知及び利用実績

a 大学

(a) 開放することとしている大学11校(開放対象施設112)について地域住民に対する周知状況をみると、表64のとおり、地域住民に対して市町村広報紙により開放している旨を周知するとともに、同紙において開放対象施設、利用時間帯、申込先等を明示しているものは1校(2施設)にすぎず、他の10校110施設については行われていない。

〔事例〕 開放周知を行っている大学における周知方法及び利用実績

開放に関する周知措置を講じているq7大学(昭和61年4月学生受入れ)は、保有体育施設6施設中テニスコートと野球場の2施設を開放することとし、昭和62年12月に、表65のとおり、開放対象施設、開放日時、使用手続等を定めた「q7大学体育施設の開放要領」を制定するとともに、Q1市の協力を得て、表66のとおり、市の広報紙において地域住民に対し開放についての周知を行っている。

表65 q7大学体育施設の開放要領(抄)


(趣旨)

第1 この要領は、q7大学の体育施設を社会における体育活動に開放する場合の必要な事項について定める。

(開放する体育施設)

第2 開放する体育施設(以下「体育施設」という。)は、次の各号に掲げるものとする。

(1) テニスコート

(2) 野球場

(使用者の範囲)

第3 体育施設を使用できる者は、次の各号に掲げる者とする。

(1) 地域住民

(2) その他学長が特に許可したもの

(使用日時)

第4 体育施設の使用日時は、原則として次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 使用できる日 日曜日及び国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日(12月29日から翌年1月3日までの間は除く。)

(2) 使用できる時間 午前9時から午後5時まで

(使用手続き)

第5 体育施設を使用する場合は、使用予定日の10日前までに国有財産使用許可申請書を教務部学生課に提出し、学長の許可を受けなければならない。

(使用料)

第6 体育施設の使用を許可された者は、次に掲げる使用料を使用日の前日までに納付しなければならない。

(1) テニスコート 一面につき1時間 100円

(2) 野球場 1時間 1,000円

(注) q7大学の「q7大学体育施設の開放要領」(昭和62年12月1日制定)による。

表66 q7大学の体育施設の開放についての周知方法等


広報媒体

市広報紙(1988年1月号)

広報内容

q7大学では、開かれた大学の一環として、キャンパス内の野球場とテニスコートを12月1日から地域住民に開放しています。

開放されたのはテニスコート3面と野球場で軟式野球と硬式テニスが楽しめます。

利用できる日時は日曜日及び祝日の午前9時~午後5時。

ただし、クラブ活動など大学で使用する場合は利用できません。

料金は野球場が1時間1,000円、テニスコート1面につき1時間100円

使用方法は使用予定日の10日前までに市軟式野球連盟、市少年野球連盟、Qテニスクラブを通じて所定の申込書に使用料を添えてq7大学教務部学生課に申し込みください。

(注) Q1市の広報紙による。

また、開放対象施設のうちテニスコートについて、開放を開始した昭和62年12以降における地域住民の利用率(利用可能日数に対する地域住民の利用日数の割合)の推移をみると、表67のとおり、周知開始後当分の間は50~60パーセントであったものが、時間の経過とともに上昇傾向を示しており、利用者数も増加傾向にある。

表67 q7大学テニスコートの利用実績

(単位:日、%)


区分

昭和62.12

63.1

2

3

4

5

6

7

8

9

利用可能日数(A)

4

5

5

5

5

8

4

5

4

6

利用日数(B)

2

3

3

3

3

4

4

5

4

5

利用率(B/A)

50

(8)

60

(12)

60

(13)

60

(14)

60

(12)

50

(14)

100

(18)

100

(31)

100

(15)

83

(23)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 同大学では開放日は日曜日及び祝日としている。

3 「利用率」欄の各月の( )内は利用者数である。

(b) これに対し、開放することとしておりながら、施設の開放についての周知措置を講じていない10校(110施設)は、その主たる理由として、[cir1 ]周知を行うこととすれば、利用申込みが殺到すると見込まれるが、大学の体育施設は、小・中学校のそれと異なり、夜間、休日においても学生が課外活動等で利用する場合があることから、利用申込みのすべてに対応することができず、結局断らざるを得なくなる場合が生じ、そうなれば地域住民が大学に不信感を持つおそれがあること、[cir2 ]周知に要する広報予算がないことを挙げている。しかしながら、[cir1 ]周知に際し、あらかじめ、((1))使用可能な時間帯等を明示する(項目2の(1)ア(イ)に記した昭和62年5月8日付け文初高第190号連名通知参照)、((2))現に開放周知を行っている前記q7大学の例にみられるように、「大学の都合で使用できない場合がある」旨を周知しておくとともに、[cir2 ]広報予算についても、地元の市町村の協力を得て市町村の広報紙を利用するなど周知方法を工夫することにより、開放についての周知を図ることが可能である。

(c) 周知を行っていない10校の開放対象施設110について利用実績をみると、開放についての周知措置が講じられていないことから、次のとおり、利用実績が皆無又は極めて少ない、利用者が特定している等の問題が認めらえる。

[cir1 ] 開放対象施設110について、昭和60年度から62年度までの間の利用実績をみると、表68のとおり、この間に全く利用実績のない施設が66施設(60パーセント)ある。

表68 開放周知を行っていない大学の体育施設の利用実績

(単位:施設)


体育施設名

開放対象施設(A)

利用実績の有無

 

有(B)

無(C)

陸上競技場・運動場

25

19

6

野球場

4

3

1

ラグビー・サッカー場

2

1

1

体育館

29

9

20

水泳プール

9

3

6

テニスコート

20

7

13

柔剣道場

4

1

3

その他

17

1

16

110

(100)

44

(40)

66

(60)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 「B」欄には、昭和60年度から62年度までの間に利用頻度や利用者数の多寡にかかわらず1回でも利用実績のあったものすべてを計上した。

3 「計」欄の( )内は構成比である。

[cir2 ] 表68中利用実績のある44施設について、昭和62年度における利用日数、利用者等をみると、表69のとおり、地域住民等による利用日数が年間10日以下の施設が27施設(61.4パーセント)あり、これらの中には、次のとおり、学生の利用が少なく利用可能な日が多いにもかかわらず、地域住民の利用実績が低いものがある。

表69 調査対象国立大学の体育施設の利用日数別の施設数(昭和62年度)

(単位:施設、%)


体育施設名

0日

1~5

6~10

11~30

31~50

51~100

101以上

陸上競技場・運動場

0

7

2

8

1

0

1

19

野球場

0

3

0

0

0

0

0

3

ラグビー・サッカー場

1

0

0

0

0

0

0

1

体育館

2

3

1

3

0

0

0

9

水泳プール

0

3

0

0

1

0

0

3

テニスコート

0

2

1

1

0

1

1

7

柔剣道場

1

0

0

0

0

0

0

1

その他

1

0

0

0

0

0

0

1

5

18

4

12

2

1

2

44

 

(11.4)

(40.9)

(9.1)

(27.3)

(4.5)

(2.3)

(4.5)

(100)

 

27(61.4)

17(38.6)

 

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 「計」欄の( )内は構成比である。

〔事例1〕 r14大学(体育館)

r14大学は全体育施設(12施設)を開放することとしているものの、開放周知は行っていない。

これらのうち運動場及び体育館についての昭和62年度における地域住民等による利用実績をみると、表70のとおり、運動場にあってはかなりの利用実績があるのに対し、体育館にあっては学生の利用が少なく利用可能日数が多いにもかかわらず利用実績が低くなっている。

表70 r14大学体育施設の利用可能日数及び利用日数(昭和62年度)

(単位:日、%)


施設名

利用可能日数(a)

地域住民等の利用日数(b)

利用率(b/a)

r15体育館

127

6

4.7

同 運動場

36

34

94.4

r18体育館

254

20

7.9

同 運動場

57

28

49.1

(注) 当庁の調査結果による。

一方、大学周辺の市立小学校の体育施設についての昭和62年度における年間の利用件数は、表71のとおり、体育館にあっては市平均より高くなっており、また、当該体育館の利用希望者も、利用申込みが競合し希望の日時での利用が困難となっていることから、大学体育施設の利用を要望している。

表71 大学周辺の市立小学校の体育施設の年間利用件数(昭和62年度)

(単位:件、%)


学校名

運動場

体育館

r10小学校

136(62.9)

441(121.5)

r15小学校

162(75)

375(103.3)

市内市立小学校平均

216(100)

363(100)

(注)

1 当庁の調査結果による。

2 ( )内は市内の市立小学校平均を100とした場合の指数である。

〔事例2〕 h1大学(陸上競技場、野球場、体育館)

h1大学は、全体育施設(10施設)の開放を行うこととしているものの、開放周知は行っていない。このうち陸上競技場、野球場及び体育館について昭和62年度における地域住民等による利用実績をみると、表72のとおり、いずれの施設においても、学生の利用が少なく利用可能な日が多いにもかかわらず、利用実績は極端に少なくなっている。

表72 h1大学体育施設別の利用可能日数及び利用日数(昭和62年度)

(単位:日、%)


施設名

利用可能日数(a)

地域住民等の利用日数(b)

利用率(b/a)

陸上競技場

229

1

0.4

野球場

186

4

2.2

体育館

238

0

0

(注) 当庁の調査による。

〔事例3〕 p5大学(屋外運動場、体育館、テニスコート)

p5大学は全体育施設(13施設)の開校を行うこととしているものの、開放周知は行つてない。このうち農学部の屋外運動場、体育館及びテニスコートについて、昭和62年度における地域住民等による利用実績をみると、表73のとおり、これらの中には、学生の利用が少なく利用可能な日が多い(調査対象期間は43日)にもかかわらず、全体として利用実績は低調であり、利用日数が皆無となっている施設が2ある。

表73 p5大学体育施設別の利用可能日数及び利用日数

(単位:日、%)


施設名

利用可能日数(a)

地域住民等の利用日数(b)

利用率(b/a)

屋外運動場

23

4

17.4

体育館

23

0

0

テニスコート

30

0

0

(注) 当庁の調査による。

[cir3 ] 開放周知を行っていない10校110施設中利用実績のある44施設のうち昭和60年から昭和62年度までの各年度とも利用実績のある33施設について、その利用者をみると、特定の団体が毎年度利用している施設が15施設(7校)ある。この15施設について、全体の利用実績に占める特定の団体による利用実績割合をみると、表74のとおり、50パーセント以上のものが9施設あり、このうち90パーセント以上のものは4施設で、中には、特定の1団体のみの利用となっているものが2施設ある。

表74 体育施設の利用状況


大学名

開放施設名

昭和60~62年度の間において毎年度利用している団体等

全体の利用実績(b)

(a/b)

 

 

団体名

利用実績(a)

 

b6

大学

陸上競技場

○県ラグビー・フットボール協会、西部地区高校陸上競技部、市内の小・中学校

 

 

314

339

92.6

 

中央体育館

○b6大学バレーボール連盟、b6学生フェンシング連盟、b6学生パワーリフティング連盟、b7学生フォークダンス連盟

48

70

68.6

c1

大学

水泳プール

○c県中学校体育連盟

5

9

55.6

 

陸上競技場

○c県小学校体育連盟、c1大学OB会

6

16

37.5

 

野球場

○c2少年野球協会

4

15

26.7

 

テニスコート

○c県中学校体育連盟

c県小学校体育連盟

41

52

78.8

c3

大学

グラウンド

○c4会

62

65

95.4

h1

大学

野球場

○大学職員(市内企業との野球試合等)

4

7

57.1

m5

大学

m6地区

陸上競技場

○m7中学校体育連盟、県立m10高等学校

13

23

56.6

 

m11地区

陸上競技場

○m8協会

3

3

100

 

教育学部

運動場

○m9フットボールクラブ

8

26

30.8

r14

大学

本部

体育館

○県バスケット協会

県ジュニア体操連盟

県r16連合会

12

25

48

 

教養部

体育館

○r17学校

74

74

100

s1

大学

教養部

運動場

○s2ヤングラガーズ

8

22

36.4

 

s3地区

運動場

○s2ヤングラガーズ

12

29

41.4

(注) 当庁の調査結果による。

b 附属小・中学校

(a) 体育施設を開放することとしている附属小・中学校21校(開放対象施設61)のうち、地域住民に開放周知を行っているものは、表64のとおり、1校(1施設、c5大学附属小学校の第2運動場であり、他の20校(開放対象施設60)にあってはこれを行っていない。

〔事例〕 開放周知を行っている附属小学校の体育施設について周知方法及び利用実績C5大学附属小学校は、保有する体育施設4中第2運動場の1施設を地域住民に開放することとし、昭和62年1月に、表75のとおり、利用者の資格、利用の日及び時間等を定めた「c5大学附属小学校第2運動場利用内規」を制定するとともに、c7市の協力を得て、表76のとおり、市の広報紙において、地域住民に開放についてその周知を行つている。

表75 c5大学附属小学校第2運動場利用内規(抄)


(運動の種類)

2 運動場で行うことのできる運動競技の種類は次のとおりとする。

(1) ゲートボール

(2) 球蹴り

(利用者の資格)

3 運動場を利用することができるものは次のとおりとする。

(1) c7市立の小学校

(2) c7市長が適当と認めた団体

(利用の日及び時間)

4 運動場を利用できる日及び時間は、次のとおりとする。

(1) 利用できる日 c5大学附属小