文部省告示第五十八号
高等学校学習指導要領
学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第五十七条の二及び第六十三条の二の規定に基づき、高等学校学習指導要領(平成元年文部省告示第二十六号)の全部を次のように改正する。この告示による改正後の高等学校学習指導要領が適用されるまでの高等学校学習指導要領の特例については、別に定める。記
平成十一年三月二十九日 平成一四年五月二四日文部科学省告示第一〇五号 改正
目次
第1章 総則
第2章 普通教育に関する各教科
第1節 国語
第2節 地理歴史
第3節 公民
第4節 数学
第5節 理科
第6節 保健体育
第7節 芸術
第8節 外国語
第9節 家庭
第10節 情報
第3章 専門教育に関する各教科
第1節 農業
第2節 工業
第3節 商業
第4節 水産
第5節 家庭
第6節 看護
第7節 情報
第8節 福祉
第9節 理数
第10節 体育
第11節 音楽
第12節 美術
第13節 英語
第4章 特別活動
附則
第1章 総則
第1款 教育課程編成の一般方針
1 各学校においては,法令及びこの章以下に示すところに従い,生徒の人間として調和のとれた育成を目指し,地域や学校の実態,課程や学科の特色,生徒の心身の発達段階及び特性等を十分考慮して,適切な教育課程を編成するものとする。
学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,生徒に生きる力をはぐくむことを目指し,創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開する中で,自ら学び自ら考える力の育成を図るとともに,基礎的・基本的な内容の確実な定着を図り,個性を生かす教育の充実に努めなければならない。
2 学校における道徳教育は,生徒が自己探求と自己実現に努め国家・社会の一員としての自覚に基づき行為しうる発達段階にあることを考慮し人間としての在り方生き方に関する教育を学校の教育活動全体を通じて行うことにより,その充実を図るものとし,各教科に属する科目,特別活動及び総合的な学習の時間のそれぞれの特質に応じて適切な指導を行わなければならない。
道徳教育は,教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき,人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭,学校,その他社会における具体的な生活の中に生かし,豊かな心をもち,個性豊かな文化の創造と民主的な社会及び国家の発展に努め,進んで平和的な国際社会に貢献し未来を拓く主体性のある日本人を育成するため,その基盤としての道徳性を養うことを目標とする。
道徳教育を進めるに当たっては,特に,道徳的実践力を高めるとともに,自律の精神や社会連帯の精神及び義務を果たし責任を重んずる態度や人権を尊重し差別のないよりよい社会を実現しようとする態度を養うための指導が適切に行われるよう配慮しなければならない。
3 学校における体育・健康に関する指導は,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,体力の向上及び心身の健康の保持増進に関する指導については,「体育」及び「保健」の時間はもとより,特別活動などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めることとする。また,それらの指導を通して,家庭や地域社会との連携を図りながら,日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し,生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならない。
4 学校においては,地域や学校の実態等に応じて,就業やボランティアにかかわる体験的な学習の指導を適切に行うようにし,勤労の尊さや創造することの喜びを体得させ,望ましい勤労観,職業観の育成や社会奉仕の精神の涵養に資するものとする。
第2款 各教科・科目及び単位数等
1 卒業までに履修させる単位数等
各学校においては,卒業までに履修させる下記2から5までに示す各教科に属する科目及びその単位数,特別活動及びそれらの授業時数並びに卒業までに行う総合的な学習の時間の授業時数及び単位数に関する事項を定めるものとする。この場合,各教科に属する科目(以下「各教科・科目」という。)及び総合的な学習の時間の単位数の計は,第3款の1,2及び3の(1)に掲げる各教科・科目の単位数並びに総合的な学習の時間の単位数を含めて74単位以上とする。
単位については,1単位時間を50分とし,35単位時間の授業を1単位として計算することを標準とする。ただし,通信制の課程においては,第8款の定めるところによるものとする。
2 普通教育に関する各教科・科目及び標準単位数
各学校においては,教育課程の編成に当たって,生徒に履修させる普通教育に関する各教科・科目及びその単位数について,次の表に掲げる各教科・科目及び標準単位数を踏まえ適切に定めるものとする。ただし,生徒の実態等を考慮し,特に必要がある場合には,標準単位数の標準の限度を超えて単位数を増加して配当することができる。
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教科 |
科目 |
標準単位数 |
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国語 |
国語表現[Roman1 ] |
2 |
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国語表現[Roman2 ] |
2 |
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国語総合 |
4 |
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現代文 |
4 |
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古典 |
4 |
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古典購読 |
2 |
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地理歴史 |
世界史A |
2 |
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世界史B |
4 |
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日本史A |
2 |
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日本史B |
4 |
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地理A |
2 |
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|
地理B |
4 |
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公民 |
現代社会 |
2 |
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倫理 |
2 |
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政治・経済 |
2 |
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数学 |
数学基礎 |
2 |
|
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数学[Roman1 ] |
3 |
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数学[Roman2 ] |
4 |
|
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数学[Roman3 ] |
3 |
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数学A |
2 |
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数学B |
2 |
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数学C |
2 |
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理科 |
理科基礎 |
2 |
|
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理科総合A |
2 |
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|
理科総合B |
2 |
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物理[Roman1 ] |
3 |
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物理[Roman2 ] |
3 |
|
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化学[Roman1 ] |
3 |
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化学[Roman2 ] |
3 |
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生物[Roman1 ] |
3 |
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生物[Roman2 ] |
3 |
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地学[Roman1 ] |
3 |
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地学[Roman2 ] |
3 |
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保健体育 |
体育 |
7~8 |
|
保健 |
2 |
|
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芸術 |
音楽[Roman1 ] |
2 |
|
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音楽[Roman2 ] |
2 |
|
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音楽[Roman3 ] |
2 |
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美術[Roman1 ] |
2 |
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美術[Roman2 ] |
2 |
|
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美術[Roman3 ] |
2 |
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工芸[Roman1 ] |
2 |
|
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工芸[Roman2 ] |
2 |
|
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工芸[Roman3 ] |
2 |
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書道[Roman1 ] |
2 |
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書道[Roman2 ] |
2 |
|
|
書道[Roman3 ] |
2 |
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外国語 |
オーラル・コミュニケーション[Roman1 ] |
2 |
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|
オーラル・コミュニケーション[Roman2 ] |
4 |
|
|
英語[Roman1 ] |
3 |
|
|
英語[Roman2 ] |
4 |
|
|
リーディング |
4 |
|
|
ライティング |
4 |
|
家庭 |
家庭基礎 |
2 |
|
|
家庭総合 |
4 |
|
|
生活技術 |
4 |
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情報 |
情報A |
2 |
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情報B |
2 |
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|
情報C |
2 |
3 専門教育に関する各教科・科目
各学校においては,教育課程の編成に当たって,生徒に履修させる専門教育に関する各教科・科目及びその単位数について,次の表に掲げる各教科・科目及び設置者の定める標準単位数を踏まえ適切に定めるものとする。
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教科 |
科目 |
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農業 |
農業科学基礎,環境科学基礎,課題研究,総合実習,農業情報処理,作物,野菜,果樹,草花,畜産,農業経営,農業機械,食品製造,食品化学,微生物基礎,植物バイオテクノロジー,動物・微生物バイオテクノロジー,農業経済,食品流通,森林科学,森林経営,林産加工,農業土木設計,農業土木施工,造園計画,造園技術,測量,生物活用,グリーンライフ |
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工業 |
工業技術基礎,課題研究,実習,製図,工業数理基礎,情報技術基礎,材料技術基礎,生産システム技術,工業技術英語,工業管理技術,機械工作,機械設計,原動機,電子機械,電子機械応用,自動車工学,自動車整備,電気基礎,電気機器,電力技術,電子技術,電子回路,電子計測制御,通信技術,電子情報技術,プログラミング技術,ハードウェア技術,ソフトウェア技術,マルチメディア応用,建築構造,建築施工,建築構造設計,建築計画,建築法規,設備計画,空気調和設備,衛生・防災設備,測量,土木施工,土木基礎力学,土木構造設計,社会基盤工学,工業化学,化学工学,地球環境化学,材料製造技術,工業材料,材料加工,セラミック化学,セラミック技術,セラミック工業,繊維製品,繊維・染色技術,染織デザイン,インテリア計画,インテリア装備,インテリアエレメント生産,デザイン史,デザイン技術,デザイン材料 |
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商業 |
ビジネス基礎,課題研究,総合実践,商品と流通,商業技術,マーケティング,英語実務,経済活動と法,国際ビジネス,簿記,会計,原価計算,会計実務,情報処理,ビジネス情報,文書デザイン,プログラミング |
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水産 |
水産基礎,課題研究,総合実習,水産情報技術,漁業,航海・計器,漁船運用,船用機関,機械設計工作,電気工学,通信工学,電気通信理論,栽培漁業,水産生物,海洋環境,操船,水産食品製造,水産食品管理,水産流通,ダイビング |
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家庭 |
生活産業基礎,課題研究,家庭情報処理,消費生活,発達と保育,児童文化,家庭看護・福祉,リビングデザイン,服飾文化,被服製作,ファッションデザイン,服飾手芸,フードデザイン,食文化,調理,栄養,食品,食品衛生,公衆衛生 |
|
看護 |
基礎看護,看護基礎医学,成人・老人看護,母子看護,看護臨床実習,看護情報処理 |
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情報 |
情報産業と社会,課題研究,情報実習,情報と表現,アルゴリズム,情報システムの開発,ネットワークシステム,モデル化とシミュレーション,コンピュータデザイン,図形と画像の処理,マルチメディア表現 |
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福祉 |
社会福祉基礎,社会福祉制度,社会福祉援助技術,基礎介護,社会福祉実習,社会福祉演習,福祉情報処理 |
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理数 |
理数数学[Roman1 ],理数数学[Roman2 ],理数数学探究,理数物理,理数化学,理数生物,理数地学 |
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体育 |
体育理論,体つくり運動,スポーツ[Roman1 ],スポーツ[Roman2 ],スポーツ[Roman3 ],ダンス,野外活動 |
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音楽 |
音楽理論,音楽史,演奏法,ソルフェージュ,声楽,器楽,作曲 |
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美術 |
美術概論,美術史,素描,構成,絵画,版画,彫刻,ビジュアルデザイン,クラフトデザイン,映像メディア表現,環境造形,鑑賞研究 |
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英語 |
総合英語,英語理解,英語表現,異文化理解,生活英語,時事英語,コンピュータ・LL演習 |
4 学校設定科目
学校においては,地域,学校及び生徒の実態,学科の特色等に応じ,特色ある教育課程の編成に資するよう,上記2及び3の表に掲げる教科について,これらに属する科目以外の科目(以下「学校設定科目」という。)を設けることができる。この場合において,学校設定科目の名称,目標,内容,単位数等については,その科目の属する教科の目標に基づき,各学校の定めるところによるものとする。
5 学校設定教科
(1) 学校においては,地域,学校及び生徒の実態,学科の特色等に応じ,特色ある教育課程の編成に資するよう,上記2及び3の表に掲げる教科以外の普通教育又は専門教育に関する教科(以下「学校設定教科」という。)及び当該教科に関する科目を設けることができる。この場合において,学校設定教科及び当該教科に関する科目の名称,目標,内容,単位数等については,高等学校教育の目標及びその水準の維持等に十分配慮し,各学校の定めるところによるものとする。
(2) 学校においては,学校設定教科に関する科目として「産業社会と人間」を設けることができる。この科目の目標,内容,単位数等を各学校において定めるに当たっては,産業社会における自己の在り方生き方について考えさせ,社会に積極的に寄与し,生涯にわたって学習に取り組む意欲や態度を養うとともに,生徒の主体的な各教科・科目の選択に資するよう,就業体験等の体験的な学習や調査・研究などを通して,次のような事項について指導することに配慮するものとする。
ア 社会生活や職業生活に必要な基本的な能力や態度及び望ましい勤労観,職業観の育成
イ 我が国の産業の発展とそれがもたらした社会の変化についての考察
ウ 自己の将来の生き方や進路についての考察及び各教科・科目の履修計画の作成
第3款 各教科・科目の履修等
1 必履修教科・科目
すべての生徒に履修させる各教科・科目(以下「必履修教科・科目」という。)は次のとおりとし,その単位数は,第2款の2に標準単位数として示された単位数を下らないものとする。ただし,生徒の実態及び専門教育を主とする学科の特色等を考慮し,特に必要がある場合には,標準単位数が2単位である必履修教科・科目を除き,その単位数の一部を減じることができる。
(1) 国語のうち「国語表現[Roman1 ]」及び「国語総合」のうちから1科目
(2) 地理歴史のうち「世界史A」及び「世界史B」のうちから1科目並びに「日本史A」,「日本史B」,「地理A」及び「地理B」のうちから1科目
(3) 公民のうち「現代社会」又は「倫理」・「政治・経済」
(4) 数学のうち「数学基礎」及び「数学[Roman1 ]」のうちから1科目
(5) 理科のうち「理科基礎」,「理科総合A」,「理科総合B」,「物理[Roman1 ]」,「化学[Roman1 ]」,「生物[Roman1 ]」及び「地学[Roman1 ]」のうちから2科目(「理科基礎」,「理科総合A」及び「理科総合B」のうちから1科目以上を含むものとする。)
(6) 保健体育のうち「体育」及び「保健」
(7) 芸術のうち「音楽[Roman1 ]」,「美術[Roman1 ]」,「工芸[Roman1 ]」及び「書道[Roman1 ]」のうちから1科目
(8) 外国語のうち「オーラル・コミュニケーション[Roman1 ]」及び「英語[Roman1 ]」のうちから1科目(英語以外の外国語を履修する場合は,学校設定科目として設ける1科目とし,その単位数は2単位を下らないものとする。)
(9) 家庭のうち「家庭基礎」,「家庭総合」及び「生活技術」のうちから1科目
(10) 情報のうち「情報A」,「情報B」及び「情報C」のうちから1科目
2 専門教育を主とする学科における各教科・科目の履修
専門教育を主とする学科における各教科・科目の履修については,上記1のほか次のとおりとする。
(1) 専門教育を主とする学科においては,専門教育に関する各教科・科目について,すべての生徒に履修させる単位数は,25単位を下らないこと。ただし,商業に関する学科においては,上記の単位数の中に外国語に属する科目の単位を5単位まで含めることができること。また,商業に関する学科以外の専門教育を主とする学科においては,各学科の目標を達成する上で,普通教育に関する各教科・科目の履修により専門教育に関する各教科・科目の履修と同様の成果が期待できる場合においては,その普通教育に関する各教科・科目の単位を5単位まで上記の単位数の中に含めることができること。
(2) 専門教育に関する各教科・科目の履修によって,上記1の必履修教科・科目の履修と同様の成果が期待できる場合においては,その専門教育に関する各教科・科目の履修をもって,必履修教科・科目の履修の一部又は全部に替えることができること。
3 総合学科における各教科・科目の履修等
総合学科における各教科・科目の履修等については,上記1のほか次のとおりとする。
(1) 総合学科においては,第2款の5の(2)に掲げる「産業社会と人間」をすべての生徒に原則として入学年次に履修させるものとし,標準単位数は2~4単位とすること。
(2) 総合学科においては,学年による教育課程の区分を設けない課程(以下「単位制による課程」という。)とすることを原則とするとともに,「産業社会と人間」及び専門教育に関する各教科・科目を合わせて25単位以上設け,生徒が普通教育及び専門教育に関する多様な各教科・科目から主体的に選択履修できるようにすること。その際,生徒が選択履修するに当たっての指針となるよう,体系性や専門性等において相互に関連する各教科・科目によって構成される科目群を複数設けるとともに,必要に応じ,それら以外の各教科・科目を設け,生徒が自由に選択履修できるようにすること。
第4款 総合的な学習の時間
1 総合的な学習の時間においては,各学校は,地域や学校,生徒の実態等に応じて,横断的・総合的な学習や生徒の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行うものとする。
2 総合的な学習の時間においては,次のようなねらいをもって指導を行うものとする。
(1) 自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
(2) 学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の在り方生き方を考えることができるようにすること。
3 各学校においては,上記2に示すねらいを踏まえ,地域や学校の特色,生徒の特性等に応じ,例えば,次のような学習活動などを行うものとする。
ア 国際理解,情報,環境,福祉・健康などの横断的・総合的な課題についての学習活動
イ 生徒が興味・関心,進路等に応じて設定した課題について,知識や技能の深化,総合化を図る学習活動
ウ 自己の在り方生き方や進路について考察する学習活動
4 各学校における総合的な学習の時間の名称については,各学校において適切に定めるものとする。
5 総合的な学習の時間の学習活動を行うに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 自然体験やボランティア活動,就業体験などの社会体験,観察・実験・実習,調査・研究,発表や討論,ものづくりや生産活動など体験的な学習,問題解決的な学習を積極的に取り入れること。
(2) グループ学習や個人研究などの多様な学習形態,地域の人々の協力も得つつ全教師が一体となって指導に当たるなどの指導体制,地域の教材や学習環境の積極的な活用などについて工夫すること。
(3) 総合学科においては,総合的な学習の時間における学習活動として,原則として上記3のイに示す活動を含むこと。
6 職業教育を主とする学科においては,総合的な学習の時間における学習活動により,農業,工業,商業,水産,家庭若しくは情報の各教科に属する「課題研究」,「看護臨床実習」又は「社会福祉演習」(以下この項において「課題研究等」という。)の履修と同様の成果が期待できる場合においては,総合的な学習の時間における学習活動をもって課題研究等の履修の一部又は全部に替えることができる。また,課題研究等の履修により,総合的な学習の時間における学習活動と同様の成果が期待できる場合においては,課題研究等の履修をもって総合的な学習の時間における学習活動の一部又は全部に替えることができる。
第5款 各教科・科目,特別活動及び総合的な学習の時間の授業時数等
1 全日制の課程における各教科・科目,ホームルーム活動の授業は,年間35週行うことを標準とし,必要がある場合には,各教科・科目の授業を特定の学期又は期間に行うことができる。
2 全日制の課程(単位制による課程を除く。)における週当たりの授業時数は,30単位時間を標準とする。
3 定時制の課程における授業日数の季節的配分又は週若しくは1日当たりの授業時数については,生徒の勤労状況と地域の諸事情等を考慮して,適切に定めるものとする。
4 ホームルーム活動の授業時数については,原則として,年間35単位時間以上とするものとする。
5 定時制の課程において,特別の事情がある揚合には,ホームルーム活動の授業時数の一部を減ずることができる。
6 生徒会活動及び学校行事については,学校の実態に応じて,それぞれ適切な授業時数を充てるものとする。
7 総合的な学習の時間の授業時数については,卒業までに105~210単位時間を標準とし,各学校において,学校や生徒の実態に応じて,適切に配当するものとする。
8 各教科・科目,特別活動及び総合的な学習の時間(以下「各教科・科目等」という。)のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教科・科目等の授業時数を確保しつつ,生徒の実態及び各教科・科目等の特質を考慮して適切に定めるものとする。
第6款 教育課程の編成・実施に当たって配慮すべき事項
1 選択履修の趣旨を生かした適切な教育課程編成
教育課程の編成に当たっては,生徒の特性,進路等に応じた適切な各教科・科目の履修ができるようにし,このため,多様な各教科・科目を設け生徒が自由に選択履修することのできるよう配慮するものとする。また,教育課程の類型を設け,そのいずれかの類型を選択して履修させる場合においても,その類型において履修させることになっている各教科・科目以外の各教科・科目を履修させたり,生徒が自由に選択履修することのできる各教科・科目を設けたりするものとする。
2 各教科・科目等の内容等の取扱い
(1) 学校においては,第2章以下に示していない事項を加えて指導することもできるが,その場合には,第2章以下に示す教科,科目及び特別活動の目標や内容の趣旨を逸脱したり,生徒の負担過重になったりすることのないようにするものとする。
(2) 第2章以下に示す各教科・科目及び特別活動の内容に掲げる事項の順序は,特に示す場合を除き,指導の順序を示すものではないので,学校においては,その取扱いについて適切な工夫を加えるものとする。
(3) 学校においては,あらかじめ計画して,各教科・科目の内容及び総合的な学習の時間における学習活動を学期の区分に応じて単位ごとに分割して指導することができる。
(4) 学校においては,特に必要がある場合には,第2章及び第3章に示す教科及び科目の目標の趣旨を損なわない範囲内で,各教科・科目の内容に関する事項について,基礎的・基本的な事項に重点を置くなどその内容を適切に選択して指導することができる。
3 指導計画の作成に当たって配慮すべき事項
各学校においては,次の事項に配慮しながら,学校の創意工夫を生かし,全体として,調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。
(1) 各教科・科目等について相互の関連を図り,発展的,系統的な指導ができるようにすること。
(2) 各教科・科目の指導内容については,各事項のまとめ方及び重点の置き方に適切な工夫を加えて,効果的な指導ができるようにすること。
4 職業教育に関して配慮すべき事項
(1) 普通科においては,地域や学校の実態,生徒の特性,進路等を考慮し,必要に応じて,適切な職業に関する各教科・科目の履修の機会の確保について配慮するものとする。
(2) 職業教育を主とする学科においては,次の事項に配慮するものとする。
ア 職業に関する各教科・科目については,実験・実習に配当する授業時数を十分確保するようにすること。
イ 生徒の実態を考慮し,職業に関する各教科・科目の履修を容易にするため特別な配慮が必要な場合には,各分野における基礎的又は中核的な科目を重点的に選択し,その内容については基礎的・基本的な事項が確実に身に付くように取り扱い,また,主として実験・実習によって指導するなどの工夫をこらすようにすること。
(3) 学校においては,地域や学校の実態,生徒の特性,進路等を考慮し,就業体験の機会の確保について配慮するものとする。
(4) 職業に関する各教科・科目については,次の事項に配慮するものとする。
ア 職業に関する各教科・科目については,就業体験をもって実習に替えることができること。この場合,就業体験は,その各教科・科目の内容に直接関係があり,かつ,その一部としてあらかじめ計画されるものであることを要すること。
イ 家庭,農業及び水産に関する各教科・科目の指導に当たっては,ホームプロジェクト並びに学校家庭クラブ及び学校農業クラブなどの活動を活用して,学習の効果を上げるよう留意すること。この場合,ホームプロジェクトについては,その各教科・科目の授業時数の10分の2以内をこれに充てることができること。
ウ 定時制及び通信制の課程において,職業に関する各教科・科目を履修する生徒が,現にその各教科・科目と密接な関係を有する職業(家事を含む。)に従事している場合で,その職業における実務等が,その各教科・科目の一部を履修した場合と同様の成果があると認められるときは,その実務等をもってその各教科・科目の履修の一部に替えることができること。
5 教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項
以上のほか,次の事項について配慮するものとする。
(1) 学校生活全体を通じて,言語に関する関心や理解を深め,言語環境を整え,生徒の言語活動が適正に行われるようにすること。
(2) 学校の教育活動全体を通じて,個々の生徒の特性等の的確な把握に努め,その伸長を図ること。また,生徒が適切な各教科・科目や類型を選択し学校やホームルームでの生活によりよく適応するとともに,現在及び将来の生き方を考え行動する態度や能力を育成することができるよう,ガイダンスの機能の充実を図ること。
(3) 教師と生徒の信頼関係及び生徒相互の好ましい人間関係を育てるとともに生徒理解を深め,生徒が主体的に判断,行動し積極的に自己を生かしていくことができるよう,生徒指導の充実を図ること。
(4) 生徒が自己の在り方生き方を考え,主体的に進路を選択することができるよう,学校の教育活動全体を通じ,計画的,組織的な進路指導を行うこと。
(5) 各教科・科目等の指導に当たっては,教師間の連携協力を密にするなど指導体制を確立するとともに,学校や生徒の実態に応じ,個別指導やグループ別指導,教師の協力的な指導,生徒の学習内容の習熟の程度等に応じた弾力的な学級の編成など指導方法や指導体制を工夫改善し,個に応じた指導の充実を図ること。
(6) 学習の遅れがちな生徒,障害のある生徒などについては,各教科・科目等の選択,その内容の取扱いなどについて必要な配慮を行い,生徒の実態に応じ,指導内容や指導方法を工夫すること。
(7) 海外から帰国した生徒などについては,学校生活への適応を図るとともに,外国における生活経験を生かすなど適切な指導を行うこと。
(8) 各教科・科目等の指導に当たっては,生徒がコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を積極的に活用できるようにするための学習活動の充実に努めるとともに,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。
(9) 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,生徒の主体的,意欲的な学習活動や読書活動を充実すること。
(10) 生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価するとともに,指導の過程や成果を評価し,指導の改善を行い学習意欲の向上に生かすようにすること。
(11) 開かれた学校づくりを進めるため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,高等学校間や中学校,盲学校,聾学校及び養護学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒や高齢者などとの交流の機会を設けること。
第7款 単位の修得及び卒業の認定
1 各教科・科目及び総合的な学習の時間における学習活動の単位の修得の認定
(1) 学校においては,生徒が学校の定める指導計画に従って各教科・科目を履修し,その成果が教科及び科目の目標からみて満足できると認められる場合には,その各教科・科目について履修した単位を修得したことを認定しなければならない。
(2) 学校においては,生徒が学校の定める指導計画に従って総合的な学習の時間において学習活動を行い,その成果が第4款に定めるねらいからみて満足できると認められる場合には,総合的な学習の時間における学習活動について,単位を修得したことを認定しなければならない。
(3) 学校においては,生徒が1科目を2以上の年次にわたって分割履修したとき又は総合的な学習の時間における学習活動を2以上の年次にわたって行ったときは,各年次ごとにその各教科・科目について履修した単位又は総合的な学習の時間における学習活動に係る単位を修得したことを認定するものとする。また,単位の修得の認定を学期の区分ごとに行うことができる。
2 卒業までに修得させる単位数
学校においては,卒業までに修得させる単位数を定め,校長は,当該単位数を修得した者で,特別活動の成果がその目標からみて満足できると認められるものについて,高等学校の全課程の修了を認定するものとする。この場合,卒業までに修得させる単位数は,74単位以上とする。なお,普通科においては,学校設定科目及び学校設定教科に関する科目に係る修得単位数は,合わせて20単位までを卒業までに修得させる単位数に含めることができる。
3 各学年の課程の修了の認定
学校においては,各学年の課程の修了の認定については,単位制が併用されていることを踏まえ,弾力的に行うよう配慮するものとする。
4 大学入学資格検定合格科目の単位認定
学校においては,定時制又は通信制の課程に在学する生徒が,入学以前又は在学中に大学入学資格検定規程(昭和26年文部省令第13号)の定めるところにより,その受検科目について合格点を得た場合には,それに相当する高等学校の各教科・科目の単位を修得したものとみなすことができる。
5 別科の科目の単位認定
学校においては,別科において,この高等学校学習指導要領に定めるところに準じて,別科の科目を生徒が修得した場合には,それに相当する高等学校の各教科・科目の単位を修得したものとみなすことができる。
第8款 通信制の課程における教育課程の特例
通信制の課程における教育課程については,第1款から第7款まで(第5款,第6款の1並びに第6款の4の(4)のア及びイを除く。)に定めるところによるほか,下記に定めるところによる。
1 各教科・科目の添削指導の回数及び面接指導の単位時間(1単位時間は,50分として計算するものとする。以下同じ。)数の標準は,1単位につき次の表のとおりとするほか,学校設定教科に関する科目のうち普通教育に関するものについては,各学校が定めるものとする。
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各教科・科目 |
添削指導(回) |
面接指導(単位時間) |
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国語,地理歴史,公民及び数学に属する科目 |
3 |
1 |
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理科に属する科目 |
3 |
4 |
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保健体育に属する科目のうち「体育」 |
1 |
5 |
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保健体育に属する科目のうち「保健」 |
3 |
1 |
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芸術及び外国語に属する科目 |
3 |
4 |
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家庭及び情報に属する科目並びに専門教育に関する各教科・科目 |
各教科・科目の必要に応じて2~3 |
各教科・科目の必要に応じて2~8 |
2 総合的な学習の時間の標準単位数は3~6単位とし,その添削指導の回数及び面接指導の単位時間数については,各学校において,学習活動に応じ適切に定めるものとする。
3 面接指導の授業の1単位時間は,各学校において,各教科・科目の面接指導の単位時間数を確保しつつ,生徒の実態及び各教科・科目等の特質を考慮して適切に定めるものとする。
4 学校が,その指導計画に,各教科・科目又は特別活動について計画的かつ継続的に行われるラジオ放送又はテレビ放送を取り入れた場合で,生徒がその放送を視聴し,その成果が満足できると認められるときは,その生徒について,その各教科・科目の面接指導の時間数又は特別活動の時間数のうち,ラジオ放送又はテレビ放送についてそれぞれ10分の6以内の時間数を免除することができる。ただし,免除する時間数は,合わせて10分の8を超えることができない。
5 特別活動については,ホームルーム活動を含めて,各々の生徒の卒業までに30単位時間以上指導するものとする。
第2章 普通教育に関する各教科
第1節 国語
第1款 目標
国語を適切に表現し的確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力を伸ばし心情を豊かにし,言語感覚を磨き,言語文化に対する関心を深め,国語を尊重してその向上を図る態度を育てる。
第2款 各科目
第1 国語表現[Roman1 ]
1 目標
国語で適切に表現する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力を伸ばし言語感覚を磨き,進んで表現することによって社会生活を充実させる態度を育てる。
2 内容
次の事項について指導する。
ア 自分の考えをもって論理的に意見を述べたり,相手の考えを尊重して話し合ったりすること。
イ 情報を収集,整理し,正確かつ簡潔に伝える文章にまとめること。
ウ 目的や場に応じて,言葉遣いや文体など表現を工夫して話したり書いたりすること。
エ 様々な表現についてその効果を吟味し,自分の表現や推敲に役立てること。
オ 国語の表現の特色,語句や語彙の成り立ち及び言語の役割について理解を深めること。
3 内容の取扱い
(1) 話すこと・聞くこと及び書くことの指導は,相互の関連を図りながら効果的に行うようにし,授業時数は一方に偏らないようにする。
(2) 内容のウについては,発声の仕方,話す速度,文章の形式なども扱うようにする。
(3) 内容のオについては,古典の表現法,語句,語彙なども関連的に扱うようにする。また,現代社会における言語生活の在り方や言語表現の役割について考えさせるようにする。
(4) 指導に当たっては,常用漢字の読みに慣れ,主な常用漢字が書けるようにするよう留意する。
(5) 指導に当たっては,例えば次のような言語活動を通して行うようにする。
ア 自分の考えを明確にして,スピーチ,発表,討論などを行うこと。
イ 観察したことや調査したことを記録したり,まとめて報告したりすること。
ウ 相手や目的に応じて,案内,紹介,連絡などのための話をしたり文章を書いたりすること。
エ 身近にある様々な表現を集めその効果などについて考えたり,生徒の表現活動について自己評価や相互評価を行ったりすること。
(6) 教材は,特に,論理的思考力を伸ばす学習活動に役立つもの,情報を活用して表現する学習活動に役立つもの,歴史的,国際的な視野から現代の国語を考える学習活動に役立つものを取り上げるようにする。
第2 国語表現[Roman2 ]
1 目標
国語で適切かつ効果的に表現する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力を伸ばし言語感覚を磨き,進んで表現することによって社会生活を充実させる態度を育てる。
2 内容
1の目標に基づき,「国語表現[Roman1 ]」の内容に示す事項について指導する。
3 内容の取扱い
(1) 「国語表現[Roman1 ]」との関連を重視しながら,「国語表現[Roman1 ]」の内容に更に習熟させ,話すこと・聞くこと及び書くことの能力を一層高めるよう指導するようにする。その際,「国語表現[Roman1 ]」の3の内容の取扱いの(2)から(6)までと同様に取り扱うものとする。
(2) 生徒の実態等に応じて,話すこと・聞くこと又は書くことのいずれかに重点を置いて指導することができる。
(3) 教材は,「国語表現[Roman1 ]」の教材の程度を高めたもので,生徒の発達段階に即した適切なものを取り上げるようにする。
第3 国語総合
1 目標
国語を適切に表現し的確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力を伸ばし心情を豊かにし,言語感覚を磨き,言語文化に対する関心を深め,国語を尊重してその向上を図る態度を育てる。
2 内容
A 話すこと・聞くこと
次の事項について指導する。
ア 様々な問題について自分の考えをもち,筋道を立てて意見を述べること。
イ 目的や場に応じて,効果的に話したり的確に聞き取ったりすること。
ウ 課題を解決したり考えを深めたりするために,相手の立場や考えを尊重して話し合うこと。
B 書くこと
次の事項について指導する。
ア 相手や目的に応じて題材を選び,効果的な表現を考えて書くこと。
イ 論理的な構成を工夫して,自分の考えを文章にまとめること。
ウ 優れた表現に接してその条件を考え,自分の表現に役立てること。
C 読むこと
次の事項について指導する。
ア 文章の内容を叙述に即して的確に読み取ったり,必要に応じて要約したりすること。
イ 文章を読んで,構成を確かめたり表現の特色をとらえたりすること。
ウ 文章に描かれた人物,情景,心情などを表現に即して読み味わうこと。
エ 様々な文章を読んで,ものの見方,感じ方,考え方を広げたり深めたりすること。
〔言語事項〕
話すこと・聞くこと,書くこと及び読むことの指導を通して,次の事項について指導する。
ア 目的や場に応じた話し方や言葉遣いなどを身に付けること。
イ 文や文章の組立て,語句の意味,用法及び表記の仕方などを理解し,語彙を豊かにすること。
ウ 常用漢字の読みに慣れ,主な常用漢字が書けるようになること。
エ 文語のきまり,訓読のきまりなどを理解すること。
オ 国語の成り立ちや特質,言語の役割などを理解すること。
3 内容の取扱い
(1) 総合的な言語能力を養うため,内容のA,B,C及び〔言語事項〕について相互に密接な関連を図りながら効果的に指導するようにする。
(2) 内容のAに関する指導については,次の事項に配慮するものとする。
ア 話すこと・聞くことを主とする指導には15単位時間程度を配当するものとし,計画的に指導を行うこと。
イ 話をよく聞き取る能力や態度を身に付けさせること。
ウ 指導に当たっては,例えば次のような言語活動を通して行うようにすること。
(ア) 話題を選んで,スピーチや説明などを行うこと。
(イ) 情報を収集し活用して,報告や発表などを行うこと。
(ウ) 課題について調べたり考えたりしたことを基にして,話合いや討論などを行うこと。
(3) 内容のBに関する指導については,次の事項に配慮するものとする。
ア 書くことを主とする指導には30単位時間程度を配当するものとし,計画的に指導を行うこと。
イ 指導に当たっては,例えば次のような言語活動を通して行うようにすること。
(ア) 題材を選んで考えをまとめ,書く順序を工夫して説明や意見などを書くこと。
(イ) 相手や目的に応じて適切な語句を用い,手紙や通知などを書くこと。
(ウ) 本を読んでその紹介を書いたり,課題について収集した情報を整理して記録や報告などを書いたりすること。
(4) 内容のCに関する指導については,次の事項に配慮するものとする。
ア 古典と近代以降の文章との授業時数の割合は,おおむね同等とすることを目安として,生徒の実態に応じて適切に定めること。なお,古典における古文と漢文との割合は,一方に偏らないようにすること。
イ 文章を読み深めるため,音読や朗読などを取り入れること。
ウ 読書力を伸ばし,読書の習慣を養うこと。
エ 指導に当たっては,例えば次のような言語活動を通して行うようにすること。
(ア) 文章に表れたものの見方や考え方などを読み取り,それらについて話し合うこと。
(イ) 考えを広げるため,様々な古典や現代の文章を読み比べること。
(ウ) 課題に応じて必要な情報を読み取り,まとめて発表すること。
(5) 内容の〔言語事項〕については,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校の指導の上に立って,内容のA,B及びCの指導の中で深めること。
イ エについては,読むことの指導に即して行う程度とすること。なお,口語のきまり,言葉遣い,敬語の用法などについても,必要に応じて扱うこと。
(6) 教材については,次の事項に留意するものとする。
ア 教材は,話すこと・聞くこと,書くこと及び読むことの能力を偏りなく養うことや読書に親しむ態度を育てることをねらいとし,生徒の発達段階に即して適切な話題や題材を精選して調和的に取り上げること。また,上記(2)のウ,(3)のイ及び(4)のエに掲げる言語活動が十分行われるよう教材を選定すること。
イ 教材は,次のような観点に配慮して取り上げること。
(ア) 言語文化に対する関心や理解を深め,国語を尊重する態度を育てるのに役立つこと。
(イ) 日常の言葉遣いなど言語生活に関心をもち,伝え合う力を高めるのに役立つこと。
(ウ) 思考力を伸ばし心情を豊かにし,言語感覚を磨くのに役立つこと。
(エ) 情報を活用して,公正かつ適切に判断する能力や創造的精神を養うのに役立つこと。
(オ) 科学的,論理的な見方や考え方を養い,視野を広げるのに役立つこと。
(カ) 生活や人生について考えを深め,人間性を豊かにし,たくましく生きる意志を培うのに役立つこと。
(キ) 人間,社会,自然などに広く目を向け,考えを深めるのに役立つこと。
(ク) 我が国の文化と伝統に対する関心や理解を深め,それらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。
(ケ) 広い視野から国際理解を深め,日本人としての自覚をもち,国際協調の精神を高めるのに役立つこと。
第4 現代文
1 目標
近代以降の様々な文章を読む能力を高めるとともに,ものの見方,感じ方,考え方を深め,進んで表現し読書することによって人生を豊かにする態度を育てる。
2 内容
次の事項について指導する。
ア 論理的な文章について,論理の展開や要旨を的確にとらえること。
イ 文学的な文章について,人物,情景,心情などを的確にとらえ,表現を味わうこと。
ウ 様々な文章を読むことを通して,人間,社会,自然などについて自分の考えを深めたり発展させたりすること。
エ 語句の意味,用法を的確に理解し,語彙を豊かにするとともに,文体や修辞などの表現上の特色をとらえること。
オ 目的や課題に応じて様々な情報を収集し活用して,進んで表現すること。
3 内容の取扱い
(1) 話すこと・聞くこと及び書くことの言語活動を効果的に取り入れるようにする。
(2) 生徒の読書意欲を喚起し,読書力を高めるよう配慮するものとする。
(3) 近代の文章や文学の変遷については,文章を読むための参考になる程度とする。
(4) 指導に当たっては,例えば次のような言語活動を通して行うようにする。
ア 論理的な文章を読んで,書き手の考えやその展開の仕方などについて意見を書くこと。
イ 文学的な文章を読んで,人物の生き方やその表現の仕方などについて話し合うこと。
ウ 文章の理解を深め,興味・関心を広げるために,関連する文章を読んだり創作的な活動を行ったりすること。
エ 自分で設定した課題を探究し,その成果を発表したり報告書などにまとめたりすること。
(5) 教材は,近代以降の様々な種類の文章とする。その際,現代の社会生活で必要となる実用的な文章も取り上げるようにする。なお,翻訳の文章や近代以降の文語文も含めることができる。
第5 古典
1 目標
古典としての古文と漢文を読む能力を養うとともに,ものの見方,感じ方,考え方を広くし,古典に親しむことによって人生を豊かにする態度を育てる。
2 内容
次の事項について指導する。
ア 古文や漢文に用いられている語句の意味,用法及び文の構造を理解すること。
イ 文章や作品の内容を構成や展開に即して的確にとらえること。
ウ 文章や作品に表れた人間,社会,自然などに対する思想や感情を読み取り,ものの見方,感じ方,考え方を豊かにすること。
エ 文章や作品の表現上の特色を理解し,優れた表現に親しむこと。
オ 古典を読んで,日本文化の特質や日本文化と中国文化の関係について考えること。
3 内容の取扱い
(1) 古文及び漢文の両方を取り上げるものとし,一方に偏らないようにする。
(2) 話すこと・聞くこと及び書くことの言語活動を効果的に取り入れるようにする。
(3) 文語文法の指導は読むことの学習に即して行い,必要に応じてある程度まとまった学習もできるようにする。
(4) 指導に当たっては,例えば次のような言語活動を通して行うようにする。
ア 古文や漢文の調子などを味わいながら,音読,朗読,暗唱をすること。
イ 国語の変遷などについて関心を深めるため,辞書などを用いて古典の言葉と現代の言葉とを比較対照すること。
ウ 古典に表れた思想や感情の特徴,表現上の特色などについて話し合うこと。
エ 古典を読んで関心をもったことなどについて調べ,文章にまとめること。
(5) 教材については,次の事項に留意するものとする。
ア 教材は,様々な文章や作品,文種や形態などについて,親しみやすく基本的なものをできるだけ精選し,長短や難易を考慮して適当な部分を取り上げること。また,上記(4)に掲げる言語活動が十分行われるよう教材を選定すること。
イ 教材は,次のような観点に配慮して取り上げること。
(ア) 古典を進んで学習する意欲や態度を養うのに役立つこと。
(イ) 人間,社会,自然などに対する様々な時代の人々のものの見方,感じ方,考え方について理解を深めるのに役立つこと。
(ウ) 様々な時代の人々の生き方について考えたり,我が国の文化と伝統について理解を深めたりするのに役立つこと。
(エ) 古典を読むのに必要な知識を身に付けるのに役立つこと。
(オ) 言語感覚を豊かにするのに役立つこと。
(カ) 中国など外国の文化との関係について理解を深めるのに役立つこと。
ウ 教材には,日本漢文も含めるようにすること。また,必要に応じて近代以降の文語文や漢詩文などを用いることができること。
エ 教材については,表記を工夫し,注釈,傍注,解説などを適切に用い,特に漢文については訓点を付け,時には書き下し文を用いるなど理解しやすいようにすること。
第6 古典講読
1 目標
古典としての古文と漢文を読むことによって,我が国の文化と伝統に対する関心を深め,生涯にわたって古典に親しむ態度を育てる。
2 内容
次の事項について指導する。
ア 古文や漢文に用いられている語句の意味,用法を理解し,その特有の表現を味わうこと。
イ 文章や作品に表れた思想や感情を的確に読み取り,生活や人生について考えること。
ウ 古典を読んで,日本文化の特質や日本文化と中国文化の関係について考えること。
3 内容の取扱い
(1) 古文と漢文の両方又はいずれか一方を取り上げることができる。
(2) 話すこと・聞くこと及び書くことの言語活動を効果的に取り入れるようにする。
(3) 古典に触れる楽しさを味わうことを重視し,詳細な読み取りの指導に偏らないよう配慮するものとする。
(4) 指導に当たっては,例えば次のような言語活動を通して行うようにする。
ア 古文や漢文の調子などを味わいながら,音読,朗読をすること。
イ 古典に表れた思想や感情などについて,感じたことや考えたことを文章にまとめたり発表したりすること。
ウ 古典を読んで,関連する文章や作品を調べたり読み比べたりすること。
(5) 教材は,特定の文章や作品,文種や形態などについて,まとまりのあるものを中心として適切に取り上げるようにする。また,古典の現代語訳などを適切な範囲で関連的に取り上げることができる。
第3款 各科目にわたる内容の取扱い
内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 教材については,各科目の3の内容の取扱いに示す事項のほか,「国語表現[Roman1 ]」,「国語表現[Roman2 ]」及び「現代文」は「国語総合」の3の(6)に示す事項について,「古典講読」は「古典」の3の(5)に示す事項について留意すること。
(2) 学校図書館を計画的に利用することを通して,読書意欲を喚起し読書力を高めるとともに情報を活用する能力を養うようにすること。また,音声言語や映像による教材,コンピュータや情報通信ネットワークなども適宜活用し,学習の効果を高めるようにすること。
第2節 地理歴史
第1款 目標
我が国及び世界の形成の歴史的過程と生活・文化の地域的特色についての理解と認識を深め,国際社会に主体的に生きる民主的,平和的な国家・社会の一員として必要な自覚と資質を養う。
第2款 各科目
第1 世界史A
1 目標
近現代史を中心とする世界の歴史を,我が国の歴史と関連付けながら理解させ,人類の課題を多角的に考察させることによって,歴史的思考力を培い,国際社会に主体的に生きる日本人としての自覚と資質を養う。
2 内容
(1) 諸地域世界と交流圏
風土,民族,宗教などに着目させながら,ユーラシアを中心に形成された諸地域世界の特質を把握させる。また,諸地域相互の交流に触れ,世界の一体化につながる交流圏の成立に気付かせる。
ア 東アジア世界
東アジアの風土と諸民族,漢字文化,儒教,中国を中心とする国際体制に触れ,日本を含む東アジア世界の特質を把握させる。
イ 南アジア世界
南アジアの風土と諸民族,仏教の成立,ヒンドゥー教とカースト制度,イスラームの影響に触れ,南アジア世界の特質を把握させる。
ウ イスラーム世界
西アジアの風土と諸民族,イラン文明の伝統,イスラームの成立と拡大に触れ,イスラーム世界の特質を把握させる。
エ ヨーロッパ世界
ヨーロッパの風土と諸民族,ギリシア・ローマ文明の伝統,キリスト教に触れ,ヨーロッパ世界の特質を把握させる。
オ ユーラシアの交流圏
8世紀以降の諸地域世界の交流の深まりに触れ,ユーラシア規模の交流圏の成立とそれを支えた都市や港のネットワークを把握させる。
(ア) 海域世界の成長とユーラシア
ムスリム商人のインド洋進出,中国商人の南シナ海進出を中心に,ユーラシアの諸海域を結ぶネットワークの成長を把握させる。
(イ) 遊牧社会の膨張とユーラシア
内陸アジアの騎馬遊牧民,オアシス都市民の活動を中心に,陸のネットワークの成長とモンゴルによるユーラシアの一体化を把握させる。
(ウ) 地中海海域とユーラシア
イタリア商人による東方貿易とイスラーム文明のヨーロッパへの流入を中心に,ユーラシア,アフリカとつながる地中海交流圏の成長を把握させる。
(エ) 東アジア海域とユーラシア
元の大都を拠点とする東西交流と黄海や東シナ海における交易の活性化,倭寇,勘合貿易,琉球王国の交易活動を中心に,日本列島を含む東アジア海域の交流圏としての成長を把握させる。
(2) 一体化する世界
16世紀以降の世界商業の進展と産業革命後の資本主義の確立を中心に,世界の一体化の過程を理解させる。その際,ヨーロッパの動向と日本などアジア諸国の対応に着目させる。
ア 大航海時代の世界
大航海時代のヨーロッパとアフリカ,アメリカ,アジアとの接触・交流を扱い,16世紀の世界の一体化への動きを理解させる。
イ アジアの諸帝国とヨーロッパの主権国家体制
アジアの諸帝国の政治と社会,ヨーロッパの主権国家体制の成立,大西洋貿易の展開を扱い,17世紀及び18世紀の世界の特質を理解させる。
ウ ヨーロッパ・アメリカの諸革命
産業革命,フランス革命,アメリカ諸国の独立,自由主義と国民主義の進展,拡大する貿易活動を扱い,ヨーロッパ・アメリカにおける資本主義の確立と国民形成を理解させる。
エ アジア諸国の変貌と日本
ヨーロッパの進出期におけるアジア諸国の状況,植民地化や従属化の過程での抵抗と挫折,伝統文化の変容,その中での日本の対応を扱い,19世紀の世界の一体化とその特質を理解させる。
(3) 現代の世界と日本
地球規模で一体化した現代世界の特質と展開過程を理解させ,人類の課題について考察させる。その際,世界の動向と日本とのかかわりに着目させる。
ア 急変する人類社会
輸送革命,マスメディアの発達,企業や国家の巨大化,社会の大衆化と政治や文化の変容,公教育の普及と国民統合などを扱い,20世紀という時代の特質を人類史的視野から把握させる。
イ 二つの世界戦争と平和
第一次世界大戦と第二次世界大戦の原因や総力戦としての性格,それらが及ぼした影響を理解させ,平和の意義などについて考察させる。
ウ 米ソ冷戦とアジア・アフリカ諸国
第二次世界大戦後の米ソ両陣営の対立,アジア・アフリカの民族運動と植民地支配からの独立を理解させ,核兵器問題やアジア・アフリカ諸国が抱える問題などについて考察させる。
エ 地球社会への歩みと日本
1970年代以降の市場経済の世界化や地球規模での問題の出現を理解させ,日本が世界の諸国,諸地域と多様性を認め合いながら共存する方向などについて考察させる。
オ 地域紛争と国際社会
冷戦終結後の世界で起こった地域紛争の原因や歴史的背景を追究させ,国際社会の変化や国民国家の課題などについて考察させる。
カ 科学技術と現代文明
原子力の利用,情報科学,宇宙科学の出現など現代の科学技術の人類への寄与と課題を追究させ,人類の生存と環境,世界の平和と安全などについて考察させるとともに,国際的な交流と協調の必要性に気付かせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成するものとし,細かな事象や高度な事項・事柄には深入りしないこと。
イ 諸地域世界,交流圏,国際関係の展開などを取り扱う際,比較文明的視点も考慮するとともに,各時代における世界の中に日本を位置付けて考察させること。
ウ 風土,民族の扱い,人類の課題の考察,歴史地図の活用などについては,地理的条件との関連に留意すること。
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアからエまでについては,諸地域世界の特質を構造的視野から把握させるものとし,個々の地域を通史的に扱うことのないようにすること。また,東アジア世界の取扱いにおいては,日本を明確に位置付けること。
イ 内容の(1)のオについては,生徒の実態等に応じ,(ア)から(エ)までのうち二つ程度を選択して交流の具体的様相を把握させるものとし,詳細な交流史は扱わないこと。
ウ 内容の(2)及び(3)については,次の事項に留意すること。
(ア) 客観的かつ公正な資料に基づいて歴史の事実に関する理解を得させるようにすること。
(イ) 政治,経済,社会,文化,生活など様々な観点から歴史的事象を取り上げ,近現代世界に対する多角的で柔軟な見方を養うこと。
エ 内容の(3)については,次の事項に留意すること。
(ア) 単に知識を与えるだけでなく,現代の世界が当面する課題について考察させること。その際,核兵器の脅威に着目させ,戦争を防止し,民主的で平和な国際社会を実現することが重要な課題であることを認識させること。
(イ) 内容のオ及びカについては,例示された課題などを参考に適切な主題を設定し,生徒の主体的な追究を通して認識を深めさせるようにすること。
第2 世界史B
1 目標
世界の歴史の大きな枠組みと流れを,我が国の歴史と関連付けながら理解させ,文化の多様性と現代世界の特質を広い視野から考察させることによって,歴史的思考力を培い,国際社会に主体的に生きる日本人としての自覚と資質を養う。
2 内容
(1) 世界史への扉
身近なものや日常生活にかかわる主題,我が国の歴史にかかわる主題など,適切な主題を設定し追究する学習を通して,歴史に対する関心と世界史学習への意欲を高める。
ア 世界史における時間と空間
時計,暦,世界地図,都市図などから適切な事例を取り上げて,その変遷や意義を追究させ,人々の時間意識や空間意識が時代や地域により異なることに気付かせる。
イ 日常生活に見る世界史
衣食住,家族,余暇,スポーツなどから適切な事例を取り上げて,その変遷を追究させ,日常生活からも世界史がとらえられることに気付かせる。
ウ 世界史と日本史とのつながり
日本と世界の接触・交流にかかわる人,物,技術,文化などから適切な事例を取り上げて,接触・交流の具体的様相を追究させ,日本列島の歴史と世界史との密接なつながりに気付かせる。
(2) 諸地域世界の形成
人類は各地の自然環境に適応しながら農耕や牧畜を基礎とする諸文明を築き上げ,やがてそれらを基により大きな地域世界を形成したことを把握させる。
ア 西アジア・地中海世界
西アジア・地中海世界の風土,オリエント文明の盛衰,イラン人の活動,エーゲ文明,ギリシア・ローマ文明に触れ,西アジア・地中海世界の特質を把握させる。
イ 南アジア世界の形成
南アジアの風土,インダス文明,アーリヤ人の進入以後の文化,社会,国家の発展に触れ,南アジア世界の形成過程を把握させる。
ウ 東アジア・内陸アジア世界の形成
東アジア・内陸アジアの風土,中華文明の起源と秦・漢帝国,遊牧国家の動向,唐帝国と東アジア諸民族の活動に触れ,日本を含む東アジア世界と内陸アジア世界の形成過程を把握させる。
(3) 諸地域世界の交流と再編
ユーラシアの内陸及び海域のネットワークを背景に,諸地域世界の交流が一段と活発になり,新たな地域世界の形成や再編を促したことを把握させる。
ア イスラーム世界の形成と拡大
アラブ人とイスラーム帝国の発展,トルコ系民族の活動,アフリカ・南アジアのイスラーム化に触れ,イスラーム世界の形成,拡大の過程を把握させる。
イ ヨーロッパ世界の形成と変動
ビザンツ帝国と東ヨーロッパの展開,西ヨーロッパの封建社会,都市の発達と王権の伸長に触れ,キリスト教とヨーロッパ世界の形成,変動の過程を把握させる。
ウ 内陸アジアの動向と諸地域世界
契丹・女真と宋の抗争,モンゴル帝国の興亡と諸地域世界や日本の変動に触れ,内陸アジア諸民族がユーラシア諸地域の交流と再編に果たした役割を把握させる。
(4) 諸地域世界の結合と変容
アジアの繁栄とヨーロッパの拡大を背景に,諸地域世界の結合が一層進んだことを把握させるとともに,主権国家体制を整え工業化を達成したヨーロッパの進出により,世界の構造化と社会の変容が促されたことを理解させる。
ア アジア諸地域世界の繁栄と成熟
明・清帝国と朝鮮や日本との関係,東南アジア海域世界とイスラーム世界の動向を扱い,16世紀から18世紀にかけてのアジア諸地域世界の特質を理解させる。
イ ヨーロッパの拡大と大西洋世界
ルネサンスと宗教改革,新航路の開拓,主権国家体制の成立,大西洋貿易を扱い,16世紀から18世紀にかけてのヨーロッパ世界の特質とアメリカ・アフリカとの関係を理解させる。
ウ ヨーロッパ・アメリカの変革と国民形成
産業革命,フランス革命,アメリカ諸国の独立など,18世紀後半から19世紀にかけてのヨーロッパ・アメリカの経済的,政治的変革を扱い,産業社会と国民国家の形成を理解させる。
エ 世界市場の形成とアジア諸国
世界市場の形成,ヨーロッパ諸国のアジア進出,オスマン,ムガル,清帝国及び日本などアジア諸国の動揺と改革を扱い,19世紀のアジアとヨーロッパの関係を理解させる。
オ 帝国主義と世界の変容
ヨーロッパ諸国によるアジア・アフリカの植民地化をめぐる競合とアジア・アフリカの対応を扱い,19世紀後期から20世紀初期の世界の支配・従属関係を伴う一体化と社会の変容を理解させる。
(5) 地球世界の形成
科学技術の発達や生産力の著しい発展を背景に,現代世界は地球規模で一体化し,相互依存を強めたことを理解させる。また,国際対立と国際協調,科学技術と現代文明などの観点から20世紀の歴史の特質を考察させ,未来を展望させる。
ア 二つの大戦と世界
二つの大戦と総力戦,ロシア革命とソヴィエト連邦の成立,大衆社会の出現と全体主義,世界恐慌と資本主義の変容,アジアの民族運動などを扱い,20世紀前半の世界の動向と社会の特質を理解させる。
イ 米ソ冷戦と第三勢力
米ソ冷戦の展開,アジア・アフリカ諸国の独立と紛争,平和共存の模索と多極化の進展を扱い,冷戦期の世界の動向を理解させる。
ウ 冷戦の終結と地球社会の到来
市場経済の世界化,東欧諸国の民主化と冷戦の終結,ソヴィエト連邦の解体,アジア経済の急成長,地域統合の進展などを扱い,1970年代以降の世界と日本の動向を理解させる。
エ 国際対立と国際協調
核兵器問題,人種・民族問題,第二次世界大戦後の主要な国際紛争など,現代の国際問題を歴史的観点から追究させ,国際協調の意義と課題を考察させる。
オ 科学技術の発達と現代文明
情報化,先端技術の発達,環境問題などを歴史的観点から追究させ,科学技術と現代文明について考察させる。
カ これからの世界と日本
国際政治,世界経済,現代文明などにおいて人類の当面する課題を歴史的観点から追究させ,これからの世界と日本を展望させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成するものとし,細かな事象や高度な事項・事柄には深入りしないこと。
イ 具体的な歴史の展開を通して,文化・文明などの概念,年代の表し方,時代や地域の区分などを把握させるようにすること。
ウ 風土,民族の扱い,現代の課題の考察,歴史地図の活用などについては,地理的条件との関連に留意すること。
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,生徒の実態等に応じ,アからウまでのうち適宜項目を選択し,二つ程度主題を設定して追究する学習を行うこと。その際,世界史学習の導入に当たることを考慮し,抽象的で高度な指導にならないようにすること。
イ 内容の(2)及び(3)については,次の事項に留意すること。
(ア) 各時代の人々の生活や意識を具体的に理解できるようにし,政治史のみの学習にならないようにすること。
(イ) 比較文明的視点から世界の歴史の中の日本の位置付けにも着目させること。
ウ 内容の(4)及び(5)については,次の事項に留意すること。
(ア) 客観的かつ公正な資料に基づいて歴史の事実に関する理解を得させるようにすること。
(イ) 広い視野から世界の動きをとらえることとし,各国史別の扱いにならないようにすること。
(ウ) 政治,経済,社会,文化,生活など様々な観点から歴史的事象を取り上げ,近現代世界に対する多角的で柔軟な見方を養うこと。
(エ) 日本と関連する諸国の歴史については当該国の歴史から見た日本などにも着目させ,世界の歴史における日本の位置付けを明確にすること。
エ 内容の(5)については,次の事項に留意すること。
(ア) 単に知識を与えるだけでなく,地球世界の課題について考察させること。その際,核兵器の脅威に着目させ,戦争を防止し,民主的で平和な国際社会を実現させることが重要な課題であることを認識させること。
(イ) 内容のエ,オ及びカについては,例示された課題などを参考に適切な主題を設定し,生徒の主体的な追究を通して認識を深めさせるようにすること。
第3 日本史A
1 目標
近現代史を中心とする我が国の歴史の展開を,世界史的視野に立ち我が国を取り巻く国際環境などと関連付けて考察させることによって,歴史的思考力を培い,国民としての自覚と国際社会に主体的に生きる日本人としての資質を養う。
2 内容
(1) 歴史と生活
身近な生活文化や地域社会の変化などにかかわる主題を設定し追究する学習を通して,歴史への関心を高めるとともに,歴史的な見方や考え方を身に付けさせる。
ア 衣食住の変化
日常の生活の中で接している衣食住がどのように変化してきたかを,社会的な背景と関連付けて追究させる。
イ 交通・通信の変化
交通や通信の変化がどのような時代的背景の下でもたらされ,それが人々の日常生活にどのような影響をもたらしたかを追究させる。
ウ 現代に残る風習と民間信仰
現代に残る風習や民間信仰が本来どのような意味をもち,それがどのように変化してきたかを現代の人々の生活と関連付けて追究させる。
エ 産業技術の発達と生活
産業技術の発達がどのような時代的背景の下でもたらされ,それが人々の日常生活にどのような影響をもたらしたかを追究させる。
オ 地域社会の変化
地域社会がどのように変化してきたかを,政治的,経済的な条件や国際的な動きと関連付けて追究させる。
(2) 近代日本の形成と19世紀の世界
開国以後,明治維新を経て近代日本が急速に形成された過程を,国際環境と関連付けて理解させる。
ア 国際環境の変化と幕藩体制の動揺
産業,学問・思想,教育における近代の萌芽や欧米諸国のアジア進出に着目して,幕藩体制動揺期の内外の情勢について理解させる。
イ 明治維新と近代国家の形成
文明開化などに見られる欧米文化の導入と明治政府による諸制度の改革に伴う社会・文化の変化に着目して,開国,明治維新から自由民権運動を経て立憲体制が成立するまでの我が国の近代国家の形成について理解させる。
ウ 国際関係の推移と近代産業の成立
条約改正や日清・日露戦争前後の欧米諸国やアジア近隣諸国との関係の変化及び産業革命の進行に着目して,我が国の対外政策の推移と近代産業の成立について理解させる。
(3) 近代日本の歩みと国際関係
第一次世界大戦前後から第二次世界大戦終結までの我が国の状況について,国際情勢と関連付けて考察させる。
ア 政党政治の展開と大衆文化の形成
政党の役割と社会的な基盤,学問・文化の進展と教育の普及に着目して,政党政治の推移と大衆文化の形成について考察させる。
イ 近代産業の発展と国民生活
都市や村落の生活の変化と社会問題の発生に着目して,近代産業の発展とそれが国民生活にもたらした影響について考察させる。
ウ 両大戦をめぐる国際情勢と日本
諸国家間の対立や協調関係と日本の立場,国内の経済・社会の動向,アジア近隣諸国との関係に着目して,二つの世界大戦とその間の内外情勢の変化について考察させる。
(4) 第二次世界大戦後の日本と世界
第二次世界大戦後の民主化と復興,国際社会への復帰,経済の発展と現代の日本について,世界の動向と関連付けて考察させるとともに,我が国の課題と役割について認識させる。
ア 戦後政治の動向と国際社会
第二次世界大戦後の国際関係の推移に着目して,占領政策と諸改革,新憲法の成立,平和条約と独立など我が国の再出発及びその後の政治の推移と新しい外交関係の確立について考察させる。
イ 経済の発展と国民生活
生活意識や価値観の変化に着目して,戦後の経済復興,技術革新と高度成長,経済の国際化など日本経済の発展と国民生活の向上について考察させる。
ウ 現代の日本と世界
経済や文化の国際的交流,科学技術の発達と世界の平和,我が国の国際貢献の拡大などに着目して,現代世界の動向と日本の課題及び役割について考察させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 我が国の歴史の展開を,諸外国との政治的な関係,経済・文化の接触・交流や地理的条件などと関連付け,世界の中の日本という視点から理解させること。
イ 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成するものとし,細かな事象や高度な事項・事柄には深入りしないこと。
(2) 近現代史の指導に当たっては,客観的かつ公正な資料に基づいて,事実の正確な理解に導くようにするとともに,多面的・多角的に考察し公正に判断する能力を育成するようにする。その際,核兵器の脅威に着目させ,戦争を防止し,民主的で平和な国際社会を実現することが重要な課題であることを認識させること。
(3) 内容の(1)の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア アからオまでの中から,生徒の実態等に応じ,二つ又は三つを選択して主題を設定し,作業的,体験的な学習を重視して実施すること。
イ 選択した項目の一つは,この科目の導入として実施し,現在の生活環境が歴史の産物であることに気付かせることによって日本史学習への関心を高めるようにすること。
ウ 前項以外の選択した項目については,学習の深化と歴史的思考力の育成を図ることをねらいとして,内容の(2)以下の学習と関連させて取り扱うよう指導計画を工夫すること。
第4 日本史B
1 目標
我が国の歴史の展開を,世界史的視野に立って総合的に考察させ,我が国の文化と伝統の特色についての認識を深めさせることによって,歴史的思考力を培い,国民としての自覚と国際社会に主体的に生きる日本人としての資質を養う。
2 内容
(1) 歴史の考察
歴史を考察する基本的な方法を理解させるとともに,主題を設定して追究する学習,地域社会にかかわる学習を通して,歴史への関心を高め,歴史的な見方や考え方を身に付けさせる。
ア 歴史と資料
歴史における資料の特性とその活用及び文化財保護の意義について理解させる。
(ア) 資料をよむ
様々な歴史的資料の特性に着目して,資料に基づいて歴史が叙述されていることを理解させる。
(イ) 資料にふれる
博物館などの施設や地域の文化遺産についての関心を高め,文化財保護の重要性について理解させる。
イ 歴史の追究
我が国の歴史の展開について,時代ごとに区切らない主題を設定し追究する学習を通して,歴史的な見方や考え方を身に付けさせる。
(ア) 日本人の生活と信仰
衣食住の変化,習俗や信仰などに着目して,日本人の生活様式や精神生活の推移について追究させる。
(イ) 日本列島の地域的差異
文化の特色,人々の生活,都市の形成,他地域との交流などに着目して,日本列島の諸地域における歴史の差異について追究させる。
(ウ) 技術や情報の発達と教育の普及
人々の生活の変化に着目して,各時代における産業や生活の中の技術,交通,情報などの発達や教育の普及の影響について追究させる。
(エ) 世界の中の日本
我が国と外国との交流や相互理解などに着目して,外国人が日本をどう見ていたか,また日本人が世界をどう見ていたかについて追究させる。
(オ) 法制の変化と社会
様々な法制の特色や変化に着目して,各時代における法と人とのかかわりや法が社会に果たす役割について追究させる。
ウ 地域社会の歴史と文化
地域社会の歴史と文化について,その地域の自然条件や政治的,経済的な諸条件と関連付けて考察させる。
(2) 原始・古代の社会・文化と東アジア
原始社会の人々の生活の変化,大和朝廷による統一,律令に基づく古代国家の成立と推移及び文化の形成について,東アジア世界の動きとも関連付けて理解させる。
ア 日本文化の黎明
自然環境や大陸からの文化の影響による生活の変化に着目して,旧石器文化,縄文文化及び弥生文化の時代の社会について理解させる。
イ 古代国家の形成と東アジア
我が国における国家の形成と律令体制の確立の過程,隋・唐など東アジア世界との交流に着目して,古代国家の展開と古墳文化,天平文化などの文化の特色について理解させる。
ウ 古代国家の推移と社会の変化
東アジア世界との関係の変化,荘園・公領の動きや武士の台頭など地方の動向に着目して,古代国家の推移と国風文化の展開及び中世社会の萌芽について理解させる。
(3) 中世の社会・文化と東アジア
武家政権の成立から戦国大名の時代に至る武家社会の進展と文化の展開について,東アジア世界の動向と関連付けて理解させる。
ア 武家政権の成立
武士の土地支配と公武関係,宋・元とのかかわりに着目して,武家政権の形成過程と鎌倉新仏教など文化に見られる新しい気運について理解させる。
イ 武家政権の展開と社会の変化
日本の諸地域の動向,日明貿易など東アジア世界との交流,庶民の台頭に着目して,産業経済の発展や下剋上など中世社会の多様な展開及び武家文化と公家文化のかかわりや庶民文化の萌芽など文化の動向について理解させる。
(4) 近世の社会・文化と国際関係
織豊政権及び幕藩体制の特色と推移,社会・文化の動向について,国際関係の変化とその影響にも触れながら理解させる。
ア 織豊政権と幕藩体制の形成
ヨーロッパ世界との接触とその影響,鎖国などその後の対外関係,支配体制と身分制度や儒学の役割,文化の特色に着目して,織豊政権,幕藩体制の特質について理解させる。
イ 産業経済の発展と都市や村落の文化
幕藩体制の下での経済機構や交通・技術の発展,都市の繁栄に着目して,農業や商工業の発展及び町人文化の形成,農山漁村の生活文化について理解させる。
ウ 国際環境の変化と幕藩体制の動揺
欧米諸国のアジアへの進出,学問・思想及び産業の新たな展開に着目して,幕藩体制の動揺と近代化の基盤の形成について理解させる。
(5) 近代日本の形成とアジア
開国,幕府の滅亡と新政府の成立からの明治時代の近代日本の歩みについて,アジアにおける国際環境と関連付けて考察させる。
ア 明治維新と立憲体制の成立
文明開化など欧米の文化・思想の影響や国際環境の変化に着目して,開国,明治維新から自由民権運動を経て立憲体制が成立するまでの我が国の近代化の推進について考察させる。
イ 国際関係の推移と立憲国家の展開
条約改正,日清・日露戦争とその前後のアジア及び欧米諸国との関係の推移に着目して,我が国の立憲国家としての展開について考察させる。
ウ 近代産業の発展と近代文化
国民生活の向上と社会問題の発生,学問の発展や教育制度の拡充に着目して,近代産業の発展と近代文化の特色について考察させる。
(6) 両世界大戦期の日本と世界
第一次世界大戦から第二次世界大戦に至る我が国の歴史について,世界情勢と国内の動きを関連付けて考察させる。
ア 第一次世界大戦と日本の経済
国際社会の中の日本の立場に着目して,第一次世界大戦前後の対外政策の推移や大戦が国内の経済・社会に及ぼした影響について考察させる。
イ 政党政治の発展と大衆文化の形成
都市の発達と大衆社会の成立に着目して,政党の役割と政治や社会運動の動向及び文化の特色について考察させる。
ウ 第二次世界大戦と日本
国際社会の動向,国内政治と経済の動揺,アジア近隣諸国との関係に着目して,対外政策の推移と戦時体制の強化など第二次世界大戦と日本とのかかわりについて考察させる。
(7) 第二次世界大戦後の日本と世界
第二次世界大戦の終結から今日に至る我が国の歴史について,世界の動向と関連付けて考察させるとともに,広い視野から日本の文化や課題について認識させる。
ア 戦後政治の動向と国際社会
第二次世界大戦後の国際関係の推移に着目して,占領政策と諸改革,新憲法の成立,平和条約と独立など我が国の再出発及びその後の政治の推移と新しい外交関係の確立について考察させる。
イ 経済の発展と国民生活
生活意識や価値観の変化に着目して,戦後の経済復興,技術革新と高度成長,経済の国際化など日本経済の発展と国民生活の向上について考察させる。
ウ 現代の日本と世界
国際理解の推進と日本文化の特色,世界の中の日本の立場や我が国の国際貢献の拡大などに着目して,現代世界の動向と日本の課題及び役割について考察させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 我が国の歴史と文化を,各時代の国際環境や地理的条件などと関連付け,世界の中の日本という視点から理解させること。
イ 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成するものとし,細かな事象や高度な事項・事柄には深入りしないこと。
ウ 文化に関する指導に当たっては,各時代の文化とそれを生み出した時代的背景との関連,外来の文化などとの接触や交流による文化の変容や発展の過程などに着目させ,我が国の文化と伝統の特色とそれを形成した様々な要因を総合的に考察させるようにすること。また,生活文化については,時代の特色や地域社会の有様などと関連付けるとともに,民俗学などの成果に基づきその具体的な様相を把握させること。
(2) 内容の(1)の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア アについては,次の事項に配慮すること。
(ア) 日本史学習に対する関心を高めるとともに,歴史の学習の基礎的な認識を深めることをねらいとして,作業的,体験的な学習を重視すること。
(イ) 内容の(1)のアの(ア)については,この科目の導入として実施することとし,(イ)については,適切な時期に実施すること。
イ イについては,歴史的思考力を深めさせるため,内容の(1)のイの(ア)から(オ)までの中から,生徒の実態等に応じ,二つ程度を選択して主題を設定し,適切な時期に実施すること。主題の設定に当たっては,特定の時代や地域に偏らないようにするものとし,例えば次のような観点が考えられること。
(ア) 我が国の文化と伝統の特色とかかわらせてとらえること。
(イ) 歴史上の人物の果たした役割や生き方などとかかわらせてとらえること。
(ウ) 政治的,経済的な条件や国際環境など時代的背景とかかわらせてとらえること。
(エ) 地域の特性や地理的条件などとかかわらせてとらえること。
ウ ウについては,次の事項に配慮すること。
(ア) 地域の範囲は,学校所在地を中心とする日常の生活圏,都道府県,それらを包含する地方など,学習指導上の観点に立って適宜設定すること。
(イ) 学習指導上の観点や地域の特性に応じて,まとまった時間を設定して実施したり,内容の(2)以下の学習に関連させて適宜実施したりするなど,効果的な方法をとること。
(ウ) 地域の史跡や諸資料の調査・見学などを取り入れるとともに遺物,伝承などの文化遺産を取り上げ,祖先が地域社会の向上と文化の創造や発展に努力したことを具体的に理解させ,それらを尊重する態度を育てるようにすること。
(3) 近現代史の指導に当たっては,客観的かつ公正な資料に基づいて,事実の正確な理解に導くようにするとともに,多面的・多角的に考察し公正に判断する能力を育成するようにする。その際,核兵器の脅威に着目させ,戦争を防止し,民主的で平和な国際社会を実現することが重要な課題であることを認識させること。
第5 地理A
1 目標
現代世界の地理的な諸課題を地域性を踏まえて考察し,現代世界の地理的認識を養うとともに,地理的な見方や考え方を培い,国際社会に主体的に生きる日本人としての自覚と資質を養う。
2 内容
(1) 現代世界の特色と地理的技能
現代世界の地域性や動向を作業的,体験的な学習を通してとらえさせるとともに,地理的技能を身に付けさせる。
ア 球面上の世界と地域構成
地球儀と世界地図との比較,略地図の描図などを通して,地球表面の大陸と海洋の形状や各国の位置関係,方位,時差及び日本の位置と領域などについてとらえさせる。
イ 結び付く現代世界
交通・通信の発達,人や物の国際間の移動などに関する資料の収集,分析などを通して,諸地域間の相対的な位置,距離関係が変化し,人々の地理的視野が拡大するとともに国家間の結合や国際貿易などが活発化,複雑化していることをとらえさせる。
ウ 多様さを増す人間行動と現代世界
世界各地の消費や余暇に関する行動,観光,ボランティア活動などに関する資料の収集,分析などを通して,世界の人々の多様化する行動を地理的環境と関連付けてとらえさせる。
エ 身近な地域の国際化の進展
生活圏,行動圏に見られる世界と結び付く諸事象の地域調査やその結果の地図化などを通して,身近な地域の国際化の進展や日本と世界との結び付きの様子をとらえさせる。
(2) 地域性を踏まえてとらえる現代世界の課題
現代世界が取り組む諸課題のうち,異文化の理解及び地球的課題への取組に重点を置いて,それらを地域性を踏まえて追究し,現代世界の地理的認識を深めるとともに,地理的な見方や考え方を身に付けさせる。
ア 世界の生活・文化の地理的考察
(ア) 諸地域の生活・文化と環境
世界諸地域の生活・文化を地理的環境や民族性と関連付けて追究し,生活・文化を地理的に考察する視点や方法を身に付けさせるとともに,異文化を理解し尊重することが必要であることについて考察させる。
(イ) 近隣諸国の生活・文化と日本
近隣諸国の生活・文化の特色を追究し,日本との共通性,異質性を地理的に考察する視点や方法を身に付けさせるとともに,近隣諸国の生活・文化を理解し尊重することが必要であることについて考察させる。
イ 地球的課題の地理的考察
(ア) 諸地域からみた地球的課題
環境,資源・エネルギー,人口,食料及び居住・都市問題を地球的及び地域的視野から追究し,地球的課題は地域を超えた課題であるとともに地域によって現れ方が異なっていることを理解させ,それらの課題の解決に当たっては各国の取組とともに国際協力が必要であることについて考察させる。
(イ) 近隣諸国や日本が取り組む地球的課題と国際協力
近隣諸国や日本が取り組んでいる地球的課題を追究し,それらの現れ方は国によって異なっていることや,その解決には地域性を踏まえた国際協力が必要であることを理解させ,日本の役割などについて考察させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成するものとし,細かな事象や高度な事項・事柄には深入りしないこと。
イ 地理的な見方や考え方及び地図の読図や作図,景観写真の読み取りなど地理的技能を身に付けることができるよう系統性に留意して計画的に指導すること。
ウ 現代世界の動向や地域の変容に留意し,歴史的背景を踏まえて地域性を追究するようにすること。
エ 地域性を追究する過程で政治,経済,生物,地学的な事象なども必要に応じて扱うことができるが,それらは地域性を理解するのに必要な範囲にとどめること。
オ 各項目の中にできるだけ日本を含めて扱うとともに,日本と比較し関連付けて考察させること。
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,次の事項に留意すること。
(ア) ウ及びエについては,いずれかを選択して扱うこと。また,アからエまでの項目においては,地球儀や地図の活用,観察や調査,統計,画像,文献などの地理情報の収集,選択,処理,諸資料の地理情報化や地図化などの作業的,体験的な学習を取り入れるとともに,各項目を関連付けて地理的技能が身に付くよう工夫すること。
(イ) アについては,球面上の世界のとらえ方に慣れ親しませるよう工夫すること。その際,地図の投影法には深入りしないこと。略地図の描図については,世界地図の全体や部分が描けるようにすること。日本の位置と領域については,世界的視野から日本の位置をとらえるとともに,日本の領域をめぐる問題にも触れること。
(ウ) イについては,年次の異なる主題図や統計などを比較し関連付けてとらえさせるようにするとともに,地理情報の活用の方法が身に付くよう工夫すること。
(エ) ウについては,身近な情報を地理情報として活用する技能が身に付くよう工夫すること。
(オ) エについては,生徒の特性や学校所在地の事情等を考慮し,地域調査を実施し,その方法が身に付くよう工夫すること。
イ 内容の(2)については,次の事項に留意すること。
(ア) アの(ア)及びイの(ア)については,世界を広く大観する学習と具体例を通して追究する学習とを組み合わせて扱うこと。その際,イの(ア)の環境,資源・エネルギー,人口,食料及び居住・都市問題はそれぞれ相互に関連し合っていることに留意して取扱いを工夫すること。
(イ) アの(イ)及びイの(イ)については,いずれかを選択して扱うこと。その際,アの(イ)については,東アジア,東南アジアの国々やロシアの中から二つ又は三つの国を選び,また,イの(イ)については,それらの国々及び日本が取り組んでいる地球的課題の中から二つ又は三つの課題を選んで扱うこと。
第6 地理B
1 目標
現代世界の地理的事象を系統地理的,地誌的に考察し,現代世界の地理的認識を養うとともに,地理的な見方や考え方を培い,国際社会に主体的に生きる日本人としての自覚と資質を養う。
2 内容
(1) 現代世界の系統地理的考察
自然環境,資源,産業,都市・村落,生活文化に関する地域性について世界的視野から考察し,現代世界が多様な地域から構成されていること,それらの地域には類似性や空間的な規則性などがみられること,分布から幾つかのまとまりでとらえたり,幾つかの地域に区分したりできることを理解させるとともに,現代世界を系統地理的にとらえる視点や方法を身に付けさせる。
ア 自然環境
世界の地形,気候,植生などから系統地理的にとらえる視点や方法を学習するのに適切な事例を幾つか取り上げ,世界の自然環境を大観させる。
イ 資源,産業
世界の資源・エネルギーや農業,工業,流通などから系統地理的にとらえる視点や方法を学習するのに適切な事例を幾つか取り上げ,世界の資源,産業を大観させる。
ウ 都市・村落,生活文化
世界の都市・村落や消費,余暇に関する行動,人々の衣食住などから系統地理的にとらえる視点や方法を学習するのに適切な事例を幾つか取り上げ,世界の都市・村落,生活文化を大観させる。
(2) 現代世界の地誌的考察
地域の規模に応じて地域性を多面的・多角的に考察し,現代世界を構成する各地域は多様な特色をもっていることを理解させるとともに,世界諸地域を規模に応じて地誌的にとらえる視点や方法を身に付けさせる。
ア 市町村規模の地域
直接的に調査できる地域の特色を多面的・多角的に調査して,日常の生活圏,行動圏の地域性を地誌的にとらえさせるとともに,日本又は世界の中から同規模の地域を取り上げて地誌的に考察し,それらを比較し関連付けることを通して市町村規模の地域を地誌的にとらえる視点や方法を身に付けさせる。
イ 国家規模の地域
世界の国家を事例として幾つか取り上げ,それらの地域性を多面的・多角的に考察してそれぞれの国を地誌的にとらえさせるとともに,それらを比較し関連付けることを通して国家規模の地域を地誌的にとらえる視点や方法を身に付けさせる。
ウ 州・大陸規模の地域
世界の州・大陸を事例として幾つか取り上げ,それらを多面的・多角的に考察してそれぞれの州・大陸を地誌的にとらえさせるとともに,それらを比較し関連付けることを通して州・大陸規模の地域を地誌的にとらえる視点や方法を身に付けさせる。
(3) 現代世界の諸課題の地理的考察
現代の世界や日本が取り組む諸課題について,広い視野から地域性を踏まえて考察し,現代世界の地理的認識を深めさせるとともに,地理的に考察する意義や有用性に気付かせ,地理的な見方や考え方を身に付けさせる。
ア 地図化してとらえる現代世界の諸課題
世界各地に生起している地球的課題に関する諸事象を地図化して追究し,その現状や動向をとらえさせるとともに,地図化することの有用性に気付かせ,それに関する技能を身に付けさせる。
イ 地域区分してとらえる現代世界の諸課題
世界各地に生起している地球的課題に関する諸事象を分布などに着目し地域区分して追究し,その空間的配置や類似性,傾向性をとらえさせるとともに,地域区分することの有用性に気付かせ,それに関する技能を身に付けさせる。
ウ 国家間の結び付きの現状と課題
現代世界の国家群や貿易,交通・通信などの現状と課題を地域の環境条件と関連付けて追究し,それらを世界的視野から地域性を踏まえてとらえさせるとともに,国家間の結び付きを地理的に考察することの意義に気付かせる。
エ 近隣諸国研究
近隣諸国の生活・文化を地域の環境条件と関連付けて追究し,日本との共通性や異質性及び異文化を理解し尊重することの必要性をとらえさせるとともに,近隣諸国との交流の在り方や日本の役割などについて考察させる。
オ 環境,エネルギー問題の地域性
環境,エネルギー問題を世界的視野から地域性を踏まえて追究し,それらは地球的課題であるとともに各地域によって現れ方が異なっていることをとらえさせ,その解決には地域性を踏まえた国際協力が必要であることなどについて考察させる。
カ 人口,食料問題の地域性
人口,食料問題を世界的視野から地域性を踏まえて追究し,それらは地球的課題であるとともに各地域によって現れ方が異なっていることをとらえさせ,その解決には地域性を踏まえた国際協力が必要であることなどについて考察させる。
キ 居住,都市問題の地域性
居住,都市問題を世界的視野から地域性を踏まえて追究し,それらの問題の現れ方には地域による特殊性や地域を超えた類似性がみられることをとらえさせ,その解決には地域性を踏まえた国際協力が効果的であることなどについて考察させる。
ク 民族,領土問題の地域性
人種・民族と国家との関係,国境,領土問題の現状や動向を世界的視野から地域性を踏まえて追究し,それらの問題の現れ方には地域による特殊性や地域を超えた類似性がみられることをとらえさせ,その解決には地域性を踏まえた国際協力が効果的であることなどについて考察させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成するものとし,細かな事象や高度な事項・事柄には深入りしないこと。
イ 地理的な見方や考え方及び地図の読図や作図,景観写真の読み取りなど地理的技能を身に付けることができるよう系統性に留意して計画的に指導すること。
ウ 現代世界の動向や地域の変容に留意し,歴史的背景を踏まえて地域性を追究するようにすること。
エ 地域性を追究する過程で政治,経済,生物,地学的な事象なども必要に応じて扱うことができるが,それらは地域性を理解するのに必要な範囲にとどめること。
オ 各項目の中にできるだけ日本を含めて扱うとともに,日本と比較し関連付けて考察させること。
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアからウまでの項目については,世界的視野から扱うことが可能な二つ又は三つの事例を選び,具体的に扱うようにすること。その際,各事例は分析,考察の過程を重視し,現代世界を系統地理的にとらえる視点や方法が身に付くよう工夫すること。
イ 内容の(2)については,次の事項に留意すること。
(ア) アからウまでについては,地域の規模に応じて取り上げる視点や方法などが異なってくることに留意して取扱いを工夫すること。
(イ) アについては,学校所在地の地域のほかに日本又は世界から一つの地域を選んで扱うこと。
(ウ) イ及びウについては,それぞれ地誌的にとらえる視点や方法を学習するのに適した二つ又は三つの地域を事例として選び,地誌的に考察する学び方が身に付くよう工夫すること。その際,地域性を地誌的に考察するに当たっては,取り上げた地域における特徴的な事象とその動きに着目し,他の事象を有機的に関連付けるかたちで多面的・多角的に追究する地誌と,取り上げた地域の多様な事象を項目ごとに整理するかたちで多面的・多角的に追究する地誌とがあることに留意し,この両方の地誌を学習できるよう工夫すること。また,イにおける国家及びウにおける州・大陸に替えて,州・大陸を幾つかに区分した規模の地域を選ぶことができること。ただし,その場合,替えるのはイ又はウのいずれかにすること。
ウ 内容の(3)については次の事項に留意すること。
(ア) アからエまでの中から二つ,オからクまでの中から二つの項目を選択して扱うこと。その際,内容の(1)及び(2)の学習成果を活用し,地理的事象を見いだし追究する過程を重視し,現代世界の地理的認識を深めさせるとともに,地理的考察の方法に慣れ親しませるよう工夫すること。
(イ) 各項目ともそれぞれの特質を考慮して二つ又は三つの地域又は課題を事例として選び,具体的に扱うこと。エについては,東アジア,東南アジアの国々やロシアの中から選ぶこと。クについては,領土問題の現状や動向を扱う際に日本の領土問題にも触れること。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 地理歴史科の目標を達成するため,教科全体として調和のとれた指導が行われるよう,適切に留意すること。
(2) 中学校社会科及び公民科との関連並びに地理歴史科に属する科目相互の関連に留意すること。
2 各科目の指導に当たっては,情報を主体的に活用する学習活動を重視するとともに,作業的,体験的な学習を取り入れるよう配慮するものとする。そのため,地図や年表を読みかつ作成すること,各種の統計,年鑑,白書,画像,新聞,読み物その他の資料に親しみ,活用すること,観察,見学及び調査・研究したことを発表したり報告書にまとめたりすることなど様々な学習活動を取り入れるとともに,コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用して学習の効果を高めるよう工夫するものとする。
第3節 公民
第1款 目標
広い視野に立って,現代の社会について主体的に考察させ,理解を深めさせるとともに,人間としての在り方生き方についての自覚を育て,民主的,平和的な国家・社会の有為な形成者として必要な公民としての資質を養う。
第2款 各科目
第1 現代社会
1 目標
人間の尊重と科学的な探究の精神に基づいて,広い視野に立って,現代の社会と人間についての理解を深めさせ,現代社会の基本的な問題について主体的に考え公正に判断するとともに自ら人間としての在り方生き方について考える力の基礎を養い,良識ある公民として必要な能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 現代に生きる私たちの課題
現代社会の諸問題について自己とのかかわりに着目して課題を設け,倫理,社会,文化,政治,経済など様々な観点から追究する学習を通して,現代社会に対する関心を高め,いかに生きるかを主体的に考えることの大切さを自覚させる。
(2) 現代の社会と人間としての在り方生き方
現代社会について多様な角度から理解させるとともに,青年期の意義,経済活動の在り方,政治参加,民主社会の倫理,国際社会における日本の果たすべき役割などについて自己とのかかわりに着目して考えさせる。
ア 現代の社会生活と青年
大衆化,少子高齢化,高度情報化,国際化など現代社会の特質と社会生活の変化について理解させる。また,生涯における青年期の意義と自己形成の課題について考えさせるとともに,自己実現と職業生活,社会参加に触れながら,現代社会における青年の生き方について自覚を深めさせる。
イ 現代の経済社会と経済活動の在り方
現代の経済社会における技術革新と産業構造の変化,企業の働き,公的部門の役割と租税,金融機関の働き,雇用と労働問題,公害の防止と環境保全について理解させるとともに,個人と企業の経済活動における社会的責任について考えさせる。
ウ 現代の民主政治と民主社会の倫理
基本的人権の保障と法の支配,国民主権と議会制民主主義,平和主義と我が国の安全について理解を深めさせ,日本国憲法の基本的原則について国民生活とのかかわりから認識を深めさせるとともに,世論形成と政治参加の意義について理解させ,民主政治における個人と国家について考えさせる。また,生命の尊重,自由・権利と責任・義務,人間の尊厳と平等,法と規範などについて考えさせ,民主社会において自ら生きる倫理について自覚を深めさせる。
エ 国際社会の動向と日本の果たすべき役割
世界の主な国の政治や経済の動向に触れながら,人権,国家主権,領土に関する国際法の意義,人種・民族問題,核兵器と軍縮問題,我が国の安全保障と防衛,資本主義経済と社会主義経済の変容,貿易の拡大と経済摩擦,南北問題について理解させ,国際平和や国際協力の必要性及び国際組織の役割について認識させるとともに,国際社会における日本の果たすべき役割及び日本人の生き方について考えさせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校社会科及び道徳並びに公民科に属する他の科目,地理歴史科,家庭科及び特別活動などとの関連を図るとともに,項目相互の関連に留意しながら,全体としてのまとまりを工夫し,特定の事項だけに偏らないようにすること。
イ 社会的事象は相互に関連し合っていることに留意し,社会的事象に対する関心をもって多様な角度から考えさせるとともに,できるだけ総合的にとらえることができるようにすること。また,生徒が自己の生き方にかかわって主体的に考えるよう学習指導の展開を工夫すること。
ウ 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成するものとし,細かな事象や高度な事項・事柄には深入りしないこと。
エ 的確な資料に基づいて,社会的事象に対する客観的かつ公正なものの見方や考え方を育成するとともに,学び方の習得を図ること。その際,統計などの資料の見方やその意味,情報の検索や処理の仕方,簡単な社会調査の方法などについて指導するよう留意すること。また,学習の過程で考えたことや学習の成果を適切に表現させるよう留意すること。
オ 政治及び宗教に関する事項の取扱いについては,教育基本法第8条及び第9条の規定に基づき,適切に行うこと。
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,次の事項に留意すること。
(ア) 内容の(1)は,この科目の導入としての性格をもつものであることに留意し,課題を追究する学習に当たっては,高度な内容に深入りすることは避け,この科目の学習の動機付けや学び方の習得に重点を置いた工夫を行うこと。
(イ) 現代社会の諸問題については,地球環境問題,資源・エネルギー問題,科学技術の発達と生命の問題,日常生活と宗教や芸術とのかかわり,豊かな生活と福祉社会などから,地域や学校,生徒の実態に応じて,二つ程度を選択して取り上げ主体的に課題を追究させるよう工夫すること。
イ 内容の(2)については,次の事項に留意すること。
(ア) アの大衆化,少子高齢化,高度情報化,国際化については,これらのうちから生徒の実態等に応じて二つ程度を選択して学習させること。生涯における青年期の意義と自己形成の課題については,生涯にわたる学習の意義についても考えさせること。また,職業生活,社会参加については,男女が対等な構成員であることに留意して触れること。現代社会における青年の生き方については,日本の生活文化や伝統とのかかわりについても考えさせること。
(イ) ウについては,地方自治にも触れながら政治と生活との関連について認識を深めさせること。また,民主社会において自ら生きる倫理については,個人と個人,個人と社会との関係に着目して考えさせること。
(ウ) エについては,制度や機構に関する細かな事柄の学習にならないようにすること。
第2 倫理
1 目標
人間尊重の精神に基づいて,青年期における自己形成と人間としての在り方生き方について理解と思索を深めさせるとともに,人格の形成に努める実践的意欲を高め,生きる主体としての自己の確立を促し,良識ある公民として必要な能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 青年期の課題と人間としての在り方生き方
自己の生きる課題とのかかわりにおいて,青年期の意義と課題を理解させるとともに,先哲の基本的な考え方を手掛かりとして,人間の存在や価値について思索を深めさせる。
ア 青年期の課題と自己形成
自らの体験や悩みを振り返ることを通して,青年期の意義と課題を理解させ,豊かな自己形成に向けて,他者と共に生きる自己の生き方について考えさせる。
イ 人間としての自覚
人生における哲学,宗教,芸術のもつ意義などについて理解させ,人間の存在や価値にかかわる基本的な課題を探究させることを通して,人間としての在り方生き方について考えを深めさせる。
ウ 国際社会に生きる日本人としての自覚
日本人にみられる人間観,自然観,宗教観などの特質について,我が国の風土や伝統,外来思想の受容に触れながら,自己とのかかわりにおいて理解させ,国際社会に生きる主体性のある日本人としての在り方生き方について自覚を深めさせる。
(2) 現代と倫理
現代に生きる人間の倫理的な課題について思索を深めさせ,自己の生き方の確立を促すとともに,よりよい国家・社会を形成し,国際社会に主体的に貢献しようとする人間としての在り方生き方について自覚を深めさせる。
ア 現代の特質と倫理的課題
現代の倫理的課題を大局的にとらえさせ,今日に生きる人間の課題について理解させる。
イ 現代に生きる人間の倫理
人間の尊厳と生命への畏敬,自然や科学技術と人間とのかかわり,民主社会における人間の在り方,社会参加と奉仕,自己実現と幸福などについて,倫理的な見方や考え方を身に付けさせ,他者と共に生きる自己の生き方にかかわる課題として考えを深めさせる。
ウ 現代の諸課題と倫理
生命,環境,家族・地域社会,情報社会,世界の様々な文化の理解,人類の福祉のそれぞれにおける倫理的課題を,自己の課題とつなげて追究させ,現代に生きる人間としての在り方生き方について自覚を深めさせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校社会科及び道徳並びに公民科に属する他の科目,地理歴史科及び特別活動などとの関連を図るとともに,全体としてのまとまりを工夫し,特定の事項だけに偏らないようにすること。
イ 先哲の基本的な考え方を取り上げるに当たっては,内容と関連が深く生徒の発達や学習段階に適した代表的な先哲の言説等を精選し,細かな事柄や高度な事項・事柄には深入りしないこと。また,生徒自らが人生観,世界観を確立するための手掛かりを得させるよう様々な工夫を行うこと。
ウ 政治及び宗教に関する事項の取扱いについては,教育基本法第8条及び第9条の規定に基づき,適切に行うこと。
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,次の事項に留意すること。
(ア) アについては,この科目の導入としての性格をもつものであることに留意し,生徒自身の課題とかかわらせて考えさせ,以後の学習への意欲を喚起すること。
(イ) イについては,ギリシアの思想,キリスト教,仏教,儒教などの基本的な考え方を代表する先哲の思想,芸術家とその作品を,観点を明確にして取り上げるなど工夫すること。
(ウ) ウについては,古来の日本人の考え方や代表的な日本の先哲の思想を手掛かりにして,自己の課題として学習させること。
イ 内容の(2)については,次の事項に留意すること。
(ア) アについては,イ及びウへの導入として,現代の倫理的課題について概観し,問題意識をもたせる程度にとどめること。
(イ) イについては,倫理的な見方や考え方を身に付けさせ,自己の課題として考えを深めていく主体的な学習への意欲を喚起すること。
(ウ) ウについては,イの学習を基礎として,学校や生徒の実態等に応じて課題を選択し,主体的に追究する学習を行うよう工夫すること。その際,生命又は環境のいずれか,家族・地域社会又は情報社会のいずれか,世界の様々な文化の理解又は人類の福祉のいずれかにおける倫理的課題をそれぞれ選択するものとする。
第3 政治・経済
1 目標
広い視野に立って,民主主義の本質に関する理解を深めさせ,現代における政治,経済,国際関係などについて客観的に理解させるとともに,それらに関する諸課題について主体的に考察させ,公正な判断力を養い,良識ある公民として必要な能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 現代の政治
現代の日本の政治及び国際政治の動向について関心を高め,基本的人権と議会制民主主義を尊重し擁護することの意義を理解させるとともに,民主政治の本質について探究させ,政治についての基本的な見方や考え方を身に付けさせる。
ア 民主政治の基本原理と日本国憲法
日本国憲法の基本的性格と国会,内閣,裁判所などの政治機構を概観し,政治と法の機能,人権保障と法の支配,権利と義務の関係,議会制民主主義について理解させ,民主政治の本質や現代政治の特質について探究させるとともに,政党政治や選挙などに着目して,望ましい政治の在り方及び主権者としての参政の在り方について考察させる。
イ 現代の国際政治
国際政治の動向,人権,国家主権,領土などに関する国際法の意義,国際連合をはじめとする国際機構の役割,我が国の防衛を含む安全保障の問題について理解させ,国際政治の特質や国際紛争の諸要因について探究させるとともに,国際平和と人類の福祉に寄与する日本の役割について考察させる。
(2) 現代の経済
現代の日本経済及び世界経済の動向について関心を高め,日本経済の国際化をはじめとする経済生活の変化,現代経済の機能について理解させるとともに,その特質を探究させ,経済についての基本的な見方や考え方を身に付けさせる。
ア 経済社会の変容と現代経済の仕組み
資本主義経済及び社会主義経済の変容,国民経済における家計,企業,政府の役割,市場経済の機能と限界,物価の動き,経済成長と景気変動,財政の仕組みと働き及び租税の意義と役割,資金の循環と金融機関の働きについて理解させ,現代経済の特質について探究させるとともに,経済活動の在り方と福祉の向上との関連を考察させる。
イ 国民経済と国際経済
貿易の意義と国際収支の現状,為替相場の仕組み,国際協調の必要性や国際経済機関の役割について理解させ,国際経済の特質について探究させるとともに,国際経済における日本の役割について考察させる。
(3) 現代社会の諸課題
政治や経済に関する基本的な理解を踏まえ,現代の政治や経済の諸課題を追究する学習を行い,望ましい解決の在り方について考察させる。
ア 現代日本の政治や経済の諸課題
大きな政府と小さな政府,少子高齢社会と社会保障,住民生活と地方自治,情報化の進展と市民生活,労使関係と労働市場,産業構造の変化と中小企業,消費者問題と消費者保護,公害防止と環境保全,農業と食料問題などについて,政治と経済とを関連させて考察させる。
イ 国際社会の政治や経済の諸課題
地球環境問題,核兵器と軍縮,国際経済格差の是正と国際協力,経済摩擦と外交,人種・民族問題,国際社会における日本の立場と役割などについて,政治と経済とを関連させて考察させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校社会科,公民科に属する他の科目,地理歴史科及び家庭科などとの関連を図るとともに,全体としてのまとまりを工夫し,特定の事項だけに偏らないようにすること。
イ 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成するものとし,細かな事象や高度な事項・事柄には深入りしないこと。また,客観的な資料と関連させて政治や経済の諸課題を考察させるとともに,政治や経済についての公正かつ客観的な見方や考え方を深めさせること。
ウ 政治や経済について考察した過程や結果について適切に表現する能力と態度を育てるようにすること。
エ 内容と関連のある現代の諸問題や時事的事象の取扱いについては,教育基本法第8条の規定に基づき,適切に行うこと。
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮すること。
ア 内容の(1)のアの民主政治の本質については,世界の主な政治体制と関連させて扱うこと。また,現代政治の特質については,世論形成などについて具体的事例を取り上げて扱い,主権者としての政治に対する関心を高めることに留意すること。
イ 内容の(2)のアについては,マクロ経済の観点を中心に扱うこと。
ウ 内容の(3)については,この科目のまとめとしての性格をもつものであることに留意し,内容の(1)及び(2)で学習した成果を生かし,地域や学校,生徒の実態等に応じて,ア及びイのそれぞれにおいて課題を選択して追究させること。その際,政治や経済の基本的な概念や理論の理解の上に立って,事実に基づいて多様な角度から考察し,理論と現実との相互関連を理解させること。
第3款 各科目における内容の取扱い
各科目の指導に当たっては,情報を主体的に活用する学習活動を重視するとともに,作業的,体験的な学習を取り入れるよう配慮するものとする。そのため,各種の統計,年鑑,白書,新聞,読み物その他の資料に親しみ,活用すること,観察,見学及び調査・研究したことを発表したり報告書にまとめたりすることなど様々な学習活動を取り入れるとともに,コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用して学習の効果を高めるよう工夫するものとする。
第4節 数学
第1款 目標
数学における基本的な概念や原理・法則の理解を深め,事象を数学的に考察し処理する能力を高め,数学的活動を通して創造性の基礎を培うとともに,数学的な見方や考え方のよさを認識し,それらを積極的に活用する態度を育てる。
第2款 各科目
第1 数学基礎
1 目標
数学と人間とのかかわりや,社会生活において数学が果たしている役割について理解させ,数学に対する興味・関心を高めるとともに,数学的な見方や考え方のよさを認識し数学を活用する態度を育てる。
2 内容
(1) 数学と人間の活動
数量や図形についての概念等が人間の活動にかかわって発展してきたことを理解し,数学に対する興味・関心を高める。
ア 数と人間
イ 図形と人間
(2) 社会生活における数理的な考察
社会生活において数学が活用されている場面や身近な事象を数理的に考察することを通して,数学の有用性などを知り,数学的な見方や考え方を豊かにする。
ア 社会生活と数学
イ 身近な事象の数理的な考察
(3) 身近な統計
目的に応じて資料を収集し,それを表やグラフなどを用いて整理するとともに,資料の傾向を代表値を用いてとらえるなど,統計の考えを理解し,それを活用できるようにする。
ア 資料の整理
イ 資料の傾向の把握
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)については,数学における概念の形成や原理・法則の認識の過程と人間や文化とのかかわりを中心として,数学史的な話題を取り上げるものとする。
(2) 内容の(2)については,社会生活と数学とのかかわりの身近な事例を取り上げるよう配慮するものとする。
(3) 内容の(3)については,統計の基本的な考えを扱うものとし,また,コンピュ−タ等を活用した学習がなされるよう配慮するものとする。
(4) この科目の指導に当たっては,身近な事例を取り上げるなど生徒が主体的に学習できるようにし,理論的な考察には深入りしないよう配慮するものとする。
第2 数学[Roman1 ]
1 目標
方程式と不等式,二次関数及び図形と計量について理解させ,基礎的な知識の習得と技能の習熟を図り,それらを的確に活用する能力を伸ばすとともに,数学的な見方や考え方のよさを認識できるようにする。
2 内容
(1) 方程式と不等式
数を実数まで拡張することの意義を理解し,式の見方を豊かにするとともに,一次不等式及び二次方程式についての理解を深め,それらを活用できるようにする。
ア 数と式
(ア) 実数
(イ) 式の展開と因数分解
イ 一次不等式
ウ 二次方程式
(2) 二次関数
二次関数について理解し,関数を用いて数量の変化を表現することの有用性を認識するとともに,それを具体的な事象の考察や二次不等式を解くことなどに活用できるようにする。
ア 二次関数とそのグラフ
イ 二次関数の値の変化
(ア) 二次関数の最大・最小
(イ) 二次不等式
(3) 図形と計量
直角三角形における三角比の意味,それを鈍角まで拡張する意義及び図形の計量の基本的な性質について理解し,角の大きさなどを用いた計量の考えの有用性を認識するとともに,それらを具体的な事象の考察に活用できるようにする。
ア 三角比
(ア) 正弦,余弦,正接
(イ) 三角比の相互関係
イ 三角比と図形
(ア) 正弦定理,余弦定理
(イ) 図形の計量
[用語・記号] sin, cos, tan
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)のアの(ア)で扱う無理数の計算については,二重根号をはずす計算は扱わないものとする。(イ)については,使用する乗法公式は三次までとし,因数分解についても複雑なものには深入りしないものとする。ウについては,解の公式を扱い,実数解をもつもののみを取り上げるものとする。
(2) 内容の(2)のアに関連して,いろいろな事象を表す関数を取り上げ,関数概念の理解を深めるものとする。イの(イ)については,二次関数のグラフとx軸との位置関係から解を求めるものとする。
(3) 内容の(3)の三角比については,扱う角の範囲は,0゜から180゜までとする。
(4) 内容の(3)のイの(イ)については,相似形の面積比・体積比及び球の表面積・体積を取り上げるほか,平面図形や簡単な空間図形の計量を取り上げるものとする。ただし,三角形の面積をヘロンの公式で求めるなどの深入りはしないものとする。
第3 数学[Roman2 ]
1 目標
式と証明・高次方程式,図形と方程式,いろいろな関数及び微分・積分の考えについて理解させ,基礎的な知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察し処理する能力を伸ばすとともに,それらを活用する態度を育てる。
2 内容
(1) 式と証明・高次方程式
式と証明についての理解を深め,方程式の解を発展的にとらえ,数の範囲を複素数まで拡張して二次方程式を解くことや因数分解を利用して高次方程式を解くことができるようにする。
ア 式と証明
(ア) 整式の除法,分数式
(イ) 等式と不等式の証明
イ 高次方程式
(ア) 複素数と二次方程式
(イ) 高次方程式
[用語・記号] 虚数,i,判別式,因数定理
(2) 図形と方程式
座標や式を用いて直線や円などの基本的な平面図形の性質や関係を数学的に考察し処理するとともに,その有用性を認識し,いろいろな図形の考察に活用できるようにする。
ア 点と直線
(ア) 点の座標
(イ) 直線の方程式
イ 円
(ア) 円の方程式
(イ) 円と直線
(3) いろいろな関数
三角関数,指数関数及び対数関数について理解し,関数についての理解を深め,それらを具体的な事象の考察に活用できるようにする。
ア 三角関数
(ア) 角の拡張
(イ) 三角関数とその基本的な性質
(ウ) 三角関数の加法定理
イ 指数関数と対数関数
(ア) 指数の拡張
(イ) 指数関数
(ウ) 対数関数
[用語・記号] 弧度法,累乗根,logax
(4) 微分・積分の考え
具体的な事象の考察を通して微分・積分の考えを理解し,それを用いて関数の値の変化を調べることや面積を求めることができるようにする。
ア 微分の考え
(ア) 微分係数と導関数
(イ) 導関数の応用
接線,関数値の増減
イ 積分の考え
(ア) 不定積分と定積分
(イ) 面積
[用語・記号] 極限値,lim
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)のアの(ア)については,分母が二次程度までの分数式を扱うものとする。イの(ア)に関連して,解と係数の関係に触れる場合には,深入りしないものとする。イの(イ)については,数係数の簡単な三次方程式や複二次方程式を扱う程度とする。
(2) 内容の(2)に関連して,簡単な場合について軌跡及び不等式の表す領域を扱うものとする。
(3) 内容の(2)のイの(イ)については,円と直線の共有点を求める程度とする。
(4) 内容の(3)のアの(ウ)については,2倍角の公式及びasinθ+bcosθ=√(a2+b2)sin(θ+α)を扱う程度とする。イの(ウ)については,対数計算は扱わないものとする。
(5) 内容の(4)のアについては,三次までの関数を扱い,イについては二次までの関数を扱うものとする。アの(ア)で扱う極限については,直観的に理解させる程度にとどめるものとする。
第4 数学[Roman3 ]
1 目標
極限,微分法及び積分法についての理解を深め,知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察し処理する能力を伸ばすとともに,それらを積極的に活用する態度を育てる。
2 内容
(1) 極限
微分法,積分法の基礎として極限の概念を理解し,それを数列や関数値の極限の考察に活用できるようにする。
ア 数列の極限
(ア) 数列{rn}の極限
(イ) 無限等比級数の和
イ 関数とその極限
(ア) 合成関数と逆関数
(イ) 関数値の極限
[用語・記号] 収束,発散,∞
(2) 微分法
いろいろな関数についての微分法を理解し,それを用いて関数値の増減やグラフの凹凸などを考察し,微分法の有用性を認識するとともに,具体的な事象の考察に活用できるようにする。
ア 導関数
(ア) 関数の和・差・積・商の導関数
(イ) 合成関数の導関数
(ウ) 三角関数・指数関数・対数関数の導関数
イ 導関数の応用
接線,関数値の増減,速度,加速度
[用語・記号] 自然対数,e,第二次導関数,変曲点
(3) 積分法
いろいろな関数についての積分法を理解し,その有用性を認識するとともに,図形の求積などに活用できるようにする。
ア 不定積分と定積分
(ア) 積分とその基本的な性質
(イ) 簡単な置換積分法・部分積分法
(ウ) いろいろな関数の積分
イ 積分の応用
面積,体積
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)のイに関連して,y=(ax+b)/(cx+d),y=√(ax+b)の程度の簡単な分数関数や無理関数を扱うものとする。イの(イ)については,導関数の計算に必要な程度にとどめるものとする。
(2) 内容の(2)に関連して,平均値の定理に触れる場合には,直観的に理解させる程度にとどめるものとする。
(3) 内容の(2)のアの(ア)の分数関数の導関数については,分母,分子が二次程度までにとどめるものとする。(イ)については,y=xk(kは有理数),y=√(ax+b)及びy=√(ax2+b)の程度の簡単な関数を扱うものとする。
(4) 内容の(3)のアの(イ)については,置換積分法は,ax+b=t,x=asinθと置き換える程度にとどめるものとし,また,部分積分法は,簡単な関数について1回の適用で結果が得られるものにとどめるものとする。
第5 数学A
1 目標
平面図形,集合と論理及び場合の数と確率について理解させ,基礎的な知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察し処理する能力を育てるとともに,数学的な見方や考え方のよさを認識できるようにする。
2 内容
(1) 平面図形
三角形や円などの基本的な図形の性質についての理解を深め,図形の見方を豊かにするとともに,図形の性質を論理的に考察し処理できるようにする。
ア 三角形の性質
イ 円の性質
(2) 集合と論理
図表示などを用いて集合についての基本的な事項を理解し,統合的に見ることの有用性を認識し,論理的な思考力を伸ばすとともに,それらを命題などの考察に生かすことができるようにする。
ア 集合と要素の個数
イ 命題と証明
(3) 場合の数と確率
具体的な事象の考察などを通して,順列・組合せや確率について理解し,不確定な事象を数量的にとらえることの有用性を認識するとともに,事象を数学的に考察し処理できるようにする。
ア 順列・組合せ
イ 確率とその基本的な法則
ウ 独立な試行と確率
[用語・記号] nPr,nCr,階乗,n!,余事象,排反
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)のアについては,重心,内心,外心などの簡単な性質を扱う程度とし,また,イについては,四角形が円に内接する条件や方べきの定理,二つの円の位置関係などを扱う程度とする。
(2) 内容の(2)のアについては,集合に関する用語・記号には深入りしないものとする。また,集合の間の関係については複雑なものは扱わないものとする。イについては,集合の包含関係と関連付けて理解できる程度にとどめるものとする。また,必要条件,十分条件,対偶,背理法などを扱うものとする。
(3) 内容の(3)のアに関連して,二項定理を扱うものとし,ウに関連して,期待値を扱うものとする。ただし,事象の独立,従属は扱わないものとする。
第6 数学B
1 目標
数列,ベクトル,統計又は数値計算について理解させ,基礎的な知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察し処理する能力を伸ばすとともに,それらを活用する態度を育てる。
2 内容
(1) 数列
簡単な数列とその和及び漸化式と数学的帰納法について理解し,それらを用いて事象を数学的に考察し処理できるようにする。
ア 数列とその和
(ア) 等差数列と等比数列
(イ) いろいろな数列
イ 漸化式と数学的帰納法
(ア) 漸化式と数列
(イ) 数学的帰納法
[用語・記号] Σ
(2) ベクトル
ベクトルについての基本的な概念を理解し,基本的な図形の性質や関係をベクトルを用いて表現し,いろいろな事象の考察に活用できるようにする。
ア 平面上のベクトル
(ア) ベクトルとその演算
(イ) ベクトルの内積
イ 空間座標とベクトル
空間座標,空間におけるベクトル
(3) 統計とコンピュータ
統計についての基本的な概念を理解し,身近な資料を表計算用のソフトウェアなどを利用して整理・分析し,資料の傾向を的確にとらえることができるようにする。
ア 資料の整理
度数分布表,相関図
イ 資料の分析
代表値,分散,標準偏差,相関係数
(4) 数値計算とコンピュータ
簡単な数値計算のアルゴリズムを理解し,それを科学技術計算用のプログラミング言語などを利用して表現し,具体的な事象の考察に活用できるようにする。
ア 簡単なプログラム
イ いろいろなアルゴリズム
(ア) 整数の計算
(イ) 近似値の計算
3 内容の取扱い
(1) この科目は,履修する生徒の実態に応じて,内容の(1)から(4)までの中から適宜選択させるものとする。
(2) 内容の(1)のアの(イ)については,階差数列や数列{n2}の和を扱う程度とする。イの(ア)の漸化式については,二項間の関係式を扱う程度とする。また,イの(イ)の数学的帰納法については,その方法の理解に重点を置くものとする。
(3) 内容の(2)のイについては,空間におけるベクトルが,平面上のベクトルと同様に扱えることの理解に重点を置き,空間におけるベクトルを用いた方程式は扱わないものとする。また,空間図形の方程式については,z=kなどを扱う程度とする。
(4) 内容の(3)については,理論的な考察には深入りしないものとする。
(5) 内容の(4)のアについては,プログラミング技術には深入りしないものとする。イの(ア)については,ユークリッドの互除法などを扱い,(イ)については,二分法,台形公式による面積の近似計算などを扱う程度とする。
第7 数学C
1 目標
行列とその応用,式と曲線,確率分布又は統計処理について理解させ,知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察し処理する能力を伸ばすとともに,それらを積極的に活用する態度を育てる。
2 内容
(1) 行列とその応用
行列の概念とその基本的な性質について理解し,数学的に考察し処理する能力を伸ばすとともに,連立一次方程式を解くことや点の移動の考察などに活用できるようにする。
ア 行列
(ア) 行列とその演算
和,差,実数倍
(イ) 行列の積と逆行列
イ 行列の応用
(ア) 連立一次方程式
(イ) 点の移動
[用語・記号] A−1
(2) 式と曲線
二次曲線の基本的な性質及び曲線がいろいろな式で表現できることを理解し,具体的な事象の考察に活用できるようにする。
ア 二次曲線
(ア) 放物線
(イ) 楕円と双曲線
イ 媒介変数表示と極座標
(ア) 曲線の媒介変数表示
(イ) 極座標と極方程式
[用語・記号] 焦点,準線
(3) 確率分布
確率の計算及び確率変数とその分布についての理解を深め,不確定な事象を数学的に考察する能力を伸ばすとともに,それらを活用できるようにする。
ア 確率の計算
イ 確率分布
(ア) 確率変数と確率分布
(イ) 二項分布
[用語・記号] 条件つき確率,平均,分散,標準偏差
(4) 統計処理
連続的な確率分布や統計的な推測について理解し,統計的な見方や考え方を豊かにするとともに,それらを統計的な推測に活用できるようにする。
ア 正規分布
(ア) 連続型確率変数
(イ) 正規分布
イ 統計的な推測
(ア) 母集団と標本
(イ) 統計的な推測の考え
[用語・記号] 推定
3 内容の取扱い
(1) この科目は,履修する生徒の実態に応じて,内容の(1)から(4)までの中から適宜選択させるものとする。
(2) 内容の(1)のアについては,3×3行列までを扱うものとする。ただし,逆行列の計算については,2×2行列にとどめるものとする。イの(イ)については,平面上の点の移動を扱うものとする。
(3) 内容の(2)のアについては,二次曲線の標準形やそれを平行移動した程度のものを扱い,曲線の回転は扱わないものとする。イについては,コンピュータ等の活用などによりいろいろな曲線をかき,観察する程度とする。
(4) 内容の(3)のアについては,「数学A」の確率の内容に続いて,条件つき確率などを扱う程度とする。
(5) 内容の(4)については,理論的な考察には深入りしないものとする。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 「数学[Roman2 ]」,「数学[Roman3 ]」を履修させる場合は,原則として「数学[Roman1 ]」,「数学[Roman2 ]」,「数学[Roman3 ]」の順に履修させること。
(2) 「数学A」については,「数学基礎」又は「数学[Roman1 ]」と並行してあるいはそれらの科目を履修した後に履修させ,「数学B」については,「数学[Roman1 ]」を履修した後に履修させ,「数学C」については,「数学[Roman1 ]」及び「数学A」を履修した後に履修させることを原則とすること。
(3) 各科目を履修させるに当たっては,当該科目及び他の科目の内容相互の関連を図るとともに,学習内容の系統性に留意すること。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各科目の内容の[用語・記号]は,当該科目で扱う内容の程度や範囲を明確にするために示したものであり,内容と密接に関連させて扱うこと。
(2) 各科目の指導に当たっては,必要に応じて,コンピュータや情報通信ネットワークなどを適切に活用し,学習の効果を高めるようにすること。
第5節 理科
第1款 目標
自然に対する関心や探究心を高め,観察,実験などを行い,科学的に探究する能力と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め,科学的な自然観を育成する。
第2款 各科目
第1 理科基礎
1 目標
科学と人間生活とのかかわり,自然の探究・解明や科学の発展の過程について,観察,実験などを通して理解させ,科学に対する興味・関心を高めるとともに,科学的な見方や考え方を養う。
2 内容
(1) 科学の始まり
道具や火の活用,自然の観察とその積み重ね,自然の中に見られる規則性や法則性の発見など,科学の始まりと人間生活とのかかわりについて考えさせる。
(2) 自然の探究と科学の発展
自然への疑問や興味に基づく客観的な観察と新しい発想が科学を発展させ,自然の見方を大きく転換し,展開させたことについて理解させる。
ア 物質の成り立ち
(ア) 原子,分子の探究
(イ) 物質の合成への道
イ 生命を探る
(ア) 細胞の発見と細胞説
(イ) 進化の考え方
ウ エネルギーの考え方
(ア) エネルギーの考え方の形成
(イ) 電気エネルギーの利用
エ 宇宙・地球を探る
(ア) 天動説と地動説
(イ) プレートテクトニクス説の成立
(3) 科学の課題とこれからの人間生活
様々な自然認識の展開による科学の成果についての学習を踏まえて,現在及び将来における科学の課題と身近な人間生活とのかかわりについて考察させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成とその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校理科との関連を十分考慮するとともに,科学の発展と人間生活とのかかわりについて理解させ,科学的な見方や考え方を育成すること。
イ 内容の(1)については,この科目の導入であることを踏まえ,科学への興味・関心を高めるよう展開すること。その際,羅列的な扱いはしないこと。
ウ 内容の(2)のアからエまでについては,生徒の実態等を考慮し,それぞれ(ア)又は(イ)のいずれかを選択して扱うこと。その際,典型的な観察や実験を取り上げ,探究的な学習を行うようにすること。
エ 内容の(3)については,内容の(2)の学習を踏まえ,課題を適宜設けて考察させ,報告書にまとめたり,発表を行わせたりすること。
オ 指導に当たっては,適宜コンピュータなどの活用を図ること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,直立歩行する人類の特性から道具や火の活用が進み,文明をつくる基礎となったこと,自然観察に基づいて,人間生活にかかわる工夫が重ねられたことを扱うこと。また,言語や文字の発達により,情報が時代を超えて集積されるようになり,古代においても人類が自然の法則性を見いだしたこと,その中には今日でも通用するものがあると同時に,実証的でなく観念的なものも長く続いていたことを扱うこと。
イ 内容の(2)のアの(ア)については,元素の概念や原子,分子の存在を確かめていく過程で決め手となった諸法則に関する観察や実験を通して,物質を構成する粒子の概念が形成された過程を平易に扱うこと。
(イ)については,物質の合成についての簡単な実験を通して,物質を構成する元素の組成の組替えにより,天然にしかないと思われていた物質も合成でき,合成された有用な物質が人間生活を豊かにしてきたことを扱うこと。その際,合成物質などの利用には自然界に対する配慮が重要になってきたことにも触れること。
ウ 内容の(2)のイの(ア)については,顕微鏡を用いた身近な生物の観察を通して,すべての生物を構成する基本的な単位が細胞であること,細胞の発見から細胞説が確立されたこと及び生物は自然発生をしないことを扱い,それらに関して顕微鏡の発明が重要な役割を果たしたことにも触れること。
(イ)については,進化論が提唱されるに至った過程や論争の考察を通して,地球上に生活する多様な生物が進化の過程を経て現在に至ったことを進化の事例とともに扱うこと。その際,分子進化については扱わないこと。
エ 内容の(2)のウの(ア)については,熱と仕事との関係や熱と他のエネルギーとの変換に関する実験を通して,エネルギー保存の法則が自然のあらゆる現象を貫いて成立する自然科学の一般的な原理として確立されたことを扱うこと。その際,蒸気機関の発明にも触れること。なお,数式の扱いは最小限にとどめること。
(イ)については,電気や磁気についての実験を通して,電池や発電機が発明されたことにより化学エネルギーや力学的エネルギーが電気エネルギーに変えられるようになったことを扱うこと。また,電気エネルギーは動力源,光,熱などへも容易に変換できる便利なエネルギーとして広く利用されるようになったことも扱うこと。
オ 内容の(2)のエの(ア)については,惑星の観測や観測資料から得られる惑星の視運動の様子を基に,惑星の軌道を作図するなどの実習を通して,天動説から地動説への宇宙に対する見方や考え方の転換を扱うこと。その際,ケプラーの法則及びそれがニュートンの万有引力の法則の発見につながったことにもごく簡単に触れること。
(イ)については,モデル実験やコンピュータシミュレーションなどを通して,大西洋中央海嶺の発見が契機となり地球表層の運動がプレートの動きで説明できるようになるまでの過程を平易に扱い,地殻や地表に見られる地学現象がそれによって説明できるようになったことにも触れること。
カ 内容の(3)については,(2)で学習した内容の発展として,生徒の興味・関心等に応じて,物質とエネルギー,生命と環境,宇宙と地球などの分野から,現在及び将来の社会における科学に関連した課題を取り上げて,身近な人間生活とのかかわりについて平易に扱うこと。
第2 理科総合A
1 目標
自然の事物・現象に関する観察,実験などを通して,エネルギーと物質の成り立ちを中心に,自然の事物・現象について理解させるとともに,人間と自然とのかかわりについて考察させ,自然に対する総合的な見方や考え方を養う。
2 内容
(1) 自然の探究
身近な自然の事物・現象についての観察,実験などを通して,それらの基本的な方法を習得させるとともに,エネルギーや物質について考察させ,自然を探究する力を養う。
ア 自然の見方
自然をエネルギーや物質の変化と変換などでとらえ,自然に対する総合的な見方や考え方を養う。
イ 探究の仕方
具体的な事例についての観察,実験などを通して,探究の進め方を体得させる。
(2) 資源・エネルギーと人間生活
人間生活にかかわりの深い化石燃料,原子力,水力,太陽光などの利用の際見られる現象は,エネルギーという共通概念でとらえられることを理解させる。
ア 資源の開発と利用
(ア) エネルギー資源の利用
蓄積型の化石燃料と原子力及び非蓄積型の水力,太陽エネルギーなどの特性や有限性及びその利用などについて理解させる。
(イ) その他の資源の開発と利用
金属,非金属資源の特性や有限性,資源探査の方法や開発,再利用について理解させる。
イ いろいろなエネルギー
(ア) 仕事と熱
電流による発熱や仕事など,熱と仕事を中心としてエネルギーの基礎について理解させる。
(イ) エネルギーの変換と保存
太陽エネルギーは仕事に変えられたり生物のエネルギー源になったりすること及びエネルギーは変換されるがその総量は保存されることについて理解させる。
(3) 物質と人間生活
身の回りの物質は原子,分子,イオンから成り立ち,それらの粒子の結び付きの変化で物質の性質が変わることやエネルギーの出入りがあることを理解させる。
ア 物質の構成と変化
(ア) 物質の構成単位
原子,分子,イオンとその結合についての基礎を理解させる。
(イ) 物質の変化
物質の状態変化及び化学変化における原子,分子,イオンの状態をエネルギーと関連させて理解させる。
イ 物質の利用
(ア) 日常生活と物質
人間生活とかかわりの深い物質の特性と利用及び物質の製造にエネルギーが必要であることについて理解させる。
(イ) 生物のつくる物質
生物が有用な物質をつくること及び生物体内の化学反応の精妙さについて理解させる。
(4) 科学技術の進歩と人間生活
科学技術の成果と今後の課題について考察させ,科学技術と人間生活とのかかわりについて探究させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校理科との関連を十分考慮するとともに,日常生活と関連付けて身近な自然の事物・現象についての理解を無理なく行わせ,科学的な見方や考え方を育成すること。
イ 内容の(1)については,内容の(2)から(4)までの事項と関連を図り,具体的な事例を取り上げて扱うこと。また,内容の(2)から(4)までの中で扱うこともできること。指導に当たっては,適宜コンピュータなどの活用を図ること。
ウ 内容の(2)から(4)までについては,各項目を有機的に関連付けて自然を総合的にとらえられるようにすること。
エ 内容の(4)については,内容の(1)から(3)までの学習を踏まえ,課題を適宜設けて探究させ,報告書にまとめたり,発表を行わせたりすること。
(2) 内容の程度や範囲については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,電流と熱,力と仕事,物質の成分などに関連した身近な自然の事物・現象の中から適宜事例を取り上げ,観察,実験などを基にして扱うこと。
イについては,具体的な課題を取り上げ,観察,実験などを中心に扱うこと。その際,得られた数値の処理の仕方やグラフの表し方にも簡単に触れること。
イ 内容の(2)のアの(ア)については,多様なエネルギー資源が発電や熱源に利用されていること及び蓄積型のエネルギー資源の成因,分布,埋蔵量の有限性並びにこれらがエネルギーとして利用できる過程についての概略を扱い,環境への配慮が必要であることにも触れること。その際,羅列的な扱いはしないこと。原子力に関連して,天然放射性同位体の存在やα線,β線,γ線の性質にも触れること。(イ)については,金属,非金属資源となる元素が地殻の中に地域的に濃縮して鉱床をつくっていることを扱うこと。また,海洋底を含めて資源の探査及び資源の有効利用にも触れるが,深入りしないこと。
イの(ア)については,力と仕事の基礎概念を扱うとともに,位置及び運動のエネルギーの考えを仕事の概念と結び付けて扱うこと。その際,熱が仕事に変わる際の不可逆性も含めて仕事と熱量や電力量などのエネルギーとの関係にも触れること。(イ)については,太陽エネルギーにより水が位置エネルギーを得て,水力,電力として利用されること,光合成で有機物が生成され,呼吸によって生物のエネルギー源となり,その一部は化石燃料のエネルギーとして蓄積され,燃料となっていることなどを身近な事例を基に扱うこと。また,エネルギー保存の法則により,一見多様な現象が統一的にとらえることを扱うこと。
ウ 内容の(3)のアの(ア)については,元素の周期性を基に原子,分子,イオンを平易な例に基づいて扱うこと。また,原子の構造も簡単に扱うこと。(イ)については,三態変化,燃焼,酸化・還元,中和などの中から事例を一つ又は二つ選び,物質の状態変化や化学変化にはエネルギーの出入りが伴うことを扱うこと。
イの(ア)については,半導体,磁性体,金属,セラミックス,プラスチックの中から二つ又は三つの事例を選び扱うこと。(イ)については,人間が衣食住や医療の分野において生物のつくる物質に支えられていること,おだやかな条件下で特定の物質を効率よくつくる生物の働きなどを扱うこと。その際,自然界における生物の働きに与える合成物質の影響にも触れること。
エ 内容の(4)については,生徒の興味・関心等に応じて,物質や資源の利用,エネルギーの変換や利用など科学技術に関する身近な課題を取り上げ,科学技術と人間生活とのかかわりなどを平易に扱うこと。
第3 理科総合B
1 目標
自然の事物・現象に関する観察,実験などを通して,生物とそれを取り巻く環境を中心に,自然の事物・現象について理解させるとともに,人間と自然とのかかわりについて考察させ,自然に対する総合的な見方や考え方を養う。
2 内容
(1) 自然の探究
身近な自然の事物・現象についての観察,実験などを通して,それらの基本的な方法を習得させるとともに,生物とそれを取り巻く環境について考察させ,自然を探究する力を養う。
ア 自然の見方
自然を多様性と共通性,変化と平衡などでとらえ,自然に対する総合的な見方や考え方を養う。
イ 探究の仕方
具体的な事例についての観察,実験などを通して,探究の進め方を体得させる。
(2) 生命と地球の移り変わり
生命の星としての地球の変遷をたどり,生命の出現と生物の変遷は地球環境の変化とかかわっていること及び生物は遺伝という共通の性質をもち,親の形質を子に伝えていることについて理解させる。
ア 地球の移り変わり
(ア) 惑星としての地球
他の惑星との比較において,生命を生み出す条件を備えた地球の特徴について理解させる。
(イ) 地球の変動
プレートの動きによる世界の大山脈の形成などの大地の変動について理解させる。
イ 生物の移り変わり
(ア) 生物の変遷
地球上の光合成生物の誕生から生物が陸上に進出し現在の生物に至るまでの変遷について理解させる。
(イ) 遺伝の規則性
生物には親から子へ形質を伝える遺伝現象があり,そこには遺伝子の存在という共通性があることを理解させる。
(3) 多様な生物と自然のつり合い
地球上の様々な自然環境は,変化するとともに,その過程で平衡が保たれ,そこで多様な生物が生活していることについて理解させる。
ア 地表の姿と大気
(ア) 多様な景観
現在の地球上の陸地,島弧,海洋底などの景観の特徴とその成因について理解させる。
(イ) 大気と水の循環
地球規模の大気と水の循環や運動について理解させ,地球上では熱の移動が行われ,熱的平衡が保たれていることを認識させる。
イ 生物と環境
(ア) 生物の多様性
地球には多様な生物が存在していること及びそれらの生活の多様性について理解させる。
(イ) 生物と環境とのかかわり
生物とそれを取り巻く環境は種々の生態系としてとらえることができること及び生態系における生物と環境とのかかわりを理解させる。
(4) 人間の活動と地球環境の変化
生物とそれを取り巻く環境の現状と課題について考察させ,人間と地球環境とのかかわりについて探究させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校理科との関連を十分考慮するとともに,日常生活と関連付けて身近な自然の事物・現象についての理解を無理なく行わせ,科学的な見方や考え方を育成すること。
イ 内容の(1)については,内容の(2)から(4)までの事項と関連を図り,具体的な事例を取り上げて扱うこと。また,内容の(2)から(4)までの中で扱うこともできること。指導に当たっては,適宜コンピュータなどの活用を図ること。
ウ 内容の(2)から(4)までについては,各項目を有機的に関連付けて自然を総合的にとらえられるようにすること。
エ 内容の(4)については,内容の(1)から(3)までの学習を踏まえ,課題を適宜設けて探究させ,報告書にまとめたり,発表を行わせたりすること。
(2) 内容の程度や範囲については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,大地の変動,大気と水の循環,生態系などに関連した身近な自然の事物・現象の中から適宜事例を取り上げ,観察,実験などを基にして扱うこと。
イについては,具体的な課題を取り上げ,観察,実験,野外観察,調査などを中心に扱うこと。その際,得られた数値の処理の仕方やグラフの表し方及び野外観察の記録の取り方や整理の仕方などにも簡単に触れること。
イ 内容の(2)のアの(ア)については,地球の表面の様子を太陽系の他の惑星の表面の様子と比較して扱うとともに,生命を生み出した条件としての大気や水の存在などの地球の特徴を扱うこと。また,地球誕生時の大気,水,大地の様子や生命の化学進化について扱うが,地球の誕生については簡単に触れるにとどめること。(イ)については,プレートの動きによる大地の変動を平易に扱うこと。その際,世界の大山脈の形成など典型的な事例を取り上げ,それに関連して,褶曲や断層,不整合にも触れること。プレートの移動の原因については深入りしないこと。
イの(ア)については,生物の変遷の羅列的な扱いはしないこと。また,大気の組成の変化と生命活動との相互のかかわりについても扱うこと。光合成生物の出現と関連し,太陽放射エネルギーについても扱い,その際,光の種類と性質にも触れること。(イ)についてはメンデルの法則のうち,優性の法則と分離の法則を扱うが,遺伝子については遺伝子の本体がDNAであることを指摘する程度にとどめること。
ウ 内容の(3)のアの(ア)については,火山,山脈,河川,海岸などの陸地,島弧,海溝や海嶺などの海洋底の景観の特徴を扱い,その成因については,太陽放射エネルギーと地球内部のエネルギーとの関連において平易に扱うこと。その際,羅列的な扱いはしないこと。(イ)については,地球規模の大気と水の循環や運動を扱い,日本付近の大気の動きと気象の変化との関連にも触れること。また,水や空気の性質,水が二酸化炭素とともに地球の温度を一定に保っていることも扱うこと。
イの(ア)については,地球には様々な動物や植物が存在すること及びそれらがそれぞれの環境の下で多様な生活の仕方をしていることを具体的な例を通して扱うこと。その際,無脊椎動物及び種子をつくらない植物を含めて扱うこと。(イ)については,地球上の生物とそれを取り巻く環境との関係が,陸上や水中のそれぞれに特徴的な生態系としてとらえられることを扱い,食物網については簡単な扱いにとどめること。その際,生態系における炭素,窒素の循環やエネルギーの流れも扱うこと。また,人間も構成要素として含め,地球そのものが一つの大きな生態系とみなせることも扱うこと。
エ 内容の(4)については,生徒の興味・関心等に応じて,水や大気の汚染,植物の遷移現象,地球温暖化など生物とそれを取り巻く環境に関する身近な課題を取り上げ,人間と環境とのかかわり,地球環境を保全することの重要性などを平易に扱うこと。
第4 物理[Roman1 ]
1 目標
物理的な事物・現象についての観察,実験などを行い,自然に対する関心や探究心を高め,物理学的に探究する能力と態度を育てるとともに基本的な概念や原理・法則を理解させ,科学的な自然観を育成する。
2 内容
(1) 電気
生活の中で用いられている電気や磁気の性質を観察,実験などを通して探究し,それらへの関心を高めるとともに,基本的な概念や法則を理解させ,電気の性質と日常生活とのかかわりについて認識させる。
ア 生活の中の電気
(ア) 電気と生活
(イ) モーターと発電機
(ウ) 交流と電波
イ 電気に関する探究活動
(2) 波
地震波,水波,光,音などいろいろな波について共通の性質を観察,実験などを通して探究し,波動現象についての基本的な概念や法則を理解させるとともに,それらを日常生活と関連付けて考察できるようにする。
ア いろいろな波
イ 音と光
(ア) 音の伝わり方
(イ) 音の干渉と共鳴
(ウ) 光の伝わり方
(エ) 光の回折と干渉
ウ 波に関する探究活動
(3) 運動とエネルギー
日常に起こる物体の運動や様々なエネルギーの現象を観察,実験などを通して探究し,それらの基本的な概念や法則を理解させ,運動とエネルギーについての基礎的な見方や考え方を身に付けさせる。
ア 物体の運動
(ア) 日常に起こる物体の運動
(イ) 運動の表し方
(ウ) 運動の法則
イ エネルギー
(ア) エネルギーの測り方
(イ) 運動エネルギーと位置エネルギー
(ウ) 熱と温度
(エ) 電気とエネルギー
(オ) エネルギーの変換と保存
ウ 運動とエネルギーに関する探究活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校理科との関連を考慮しながら,物理学の基本的な概念の形成を図るとともに,物理学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 「探究活動」においては,各項目の学習活動と関連させながら観察,実験を行い,創意ある報告書の作成や発表を行わせること。また,それらを通して,仮説の設定,実験の計画,実験による検証,実験データの分析・解釈,法則性の発見など探究の方法を習得させること。その際,適宜コンピュータなどの活用を図ること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,観察や実験を中心に扱うこと。(ア)については,人間生活と電気とのかかわりを扱うこと。(イ)については,身近なモーターや発電機を取り上げ,その原理などを扱うこと。(ウ)については,家庭で使用されている電気が交流の電気であることや情報通信に電波を利用していることなど,身近に使われている電気や電波の性質などを扱うこと。また,放電現象にも簡単に触れること。
イ 内容の(2)のアについては,身の回りの波動現象について観察,実験を中心に扱うこと。その際,縦波や横波にも簡単に触れること。イの(ア)については,ドップラー効果の扱いは初歩的な程度にとどめること。(ウ)については,光の速さ,反射及び屈折を扱い,レンズの幾何光学的な性質に触れる場合は,初歩的な程度にとどめること。(エ)については,実験を中心に扱い,光は横波であることや光のスペクトルにも触れること。
ウ 内容の(3)のアの(ア)については,空気抵抗や摩擦のある運動の観察を中心に扱うこと。また,水中での運動については,水圧や浮力にも簡単に触れること。(イ)及び(ウ)については,直線運動を中心に扱うこと。(イ)については,力の合成・分解,力のつり合い,摩擦力,弾性力にも簡単に触れること。慣性モーメントは扱わないこと。(ウ)については,質量と重さの違い及び放物運動も扱い,物体に働く力にも触れること。その際,空気の抵抗は定性的に扱うこと。イの(ア)については,仕事率も扱うこと。(イ)については,弾性エネルギー及び力学的エネルギーの保存にも触れること。(ウ)については,分子運動と温度の関係を定性的に扱い,比熱及び内部エネルギーにも触れること。(エ)については,ジュール熱を中心に,電界中の電荷の移動とエネルギーの関係を扱う程度にとどめること。(オ)については,熱現象における不可逆変化にも触れること。
第5 物理[Roman2 ]
1 目標
物理的な事物・現象についての観察,実験や課題研究などを行い,自然に対する関心や探究心を高め,物理学的に探究する能力と態度を育てるとともに基本的な概念や原理・法則の理解を深め,科学的な自然観を育成する。
2 内容
(1) 力と運動
運動とエネルギーについての基礎的な見方や考え方に基づき,物体の運動を観察,実験などを通して探究し,力と運動に関する概念や原理・法則を系統的に理解させ,それらを応用できるようにする。
ア 物体の運動
(ア) 平面上の運動
(イ) 運動量と力積
イ 円運動と万有引力
(ア) 円運動と単振動
(イ) 万有引力による運動
(2) 電気と磁気
電気や磁気に関する現象を観察,実験などを通して探究し,電気や磁気に関する基本的な概念や原理・法則を系統的に理解させ,それらを様々な電磁気現象に応用して考察できるようにする。
ア 電界と磁界
(ア) 電荷と電界
(イ) 電流による磁界
イ 電磁誘導と電磁波
(ア) 電磁誘導
(イ) 電磁波
(3) 物質と原子
物質と原子に関する現象を観察,実験などを通して探究し,物質の物理的な性質が原子や分子などの運動によってもたらされることを理解させ,固体の性質を電子の状態と関連付けて考察できるようにする。
ア 原子,分子の運動
(ア) 物質の三態
(イ) 分子の運動と圧力
イ 原子,電子と物質の性質
(ア) 原子と電子
(イ) 固体の性質と電子
(4) 原子と原子核
光や電子の波動性と粒子性,原子や原子核,素粒子における現象を観察,実験などを通して探究し,量子的な考えなど基本的な概念や原理・法則を理解させる。
ア 原子の構造
(ア) 粒子性と波動性
(イ) 量子論と原子の構造
イ 原子核と素粒子
(ア) 原子核
(イ) 素粒子と宇宙
(5) 課題研究
物理についての応用的,発展的な課題を設定し,観察,実験などを通して研究を行い,物理学的に探究する方法や問題解決の能力を身に付けさせる。
ア 特定の物理的事象に関する研究
イ 物理学を発展させた実験に関する研究
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 「物理[Roman1 ]」との関連を考慮しながら,物理学の基本的な概念の形成を図るとともに,物理学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 内容の(1)から(5)までのうち,(1),(2)及び(5)についてはすべての生徒に履修させること。(3)及び(4)については生徒の興味・関心等に応じていずれかを選択することができること。
ウ 内容の(5)については,ア及びイの中から一つ以上の適当な課題を設けて適切な時期に研究を行うものとし,創意ある研究報告書の作成や研究発表を行わせること。研究を行うに当たっては,仮説の設定,実験の計画,実験による検証,実験データの分析・解釈,法則性の発見など探究の方法を習得させること。その際,解決すべき課題についての情報の検索,計測・制御,結果の集計・処理などに,適宜コンピュータなどを活用させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)については,運動の記述と運動の法則を扱うこと。(イ)については,運動量の保存も扱うこと。
イ 内容の(2)のアの(ア)については,コンデンサーの基本的な性質にも触れること。(イ)については,直線電流及び円電流による磁界を中心に扱うこと。また,ローレンツ力にも触れること。イの(ア)については,電磁誘導の法則を中心に扱い,交流回路については定性的に扱うにとどめること。(イ)については,実験を中心に扱うこと。
ウ 内容の(3)のアの(ア)については,物質の状態変化を扱う際に,熱膨張にも触れること。(イ)については,理想気体の状態方程式及び分子運動と絶対温度の関係を扱うこと。また,モル比熱を扱う場合は単原子分子にとどめること。イの(ア)については,電子の波動性も簡単に扱うこと。(イ)については,物質中の電子の状態によって,導体,不導体,半導体などがあることを扱うこと。
エ 内容の(4)のアの(イ)については,水素原子の構造を中心にスペクトルと関連させて扱うこと。イの(ア)については,放射線及び原子力の利用とその安全性の問題にも触れること。(イ)については,素粒子を中心に扱い,宇宙については,素粒子の研究が宇宙の始まりの研究と結び付いてきたことに簡単に触れる程度とすること。
オ 内容の(5)については,内容の(1)から(4)まで及び「物理[Roman1 ]」と関連させて扱うこと。イについては,物理学の歴史における著名な実験などを行い,原理・法則の確立の経緯とも関連付けて扱うこと。
第6 化学[Roman1 ]
1 目標
化学的な事物・現象についての観察,実験などを行い,自然に対する関心や探究心を高め,化学的に探究する能力と態度を育てるとともに基本的な概念や原理・法則を理解させ,科学的な自然観を育成する。
2 内容
(1) 物質の構成
化学の役割や物質の扱い方を理解させるとともに,物質に対する関心を高め,物質を探究する方法を身に付けさせる。また,物質の構成粒子を観察,実験などを通して探究し,基本的な概念を理解させ,物質について微視的な見方ができるようにする。
ア 物質と人間生活
(ア) 化学とその役割
(イ) 物質の探究
イ 物質の構成粒子
(ア) 原子,分子,イオン
(イ) 物質量
ウ 物質の構成に関する探究活動
(2) 物質の種類と性質
無機物質と有機化合物の性質や変化を観察,実験などを通して探究し,物質に関する基本的な概念や法則を理解させるとともに,それらを日常生活と関連付けて考察できるようにする。
ア 無機物質
(ア) 単体
(イ) 化合物
イ 有機化合物
(ア) 炭化水素
(イ) 官能基を含む化合物
ウ 物質の種類と性質に関する探究活動
(3) 物質の変化
反応熱,酸と塩基の反応,酸化還元反応を観察,実験などを通して探究し,基本的な概念や法則を理解させるとともに,化学反応をエネルギーの出入りと関連付けて考察できるようにする。
ア 化学反応
(ア) 反応熱
(イ) 酸・塩基,中和
(ウ) 酸化と還元
イ 物質の変化に関する探究活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校理科との関連を考慮しながら,化学の基本的な概念の形成を図るとともに,化学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 「探究活動」においては,各項目の学習活動と関連させながら観察,実験を行い,創意ある報告書の作成や発表を行わせること。また,それらを通して,仮説の設定,実験の計画,実験による検証,実験データの分析・解釈など探究の方法を習得させること。その際,適宜コンピュータなどの活用を図ること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)については,化学の成果が人間生活を豊かにしたことを具体例を通して扱うこと。その際,有害な物質については適切な管理が必要であることにも触れること。(イ)については,物質の分離・精製の方法や物質の確認の反応などの基本操作を扱うこと。イの(ア)については,原子は電子と原子核から成り立っていることを扱い,電子配置は周期表の第3周期までの元素及びアルカリ金属,ハロゲン,希ガス元素を対象とする程度にとどめること。また,イオンや分子の形成について簡単に扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,第3周期までの元素や日常生活とかかわりの深い元素が関係する物質及びイオンを中心に扱うが,羅列的な扱いはしないこと。金属イオンの系統的分離は扱わないこと。代表的な無機物質については,化学工業との関連にも触れること。イの(ア)については,炭素,水素の2種類の元素からなる代表的な化合物の構造や性質を扱うが,個々の化合物の羅列的な扱いはしないこと。(イ)については,酸素及び窒素を含む官能基をもつ代表的な有機化合物を扱うが,羅列的な扱いはしないこと。油脂のケン化価及びヨウ素価は扱わないこと。また,配座異性体は扱わないこと。高分子化合物については,日常生活と特に関連の深いものについて,反応や構造に関係ある箇所で扱うこと。
ウ 内容の(3)のアの(ア)については,熱化学方程式を中心に扱うこと。(イ)については,酸・塩基の強弱は定性的な扱いにとどめ,pHは測定実験を中心に扱うこと。(ウ)については,電子の授受による反応を中心に扱うこと。また,代表的な酸化剤,還元剤にも触れるが,その強弱は定性的な扱いにとどめること。
第7 化学[Roman2 ]
1 目標
化学的な事物・現象についての観察,実験や課題研究などを行い,自然に対する関心や探究心を高め,化学的に探究する能力と態度を育てるとともに基本的な概念や原理・法則の理解を深め,科学的な自然観を育成する。
2 内容
(1) 物質の構造と化学平衡
気体,液体,固体の性質を観察,実験などを通して探究し,化学結合の概念や物質の構造を理解させる。また,反応速度と化学平衡を観察,実験などを通して探究し,化学反応を平衡と関連付けて理解させる。
ア 物質の構造
(ア) 化学結合
(イ) 気体の法則
(ウ) 液体と固体
イ 化学平衡
(ア) 反応速度
(イ) 化学平衡
(2) 生活と物質
日常生活と関係の深い食品や衣料,プラスチック,金属,セラミックスを観察,実験などを通して探究し,それらの性質や反応を理解させ,身の回りの物質について科学的な見方ができるようにする。
ア 食品と衣料の化学
(ア) 食品
(イ) 衣料
イ 材料の化学
(ア) プラスチック
(イ) 金属,セラミックス
(3) 生命と物質
生命体を構成する物質,生命現象と関係する化学反応,医薬品や肥料を観察,実験などを通して探究し,それらの性質や利用について理解させ,化学の成果が日常生活に役立っていることを認識させる。
ア 生命の化学
(ア) 生命体を構成する物質
(イ) 生命を維持する化学反応
イ 薬品の化学
(ア) 医薬品
(イ) 肥料
(4) 課題研究
化学についての応用的,発展的な課題を設定し,観察,実験などを通して研究を行い,化学的に探究する方法や問題解決の能力を身に付けさせる。
ア 特定の化学的事象に関する研究
イ 化学を発展させた実験に関する研究
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 「化学[Roman1 ]」との関連を考慮しながら,化学の基本的な概念の形成を図るとともに,化学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 内容の(1)から(4)までのうち,(1)及び(4)についてはすべての生徒に履修させること。(2)及び(3)については生徒の興味・関心等に応じていずれかを選択することができること。
ウ 内容の(4)については,ア及びイの中から一つ以上の適当な課題を設けて適切な時期に研究を行うものとし,創意ある研究報告書の作成や研究発表を行わせること。研究を行うに当たっては,仮説の設定,実験の計画,実験による検証,実験データの分析・解釈,推論など探究の方法を習得させること。その際,解決すべき課題についての情報の検索,計測・制御,結果の集計・処理などに,適宜コンピュータなどを活用させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)については,電気陰性度は,水素,炭素,窒素,酸素,ハロゲンの大小関係を示す程度にとどめること。(イ)については,理想気体の状態方程式を中心に気体の共通な性質を扱うこと。気体の分子運動論については定量的な扱いはしないこと。気体の分圧については,混合気体の全圧との関係で扱い,圧力の単位にはPa(パスカル)を用いること。(ウ)については,物質が分子の熱運動により三態変化することを扱うこと。結晶については,原子,分子又はイオンの配列を扱うにとどめること。溶液について沸点上昇,凝固点降下,浸透圧を扱う場合は定量的な扱いはしないこと。
イの(ア)については,化学反応の速度が濃度,温度,触媒などの影響を受けることを代表的な事例を通して定性的に扱うこと。触媒についてはごく簡単に扱うこと。(イ)については,平衡定数は,弱酸や弱塩基のごく簡単な系を扱うにとどめること。また,水のイオン積にも触れること。化学平衡の移動については,ルシャトリエの原理を中心に扱うこと。
イ 内容の(2)のアの(ア)については,食品中の主な成分の構造や性質,反応を扱うこと。(イ)については,代表的な天然繊維及び合成繊維の構造,性質,合成及び用途を扱うこと。染料や洗剤にも簡単に触れること。イの(ア)については,代表的なプラスチックの構造,性質,合成及び用途を扱い,燃焼にかかわる安全性にも触れること。(イ)の金属については,腐食の難易やその防止にも触れること。
ウ 内容の(3)のアの(ア)については,生命体を構成する基本的な物質の構造と性質を扱うこと。(イ)については,生命体内に摂取された物質の分解や再合成,エネルギーを得る反応などを取り上げ,それらが化学反応であることを扱うこと。その際,酵素については,化学反応に関与するタンパク質であることに触れる程度とし,羅列的な扱いはしないこと。イの(ア)については,薬理作用をもつ基本的な物質の性質や構造を扱うが,羅列的な扱いはしないこと。(イ)については,植物の成長に必要な元素の作用及び化学肥料の合成や性質を扱うこと。
エ 内容の(4)については,内容の(1)から(3)まで及び「化学[Roman1 ]」と関連させて扱うこと。イについては,化学の歴史における著名な実験などを行い,原理・法則の確立の経緯とも関連付けて扱うこと。
第8 生物[Roman1 ]
1 目標
生物や生物現象についての観察,実験などを行い,自然に対する関心や探究心を高め,生物学的に探究する能力と態度を育てるとともに基本的な概念や原理・法則を理解させ,科学的な自然観を育成する。
2 内容
(1) 生命の連続性
細胞,生殖と発生及び遺伝について観察,実験などを通して探究し,生物体の成り立ちと種族の維持の仕組みについて理解させ,生命の連続性についての見方や考え方を身に付けさせる。
ア 細胞
(ア) 細胞の機能と構造
(イ) 細胞の増殖と生物体の構造
イ 生殖と発生
(ア) 生殖細胞の形成と受精
(イ) 発生とその仕組み
ウ 遺伝
(ア) 遺伝の法則
(イ) 遺伝子と染色体
エ 生命の連続性に関する探究活動
(2) 環境と生物の反応
環境と生物の反応の間に見られる仕組みを観察,実験などを通して探究し,生物は,個体として外部環境の変化に対応して,安定した内部環境を維持したり,成長や器官の分化を調節したりすることを理解させる。
ア 環境と動物の反応
(ア) 体液とその恒常性
(イ) 刺激の受容と反応
イ 環境と植物の反応
(ア) 植物の生活と環境
(イ) 植物の反応と調節
ウ 環境と生物の反応に関する探究活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校理科との関連を考慮しながら,生物学の基本的な概念の形成を図るとともに,生物学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 「探究活動」においては,各項目の学習活動と関連させながら観察,実験を行い,創意ある報告書の作成や発表を行わせること。また,それらを通して,仮説の設定,実験の計画,情報の収集,調査,対照実験,データの解釈など探究の方法を習得させること。その際,適宜コンピュータなどの活用を図ること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)については,細胞への物質の出入りや酵素も扱うこと。酵素については,酵素が細胞内や細胞外で作用することにより,生物現象を維持していることに触れる程度にとどめること。また,原核細胞の構造にも簡単に触れること。(イ)については,体細胞分裂によって様々な機能をもつ組織や器官をつくることにも触れるが,基本的な事項にとどめ,羅列的な扱いはしないこと。イの(ア)については,有性生殖を中心に扱い,生活環は扱わないこと。(イ)については,卵割や発生様式の羅列的な扱いはしないこと。発生の仕組みを扱うに当たっては,探究の過程に重点を置き,平易に扱うこと。分化についての分子生物学的な扱いはしないこと。ウの(ア)については,遺伝子の相互作用も扱うが,代表的な二つ又は三つの例にとどめること。(イ)については,遺伝子の連鎖と組換えも扱うが,二重乗換えには触れないこと。また,DNAの構造については二重らせん構造に触れる程度にとどめること。
イ 内容の(2)のアの(ア)については,体液の働きとその循環に触れ,恒常性の維持の原理についても代表的な例に基づいて扱うこと。生体防御については,平易に扱うこと。その際,人の健康との関連にも簡単に触れること。(イ)については,受容器は代表的な一つ又は二つの例を中心に扱うこと。神経の興奮については初歩的な事項にとどめ,その仕組みは扱わないこと。脳を扱う場合,つくりについては深入りしないこと。動物の行動を扱う場合は一つ又は二つの例に基づいて,行動の発現する仕組みを扱うこと。イの(ア)については,水分の吸収,移動や光合成等と環境との関係を扱うが,光合成の仕組みは扱わないこと。(イ)については,植物の発芽,成長,花芽形成等と環境との関係について探究の過程を重視して扱うこと。
第9 生物[Roman2 ]
1 目標
生物や生物現象についての観察,実験や課題研究などを行い,自然に対する関心や探究心を高め,生物学的に探究する能力や態度を育てるとともに基本的な概念や原理・法則の理解を深め,科学的な自然観を育成する。
2 内容
(1) 生物現象と物質
生物体内の化学変化やエネルギー変換,様々な生物現象を支えるタンパク質や核酸などの働きを観察,実験などを通して探究し,生命を維持する共通の原理を理解させ,生物現象を分子レベルでとらえることができるようにする。
ア タンパク質と生物体の機能
(ア) 生物体内の化学反応と酵素
(イ) 同化と異化
(ウ) タンパク質の機能
イ 遺伝情報とその発現
(ア) 遺伝情報とタンパク質の合成
(イ) 形質発現の調節と形態形成
(ウ) バイオテクノロジー
(2) 生物の分類と進化
生物の分類と系統及び進化の過程とその仕組みを観察,実験などを通して探究し,生物界の多様性と歴史的変遷を理解させ,分類と進化についての見方や考え方を身に付けさせる。
ア 生物の分類と系統
(ア) 生物の分類
(イ) 生物の系統
イ 生物の進化
(ア) 生物界の変遷
(イ) 進化の仕組み
(3) 生物の集団
個体群の構造と維持,生物群集と生態系について観察,実験などを通して探究し,生物を集団のレベルでとらえて生物と環境とのかかわりについて理解させ,自然界における生物集団についての見方や考え方を身に付けさせる。
ア 個体群の構造と維持
(ア) 個体群の維持と適応
(イ) 物質生産と植物の生活
イ 生物群集と生態系
(ア) 生物群集の維持と変化
(イ) 生態系とその平衡
(4) 課題研究
生物についての発展的,継続的な課題を設定し,観察,実験などを通して研究を行い,生物学的に探究する方法や問題解決の能力を身に付けさせる。
ア 特定の生物や生物現象に関する研究
イ 自然環境についての調査
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 「生物[Roman1 ]」との関連を考慮しながら,生物学の基本的な概念の形成を図るとともに,生物学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 内容の(1)から(4)までのうち,(1)及び(4)についてはすべての生徒に履修させること。(2)及び(3)については生徒の興味・関心等に応じていずれかを選択することができること。
ウ 内容の(4)については,ア及びイの中から一つ以上の適当な課題を設けて適切な時期に研究を行うものとし,創意ある研究報告書の作成や研究発表を行わせること。研究を行うに当たっては,課題や仮説の設定,実験の計画,情報の収集,対照実験,調査,測定,数的処理,分類,データの解釈,推論など探究の方法を習得させること。その際,解決すべき課題についての情報の収集・検索,結果の集計・処理などに,適宜コンピュータなどを活用させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)については,代謝を理解するために必要な最小限の化学の基礎知識に触れること。(イ)については,同化と異化の例として光合成や呼吸などの仕組みを扱うが,反応系の物質の羅列的な扱いはしないこと。(ウ)については,免疫や筋収縮,細胞間情報伝達などをタンパク質の機能の観点から平易に扱うこと。イの(ア)については,遺伝情報,遺伝子の複製,タンパク質の合成などを核酸の構造に基づいて平易に扱うこと。その際,DNAやRNAの分子構造は,模式的に示す程度にとどめること。(イ)については,形質発現の調節,細胞の分化や形態形成の仕組みの初歩的な事項を扱うこと。(ウ)については,遺伝子操作や細胞融合などの例を通して平易に扱うこと。
イ 内容の(2)のアの(ア)については,分類の基準を理解する上で必要な程度にとどめ,各分類群の羅列的な扱いはしないこと。(イ)については,多様な生物が存在することについて,それらの系統関係を探究的に考察する過程を重視して扱うこと。イの(ア)については,生命の起源及び進化の過程の概要を扱うこと。(イ)については,生物の変異,進化の証拠やその要因などを扱うが,集団遺伝については初歩的な事項にとどめること。進化説については代表的なものを中心に扱うこと。
ウ 内容の(3)のアの(ア)については,個体群の成長の様式や個体群が様々な環境に適応して維持される仕組みなどについて,基本的な事項を中心に平易に扱うこと。(イ)については,光合成による植物の物質生産と植物の形態や生活との関連などを,代表的な例を通して扱うこと。イの(ア)については,生物群集内での個体群間の相互作用,植物群落の遷移や生態分布などを扱うこと。(イ)については,食物網や物質循環・エネルギーの流れなどについてそれぞれ代表的な例を通して扱うこと。環境の保全については,羅列的な扱いはしないこと。
エ 内容の(4)については,内容の(1)から(3)まで及び「生物[Roman1 ]」と関連させて扱うこと。イについては,野外の生物に関する調査・研究などを行うこと。
第10 地学[Roman1 ]
1 目標
地学的な事物・現象についての観察,実験などを行い,自然に対する関心や探究心を高め,地学的に探究する能力と態度を育てるとともに基本的な概念や原理・法則を理解させ,科学的な自然観を育成する。
2 内容
(1) 地球の構成
惑星としての地球の特徴及び地球表層や内部に見られる地学的事象を観察,実験などを通して探究し,地球表層や内部を相互に関連させ,地球の歴史の経過の中でとらえることができるようにする。
ア 地球の概観
(ア) 太陽系の中の地球
(イ) 地球の形状と活動
イ 地球の内部
(ア) 地球の内部構造と構成物質
(イ) 火山と地震
ウ 地球の歴史
(ア) 野外観察と地形・地質
(イ) 地層の形成と地殻変動
(ウ) 化石と地質時代
エ 地球の構成に関する探究活動
(2) 大気・海洋と宇宙の構成
地球の大気圏及び水圏での現象を観察,実験などを通して探究し,それらが太陽放射エネルギーを原動力としていることを理解させる。また,太陽や恒星の活動を観察,実験などを通して探究し,宇宙の構造や広がりを理解させる。
ア 大気と海洋
(ア) 大気の熱収支と大気の運動
(イ) 海水の運動
イ 宇宙の構成
(ア) 太陽の形状と活動
(イ) 恒星の性質と進化
(ウ) 銀河系と宇宙
ウ 大気・海洋と宇宙の構成に関する探究活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校理科との関連を考慮しながら,地学の基本的な概念の形成を図るとともに,地学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 「探究活動」においては,各項目の学習活動と関連させながら観察,実験を行い,創意ある報告書の作成や発表を行わせること。また,それらを通して,仮説の設定,実験の計画,情報の収集,野外観察,調査,データの解釈,推論など探究の方法を習得させること。その際,適宜コンピュータなどの活用を図ること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,重力及び地磁気についての詳細な扱いはしないこと。(ア)については,地球の誕生及び地球,惑星,月の表面の様子や大きさなどの特徴を扱うこと。また,地球における生物の生存要因にも触れること。太陽系の構造に関連してケプラーの法則も扱うこと。(イ)については,地球表層の形成と活動を中心に平易に扱うこと。イの(ア)については,プレートの概念も扱い,マントル内部の運動にも簡単に触れること。構成物質については,岩石を中心に扱い,鉱物については主要なものにとどめること。結晶系は扱わないこと。(イ)については,地震及び火山活動をプレートの運動と関連させて扱うこと。地球内部のエネルギー源については深入りしないこと。ウの(ア)については,地形と露頭の観察を中心に扱い,地質図については初歩的な事項にとどめること。(イ)については,岩石の相互関係や変形,現在及び地質時代の地殻の変動を中心に扱うこと。(ウ)については,地質時代が生物界の変遷に基づいて区分されることを中心に扱い,ヒトの進化にも触れるが,古生物の羅列的な扱いはしないこと。放射年代にも触れるが,詳細な扱いはしないこと。
イ 内容の(2)のアについては,大気及び海洋の運動が太陽放射エネルギーを原動力として起きていることを地球規模で扱うこと。(ア)については,緯度による受熱量の違いによって大気の大循環が生じていることを中心に扱い,日本の四季の気象も扱うこと。また,オゾン層の破壊などの地球環境問題にも触れること。偏西風波動については深入りしないこと。大気圏の層構造,大気中の水,風の吹き方も扱うが,転向力については定量的な扱いはしないこと。(イ)については,海洋の層構造と大循環及び海流を扱うこと。また,エルニーニョ現象など大気と海洋の相互作用を平易に扱うこと。潮汐は扱わないこと。イの(ア)については,エネルギー源としての核融合を扱うが,概略にとどめること。(イ)については恒星のHR図を中心に扱い,恒星の性質や進化については定性的な扱いにとどめること。(ウ)については,銀河系の構造を中心に扱い,宇宙の膨張については定量的な扱いはしないこと。
第11 地学[Roman2 ]
1 目標
地学的な事物・現象についての観察,実験や課題研究などを行い,自然に対する関心や探究心を高め,地学的に探究する能力と態度を育てるとともに基本的な概念や原理・法則の理解を深め,科学的な自然観を育成する。
2 内容
(1) 地球の探究
プレートの動きや地殻の変化を観察,実験などを通して探究し,現在の地球の変動の様子,地球の進化や日本列島の変遷を理解させ,地球を動的にとらえることができるようにする。
ア プレートの動きと地殻の変化
(ア) プレートの動き
(イ) 大地形の形成
イ 日本列島の変遷
(ア) 島弧としての日本列島
(イ) 日本列島の地史
(2) 地球表層の探究
地球の重力や地磁気及び大気と海洋の現象を観察,実験などを通して探究し,大気と海洋の運動の基本的原理や観測方法を理解させ,地球表層の環境についての見方や考え方を身に付けさせる。
ア 地球の観測
(ア) 重力と地磁気
(イ) 気象と海洋の観測
イ 大気と海洋の現象
(ア) 気象と気候
(イ) 海洋の現象
(3) 宇宙の探究
天体の放射や宇宙に関する現象を観察,実験などを通して探究し,宇宙の広がりや観測方法を理解させ,宇宙の構造と進化についての見方や考え方を身に付けさせる。
ア 天体の観測
(ア) 天体の放射
(イ) 天体の様々な観測
イ 宇宙の広がり
(ア) 天体の距離と質量
(イ) 宇宙の構造
(4) 課題研究
地学についての発展的,継続的な課題を設定し,観察,実験などを通して研究を行い,地学的に探究する方法や問題解決の能力を身に付けさせる。
ア 特定の地学的事象に関する研究
イ 自然環境についての調査
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 「地学[Roman1 ]」との関連を考慮しながら,地学の基本的な概念の形成を図るとともに,地学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 内容の(1)から(4)までのうち,(4)についてはすべての生徒に履修させること。(1),(2)及び(3)については生徒の興味・関心等に応じていずれか二つを選択することができること。
ウ 内容の(4)については,ア及びイの中から一つ以上の適当な課題を設けて適切な時期に研究を行うものとし,創意ある研究報告書の作成や研究発表を行わせること。研究を行うに当たっては,課題や仮説の設定,実験の計画,情報の収集,野外観察,調査,数的処理,分類,データの解釈,推論など探究の方法を習得させること。その際,解決すべき課題についての情報の収集・検索,結果の集計・処理などに,適宜コンピュータなどを活用させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)については,海洋プレートの生成・移動・消滅を中心に扱うこと。(イ)については,プレート境界の種類と大地形の関係,大陸地殻の成長を中心に扱うこと。イの(ア)については,日本列島の地質構造や火山・地震に見られる特徴を,日本付近のプレート境界と関連させて扱うこと。その際,地殻熱流量にも触れること。(イ)については,古環境の変遷も扱うこと。
イ 内容の(2)のアの(ア)については,ジオイド,重力異常,地磁気の成因にも触れるが,詳細な扱いはしないこと。(イ)については,人工衛星などから得られる情報の活用も図ること。また,高層天気図も扱い,高層大気の流れと地上の天気変化との関連にも触れること。イの(ア)については,偏西風帯の気象を中心に,気候の形成を地球規模で扱い,気候の形成に対する海洋の働きにも触れること。水の循環に関連して陸水にも触れること。(イ)については,津波も扱うこと。海洋の現象の羅列的な扱いはしないこと。
ウ 内容の(3)のアの(ア)については,恒星の放射を中心に扱うこと。(イ)については,電磁波に対する大気の影響を扱うこと。また,各波長における観測法を扱い,それにより得られる情報の活用も図ること。イの(ア)については,近距離の測定から遠距離の測定までを扱うが,羅列的な扱いはしないこと。また,銀河系の回転運動と質量との関連に簡単に触れること。(イ)については,銀河の分類と宇宙の膨張を扱い,ハッブルの法則にも触れること。
エ 内容の(4)については,内容の(1)から(3)まで及び「地学[Roman1 ]」と関連させて扱うこと。イについては,自然環境に関する地学的調査を行うこと。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,「物理[Roman2 ]」,「化学[Roman2 ]」,「生物[Roman2 ]」及び「地学[Roman2 ]」の各科目については,原則として,それぞれに対応する[Roman1 ]を付した科目を履修した後に履修させるものとする。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 観察,実験,野外観察,調査などの指導に当たっては,特に事故防止について十分留意するとともに,生命の尊重や自然環境の保全に関する態度の育成に留意すること。また,使用薬品などの管理及び廃棄についても適切な措置を講ずること。
(2) 環境問題や科学技術の進歩と人間生活にかかわる内容等については,自然科学的な見地から取り扱うこと。
(3) 各科目の指導に当たっては,観察,実験の過程での情報の収集・検索,計測・制御,結果の集計・処理などにおいて,コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的に活用すること。
第6節 保健体育
第1款 目標
心と体を一体としてとらえ,健康・安全や運動についての理解と運動の合理的な実践を通して,生涯にわたって計画的に運動に親しむ資質や能力を育てるとともに,健康の保持増進のための実践力の育成と体力の向上を図り,明るく豊かで活力ある生活を営む態度を育てる。
第2款 各科目
第1 体育
1 目標
各種の運動の合理的な実践を通して,運動技能を高め運動の楽しさや喜びを深く味わうことができるようにするとともに,体の調子を整え,体力の向上を図り,公正,協力,責任などの態度を育て,生涯を通じて継続的に運動ができる資質や能力を育てる。
2 内容
A 体つくり運動
(1) 自己の体に関心をもち,自己の体力や生活に応じた課題をもって次の運動を行い,体ほぐしをしたり,体力を高めたりするとともに,これらの運動を生活の中で実践することができるようにする。
ア 体ほぐしの運動
イ 体力を高める運動
(2) 体つくり運動に対する関心や意欲を高めるとともに,互いに協力して運動ができるようにする。
(3) 自己の体力や生活に応じて,体ほぐしの行い方と体力の高め方を実践的に工夫することができるようにする。
B 器械運動
(1) 自己の能力に応じて次の運動の技能を高め,技が円滑にできるようにする。
ア マット運動
イ 鉄棒運動
ウ 平均台運動
エ 跳び箱運動
(2) 互いに協力したり補助したりして練習ができるようにする。また,器械・器具を点検し,安全に留意して練習や発表ができるようにする。
(3) 自己の能力に応じた技を習得するための計画的な練習の仕方や発表の仕方を工夫することができるようにする。
C 陸上競技
(1) 自己の能力に応じて次の運動の技能を高め,競技したり,記録を高めたりすることができるようにする。
ア 競走
イ 跳躍
ウ 投てき
(2) 互いに協力して練習や競技ができるようにするとともに,勝敗に対して公正な態度がとれるようにする。また,練習場などの安全を確かめ,健康・安全に留意して練習や競技ができるようにする。
(3) 自己の能力に応じた課題の解決を目指して,計画的な練習の仕方や競技の仕方を工夫することができるようにする。また,競技会の企画や運営ができるようにする。
D 水泳
(1) 自己の能力に応じて次の運動の技能を高め,速く泳いだり,続けて長く泳いだりすることができるようにする。
ア クロール
イ 平泳ぎ
ウ 背泳ぎ
エ バタフライ
オ 横泳ぎ
(2) 互いに協力して練習ができるようにするとともに,勝敗に対して公正な態度がとれるようにする。また,水泳の事故防止に関する心得を守り,健康・安全に留意して練習や競泳ができるようにする。
(3) 自己の能力に応じた課題の解決を目指して,計画的な練習の仕方や競泳の仕方を工夫することができるようにする。
E 球技
(1) チームの課題や自己の能力に応じて次の運動の技能を高め,作戦を生かした攻防を展開してゲームができるようにする。
ア バスケットボール
イ ハンドボール
ウ サッカー
エ ラグビー
オ バレーボール
カ テニス
キ 卓球
ク バドミントン
ケ ソフトボール
(2) チームにおける自己の役割を自覚して,その責任を果たし,互いに協力して練習やゲームができるようにするとともに,勝敗に対して公正な態度がとれるようにする。また,練習場などの安全を確かめ,健康・安全に留意して練習やゲームができるようにする。
(3) チームの課題や自己の能力に応じた課題の解決を目指して,計画的な練習の仕方やゲームの仕方を工夫することができるようにする。また,競技会の企画や運営ができるようにする。
F 武道
(1) 自己の能力に応じて次の運動の技能を高め,相手の動きに対応した攻防を展開して練習や試合ができるようにする。
ア 柔道
イ 剣道
(2) 伝統的な行動の仕方に留意して,互いに相手を尊重し,練習や試合ができるようにするとともに,勝敗に対して公正な態度がとれるようにする。また,禁じ技を用いないなど安全に留意して練習や試合ができるようにする。
(3) 自己の能力に応じた技を習得するための計画的な練習の仕方や試合の仕方を工夫することができるようにする。
G ダンス
(1) 自己の能力に応じた課題をもって次の運動を行い,感じを込めて踊ったり,みんなで楽しく踊ったりして,交流し,発表することができるようにする。
ア 創作ダンス
イ フォークダンス
ウ 現代的なリズムのダンス
(2) 互いのよさを認め合い,協力して練習したり,交流したり,発表したりすることができるようにする。
(3) グループの課題や自己の能力に応じた課題の解決を目指して,計画的な練習の仕方や発表の仕方を工夫することができるようにする。また,発表交流会の企画や運営ができるようにする。
H 体育理論
(1) 社会の変化とスポーツ
変化する現代社会におけるスポーツの意義や必要性を理解できるようにするとともに,運動にはそれぞれ歴史・文化的に形成された意義,独自の技術・戦術及び規則があることを理解できるようにする。また,個及び集団の状況に応じたスポーツとのかかわり方や豊かなスポーツライフの設計と実践について理解できるようにする。
(2) 運動技能の構造と運動の学び方
運動技能を構造的に理解できるようにするとともに,その上達過程と上達の程度を把握する方法を理解できるようにする。また,自己の能力に応じて運動技能を高めるなど運動に親しむための学び方について理解できるようにする。
(3) 体ほぐしの意義と体力の高め方
自己の体に気付き,体の調子を整えたり,仲間と交流したりする体ほぐしの意義と行い方について理解できるようにする。また,自己の体力や生活に応じて体力を高めるための課題を把握し,トレーニングの方法などその高め方について実践的に理解できるようにする。
3 内容の取扱い
(1) 内容のAからHまでの領域については,次のとおり取り扱うものとする。
ア A及びHについては,各年次においてすべての生徒に履修させること。
イ BからGまでについては,入学年次及びその次の年次においては,これらのうちから三つ又は四つを,それ以降の年次においては,二つから四つを選択して履修できるようにすること。その際,F又はGのいずれかを含むようにすること。
(2) 内容のAからGまでに示す事項については,各年次において次のとおり取り扱うものとする。
ア Aに示す事項については,すべての生徒に履修させること。なお,Aの(1)のアの運動については,内容のBからGまでにおいても関連を図って指導することができるとともに,「保健」における精神の健康などの内容との関連を図ること。Aの(1)のイの運動については,主として力強さとスピードのある動きに重点を置いて指導することができるが,個に応じて体力を全面的に高めることに留意すること。
イ Bの(1)の運動については,これらのうちから選択して履修できるようにすること。
ウ Cの(1)の運動については,これらのうちから選択して履修できるようにすること。
エ Dの(1)の運動については,これらのうちから選択して履修できるようにすること。また,スタートの指導については,段階的な指導を行うとともに安全に十分留意すること。また,「保健」における応急手当の内容との関連を図ること。
オ Eの(1)の運動については,これらのうちから二つを選択して履修できるようにすること。なお,地域や学校の実態に応じて,その他の運動についても履修させることができること。
カ Fの(1)の運動については,これらのうちから一つを選択して履修できるようにすること。なお,地域や学校の実態に応じて,相撲,なぎなた,弓道などその他の武道についても履修させることができること。
キ Gの(1)の運動については,これらのうちから選択して履修できるようにすること。なお,地域や学校の実態に応じて,社交ダンスなどその他のダンスについても履修させることができること。
(3) 内容のBからGまでの領域及び運動については,生徒が特性等に応じて,選択して履修できるようにするものとする。指導に当たっては,内容のBからGまでの領域については,それぞれの運動の特性に触れるために必要な体力を生徒自ら高めるように留意するものとする。また,内容のBからFまでの領域及び運動については,審判の仕方についても指導するものとする。
(4) 自然とのかかわりの深いスキー,スケートや水辺活動などの指導については,地域や学校の実態に応じて積極的に行うことに留意するものとする。また,レスリングについても履修させることができるものとする。
(5) 内容のAからGまでの領域の指導に当たっては,内容のHとの関連を図って指導するよう留意するものとする。
(6) 集合,整とん,列の増減,方向変換などの行動の仕方の指導については,内容のAからGまでの領域において適切に行うものとする。
第2 保健
1 目標
個人及び社会生活における健康・安全について理解を深めるようにし,生涯を通じて自らの健康を適切に管理し,改善していく資質や能力を育てる。
2 内容
(1) 現代社会と健康
我が国の疾病構造や社会の変化に対応して,健康を保持増進するためには,ヘルスプロモーションの考え方を生かし,人々が適切な生活行動を選択し実践すること及び環境を改善していく努力が重要であることを理解できるようにする。
ア 健康の考え方
健康の考え方やその保持増進の方法は,国民の健康水準の向上や疾病構造の変化に伴って変わってきており,健康に関する個人の適切な意志決定や行動選択が重要となっていること。また,我が国や世界では,様々な保健活動や対策などが行われていること。
イ 健康の増進保持と疾病の予防
健康を保持増進するとともに,生活習慣病を予防するためには,食事,運動,休養及び睡眠の調和のとれた生活の実践及び喫煙,飲酒に関する適切な意志決定や行動選択が必要であること。
薬物乱用は心身の健康などに深刻な影響を与えることから行ってはならないこと。また,医薬品は正しく使用する必要があること。
感染症の予防には,適切な対策が必要であること。
ウ 精神の健康
人間の欲求と適応機制には様々な種類があること及び精神と身体には密接な関連があること。また,精神の健康を保持増進するためには,欲求やストレスに適切に対処するとともに,自己実現を図るよう努力していくことが重要であること。
エ 交通安全
交通事故を防止するためには,車両の特性の理解,安全な運転や歩行など適切な行動,自他の生命を尊重する態度及び交通環境の整備などが重要であること。また,交通事故には責任や補償問題が生じること。
オ 応急手当
傷害や疾病に際しては,心肺蘇生法などの応急手当を行うことが重要であること。また,応急手当には正しい手順や方法があること。
(2) 生涯を通じる健康
生涯の各段階において健康についての課題があり,自らこれに適切に対応する必要があること及び我が国の保健・医療制度や機関を適切に活用することの重要性が理解できるようにする。
ア 生涯の各段階における健康
生涯にわたって健康を保持増進するためには,生涯の各段階の健康課題に応じた自己の健康管理を行う必要があること。
イ 保健・医療制度及び地域の保健・医療機関
生涯を通じて健康を保持増進するためには,我が国の保健・医療制度や機関について知り,地域の保健所,保健センタ−,医療機関などを適切に活用することが重要であること。
(3) 社会生活と健康
社会生活における健康の保持増進には,環境などが深くかかわっていることから,環境と健康,環境と食品の保健,労働と健康について理解できるようにする。
ア 環境と健康
人間の生活や産業活動は,自然環境を汚染し健康に影響を及ぼすこともあること。このため,様々な対策がとられていること。
イ 環境と食品の保健
学校や地域の環境を健康に適したものとするよう基準が設定され,環境衛生活動が行われていること。また,食品の安全性を確保するための基準が設定され,食品衛生活動が行われていること。
ウ 労働と健康
職業病や労働災害の防止には,作業形態や作業環境の変化を踏まえた健康管理及び安全管理を行うことが必要であること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)のイの喫煙,飲酒,薬物乱用については,疾病との関連,社会への影響などについて総合的に取り扱い,薬物については,麻薬,覚せい剤等を扱うものとする。
(2) 内容の(1)のウについては,大脳の機能,神経系及び内分泌系の機能について必要に応じ関連付けて扱う程度とする。また,「体育」における体ほぐしの運動との関連を図るよう配慮するものとする。
(3) 内容の(1)のエについては,二輪車及び自動車を中心に取り上げ,交通法規の詳細は扱わないものとする。
(4) 内容の(1)のオについては,実習を行うものとし,呼吸器系及び循環器系の機能については,必要に応じ関連付けて扱う程度とする。また,効果的な指導を行うため,「体育」における水泳などとの関連を図るよう配慮するものとする。
(5) 内容の(2)のアについては,思春期と健康,結婚生活と健康及び加齢と健康を取り扱うものとする。また,生殖に関する機能については,必要に応じ関連付けて扱う程度とする。さらに,異性を尊重する態度や性に関する情報等への対処,適切な意志決定や行動選択の必要性についても扱うよう配慮するものとする。
(6) 内容の(3)のアについては,廃棄物の処理と健康についても触れるものとする。
(7) 指導に際しては,積極的に実験や実習を取り入れたり,課題学習を行うなど指導方法の工夫を行うものとする。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第1章総則第1款の3に示す学校における体育・健康に関する指導の趣旨を生かし,特別活動,運動部の活動などとの関連を図り,日常生活における体育・健康に関する活動が適切かつ継続的に実践できるよう留意するものとする。なお,体力の測定については,計画的に実施し,運動の指導及び体力の向上に活用するものとする。
(2) 「体育」は,各年次継続して履修できるようにし,各年次の単位数はなるべく均分して配当するものとする。なお,内容のAからHまでの領域に対する授業時数の配当については,その内容の習熟を図ることができるよう考慮するものとする。
(3) 「保健」は,原則として入学年次及びその次の年次の2か年にわたり履修させるものとする。
2 各科目の指導に当たっては,その特質を踏まえ,必要に応じて,コンピュータや情報通信ネットワークなどを適切に活用し,学習の効果を高めるよう配慮するものとする。
第7節 芸術
第1款 目標
芸術の幅広い活動を通して,生涯にわたり芸術を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,芸術の諸能力を伸ばし,豊かな情操を養う。
第2款 各科目
第1 音楽[Roman1 ]
1 目標
音楽の幅広い活動を通して,音楽を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,創造的な表現と鑑賞の能力を伸ばす。
2 内容
A 表現
表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 歌唱
ア 曲種に応じた発声の工夫
イ 視唱力の伸長
ウ 歌詞及び曲想の把握と表現の工夫
エ 合唱における表現の工夫
(2) 器楽
ア いろいろな楽器の体験と奏法の工夫
イ 視奏力の伸長
ウ 曲の構成及び曲想の把握と表現の工夫
エ 合奏における表現の工夫
(3) 創作
ア いろいろな音階による旋律の創作
イ 旋律に対する和音の工夫
ウ 音楽の組み立て方の把握
エ いろいろな音素材を生かした即興的表現
B 鑑賞
鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 声や楽器の特性と表現上の効果
イ 楽曲の歴史的背景
ウ 我が国の伝統音楽の種類と特徴
エ 世界の諸民族の音楽の種類と特徴
3 内容の取扱い
(1) 内容のA及びBの指導に当たっては,中学校音楽との関連を十分に考慮し,それぞれ特定の活動のみに偏らないようにするとともに,相互の関連を図るものとする。また,Aについては,生徒の特性や学校の実態を考慮し,表現方法や表現形態を適宜選択して扱うことができる。
(2) 音楽についての総合的な理解を深め,主体的な学習態度を育てるため,適切な課題を設定して学習することができる機会を設けるよう配慮するものとする。
(3) 内容のA及びBの教材については,地域や学校の実態を考慮し,郷土の伝統音楽を含めて扱うよう配慮するものとする。
(4) 内容のAの(1)のア及び(2)のアについては,我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱うようにする。
(5) 内容のAの(1)のイ及び(2)のイについては,単なる技術の練習に偏ることなく,他の事項との関連において総合的に扱うよう配慮するものとする。
(6) 内容のBのウについては,主として箏曲,三味線音楽(歌い物),尺八音楽などを扱うようにする。
(7) 内容のBのエについては,アジア地域の諸民族の音楽を含めて扱うようにする。
第2 音楽[Roman2 ]
1 目標
音楽の諸活動を通して,音楽を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,音楽文化についての理解を深め,個性豊かな表現の能力と主体的な鑑賞の能力を伸ばす。
2 内容
A 表現
表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 歌唱
ア 声域の拡張と曲種に応じた豊かな発声
イ 視唱力の充実
ウ 歌詞及び曲想の理解と個性豊かな表現
エ 重唱・合唱における豊かな表現
(2) 器楽
ア 楽器に応じた奏法の習熟
イ 視奏力の充実
ウ 曲の構成及び曲想の把握と個性豊かな表現
エ 重奏・合奏における豊かな表現
(3) 創作
ア 歌詞の内容を生かした声楽曲の創作
イ 楽器の特性を生かした器楽曲の創作
ウ 編曲に関する基礎的知識の理解
エ いろいろな音素材を生かした創作
B 鑑賞
鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 楽曲の構造
イ 音楽の歴史的背景
ウ 文化的背景に基づく我が国の伝統音楽の特徴
エ 文化的背景に基づく世界の諸民族の音楽の特徴
3 内容の取扱い
(1) 内容のA及びBの指導に当たっては,相互の関連を図るものとする。また,Aについては,生徒の特性や学校の実態を考慮し,(1),(2)又は(3)のうち一つ以上を選択して扱うことができる。
(2) 内容の取扱いに当たっては,「音楽[Roman1 ]」の3の(2)から(5)まで及び(7)と同様に取り扱うものとする。
(3) 内容のBのウについては,主として三味線音楽(語り物),能楽,琵琶楽などを扱うようにする。
第3 音楽[Roman3 ]
1 目標
音楽の諸活動を通して,生涯にわたり音楽を愛好する心情と音楽文化を尊重する態度を育てるとともに,感性を磨き,個性豊かな音楽の能力を高める。
2 内容
A 表現
表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 歌唱
ア 表現内容に応じた個性豊かな発声の工夫
イ 歌詞及び曲想を生かした個性的,創造的な表現
ウ 独唱・重唱・合唱における充実した表現
(2) 器楽
ア 表現内容に応じた個性豊かな奏法の工夫
イ 曲の構成及び曲想を生かした創造的な表現
ウ 独奏・重奏・合奏における充実した表現
(3) 創作
ア いろいろな様式や演奏形態による楽曲の創作
イ 個性的な表現を生かした自由な創作
B 鑑賞
鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 音楽の美しさと構造とのかかわり
イ 音楽と他の芸術とのかかわり
ウ 音楽と社会及び文化などとのかかわり
エ 現代の我が国と世界の音楽
3 内容の取扱い
(1) 生徒の特性や学校の実態を考慮し,内容のAの(1),(2),(3)又はBのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
(2) 内容の取扱いに当たっては,「音楽[Roman1 ]」の3の(2)及び(3)と同様に取り扱うものとする。
(3) 内容のBについては,我が国の伝統音楽及び世界の諸民族の音楽を含めて扱うようにする。アについては,音楽に対するイメージや感情を表現する能力の育成にも配慮するものとする。
第4 美術[Roman1 ]
1 目標
美術の幅広い創造活動を通して,美的体験を豊かにし美術を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,創造的な表現と鑑賞の能力を伸ばす。
2 内容
A 表現
表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 絵画・彫刻
ア 感じ取ったこと,自己の考え,夢や想像などを基にした主題の生成
イ 表現形式の選択と創造的な表現の構想
ウ デッサン,色彩,構成,材料や用具の生かし方などの技能
エ 意図に応じた多様な表現方法の工夫
(2) デザイン
ア 機能と美しさや楽しさを考えた主題の生成
イ 造形要素の理解と創造的な表現の構想
ウ 表現形式の選択,色彩,材料や用具の生かし方などの技能
エ 意図に応じた多様な表現方法の工夫
(3) 映像メディア表現
ア 映像メディアの特質を生かした心豊かな主題の生成
イ 視覚的な伝達効果を考えた表現の構想
ウ 色光,機材等の基本的な使い方と活用
エ 意図に応じた表現方法や編集の工夫
B 鑑賞
鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 美術作品のよさや美しさ
イ 作者の心情や意図と表現の工夫
ウ 生活や自然と美術との関連
エ 日本の美術の歴史と表現の特質
オ 映像メディア表現の特質と交流
3 内容の取扱い
(1) 内容のA及びBの指導に当たっては,中学校美術との関連を十分考慮し,A及びB相互の関連を図るとともに,鑑賞の指導については,適切かつ十分な授業時数を配当するものとする。
(2) 内容のAの(1)については,生徒の特性,学校や地域の実態を考慮し,絵画と彫刻のいずれかを選択したり一体的に扱ったりすることができる。また,(2)及び(3)についてはいずれかを選択して扱うことができる。
(3) 内容のAの指導に当たっては,主題の生成から表現の確認及び完成に至る全過程を通して,自分のよさを発見し喜びを味わい自己実現を果たしていく態度の形成を図るよう配慮するものとする。
(4) 内容のBについては,日本の美術も重視して扱うとともに,アジアの文化遺産などについても扱うようにする。また,指導に当たっては,作品について互いに批評し合う学習を取り入れることにも配慮するものとする。
(5) 美術についての総合的な理解を深め,創造的な学習態度を育てるため,適切な課題を設定して学習することができる機会を設けるよう配慮するものとする。
第5 美術[Roman2 ]
1 目標
美術の創造的な諸活動を通して,美的体験を豊かにし美術を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,美術文化についての理解を深め,個性豊かな美術の能力を高める。
2 内容
A 表現
表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 絵画・彫刻
ア 自然,自己,社会などを深く見つめた主題の生成
イ 心豊かな表現の構想と表現形式や材料・技法の活用
ウ 創造的な表現の追求
(2) デザイン
ア 生活を心豊かに創造する主題の生成
イ 美的・効果的な表現の構想と材料・技法の活用
ウ 創造的な表現の追求
(3) 映像メディア表現
ア 自然,自己,社会などを深く見つめた主題の生成
イ 独創性,時間表現,物語性などを考えた表現の構想と多様な機材の活用
ウ 創造的な表現の追求
B 鑑賞
鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 作品や作者の個性などについての多様な見方
イ 心豊かな生き方の創造にかかわる美術の働き
ウ 時代,民族,風土などによる表現の相違や共通性と美術文化
エ 映像メディア表現における造形性と伝達性
3 内容の取扱い
(1) 生徒の特性,地域や学校の実態を考慮し,内容のAの(1),(2),(3)又はBのうち一つ以上を選択して扱うことができる。また,Aの(1)については,絵画と彫刻のいずれかを選択したり一体的に扱ったりすることができる。
(2) 内容の取扱いに当たっては,「美術[Roman1 ]」の3の(3),(4)及び(5)と同様に取り扱うものとする。
第6 美術[Roman3 ]
1 目標
美術の創造的な諸活動を通して,生涯にわたり美術を愛好する心情と美術文化を尊重する態度を育てるとともに,感性と美意識を磨き,個性豊かな美術の能力を高める。
2 内容
A 表現
表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 絵画・彫刻
ア 独創的な主題の生成と表現形式の選択
イ 個性を生かす創造的な表現の追求
(2) デザイン
ア デザイン効果を考えた独創的な主題の生成と表現方法の選択
イ 個性を生かす創造的な表現の追求
(3) 映像メディア表現
ア 独創的な表現の構想と総合的な表現効果を考えた機材の活用
イ 個性を生かす創造的な表現の追求
B 鑑賞
鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 作者の生き方や主張と作品
イ 美術が国際間の理解や協調に果たす役割
ウ 文化遺産としての美術の特色と文化遺産等の保存の意義
エ 映像メディアが人間の生き方や文化に果たす役割
3 内容の取扱い
(1) 内容の取扱いに当たっては,「美術[Roman1 ]」の3の(3),(4)及び(5)並びに「美術[Roman2 ]」の3の(1)と同様に取り扱うものとする。
第7 工芸[Roman1 ]
1 目標
工芸の幅広い創造活動を通して,美的体験を豊かにし工芸を愛好する心情と生活を心豊かにするために工夫する態度を育てるとともに,感性を高め,創造的な表現と鑑賞の能力を伸ばす。
2 内容
A 表現
表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 工芸制作
ア 自然や身近な生活,使う者の心情,夢などを基にした心豊かな発想
イ 用途と美しさ,日本の伝統的な表現のよさを生かした制作の構想
ウ 材料や用具の活用と制作方法の理解
エ 制作過程における吟味と創意工夫
(2) プロダクト制作
ア 社会生活や身近な環境を心豊かにするための創造的な発想
イ 用途や機能,生産性を考えた制作の構想
ウ 材料や用具の活用と制作方法の理解
エ 制作過程における吟味と創意工夫
B 鑑賞
鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 工芸作品のよさや美しさ
イ 作者の心情や意図と表現の工夫
ウ 生活の中に生かされている工芸
エ 作品に見る美意識や手づくりのよさ
オ 日本の工芸の歴史と表現の特質
3 内容の取扱い
(1) 内容のA及びBの指導に当たっては,中学校美術との関連を十分に考慮し,A及びB相互の関連を図るとともに,鑑賞の指導については,適切かつ十分な授業時数を配当するものとする。
(2) 内容のAについては,生徒の特性,学校や地域の実態を考慮し,(1)又は(2)のうちいずれかを選択して扱うことができる。
(3) 内容のAの材料や表現方法などについては,地域の材料及び伝統的な工芸の表現などを取り入れることにも配慮するものとする。また,主題の発想から表現の確認及び完成に至る全過程を通して,自分のよさを発見し喜びを味わい自己実現を果たしていく態度の形成を図るよう配慮するものとする。
(4) 内容のBについては,日本の工芸も重視して扱うとともに,アジアの文化遺産などについても扱うようにする。また,指導に当たっては,作品について互いに批評し合う学習を取り入れることにも配慮するものとする。
(5) 工芸についての総合的な理解を深め,創造的な学習態度を育てるため,適切な課題を設定して学習することができる機会を設けるよう配慮するものとする。
第8 工芸[Roman2 ]
1 目標
工芸の創造的な諸活動を通して,美的体験を豊かにし工芸を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,美術文化についての理解を深め,個性豊かな工芸の能力を高める。
2 内容
A 表現
表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 工芸制作
ア 用途や機能と美しさ,体験や夢などを基にした創造的な発想
イ 美的秩序を意図したデザインの構想
ウ 材料,技法,用具,手順などを考えた制作
エ 制作の吟味と創造的な改善
(2) プロダクト制作
ア 生活を心豊かに改善するための創造的な発想
イ 有用性と美しさとの調和,生産性などを考えた制作の構想
ウ 材料・技法,用具,構造,手順などを考えた制作
エ 制作の吟味と創造的な改善
B 鑑賞
鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 作品や作者の個性などについての多様な見方
イ 工芸と自然及び生活環境の構成とのかかわり
ウ 心豊かな生き方の創造にかかわる工芸の働き
エ 時代,民族,風土などによる表現の相違や共通性と美術文化
3 内容の取扱い
(1) 生徒の特性,学校や地域の実態を考慮し,内容のAの(1),(2)又はBのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
(2) 内容の取扱いに当たっては,「工芸[Roman1 ]」の3の(3),(4)及び(5)と同様に取り扱うものとする。
第9 工芸[Roman3 ]
1 目標
工芸の創造的な諸活動を通して,生涯にわたり工芸を愛好する心情と美術文化を尊重する態度を育てるとともに,感性と美意識を磨き,個性豊かな工芸の能力を高める。
2 内容
A 表現
表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 工芸制作
ア 生活環境の美的構成を意図した独創的な発想
イ 個性を生かす創造的な制作の追求
(2) プロダクト制作
ア 生活環境の美的構成と生産性を意図した独創的な発想
イ 用途と機能に基づき,個性を生かす創造的な制作の追求
B 鑑賞
鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 作者の生き方や生活文化と作品
イ 工芸が国際間の理解や協調に果たす役割
ウ 文化遺産としての工芸の特色と文化遺産等の保存の意義
3 内容の取扱い
内容の取扱いに当たっては,「工芸[Roman1 ]」の3の(3),(4)及び(5)並びに「工芸[Roman2 ]」の3の(1)と同様に取り扱うものとする。
第10 書道[Roman1 ]
1 目標
書道の幅広い活動を通して,書を愛好する心情を育てるとともに,感性を豊かにし,書写能力を高め,表現と鑑賞の基礎的な能力を伸ばす。
2 内容
A 表現
表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 漢字仮名交じりの書
ア 表現と用具・用材との基本的な関係
イ 漢字と仮名の調和した線質の表し方
ウ 字形,文字の大きさと全体の構成
エ 目的や用途に即した形式と表し方
オ 意図に基づく表現の構想と工夫
(2) 漢字の書
ア 古典に基づく基本的な点画や線質の表し方と用筆・運筆との関係
イ 字形の構成,全体の構成
ウ 意図に基づく表現の構想と工夫
(3) 仮名の書
ア 古典に基づく基本的な線質の表し方と用筆・運筆との関係
イ 単体,連綿と全体の構成
ウ 意図に基づく表現の構想と工夫
B 鑑賞
鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 日常生活における書への関心と効用
イ 書の美しさと表現効果
ウ 日本及び中国等の書の文化
3 内容の取扱い
(1) 内容のA及びBの指導に当たっては,相互の関連を図るものとする。
(2) 内容のAの(2)及び(3)については,生徒の特性,地域や学校の実態を考慮して,いずれかを選択して扱うことができる。また,(1)の漢字は楷書及び行書,仮名は平仮名及び片仮名,(2)は楷書及び行書,(3)は平仮名,片仮名及び変体仮名を扱うものとし,(2)については,生徒の特性等を考慮して,平易な隷書を加えることもできる。
(3) 内容のAについては,日常生活における目的や用途に応じて硬筆も取り上げるものとし,生徒の特性等を考慮して,篆刻等を加えることもできる。また,名筆を取り扱う場合は,目的に応じて精選して活用するよう配慮するものとし,(2)及び(3)については臨書及び創作を通して指導するものとする。
(4) 内容のAの(1)のオ,(2)のウ及び(3)のウについては,表現の構想から完成の喜びに至る過程の指導を通して,主体的に自己実現を果たしていく態度の形成を図るよう配慮するものとする。
第11 書道[Roman2 ]
1 目標
書道の創造的な諸活動を通して,書を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,書の文化や伝統についての理解を深め,個性豊かな表現と鑑賞の能力を伸ばす。
2 内容
A 表現
表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 漢字仮名交じりの書
ア 意図に即した表現と用具・用材の工夫
イ 名筆の鑑賞に基づく表現の工夫と個性的な表現
ウ 表現形式に応じた全体の構成
エ 感興や意図に応じた素材の選定,表現の構想と工夫
(2) 漢字の書
ア 書体や書風に即した用筆・運筆
イ 古典に基づく表現の工夫と個性的な表現
ウ 表現形式に応じた全体の構成
エ 感興や意図に応じた素材の選定,表現の構想と工夫
(3) 仮名の書
ア 書風に即した用筆・運筆
イ 古典に基づく表現の工夫と個性的な表現
ウ 連綿や散らし書きによる全体の構成
エ 感興や意図に応じた素材の選定,表現の構想と工夫
B 鑑賞
鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 書の美の諸要素の把握と表現効果
イ 書の美と時代,風土,筆者の個性などとの関連
ウ 日本及び中国等の書の歴史・文化と書の現代的意義
3 内容の取扱い
(1) 内容のA及びBの指導に当たっては,相互の関連を図るものとする。
(2) 書についての総合的な理解や技能を高め,主体的な学習態度を育てるため,適切な課題を設定して学習することができる機会を設けるよう配慮するものとする。
(3) 内容のAについては,生徒の特性,地域や学校の実態を考慮して,(1),(2)又は(3)のうち一つ以上を選択して扱うことができる。(1)の漢字は楷書,行書及び草書,仮名は平仮名及び片仮名,(2)は楷書,行書,草書,隷書及び篆書,(3)は平仮名,片仮名及び変体仮名を扱うものとする。
(4) 内容のAについては,篆刻も扱うものとし,刻字等を加えることもできる。また,(2)及び(3)については,臨書及び創作を通して指導するものとする。
(5) 内容のAの(1)のエ,(2)のエ及び(3)のエについては,素材の選定から完成の喜びに至る過程の指導を通して,主体的に自己実現を果たしていく態度の形成を図るよう配慮するものとする。
第12 書道[Roman3 ]
1 目標
書道の創造的な諸活動を通して,生涯にわたり書を愛好する心情と書の文化や伝統を尊重する態度を育てるとともに,感性を磨き,個性豊かな書の能力を高める。
2 内容
A 表現
表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 漢字仮名交じりの書
ア 素材を生かした効果的な表現方法の工夫
イ 主体的な構想に基づく個性的,創造的な表現
(2) 漢字の書
ア 古典による書の伝統の理解と書体の特色を生かした表現への深化
イ 主体的な構想に基づく個性的,創造的な表現
(3) 仮名の書
ア 古典による仮名の書の伝統の理解と表現への深化
イ 主体的な構想に基づく個性的,創造的な表現
B 鑑賞
鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 書の美の多様性と作品の特徴
イ 書論による書の理解と鑑賞の深化
ウ 日本及び中国等の書の伝統と諸文化との関連
3 内容の取扱い
(1) 生徒の特性,地域や学校の実態を考慮して,内容Aの(1),(2),(3)又はBのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
(2) 内容のAの(2)及び(3)の指導に当たっては,臨書又は創作のいずれかを目的に応じて重点的に扱うことができる。
(3) 書についての総合的な理解や技能を高め,主体的な学習態度を育てるため,適切な課題を設定して学習することができる機会を設けるよう配慮するものとする。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) [Roman2 ]を付した科目はそれぞれに対応する[Roman1 ]を付した科目を履修した後に,[Roman3 ]を付した科目はそれぞれに対応する[Roman2 ]を付した科目を履修した後に履修させることを原則とすること。
(2) 生徒が興味・関心等に応じ,選択履修や発展的な学習をすることができるよう留意すること。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各科目の特質を踏まえ,学校の実態に応じて学校図書館を活用するとともに,コンピュータや情報通信ネットワークなどを指導に生かすこと。
(2) 各科目の特質を踏まえ,地域や学校の実態に応じて,地域の文化財,文化施設,社会教育施設等の活用を図ったり,地域の人材の協力を求めたりすること。
第8節 外国語
第1款 目標
外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,情報や相手の意向などを理解したり自分の考えなどを表現したりする実践的コミュニケーション能力を養う。
第2款 各科目
第1 オーラル・コミュニケーション[Roman1 ]
1 目標
日常生活の身近な話題について,英語を聞いたり話したりして,情報や考えなどを理解し,伝える基礎的な能力を養うとともに,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。
2 内容
(1) 言語活動
生徒が情報や考えなどの受け手や送り手になるように具体的な言語の使用場面を設定して,次のようなコミュニケーション活動を行う。
ア 英語を聞いてその内容を理解するとともに,場面や目的に応じて適切に反応する。
イ 関心のあることについて相手に質問したり,相手の質問に答えたりする。
ウ 情報や考えなどを,場面や目的に応じて適切に伝える。
エ 聞いたり読んだりして得た情報や自分の考えなどをまとめ,発表する。また,発表されたものを理解する。
(2) 言語活動の取扱い
ア 指導上の配慮事項
(1)に示すコミュニケーション活動を効果的に行うために,必要に応じて,次のような指導をするよう配慮するものとする。
(ア) リズムやイントネーションなど英語の音声的な特徴に注意しながら,発音すること。
(イ) コミュニケーション活動に必要となる基本的な文型や文法事項などを理解し,実際に活用すること。
(ウ) 繰り返しを求めたり,言い換えたりするときなどに必要となる表現を活用すること。
(エ) ジェスチャーなどの非言語的手段の役割を理解し,場面や目的に応じて効果的に用いること。
イ 言語の使用場面と働き
(1)の言語活動を行うに当たっては,主として「ライティング」の後に示す[言語の使用場面の例]と[言語の働きの例]の各項目のそれぞれ(以下「言語の使用場面と働きの例」という。)のうちから,1の目標を達成するのにふさわしい場面や働きを適宜取り上げ,有機的に組み合わせて活用する。その際,個人的なコミュニケーションの場面やグループにおけるコミュニケーションの場面を積極的に取り上げるよう配慮するものとする。
(3) 言語材料
ア (1)の言語活動については,原則として,中学校学習指導要領第2章第9節第2に示す言語材料及び「ライティング」の後に示す[英語言語材料](以下「中学校及び高等学校の言語材料」という。)のうちから,1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。その際,次の事項に配慮するものとする。
(ア) 言語材料は,原則として現代の標準的な英語によること。ただし,様々な英語が国際的に広くコミュニケーションの手段として使われている実態にも配慮すること。
(イ) 言語材料の分析や説明は必要最小限にとどめ,実際の場面でどのように使われるかを理解し,実際に活用することを重視すること。
イ 語は,「英語[Roman1 ]」の内容の(3)のイの範囲内で,1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜選択し,連語は基本的なものを選択して指導する。
3 内容の取扱い
(1) 中学校における音声によるコミュニケーション能力を重視した指導を踏まえ,話題や対話の相手を広げたコミュニケーション活動を行いながら,中学校における基礎的な学習事項を整理し,習熟を図るものとする。
(2) 読むこと及び書くこととも有機的に関連付けた活動を行うことにより,聞くこと及び話すことの指導の効果を高めるよう工夫するものとする。
第2 オーラル・コミュニケーション[Roman2 ]
1 目標
幅広い話題について,情報や考えなどを整理して英語で発表したり,話し合ったりする能力を伸ばすとともに,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。
2 内容
(1) 言語活動
「オーラル・コミュニケーション[Roman1 ]」の内容の(1)に示すコミュニケーション活動に加えて,次のようなコミュニケーション活動を行う。
ア スピーチなどまとまりのある話の概要や要点を聞き取り,それについて自分の考えなどをまとめる。
イ 幅広い話題について情報や考えを整理し,効果的に発表する。
ウ 幅広い話題について,話し合ったり,討論したりする。
エ スキットなどを創作し,演じる。
(2) 言語活動の取扱い
ア 指導上の配慮事項
(1)に示すコミュニケーション活動を効果的に行うために,必要に応じて,次のような指導をするよう配慮するものとする。
(ア) まとまりのある話を聞きながら必要に応じてメモを取ること。
(イ) 意図や気持ちを的確に伝えるために,リズム,イントネーション,声の大きさ,スピードなどに注意しながら発音すること。
(ウ) 発表や話合い,討論などの活動に必要な表現を活用すること。
(エ) 話合い,討論などの基本的なルールや発表の仕方を学習し,それらを活用すること。
イ 言語の使用場面と働き
(1)の言語活動を行うに当たっては,主として言語の使用場面と働きの例のうちから,1の目標を達成するのにふさわしい場面や働きを適宜取り上げ,有機的に組み合わせて活用する。その際,グループや多くの人を対象にしたコミュニケーションの場面や創作的なコミュニケーションの場面を積極的に取り上げるよう配慮するものとする。
(3) 言語材料
ア (1)の言語活動については,原則として,中学校及び高等学校の言語材料のうちから,1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。なお,言語材料は,原則として現代の標準的な英語によるものとする。ただし,様々な英語が国際的に広くコミュニケーションの手段として使われている実態にも配慮するものとする。
イ 語は,「英語[Roman2 ]」の内容の(3)のイの範囲内で,1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜選択し,連語は基本的なものを選択して指導する。
3 内容の取扱い
「オーラル・コミュニケーション[Roman1 ]」の3の内容の取扱いと同様に取り扱うものとする。
第3 英語[Roman1 ]
1 目標
日常的な話題について,聞いたことや読んだことを理解し,情報や考えなどを英語で話したり書いたりして伝える基礎的な能力を養うとともに,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。
2 内容
(1) 言語活動
生徒が情報や考えなどの受け手や送り手になるように具体的な言語の使用場面を設定して,次のようなコミュニケーション活動を行う。
ア 英語を聞いて,情報や話し手の意向などを理解したり,概要や要点をとらえたりする。
イ 英語を読んで,情報や書き手の意向などを理解したり,概要や要点をとらえたりする。
ウ 聞いたり読んだりして得た情報や自分の考えなどについて,話し合ったり意見の交換をしたりする。
エ 聞いたり読んだりして得た情報や自分の考えなどについて,整理して書く。
(2) 言語活動の取扱い
ア 指導上の配慮事項
(1)に示すコミュニケーション活動を効果的に行うために,必要に応じて,次のような指導をするよう配慮するものとする。
(ア) リズムやイントネーションなど英語の音声的な特徴に注意しながら,発音すること。
(イ) コミュニケーション活動に必要となる基本的な文型や文法事項などを理解し,実際に活用すること。
(ウ) まとまりのある文章を音読したり暗唱したりして,英語の文章の流れに慣れること。
(エ) ジェスチャーなどの非言語的手段の役割を理解し,場面や目的に応じて効果的に用いること。
イ 言語の使用場面と働き
(1)の言語活動を行うに当たっては,主として言語の使用場面と働きの例のうちから,1の目標を達成するのにふさわしい場面や働きを適宜取り上げ,有機的に組み合わせて活用する。その際,聞いたり読んだりした内容について,自分の意見をまとめ,それを発表するなど,総合的な言語活動の場面を設けるよう配慮するものとする。
(3) 言語材料
ア (1)の言語活動については,原則として,中学校及び高等学校の言語材料のうちから,1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。その際,次の事項に配慮するものとする。
(ア) 言語材料は,現代の標準的な英語によること。
(イ) 言語材料の分析や説明は必要最小限にとどめ,実際の場面でどのように使われるかを理解し,実際に活用することを重視すること。
イ 語は,中学校で学習した語に400語程度の新語を加えるものとし,連語は基本的なものを選択して指導する。
3 内容の取扱い
(1) 中学校における音声によるコミュニケーション能力を重視した指導を踏まえ,聞くこと及び話すことの活動を多く取り入れながら,読むこと及び書くことを含めた四つの領域の言語活動を総合的,有機的に関連させて指導するものとする。
(2) 生徒の実態等に応じて,中学校における基礎的な学習事項を整理し,多様な場面での言語使用の経験をさせながらそれらの習熟を図るよう配慮するものとする。
第4 英語[Roman2 ]
1 目標
幅広い話題について,聞いたことや読んだことを理解し,情報や考えなどを英語で話したり書いたりして伝える能力を更に伸ばすとともに,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。
2 内容
(1) 言語活動
1の目標に基づき,「英語[Roman1 ]」の内容の(1)に示すコミュニケーション活動を更に発展させて行わせる。
(2) 言語活動の取扱い
ア 指導上の配慮事項
1の目標に基づき,「英語[Roman1 ]」の内容の(2)のアに示す事項と同様の配慮をするものとする。
イ 言語の使用場面と働き
(1)の言語活動を行うに当たっては,主として言語の使用場面と働きの例のうちから,1の目標を達成するのにふさわしい場面や働きを適宜取り上げ,有機的に組み合わせて活用する。その際,聞いたり読んだりした内容について,その要旨を書いたり,話し合ったりするなど,総合的な言語活動の場面を設けるよう配慮するものとする。
(3) 言語材料
ア (1)の言語活動については,原則として,中学校及び高等学校の言語材料のうちから1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。なお,言語材料は,現代の標準的な英語によるものとする。
イ 語は,「英語[Roman1 ]」の内容の(3)のイに示す新語の数に500語程度までの新語を加えるものとし,連語は基本的なものを選択して指導する。
3 内容の取扱い
「英語[Roman1 ]」の3の内容の取扱いと同様に取り扱うものとする。
第5 リーディング
1 目標
英語を読んで,情報や書き手の意向などを理解する能力を更に伸ばすとともに,この能力を活用して積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。
2 内容
(1) 言語活動
生徒が情報や考えなどの受け手や送り手になるように具体的な言語の使用場面を設定して,次のようなコミュニケーション活動を行う。
ア まとまりのある文章を読んで,必要な情報を得たり,概要や要点をまとめたりする。
イ まとまりのある文章を読んで,書き手の意向などを理解し,それについて自分の考えなどをまとめたり,伝えたりする。
ウ 物語文などを読んで,その感想などを話したり,書いたりする。
エ 文章の内容や自分の解釈が聞き手に伝わるように音読する。
(2) 言語活動の取扱い
ア 指導上の配慮事項
(1)に示すコミュニケーション活動を効果的に行うために,必要に応じて,次のような指導をするよう配慮するものとする。
(ア) 未知の語の意味を推測したり,背景となる知識を活用したりしながら読むこと。
(イ) 文章の中でポイントとなる語句や文,段落の構成や展開などに注意して読むこと。
(ウ) 目的や状況に応じて,速読や精読など,適切な読み方をすること。
イ 言語の使用場面と働き
(1)の言語活動を行うに当たっては,主として言語の使用場面と働きの例のうちから1の目標を達成するのにふさわしい場面や働きを適宜取り上げ,有機的に組み合わせて活用する。
(3) 言語材料
ア (1)の言語活動については,原則として,中学校及び高等学校の言語材料のうちから1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。なお,言語材料は,現代の標準的な英語によるものとする。
イ 語は,「英語[Roman1 ]」の内容の(3)のイに示す新語の数に900語程度までの新語を加えるものとし,連語は基本的なものを選択して指導する。
3 内容の取扱い
(1) 聞くこと,話すこと及び書くこととも有機的に関連付けた活動を行うことにより,読むことの指導の効果を高めるよう工夫するものとする。
(2) 言語材料の理解だけにとどめず,情報や書き手の意向などを的確につかんだり,それについて感想や意見をもったりするなど,読む目的を重視して指導するものとする。
第6 ライティング
1 目標
情報や考えなどを,場面や目的に応じて英語で書く能力を更に伸ばすとともに,この能力を活用して積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。
2 内容
(1) 言語活動
生徒が情報や考えなどの送り手や受け手になるように具体的な言語の使用場面を設定して,次のようなコミュニケーション活動を行う。
ア 聞いたり読んだりした内容について,場面や目的に応じて概要や要点を書く。
イ 聞いたり読んだりした内容について,自分の考えなどを整理して書く。
ウ 自分が伝えようとする内容を整理して,場面や目的に応じて,読み手に理解されるように書く。
(2) 言語活動の取扱い
ア 指導上の配慮事項
(1)に示すコミュニケーション活動を効果的に行うために,必要に応じて,次のような指導をするよう配慮するものとする。
(ア) 話されたり,読まれたりする文を書き取ること。
(イ) 考えや気持ちを伝えるのに必要な語句や表現を活用すること。
(ウ) 文章の構成や展開に留意しながら書くこと。
イ 言語の使用場面と働き
(1)の言語活動を行うに当たっては,主として言語の使用場面と働きの例のうちから1の目標を達成するのにふさわしい場面や働きを適宜取り上げ,有機的に組み合わせて活用する。その際,手紙や電子メールなどの言語の使用場面を取り上げ,実際にコミュニケーションを体験する機会を設けるよう配慮するものとする。
(3) 言語材料
ア (1)の言語活動については,原則として,中学校及び高等学校の言語材料のうちから1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。なお,言語材料は,現代の標準的な英語によるものとする。
イ 語は,「英語[Roman1 ]」の内容の(3)のイの範囲内で,1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜選択し,連語は基本的なものを選択して指導する。
3 内容の取扱い
(1) 聞くこと,話すこと及び読むこととも有機的に関連付けた活動を行うことにより,書くことの指導の効果を高めるよう工夫するものとする。
(2) 言語材料の学習だけにとどめず,情報や考えを伝えるために書くなど,書く目的を重視して指導するものとする。その際,より豊かな内容やより適切な形式で書けるように,書く過程も重視するよう配慮するものとする。
[言語の使用場面の例]
(ア) 個人的なコミュニケーションの場面:
電話,旅行,買い物,パーティー,家庭,学校,レストラン,病院,インタビュー,手紙,電子メールなど
(イ) グループにおけるコミュニケーションの場面:
レシテーション,スピーチ,プレゼンテーション,ロール・プレイ,ディスカッション,ディベートなど
(ウ) 多くの人を対象にしたコミュニケーションの場面:
本,新聞,雑誌,広告,ポスター,ラジオ,テレビ,映画,情報通信ネットワークなど
(エ) 創作的なコミュニケーションの場面
朗読,スキット,劇,校内放送の番組,ビデオ,作文など
[言語の働きの例]
(ア) 人との関係を円滑にする:
呼び掛ける,あいさつする,紹介する,相づちを打つ,など
(イ) 気持ちを伝える:
感謝する,歓迎する,祝う,ほめる,満足する,喜ぶ,驚く,同情する,苦情を言う,非難する,謝る,後悔する,落胆する,嘆く,怒る,など
(ウ) 情報を伝える:
説明する,報告する,描写する,理由を述べる,など
(エ) 考えや意図を伝える:
申し出る,約束する,主張する,賛成する,反対する,説得する,承諾する,拒否する,推論する,仮定する,結論付ける,など
(オ) 相手の行動を促す:
質問する,依頼する,招待する,誘う,許可する,助言する,示唆する,命令する,禁止する,など
[英語言語材料]
ア 文型
(ア) 主語+動詞+補語の文型のうち,動詞がbe動詞以外の動詞で補語が現在分詞及び過去分詞である場合,動詞がbe動詞で補語がwhatなど及びthatで始まる節,並びにwhetherで始まる節である場合
(イ) 主語+動詞+目的語の文型のうち,目的語がwhatなどで始まる節及びif又はwhetherで始まる節である場合
(ウ) 主語+動詞+間接目的語+直接目的語の文型のうち,直接目的語がhowなど+to不定詞,whatなど及びthatで始まる節並びにif又はwhetherで始まる節である場合
(エ) 主語+動詞+目的語+補語の文型のうち,補語が現在分詞,過去分詞及び原形不定詞である場合
(オ) その他の文型
a It+beなど+~+thatなどで始まる節
b 主語+seemなど+to不定詞
c It+seemなど+thatで始まる節
イ 文法事項
(ア) 不定詞の用法
(イ) 関係代名詞の用法
(ウ) 関係副詞の用法
(エ) 代名詞のうち,itが名詞用法の句及び節を指すもの
(オ) 動詞の時制のうち,現在完了進行形,過去完了形,過去完了進行形,未来進行形及び未来完了形
(カ) 受け身のうち,助動詞+受け身のもの
(キ) 仮定法のうち基本的なもの
(ク) 分詞構文のうち基本的なもの
第7 英語以外の外国語に関する科目
英語以外の外国語に関する科目については,第1から第6までに示す英語に関する各科目の目標及び内容等に準じて行うものとする。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 「オーラル・コミュニケーション[Roman2 ]」は「オーラル・コミュニケーション[Roman1 ]」を履修した後に,「英語[Roman2 ]」は「英語[Roman1 ]」を履修した後に履修させることを原則とすること。
(2) 「リーディング」及び「ライティング」は,原則として,「オーラル・コミュニケーション[Roman1 ]」又は「英語[Roman1 ]」のいずれかを履修した後に履修させること。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 教材については,外国語による実践的コミュニケーション能力を育成するため,各科目のねらいに応じ,実際の言語の使用場面や言語の働きに配慮したものを取り上げるものとすること。その際,その外国語を日常使用している人々を中心とする世界の人々及び日本人の日常生活,風俗習慣,物語,地理,歴史などに関するもののうちから,生徒の心身の発達段階及び興味・関心に即して適切な題材を変化をもたせて取り上げるものとし,次の観点に留意する必要があること。
ア 多様なものの見方や考え方を理解し,公正な判断力を養い豊かな心情を育てるのに役立つこと。
イ 世界や我が国の生活や文化についての理解を深めるとともに,言語や文化に対する関心を高め,これらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。
ウ 広い視野から国際理解を深め,国際社会に生きる日本人としての自覚を高めるとともに,国際協調の精神を養うのに役立つこと。
また,題材の形式としては,説明文,対話文,物語,劇,詩,手紙などのうちから適切に選択すること。
(2) 音声指導の補助として,発音表記を用いて指導することができること。
(3) 辞書などの使い方を指導し,効果的に利用しながら,自ら外国語を理解し,外国語を使おうとする積極的な態度を育てるようにすること。
(4) 各科目の指導に当たっては,指導方法や指導体制を工夫し,ティーム・ティーチングやペア・ワーク,グループ・ワークなどを適宜取り入れたり,視聴覚教材や,LL,コンピュータ,情報通信ネットワークなどを指導に生かしたりすること。また,ネイティブ・スピーカーなどの協力を得て行う授業を積極的に取り入れ,生徒のコミュニケーション能力を育成するとともに,国際理解を深めるようにすること。
第9節 家庭
第1款 目標
人間の健全な発達と生活の営みを総合的にとらえ,家族・家庭の意義,家族・家庭と社会とのかかわりについて理解させるとともに,生活に必要な知識と技術を習得させ,男女が協力して家庭や地域の生活を創造する能力と実践的な態度を育てる。
第2款 各科目
第1 家庭基礎
1 目標
人の一生と家族・福祉,衣食住,消費生活などに関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,家庭生活の充実向上を図る能力と実践的な態度を育てる。
2 内容
(1) 人の一生と家族・福祉
人の一生を生涯発達の視点でとらえ,家族や家庭生活の在り方,乳幼児と高齢者の生活と福祉について理解させ,男女が相互に協力して,家族の一員としての役割を果たし家庭を築くことの重要性について認識させる。
ア 生涯発達と家族
生涯発達の視点で各ライフステージの特徴と課題について理解させ,青年期の課題を踏まえて,男女が協力して家庭を築くことの意義と家族や家庭生活の在り方について考えさせる。
イ 乳幼児の発達と保育・福祉
乳幼児の心身の発達と生活,親の役割と保育及び子どもの福祉について理解させ,子どもを生み育てることの意義を考えさせるとともに,子どもの健全な発達のために,親や家族及び社会の果たす役割が重要であることを認識させる。
ウ 高齢者の生活と福祉
高齢者の心身の特徴と生活及び高齢者の福祉について理解させ,高齢者の自立生活を支えるために家族や地域及び社会の果たす役割が重要であることを認識させる。
(2) 家族の生活と健康
家族の食生活,衣生活及び住生活に必要な基礎的な知識と技術を習得させ,家族の生活を健康で安全かつ快適に営むことができるようにする。
ア 食生活の管理と健康
栄養,食品,調理,食品衛生などに関する基礎的な知識と技術を習得させ,家族の食生活を健康で安全に営むことができるようにする。
イ 衣生活の管理と健康
被服の機能と着装,被服材料,被服管理などに関する基礎的な知識と技術を習得させ,家族の衣生活を健康で快適に営むことができるようにする。
ウ 住生活の管理と健康
住居の機能,住生活と健康・安全などに関する基礎的な知識と技術を習得させ,家族の住生活を健康で快適に営むことができるようにする。
(3) 消費生活と環境
家庭経済や消費生活に関する基礎的な知識を習得させるとともに,現代の消費生活の課題について認識させ,消費者として責任をもって行動できるようにする。
ア 家庭の経済と消費
家庭の経済生活,社会の変化と消費生活及び消費者の権利と責任について理解させ,消費者として主体的に判断できるようにする。
イ 消費行動と環境
現代の消費生活と環境とのかかわりについて理解させ,環境負荷の少ない生活を目指して生活意識や生活様式を見直すことができるようにする。
(4) ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイ及びウについては,学校や地域の実態等に応じて,学校家庭クラブ活動等との関連を図り,乳幼児や高齢者との触れ合いや交流などの実践的な活動を取り入れるよう努めること。
イ 内容の(2)については,実験・実習を中心とした指導を行うよう留意すること。アについては,栄養,食品,調理の関連を図って扱うようにすること。
ウ 内容の(4)については,ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動の意義と実施方法について理解させること。また,指導に当たっては,内容の(1)から(3)までの学習の発展として,生徒が生活の中から課題を見いだし,解決方法を考え,計画を立てて実践できるようにすること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,子どもの健全な発達を支えるための親の役割と保育に重点を置くこととし,児童福祉に関する法律や制度の詳細に深入りしないこと。ウについては,高齢者福祉に関する法律や制度の詳細に深入りしないこと。
イ 内容の(2)のイについては,衣服を中心として扱い,被服材料については布を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアの消費者の権利と責任については,契約,消費者信用,問題の発生しやすい販売方法などを取り上げて具体的に扱うこと。イについては,環境負荷の少ない生活の工夫に重点を置くこととし,地球環境問題に深入りしないこと。
第2 家庭総合
1 目標
人の一生と家族,子どもの発達と保育,高齢者の生活と福祉,衣食住,消費生活などに関する知識と技術を総合的に習得させ,生活課題を主体的に解決するとともに,家庭生活の充実向上を図る能力と実践的な態度を育てる。
2 内容
(1) 人の一生と家族・家庭
人の一生を生涯発達の視点でとらえ,家族・家庭の意義,家族・家庭と社会とのかかわりについて理解させ,男女が相互に協力して,家族の一員としての役割を果たし家庭を築くことの重要性について認識させるとともに,各自の生活設計を考えさせる。
ア 人の一生と発達課題
生涯発達の視点で各ライフステージの特徴と課題について理解させ,青年期の課題である自立や男女の平等と相互の協力などについて認識させる。
イ 家族・家庭と社会
家庭の機能と家族関係,家族・家庭と法律,家庭生活と福祉などについて理解させ,家族・家庭の意義,家族・家庭と社会とのかかわり,男女が協力して家庭を築くことの重要性について認識させる。
ウ 生活設計
青年期の課題を踏まえ,生活設計の立案を通して,自己の生き方や将来の家庭生活と職業生活の在り方について考えさせる。
(2) 子どもの発達と保育・福祉
子どもの発達と保育,子どもの福祉などについて理解させるとともに,子どもの健全な発達を支える親の役割と保育の重要性や社会の果たす役割について認識させ,保育への関心をもたせる。
ア 子どもの発達
母体の健康管理と子どもの誕生,子どもの心身の発達と特徴及び子どもの生活と遊びについて理解させるとともに,子どもの発達と環境とのかかわりについて認識させ,子どもと適切にかかわることができるようにする。
イ 親の役割と保育
親の役割と子どもの人間形成及び親の保育責任とその支援について理解させ,子どもを生み育てることの意義について考えさせるとともに,家庭における親の役割の重要性について認識させる。
ウ 子どもの福祉
子どもが健全に育つことをねらいとした児童福祉の基本的な理念について理解させ,子どもを取り巻く環境の変化や課題について考えさせる。
(3) 高齢者の生活と福祉
高齢者の心身の特徴と生活,高齢者の福祉などについて理解させるとともに,介護の基礎を体験的に学ぶことを通して,高齢者の自立生活を支えるために家族や地域及び社会の果たす役割について認識させる。
ア 高齢者の心身の特徴と生活
加齢に伴う心身の変化と特徴について理解させるとともに,高齢者の生活の現状と課題について認識させ,高齢者との適切なかかわりについて考えさせる。
イ 高齢者の福祉
高齢社会の現状と課題について考えさせ,高齢者福祉の基本的な理念と高齢者福祉サービスについて理解させる。
ウ 高齢者の介護の基礎
日常生活の介助を体験的に学ぶことを通して,高齢者介護の心構えやコミュニケーションの重要性について認識させ,高齢者と適切にかかわることができるようにする。
(4) 生活の科学と文化
衣食住の生活を科学的に理解させるとともに,衣食住に関する先人の知恵や文化を考えさせ,充実した衣食住の生活を営むことができるようにする。
ア 食生活の科学と文化
栄養,食品,調理などについて科学的に理解させるとともに,食生活の文化に関心をもたせ,必要な技術を習得して充実した食生活を営むことができるようにする。
イ 衣生活の科学と文化
被服材料,被服の構成,被服製作,被服整理などについて科学的に理解させるとともに,衣生活の文化に関心をもたせ,必要な技術を習得して充実した衣生活を営むことができるようにする。
ウ 住生活の科学と文化
住居の機能,住空間の計画,住環境の整備などについて科学的に理解させるとともに,住生活の文化に関心をもたせ,必要な技術を習得して充実した住生活を営むことができるようにする。
エ 生活文化の伝承と創造
衣食住にかかわる生活文化の背景について理解させるとともに,生活文化に関心をもたせ,それを伝承し創造しようとする意欲をもたせる。
(5) 消費生活と資源・環境
家庭の経済生活,消費者の権利と責任などについて理解させるとともに,現代の消費生活の課題について認識させ,資源や環境に配慮し,消費者としての適切な意思決定に基づいて,責任をもって行動できるようにする。
ア 消費行動と意思決定
消費行動における意思決定の過程とその重要性について理解させる。
イ 家庭の経済生活
家庭経済と国民経済とのかかわりについて理解させ,主体的な家計管理と家庭の経済計画の重要性について認識させる。
ウ 消費者の権利と責任
消費生活の現状と課題,消費者問題と消費者の保護,消費者の責任及び生活情報の収集・選択と活用について理解させ,消費者として主体的に判断し責任をもって行動できるようにする。
エ 消費行動と資源・環境
現代の消費生活と資源や環境とのかかわりについて理解させ,環境負荷の少ない生活を目指して生活意識や生活様式を見直し,環境に調和した生活を工夫できるようにする。
(6) ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のウについては,(1)のア,イ,(2)及び(3)の内容との関連を図るとともに,(1)から(5)までの学習の中で段階的に扱ったり,「家庭総合」の学習のまとめとして扱うなどの工夫をすること。
イ 内容の(2)については,学校や地域の実態等に応じて,学校家庭クラブ活動等との関連を図り,幼稚園や保育所等の乳幼児,近隣の小学校の低学年の児童等との触れ合いや交流の機会をもつよう努めること。
ウ 内容の(3)については,学校や地域の実態等に応じて,学校家庭クラブ活動等との関連を図り,福祉施設等の見学やボランティア活動への参加をはじめ,身近な高齢者との交流の機会をもつよう努めること。
エ 内容の(4)については,実験・実習を中心とした指導を行うよう留意すること。
オ 内容の(6)については,ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動の意義と実施方法について理解させること。また,指導に当たっては,内容の(1)から(5)までの学習の発展として,生徒が生活の中から課題を見いだし,解決方法を考え,計画を立てて実践できるようにすること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,関連する法律や制度の詳細に深入りしないこと。
イ 内容の(2)については,小学校の低学年までの子どもに重点を置いて扱うこと。アについては,母子保健についても扱うこととするが,妊娠出産の詳細に深入りしないこと。ウについては,児童福祉に関する法律や制度の詳細に深入りしないこと。
ウ 内容の(3)のイについては,高齢者福祉に関する法律や制度の詳細に深入りしないこと。また,高齢者福祉サービスについては,代表的なものを扱うこと。ウについては,日常生活の介助として,食事,着脱衣,移動などのうちから選択して実習させること。
エ 内容の(4)のイについては,衣服を中心として扱い,被服材料については布を扱うこと。エについては,アからウまでのいずれかにかかわる課題を取り上げて実験・実習等をさせること。
オ 内容の(5)のウについては,契約,消費者信用,問題の発生しやすい販売方法などを取り上げて,消費者の権利と責任について具体的に理解させることに重点を置くこと。エについては,生活と資源や環境とのかかわりについて具体的に理解させることに重点を置くこととし,地球環境問題に深入りしないこと。
第3 生活技術
1 目標
人の一生と家族・福祉,消費生活,衣食住,家庭生活と技術革新などに関する知識と技術を体験的に習得させ,生活課題を主体的に解決するとともに,家庭生活の充実向上を図る能力と実践的な態度を育てる。
2 内容
(1) 人の一生と家族・福祉
人の一生を生涯発達の視点でとらえ,家族や家庭生活の在り方,乳幼児と高齢者の生活と福祉について理解させ,男女が相互に協力して,家族の一員としての役割を果たし家庭を築くことの重要性について認識させる。
ア 生涯発達と家族
生涯発達の視点で各ライフステージの特徴と課題について理解させ,青年期の課題を踏まえて,男女が協力して家庭を築くことの意義と家族や家庭生活の在り方について考えさせる。
イ 乳幼児の発達と保育・福祉
乳幼児の心身の発達と生活,親の役割と保育及び子どもの福祉について理解させ,子どもを生み育てることの意義を考えさせるとともに,子どもの健全な発達のために,親や家族及び社会の果たす役割が重要であることを認識させる。
ウ 高齢者の生活と福祉
高齢者の心身の特徴と生活及び高齢者の福祉について理解させ,高齢者の自立生活を支えるために家族や地域及び社会の果たす役割が重要であることを認識させる。
(2) 消費生活と環境
家庭経済や消費生活に関する基礎的な知識を習得させるとともに,現代の消費生活の課題について認識させ,消費者として責任をもって行動できるようにする。
ア 家庭の経済と消費
家庭の経済生活,社会の変化と消費生活及び消費者の権利と責任について理解させ,消費者として主体的に判断できるようにする。
イ 消費行動と環境
現代の消費生活と環境とのかかわりについて理解させ,環境負荷の少ない生活を目指して生活意識や生活様式を見直すことができるようにする。
(3) 家庭生活と技術革新
科学技術の進展が家庭生活に及ぼす影響について理解させ,家庭生活の充実を図るためのコンピュータの活用や家庭用機器の適切な管理と活用ができるようにする。
ア 科学技術の進展と家庭生活
家庭生活の変化は科学技術の進展と大きくかかわっていることを理解させ,科学技術の家庭生活への適切な活用について考えさせる。
イ 家庭生活と情報
高度情報通信社会と家庭生活とのかかわりについて理解させ,コンピュータや情報通信ネットワークを家庭生活に活用できるようにする。
ウ 家庭生活と電気・機械
家庭用機器の機能と活用及び安全と管理について理解させ,家庭用機器を適切に取り扱うことができるようにする。
(4) 食生活の設計と調理
栄養,食品,調理などに関する知識と技術を習得させ,充実した食生活を営むことができるようにする。
ア 家族の食生活と栄養
家族の食生活の現状と課題について考えさせ,健康と栄養とのかかわりについて理解させるとともに,健康の保持増進に配慮した食生活の工夫ができるようにする。
イ 食品と調理
食品の栄養的特質と調理上の性質について理解させ,献立作成ができるようにするとともに,調理技術の習得を図り,家族の食事を整えることができるようにする。
ウ 食生活の管理
食生活環境の変化及び食生活の安全と衛生について理解させ,健康や安全に配慮した食生活の管理ができるようにする。
(5) 衣生活の設計と製作
被服の着装,製作,管理などに関する知識と技術を習得させ,充実した衣生活を営むことができるようにする。
ア 被服の機能と着装
被服の機能と着装について理解させ,被服計画を考えて被服を適切に選択し,着装できるようにする。
イ 被服の構成と製作
体型や動作と被服とのかかわり及び立体構成と平面構成の特徴について理解させ,デザインに応じた適切な被服材料の選択ができるようにするとともに,製作技術の習得を図り,被服の製作ができるようにする。
ウ 衣生活の管理
被服材料の性能と加工,被服の管理などについて理解させ,健康や安全に配慮した衣生活の管理ができるようにする。
(6) 住生活の設計とインテリアデザイン
住居の機能,設計,管理などに関する知識と技術を習得させ,充実した住生活を営むことができるようにする。
ア 家族の生活と住居
住居の機能,家族の生活と住空間及び住環境と地域社会について理解させ,快適な住生活と周囲の環境や地域社会とのかかわりについて考えさせる。
イ 住居の設計とインテリア計画
快適で機能的な住生活を営むために必要な条件について理解させ,家族の形態や暮らし方を想定した住居の平面計画やインテリア計画ができるようにする。
ウ 住生活の管理
住居の選択と維持管理及び住居の安全と衛生について理解させ,健康や安全に配慮した住生活の管理ができるようにする。
エ 生活と園芸
草花や野菜の栽培と利用に関する基礎的な知識と技術を習得させ,園芸を用いて生活環境を豊かにする工夫ができるようにする。
(7) ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 各学校においては,内容の(3)から(6)までの中から,生徒の興味・関心等に応じて,二つ又は三つの項目を選択して履修させること。
イ 内容の(1)のイ及びウについては,学校や地域の実態等に応じて,学校家庭クラブ活動等との関連を図り,乳幼児や高齢者との触れ合いや交流などの実践的な活動を取り入れるよう努めること。
ウ 内容の(7)については,ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動の意義と実施方法について理解させること。また,指導に当たっては,内容の(1)から(6)までの学習の発展として,生徒が生活の中から課題を見いだし,解決方法を考え,計画を立てて実践できるようにすること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,子どもの健全な発達を支えるための親の役割と保育に重点を置くこととし,児童福祉に関する法律や制度の詳細に深入りしないこと。ウについては,高齢者福祉に関する法律や制度の詳細に深入りしないこと。
イ 内容の(2)のアの消費者の権利と責任については,契約,消費者信用,問題の発生しやすい販売方法などを取り上げて具体的に扱うこと。イについては,環境負荷の少ない生活の工夫に重点を置くこととし,地球環境問題に深入りしないこと。
ウ 内容の(3)のイについては,生徒の実態等に応じて適切なソフトウェアを選択して,その基本操作ができるようにすること。また,情報通信ネットワークを活用した情報の収集,処理,発信を扱い,コンピュータを家庭生活に活用できるようにすること。その際,情報モラルについて理解させること。ウについては,身近な家庭用機器を取り上げて,具体的に扱うこと。
エ 内容の(4)のイについては,調理用機器の特徴を生かした調理や食品の加工に着目した調理についても扱うこと。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 「家庭基礎」,「家庭総合」及び「生活技術」の各科目に配当する総授業時数のうち,原則として10分の5以上を実験・実習に配当すること。
(2) 「家庭基礎」は原則として,同一年次で履修させること。
(3) 「家庭総合」及び「生活技術」を複数の年次にわたって分割して履修させる場合には,原則として連続する2か年において履修させること。
(4) 中学校技術・家庭科,公民科及び保健体育科などとの関連を図るとともに,教科の目標に即した調和のとれた指導が行われるよう留意すること。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。
(2) 生徒が自分の生活に結び付けて学習できるよう,問題解決的な学習を充実すること。
3 実験・実習を行うに当たっては,施設・設備の安全管理に配慮し,学習環境を整備するとともに,火気,用具,材料などの取扱いに注意して事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。
第10節 情報
第1款 目標
情報及び情報技術を活用するための知識と技能の習得を通して,情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに,社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ,情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。
第2款 各科目
第1 情報A
1 目標
コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を通して,情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識と技能を習得させるとともに,情報を主体的に活用しようとする態度を育てる。
2 内容
(1) 情報を活用するための工夫と情報機器
ア 問題解決の工夫
問題解決を効果的に行うためには,目的に応じた解決手順の工夫とコンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用が必要であることを理解させる。
イ 情報伝達の工夫
情報を的確に伝達するためには,伝達内容に適した提示方法の工夫とコンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用が必要であることを理解させる。
(2) 情報の収集・発信と情報機器の活用
ア 情報の検索と収集
情報通信ネットワークやデータベースなどの活用を通して,必要とする情報を効率的に検索・収集する方法を習得させる。
イ 情報の発信と共有に適した情報の表し方
情報を効果的に発信したり,情報を共有したりするためには,情報の表し方に工夫や取決めが必要であることを理解させる。
ウ 情報の収集・発信における問題点
情報通信ネットワークやデータベースなどを利用した情報の収集・発信の際に起こり得る具体的な問題及びそれを解決したり回避したりする方法の理解を通して,情報社会で必要とされる心構えについて考えさせる。
(3) 情報の統合的な処理とコンピュータの活用
ア コンピュータによる情報の統合
コンピュータの機能とソフトウェアとを組み合わせて活用することを通して,コンピュータは多様な形態の情報を統合できることを理解させる。
イ 情報の統合的な処理
収集した多様な形態の情報を目的に応じて統合的に処理する方法を習得させる。
(4) 情報機器の発達と生活の変化
ア 情報機器の発達とその仕組み
情報機器の発達の歴史に沿って,情報機器の仕組みと特性を理解させる。
イ 情報化の進展が生活に及ぼす影響
情報化の進展が生活に及ぼす影響を身のまわりの事例などを通して認識させ,情報を生活に役立て主体的に活用しようとする心構えについて考えさせる。
ウ 情報社会への参加と情報技術の活用
個人が情報社会に参加する上でコンピュータや情報通信ネットワークなどを適切に使いこなす能力が重要であること及び将来にわたって情報技術の活用能力を高めていくことが必要であることを理解させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)の実習については,内容の(2)及び(3)とのつながりを考慮したものを扱うようにする。アについては,一つの問題に対し,複数の解決方法を試み,それらの結果を比較する実習を,イについては,プレゼンテーション用ソフトウェアなどを活用した実習を扱うようにする。
(2) 内容の(2)については,情報通信ネットワークなどを活用した実習を中心に扱うようにする。アについては,情報の検索・収集の工夫と情報を提供する側の工夫との関連性に触れるものとする。イについては,情報の利用の仕方に応じた表し方の選択や,情報の作成,利用にかかわる共通の取決めの必要性を扱うものとする。ウについては,情報の伝達手段の信頼性,情報の信憑性,情報発信に当たっての個人の責任,プライバシーや著作権への配慮などを扱うものとする。
(3) 内容の(3)のアについては,周辺機器やソフトウェアなどの活用方法を扱うが,技術的な内容に深入りしないようにする。イについては,多様な形態の情報を統合的に活用することが必要な課題を設定し,文書処理,表計算,図形・画像処理,データベースなどのソフトウェアを目的に応じて使い分けたり組み合わせたりして活用する実習を中心に扱うようにする。
(4) 内容の(4)のアについては,いろいろな情報機器についてアナログとディジタルとを対比させる観点から扱うとともに,コンピュータと情報通信ネットワークの仕組みも扱うものとする。その際,技術的な内容に深入りしないようにする。イについては,情報化の進展に伴う生活スタイルや仕事の内容・方法などの変化を調べたり,討議したりする学習を取り入れるようにする。ウについては,内容の(1)から(4)のイまでの学習と関連させて扱うようにする。
第2 情報B
1 目標
コンピュータにおける情報の表し方や処理の仕組み,情報社会を支える情報技術の役割や影響を理解させ,問題解決においてコンピュータを効果的に活用するための科学的な考え方や方法を習得させる。
2 内容
(1) 問題解決とコンピュータの活用
ア 問題解決における手順とコンピュータの活用
問題解決においては,解決の手順と用いる手段の違いが結果に影響を与えること及びコンピュータの適切な活用が有効であることを理解させる。
イ コンピュータによる情報処理の特徴
コンピュータを適切に活用する上で知っておくべきコンピュータによる情報処理の長所と短所を理解させる。
(2) コンピュータの仕組みと働き
ア コンピュータにおける情報の表し方
文字,数値,画像,音などの情報をコンピュータ上で表す方法についての基本的な考え方及び情報のディジタル化の特性を理解させる。
イ コンピュータにおける情報の処理
コンピュータの仕組み,コンピュータ内部での基本的な処理の仕組み及び簡単なアルゴリズムを理解させる。
ウ 情報の表し方と処理手順の工夫の必要性
コンピュータを活用して情報の処理を行うためには,情報の表し方と処理手順の工夫が必要であることを理解させる。
(3) 問題のモデル化とコンピュータを活用した解決
ア モデル化とシミュレーション
身のまわりの現象や社会現象などを通して,モデル化とシミュレーションの考え方や方法を理解させ,実際の問題解決に活用できるようにする。
イ 情報の蓄積・管理とデータベースの活用
情報を蓄積・管理するためのデータベースの概念を理解させ,簡単なデータベースを設計し,活用できるようにする。
(4) 情報社会を支える情報技術
ア 情報通信と計測・制御の技術
情報通信と計測・制御の仕組み及び社会におけるそれらの技術の活用について理解させる。
イ 情報技術における人間への配慮
情報技術を導入する際には,安全性や使いやすさを高めるための配慮が必要であることを理解させる。
ウ 情報技術の進展が社会に及ぼす影響
情報技術の進展が社会に及ぼす影響を認識させ,情報技術を社会の発展に役立てようとする心構えについて考えさせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)については,(2)以降の内容の基礎となる体験ができるような実習を扱うようにする。アについては,問題解決の手順を明確に記述させる指導を取り入れるようにする。イについては,人間とコンピュータの情報処理を対比させて,コンピュータの処理の高速性を示す例や,人間にとっては簡単な情報処理がコンピュータでは必ずしも簡単ではない例などを体験できる実習を扱うようにする。
(2) 内容の(2)については,コンピュータや模型などを使った学習を取り入れるようにする。ア及びイについては,図を用いた説明などによって基本的な考え方を理解させることを重視するようにする。イのコンピュータ内部での基本的な処理の仕組みについては,一つ一つの命令がステップで動いていることを扱う程度とする。アルゴリズムの具体例については,並べ替えや探索などのうち,基本的なものにとどめるようにする。ウについては,生徒自身に工夫させることができる簡単な課題を用いて,実習を中心に扱い,結果を生徒同士で相互評価させるような学習を取り入れるようにする。
(3) 内容の(3)については,ソフトウェアやプログラミング言語を用い,実習を中心に扱うようにする。その際,ソフトウェアの利用技術やプログラミング言語の習得が目的とならないようにする。ア及びイについては,基本的な考え方は必ず扱うが,実習については,生徒の実態等に応じ,いずれかを選択して扱うことができる。アについては,内容の(2)のイ,ウ及び(4)のアと関連付けた題材や,時間経過や偶然性に伴って変化する現象などのうち,簡単にモデル化できる題材を扱い,数理的,技術的な内容に深入りしないようにする。
(4) 内容の(4)のアについては,動作を確認できるような学習を取り入れるようにする。ウについては,情報技術の進展が社会に及ぼす影響について,情報通信ネットワークなどを活用して調べたり,討議したりする学習を取り入れるようにする。
第3 情報C
1 目標
情報のディジタル化や情報通信ネットワークの特性を理解させ,表現やコミュニケーションにおいてコンピュータなどを効果的に活用する能力を養うとともに,情報化の進展が社会に及ぼす影響を理解させ,情報社会に参加する上での望ましい態度を育てる。
2 内容
(1) 情報のディジタル化
ア 情報のディジタル化の仕組み
コンピュータなどにおける,文字,数値,画像,音などの情報のディジタル化の仕組みを理解させる。
イ 情報機器の種類と特性
身のまわりに見られる情報機器について,その機能と役割を理解させるとともに,ディジタル化により多様な形態の情報が統合的に扱えることを理解させる。
ウ 情報機器を活用した表現方法
情報機器を活用して多様な形態の情報を統合することにより,伝えたい内容を分かりやすく表現する方法を習得させる。
(2) 情報通信ネットワークとコミュニケーション
ア 情報通信ネットワークの仕組み
情報通信ネットワークの仕組みとセキュリティを確保するための工夫について理解させる。
イ 情報通信の効率的な方法
情報伝達の速度や容量を表す単位について理解させるとともに,情報通信を速く正確に行うための基本的な考え方を理解させる。
ウ コミュニケーションにおける情報通信ネットワークの活用
電子メールや電子会議などの情報通信ネットワーク上のソフトウェアについて,コミュニケーションの目的に応じた効果的な活用方法を習得させる。
(3) 情報の収集・発信と個人の責任
ア 情報の公開・保護と個人の責任
多くの情報が公開され流通している実態と情報の保護の必要性及び情報の収集・発信に伴って発生する問題と個人の責任について理解させる。
イ 情報通信ネットワークを活用した情報の収集・発信
身のまわりの現象や社会現象などについて,情報通信ネットワークを活用して調査し,情報を適切に収集・分析・発信する方法を習得させる。
(4) 情報化の進展と社会への影響
ア 社会で利用されている情報システム
社会で利用されている代表的な情報システムについて,それらの種類と特性,情報システムの信頼性を高める工夫などを理解させる。
イ 情報化が社会に及ぼす影響
情報化が社会に及ぼす影響を様々な面から認識させ,望ましい情報社会の在り方を考えさせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)のアについては,文字コード,2進数表現,標本化などについて,図を用いた説明などによって基本的な考え方を扱い,数理的,技術的な内容に深入りしないようにする。ウについては,実習を中心に扱い,生徒同士で相互評価させる学習を取り入れるようにする。
(2) 内容の(2)のアのセキュリティを確保するための工夫については,身近な事例を通して,個人認証や暗号化の必要性,情報通信ネットワークの保守・管理の重要性などを扱うものとする。イについては,誤り検出・訂正,情報の圧縮などの原理を平易に扱うものとする。ウについては,実習を中心に扱うようにする。
(3) 内容の(3)のアの情報の保護の必要性については,プライバシーや著作権などの観点から扱い,情報の収集・発信に伴って発生する問題については,誤った情報や偏った情報が人間の判断に及ぼす影響,不適切な情報への対処法などの観点から扱うようにする。イについては,適切な題材を選び,情報の収集から分析・発信までを含めた一連の実習を中心に扱うようにする。情報の分析については,表計算ソフトウェアなどの簡単な統計分析機能やグラフ作成機能などを扱うようにする。
(4) 内容の(4)のイについては,情報化が社会に及ぼす影響を,情報通信ネットワークなどを活用して調べたり,討議したりする学習を取り入れるようにする。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 中学校での学習の程度を踏まえるとともに,情報科での学習が他の各教科・科目等の学習に役立つよう,他の各教科・科目等との連携を図ること。
(2) 各科目の目標及び内容等に即してコンピュータや情報通信ネットワークなどを活用した実習を積極的に取り入れること。原則として,「情報A」では総授業時数の2分の1以上を,「情報B」及び「情報C」では総授業時数の3分の1以上を,実習に配当すること。
(3) 情報機器を活用した学習を行うに当たっては,生徒の健康と望ましい習慣を身に付ける観点から,照明やコンピュータの使用時間などに留意すること。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各科目の指導においては,内容の全体を通して情報モラルの育成を図ること。
(2) 授業で扱う具体例などについては,情報技術の進展に対応して適宜見直す必要があるが,技術的な内容に深入りしないよう留意すること。
第3章 専門教育に関する各教科
第1節 農業
第1款 目標
農業の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,農業の社会的な意義や役割を理解させるとともに,農業に関する諸課題を主体的,合理的に解決し,農業の充実と社会の発展を図る創造的,実践的な能力と態度を育てる。
第2款 各科目
第1 農業科学基礎
1 目標
農業生物の育成についての体験的,探究的な学習を通して,農業に関する基礎的な知識と技術を習得させ,農業及び農業学習についての興味・関心を高めるとともに,科学的思考力と問題解決能力を伸ばし,農業の各分野の発展を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 農業と人間生活
ア 農業と食料供給
イ 農業と環境保全
ウ 農業の多面的な役割
(2) 農業生物と栽培環境
ア 農業生物の特性
イ 栽培環境の要素
(3) 農業生産の基礎
ア 農業生物の栽培・飼育
イ 農業生産物の利用
ウ 農業生産の計画・管理・評価
(4) 農業学習と学校農業クラブ活動
ア 農業学習の特質
イ プロジェクト学習
ウ 学校農業クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,地域農業の見学や統計資料を用いた具体的な学習を通して,農業の社会的な役割について理解させ,農業と農業学習に関心をもたせること。
イ 内容の(2)及び(3)については,農業生物の育成に関する実験・実習やプロジェクト学習を通して,農業生物の特性と栽培環境の関係について理解させ,科学的な見方と実践力を育てるよう留意すること。なお,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な農業生物を選定すること。
ウ 内容の(3)のアについては,学科の特色に応じて,栽培又は飼育のいずれかを選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,食料の生産と供給,環境の保全と創造,保健休養の場の提供などの農業の多面的な役割と人間生活との関係について基本的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,農業生物の生理・生態的な特性,気象などの栽培環境の要素及びそれらの相互関係を扱うこと。なお,栽培環境の調節については詳細に深入りしないこと。
ウ 内容の(3)については,作物などの栽培や家畜の飼育から農業生産物の加工,利用までの基本的な内容と農業生産の計画・管理・評価の方法の基本的な内容を扱うこと。なお,肥料,飼料及び農薬については,網羅的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
エ 内容の(4)については,農業生物の育成などの農業学習の特質,プロジェクト学習の進め方並びに学校農業クラブ活動の目標,内容,組織及び実践方法を扱うこと。
第2 環境科学基礎
1 目標
環境の保全,創造と農業生物の育成についての体験的,探究的な学習を通して,環境と農業に関する基礎的な知識と技術を習得させ,環境及び環境学習についての興味・関心を高めるとともに,科学的思考力と問題解決能力を伸ばし,農業における環境の分野の発展を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 環境と人間生活
ア 森林,河川,耕地の生態系
イ 地域環境と人間生活
ウ 地球環境と人間生活
(2) 環境の調査
ア 植生調査
イ 水質調査
ウ その他の調査
(3) 環境の保全,創造
ア 森林と環境保全
イ 緑地と景観創造
(4) 農業生物の育成
ア 農業生物の特性
イ 栽培環境の要素
ウ 農業生物の栽培
(5) 環境学習と学校農業クラブ活動
ア 環境学習の特質
イ プロジェクト学習
ウ 学校農業クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,地域環境の観察や統計資料を用いた具体的な学習を通して,環境と人間生活の相互関係及び生態系における物質循環について理解させ,環境と環境学習に関心をもたせること。
イ 内容の(2)については,観察や調査などを通して,地域の環境要因と環境調査の方法を体験的に理解させること。
ウ 内容の(2)及び(3)については,地域の実態や学科の特色に応じて,いずれかを選択して扱うことができること。
エ 内容の(3)については,観察や実習などを通して,森林による国土・環境の保全及び都市や農村の緑地による景観創造の機能を体験的に理解させること。
オ 内容の(4)については,農業生物の育成に関する実験・実習やプロジェクト学習を通して,作物などの特性と栽培環境の関係について理解させ,科学的な見方と実践力を育てるよう留意すること。なお,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な農業生物を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,森林,河川や耕地の生態系,生態系における物質循環及び地域環境や地球環境と人間生活との相互関係について基本的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)のア及びイについては,植物の種類や生態などの植生調査及び水の透明度や水素イオン濃度などの水質調査を扱うこと。ウについては,地域の実態や学科の特色に応じて,土壌調査などを扱うこと。
ウ 内容の(3)については,森林による大気浄化や土砂の流出防止などの環境保全機能及び緑地による景観の保全や形成などの機能を扱うこと。
エ 内容の(4)については,作物などの栽培方法や生理・生態的な特性,気象などの栽培環境の要素及びそれらの相互関係を扱うこと。なお,肥料や農薬については,網羅的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
オ 内容の(5)については,環境の保全など環境学習の特質,プロジェクト学習の進め方並びに学校農業クラブ活動の目標,内容,組織及び実践方法を扱うこと。
第3 課題研究
1 目標
農業に関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習を通して,専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問題解決の能力や自発的,創造的な学習態度を育てる。
2 内容
(1) 調査,研究,実験
(2) 作品製作
(3) 産業現場等における実習
(4) 職業資格の取得
(5) 学校農業クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,内容の(1)から(5)までの中から,個人又はグループで適切な課題を設定させること。なお,課題は内容の(1)から(5)までの2項目以上にまたがる課題を設定することができること。
イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めること。
第4 総合実習
1 目標
農業の各分野に関する体験的な学習を通して,総合的な技術を習得させ,経営と管理についての理解を深めさせるとともに,管理能力や企画力など農業の各分野の改善を図る実践的な能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 農業の各分野に関する総合的な実習
ア 専門技術総合実習
イ 経営管理総合実習
(2) 農業の各産業現場等における総合的な実習
ア 専門技術総合実習
イ 経営管理総合実習
(3) 学校農業クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,農業の各分野の総合的な実習を通して,経営や管理における技術の役割と各技術の相互関係を体験的に理解させ,経営や管理の改善を図る実践的な能力と態度を育てること。
イ 内容の(2)については,産業現場等における総合的な実習を通して,技術の実践的な役割と経営や管理の実際を体験的に理解させ,経営や管理の改善を図る実践的な能力と態度を育てること。なお,(2)については,地域の実態や学科の特色に応じて,扱わないことができること。
ウ 内容の(3)については,農業の各分野の学習を基に,学校農業クラブ活動における自主的な研究活動を通して,技術及び経営と管理を体験的に理解させ,農業の各分野の改善を図る実践的な能力と態度を育てること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,農業の各分野の技術及び経営と管理について基本的な内容を総合的に扱うが,個別の技術については,過度に専門的にならないよう留意すること。
第5 農業情報処理
1 目標
社会における情報化の進展と情報の意義や役割を理解させ,情報処理に関する知識と技術を習得させるとともに,農業の各分野で情報及び情報手段を活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 産業社会と情報
ア 情報とその活用
イ 農業の各分野における情報の役割
ウ 情報モラルとセキュリティ管理
(2) 農業における情報手段の活用
ア ハードウェアとソフトウェア
イ 情報システム
ウ マルチメディアとデータ
(3) 農業における情報の活用
ア 情報通信ネットワーク
イ 生産,加工,流通のシステム化
ウ 農業情報の活用
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,農業分野を中心に産業社会における情報の活用の具体的な事例を通して,情報の意義を理解させるとともに,農業の各分野における情報の役割について関心をもたせること。
イ 内容の(2)及び(3)については,実習や産業現場の見学等を通して,農業の各分野において,情報と情報手段を活用する能力を育てること。なお,学科の特色や生徒の実態等に応じて,内容の一部に重点を置くなどの工夫を加えること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のア及びイについては,高度情報通信社会の特質,情報とデータの意味と性質並びに農業の各分野における情報の収集,処理及び活用の基本的な内容を扱うこと。ウについては,著作権やプライバシーの保護など情報モラルの必要性と個人情報のセキュリティ管理の重要性について理解させること。
イ 内容の(2)については,目的に応じた情報機器やソフトウェアの選択,アプリケーションソフトウェアの使用法,農業情報に関するシステムの活用及びマルチメディアとデータについて基本的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,情報通信ネットワークを活用した情報の収集,処理,発信,農業の各分野におけるシステム化及び農業技術や経営に関する情報の活用を扱うこと。
第6 作物
1 目標
作物の栽培と経営に必要な知識と技術を習得させ,作物の特性や栽培に適した環境を理解させるとともに,品質と生産性の向上を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 作物生産の役割と動向
ア 作物生産と食料供給
イ 世界の食料需給の動向
(2) 作物の特性と栽培技術
ア 作物の生育と生理
イ 栽培環境と生育の調節
(3) 作物の栽培
ア 作物の栽培的,経営的特性
イ 品種の特性と選び方
ウ 栽培計画
エ 育苗
オ 栽培管理
カ 商品化
キ 機械・施設の利用
ク 作物栽培の評価
(4) 作物生産の経営改善
ア 作業体系の改善
イ 生産と流通の改善
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,作物生産から食料消費までの食料供給の仕組みを理解させるよう留意すること。
イ 内容の(2)及び(3)については,観察や実験・実習を通して,作物の特性と栽培環境の相互関係から作物の生育と環境の調節について理解させ,作物栽培に関する科学的な見方と実践力を育てるよう留意すること。なお,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な作物を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国と世界の作物生産,食料需給の動向及びそれらの相互関係について基本的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,作物の生育の規則性,生理作用,環境要素が作物に与える影響及び作物栽培の技術の仕組みを扱うこと。
ウ 内容の(2)及び(3)において,作物の学名や英名を扱う場合は,必要最小限の扱いとすること。
エ 内容の(3)については,品種の選定をはじめとする栽培計画,各生育段階の特性に応じた栽培管理,各生育段階の診断方法に基づく栽培評価など作物の栽培と経営について体系的に扱うこと。なお,作物の来歴,品種,病気,害虫,肥料及び農薬については,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
オ 内容の(4)については,作業の順序,組合せとその管理,生産費と流通の手段や経費など作物生産の経営改善について基本的な内容を扱うこと。
第7 野菜
1 目標
野菜の栽培と経営に必要な知識と技術を習得させ,野菜の特性や栽培に適した環境を理解させるとともに,品質と生産性の向上を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 野菜生産の役割と動向
ア 野菜の生産と利用
イ 野菜の需給の動向
(2) 野菜の特性と栽培技術
ア 野菜の生育と生理
イ 栽培環境と生育の調節
ウ 人工環境における栽培技術
(3) 野菜の栽培
ア 野菜の栽培的,経営的特性
イ 品種の特性と選び方
ウ 作型と栽培計画
エ 育苗
オ 栽培管理
カ 商品化
キ 施設の利用
ク 野菜栽培の評価
(4) 野菜生産の経営改善
ア 作業体系の改善
イ 生産と流通の改善
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,野菜の生産,利用から消費までの仕組みを理解させるよう留意すること。
イ 内容の(2)及び(3)については,観察や実験・実習を通して,野菜の特性と栽培環境の相互関係から野菜の生育と環境の調節及び人工環境における栽培技術について理解させ,野菜栽培に関する科学的な見方と実践力を育てるよう留意すること。なお,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な野菜を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国を中心に,野菜生産の役割,野菜の多様な利用形態及び需給の動向について基本的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,野菜の生育過程,生理作用,環境要素や成長調節物質が野菜に与える影響及び野菜栽培の技術の仕組みを扱うこと。
ウ 内容の(2)及び(3)において,野菜の学名や英名を扱う場合は,必要最小限の扱いとすること。
エ 内容の(3)については,野菜の作型の選定をはじめとする栽培計画,各生育段階の特性に応じた栽培管理,各生育段階の診断方法に基づく栽培評価など野菜の栽培と経営について体系的に扱うこと。なお,野菜の来歴,品種,作型,病気,害虫,肥料及び農薬については,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
オ 内容の(4)については,作業の順序,組合せとその管理,生産費と流通の手段や経費など野菜生産の経営改善について基本的な内容を扱うこと。
第8 果樹
1 目標
果樹の栽培と経営に必要な知識と技術を習得させ,果樹の特性や栽培に適した環境を理解させるとともに,品質と生産性の向上を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 果実生産の役割と動向
ア 果実の生産と利用
イ 果実の需給の動向
(2) 果樹の特性と栽培技術
ア 果樹の生育と生理
イ 栽培環境と生育の調節
(3) 果樹の栽培
ア 果樹の栽培的,経営的特性
イ 品種の特性と選び方
ウ 繁殖と苗木の養成
エ 作型と栽培計画
オ 栽培管理
カ 商品化
キ 施設の利用
ク 果樹栽培の評価
(4) 果実生産の経営改善
ア 作業体系の改善
イ 生産と流通の改善
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,果実の生産,販売から消費までの仕組みを理解させるよう留意すること。
イ 内容の(2)及び(3)については,観察や実験・実習を通して,果樹の特性と栽培環境の相互関係から果樹の生育と環境の調節について理解させ,果樹栽培に関する科学的な見方と実践力を育てるよう留意すること。なお,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な果樹を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国を中心に,果実生産の役割,果実の多様な利用形態及び需給の動向について基本的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,果樹の生育過程,生理作用,環境要素や成長調節物質が果樹に与える影響及び果樹栽培の技術の仕組みを扱うこと。
ウ 内容の(2)及び(3)において,果樹の学名や英名を扱う場合は,必要最小限の扱いとすること。
エ 内容の(3)については,果樹の作型の選定をはじめとする栽培計画,各生育段階の特性に応じた栽培管理,各生育段階の診断方法に基づく栽培評価など果樹の栽培と経営について体系的に扱うこと。なお,果樹の来歴,品種,作型,病気,害虫,肥料及び農薬については,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
オ 内容の(4)については,品種の選定,作業の順序,組合せとその管理,生産費と流通の手段や経費など果実生産の経営改善について基本的な内容を扱うこと。
第9 草花
1 目標
草花の栽培と経営に必要な知識と技術を習得させ,草花の特性や栽培に適した環境を理解させるとともに,品質と生産性の向上を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 草花生産の役割と動向
ア 草花生産の特性
イ 生活と草花の利用
ウ 草花の需給の動向
(2) 草花の特性と栽培技術
ア 草花の生育と生理
イ 栽培環境と生育の調節
(3) 草花の栽培
ア 草花の栽培的,経営的特性
イ 品種の特性と選び方
ウ 作型と栽培計画
エ 栽培管理
オ 商品化
カ 施設の利用
キ 草花栽培の評価
(4) 草花の繁殖と育種
ア 草花の繁殖
イ 草花の育種
(5) 草花生産の経営改善
ア 作業体系の改善
イ 生産と流通の改善
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,草花の生産から消費までの仕組みと草花の利用の形態を理解させるよう留意すること。
イ 内容の(2)から(4)までについては,観察や実験・実習を通して,草花の特性と栽培環境の相互関係から草花の生育と環境の調節について理解させ,草花栽培に関する科学的な見方と実践力を育てるよう留意すること。なお,地域農業の実態,学科の特色や消費動向に応じて,題材として適切な草花を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国を中心に,生活の中で草花が利用されている状況,草花生産及び需給の動向について基本的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,草花の生育過程,生理作用,環境要素や成長調節物質が草花に与える影響及び草花栽培の技術の仕組みを扱うこと。
ウ 内容の(2)から(4)までにおいて,草花の学名や英名を扱う場合は,必要最小限の扱いとすること。
エ 内容の(3)については,草花の品種の選定をはじめとする栽培計画,各生育段階の特性に応じた栽培管理,各生育段階の診断方法に基づく栽培評価など草花の栽培と経営について体系的に扱うこと。なお,草花の来歴,品種,作型,病気,害虫,肥料及び農薬については,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
オ 内容の(4)については,草花の種子繁殖,栄養繁殖及び育種方法について体系的に扱うこと。なお,バイオテクノロジーを用いた繁殖については基本的な内容にとどめること。
カ 内容の(5)については,品種の選定,作業管理,施設利用,生産費と流通の手段や経費など草花生産の経営改善について基本的な内容を扱うこと。
第10 畜産
1 目標
家畜の飼育と経営に必要な知識と技術を習得させ,家畜の特性や飼育環境を理解させるとともに,合理的な家畜管理と生産性の向上を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 畜産の役割と動向
ア 畜産の役割と特色
イ 畜産物の需給の動向
(2) 家畜の生理・生態と飼育環境
ア 家畜の生理・生態
イ 飼育環境の調節
(3) 家畜と飼料
ア 家畜の栄養と栄養素
イ 消化吸収と栄養素の代謝
ウ 飼料の特性と給与
エ 飼料作物の栽培
オ 草地の管理
(4) 家畜の飼育
ア 飼育計画
イ 飼育管理
ウ 繁殖と育成
エ 家畜の選択と改良
オ 施設の利用
カ 廃棄物の処理
キ 家畜飼育の評価
(5) 畜産の経営改善
ア 作業体系の改善
イ 生産と流通の改善
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,畜産物の生産から食料消費までの食料供給の仕組みを理解させるよう留意すること。
イ 内容の(2)から(4)までについては,観察や実習を通して,家畜の特性と飼育環境の相互関係から飼育環境の調節について理解させ,家畜飼育に関する科学的な見方と実践力を育てるよう留意すること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,題材として適切な家畜を選定すること。
ウ 内容の(3)のエ及びオについては,地域農業の実態,飼料の需給の動向等に応じて,題材として適切な飼料作物を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国を中心に,畜産物の生産,利用及び需給の動向について基本的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,家畜の生理・生態と行動的な特性,環境要因が家畜に与える影響及び飼育環境の調節を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,栄養素の家畜体内における代謝,粗飼料や濃厚飼料の給与,飼料作物の栽培等を扱うこと。
エ 内容の(4)については,品種の選定をはじめとする飼育計画,飼料給与など飼育管理,繁殖成績などの総合的な判断に基づく飼育評価など家畜の飼育と経営について体系的に扱うこと。なお,家畜の起源,分布,病気,施設及び設備については,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。また,エについては,バイオテクノロジーを利用した改良については基本的な内容にとどめること。
オ 内容の(5)については,飼育形態,作業管理,生産費と流通の手段や経費など家畜生産の経営改善について基本的な内容を扱うこと。
第11 農業経営
1 目標
農業経営の設計と管理に必要な知識と技術を習得させ,コスト管理とマーケティングの必要性を理解させるとともに,経営管理の改善を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 農業の動向と農業経営
ア 農業経営と地域農業
イ 我が国と世界の農業
(2) 農業経営の会計
ア 取引,勘定,仕訳
イ 仕訳帳と元帳
ウ 試算表と決算
エ 農産物の原価計算
(3) 農業経営の情報
ア 農業経営情報の収集と活用
イ 農業経営とマーケティング
ウ 農業政策と関係法規
(4) 農業経営の管理
ア 農業経営の主体と目標
イ 農業生産の要素
ウ 経営組織の組立て
エ 経営と協同組織
オ 農業経営の管理
(5) 農業経営の診断と設計
ア 農業経営の診断
イ 農業経営の設計
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)から(5)までについては,学校農場や地域の農業経営の身近な事例を通して,具体的に理解させるよう留意すること。
イ 内容の(2)及び(3)については,演習や実習を通して,簿記の記帳方法及び情報の処理について理解させ,経営の改善を図る合理的な見方と実践力を育てるよう留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,産地形成など地域農業の動向と農業経営及びその相互関係並びに我が国と世界の農業の動向とその相互関係について基本的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,農業会計の原理,農業簿記の仕組み,複式簿記による取引から決算までの処理方法及び原価計算の意義と方法を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,農業生産や経営に関する情報の収集,処理,活用,消費者ニーズの調査と生産,販売計画などのマーケティング及び農業政策とそれに関連する法規の概要を扱うこと。
エ 内容の(5)については,農業所得,労働生産性,資本生産性などの農業経営の診断の指標と診断方法及び労働力,生産基盤,資本などの農業経営の設計に必要な条件と方法を扱うこと。
第12 農業機械
1 目標
農業機械の取扱いと維持管理に必要な知識と技術を習得させ,機械の構造と作業上の特性を理解させるとともに,農業機械の効率的な利用を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 農業機械の役割
ア 農業機械化の意義
イ 農業機械の利用とその現状
(2) 農業機械の操作
ア トラクタとその操作
イ 作業機とその操作
ウ 農業機械と安全作業
(3) 農業機械の構造と整備
ア 原動機の構造と整備
イ トラクタの構造と整備
ウ 作業機の構造と整備
エ 燃料と潤滑油の特質
(4) 農業生産と農業機械の利用
ア 農業機械の効率的利用
イ 農業機械化体系の作成
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,実験・実習を通して,機械の構造と作業特性の相互関係から機械の点検方法について理解させ,機械の維持管理を図る実践力を育てるよう留意すること。また,機械の構造等の理解を深めさせるため,教育用機器の活用に留意すること。
イ 内容の(2)から(4)までについては,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な農業機械を選定すること。また,機械及び燃料の取扱いについては,事故の防止に努め,安全の指導に留意すること。なお,機械要素や整備用工具については,羅列的な扱いをしないこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国における農業機械の利用の現状及び農業の生産性の向上と農業機械化との相互関係を扱うこと。
イ 内容の(3)については,原動機とトラクタの各種装置の作動原理と構造,作業機の作業原理と構造,燃料と潤滑油の役割と性質及び農業機械の整備の方法と整備用機器を扱うこと。
ウ 内容の(4)については,学校農場や地域農業の身近な事例を取り上げて,機械の作業能率や利用経費など農業機械の効率的な利用と目的に応じた農業機械化体系の作成を扱うこと。
第13 食品製造
1 目標
食品製造に必要な知識と技術を習得させ,食品の特性と加工の原理を理解させるとともに,品質と生産性の向上を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 食品製造の意義と動向
ア 食品製造の意義
イ 食品産業の現状と動向
(2) 食品加工の原理と方法
ア 物理的な方法による加工
イ 化学的な方法による加工
ウ 生物的な作用による加工
(3) 食品の加工
ア 原材料の処理
イ 穀類,大豆,イモ類の加工
ウ 野菜,果実の加工
エ 畜産物の加工
オ 発酵食品の製造
カ 食品の包装と表示
(4) 食品の貯蔵
ア 食品の変質の要因
イ 食品の貯蔵法
(5) 機械と装置の利用
ア 製造用の機械と装置の利用
イ ボイラと冷却装置の利用
ウ 自動制御の原理
(6) 食品等の衛生管理
ア 食品の安全性
イ 食品製造における衛生
(7) 生産管理の改善
ア 品質管理
イ 作業体系の改善
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,農業生産,食品製造から食料消費までの食料供給の仕組みを理解させるよう留意すること。
イ 内容の(2)及び(3)については,実験・実習を通して,食品特性と加工原理を理解させ,食品加工の工夫を図る実践力を育てるよう留意すること。
ウ 実験・実習の指導に当たっては,食品や製造用機械・器具の取扱いにおいて食品衛生上の危害の発生の防止に努めるとともに,安全の指導に留意すること。
エ 内容の(3)のアからカまでについては,学科の特色や地域の実態に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国の食生活における食品産業の役割及び食品製造に関する技術の進歩を中心に扱うこと。
イ 内容の(2)については,原材料の特性を利用した加熱,塩漬や発酵などの食品加工の方法とその基本的な原理を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,主な食品の製造工程における操作,検査,包装と表示及び製造用機械・器具の使用方法を扱うこと。なお,原材料や加工食品の分類及び包装材料については,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
エ 内容の(4)については,温度,酸素や微生物による食品の変質とそれに伴う価値の変化及びその防止のための代表的な貯蔵法を扱うこと。
オ 内容の(5)については,内容の(3)及び(4)で扱う食品製造用の機械や装置の操作と整備を扱い,機械を網羅的に扱うことはしないこと。
カ 内容の(6)については,食品による危害の要因,法令に則した施設・設備及び食品の安全性確保のための衛生管理を扱うこと。なお,食中毒,感染症及び食品添加物については,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
キ 内容の(7)については,品質維持を図るための工程と生産環境の管理,衛生検査及び作業体系の基本的な内容を扱うこと。
第14 食品化学
1 目標
食品の分析と検査に必要な知識と技術を習得させ,食品の成分と栄養を理解させるとともに,食品製造及び農業の各分野で応用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 食品化学の役割
ア 食品化学の領域
イ 食品製造と食品化学
(2) 食品の成分と栄養
ア 食品の成分
イ 食品成分の変化
ウ 食品成分の代謝と栄養
エ 食品の栄養的価値の評価
(3) 食品の成分分析
ア 食品分析の基本操作
イ 食品成分の定量分析
ウ 食品成分の物理・化学分析
(4) 食品の衛生検査
ア 食品衛生検査の意義
イ 異物の検査
ウ 細菌の検査
エ 食品添加物の検査
オ 水質検査
カ 食品の安全性の確保
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)から(4)までについては,地域の食生活の現状や学科の特色に応じて,題材として適切な食品と原材料を選定すること。
イ 内容の(3)及び(4)については,実験・実習を通して,成分分析や衛生検査の意義と原理について理解させ,食品製造に応用する実践力を育てるよう留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,食品の成分分析や衛生検査が,食品製造や食生活の改善に果たしている役割を中心に扱うこと。
イ 内容の(2)については,食品中のタンパク質,ビタミンなどの性質,加工や貯蔵時における変化及び体内での働きを中心に扱うこと。
ウ 内容の(2)から(4)までについては,化学式,構造式及び化学反応式については必要最小限の扱いとすること。
エ 内容の(3)については,食品成分の分析方法とその原理及び分析機器の操作を扱うが,分析方法については網羅的な扱いをしないこと。
オ 内容の(4)については,食品の安全性確保のために必要な衛生検査の概要,生菌数の測定などの細菌検査,食品添加物の検査,異物の鑑別及び水質検査の原理と方法を扱うこと。なお,食品添加物については,網羅的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
第15 微生物基礎
1 目標
食品に関連する微生物の利用に必要な知識と技術を習得させ,微生物の特性と培養を理解させるとともに,農業の各分野で微生物を利用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 微生物利用の意義と分野
ア 微生物利用の意義
イ 食品と微生物利用
(2) 微生物の形態と生理
ア 微生物の形態
イ 微生物の栄養
ウ 微生物の増殖と環境
(3) 微生物の分離と培養
ア 微生物実験の基本操作
イ かびの分離と培養
ウ 酵母の分離と培養
エ 細菌の分離と培養
(4) 微生物の作用とその利用
ア 微生物の代謝
イ 微生物の酵素
ウ アルコール発酵
エ 有機酸発酵
オ アミノ酸発酵
カ バイオリアクターと物質生産
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)については,観察,実験を通して,微生物の形態的特徴と生理的特性を具体的に理解させること。
イ 内容の(2)から(4)までについては,微生物の特性を理解させ,微生物の活動を制御し,利用する実践力を育てるよう留意すること。なお,地域の食品産業の実態や学科の特色に応じて,発酵や代謝に用いるかび,酵母,細菌のうちから,題材として適切な菌種を選定すること。また,有害微生物の扱いなど安全の指導に留意すること。
ウ 内容の(4)のウからカまでについては,学科の特色や地域の実態に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,食品や医薬品製造における微生物利用の状況,自然界の物質循環における微生物の役割並びに発酵食品などの食品の製造と保存及び食品の品質の劣化と微生物の関係について基本的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,食品製造における有用微生物と有害微生物の種類と生理・生態及び微生物の増殖の過程の測定と制御の基本的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(2)から(4)までについては,微生物の学名や英名及び化学式や構造式については必要最小限の扱いとすること。
エ 内容の(3)については,微生物の生育条件,培地の種類と調製,器具の殺菌など,かび,酵母と細菌の純粋分離と純粋培養の基本的な内容を扱うこと。
オ 内容の(4)については,糖質に重点を置いた微生物の代謝,酵素の生化学反応,発酵機構と代謝産物及び生体触媒の固定化の基本的な内容を扱うこと。なお,微生物の酵素については,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
第16 植物バイオテクノロジー
1 目標
植物に関するバイオテクノロジーの知識と技術を習得させ,植物体の特性とバイオテクノロジーの特質を理解させるとともに,農業の各分野で応用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) バイオテクノロジーの意義と役割
ア バイオテクノロジーの意義
イ 産業社会とバイオテクノロジー
(2) バイオテクノロジーの特質と基本操作
ア 植物の構造と機能
イ 無菌操作の基本
(3) 植物の増殖能の利用
ア 組織培養の目的と技術体系
イ 培地の組成と調製
ウ 培養植物体の生育と環境
エ 野菜,草花への応用
オ 果樹,作物等への応用
(4) 植物の遺伝情報の利用
ア 遺伝子組換えの仕組み
イ 細胞融合の仕組み
(5) バイオマス・エネルギーの利用
ア 栽培植物の利用
イ 有機廃棄物の利用
(6) 植物バイオテクノロジーの展望
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,観察や実験・実習を通して,植物の分化全能性とその利用について理解させ,組織培養技術を応用する実践力を育てるよう留意すること。
イ 内容の(2)から(4)までについては,地域農業の実態,学科の特色等に応じて,題材として適切な植物を選定すること。また,雑菌による機器,施設などの汚染防止に留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,植物の繁殖などの機能を利用するバイオテクノロジーの技術体系及び農業等の産業各分野での利用の概要を扱うこと。
イ 内容の(2)については,茎頂など植物の組織・器官の構造と機能,植物ホルモンの作用及び器具の殺菌など無菌的条件の設定を中心に扱うこと。
ウ 内容の(3)については,植物細胞の分化全能性,培地の調製,組織培養及び培養植物体の順化,育成を中心に扱うこと。
エ 内容の(4)については,遺伝子の構造,植物のもつ遺伝情報の伝達機能並びに遺伝子組換え及び細胞融合の仕組みについて基本的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)については,バイオテクノロジーを活用して,セルロースなどの木材成分やもみがらなどの有機廃棄物を変換利用する技術を扱うこと。
カ 内容の(6)については,組換え植物の利用などバイオテクノロジーに関する今後の動向,課題及び可能性について基本的な内容を扱うこと。
第17 動物・微生物バイオテクノロジー
1 目標
動物と微生物に関するバイオテクノロジーの知識と技術を習得させ,動物の核,卵,胚や微生物の特性とバイオテクノロジーの特質を理解させるとともに,農業の各分野で応用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) バイオテクノロジーの意義と役割
ア バイオテクノロジーの意義
イ 産業社会とバイオテクノロジー
(2) 動物のバイオテクノロジー
ア 受精卵操作
イ 雌雄の判別
ウ 核移植とクローニング
(3) 微生物のバイオテクノロジー
ア 微生物の種類とその特性
イ 微生物の培養と利用
ウ きのこの培養と改良
(4) バイオリアクター
ア バイオリアクターの特性
イ 生体触媒の固定化法
ウ バイオリアクターの利用
(5) 動物と微生物のバイオテクノロジーの展望
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,地域農業や食品産業の実態,学科の特色に応じて,題材として適切な動物及び微生物を選定すること。
イ 内容の(2)から(4)までについては,実験・実習を通して,動物の組織や微生物の機能を理解させ,バイオテクノロジーの応用を図る実践力を育てるよう留意すること。
ウ 内容の(2)から(4)までについては,学科の特色や地域の実態に応じて,選択して扱うことができること。
エ 内容の(3)及び(4)については,雑菌による機器,施設などの汚染防止に留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,動物の繁殖機能や微生物の増殖機能を利用するバイオテクノロジーの技術体系及び農業,食品産業等の産業各分野での利用の概要を扱うこと。
イ 内容の(2)については,受精卵移植や雌雄の判別など動物のバイオテクノロジーの基本的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,アミノ酸の発酵生産に用いる微生物を中心にそれらの微生物の種類と利用,きのこの種菌の培養などの基本的な内容を扱うこと。
エ 内容の(4)については,微生物や酵素を利用するバイオリアクターの原理と構造,生体触媒の種類,特徴と固定化法及び食品産業などの分野における利用を扱うこと。
オ 内容の(5)については,動物と微生物のバイオテクノロジーに関する今後の動向,課題及び可能性について基本的な内容を扱うこと。
第18 農業経済
1 目標
農業及び食品産業の経済活動に関する知識と技術を習得させ,流通及び市場の原理を理解させるとともに,流通の改善を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 我が国の農業と世界の食料需給
ア 農業と国民経済
イ 世界の食料需給
ウ 農業と国際経済事情
(2) 食料供給と農業及び食品産業
ア 農業生産の役割と特徴
イ 食品産業の役割と特徴
(3) 農産物の流通
ア 農産物の需要と供給
イ 流通の構造と機能
ウ 市場の原理と価格の形成
(4) 農業生産資材の流通
ア 農業生産資材の市場
イ 農業生産資材の流通
(5) 農業と協同組織
ア 農業協同組合
イ 農業生産組織
ウ 農業金融と保険
(6) 農業,食品産業の企業形態
ア 企業の組織と活動
イ 農業関連企業の特質
ウ 農業情報システム
(7) 農業・食料政策と関係法規
ア 農業・食料政策
イ 農業経済と関係法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)から(5)までについては,地域の具体的な事例を通して,農業や食品産業の経済活動について理解を深めさせるよう留意すること。
イ 内容の(5)から(7)までについては,学科の特色や地域の実態に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,農業と食品産業が我が国の経済活動において果たしている役割,国際的な食料需給の動向が我が国の農業と食品産業に与える影響等について基本的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,食料消費の形態と動向並びに食料供給における農業,食品製造業,食品流通業及び外食産業の役割と動向について基本的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)及び(4)については,主な農産物と農業生産資材の流通構造,需要と供給の変動の要因及び市場の役割を重点的に扱うこと。
エ 内容の(5)については,販売事業や信用事業など農業協同組合の事業,共同出荷など生産組合の事業,農業経営における資金と共済制度の意義などについて基本的な内容を扱うこと。
オ 内容の(6)のア及びイについては,農業及び食品産業の企業的経済活動の意義,活動及び組織を扱うこと。また,アについては,農業法人を重点的に扱うこと。
カ 内容の(7)については,農業政策及び食料政策とその関係法規の概要を扱うこと。
第19 食品流通
1 目標
農産物を主とする食品の流通に必要な知識と技術を習得させ,食品の特性と流通構造を理解させるとともに,食品の流通と管理の合理化を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 食品流通と食品産業
ア 食品産業と国民経済
イ 食品流通とフードシステム
(2) 食品流通の構造と機能
ア 食品流通の社会的機能
イ 食品流通の構造
ウ 流通経費と価格形成
エ 食品流通と環境問題
(3) 主な食品の流通
ア 米と麦類の流通
イ 青果物の流通
ウ 畜産物の流通
エ 加工食品の流通
(4) 食品の品質と規格
ア 食品の機能と安全性
イ 品質と品質保証
ウ 規格,表示と検査
エ 食品流通と包装
オ 食品の変質と環境条件
(5) 食品の輸送と保管
ア 食品の輸送
イ 食品の保管
ウ 物流のシステム化
エ 物流と情報処理
(6) マーケティング
ア 食品市場の調査
イ 販売計画と仕入計画
ウ 流通と販売の改善
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,食品流通の具体的な事例を通して,流通の仕組みについて理解を深めさせるよう留意すること。
イ 内容の(2)及び(3)については,調査や実習を通して,食品の特性と流通構造を理解させ,流通の改善を図る実践力を育てるよう留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,食品産業の国民経済における役割と食料の供給において食品流通が果たす役割を中心に扱うこと。
イ 内容の(3)については,我が国の主な食品の商品特性及び流通の手段,経路と機能を扱うこと。なお,地域の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な食品を選定すること。
ウ 内容の(4)については,食品の栄養や安全性などの品質の保持と保証,そのための検査,包装及び環境条件の整備を扱うこと。なお,食品の規格や表示については,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
エ 内容の(5)については,食品の品質の維持と効率化を図る輸送と保管の技術及びそれを支える物流のシステムについて基本的な内容を扱うこと。
オ 内容の(6)については,マーケティングの原理,食品市場の調査と情報分析,消費動向,品揃えと数量などの仕入れ計画及び商品陳列,広告,販売方法などの販売計画について基本的な内容を扱うこと。
第20 森林科学
1 目標
森林の育成,保全と利用に必要な知識と技術を習得させ,森林生態系と林木の生育特性を理解させるとともに,森林を総合的に利用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 森林と育林
ア 森林の役割
イ 育林の意義
(2) 森林の生態と分布
ア 森林生態系
イ 森林の分布
(3) 林木の生育と環境
ア 主な樹種の性状
イ 林木の生育特性
ウ 林木の生育と環境要因
(4) 育苗と造林
ア 林木の育苗と育種
イ 苗畑の管理
ウ 人工更新と天然更新
エ 主な林木の造林法
(5) 森林の保育と山地の保全
ア 林木と林地の保育
イ 森林の保護
ウ 治山
エ 林道
(6) 木材の利用
ア 林木の伐採
イ 造材と集材
ウ 木材の運搬
(7) 森林の総合的利用
ア 森林の総合的利用の展開
イ 持続可能な森林経営
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,学校林や地域の森林における実習を通して,森林の生態系及び林業の意義と役割について具体的に理解を深めさせるよう留意すること。
イ 内容の(3)から(5)までについては,観察や実験・実習を通して,林木の生育特性と環境要因を理解させ,長期の森林造成を図る計画的な実践力を育てるよう留意すること。
ウ 内容の(3)から(6)までについては,我が国の森林・林業の状況,地域の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な林木を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国の森林を中心に扱い,有機物の蓄積をはじめとする森林の機能を維持するための育林の意義を扱うこと。
イ 内容の(2)については,森林生態系での物質循環と遷移及び森林植生の分布と気候の関係について基本的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,我が国の有用林木の細胞組織などの性状,耐陰性などの生育特性及び環境要因が林木の生育に及ぼす影響を扱うが,樹種の性状については詳細に深入りしないこと。
エ 内容の(4)については,実生苗や挿し木苗の養成及び造林の基本的な内容を扱い,人工更新については詳細に深入りしないこと。
オ 内容の(5)については,人工林の維持増進,林木と林地の保育作業,森林の災害からの保護及び治山と林道について基本的な内容を扱うこと。
カ 内容の(7)については,生産機能や環境保全機能などの森林の多様な機能の総合的な利用と生物の多様性の保全などを図る持続可能な森林経営の概要を扱うこと。
第21 森林経営
1 目標
森林経営の計画と管理に必要な知識と技術を習得させ,森林の機能及び森林の評価の必要性を理解させるとともに,森林を持続的に経営する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 森林と森林経営
ア 我が国と世界の森林
イ 森林経営の意義と役割
(2) 森林の機能
ア 林産物生産機能
イ 環境保全機能
ウ 保健休養機能
(3) 森林の測定と評価
ア 森林の測定
イ 森林の機能の評価
ウ リモートセンシングの利用
(4) 森林経営の計画
ア 森林経営の目標
イ 森林施業計画
ウ 森林空間の利用計画
エ 特用林産物の利用計画
(5) 森林経営の管理
ア 森林経営の管理組織
イ 森林施業と生産管理
ウ 森林経営情報の活用
エ 森林空間の活用
オ 特用林産物の生産と販売
(6) 森林政策と関係法規
ア 我が国の森林政策
イ 森林の流域管理システム
ウ 森林関係法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,学校林や地域の森林における実習を通して,森林の機能とその測定を理解させ,森林を多面的に評価する科学的な見方と実践力を育てるよう留意すること。
イ 内容の(3)から(5)までについては,地域の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な森林を選定すること。また,指導に当たっては,視聴覚教材や資源探査衛星などの情報を適切に活用するよう留意すること。
ウ 内容の(6)のアからウまでについては,地域の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,我が国と世界の森林資源,木材の需給の動向及びそれらの相互関係について基本的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,森林が有する,木材等の林産物の生産や供給,国土の保全や水資源の涵養,保健休養や教育的利用の場の提供などの機能に関する基本的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,立木材積や成長量の測定と空中写真による森林測定及び森林の機能の評価を扱うが,測定については詳細に深入りしないこと。
エ 内容の(4)及び(5)については,我が国の森林生態系の維持並びに木材等の財及び保健休養等のサービスの持続的な供給の計画と管理について基本的な内容を扱うこと。
オ 内容の(6)については,我が国の森林政策,森林の流域管理システム及び森林に関する法規の概要を扱うこと。
第22 林産加工
1 目標
林産物の加工,利用に必要な知識と技術を習得させ,林産物の特性を理解させるとともに,林産物の多様な利用を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 林産加工の意義と動向
ア 森林・林業と林産加工
イ 林産工業の現状と動向
(2) 木材の性質と用途
ア 木材の構造と性質
イ 木材の用途
(3) 製材と木材の工作
ア 製材
イ 木材の乾燥と保存
ウ 木材の工作
(4) 木材の加工と利用
ア 改良木材の製造
イ 木材パルプ
ウ 木炭と和紙
エ バイオマスの変換利用
(5) 特用林産物の生産と加工
ア きのこの生産と加工
イ 薬用植物の生産と加工
ウ 山菜の加工
エ つる等の加工
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)から(4)までについては,実験・実習を通して,木材の構造と性質について理解させ,木材の多角的な利用を図る実践力を育てるよう留意すること。
イ 内容の(3)から(5)までについては,地域林業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な林産物を選定すること。また,加工・製造機械類の操作及び各種薬剤などによる事故の防止に努め,安全の指導に留意すること。
ウ 内容の(4)のイからエまで及び内容の(5)のアからエまでについては,地域の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,木材加工業と林産製造業を重点的に扱うこと。
イ 内容の(2)については,木材の用途とそれに関係する構造と性質を扱うこと。なお,木材の性質については,網羅的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
ウ 内容の(4)については,木材の材質の改良,木材の物理的処理と化学的処理及びバイオマス変換による生物エネルギーの利用について基本的な内容を扱うこと。
第23 農業土木設計
1 目標
土木設計に必要な知識と技術を習得させ,水と土の基本的性質と構造物の特質を理解させるとともに,目的に応じ,自然環境と調和した農業土木構造物を設計する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 農業土木設計の意義
ア 農業土木の意義と役割
イ 農業土木構造物の特質
ウ 設計の基本と設計製図
(2) 設計と力学
ア 力と釣合い
イ 平面図形の性質
ウ 材料の性質と強さ
(3) 水と土の基本的性質
ア 水の基本的性質
イ 土の基本的性質
(4) 構造及び部材の計算と設計
ア 静定ばりの計算と設計
イ 不静定ばりの基礎
ウ 柱
エ トラス
オ ラーメン
(5) 鉄筋コンクリート構造と鋼構造の設計
ア 鉄筋コンクリート構造
イ 鋼構造
(6) 農業土木構造物の設計
ア 基礎工
イ 擁壁
ウ 水利構造物
エ 道路
オ 自然環境と農業土木構造物
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(3)については,水理実験を通して流速など水の性質を体験的に理解させるとともに,土質試験を通して土粒子の比重など土の性質を体験的に理解させること。
イ 内容の(6)については,学科の特色や地域の実態に応じて,題材として適切な農業土木構造物を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,農業土木事業と構造物の目的,特徴と性質及び構造物の設計手順と製図法を扱うこと。
イ 内容の(2)については,力の合成と分解,断面二次モーメントなどの断面の性質及び構造材料の強さと特性を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,水の物理的性質,静水圧や水の流れ,土の構造や土圧など水と土の性質に関する基本的な内容を扱うこと。なお,土質試験の方法については,詳細に深入りしないこと。
エ 内容の(4)については,はり,柱とトラスに作用する外力と応力及びその計算方法を扱うが,高度な計算方法には深入りしないこと。また,ラーメン構造については概要を扱うこと。
オ 内容の(5)については,鉄筋コンクリート構造と鋼構造の性質,許容応力度法及び限界状態設計法について基本的な内容を扱うこと。
第24 農業土木施工
1 目標
農業土木施工に必要な知識と技術を習得させ,農業土木工事の特質を理解させるとともに,各種の工事を自然環境に配慮し,合理的に施工する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 農業土木工事の役割
ア 農業土木工事の意義と役割
イ 農業土木工事の特質
(2) 農業の基盤整備と自然環境
ア 地域計画と環境アセスメント
イ 農地整備の計画と施工
(3) 農業水利
ア 利水と治水
イ かんがいと排水
ウ 水の有効利用と水質保全
(4) 農業土木工事の施工
ア 土工
イ コンクリート工
ウ 基礎工
エ 道路工
オ 植栽工
(5) 工事の運営管理
ア 工事の運営組織
イ 仕様と積算
ウ 品質管理と工程管理
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)から(4)までについては,地域の実態や学科の特色等に応じて,題材として適切な農業土木工事を選定すること。
イ 内容の(4)については,土木構造物の見学,調査や実習を通して,農業土木工事の特質を理解させ,工事の改善を図る実践力を育てるよう留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,農地の整備と保全,かんがい,排水などの各種農業土木工事の概要を扱うこと。
イ 内容の(3)については,農業用水,生活用水などの利水とその有効利用,堤防や洪水調節などの治水,水田や畑地へのかんがいと排水の方式と施設及び水質の汚濁防止や処理施設を重点的に扱うこと。
第25 造園計画
1 目標
造園の計画・設計に必要な知識と技術を習得させ,緑地のもつ機能を理解させるとともに,目的や環境に応じた造園空間を創造する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 造園計画の意義と緑地環境の役割
ア 生活と緑地環境
イ 造園計画と造園空間
(2) 環境と造園の様式
ア 日本の環境と造園様式
イ 外国の環境と造園様式
(3) 造園製図と造園デザインの基礎
ア 造園製図の基礎
イ 造園デザインの基礎
(4) 庭園の計画・設計
ア 住宅庭園
イ 学校庭園
(5) 公園,緑地の計画・設計
ア 都市緑地
イ 農村緑地
ウ 自然公園
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)については,日本と外国の造園様式を,それぞれの国や地域の自然環境,文化的環境及び社会的環境と関連付けて理解させること。
イ 内容の(5)のアからウまでについては,学科の特色や地域の実態に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,造園の目的と計画及びそれに基づく造園空間の創造と利用の概要を扱うこと。
イ 内容の(2)については,日本と外国の主な造園様式とその変遷並びにそれを取り巻く自然環境,文化的環境及び社会的環境を総合的に扱い,詳細に深入りしないこと。
ウ 内容の(4)については,住宅庭園と学校庭園の構成,機能と環境条件など庭園の計画・設計に必要な内容を扱うこと。なお,庭園の歴史や施設については,詳細に深入りしないこと。
エ 内容の(5)については,都市緑地,農村緑地,自然公園の種類,機能,役割,環境条件など公園や緑地の計画・設計に関する基本的な内容を扱うこと。なお,イ及びウについては,設計を扱わないことができること。
第26 造園技術
1 目標
造園の施工と管理に必要な知識と技術を習得させ,造園の特質と造園緑化材料の特性を理解させるとともに,材料を適切に取り扱い,合理的に施工し,維持管理する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 造園技術の特色と役割
ア 造園技術の特色
イ 造園施工と管理の役割
(2) 造園緑化材料
ア 植物材料
イ 岩石材料
ウ その他の材料
(3) 造園植栽施工
ア 植栽とデザイン
イ 芝生,花壇等の造成
(4) 造園土木施工
ア 敷地の造成と土壌の改良
イ コンクリート工
ウ 給排水工
エ 造園施設工
(5) 植物及び工作物の管理
ア 植物の管理
イ 工作物の管理
ウ 景観の管理
(6) 合理的な施工と管理
ア 工程管理
イ 品質管理
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)については,観察,実習を通して,造園空間を構成するために必要な植物材料や岩石材料の特性とその取扱いを具体的に理解させること。
イ 内容の(3)から(5)までについては,地域の実態や学科の特色等に応じて,造園の施工と管理を行う上で適切な題材を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,作庭技術,植栽技術などの造園技術の特色,造園空間の創出と維持管理など造園の施工と管理の概要を扱うこと。
イ 内容の(2)のア及びイについては,植物材料や岩石材料の種類と特性及び植物材料の育成を扱うこと。なお,地域の造園施工の実態等に応じて,題材として適切な造園緑化材料を選定すること。ウについては,木材,竹材,金属材などを扱うこと。
ウ 内容の(2)から(5)までについては,病気,害虫,機械及び器具について,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
エ 内容の(5)については,造園樹木のせん定と整姿,工作物の補修などの維持管理及び造園の目的に沿った景観の維持管理を扱うこと。
第27 測量
1 目標
測量に必要な知識と技術を習得させ,測定値の処理と測定機器の特質を理解させるとともに,各種の事業に応用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 測量の意義と役割
ア 測量の種類と役割
イ 測定値の処理と作図
(2) 平面の測量
ア 平板測量
イ 距離の測量
ウ 角の測量
エ トラバース測量
オ 三角測量と三辺測量
(3) 高低の測量
ア 直接水準測量
イ 間接水準測量
(4) 写真測量
ア 空中写真の性質と実体視
イ 空中写真の判読と図化
ウ 写真測量の利用
エ リモートセンシングの応用
オ 地理情報システム
(5) 応用測量
ア 地形測量
イ 路線測量
ウ 工事測量
エ 河川測量
オ 森林緑地測量
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,実習を通して,測量の原理と測定機器の操作について理解させ,測量を各種の事業に活用する実践力を育てるよう留意すること。
イ 内容の(5)のアからオまでについては,学科の特色や地域の実態に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(4)については,写真測量の基本的な測定原理及び写真測量のデータの利用に重点を置き,リモートセンシングと地理情報システムについては基本的な内容を扱うこと。
イ 内容の(5)については,既存の地形図の利用,各種事業の目的に応じた測量の選択,作図の方法と精度の扱いなど応用測量について基本的な内容を扱うこと。
第28 生物活用
1 目標
園芸作物と社会動物の活用に必要な知識と技術を習得させ,園芸作物と社会動物の特性及び園芸と動物を活用したセラピーの特質を理解させるとともに,生活の質の向上や健康の改善を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 生物活用の意義と役割
ア 生物活用の役割と動向
イ 園芸作物,社会動物と人間生活
(2) 園芸作物の栽培と活用
ア 草花,野菜,ハーブの栽培と活用
イ 園芸デザインとその利用
(3) 社会動物の飼育と活用
ア 社会動物の飼育としつけ
イ 社会動物の訓練と活用
(4) 健康の改善と生活の質の向上
ア 生物活用と対人サービス
イ 園芸セラピー
ウ 動物セラピー
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,実習を通して,園芸活動や社会動物との交流の健康上の効果について理解させ,園芸作物や社会動物を有効に活用する実践力を育てるよう留意すること。
イ 内容の(2)及び(3)については,学科の特色や地域の実態に応じて,選択して扱うことができること。また,学科の特色や地域の実態に応じて,題材として適切な園芸作物や社会動物を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)については,健康上の効果に着目した園芸作物の栽培や園芸デザインの活動を中心に扱い,それを活用した交流活動の準備や活動の支援も扱うこと。
イ 内容の(3)については,健康上の効果に着目した社会動物との交流とそのための飼育や訓練の活動を中心に扱い,それを活用した交流活動の準備や活動の支援も扱うこと。
ウ 内容の(4)については,園芸作物や社会動物を活用した対人サービスの特性,園芸セラピーと動物セラピーの準備,計画などの基本的な内容を扱うこと。
第29 グリーンライフ
1 目標
交流,余暇活動の展開に必要な知識と技術を習得させ,農業や農村のもつ多面的な機能と対人サービスの特性を理解させるとともに,交流,余暇活動を導入した経営の改善を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 農業・農村と対人サービス
ア 交流,余暇活動型経営の動向
イ 農業・農村と対人サービスの特性
(2) 農業・農村体験の援助と応接
ア 農業体験の指導と援助
イ 農村体験の受入れと応接
(3) 農業・農村の機能の活用
ア 自然環境の活用
イ 農村景観の活用
ウ 農村文化の活用
エ 地域農産物の加工
(4) 市民農園とグリーン・ツーリズム
ア 市民農園,観光農園の運営
イ グリーン・ツーリズムの実施
ウ 施設の整備と維持管理
(5) 農業と農村生活の向上
ア 地域の文化と生活の向上
イ 経営の改善と地域の活性化
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(3)のアからエまでについては,学科の特色や地域の実態に応じて,選択して扱うことができること。
イ 内容の(2)及び(4)については,見学や実習を通して,市民農園やグリーン・ツーリズムの企画や運営を図る実践力を育てるよう留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国の交流,余暇活動を導入した経営の動向及び農業・農村体験を生かした対人サービスについて基本的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,栽培や飼育の体験の指導と援助の方法及び体験活動や交流活動の準備と接客法を重点的に扱うこと。
ウ 内容の(3)については,里山や渓流などの自然環境,田畑や農家などの農村景観,郷土芸能などの文化や地域の農産物加工などの農業・農村がもつ機能の活用について基本的な内容を扱うこと。
エ 内容の(4)については,栽培や収穫体験を行う農園活動と農村滞在型余暇活動の企画,運営の基本的な内容を扱うこと。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 農業に関する各学科においては,「農業科学基礎」又は「環境科学基礎」のいずれか1科目及び「課題研究」を原則としてすべての生徒に履修させること。
(2) 農業に関する各学科においては,原則として農業に関する科目に配当する総授業時数の10分の5以上を実験・実習に配当すること。また,実験・実習に当たっては,ホームプロジェクトを取り入れることもできること。
(3) 地域や産業界等との連携を図り,就業体験を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。
2 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を図り,学習の効果を高めるよう配慮するものとする。
3 実験・実習を行うに当たっては,施設・設備の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。
第2節 工業
第1款 目標
工業の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,現代社会における工業の意義や役割を理解させるとともに,環境に配慮しつつ,工業技術の諸問題を主体的,合理的に解決し,社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を育てる。
第2款 各科目
第1 工業技術基礎
1 目標
工業に関する基礎的技術を実験・実習によって体験させ,各分野における技術への興味・関心を高め,工業の意義や役割を理解させるとともに,工業に関する広い視野を養い,工業の発展を図る意欲的な態度を育てる。
2 内容
(1) 人と技術と環境
ア 人と技術
イ 環境に配慮した技術
(2) 基礎的な加工技術
ア 形態を変化させる加工
イ 質を変化させる加工
(3) 基礎的な生産技術
ア 生産の流れと技術
イ 基礎的な分析及び測定技術
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,相互に関連する実験や実習内容を取り上げるよう留意し,総合的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,産業社会や職業生活についての調査や見学を通して,科学技術の発達と人間とのかかわりについて理解させること。また,職業資格及び工業所有権を簡単に扱うこと。イについては,環境に配慮した工業技術について,身近な事例を通して,その意義や必要性について理解させること。
イ 内容の(2)については,日常生活にかかわる身近な製品の製作例を取り上げ,工業技術への興味・関心を高めるよう留意するとともに,工具や器具を用いた加工及び機械や装置類を活用した加工を体験させること。アについては,塑性加工など,形態を変化させる加工の基礎的な内容を扱うこと。イについては,化学変化など,主として質を変化させる加工の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,簡単な工業製品の製作を通して,生産に関する技術の基礎的な内容を扱うこと。イについては,具体的な事例を通して,生産にかかわる基礎的な分析及び測定技術の重要性について理解させること。
第2 課題研究
1 目標
工業に関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習を通して,専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問題解決の能力や自発的,創造的な学習態度を育てる。
2 内容
(1) 作品製作
(2) 調査,研究,実験
(3) 産業現場等における実習
(4) 職業資格の取得
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,内容の(1)から(4)までの中から個人又はグループで適切な課題を設定させること。なお,課題は内容の(1)から(4)までの2項目以上にまたがる課題を設定することができること。
イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めること。
第3 実習
1 目標
工業の各専門分野に関する基礎的な技術を実際の作業を通して総合的に習得させ,技術革新に主体的に対応できる能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 要素実習
(2) 総合実習
(3) 先端的技術に対応した実習
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,生徒の興味・関心,進路希望等に応じて実習内容の重点化を図るとともに,生徒に実習内容を選択させるなど,弾力的に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,各専門分野に対応した要素的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,内容の(1)の個々の要素技術を総合化した内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,工業の各専門分野における先端的技術の中から,基礎的な内容を選択して扱うこと。
第4 製図
1 目標
製図に関する日本工業規格及び各専門分野の製図について基礎的な知識と技術を習得させ,製作図,設計図などを正しく読み,図面を構想し作成する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 製図の基礎
ア 製図と規格
イ 図面の表し方
(2) 各専門分野の製図・設計製図
ア 各専門分野に関する製図
イ 各専門分野に関する設計製図
(3) 自動設計製図装置の基礎
ア 自動設計製図装置の機能
イ 自動設計製図装置を活用した設計製図
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)については,各学科の特色に応じて,関連する内容を選択して扱うこと。
イ 指導に当たっては,必要に応じて内容と関連する国際規格を取り上げ,基礎的な内容を取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,日本工業規格の製図に関する基礎的な内容を扱うこと。イについては,基礎的な図法及び製図用具の使い方を扱うこと。
イ 内容の(2)については,各学科の目的に応じ,適切な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のイについては,具体的な事例を通して活用の方法について理解させるとともに,基礎的な図面を作成させること。
第5 工業数理基礎
1 目標
工業の各分野における事象の数理処理に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 工業の事象と数式
ア 工業の事象の計算
イ 面積,体積,質量の積算
ウ 単位と単位換算
(2) 基礎的な数理処理
ア 力とエネルギー
イ 力と釣合い
ウ 計測と誤差
エ 工業の事象とグラフ
(3) 応用的な数理処理
(4) コンピュータによる数理処理
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,演習を重視し,数学を工業の基礎的事象を処理する道具として活用させるよう留意すること。
イ 内容の(4)については,内容の(1)から(3)までの数理処理と関連付けて扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のア及びイについては,中学校までに学んだ数学を基礎に数理処理できる工業の事象を扱うこと。ウについては,国際単位系を簡単に扱い,具体的な単位換算については内容の(2)及び(3)の各項目の中で扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,力とエネルギーに関する工業の事象を取り上げ,具体的な数理処理を扱うこと。イについては,力と釣合いに関する工業の事象を取り上げ,具体的な数理処理を扱うこと。ウについては,測定した値の精度及び位取りを扱い,有効数字の考え方について理解させること。エについては,工業の事象に関する実験の測定値をグラフに表す方法を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,学科の特色に応じて,題材として適切な工業の事象を取り上げ,流れと圧力,時間とともに変化する事象などの数理処理を扱うこと。微積分を用いる場合は基礎的な内容にとどめること。
エ 内容の(4)については,工業に関する事象を迅速かつ合理的に数理処理する技能を習得させること。
第6 情報技術基礎
1 目標
社会における情報化の進展と情報の意義や役割を理解させるとともに,情報技術に関する基礎的な知識と技術を習得させ,情報及び情報手段を活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 産業社会と情報技術
ア 情報化の進展と産業社会
イ 情報のモラルと管理
(2) ソフトウェア
ア オペレーティングシステムの基礎
イ アプリケーションソフトウェアの利用
(3) プログラミング
ア 流れ図
イ 基本的なプログラミング
ウ プログラム及びデータの取扱い
(4) ハードウェア
ア 論理回路
イ 処理装置の構成と動作
ウ 周辺装置
(5) マルチメディア・制御・通信
ア マルチメディアの活用
イ コンピュータ制御
ウ データ通信とネットワーク
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,コンピュータの操作を通して具体的に理解させるよう留意すること。
イ 内容の(5)のイについては,学科の特色に応じて,扱わないことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,情報化の進展が産業社会に及ぼす影響について,身近な事例を通して理解させるとともに,望ましい情報活用のモラルと管理の在り方について理解させること。また,著作権の保護を簡単に扱うこと。
イ 内容の(2)については,ソフトウェアの概要について理解させるとともに,利用に必要な基本的な操作を習得させること。
ウ 内容の(3)については,基本的なプログラムの作成方法を扱い,サブルーチン,配列,ファイル処理及びグラフィック処理は簡単に触れる程度とすること。
エ 内容の(4)については,基本的なハードウェアの概要を扱うこと。
オ 内容の(5)については,マルチメディアやネットワークの基礎的な内容を扱うこと。
第7 材料技術基礎
1 目標
工業の各分野に用いられる材料の製造,組織,性質及び用途に関する基礎的な知識を習得させ,材料の選択及び改良に必要な基礎的な能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 工業材料と社会生活
(2) 工業材料の性質と構造
ア 物質の状態と材料の構造
イ 変形と流動
ウ 構造と性質
(3) 工業材料の検査
ア 機械的性質の検査
イ 顕微鏡による組織検査
ウ 計器による検査
(4) 工業材料の製造
ア 金属材料の製造
イ ファインセラミックスの製造
ウ 高分子材料の製造
(5) 工業材料の加工
ア 工業材料の加工性
イ 主な加工法
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,材料の性質,検査方法,製造方法などについて理解させ,工業材料の性質の利用や改善を図る基礎的な能力と態度を育てること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,工業材料が社会生活及び産業に果たしている役割を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,工業材料の化学結合の原理及び結晶構造を扱うこと。イについては,工業材料の変形及び流動と組織との関係を扱うこと。ウについては,工業材料の結晶構造と機械的,物理的,化学的性質との関係を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,検査の原理,検査方法及び検査結果と工業材料の性質との関係を扱うこと。
エ 内容の(4)については,主な工業材料を取り上げ,製造法の原理と材料の性質との関連性について理解させること。
オ 内容の(5)のアについては,金属,セラミックス及び高分子材料の加工性の違いを扱うこと。イについては,鋳造,成形,機械加工,焼結などの主な加工方法の原理と方法を扱うこと。
第8 生産システム技術
1 目標
生産システムに関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 電気技術
ア 直流回路
イ 交流回路
ウ 電気設備
(2) 電子技術
ア 電子回路
イ 電子部品と情報機器
(3) 計測・制御
ア 計測の基礎と計測用機器
イ 制御の基礎
ウ コンピュータ制御
(4) 機械技術
ア 機械設備
イ 材料の加工技術
(5) 生産管理とシステム技術
ア 生産管理
イ 生産の合理化とシステム技術
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(3)及び(5)については,コンピュータを活用するなど,指導上の工夫に努めること。
イ 内容の(3)から(5)までについては,生徒の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のア及びイについては,基礎的な電気回路を扱うこと。ウについては,生産システムに必要な電気設備の基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,基礎的な電子回路の原理及び構成を扱うこと。イについては,基本的な電子部品の特徴と活用例及び生産システムにおける情報機器の基本的な構成と動作原理を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,計測の方法及び計測用機器の原理と構成を扱うこと。イについては,シーケンス制御とフィードバック制御の原理と構成及び電気的制御機器と機械的制御機器の原理と構成を扱うこと。ウについては,コンピュータ制御の原理及び制御機器とのインタフェースを扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,基本的な機械設備及びコンピュータ制御による自動化設備の原理と構成を扱うこと。イについては,基礎的な加工技術の原理と方法について理解させること。
オ 内容の(5)のアについては,工程管理を中心に扱うこと。イについては,コンピュータを利用した生産のシステム技術に関する基礎的な内容を扱うこと。
第9 工業技術英語
1 目標
工業の各分野における生産,営業及び管理の業務に必要な技術英語に関する知識と表現技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 工業に関連した簡単な会話
(2) 会議における会話
(3) プレゼンテーション
(4) 情報通信ネットワークを利用したコミュニケーション
(5) 工業技術に関連したリーディングとライティング
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,英語科教員やネイティブ・スピーカーとの連携について留意すること。
イ 指導に当たっては,工業の各分野で共通に必要とされる実践的な事例を取り扱い,基礎的な用語を使用し,専門的な用語は各分野の必要に応じて取り扱うよう留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,技術者としての自己紹介及び工場や実験室での簡単な会話を扱うこと。
イ 内容の(2)については,会議での簡単な質問の方法及び自分の意見を述べる方法を扱うこと。また,司会者として会議を進める際に必要な基本的な表現を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,各種の資料を用いて発表する際の基本的な表現を扱うこと。
エ 内容の(4)については,情報通信ネットワークを活用した簡単な英文による部品の注文や説明などを扱うこと。
オ 内容の(5)については,工業製品仕様書の読解,報告書や図表の作成など,工業の各分野における基礎的な題材を取り上げて,表現技術を習得させること。
第10 工業管理技術
1 目標
工業生産の運営と管理に関する基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 工業管理技術の概要
(2) 生産の計画と管理
ア 生産の計画
イ 生産の管理
(3) 工程管理と品質管理
ア 工程管理
イ 品質管理
(4) 安全管理
ア 生産現場における災害とその防止
イ 環境の保全
(5) 工場の経営
ア 人事管理
イ 工業会計
ウ 工業関係法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,産業現場を見学したり企業での具体的な事例を取り上げたりして,具体的に理解させるよう留意すること。
イ 内容の(5)の指導に当たっては,ベンチャー企業の具体的な経営事例を取り上げ,起業家の養成の重要性についても簡単に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,工業生産の管理技術の意義と工業生産に関する組織の概要を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,需要予測と生産数量及び生産方式の選定の概要を扱うこと。イについては,生産にかかわる全般的な管理の概要を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,生産工程の計画や作業日程などを扱うこと。イについては,基本的な品質管理方法の原理及び活用方法を扱い,統計学的な内容に深入りしないこと。
エ 内容の(4)のアについては,安全管理の意義,目的及びその手法に重点を置いて,災害防止の概要を扱うこと。イについては,生産活動における公害発生とその防止の概要を扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,人事管理の進め方,賃金,福利厚生,労使関係などの概要を扱うこと。イについては,工業会計の基礎的な内容を扱うこと。また,原価計算についても簡単に扱うこと。ウについては,工場経営に関連する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
第11 機械工作
1 目標
機械工作に関する基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 機械工作法の発達
(2) 機械材料
ア 材料の加工性と活用
イ 金属材料
ウ 新素材
(3) 各種の工作法
ア 主な工作法
イ 特殊な工作法
(4) 工業量の測定と計測機器
ア 測定
イ 計測機器
(5) 生産の管理
ア 生産計画と管理
イ 情報技術によるシステム化
(6) 機械加工及び生産の自動化
ア 工作機械の自動化と制御技術
イ 将来の生産方式とシステム技術
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,新しい工作機械や機械材料についてもその基礎的な内容を取り上げ,技術の進展に対応させるよう留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,機械材料及び機械工作の装置や工作法の発達を扱い,両者が相互に関連して発達してきたことについて理解させること。
イ 内容の(2)のイについては,主な金属材料の機械的性質と利用方法を扱うこと。ウについては,新素材の基礎的な機械的性質を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,主な工作法の原理と方法及びその発展の動向を扱い,機械や装置の具体的な構造,機能及び操作は扱わないこと。イについては,レーザー加工法,放電加工法などの原理と方法を扱うこと。また,具体的な事例を通して,簡単なジグや取付具の構成と用途を扱うこと。
エ 内容の(4)については,機械に関する基本的な工業量の測定及び計測機器の原理を扱うこと。
オ 内容の(5)については,生産の管理手法について総合的に理解させること。また,災害の予防や安全対策及び情報技術の利用による管理のシステム化について基礎的な内容を扱うこと。
カ 内容の(6)については,自動化された工作機械の現状について理解させるとともに,将来の生産方式にシステム技術の進展が及ぼす影響について考えさせること。
第12 機械設計
1 目標
機械設計に関する基礎的な知識と技術を習得させ,機械,器具などを創造的,合理的に設計する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 機械と設計
(2) 機械に働く力
ア 機械に働く力と運動
イ 機械に与えられたエネルギーと仕事及び動力の関係
(3) 材料の強さ
ア 機械部分に生ずる応力とひずみの関係
イ 機械部分の形状
(4) 機械要素と装置
ア 締結要素
イ 軸要素
ウ 伝達装置
エ 緩衝装置
オ 管路,構造物,圧力容器
(5) 機械と器具の設計
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,機械に働く力や機構について工学的に考えさせ,実際的な設計技術を習得させること。
イ 内容の(4)のイ,エ及びオについては,生徒の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,機械が機構と機械要素から成り立っていること及び生産における設計の役割について理解させること。
イ 内容の(2)のアについては,機械に働く力と運動に関する基本的な概念について理解させ,具体的な事例を通して基礎的な計算方法を扱うこと。イについては,機械に与えられたエネルギーと仕事及び動力の概念並びに基礎的な計算方法を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,機械部分に生ずる応力とひずみの概念及び機械部分の形状と大きさを決める方法を扱うこと。なお,計算式は最小限にとどめ,座屈については計算式の活用に重点を置くこと。イについては,はりの断面の形状と寸法の計算を扱うこと。
エ 内容の(4)のアからオまでについては,要素と装置の種類,特性及び用途について理解させること。
オ 内容の(5)については,設計の手順について理解させ,簡単な機械や器具を設計させること。また,自動設計製図装置などの情報機器を用いた設計の方法についても基礎的な内容を扱うこと。
第13 原動機
1 目標
原動機の構造と機能に関する知識と技術を習得させ,原動機を有効に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) エネルギー変換と環境
ア 動力エネルギーへの変換
イ エネルギーと原動機
ウ エネルギーと環境
(2) 流体機械
ア 流体の性質と力学
イ 水車とポンプ
ウ 送風機と圧縮機
エ 油空圧機器
(3) 内燃機関
ア 熱機関の基礎
イ 内燃機関の種類
ウ 原理,構造,性能
(4) 自動車
ア 自動車と社会生活
イ 自動車の分類と構造
ウ 自動車の安全技術と整備及び環境対策
(5) 蒸気原動機
ア 蒸気発生装置
イ 蒸気タービン
(6) 冷凍装置
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,原動機の理論と実際の機器とを関連させて,具体的に理解させるよう留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のウについては,エネルギー消費と環境問題の関連を簡単に扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,流体及び気体の性質と基本的な力学計算を扱うこと。イからエまでについては,流体機械の構造,機能及び利用例を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,熱と仕事の関係を扱うこと。イについては,各種の代表的な内燃機関を取り上げ,その概要について理解させること。ウについては,ガソリン機関を中心として,エネルギー変換の原理と機関の構造を扱うこと。機関の性能については,各種のサイクル及び日本工業規格に基づく性能試験の基礎的な内容を扱うこと。その他の機関については,その特徴を扱う程度とすること。
エ 内容の(4)のアについては,自動車が社会生活や産業において果たしている役割について理解させること。イについては,自動車の分類と構造の概要を扱う程度とすること。ウについては,自動車に関する法規の概要並びに自動車の法定整備と安全確保及び環境対策に関する基礎的な内容を簡単に扱うこと。
オ 内容の(5)については,蒸気原動機の概要を扱うこと。また,原子炉による動力発生について,原理,構成,利用及び環境への配慮を簡単に扱うこと。
カ 内容の(6)については,冷凍装置の原理と仕組みについて基礎的な内容を扱うこと。
第14 電子機械
1 目標
電子機械に関する基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 電子機械の概要と役割
ア 身近な電子機械
イ 電子機械と生産ライン
(2) 機械の機構と運動の伝達
ア 基本的な機械要素
イ 基本的なメカニズム
(3) センサとアクチュエータの基礎
ア センサ
イ アクチュエータ
(4) シーケンス制御の基礎
ア リレーシーケンス
イ プログラマブルコントローラ
(5) コンピュータ制御の基礎
ア コンピュータとインタフェース
イ 外部機器の制御
(6) 簡単な電子機械設計
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,身近なメカトロニクスに関する事例を通して,総合的に理解させるよう留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,身近な事例を通して,電子機械が社会生活や産業において果たしている役割について理解させるとともに,省エネルギーや環境保全などの分野における重要な技術であることについて理解させること。
イ 内容の(2)のアについては,電子機械に必要な締結要素,軸要素及び伝達要素の概要を扱うこと。イについては,電子機械の基本的なメカニズムの特徴を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,主なセンサの原理,特徴及び利用例を扱うこと。イについては,主なアクチュエータの原理,特徴及び利用例を扱うこと。
エ 内容の(4)については,実際の利用例を通して,シーケンス制御の仕組みについて理解させ,理論的に深入りしないこと。
オ 内容の(5)のアについては,インタフェース回路の原理と方法及び制御プログラムを扱うこと。イについては,外部機器からのフィードバック信号を利用した制御の原理と方法について理解させ,外部機器の基礎的な制御技術を扱うこと。
カ 内容の(6)については,簡単なメカトロニクス製品を例に,マイコンの組み込み技術及び制御機構とソフトウェア技術について理解させ,簡単な電子機械の設計を扱うこと。
第15 電子機械応用
1 目標
電子機械に関する応用的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 動力用アクチュエータ
ア 電力を利用したアクチュエータ
イ 流体を利用したアクチュエータ
(2) 産業用ロボット
ア ロボットの基礎
イ ロボットの制御システム
ウ ロボットの操作と安全管理
(3) ファクトリー・オートメーション
ア CAD/CAMの基礎
イ 数値制御工作機械
ウ 生産システムの基礎
エ ネットワーク技術
(4) 電子機械応用設計
ア 自動化機器の調査,研究
イ 簡単なメカトロニクスシステムの設計
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(4)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,ア又はイのいずれかを選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,出力の大きなアクチュエータの基礎的な技術を扱うこと。イについては,空気圧及び油圧を利用したアクチュエータを扱うこと。
イ 内容の(2)については,基本的な産業用ロボットを扱い,専門的に深入りしないこと。
ウ 内容の(3)については,ファクトリー・オートメーションを構成する基礎的な技術及びそれらを統合する基礎的なネットワーク技術を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,身近な自動化機器を対象として,システム化の技術や最適なシステムの在り方について調査,研究させること。イについては,簡単なメカトロニクスシステムの構想,設計及び製作手順までの一貫した内容を扱うこと。
第16 自動車工学
1 目標
自動車の構造と機能に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 人と自動車
(2) 自動車の原理
ア 自動車の概要と力学
イ 自動車用機関の働きと動力に関連する装置
ウ 自動車の操作と制動
(3) 自動車の構造
ア 自動車用機関と性能
イ 自動車用機関の付属装置
ウ 車体とその付属装置
エ 走行と性能
(4) 自動車と電気・電子技術
ア 自動車の電気装置
イ 自動車の電子制御技術
(5) 自動車と環境
3 内容の取扱い
(1) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,自動車の発明と進歩,自動車産業と社会とのかかわり及び自動車と人間生活とのかかわりを簡単に扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,動力の発生,動力の伝達,自動車の操作装置,材料の性質などについて理解させること。イについては,自動車用機関の働きと動力に関連する装置の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のウについては,技術の進展に留意して題材を取り上げ,基礎的な内容を扱うこと。エについては,走行性能と走行試験とを関連付けて扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,自動車の電気装置の原理と構造及び機能について理解させること。イについては,自動車の電子制御技術の基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)については,自動車の安全確保及び環境保全に関する技術の基礎的な内容を扱うこと。
第17 自動車整備
1 目標
自動車整備に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 自動車整備と関係法規
ア 自動車整備の目的と内容
イ 自動車の整備に関する法規
ウ 自動車整備事業と自動車整備士
(2) 自動車材料
ア 自動車用材料の加工とリサイクル
イ 自動車整備に伴う工作法と機器
(3) 自動車の整備と試験
ア 自動車用機関とその関連装置の整備
イ 自動車シャシとその関連装置の整備
ウ 環境保全と安全確保に関する装置の整備
3 内容の取扱い
(1) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,自動車整備に関する法規の概要を,整備の体系と関連させて扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,自動車用材料の加工法及び省資源と環境保全の重要性を扱うこと。イについては,自動車整備に関連する工作機器の原理と基礎的な加工方法を扱うこと。
ウ 内容の(3)のア及びイについては,関連する装置も含めて総合的に扱い,点検,測定,調整,検査及び試験に関しては,基礎的・基本的な内容を扱うこと。ウについては,技術の進展に留意して題材を取り上げ,基礎的な内容を扱うこと。
第18 電気基礎
1 目標
電気に関する基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 直流回路
ア 電気回路の電圧・電流・抵抗
イ 消費電力と発生熱量
ウ 電気抵抗
エ 電気の各種作用
(2) 磁気と静電気
ア 電流と磁気
イ 静電気の基礎
(3) 交流回路
ア 交流回路の基礎
イ 交流回路の電圧・電流・電力
ウ 記号法
エ 三相交流
(4) 電気計測
ア 電気計測の基礎
イ 基礎量の測定
ウ 測定量の取扱い
(5) 各種の波形
ア 非正弦波交流
イ 過渡現象
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 計算方法の取扱いに当たっては,演習を重視し,実際に活用させるよう留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,電圧,電流及び抵抗の意味と関係する基本的な量と計算方法を扱うこと。イについては,電流による発熱,電力及び電力量を簡単に扱うこと。エについては,電気による各種作用の原理と利用を扱うこと。
イ 内容の(2)については,電流と磁気に関する計算方法は基本的なものにとどめ,専門的に深入りしないこと。
ウ 内容の(3)のアについては,交流の状態を表す諸量の意味について理解させること。イについては,交流回路における抵抗,インダクタンス及び静電容量についての基本的な計算方法を扱うこと。ウについては,交流回路における電流・電圧の基本的な計算方法を扱い,専門的に深入りしないこと。
エ 内容の(4)のアについては,主な電気計器の基本原理,構造,特性及び取扱い方法を扱うこと。イについては,基礎量の基本的な測定法について理解させること。ウについては,測定に伴う誤差,測定値の取扱いなどを扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,代表的な波形を扱うこと。イについては,電気回路における過渡現象の発生とその回路の時定数を扱う程度とし,専門的に深入りしないこと。
第19 電気機器
1 目標
電気機器及び電気材料に関する基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 直流機器
ア 直流発電機
イ 直流電動機
ウ 特殊電動機
(2) 交流機器
ア 変圧器
イ 誘導機
ウ 同期機
(3) パワーエレクトロニクス
ア パワーエレクトロニクス素子
イ 基本回路
ウ 応用回路
(4) 電気材料
ア 導電材料
イ 磁性材料
ウ 絶縁材料
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 計算方法の取扱いに当たっては,演習を重視し,実際に活用させるよう留意すること。
イ 電気機器に関する法規及び日本工業規格などの各種規格については,内容と関連させて取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,直流機器の原理,構造及び特性を扱うこと。
イ 内容の(2)については,交流機器の原理,構造及び特性を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,パワーエレクトロニクス素子の原理,構造及び特性を扱うこと。イ及びウについては,パワーエレクトロニクス素子を使用した基礎的な電子回路を扱うこと。
エ 内容の(4)については,電気材料の特性及び取扱い方法を扱うこと。新素材については簡単に扱う程度とすること。
第20 電力技術
1 目標
電力技術に関する基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 発電と送電
ア 発電方式
イ 水力発電
ウ 火力発電
エ 原子力発電
オ 送電
(2) 配電と屋内配線
ア 配電
イ 自家用変電所と屋内配線
(3) 自動制御
ア シーケンス制御
イ フィードバック制御
ウ コンピュータ制御
(4) 省エネルギー技術
ア 発電・送電の省エネルギー技術
イ 電力利用の省エネルギー技術
(5) 各種の電力応用
ア 照明
イ 電熱
ウ 電気化学
エ 電気鉄道
オ その他
(6) 電気関係法規
ア 電気事業に関する法規
イ 電気工事に関する法規
ウ 電気用品に関する法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(5)のアからオまでについては,生徒の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,主な発電方式の概要と特徴を扱うこと。また,新しい発電方式も,簡単に扱うこと。イからエまでについては,発電の基本原理,方法,構成及び特性を扱うこと。オについては,送電の方式と特性を扱うこと。変電所については,構成及び運用の基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,配電の方式,構成,特性及び保守の基本的な内容を扱うこと。イについては,自家用変電所の構成と関連する法規の概要及び屋内配線の設計・施工を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,電気エネルギーに関する制御の基本原理,制御系の構成及び動作を扱うこと。
エ 内容の(4)については,発電・送電及び電力利用の省エネルギー技術の原理と方法を扱うこと。
オ 内容の(5)については,電力応用の基本原理,機器と装置の構成及び利用例を簡単に扱うこと。
カ 内容の(6)については,電気に関する法規の目的と概要を扱うこと。
第21 電子技術
1 目標
電子技術に関する基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 電子技術の概要
(2) 半導体と電子回路
ア 半導体素子
イ 電子回路の基礎
(3) 通信システムの基礎
ア 有線通信システム
イ 無線通信システム
ウ データ通信システム
エ 通信関係法規
(4) 画像通信の基礎
ア ファクシミリ
イ テレビジョン
ウ ディジタル通信
(5) 音響機器の基礎
ア マイクロホンとスピーカ
イ 録音・再生機器
(6) 電子計測の基礎
ア 高周波計測
イ 応用計測
3 内容の取扱い
(1) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,電子技術の発達や現代社会における役割,将来の展望などを簡単に扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,半導体素子の種類と特性及びその具体的な働きを扱うこと。イについては,代表的なアナログ及びディジタル回路の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアからウまでについては,通信に必要な電子機器の特性と利用例及び主な通信機器と通信システムの基礎的な内容を扱うこと。エについては,通信に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
エ 内容の(4)については,画像通信に必要な電子機器の特性と利用例及び基本的な画像通信機器を扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,マイクロホン及びスピーカの原理と構造を簡単に扱うこと。イについては,アナログ及びディジタル技術を利用した音響機器を取り上げ,その原理と構造について理解させること。
カ 内容の(6)のアについては,高周波測定に用いる基本的な測定器を取り上げ,その原理と測定方法について理解させること。イについては,電子計測に用いられる基本的なセンサを取り上げ,その原理と応用例について理解させること。
第22 電子回路
1 目標
電子回路に関する基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 電子回路用素子
ア ダイオード
イ トランジスタ
ウ 集積回路
(2) 電子回路の基礎
ア 低周波増幅回路
イ 高周波増幅回路
(3) 各種の電子回路
ア 電源回路
イ 発振回路
ウ パルス回路
エ 変調・復調回路
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,回路素子の機能や特性,基本的な電子回路の定量的な取扱い及び簡易な回路設計や製作を取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のア及びイについては,電子回路で用いる代表的な素子の構造,性質及び基礎的な用途を扱うこと。ウについては,アナログ及びディジタル回路に用いられる基本的な集積回路の種類と特徴及び機能と活用例を扱うこと。
イ 内容の(2)については,増幅回路の原理について理解させ,利得,帯域幅等の基本的な特性,電力増幅及び簡単な増幅回路の設計を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,代表的な電子回路の回路構成,動作原理及び取扱い方法を扱うこと。ウについては,パルス波の有用性,発生及び整形の方法を簡単に扱うこと。
第23 電子計測制御
1 目標
電子計測制御に関する基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 電子計測制御の概要
ア 電子計測制御の考え方
イ 計測制御機器とデータ処理
(2) シーケンス制御
ア シーケンス制御の基礎
イ シーケンス制御に使われる機器
ウ 基本的な回路
エ プログラマブルコントローラの利用
(3) フィードバック制御
ア フィードバック制御の基礎
イ 制御特性
ウ フィードバック制御の利用
(4) コンピュータによる制御の基礎
ア 制御装置とインタフェース
イ 制御プログラム
ウ コンピュータによる計測制御システム
3 内容の取扱い
(1) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,身近な事例を通して,電子計測制御の基本的な考え方について理解させること。情報通信ネットワークを利用した計測制御システムについては簡単に触れる程度とすること。イについては,計測制御機器によるデータの簡単な測定方法及び処理方法について理解させること。
イ 内容の(2)については,シーケンス制御の基本的な原理と特徴及び使用される電子機器の構成と取扱い方法を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,フィードバック制御の基本的な原理,特性及び利用例を扱うこと。人工知能やファジー理論については簡単に触れる程度とし,専門的に深入りしないこと。
エ 内容の(4)のアについては,コンピュータと外部機器との基本的な接続方法を扱うこと。イについては,外部機器を制御する基本的なプログラミングの方法を扱うこと。ウについては,コンピュータによる計測制御システムの概要を扱い,ファクトリー・オートメーションにおける計測技術については簡単に触れる程度とすること。
第24 通信技術
1 目標
情報通信に関する基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 有線通信
ア 有線通信システム
イ データ通信とネットワーク
ウ 光通信
(2) 無線通信
ア 電波とアンテナ
イ 無線通信システム
ウ 主な無線機器
エ 衛星を利用した通信システム
(3) 画像通信
ア 静止画像の通信
イ テレビジョン技術
ウ マルチメディアの通信技術
(4) 通信装置の入出力機器
ア 情報のディジタル化技術
イ 入出力機器
ウ 録音再生機器
(5) 通信関係法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(5)については,(1)から(4)までの内容と関連させて扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,有線通信回線を用いたアナログ及びディジタル通信の具体的な事例を通して,通信システムの構成及び概要について理解させること。イについては,データ通信システム及びネットワークの概要を扱うこと。通信プロトコルと交換機については簡単に扱う程度とすること。ウについては,光通信の原理と利用方法を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,電波の性質,各種アンテナの電気的特性及び電波の放射と受信を扱うこと。イについては,無線通信の方法とその通信システムについて,アナログ及びディジタル通信の具体的な事例を通して,その概要について理解させること。
ウ 内容の(3)のアについては,ファクシミリの送受信の原理を扱うこと。イについては,テレビジョンの電波と送受信機の概要及びアナログ放送とディジタル放送の特徴を扱うこと。ウについては,画像通信システム及びマルチメディアのディジタルデータを扱うネットワーク技術の基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(4)については,電気通信に必要な情報の入出力機器について,ディジタル化技術を中心として扱うこと。また,技術の進展に留意して,新しい機器を扱うこと。
オ 内容の(5)については,通信に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
第25 電子情報技術
1 目標
電子情報技術に関する基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) コンピュータの電子回路
ア 論理回路と論理代数
イ フリップフロップとその応用
ウ レジスタと演算回路
(2) コンピュータの構成と機能
ア マイクロプロセッサと処理装置
イ 記憶装置と主な周辺機器
ウ データの流れと命令語の構成
(3) 制御プログラミング
ア ハードウェアに適した言語
イ 高級言語によるプログラミング
ウ 制御への応用
(4) コンピュータの利用とネットワークシステム
ア オペレーティングシステム
イ 情報処理形態とネットワーク
ウ マルチメディアと電子技術
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)及び(2)については,マイクロコンピュータに関する情報技術を扱うこと。
イ 内容の(3)については,学校の実態に応じて,適切なプログラム言語を選択すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,基本的な論理回路の特徴,組み合わせた論理回路の機能及び簡単な論理代数を用いた回路設計を扱うこと。イについては,フリップフロップ回路の原理及びその応用回路の特徴と利用例を扱うこと。
イ 内容の(2)のア及びイについては,装置や機器の動作原理,機能及び役割について理解させること。ウについては,命令語の構成やデータの処理手順を扱う程度とすること。
ウ 内容の(3)のアについては,機械語及びアセンブリ言語の特徴と用途を簡単に扱うこと。イについては,基礎的な処理の流れ図及びプログラミングを扱うこと。ウについては,計測及び制御における基礎的なプログラミングの方法を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,代表的なオペレーティングシステムの概要を扱うこと。イについては,ネットワークシステムの概要と情報処理形態に適したシステム構築の方法を簡単に扱うこと。ウについては,マルチメディアに関連した基礎的な電子技術を扱うこと。
第26 プログラミング技術
1 目標
コンピュータのプログラミングに関する基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) コンピュータによる問題処理手順
ア 問題処理とプログラム開発の手順
イ 文書化
ウ プログラム言語
エ 目的及び翻訳プログラム
(2) プログラミング技法
ア 順次型のプログラム
イ 選択型のプログラム
ウ 繰返し型のプログラム
エ プログラムの標準化
(3) 応用的プログラム
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,産業界の動向,生徒の実態や学科の特色に応じて,適切な言語を選択し,実習を中心として取り扱うこと。
イ 内容の(2)については,論理的思考の学習を重視し,プログラム言語の規則の習得に偏ることのないよう留意すること。
ウ 内容の(3)については,生徒や学校の実態に応じて,制御処理,ファイル処理,グラフィック処理及びネットワーク処理の中から選択して扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,適切な例題を使った演習を取り入れ,効果的なプログラム開発の技法について理解させること。
イ 内容の(2)については,基本的なアルゴリズムを扱い,プログラムの計画,作成,実施及び評価の実習を通して,効果的に情報を処理する方法を習得させること。
ウ 内容の(3)においてシステム開発を扱う場合には,基礎的なシステムを扱うこと。
第27 ハードウェア技術
1 目標
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) ハードウェアの構成
ア 論理回路と各種レジスタ
イ データの表現
ウ 中央処理装置
エ 周辺装置
オ 命令の構成
(2) 通信技術
ア データ通信の方式と機器
イ ネットワーク技術
ウ ネットワークシステムの設計
(3) 制御技術
ア 制御の概要
イ 数値制御
ウ コンピュータによる制御
(4) 保守技術
ア コンピュータの構成と組立
イ コンピュータの保守
ウ コンピュータの管理
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,汎用コンピュータのハードウェア技術について,具体的な事例を通して理解させるよう留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,基本的な論理回路の原理,レジスタの働き及び簡単な論理回路の設計を扱うこと。イについては,コンピュータ内部のデータ表現の原理と方法を扱うこと。ウについては,中央処理装置と主記憶装置の基本構成を取り上げ,基本動作について理解させること。エについては,周辺装置の構造と基本動作について理解させること。オについては,機械語の仕組みと機能及び基本的なプログラム作成を扱うこと。
イ 内容の(2)のア及びイについては,具体的な事例を通して,データ通信の方法と機器及びネットワークに関する技術の概要を扱うこと。ウについては,ネットワークシステムを設計する基本的な方法を扱い,専門的に深入りしないこと。
ウ 内容の(3)のアについては,制御の原理及び種類の概