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集団登下校の実施について

文体保第二五一号

昭和四三年一二月二七日
各都道府県教育委員会教育長・各都道府県知事・附属学校を置く各国立大学長あて
文部省体育局長通達

集団登下校の実施について

集団登下校については、かねてからその適切な実施について種々御配慮を願つているところでありますが、なお集団登下校中の交通事故が依然としてあとを断たないことは、まことに遺憾であります。

このたび、文部省では、学識経験者、小学校や幼稚園の校長、教諭、PTA関係者等の御参集を願い、集団登下校のあり方について懇談会を開催しましたが、その際の意見等を参考として、集団登下校の実施について下記のとおり留意事項をまとめました。

ついては、今後、さらにこれらの事項に留意して、児童、幼児等の交通事故の防止に努めるよう、管下の教育委員会、学校等に対して周知徹底方よろしく御配慮願います。

1 道路事情および交通事情と集団登下校

集団登下校は、通学の安全を確保するための有効な方法であるが、反面、大事故を起こす危険もあるので、学校においては、通学路の道路事情および交通事情を具体的に検討したうえで、個々の通学路ごとに集団登下校を実施するかどうかを決めること。過去に発生した事故の例からみると、歩道やガードレール等、歩道と車道を区分する交通安全施設が整備されておらず、かつ、自動車が高速度で走行するような道路を集団で歩行することは、大事故を起こす危険が多いので、このような場合は、集団登下校をさけることが望ましい。

なお、道路事情および交通事情は、変化するものであるので、その変化に応じて適切な措置をとるようにすること。

2 集団登下校の実施計画

集団登下校を実施するにあたつては、学校は、学校の設置者、警察署、PTAその他の関係機関、団体等との密接な連けいにより綿密周到な計画をたて、かつ、登下校時における交通規制、保護、誘導等の確保に万全を期すること。

文部省が行なつた実態調査によると、下校時においては保護、誘導等が行なわれていない場合が多く、一方、下校時には登校時より事故が多く発生している実態もあるので、下校時における保護、誘導等についていつそう徹底するよう、関係機関、団体等と協議すること。

なお、登下校時における交通規制、保護、誘導等は、集団登下校にかぎらず個別登下校の場合においても重要であり、とくに多くの児童等が集中する校門附近等においては、これらの措置が徹底するよう関係機関と協議すること。

3 集団行動の訓練

集団登下校においては、集団としての規律ある行動がとれるよう指導するとともに、集団のなかの一人一人が安全を確認して行動することについても指導の徹底を図ること。集団登下校においては、自主的な判断と行動がそこなわれるおそれがあるので、このような指導を徹底することが必要である。

4 班長に対する指導

集団登下校を円滑に行なうために班長の果たす役割はきわめて重要であるが、そのために、精神的に過重な負担をかけることとならないようじゆうぶん配慮すること。

なお、小学校の場合、班長は、一般的には最高学年の児童のなかから選ばれるであろうが、班長の指導力がじゆうぶんでないような場合は、これに次ぐ学年の児童のなかから適当な副班長を選び、集団における秩序ある行動の維持に万全を期するよう留意すること。

5 集団の人数

集団の人数は居住地附近の児童数、適当な集合場所の有無、自宅から集合場所までの距離、道路の幅員、交通量、班長の指導力等を考慮して決めるべきであるが、班長の精神的負担の軽減、大事故防止等の見地から、一般的には五、六人程度、多くとも一〇人までにとどめることが適当と思われる。

また、隊列の組み方については、集団の人数にもよるが、低学年の児童の保護に重点をおくとともに、通過する道路の状況に応じて、それに適した隊列の組み方をするよう指導すること。

なお、小学校と幼稚園を併設している学校においては、小学校の児童が幼稚園の園児を引率して登下校する形態が時おり見られるが、社会性に乏しく、かつ、突発的な行動に出やすい幼児を小学校の児童が引率することは無理であると思われるので、このようなことは、さけること。

6 登校時における集合場所

集団登下校においては、集合中は事故が発生する危険があるので、とくに登校時における安全な集合場所の選定、確保、短時間内での集合の完了、待ち合わせ時間における規律の保持等にじゆうぶん留意すること。このため、学校においては市町村、警察署等の関係機関や家庭、地域社会の理解と協力を求めること。

7 幼稚園の幼児の安全

幼稚園の幼児の登下校には、保護者またはこれに代わる者が付き添つて、その安全を確保することが望ましい。

 

 

 

 

-- 登録:平成21年以前 --