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生活困窮者自立支援制度に関する学校や教育委員会等と福祉関係機関との連携について(通知)

30文科生第435号
平成30年10月1日

各都道府県知事
各都道府県教育委員会教育長
各指定都市市長
各指定都市教育委員会教育長        殿
附属学校を置く各国公立大学法人の長
小中高等学校を設置する学校設置会社を所轄する構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長

文部科学省生涯学習政策局長
常盤豊

文部科学省初等中等教育局長事務取扱
文部科学審議官 小松親次郎

生活困窮者自立支援制度に関する学校や教育委員会等と福祉関係機関との連携について(通知)

 生活保護に至る前の段階にある生活困窮者に対する自立支援策を強化するため、平成27年4月より施行された生活困窮者自立支援法(平成25年法律第105号。以下「法」という。)について、生活困窮者等の一層の自立の促進を図るため、今般、生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律(平成30年法律第44号。以下「改正法」という。)が平成30年6月8日に公布され、改正法による改正後の法が、同年10月1日より順次施行されます(別添1)。
 生活困窮者自立支援制度は、生活困窮者に対し、その就労の状況、心身の状況、地域社会からの孤立の状況など様々な状況又はそれらの複合的な状況に応じて、自立相談支援事業を中核に、住居確保給付金の支給、就労準備支援事業や家計改善支援事業などにより包括的かつ早期的な支援を提供するものです。そして生活困窮者に対する包括的な支援を行うためには、これらの法に基づく事業のみならず、関係制度との連携が重要です。
 そのため、今般の改正法においては、都道府県等は、教育機関を含む関係機関等の関係者により構成される会議(以下「支援会議」という。)を組織することができること及びその構成員は支援会議の事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないことが規定され、関係機関で生活困窮者の支援に必要な情報共有体制の構築が可能となりました(改正法による改正後の法第9条)。また、福祉事務所設置自治体の福祉、就労、教育、税務、住宅その他の関係部局においても、生活困窮者を把握したときは、生活困窮者本人に対して自立相談支援事業等の利用の勧奨等を行うよう努めることが規定されました(改正法による改正後の法第8条)。
 さらに、平成26年1月に施行された「子どもの貧困対策の推進に関する法律」(平成25年法律第64号)においても、子供の貧困対策は、教育の支援、生活の支援、就労の支援、経済的支援等の施策により総合的に取り組むことが求められているところですが、改正法では、生活困窮者自立支援制度に基づく学習・生活支援事業と、社会教育法(昭和24年法律第207号)に基づく地域学校協働活動を推進するための地域学校協働活動推進事業等との連携に関する努力義務についても規定されたところです(改正法による改正後の法第7条第4項)。
 ついては、平成27年3月に、生活困窮者自立支援制度が施行されることを踏まえ「生活困窮者自立支援制度に関する学校や教育委員会等と福祉関係機関との連携について(通知)」(26文科生第724号平成27年3月27日文部科学省生涯学習政策局長、初等中等教育局長通知)を発出したところですが、同通知は廃止し、改正法の施行に当たっての留意事項を下記のとおり改めて通知いたしますので、貴職におかれては、十分に御了知の上、生活困窮者自立支援制度を所管する福祉部局等との連携を積極的に進めていただくとともに、所管・所轄の学校、域内の市町村教育委員会及び関係機関等に周知いただくようお願いします。
 なお、別途厚生労働省より生活困窮者自立支援制度主管部(局)長に対しても、生活困窮者自立支援制度と教育施策との連携について別添2のとおり通知されていることを申し添えます。

1.生活困窮者自立支援制度所管部局と教育委員会や都道府県私立学校主管課等の連携
 生活困窮家庭の児童生徒等を早期に発見し、必要な支援を行うことにより、法に基づく支援が効果的に行われることから、生活困窮者自立支援制度所管部局と教育委員会や都道府県私立学校主管課等(以下「教育委員会等」という。)が、支援体制の構築のために連携することが重要です。
前述のとおり、改正法による改正後の法第9条の規定により、都道府県等は、支援会議を組織することができることとされました。支援会議においては、生活困窮者に対する自立の支援を図るために必要な情報の交換や、生活困窮者が地域において日常生活等を営むのに必要な支援体制に関する検討を行うこととされており、必要があると認めるときは、関係機関等に対して生活困窮者に関する資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力を求めることができるとされています。
 教育委員会等においては、支援会議からの求めがあった場合のみならず、生活困窮者自立支援制度所管部局に対し、学校等が把握している児童生徒等の状況を情報提供することや、教育委員会等が行う教育の支援に関する情報を共有することも必要です。その際、児童生徒等の問題行動の背景にはその家庭に経済的な課題があり、課題の解決のため福祉的な支援が必要な場合も多いと考えられることから、生活困窮者自立支援制度所管部局と連携して福祉的な支援につなげることも求められます。
 ついては、教育委員会等においては、生活困窮者自立支援制度所管部局との日常的な情報交換を行うことにより、双方の制度・事業等を互いに理解するよう努めていただき、支援会議への参加又は協力のほか、例えば双方の制度・事業等の広報資料をそれぞれの窓口に置いたり、教育委員会等に配置されているスクールソーシャルワーカーとの連携を組織的に行ったりすること等により、連携を図っていただきますようお願いします。
その際、教育委員会及び学校等が保有する児童生徒等の個人情報の提供に当たっては、「個人情報の保護に関する法律」(平成15年法律第57号)の目的、基本理念及び各地方公共団体の個人情報保護条例等を踏まえて、本人の同意を得て提供するなど、児童生徒等、その保護者その他の関係者又は第三者の権利利益を不当に侵害することのないよう十分な配慮の下、必要な限度で行うよう留意してください。また、早期に福祉的な支援につなげられるよう、あらかじめどのような情報を提供できるのか生活困窮者自立支援制度所管部局と教育委員会等が協議することも検討願います。

2.自立相談支援事業等の利用勧奨
 生活困窮者自立支援制度においては、平成27年4月の施行後、着実に支援の効果が現れてきている一方で、適切な支援を受けることができていない生活困窮者が依然として数多く存在するとの指摘があります。また、生活困窮者の中には、日々の生活に追われ、また、自尊感情の低下等により、自ら福祉事務所設置自治体又はその委託により実施している自立相談支援事業を行う者(以下「自立相談支援機関」という。)の相談窓口に相談をすることが困難な者も少なくありません。
 このため、支援を必要とする生活困窮者が相談に訪れるのを待つのではなく、その者に対し相談支援が届くようにするアウトリーチの観点が重要です。また、自ら支援を求めることが難しい者に対して支援を行うためには、自立相談支援機関の主導による把握のみならず、様々な関係機関が生活困窮の端緒となる事象を把握した場合には、自立相談支援機関の相談窓口に確実につなげていくことが必要です。実際に、自立相談支援事業につながった庁内関係機関が多い自治体ほど、自立相談支援事業における新規相談件数が多いとの調査結果もあります。
 これらを踏まえ、改正法による改正後の法第8条の規定により、福祉事務所設置自治体の福祉、就労、教育、税務、住宅その他の関係部局において、その業務の遂行に当たって生活困窮者を把握したときは、生活困窮者本人に対して自立相談支援事業等の利用の勧奨等を行うことが努力義務とされました。
 この規定を踏まえ、教育委員会等には、教育面に課題や困難を抱えているのみならず、経済的な困窮や複合的な課題を有している者が訪れることもあると考えられるため、こういった複合的な課題を抱える者が相談に来た場合や、学校等の業務、家庭教育支援チーム等による家庭への相談対応や訪問型家庭教育支援等の取組等を通じて生活困窮者を把握したときは、生活困窮者本人に対して自立相談支援事業等の利用の勧奨を行うよう努めていただきますようお願いします。

3.学習支援に関する事業の連携
 改正法による改正後の法第7条第4項において、生活保護受給世帯を含む生活困窮世帯の子どもに対する学習支援事業と他法に基づく学習支援事業との連携が努力義務として規定されました。
 厚生労働省では、生活困窮者自立支援制度において、貧困の連鎖を防止するため、生活保護受給世帯も含む生活困窮世帯の児童生徒等に対する学習支援や保護者への進学助言を行う子どもの学習・生活支援事業を実施しているほか、母子及び父子並びに寡婦福祉法(昭和39年法律第129号)に基づき、ひとり親家庭の子どもに対する基本的な生活習慣の習得や学習支援を行う子どもの生活・学習支援事業を行っています。また、文部科学省では、社会教育法に基づく地域学校協働活動を推進するための地域学校協働活動推進事業等において、子供の学習支援の充実を図っているところです。
 地域の実情に鑑みながら、生活困窮家庭であって学習が遅れがちな児童生徒等に対する学習支援として、教育的な観点からどのように支援を行うことが効果的なのか、それぞれの事業の対象者や支援内容等を踏まえつつ、自立相談支援機関と教育委員会等が互いの事業の内容や実施状況を把握し、連携を図っていただくようお願いします。

4.自立相談支援機関の相談支援員等と学校等との連携
 1でも述べたとおり、児童生徒等の問題行動の背景にはその家庭に経済的な課題を抱えていたり、福祉的な支援が必要な場合があります。また、高等学校等への進学を希望する者又は進学した生徒について、学びたいという意欲があるにも関わらず、家庭の経済状況等により進学を断念したり、中途退学したりすることが生じないようにするため、事態の未然防止や中途退学者の生活・就労・学び直し等の支援が必要な場合もあります。そのような支援が必要と考えられる生活困窮家庭の児童生徒等に関する情報を、自立相談支援機関が、学校等を通じて把握することは重要です。
このため、自立相談支援機関に配置される生活や就労に関する相談支援を行う相談支援員等が、情報の把握のために学校等を訪問した際には、必要な情報交換を行うようお願いします。
 学校や教育委員会に配置されているスクールソーシャルワーカーは、教育と福祉の両面の専門的な知識・技術を有し、教育と福祉の連携に重要な役割を担っています。このため、福祉による支援を必要とする児童生徒等の早期発見や当該児童生徒の家庭等も含めた支援につなげていくために、スクールソーシャルワーカーと自立相談支援機関の相談支援員等が日頃から情報共有を行うことが重要です。
 2でも述べたとおり、教育委員会等において、生活困窮者を把握したときには生活困窮者本人に対して自立相談支援事業等の利用の勧奨等を行うよう努力義務が新たに規定されたことも踏まえ、学校等においては、スクールソーシャルワーカーを活用して、家庭が自立相談支援機関に相談するよう勧めたりするなど、協力体制の構築に努めていただくようお願いします。
 なお、在学者のみならず、高等学校等の中途退学者については、中途退学後経済的に困窮するおそれも特に高いことから、国が現在実施している取組も活用し、教育委員会等において高等学校等における中途退学の未然防止や学び直し等の支援に取り組んでいただくとともに、中途退学者やその家庭に対して、生活や就労に関する相談支援等を行う場として自立相談支援機関を活用することができる旨、周知していただくようお願いします。


【本件担当】

<全体>
○生涯学習政策局
 参事官(連携推進・地域政策担当)付企画係
 03-5253-4111(内線3276)

<家庭教育支援>
○生涯学習政策局
 男女共同参画学習課家庭教育支援室家庭教育振興係
 03-5253-4111(内線2927)

<スクールソーシャルワーカー>
○初等中等教育局
 児童生徒課生徒指導室生徒指導第一係
 03-5253-4111(内線3299)

<地域における学習支援>
○生涯学習政策局
 社会教育課地域・学校協働推進室
 03-5253-4111(内線3260)

お問合せ先

総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課

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(総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課)

-- 登録:平成30年10月 --