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当面のインフルエンザ予防接種の取扱いについて

62体保第三九号

昭和六二年九月二八日
各都道府県教育委員会学校保健事務主管課長・各都道府県私立学校事務主管課長・附属学校を置く各国立大学事務局長・国立久里浜養護学校長あて
文部省体育局学校保健課長通知

当面のインフルエンザ予防接種の取扱いについて

インフルエンザ予防接種については、昭和五一年九月一四日付衛発第七二六号厚生省公衆衛生局長通知に基づき、集団生活をする児童・生徒等を対象とし、予防接種法第六条の一般臨時の予防接種として実施されていますが、近年、その見直しを求める意見もあることから、厚生省において検討が行われてきたところであり、今般、インフルエンザ予防接種の当面の在り方について厚生省より各都道府県知事あてに別添のとおり通知されました。

同通知の趣旨は、[cir1 ]インフルエンザ予防接種の実施に当たつては、その意義及び効果について、被接種者や保護者の十分な理解を得るよう努めること、[cir2 ]問診を従来以上に十分行うこと、[cir3 ]被接種者の健康状態に着目した被接種者及びその保護者の意向にも十分配慮すること、であります。

ついては、これらの趣旨を踏まえて、当面のインフルエンザ予防接種について、貴管下の市町村教育委員会、学校に対し、市町村の衛生部局等と連絡を密にして実施されるよう指導方よろしくお願いします。

別添

健医発第九二四号

昭和六二年八月六日

各都道府県知事殿

厚生省保健医療局長

当面のインフルエンザ予防接種の取扱いについて

インフルエンザ予防接種については、昭和五一年九月一四日付衛発第七二六号公衆衛生局長通知に基づき、集団生活をする児童、生徒等を対象とし、予防接種法第六条の一般臨時の予防接種として実施しているところであるが、近年、その見直しを求める意見もあることから、厚生省としては、昭和六一年度に実施した「インフルエンザ流行防止に関する研究」の報告を踏まえ、公衆衛生審議会伝染病予防部会に検討をお願いしたところである。

今般、インフルエンザ予防接種の当面のあり方について、同部会より意見をいただいたので、これを踏まえ当面のインフルエンザ予防接種については、従来どおり予防接種法の規定に基づく予防接種として実施することとしたのでご承知ありたい。

また、その実施に当たつては、次の点に配慮するようお願いする。

一 インフルエンザ予防接種の実施に当たつては、説明書を配布することにより、その意義及び効果について、被接種者や保護者の十分な理解を得るよう努められたい。なお、説明書の例については、別途当局感染症対策室長より通知することとしているので申し添える。

二 問診を従来以上に十分に行われたい。

予防接種の問診票については、昭和四五年一一月三〇日衛発第八五〇号公衆衛生局長、児童家庭局長通知で示したところであるが、インフルエンザについては、今般、別紙のとおり、インフルエンザ予防接種の問診票の例を設定したので、今後は、これによることとされたい。

なお、問診票の項目の一から一二までについては、地域の事情等により変更してもさしつかえないことを申し添える。

また、この問診票は、あらかじめ説明書と同時に配布しておき、各項目について記載の上、接種の際に必ず持参されるようにされたい。

三 被接種者の健康状態に着目した被接種者及びその保護者の意向を記入する欄を問診票を設けること等により、その意向にも十分配慮されたい。

インフルエンザ予防接種の当面のあり方について(意見)

昭和六二年八月六日

公衆衛生審議会伝染病予防部会

インフルエンザは、かぜ症候群の中でも全身症状と爆発的な流行を特徴とし、毎年数十万人、多い年は数百万人が感染する急性伝染病であり、現在のところワクチンの接種以外に有効な予防手段が存在しない。このため、昭和二〇年代から行政指導により、昭和五一年からは予防接種法第六条に基づいて予防接種を実施してきているが、近年、そのあり方について見直しを求める声が出されている。

当部会は、こうした動きの中で、今後のインフルエンザ予防接種のあり方について審議を行い、当面の方策について意見をとりまとめた。

一 予防接種の考え方の変遷

インフルエンザ予防接種は、昭和三二年のいわゆるアジアかぜの大流行を契機とし、社会的要請に応じて実施してきており、社会全体のために集団の免疫力を一定水準に維持していこうという、社会防衛の考え方に立脚して実施されてきている。

しかし、この社会防衛の考え方は、近年の健康に対する国民の意識の変化に対応して、国民が予防接種の意義を理解して自らすすんで接種を受け、こうした個人防衛の積み重ねにより社会防衛を図つていこうという考え方に変わつてきている。

昭和五一年の予防接種法の改正により、定期及び一般臨時の予防接種について、罰則が外されたことも、これと符合するところである。

二 当面のインフルエンザ予防接種の実施について

現在の不活化インフルエンザワクチンを用いた予防接種では、社会全体の流行を抑止することを判断できるほどの研究データは十分に存在しないが、個人の発病防止効果や重症化防止効果は認められている。

また、インフルエンザについては、現在、ワクチンの接種以外に有効な予防手段は存在しない。

こうした現状を踏まえ、インフルエンザ予防接種は、当面、その法律上の取扱いを変更することなく行うこととするが、国民が自発的意思に基づいて予防接種をうけることが望ましいことから、被接種者の健康状態を最もよく知つている保護者の意向が反映できるよう次の点に留意して行うことが必要である。

(一) 予防接種の意義や効果について被接種者及び保護者に対して、十分な理解を得るよう努力し、

(二) 特に問診を従来以上に注意深く行い、

(三) 被接種者の健康状態に着目した被接種者及びその保護者の意向を記入する欄を問診票に設けること等により、その意向にも十分配慮すること。

三 今後の検討課題

インフルエンザ予防接種については、国民がその意義及び効果について十分に理解し、自らすすんで接種を受けることが望まれる。

このためにも、より効果が高く、安全なワクチンの開発、改良と生産期間短縮のための技術の開発が必要である。

また、高齢者や高危険群の人への接種等接種対象者の範囲の問題や接種方法の見直しについて、さらに慎重に検討を進めることが必要である。

別紙

インフルエンザの予防接種について

昭和六二年八月七日

健医感発第五五号

各都道府県衛生主管部(局)長殿

厚生省保健医療局感染症対策室長

当面のインフルエンザ予防接種の取扱いについては、昭和六二年八月六日付健医発第九二四号保健医療局長通知により示されたところであるが、被接種者や保護者に配布する説明書の例については別添のとおり送付するので参考とされたい。

インフルエンザの予防接種について

(被接種者、保護者向け説明書例)

一 インフルエンザについては

インフルエンザは、いわゆる「かぜ」の一つであり、せき、のどのいたみ、高い熱のほか、関節痛、寒け、おう吐、食欲不振などの症状がでてきます。ふつうの「かぜ」にくらべ症状が重く、肺炎などの合併症を引き起こすことがあり、とくに小さい子どもやお年寄り、慢性の病気をもつた人にとつては、注意が必要な病気の一つです。

また、インフルエンザの流行はインフルエンザウイルスが人から人へとうつることによつて起こります。時に大流行することがあつて、わが国でも「アジアかぜ」、「香港かぜ」、「ソ連かぜ」などと呼ばれて恐れられました。最近は大きな流行はありませんが、インフルエンザの流行に応じて全体の死亡数が変化するような現象もみられ、お年寄りの人などの死亡の引き金になつていると推測されます。

二 インフルエンザワクチンについて

インフルエンザを予防するための方法として、インフルエンザワクチンの接種があります。

インフルエンザウイルスには、A型、B型などがあり、このうちA型は毎年のように、B型は数年ごとに流行を起こしています。また、流行するウイルスの株は同じ型に分類されるもので毎年少しずつ異なり、とくにA型は一〇年に一度程度大きく変わることがあります。

インフルエンザワクチンの製造にあたつては、その冬の流行株を予測して製造することが必要で、できるだけ正確に予測するための努力がはらわれています。

現在のインフルエンザワクチン接種は、インフルエンザにかかりにくくしたり、かかつたとしても重い症状になるのを防ぐ効果がありますが、接種すれば絶対に予防できるというものにはなつていません。また、A型に比べるとB型インフルエンザの予防はむずかしいとされています。

しかし、インフルエンザを予防する方法としては、規則正しい生活や体をきたえるといつた一般的な病気の予防法以外には、ワクチンの接種しかないのが現状です。

三 予防接種の方法

幼稚園や小、中学校の子どもたちは、インフルエンザにかかっても重症化して死亡するといったことはあまりありませんが、インフルエンザにかかりやすい年代であり、集団生活をしているため流行しやすくなっています。

このため、わが国では、流行が広まりやすい子どもたちに予防接種をして、インフルエンザにかかりにくいように、またかかっても軽くすむようにという考え方で、予防接種が行われています。

四 予防接種による副反応

現在のインフルエンザワクチンは、他の病気のワクチンにくらべても、安全なものになっています。しかし、ワクチンという異物を体にとりいれるので、注射したところが赤くはれたり痛んだりすることがあります。また、ごくまれに重い副反応を起こすことがあります。(昭和五二年からの重症と認定された患者数は合計一一人で一、一四〇万に一度の割合となっています)なお、インフルエンザワクチンは鶏卵を使って作るので、卵を食べてアレルギー反応を起こす人は、副反応がでるおそれがあります。また、からだのぐあいの悪い人には接種できませんので、「問診票」をよく読んで必ず記入してください。

五 問診票の持参について

子どものインフルエンザの予防接種は、予防接種法という法律によって義務となっていますが、うけないからといって刑罰をうけるということはありません。これは、予防接種はうける人がその意義を十分理解して自らすすんでうけることが大切で、刑罰によって強制することは適当でないと考えられるからです。

流行の状況によっても異なりますが、現在のインフルエンザワクチンは、インフルエンザにかかりにくくしたり、症状が重くなることを防ぐうえで効果があります。また、乳幼児やお年寄りなど体の抵抗力の弱い人がいる家庭では、予防接種をうけることはインフルエンザウイルスを家庭内に持ち込まないことにも役立つと考えられます。

前記一から四までをよく読み、予防接種の意義をよく理解して、問診票に記入し、お子さんに持参させて下さい。

 

 

 

 

-- 登録:平成21年以前 --