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学校法人運営調査における経営指導の充実について(通知)

30文科高第318号

平成30年7月30日
文部科学大臣所轄各学校法人理事長 殿
文部科学省高等教育局長
義本 博司

学校法人運営調査における経営指導の充実について(通知)

 急速に進展している産業構造や経済社会の変化に伴う社会人の学び直し及びグローバル化の進展に伴うより積極的かつ戦略的な留学生の受入れといった,大学等の高等教育機関(以下「大学等」という。)における新たな教育ニーズが生じることが考えられる一方,18歳人口の大幅な減少期を迎え,これまでの大学等の主たる教育対象である高等学校等からの進学者については,相当規模の減少が見込まれています。
 このように大学等の経営にとって極めて大きな環境の変化を迎える中,学校法人においては,経営力を一層強化し,継続的・安定的に質の高い高等教育を提供することにより,学生,保護者はもとより地域,社会の信頼と支援を得ていくことが重要です。
 文部科学省では,従来より,学校法人の健全な経営の確保に資することを目的として,学校法人運営調査において,学校法人の管理運営組織,その活動状況及び財務状況等について実態を調査するとともに,必要な指導・助言を行っております(別紙1参照)が,上記状況を背景に,「私立大学等の振興に関する検討会議 議論のまとめ」(平成29年5月15日私立大学等の振興に関する検討会議)や「今後の高等教育の将来像の提示に向けた中間まとめ」(平成30年6月28日中央教育審議会大学分科会将来構想部会)等において,経営指導の充実の必要性に関する提言がされてきたところです。
 経営指導の具体的な充実方策については,学校法人運営調査委員会及び大学設置・学校法人審議会学校法人分科会の下に設置された学校法人制度改善検討小委員会において議論いただいてきたところであり,その内容を踏まえ,平成31年度からの学校法人運営調査においては,下記のとおり経営指導の充実を図りますので,御承知おき願います(別紙2参照)。
 また,各学校法人においては,この機会に自己の経営状況について改めて点検を行い,必要な経営改善に取り組んでいただきますようお願いします。
 なお,日本私立学校振興・共済事業団が,学校法人の経営改善等を支援する各種サービスを提供しております(別紙3参照)ので,適宜,御活用ください。



1. 経営指導強化指標の設定(別紙2丸1参照)
 学校法人を取り巻く今日の厳しい経営環境を踏まえ,経営悪化傾向にあるものの,直ちに適切な経営改善に取り組めば改善の余地があるという状況の目安となる具体的な指標(以下「経営指導強化指標」という。)を以下の(1)かつ(2)と設定すること。

 (1)貸借対照表の「運用資産(注1)-外部負債(注2)」が直近の決算でマイナス 
 (2)事業活動収支計算書の「経常収支差額(注3)」が直近3か年の決算で連続マイナス

  (注1) 運用資産:すぐに換金可能な資産。学校法人会計基準(昭和46年文部省令第18号)第35条第七号様式における,固定資産のうちの特定資産及び有価証券,流動資産のうちの現金預金及び有価証券の合計(別紙4参照)。
  (注2) 外部負債:外部から返済を求められる負債。学校法人会計基準(昭和46年文部省令第18号)第35条第七号様式における,固定負債のうちの長期借入金,学校債及び長期未払金,流動負債のうちの短期借入金,1年以内償還予定学校債,手形債務及び未払金の合計(別紙4参照)。
  (注3) 経常収支差額:資産の売却など臨時的な要素となる特別収支を除いた収支。
学校法人会計基準(昭和46年文部省令第18号)第23条第五号様式における,(教育活動収入計+教育活動外収入計)-(教育活動支出計+教育活動外支出計)(別紙4参照)。

2. 学校法人運営調査の対象校(別紙2丸2参照)
 (1)毎年度行う学校法人運営調査の対象法人については,学校法人運営調査委員会において,財務状況,定員充足状況,過去の調査状況等を総合的に勘案して決定しているが,平成31年度からは,前回の学校法人運営調査から長期間未実施で経営指導強化指標に該当する学校法人も対象とすること。

 (2)なお,経営指導強化指標に該当したものの,その原因が明確で,かつ,原因解消の具体的な方策が当該学校法人の理事会において決定・共有されている場合など,必ずしも学校法人運営調査の対象とする必要性がないと判断される場合には,当該学校法人については学校法人運営調査の対象としない場合もあること。

3.学校法人に対するきめ細かい集中的な指導の実施(別紙2丸3,丸4参照)
 (1)学校法人運営調査委員会において,財務の悪化状況,経営指導強化指標への該当状況,今後の経営改善に向けた取組の状況等を総合的に勘案した上で,経営基盤の安定確保が必要と判断された学校法人,すなわち経営指導の対象となる学校法人のうち,経営指導強化指標に該当した学校法人及び経営指導強化指標に該当していなくても,個別の状況を勘案し,経営指導強化指標に該当した学校法人と同様の指導が必要と判断される学校法人については,3年程度を目安に経営改善の実績を上げるよう,きめ細かい集中的な指導を行うこと。
 なお,きめ細かい集中的な指導の実施期間として目安となる3年程度の間に,学校法人運営調査委員会において,下記4.(1)丸1から丸3の状況が確認された場合には,その時点で下記4.の対応を行う予定であること。

 (2)きめ細かい集中的な指導の過程で,学校法人自らの経営努力等により経営指導強化指標に該当しなくなる等一定の経営改善が図られた場合には,学校法人運営調査委員会においてその状況を確認の上,きめ細かい集中的な指導の対象からは除き,財務状況等について必要なフォローアップを行うこと等,当該学校法人に対する指導の扱いを変更すること。

4.きめ細かい集中的な指導が行われた学校法人のうち,一定の状況が確認される学校法人への対応について(別紙2丸5,丸6参照)
 (1) 上記3.(1)のきめ細かい集中的な指導が行われた学校法人について,学校法人運営調査委員会において,以下丸1から丸3の状況が確認された場合には,「学校法人運営調査委員による調査結果」(通知)において,経営判断を促す内容を含む予定であること。
  丸1 経営改善の実績が上がらなかった。
  丸2 支払不能すなわち資金ショート又は債務超過に陥るリスクがある。
  丸3 学校法人の有する資産が,経営難の原因となっている組織廃止に必要となる額を下回るリスクがある。
 
 (2) 上記4.(1)の通知には,以下の内容を盛り込む予定であること。
  丸1 経営改善の実績が上がっておらず,支払不能すなわち資金ショート,債務超過,組織廃止に必要な資産不足に陥るリスクがあること。
  丸2 必要と考えられる見直し内容を示して,経営上の判断をすること(部局の募集停止,設置校の廃止,学校法人解散等を含む)。
  丸3 上記丸1及び丸2を踏まえ,学校法人はその対応方策の方向性について,財務諸表や事業報告書等に明記すること。
  丸4 学校法人が上記丸3により公開した内容を文部科学省において公表する予定であること。

5.上記の学校法人に対する経営指導の充実は,私立学校の自主性を重んじること,また,国民が安心して大学等において学ぶことができる環境を整えることにより私立学校の公共性の向上を図ることを通じて,私立学校の健全な発達を図るよう,実施すること。


お問合せ先

(上記1.2.4.5.について)文部科学省高等教育局私学部参事官付 私学経営支援企画室企画・法規係

電話番号:03-5253-4111(内線3320)
ファクシミリ番号:03-6734-3396

(上記3.について)文部科学省高等教育局私学部参事官付 学校法人経営指導室経営指導第二係

電話番号:03-5253-4111(内線2537)
ファクシミリ番号:03-6734-3396

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