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学校給食法並びに同法施行令等の施行について

文管学第五四三号

昭和二九年九月二八日
各都道府県教育委員会・各都道府県知事・小学校等を附属して設置する国立大学の長あて
文部事務次官通達

学校給食法並びに同法施行令等の施行について

学校給食法(昭和二九年法律第一六〇号。以下「法」という。)は、本年六月三日公布即日施行され、引き続き同法施行令(同年七月二三日政令第二一二号。以下「政令」という。)同法施行規則(同年九月二八日文部省令第二四号。以下「省令」という。)ならびに学校給食実施基準(同年九月二八日文部省告示第九〇号)もそれぞれ施行されました。

法および政令等は、別添のとおりでありますが、下記の各事項に御留意の上、学校給食の適正かつ有効な運営についての事務処理に遺憾のないよう取り扱われ、本法制定の趣旨を徹底させるよう御配慮願います。

なお、都道府県の教育委員会にあつては、管内の地方教育委員会(小学校等を設置する市町村の組合の執行機関を含む。)に、都道府県知事にあつては、管内の小学校等を設置する学校法人に対し、その旨を御伝達下さい。

1 法制定の趣旨

学校給食は、小学校等における教育目的の実現を期するために実施されるもので、これは児童に望ましい食事に関する経験をかさねさせ、それによる食生活の科学的、合理的進歩向上をめざしている。

このように学校給食を通して児童が日常の食生活に関し、合理的な営みを学びとることは、単に児童の幸福に資するのみでなく、わが国民の食生活の改善の観点からも、きわめて重要なことである。

しかも、実情を見ると、今日、学校給食を実施する学校の数は漸次増加し、学校給食を受ける児童総数のなかばを越えている。このような学校給食の実施にともない、国費、地方費および児童の保護者が負担する費用の合計額は、最近では年間約二〇〇億円を越えるものと推定されるにいたつた。それにもかかわらず、従来学校給食については、統一的な、施策または、明確な法的根拠がなくこれを実施するに当つて非常な支障をきたしていた。

そこで、学校給食を普及充実させるためには、学校給食制度の法制化が一日も猶予できないほどの大きな問題となつた。

学校給食法の制定は、以上のような状勢を背景として、わが国の学校給食制度をまず法的に確立し、一応安定させたものである。

2 法の目的

学校給食は、児童の心身の健全な発達に直接に役立つのみならず家庭および地域社会における日常の食生活の合理化に重要な役割を果し、ひいては国民の食生活改善という現下の緊急課題の解決にも寄与するところがきわめて大きい。

以上のような学校給食の重要性にかんがみ、その実施に関し必要な事項に法的根拠を与え、この制度を確立するとともに、今後ますますその普及充実を図ろうとするものである。

3 学校給食の目標

小学校教育の目的および目標に関しては、学校教育法第一七条および第一八条において規定されているが、学校給食の教育目標を抽出したのは、学校給食のもつ教育的価値が初等普通教育の教育計画全体のなかで正しく認識される必要があるからである。

この意味において、法第二条の規定に掲げられた四つの目標は、学校教育法に掲げる小学校教育の目標を達成するため、特に学校給食に求めるところを明示したものである。

従つて学校給食の目標を達成するためには、各種の学習指導要領を参照し、それがもつ教育的価値を明かにし、学校の実情に応じて統一ある指導計画をたて、その実現に努めるよう留意しなければならない。

4 学校給食の実施

小学校等において実施される学校給食は、当然法第二条に定める目標達成のために努められるべきであるが、学校給食が法の趣旨にのつとり、適正に実施されるよう別に文部省告示第九〇号をもつて「学校給食実施基準」を定めた。

この実施基準は、従来から「学校給食実施方針」として文部省が示してきたことの要点をあげたものであり、今後の学校給食のあり方について、この基準を一応の目安とすることが望ましいという意味のものである。それゆえ実際には、学校の実状に応じてこの基準に適合するように努めることが望ましい。

5 小学校等の設置者の任務

法においては、学校給食の実施を小学校等の設置者に義務づけてはいないが、その教育上の重要性にかんがみ小学校等の設置者は、法第四条の規定に基き学校給食がその本来の目的に従つて開設され、運営され、継続されることに努め、法第六条に規定する財政的負担の方途を講ずることが望ましい。

6 国および地方公共団体の任務

法第五条において、学校給食の普及と健全な発達を図るため、国および地方公共団体が積極的に努力すべきことを規定している。この趣旨に基いて、法第七条以下の学校給食に関する国の援助を規定している。

特に都道府県の教育委員会においては、すでに教育委員会法第五〇条の定めるところにより、学校給食に関する企画等の事務を行うことになつており、さらに法および政令等に規定する学校給食の開設および廃止の届出(政令第一条、省令第一条及び第二条)によって、従来にも増して当該都道府県内の学校給食の実態が、握されるので、管内の学校給食の指導と助言に遺ろうのないよう取り扱われたい。

7 経費の負担等

従来は、学校給食を実施するための必要な経費の負担区分は学校ごとに区々であったが、法第六条および政令第二条の規定によって、学校給食の実施に必要な経費は、原則として、小学校等の設置者と給食を受ける児童の保護者とがそれぞれ分担することを定めた。

これらの規定は経費の負担区分を明らかにしたもので、たとえば保護者の経済的負担の現状からみて、地方公共団体、学校法人その他の者が、児童の給食費の一部を補助するような場合を禁止する意図ではない。要するに、これらの規定は小学校等の設置者と保護者の両者の密接な協力により、学校給食がいよいよ円滑に実施され健全な発達をみることが期待されるという立法の根本趣旨に基いて、解釈されるべきである。

なお、市町村立の小学校等であっては、都道府県がその給与を負担する学校職員も、当然それぞれの職責に応じて、その学校の学校給食に従事すべき職員であることはいうまでもない。

8 学校給食に関する国の援助

法には、学校給食に対する国の二つの援助に関する規定があり、そのひとつは、学校給食の開設に必要な施設または設備に要する経費に関する国庫補助であり、他のひとつは学校給食用小麦等に関する特別措置による国の援助である。

(1) 学校給食の開設に必要な施設または設備に要する経費の補助

法第七条にいう「学校給食の開設」とは、公私立の小学校等において、法第三条に規定する学校給食を新らしく開始する場合を指すのであって、この場合は、「学校給食実施基準」に適合するように計画されることが望ましい。

経費の補助を新らしく学校給食を開設する場合に限定した趣旨はまだ学校給食を実施していない、いわば農山村漁村等の学校に普及することが、今日特に必要と考えたからで、従来から文部省の方針に基いて実施されている学校給食を、決して軽視するものではない。

なお、補助規定の適用については、本校および分校は、それぞれ一つの学校とみなされる(政令第六条)。その他この補助金の事務上の取扱等は、政令第七条ないし第一三条及び省令第三条の規定により、文部省から経由機関(政令第一一条)を通じて、当該小学校等の設置者に対し行うことになっている。

(2) 学校給食用小麦等の売渡しについて

学校給食用小麦等の売渡しにおける小麦の実際上の取扱は、別に文部省から都道府県の教育委員会に通達することになるが、法第一一条に規定するごとくこの小麦等を学校給食以外の用途に使用してはならない。

(3) 乾燥脱脂ミルクの利用について

学校給食に乾燥脱脂ミルクを利用することについては、特にこの法律には規定していないが、文部省においては従来どおり学校給食のために利用する方針であり、乾燥脱脂ミルクの輸入および配給等については、財団法人日本学校給食会をして、できうる限りの便宜の方途を講じさせることになっているから、その利用については従来どおり指導されたい。

(附) 昭和二七年三月二九日文施学第一一六号文部事務次官通達「昭和二七年度学校給食実施方針」は、昭和二九年九月二八日以降廃止する。

 

 

 

 

-- 登録:平成21年以前 --