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私立学校振興助成法等の施行について

文管振第一五三号

昭和五一年四月八日
各都道府県知事・各都道府県教育委員会あて
文部事務次官通達

私立学校振興助成法等の施行について

先の第七五回国会で制定され、昭和五〇年七月一一日法律第六一号として公布された私立学校振興助成法(以下「私学助成法」という。)が、昭和五一年四月一日から施行されました。

また、私学助成法の施行に伴い、「学校教育法施行令等の一部を改正する政令」(以下「改正令」という。)、及び「学校教育法施行規則等の一部を改正する省令」(以下「改正規則」という。)がそれぞれ昭和五一年三月三〇日政令第四二号、昭和五一年四月一日文部省令第一四号をもって公布され、いずれも昭和五一年四月一日から施行されました。

これらの法律、政令及び省令の制定の趣旨及び内容の概要は、左記のとおりでありますので、貴管下の学校法人又は市町村等に対しても周知徹底され、これに対する指導その他事務処理に遺憾のないようお取り計らい願います。

第一 私学助成法制定の趣旨

私立学校は、我が国の学校教育の中で大きな役割を果たしてきているが、その財政状況は苦しくなってきている。これに伴い父兄の学費負担も次第に重くなり、私立学校の特色ある教育の実施を困難にさせるのみならず、教育水準の低下をも招くおそれがある。このような状況に対処するためには、法律により、私立学校の振興助成についての国の基本的姿勢と財政援助の基本的方向を宣明するとともに、私立学校も自らその経営基盤の強化と教育水準の向上に努めることとする必要がある。また、財政援助についての法的保障に伴い、補助金がより適正かつ有効に使用されることを担保するための措置をとる必要がある。以上がこの法律が制定された趣旨である。

第二 私学助成法の内容の概要

一 目的

この法律は、学校教育における私立学校の果たす重要な役割にかんがみ、国及び地方公共団体が行う私立学校の助成措置について規定することにより、私立学校の教育条件の維持向上及び学生等の修学上の経済的負担の軽減を図るとともに、私立学校の経営の健全性を高め、もつて私立学校の健全な発達に資することを目的とすること(第一条)。

二 大学及び高等専門学校の経常的経費についての補助

(一) 国は、私立の大学及び高等専門学校(以下「私立大学等」という。)を設置する学校法人に対し、当該私立大学等の教育研究に係る経常的経費について、その二分の一以内を補助することができることとし、経常的経費の範囲、算定方法その他必要な事項は、政令で定めることとしたこと(第四条)。

(二) 前記(一)の補助金について、学校法人又は私立大学等が法令違反、定員超過その他一定の事由に該当する場合には、その状況に応じ減額又は不交付の措置をとることができることとしたこと(第五条及び第六条)。

(三) 私立大学における学術の振興及び私立大学等における特定の分野、課程等に係る教育の振興のため、特に必要があるときは、前記(一)の補助金を増額して交付することができることとしたこと(第七条)。

三 学校法人に対する都道府県の補助に対する国の補助

都道府県が、その区域内にある私立の小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾学校、養護学校又は幼稚園を設置する学校法人に対し、当該学校における教育に係る経常的経費について補助する場合には、国は、都道府県に対し、政令で定めるところにより、その一部を補助することができることとしたこと(第九条)。

四 その他の助成

(一) 学校法人が行う学資の貸与事業について、国又は地方公共団体は、資金の貸付けその他必要な援助をすることができることとしたこと(第八条)。

(二) 前記二、三及び四の(一)の助成のほか、国又は地方公共団体は、学校法人に対し、補助金を支出し、又は通常の条件よりも有利な条件で貸付金をし、その他の財産を譲渡し、若しくは貸し付けることができることとしたこと(第一〇条)。

五 所轄庁の権限

所轄庁は、この法律の規定により助成を受ける学校法人に対して次のような権限を有することとしたこと(第一二条及び第一三条)。

(一) 助成に関し必要があると認める場合に、当該学校法人から業務及び会計の報告を徴し、又は関係者に質問し帳簿等を検査すること。

(二) 著しい定員超過の状態がある場合にその是正を命ずること。

(三) 当該学校法人の予算が助成の目的に照らして不適当である場合にその変更を勧告すること。

(四) 当該学校法人の役員が法令の規定、寄附行為等に違反した場合に当該役員の解職を勧告すること。

このうち、(二)から(四)までの措置をしようとする場合には、あらかじめ学校法人の理事等に弁明の機会を与えるとともに、私立学校審議会、私立大学審議会等の意見を聞かなければならないこと。

六 会計書類の作成等

経常的経費について補助を受ける学校法人は、学校法人会計基準(昭和四六年文部省令第一八号)に従い、会計処理を行い、財務計算に関する書類を作成するとともに、当該書類と収支予算書を所轄庁に届け出なければならないこととしたこと。この場合、補助金の額が寡少であつて所轄庁の許可を受けたときを除き、財務計算に関する書類については、所轄庁の指定する事項に関する公認会計士等の監査報告書を添付しなければならないこととしたこと(第一四条)。

七 その他学校法人の責務、日本私学振興財団を通ずる補助及び税制上の優遇措置について必要な規定を置いたこと(第三条、第一一条、第一五条)。

八 この法律の規定中学校法人には当分の間学校法人以外の私立の学校の設置者を含むものとし、その適用について必要な読替えを行うとともに、私立学校法等の一部を改正する法律(昭和五〇年法律第六〇号)の趣旨を承継したこと(附則第二条)。

九 関係法律の一部改正

(一) 私立学校法の一部改正関係

ア 私立高等学校の学科、私立大学の学部の学科の設置廃止並びに私立学校及び私立各種学校の収容定員に係る学則の変更についての認可を新たに所轄庁の権限に追加したこと。

イ 文部大臣は、昭和五六年三月三一日までの間は、大学設置審議会及び私立大学審議会の意見を聴いて特に必要があると認める場合を除き、私立大学の設置、私立大学の学部又は学科の設置の認可及び私立大学の収容定員の増加に係る学則の変更の認可はしないものとしたこと。

ウ その他所要の規定を整備したこと。

(二) その他産業教育振興法(昭和二六年法律第二二八号)、理科教育振興法(昭和二八年法律第一八六号)、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法(昭和二八年法律第二三八号)、私立大学の研究設備に対する国の補助に関する法律(昭和三二年法律第一八号)、スポーツ振興法(昭和三六年法律第一四一号)、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和三七年法律第一五〇号)及び日本私学振興財団法(昭和四五年法律第六九号)について必要な規定の整備を行つたこと(附則第七条~第一四条)。

第三 私学助成法施行に当たり留意すべき事項

一 前記第二の六の私学助成法第一四条に規定する財務計算に関する書類及び収支予算書の所轄庁への届出期限は、文部大臣所轄の学校法人にあつては、毎年度、財務計算に関する書類については当該年度の翌年度の六月三〇日までとし、収支予算書については当該年度の六月三〇日までとすること。なお、知事所轄の学校法人にあつては、所轄庁の定めるところによること。

二 前記第二の六の私学助成法第一四条第三項に規定する「補助金の額が寡少」であるとは、文部大臣所轄の学校法人にあつては、当面一会計年度に一学校法人に交付される補助金の額が一、〇〇〇万円に満たない場合を意味するものとして運用するものであること。なお、知事所轄の学校法人にあつては、これに準じて所轄庁の定めるところによること。

三 なお、前記第二の二及び三の私立大学等の経常的経費についての国の補助に係る経常的経費の範囲、算定方法等に関する政令及び高等学校以下の私立の学校の経常的経費に対する都道府県の行う補助に対する国の補助に関する政令は別途制定される予定であること。

第四 改正令の内容の概要

一 学校教育法施行令の一部改正関係

(一) 私立の大学の学部の学科の設置廃止及び私立の学校又は私立の各種学校の収容定員に係る学則の変更を認可事項のしたこと(学校教育法施行令(昭和二八年政令第三四〇号)第二三条)。

なお、学部の学科には、学科に代えて置かれる課程を含むものであること。

(二) 各種学校の名称、位置及び目的の変更を認可事項から除いたこと(学校教育法施行令第二三条)。

(三) 市町村立各種学校の目的、名称及び位置の変更を届出事項に追加するとともに、校地、校舎、運動場その他直接保育又は教育の用に供する土地建物に関する権利の取得若しくは処分又は用途の変更、改築等による現状の重要な変更を届出事項から除いたこと(学校教育法施行令第二六条及び第二六条の二)。

二 私立学校法施行令の一部改正関係

私学助成法の施行に伴い、所要の規定を整備したこと(改正令第二条)。

三 文部省組織令の一部改正関係

管理局振興課の所掌事務に私学助成法に関する事務を加えたこと(改正令第三条)。

第五 改正規則の内容の概要

一 学校教育法施行規則の一部改正関係

(一) 私立学校の収容定員に係る学則の変更及び私立高等学校の学科の設置廃止の認可事項としたことに伴い、これらを届出事項から除いたこと(学校教育法施行規則(昭和二二年文部省令第一一号。以下「規則」という。)第二条)。

(二) 私立学校の収容定員に係る学則の変更の認可申請については、認可申請書に、変更の事由及び時期を記載した書類、経費及び維持方法を記載した書類並びに当該変更後の収容定員に必要な校地校舎等の図面を添えてしなければならないこととしたこと(規則第四条の二第二項)。

(三) 私立大学の学部の学科の設置の認可申請については、認可申請書に、事由、名称、位置、学則の変更事項、経費及び維持方法及び開設の時期を記載した書類並びにその使用に係る部分の校地校舎等の図面を添えてしなければならないこととしたこと(規則第七条の三)。

(四) なお、私立大学の収容定員の増加に係る学則の変更及び私立大学の学部の学科の設置の認可申請の手続については、前記(二)及び(三)のほか、大学の設置等の認可の申請手続等に関する規則(昭和五一年文部省令第一五号)が定められており、具体的手続は同規則第二条又は第三条の規定によること。

(五) 私立大学の学部の学科の廃止の認可申請については、認可申請書に廃止の事由及び時期並びに学生の処置方法を記載した書類を添えてしなければならないこととしたこと(規則第七条の七)。

(六) なお、私立の高等学校の学科の設置及び廃止の認可申請については、前記(三)及び(五)の同様規則第七条の三及び第七条の七に規定する手続によるものであること。

(七) その他所要の規定を整備したこと(規則別表第一から別表第六まで)。

二 私立学校法施行規則の一部改正関係

(一) 学校法人が設置している私立学校のうちの私立大学又は私立高等専門学校の目的、位置並びに職員組織、施設及び設備の現状を変更することなく、当該私立大学又は私立高等専門学校の設置を目的とする新たな学校法人を設立する場合(法人の分離の場合)の寄附行為の認可申請については、開設年度の前年度の六月三〇日までに申請書を提出すればよいこととしたこと(私立学校法施行規則(昭和二五年文部省令第一二号)第三条の四)。

(二) 学校法人が、設置している私立大学の学部又は高等学校に新たに学科を設置する場合の寄附行為の変更の認可申請については、学校法人が設置している私立学校に新たに課程、学部等を設置する場合の寄附行為の変更の認可申請と同様の手続によることとしたこと(私立学校法施行規則第四条)。

なお、当該申請が大学の学部の学科を設置する場合に係るものであるときは、開設年度の前年度の六月三〇日までに申請書を提出すればよいこととしたこと。

(三) その他私学助成法の施行に伴い所要の整備をしたこと(私立学校法施行規則第七条から第八条まで及び別表)。

三 学校法人会計基準の一部改正関係

(一) 学校法人以外の私立の学校の設置者が私学助成法附則第二条第三項に規定する特別の会計の処理を行う場合の当該会計については、学校法人会計基準に定めるところに従つて会計処理を行い、財務計算に関する書類を作成しなければならないこととしたこと(学校法人会計基準第一条)。

(二) 学校法人以外の私立の学校の設置者に係る会計処理については、減価償却資産の減価償却の方法は、定額法又は定率法のいずれの方法を用いてもよいこととする等特例を設けたこと(学校法人会計基準第三〇条、附則第四項)。

(三) 私学助成法第一四条第一項の規定が初めて適用される学校法人(学校法人以外の私立の学校の設置者を含み、文部大臣を所轄庁とする学校法人及び私学助成法による改正前の私立学校法第五九条第八項の規定の適用を受けた学校法人を除く。)については、その適用を受ける初年度にあつては、資金収支計算に係る会計処理及び資金収支計算書の作成に関する規定のみを適用することとしたこと(学校法人会計基準附則第二項)。

(四) その他所要の規定を整備したこと(学校法人会計基準第一条、第三条、附則第三項、別表第一から別表第三まで及び第一号様式から第九号様式まで)。

 

 

 

 

-- 登録:平成21年以前 --