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都道府県の文化財保護条例及び文化財保護審議会条例の参考案について

庁保管第一九〇号

昭和五〇年九月三〇日
各都道府県教育委員会教育長あて
文化庁次長通知

都道府県の文化財保護条例及び文化財保護審議会条例の参考案について

このことについて、文化財保護法の一部を改正する法律(昭和五〇年法律第四九号)の施行に伴い、別添一及び別添二のとおり作成しましたので、御参考までに送付します。

貴都道府県においては、この参考案を参照の上、それぞれの実情に応じて所要の措置を執るよう御配慮願います。

〔別添一〕

都道府県文化財保護条例(参考案)

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第九十八条第二項の規定に基づき、同法の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で都道府県の区域内に存するもののうち都道府県にとつて重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もつて都道府県民の文化的向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的とする。

注 「都道府県にとつて」というのは、当該文化財の重要性を判断する場合の立場をいうのであり、その素材たる文化財は、文化財保護法第九十八条第二項及び第二条の規定から明らかなとおり「我が国にとつて価値の高いもの」でなければならない。

なお、「我が国にとつて」というのは、「日本の文化」というような意味に解せられる。

(定義)

第二条 この条例で「文化財」とは、文化財保護法(以下「法」という。)第二条第一項第一号から第四号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。

注(1) 法第八十三条の三の規定により市町村が定めた伝統的建造物群保存地区について都道府県が選定する旨の規定を設ける場合には、伝統的建造物群を文化財の定義の中に含める必要がある。

注(2) 有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物について法第二条第一項第一号から第四号までの字句を掲げることは、もとより差し支えない。

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第三条 教育委員会は、この条例の執行に当たつては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

第二章 都道府県指定有形文化財

(指定)

第四条 教育委員会は、都道府県の区域内に存する有形文化財(法第二十七条第一項の規定により重要文化財に指定されたものを除く。以下同じ。)のうち都道府県にとつて重要なものを○○都道府県指定有形文化財(以下「都道府県指定有形文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ、指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合を除く。

3 第一項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ、別に定める○○都道府県文化財保護審議会(以下「都道府県文化財保護審議会」という。)に諮問しなければならない。

4 第一項の規定による指定は、その旨を都道府県(公)報で告示するとともに、当該有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知してする。

5 第一項の規定による指定は、前項の規定による都道府県(公)報の告示があつた日からその効力を生ずる。

6 第一項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、当該都道府県指定有形文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。

注 指定の効力発生時期につき法第二十八条第二項ただし書のような規定を置かないのは、所有者等の同意を指定の要件としたからである。

(解除)

第五条 都道府県指定有形文化財が都道府県指定有形文化財としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 前項の規定による指定の解除には、前条第三項から第五項までの規定を準用する。

3 都道府県指定有形文化財について法第二十七条第一項の規定による重要文化財の指定があつたときは、当該都道府県指定有形文化財の指定は、解除されたものとする。

4 前項の場合には、教育委員会は、その旨を都道府県(公)報で告示するとともに、当該都道府県指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。

5 第二項で準用する前条第四項の規定による都道府県指定有形文化財の指定の解除の通知を受けたとき及び前項の規定による通知を受けたときは、所有者は、速やかに、都道府県指定有形文化財の指定書を教育委員会に返付しなければならない。

注(1) 都道府県指定有形文化財がその都道府県の区域内に所在しなくなつた場合(一時的な所在の場所の変更を除く。)は、特殊な事由のうちに含めて取り扱うことが適当である。また、指定は、第四条第二項の規定により所有者等の同意を要件としているので、所有者等において、指定の当時の事情に著しい変更があり、所有者等の同意が当然予想されないような事態に立ち至つたときは、特殊の事由に該当するものとして指定の解除をするのが、所有権尊重の趣旨に沿うものであろう。

注(2) 法においては、指定書の返付期限を限定しているが、法に認められるこれに対する過料の制裁が条例においては認められず、過料の制裁のない期限の限定を条例に規定することは、あまり実益がないので「速やかに」としたのであるが、事務の便宜上施行規則に期間を限定することは、もとより差し支えない。

以下同様とする。

(所有者の管理義務及び管理責任者)

第六条 都道府県指定有形文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づいて発する教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、都道府県指定有形文化財を管理しなければならない。

2 都道府県指定有形文化財の所有者は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり当該都道府県指定有形文化財の管理の責に任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も、同様とする。

4 管理責任者には、第一項の規定を準用する。

(所有者の変更等)

第七条 都道府県指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 都道府県指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(滅失、き損等)

第八条 都道府県指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(所在の変更)

第九条 都道府県指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則の定める場合には、届出を要せず、又は所在の場所を変更した後届け出ることをもつて足りる。

注 都道府県の区域外への移動について、許可制をとられている向きもあるようであるが、所有権の制限として行き過ぎの感があるので、このような条項は削除されることが適当である。

なお、既に補助金を交付した都道府県指定有形文化財が都道府県の区域外に移動する場合は、有償譲渡の場合が多いと考えられるので、第十三条の規定により納付金を納付させることは、もとより可能である。

(管理又は修理の補助)

第十条 都道府県指定有形文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、都道府県は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮監督することができる。

(補助金の返還等)

第十一条 前条第一項の規定による補助金の交付を受ける所有者が次の各号の一に該当するに至つたときは、都道府県は、当該補助金の全部若しくは一部を交付せず、又は当該所有者に対し既に交付された補助金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。

一 管理又は修理に関し条例、規則又は教育委員会規則に違反したとき。

二 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。

三 前条第二項の補助の条件に従わなかつたとき。

(管理又は修理に関する勧告)

第十二条 都道府県指定有形文化財の管理が適当でないため当該都道府県指定有形文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。

2 都道府県指定有形文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、教育委員会は、所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。

3 前二項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を都道府県の負担とすることができる。

4 前項の規定により都道府県が費用の全部又は一部を負担する場合には、第十条第二項及び前条の規定を準用する。

注 管理又は修理について命令制度を設け、罰則をもつて強制することは、条例による制限としては不適当であると思われるので、このような命令制度は設けていない。

(有償譲渡の場合の納付金)

第十三条 都道府県が修理又は管理に関し必要な措置(以下この条において「修理等」という。)につき第十条第一項の規定により補助金を交付し、又は前条第三項の規定により費用を負担した都道府県指定有形文化財のその当時における所有者又はその相続人、受遺者若しくは受贈者(以下この条において「所有者等」という。)は、補助又は費用負担に係る修理等が行われた後当該都道府県指定有形文化財を有償で譲り渡した場合においては、当該補助金又は負担金の額の合計額から当該修理等が行われた後当該都道府県指定有形文化財の修理等のため自己の費した金額を控除して得た金額を都道府県に納付しなければならない。

2 前項に規定する「補助金又は負担金の額」とは、補助金又は負担金の額を、補助又は費用負担に係る修理等を施した都道府県指定有形文化財につき教育委員会が定める耐用年数で除して得た金額に、更に、当該耐用年数から修理等を行つた時以後当該都道府県指定有形文化財の譲渡の時までの年数を控除した残余の年数(一年に満たない部分があるときは、これを切り捨てる。)を乗じて得た金額に相当する金額とする。

3 補助又は費用負担に係る修理等が行われた後、当該都道府県指定有形文化財を都道府県に譲り渡した場合その他特別の事情がある場合には、都道府県は、第一項の規定により納付すべき金額の全部又は一部の納付を免除することができる。

(現状変更等の制限)

第十四条 都道府県指定有形文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。

3 教育委員会は、第一項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

4 第一項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかつたときは、教育委員会は、許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

5 第一項の許可を受けることができなかつたことにより、又は第三項の許可の条件を付せられたことによつて損失を受けた者に対しては、都道府県は、その通常生ずべき損失を補償する。

(修理の届出等)

第十五条 都道府県指定有形文化財を修理しようとするときは、所有者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、第十条第一項の規定による補助金の交付、第十二条第二項の規定による勧告又は前条第一項の規定による許可を受けて修理を行う場合は、この限りでない。

2 都道府県指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導と助言をすることができる。

(公開)

第十六条 教育委員会は、都道府県指定有形文化財の所有者に対し、六月以内の期間を限つて、教育委員会の行う公開の用に供するため当該都道府県指定有形文化財を出品することを勧告することができる。

2 教育委員会は、都道府県指定有形文化財の所有者に対し、三月以内の期間を限つて、当該都道府県指定有形文化財の公開を勧告することができる。

3 第一項の規定による出品のために要する費用は、都道府県の負担とし、前項の規定による出品のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を都道府県の負担とすることができる。

4 都道府県は、第一項の規定により出品した所有者に対し、給与金を支給することができる。

5 教育委員会は、第一項の規定により都道府県指定有形文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該都道府県指定有形文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。

6 教育委員会は、第二項の規定による公開及び当該公開に係る都道府県指定有形文化財の管理に関し必要な指示をするとともに、必要があると認めるときは、当該管理について指揮監督することができる。

7 第一項又は第二項の規定により出品し、又は公開したことに起因して当該都道府県指定有形文化財を滅失し、又はき損したときは、都道府県は、所有者に対し、その通常生ずべき損失を補償する。ただし、所有者の責に帰すべき事由によつて滅失し、又はき損した場合は、この限りでない。

第十七条 前条第二項の規定による公開の場合を除き、都道府県指定有形文化財の所在の場所を変更してこれを公衆の観覧に供するため第九条の規定による届出があつた場合には、前条第六項の規定を準用する。

注 第三者による公開を法第五十三条のように許可制によつて規制する必要性は、比較的薄いので、本条による所有者の届出、所有者に対する指示によつて間接的に処置するものとしたのである。

(調査)

第十八条 教育委員会は、必要があると認めるときは、都道府県指定有形文化財の所有者又は管理責任者に対し、当該都道府県指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

注 指定のための強制調査権を規定することは、法においてもこれを避けているので、条例においてもこれを規定しない方がよいと思われる。

(所有者変更に伴う権利義務の承継)

第十九条 都道府県指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該都道府県指定有形文化財に関しこの条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。

2 前項の場合には、旧所有者は、当該都道府県指定有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。

第三章 都道府県指定無形文化財

(指定)

第二十条 教育委員会は、都道府県の区域内に存する無形文化財(法第五十六条の三第一項の規定により重要無形文化財に指定されたものを除く。)のうち都道府県にとつて重要なものを○○都道府県指定無形文化財(以下「都道府県指定無形文化財」という。)に指定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定による指定をするに当たつては、当該都道府県指定無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となつている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 第一項の規定による指定又は前項の規定による認定をするには、教育委員会は、あらかじめ、別に定める都道府県文化財保護審議会に諮問しなければならない。

4 第一項の規定による指定は、その旨を都道府県(公)報で告示するとともに、当該都道府県指定無形文化財の保持者又は保持団体(保持団体にあつては、その代表者)として認定しようとするものに通知してする。

5 教育委員会は、第一項の規定による指定をした後においても、当該都道府県指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。

6 前項の規定による追加認定には、第三項及び第四項の規定を準用する。

(解除)

第二十一条 都道府県指定無形文化財が都道府県指定無形文化財としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その認定を解除することができる。

3 第一項の規定による指定の解除又は前項の規定による認定の解除には、前条第三項の規定を準用する。

4 第一項の規定による指定の解除又は第二項の規定による認定の解除は、その旨を都道府県(公)報で告示するとともに、当該都道府県指定無形文化財の保持者又は保持団体の代表者に通知してする。

5 都道府県指定無形文化財について法第五十六条の三第一項の規定による重要無形文化財の指定があつたときは、当該都道府県指定無形文化財の指定は、解除されたものとする。

6 前項の場合には、教育委員会は、その旨を都道府県(公)報で告示するとともに、当該都道府県指定無形文化財の保持者として認定されていた者又は保持団体として認定されていた団体の代表者に通知しなければならない。

7 保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下この条及び次条において同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき、又は保持団体のすべてが解散したときは、都道府県指定無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合には、教育委員会は、その旨を都道府県(公)報で告示しなければならない。

(保持者の氏名変更等)

第二十二条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他教育委員会規則の定める事由があるときは、保持者又はその相続人は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあつては、代表者であつた者)について、同様とする。

(保存)

第二十三条 教育委員会は、都道府県指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、都道府県指定無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、都道府県は、保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定により補助金を交付する場合には、第十条第二項及び第十一条の規定を準用する。

(公開)

第二十四条 教育委員会は、都道府県指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し都道府県指定無形文化財の公開を、都道府県指定無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。

2 前項の規定による都道府県指定無形文化財の公開には、第十六条第三項及び第六項の規定を準用する。

3 都道府県は、第一項の規定による都道府県指定無形文化財の記録の公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

4 前項の規定により補助金を交付する場合には、第十条第二項及び第十一条の規定を準用する。

(保存に関する助言又は勧告)

第二十五条 教育委員会は、都道府県指定無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

注 都道府県指定無形文化財以外の無形文化財について法第五十六条の九のようにその記録の作成等に関する規定を設けなかつたのは、国の場合と異なり都道府県の場合には、このような制度を特に設ける必要が少ないと思われるからである。

第四章 都道府県指定有形民俗文化財・都道府県指定無形民俗文化財

(指定)

第二十六条 教育委員会は、都道府県の区域内に存する有形の民俗文化財(法第五十六条の十第一項の規定により重要有形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち都道府県にとつて重要なものを○○都道府県指定有形民俗文化財(以下「都道府県指定有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財(法第五十六条の十第一項の規定により重要無形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち都道府県にとつて重要なものを○○都道府県指定無形民俗文化財(以下「都道府県指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による都道府県指定有形民俗文化財の指定には、第四条第二項から第六項までの規定を準用する。

3 第一項の規定による都道府県指定無形民俗文化財の指定には、第二十条第三項の規定を準用する。

4 第一項の規定による都道府県指定無形民俗文化財の指定は、その旨を都道府県(公)報に告示してする。

(解除)

第二十七条 都道府県指定有形民俗文化財又は都道府県指定無形民俗文化財が都道府県指定有形民俗文化財又は都道府県指定無形民俗文化財としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 前項の規定による都道府県指定有形民俗文化財の指定の解除には、第五条第二項及び第五項の規定を準用する。

3 第一項の規定による都道府県指定無形民俗文化財の指定の解除には、第二十一条第三項の規定を準用する。

4 第一項の規定による都道府県指定無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を都道府県(公)報に告示してする。

5 都道府県指定有形民俗文化財又は都道府県指定無形民俗文化財について法第五十六条の十第一項の規定による重要有形民俗文化財又は重要無形民俗文化財の指定があつたときは、当該都道府県指定有形民俗文化財又は都道府県指定無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。

6 前項の場合の都道府県指定有形民俗文化財の指定の解除には、第五条第四項及び第五項の規定を準用する。

7 第五項の場合の都道府県指定無形民俗文化財の指定の解除については、教育委員会は、その旨を都道府県(公)報で告示しなければならない。

(都道府県指定有形民俗文化財の保護)

第二十八条 都道府県指定有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 都道府県指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る現状変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

(都道府県指定有形民俗文化財に関する準用規定)

第二十九条 第六条から第十三条まで及び第十六条から第十九条までの規定は、都道府県指定有形民俗文化財について準用する。

(都道府県指定無形民俗文化財の保存)

第三十条 教育委員会は、都道府県指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、都道府県指定無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、都道府県は、その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定により補助金を交付する場合には、第十条第二項及び第十一条の規定を準用する。

(都道府県指定無形民俗文化財の記録の公開)

第三十一条 教育委員会は、都道府県指定無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。

2 前項の規定による公開には、第二十四条第三項及び第四項の規定を準用する。

(都道府県指定無形民俗文化財の保存に関する助言又は勧告)

第三十二条 教育委員会は、都道府県指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

(都道府県指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録の作成等)

第三十三条 教育委員会は、都道府県指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財のうち特に必要のあるものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、又は公開することができるものとし、都道府県は、適当な者に対し、当該無形の民俗文化財の公開又はその記録の作成、保存若しくは公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定による選択には、第二十条第三項の規定を準用する。

3 第一項の規定により補助金を交付する場合には、第十条第二項及び第十一条の規定を準用する。

第五章 都道府県指定史跡名勝天然記念物

(指定)

第三十四条 教育委員会は、都道府県の区域内に存する記念物(法第六十九条第一項の規定により史跡、名勝又は天然記念物に指定されたものを除く。)のうち都道府県にとつて重要なものを○○都道府県指定史跡、○○都道府県指定名勝又は○○都道府県指定天然記念物(以下「都道府県指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定には、第四条第二項から第五項までの規定を準用する。

注 「都道府県指定史跡名勝天然記念物」については、史跡名勝天然記念物の呼称が一般名詞に近いため、都道府県指定のものについて有形文化財の場合のような国の指定のものとの誤解、混用を避ける適当な呼称を見出し難いので、一応この呼称としたのであり、より適当な呼称があれば、それによることは、もとより差し支えない。

(解除)

第三十五条 都道府県指定史跡名勝天然記念物が都道府県指定史跡名勝天然記念物としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 都道府県指定史跡名勝天然記念物について法第六十九条第一項の規定による史跡、名勝又は天然記念物の指定があつたときは、当該都道府県指定史跡名勝天然記念物の指定は、解除されたものとする。

3 第一項の規定による指定の解除には、第五条第二項の規定を、前項の場合には、第五条第四項の規定を準用する。

(標識の設置)

第三十六条 都道府県指定史跡名勝天然記念物の所有者は、教育委員会規則の定める基準により、都道府県指定史跡名勝天然記念物の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲さくその他の施設を設置するものとする。

注 標識等の設置は、保存のための管理であるので、第三十九条で準用される第十条第一項の規定により補助金の交付が可能である。

(土地の所在等の異動の届出)

第三十七条 都道府県指定史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があつたときは、所有者(第三十九条で準用する第六条第二項の規定により選任した管理責任者がある場合は、その者)は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(現状変更等の制限)

第三十八条 都道府県指定史跡名勝天然記念物に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。

3 第一項の規定による許可を与える場合には、第十四条第三項及び第四項の規定を準用する。

4 第一項の許可を受けることができなかつたことにより、又は第三項で準用する第十四条第三項の許可の条件を付せられたことによつて損失を受けた者に対しては、都道府県は、その通常生ずべき損失を補償する。

(準用規定)

第三十九条 第六条から第八条まで、第十条から第十三条まで、第十五条、第十八条及び第十九条第一項の規定は、都道府県指定史跡名勝天然記念物について準用する。

第六章 都道府県選定保存技術

(選定等)

第四十条 教育委員会は、都道府県の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のために欠くことのできないもの(法第八十三条の七第一項の規定により選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち都道府県として保存の措置を講ずる必要があるものを○○都道府県選定保存技術(以下「都道府県選定保存技術」という。)として選定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定による選定をするに当たつては、都道府県選定保存技術の保持者又は保存団体(都道府県選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体(財団を含む。)で代表者又は管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 一の都道府県選定保存技術についての前項の認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。

4 第一項の規定による選定及び前二項の規定による認定には、第二十条第三項から第六項までの規定を準用する。

(解除)

第四十一条 教育委員会は、都道府県選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなつた場合その他特殊の事由があるときは、その選定を解除することができる。

2 教育委員会は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保存団体が保存団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特殊の事由があるときは、保持者又は保存団体の認定を解除することができる。

3 第一項の規定による指定の解除又は前項の規定による認定の解除には、第二十一条第三項及び第四項の規定を準用する。

4 都道府県選定保存技術について法第八十三条の七第一項の規定による選定保存技術の選定があつたときは、当該都道府県選定保存技術の選定は、解除されたものとする。

5 前項の場合には、第二十一条第六項の規定を準用する。

6 前条第二項の認定が保持者のみについてなされた場合にあつてはそのすべてが死亡したとき、同項の認定が保存団体のみについてなされた場合にあつてはそのすべてが解散したとき(消滅したときを含む。以下この項において同じ。)、同項の認定が保持者と保存団体とを併せてなされた場合にあつては保持者のすべてが死亡しかつ保存団体のすべてが解散したときは、都道府県選定保存技術の選定は、解除されたものとする。この場合には、教育委員会は、その旨を都道府県(公)報で告示しなければならない。

(保持者の氏名変更等)

第四十二条 保持者及び保存団体には、第二十二条の規定を準用する。この場合において、同条後段中「代表者」とあるのは、「代表者又は管理人」と読み替えるものとする。

(保存)

第四十三条 教育委員会は、都道府県選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、都道府県選定保存技術について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、都道府県は、保持者又は保存団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定により補助金を交付する場合には、第十条第二項及び第十一条の規定を準用する。

(保存に関する指導又は助言)

第四十四条 教育委員会は、都道府県選定保存技術の保持者又は保存団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な指導又は助言をすることができる。

第七章 補則

(施行規則)

第四十五条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

注 本条にいう「この条例の施行に関し必要な事項」とは条例の施行に関し必要な事項である限り、法令、条例に違反せず、かつ、教育委員会規則で定めうる範囲内の事項であれば、手続的事項のみに限定されることはない。

第八章 罰則

(刑罰)

第四十六条 都道府県指定有形文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者は、五万円以下の罰金又は科料に処する。

第四十七条 都道府県指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、五万円以下の罰金若しくは科料に処する。

第四十八条 第十四条又は第三十八条の規定に違反して、教育委員会の許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで、都道府県指定有形文化財若しくは都道府県指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は教育委員会の現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかつた者は、三万円以下の罰金若しくは科料に処する。

第四十九条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産の管理に関して、前三条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。

附則

この条例は、昭和  年  月  日から施行する。

注 文化財の名称の変更に伴う必要の経過措置(例えば、従前の都道府県指定民俗資料を新制度における都道府県指定有形民俗文化財とみなすこと。)罰則の変更に伴う必要な経過措置等については、当然附則において規定を設ける必要があるが、これらについては、文化財保護法の一部を改正する法律(昭和五十年法律第四十九号)の附則及び文化財保護法施行令(昭和五十年政令第○○号)の附則等を参照して措置されたい。

〔別添二〕

都道府県文化財保護審議会条例(参考案)

(設置)

第一条 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第百五条の規定に基づき、○○都道府県教育委員会(以下「教育委員会」という。)に○○都道府県文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(所掌事務)

第二条 審議会は、教育委員会の諮問に応じて、文化財の保存及び活用に関する重要事項について調査審議し、及びこれらの事項に関して教育委員会に建議する。

(組織)

第三条 審議会は、委員○人で組織する。

2 特別の事項を調査審議するため必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。

注 委員の定数については、審議会が合議制であること及び各専門分野に対応する委員が必要であること等を考慮すれば、一応、二十人程度が適当と考えられるが、従来の文化財専門委員の定数など各都道府県の事情により適宜措置されたい。

第四条 委員及び臨時委員は、学識経験のある者及び関係行政機関の職員のうちから、教育委員会が委嘱する。

注 「学識経験のある者」として文化財に関する専門の学識を有する者のほか、広く文化財に関する学識経験を有する者(いわゆる一般学識経験者)も含めて任命するよう考慮することが望ましい。

第五条 委員の任期は、二年とし、その欠員が生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 臨時委員は、当該特別の事項の調査審議が終わつたときは、退任するものとする。

3 委員及び臨時委員は、非常勤とする。

(会長)

第六条 審議会に、会長及び副会長を置く。

2 会長及び副会長は、委員が互選する。

3 会長は、審議会の会務を総理する。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(議事)

第七条 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、議事を開き、議決をすることができない。

2 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

(部会)

第八条 審議会に、教育委員会規則の定めるところにより、部会を置くことができる。

(庶務)

第九条 審議会の庶務は、教育委員会○○課において処理する。

(教育委員会規則への委任)

第十条 この条例に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

附則

1 この条例は、昭和  年  月  日から施行する。

2 ○○都道府県文化財専門委員条例(昭和○○年条例第○○号)は、廃止する。

 

 

 

 

-- 登録:平成21年以前 --