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高等学校等の新学習指導要領の実施に当たって(通知)

25文科初第17号
平成25年4月1日

各都道府県教育委員会教育長 殿
各指定都市教育委員会教育長 殿
各都道府県知事 殿  
附属学校を置く各国立大学長  殿 
構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長 殿

文部科学省初等中等教育局長
布村 幸彦

高等学校等の新学習指導要領の実施に当たって(通知)

 本年度から,高等学校及び特別支援学校高等部の新しい学習指導要領が年次進行で実施されます。
 新しい高等学校学習指導要領等については,既に,「高等学校学習指導要領の全部を改正する告示等の公示及び移行措置について(通知)」(平成21年3月9日20文科初第1312号,文部科学事務次官通知)及び「特別支援学校の学習指導要領等の公示及び移行措置について(通知)」(平成21年3月9日20文科初第1307号,文部科学事務次官通知)等により御了知くださるようお願いしているところです。
 この間の移行措置として,総則(一部を除く。),総合的な学習の時間及び特別活動は平成22年度在籍生徒から,数学,理科及び理数の各教科は平成24年度入学生から新学習指導要領が適用されるなどしていますが,今回,年次進行での実施に当たり,改めて御留意いただきたい事項について下記のとおりお示しすることとしました。
 各都道府県及び指定都市教育委員会におかれては,所管の高等学校等及び域内の高等学校を所管する市町村教育委員会に対し,各都道府県知事及び構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の長におかれては,所轄の高等学校等及び学校法人等に対し,国立大学長におかれては,その管下の高等学校等に対して,これらについて周知を図るとともに,新しい学習指導要領の円滑な実施に特段の御配慮をお願いします。

1.新しい学習指導要領の趣旨を改めて確認し,その実現に努めること

 新しい学習指導要領は,生徒に知・徳・体のバランスのとれた「生きる力」を育むことを目指すものであり,「確かな学力」として,基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決させるために必要な思考力,判断力,表現力等を育むとともに,主体的に学習に取り組む態度を養うことを重視するものである。各学校においては,このことを改めて確認するとともに,新しい学習指導要領の趣旨を十分に踏まえた教育活動を進められたい。

2.言語活動を充実する趣旨を確認し,各教科等の目標と関連付けた効果的な指導を行うこと

 新しい学習指導要領においては,国語をはじめ各教科等において,説明,論述,討論,記録,要約等の言語活動の充実を図るよう定めているが,このことは,言語活動が,論理や思考などの知的活動やコミュニケーション,感性・情緒の基盤となるものであり,生徒の思考力・判断力・表現力等を育むために有効な手段であることを示したものである。また,英語に関する各科目について,授業は英語で行うことを基本とすることも,この趣旨に沿ったものである。
 このことを踏まえ,言語活動そのものを目的化するなど本来の趣旨にそぐわない運用となることのないよう留意しつつ,各教科等の目標に即して,基礎的・基本的な知識及び技能を習得させるとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力等などの育成を行うための手立てとして,言語活動の充実に取り組まれたい(別紙参照)。
 各学校においては,これまでの言語活動を通じた指導について十分検証しつつ,各教科等の目標と指導事項との関連及び生徒の発達の段階や言語能力を踏まえて言語活動を適切に位置付け,授業の構成や指導の在り方を工夫改善していくよう一層努められたい。

3.見通しを立てたり,振り返ったりする学習活動を重視すること

 各教科・科目等の指導に当たって,生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れ,自主的に学ぶ態度を育むことは,学習意欲の向上に資することから,特に新たに規定されたものである。
 具体的には,例えば,授業の冒頭に当該授業での学習の見通しを生徒に理解させたり,授業の最後に生徒が当該授業で学習した内容を振り返る機会を設けたりといった取組の充実や,生徒が家庭において学習の見通しを立てて予習をしたり学習した内容を振り返って復習したりする習慣の確立などを図ることが重要である。
 これらの指導を通じて,生徒の学習意欲の向上や,学習内容の確実な定着を図ることにより,思考力・判断力・表現力等の育成に努められたい。

4.義務教育段階での学習内容の確実な定着を図る工夫をすること

 新しい学習指導要領においては,学校や生徒の実態等に応じて,義務教育段階の学習内容の確実な定着を図るための指導を行うことを,指導計画の作成に当たって配慮すべき事項として新たに示し,高等学校の学習に円滑に移行できるようにすることを重視している。
 これを踏まえ,各学校においては,必要がある場合には,例えば,
(1)  各教科・科目の指導に当たり義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るための学習機会を適宜設けること,
(2)  義務教育段階での学習内容の確実な定着を図りながら,必履修教科・科目の内容を十分に習得させることができるよう必履修教科・科目の単位を増加させて指導すること,
(3)  義務教育段階での学習内容の確実な定着を図ることを目標とした学校設定科目等を履修させた後に,必履修教科・科目を履修させること,
などの工夫を行うよう努められたい。

5.指導方法や指導体制を工夫改善し,個に応じた指導の充実を図ること

 各学校において指導計画を作成するに当たっては,各教科・科目の目標と指導内容との関連を十分研究し,指導内容のまとめ方や指導の順序,重点の置き方などに創意工夫を生かしたり,内容の重要度や生徒の実態に応じて,その取扱いの軽重を考え,生徒一人一人の能力を十分伸長したりするなど,新しい学習指導要領のねらいに即した効果的な指導ができるよう留意されたい。
 あわせて,各教科・科目等の指導に当たっては,教師間の連携協力を密にするなど指導体制を確立するとともに,学校や生徒の実態などに応じて,学校全体で個別指導やグループ別指導,繰り返し指導,教師間の協力的な指導,学習内容の習熟の程度等に応じた弾力的な学級編成など指導方法や指導体制を工夫改善し,個に応じた指導の充実に努められたい。

6.学校全体として,指導に関する検証改善サイクルを確立すること

 学習評価を通じて,学習指導の在り方を見直すことや個に応じた指導の充実を図ること,学校における教育活動を組織として改善することが重要である。
  その際,新しい学習指導要領の趣旨や改善事項等を学習評価において適切に反映するとともに,引き続き観点別学習状況の評価を実施し,きめの細かい学習指導と生徒一人一人の学習の確実な定着を図るよう努められたい。特に,評価の結果を生徒に適切にフィードバックしつつ,日々の指導の改善・充実を図り,教育の質を向上させていくことが重要であることに留意されたい。 

7.人間としての在り方生き方に関する教育を学校の教育活動全体を通じて行うことにより,道徳教育の充実を図ること

 高等学校においては,生徒が自己探求と自己実現に努め国家・社会の一員としての自覚に基づき行為しうる発達の段階にあることを考慮し人間としての在り方生き方に関する教育を学校の教育活動全体を通じて行うことにより,道徳教育の充実を図るものとしている。
 また,改正教育基本法を踏まえ,道徳教育の目標として,伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国と郷土を愛し,公共の精神を尊び,他国を尊重し国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献する主体性のある日本人を育成することを追加している。
 道徳教育を進めるに当たっては,特に,道徳的実践力を高めるとともに,自他の生命を尊重する精神,自律の精神及び社会連帯の精神並びに義務を果たし責任を重んずる態度及び人権を尊重し差別のないよりよい社会を実現しようとする態度を養うための指導が適切に行われるよう配慮しなければならないとしている。
 各学校においては,全教師が協力して道徳教育を展開するため,その目標を踏まえ,指導の方針や重点を明確にして,学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育について,その全体計画を作成の上,着実に取り組まれたい。
 なお,人間としての在り方生き方に関する教育においては,就業体験やボランティア体験など体験的な活動を重視するとともに,生徒が主体的に進路選択ができるように,学校の教育課程全体を通じ,計画的,組織的な進路指導を行い,キャリア教育を推進するよう努められたい。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

電話番号:03-5253-4111(内線2369)

-- 登録:平成26年01月 --