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特定放射光施設の共用の促進に関する基本的な方針(平成二十三年二月七日文部科学省告示九号)

文部科学省告示第九号

 特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律(平成六年法律第七十八号)第四条第一項の規定に基づき、特定放射光施設の共用の促進に関する基本的な方針(平成十九年文部科学省告示第百二十八号)の全部を次のように改正し、平成二十三年二月七日から適用することとしたので、同条第四項の規定により告示する。

  平成二十三年二月七日

文部科学大臣 髙木 義明

特定放射光施設の共用の促進に関する基本的な方針

  我が国の科学技術を振興し、国際競争力の飛躍的な向上につながる研究成果を世界に先んじて創出するため、先端的かつ高度な研究等を行うための施設を多様な研究者等に開放し、その共用を促進することにより、我が国の科学技術に関する研究等の基盤の強化を図るとともに、産学官及び国内外の研究交流による研究者等の多様な知識の融合等を図ることが求められている。
 特定放射光施設は、独立行政法人理化学研究所(以下「理化学研究所」という。)により兵庫県に設置される世界最高性能の放射光を利用して研究等を行うための施設である。当該施設は、汎用性の高い先端的施設であることから、生命科学、物質科学等の様々な研究分野において、画期的な計測等の手段として用いられており、研究及び技術開発の飛躍的な発展に大きく貢献しているところである。今後とも、その積極的な活用により我が国の国際競争力の強化につながる研究成果の創出が期待できるものであることから、産業界も含め、多様な分野の研究者等に対して、その共用を促進することが必要である。
 また、特定放射光施設の整備及び運営に対する国民の理解、支持及び信頼を得ることができるよう努めることが重要である。
 このような認識の下、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律第四条第一項の規定に基づき、この方針を定めるものである。

第一 特定放射光施設の共用の促進に関する基本的な方向

 特定放射光施設は、大学、高等専門学校、大学共同利用機関、独立行政法人及び産業界等の多様な研究者等によって積極的に活用が図られることにより、その価値を最大限に発揮し、我が国の科学技術の振興や国際競争力の向上に寄与することが可能となるものである。
 特定放射光施設が、国内外の研究者等により積極的に活用され、優れた研究成果を世界に向けて発信できる、国際的な頭脳循環における中核的拠点となるために、理化学研究所及び利用促進業務を行う登録施設利用促進機関(以下「登録機関」という。)が大きな役割を果たすことが重要である。
 このため、理化学研究所及び登録機関は、以下の点を基本的な方向として特定放射光施設の共用の促進に努めなければならない。

一 利用者の意見に十分配慮した放射光共用施設の整備及び特定放射光施設の性能向上の推進や、公正な利用者選定による公平な利用機会の提供等、利用者本位の考え方を基本とした施設の整備及び運営を行うこと。

二 放射光利用研究の高度化を不断に図るとともに、人材の育成に努めること。また、創出された成果の積極的な公開の促進、普及啓発を通じて、国民の理解、支持及び信頼を得るよう努めること。

三 国内外の関係する研究機関及び研究者等の活発な連携、協力及び交流を促進し、国際競争力の強化に努めること。

第二 施設利用研究等に関する事項

一 公正な利用者選定(放射光専用施設を設置してこれを利用した研究等を行う者の選定を含む。)の実施
 特定放射光施設の共用に当たっては、国内外の産業界を含め、多様な分野の研究者等に対して、透明な手続により公平な利用機会が提供されなければならない。
 このため、登録機関においては、科学技術基本計画等国の方針を踏まえ、国際協調と国際競争力の強化のバランスに配慮しつつ、施設利用研究の科学技術への貢献度や発展性、社会経済への寄与や、社会通念に照らした妥当性等に配慮した適切な基準を策定し、これに従って利用者の選定を実施する必要がある。その際には、施設利用研究に関し学識経験を有する者により構成される選定委員会を設置し、同委員会から意見を聴取しなければならない。さらに、選定結果を公表するなど、公平性及び透明性を確保した公正な選定を行う必要がある。

二 適切な利用支援の実施
 施設利用研究の裾野を拡大するためには、放射光利用経験の少ない研究者でも円滑に特定放射光施設を利用でき、また、研究者等のより先端的・革新的なニーズにも対応できるよう、適切な支援がなされなければならない。
 このため、登録機関においては、利用支援業務を実施する際には、国内外における放射光利用研究の動向の把握及び分析、施設利用研究の促進のための方策に関する調査研究等の実施に努めることにより、放射光利用研究に関する一層の知見の蓄積を図るとともに、施設利用研究に係る相談への対応や研究内容に応じた情報の提供等を適切に行うための人材の確保等に努めることが必要である。
 また、特定放射光施設を利用する者が研究等を効果的に実施できるよう、理化学研究所においては、安定的な放射光の供給を行う必要があるとともに、登録機関においては、理化学研究所と協力しつつ、特定放射光施設に関連する技術情報の提供等の支援を行う必要がある。

三 放射光利用研究及びそれを支える人材育成の推進
 特定放射光施設が画期的な計測等の手段として活用され、継続的に優れた成果を創出していくためには、放射光利用研究の高度化等、放射光の利用可能性を不断に追求するとともに、これを支える人材の育成が必要不可欠である。
 このため、理化学研究所及び登録機関をはじめ、放射光に関連する研究等について知見を有する機関が、施設・装置、測定技術等の高度化を図りつつ、最先端の利用研究を進めるとともに、その成果を適切に情報発信していくことが期待される。
 また、研究の推進に当たっては、理化学研究所及び登録機関その他関係機関が適切な役割分担のもと、放射光利用研究を支える人材の育成に努めることが重要である。

四 積極的な成果の公表及び普及並びに啓発活動の実施
 施設利用研究の成果は、科学技術の振興を図るとともに、放射光の利用分野等に関する新たな知見を活かした特定放射光施設の更なる利用を促進する観点から、知的公共財として積極的に公表し、普及されるべきものである。
 このため、登録機関においては、その成果の公表を促進する方策を実施するとともに、利用者相互の情報交換が適切になされるよう配慮する必要がある。
 ただし、知的財産の保護の観点から施設利用研究の成果を公表することが難しい場合には、特許権の確立、製品化等による成果の普及を図ることが求められる。
 また、登録機関においては、新たな利用者を発掘し、また特定放射光施設の整備及び運営に対する国民の理解等を得る観点から、シンポジウムやインターネット等による積極的な啓発活動に努めることが重要である。

五 国際的な頭脳循環における中核的拠点の形成
 国内外の関係する研究機関及び研究者等の交流による多様な知識の融合等を図ることにより、我が国が世界の科学技術振興を先導し、これに貢献するとともに、国際競争力の飛躍的な向上につながる研究成果を創出するためには、特定放射光施設を国際的な頭脳循環における中核的拠点として位置づけ、その積極的な活用を図ることが重要である。
 このため、理化学研究所及び登録機関においては、原則として、施設を海外の研究者等にも国内の研究者等と同様に公平に共用に供することで、国内外の研究者による先端的・革新的な研究等を促進するとともに、国際的なシンポジウム等を積極的に開催し、その成果を世界に向けて発信することにより、世界の中で存在感を発揮することが必要である。
六 登録機関の研究機能の強化
 特定放射光施設が国際的な頭脳循環における中核的拠点となり、優秀な研究者等をひきつけるためには、登録機関自らが放射光の発生及びその利用に関する高い知見を有することが重要であり、登録機関における研究者の流動性を確保しつつ、新しい利用技術の開発を含め、研究機能の強化を図る必要がある。
 このため、登録機関においては、国内外の関係する研究機関との間で、研究者の交流や共同研究等を積極的に推進するとともに、人材交流の活性化に配慮する必要がある。

第三 放射光共用施設の整備及び放射光専用施設の設置に関する事項

一 放射光共用施設の整備
 理化学研究所においては、放射光共用施設の整備に当たって、機器性能の高度化を含め、利用者のニーズが適切に反映されるとともに、施設が効果的に活用されることが重要であることを踏まえ、幅広い分野の研究者等の意見や国内外の研究の動向等を適切に把握しつつ、計画的に整備を進めることが必要である。
 その際、利用者のニーズを把握すべき立場にある登録機関と密接に連携し、その意見に十分配慮するとともに、科学技術基本計画等を踏まえ、国際協調と国際競争力の強化のバランスに配慮しつつ、計画的に実施していくことが必要である。

二 放射光専用施設の設置
 登録機関においては、理化学研究所以外の者が自らの負担により建設する放射光専用施設の選定に当たって、第二の一に規定する基準に従った審査を行い、公平性及び透明性を確保するとともに、専用施設とする必要性、施設の維持管理能力等を確認することが必要である。また、放射光専用施設の設置後も、その実績について適切な評価が行われることが必要である。上記の選定及び評価を行うに当たっては、国、理化学研究所及び登録機関が密接に連携を図る必要がある。

第四 放射光共用施設の運営及び放射光専用施設の利用に関する事項

一 利用者本位の利用促進業務の実施
 施設利用に関する諸手続については、登録機関において利用者に対する窓口の一元化を図るとともに、その簡素化に努める必要がある。
 また、登録機関においては、特定放射光施設が最大限活用されるよう、幅広い分野における利用者のニーズの把握に努め、理化学研究所と協力してそれを施設の運営に反映するとともに、これまでの利用方法に加え、様々な利用方法を可能とするなど、利用者本位の利用促進業務を行うことが必要である。

二 施設の適切な運転及び維持管理等
 特定放射光施設は、放射光共用施設又は放射光専用施設のみならず、入射系等特定放射光施設に係る施設が一体として一つの機能を果たすものであることから、理化学研究所においてその全体の一体的かつ効率的な運転及び維持管理が行われることが重要であり、施設の運転及び維持管理を委託する場合には、受託者との適切な連携を図る必要がある。
 さらに、理化学研究所においては、施設全体を通じた安全管理についても、登録機関及び放射光専用施設の設置者の協力を得つつ、関係法令等に従いその万全を期する必要がある。
 また、放射光専用施設の設置者は、その設置の趣旨を踏まえた施設利用研究を実施するとともに、登録機関においては、当該施設の利用状況を把握し、必要に応じて当該設置者に対して適切な助言を行う必要がある。

三 充分な利用時間の提供
 理化学研究所は、国内外の放射光施設の運転状況も参考にしながら、利用者のニーズに可能な限り応えるために、効果的・効率的な運営を図りつつ、充分な利用時間の提供に努める必要がある。

第五 その他特定放射光施設の共用の促進に際し配慮すべき事項

一 地元自治体等との連携
 特定放射光施設は、当該施設が立地する地域における科学技術活動を活性化し、新産業・新事業の創出を促進するという観点からも重要であり、地域における産学官連携の深化をはじめとして、地元自治体等との連携が求められる。
 また、我が国が世界の科学技術振興を先導し、これに貢献するとともに、我が国に特定放射光施設を核とした国際的な頭脳循環における中核的拠点を設けていくためには、外国人研究者の受け入れ環境の整備等を進める必要があり、この点についても地元自治体と連携を図る必要がある。

二 関係研究機関との連携
 放射光や中性子線等の量子ビームは、それぞれ固有の物理的特性や物質との相互作用を持ち、利用できる研究分野や範囲が異なっており、これら特徴の違いを有効に活かし、複数の量子ビームを相補的に利用することにより、対象物質の構造や機能を俯瞰したより高度な計測等が可能となる。
 このため、理化学研究所及び登録機関においては、特定放射光施設をより有効に活用するため、他の量子ビーム施設との適切な役割分担を考慮するとともに、それらとの連携を図ることが必要である。 

お問合せ先

研究振興局基盤研究課量子放射線研究推進室

電話番号:03-5253-4111(内線4336)

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(研究振興局基盤研究課量子放射線研究推進室)

-- 登録:平成23年07月 --