21文科ス第6009号
平成21年4月1日
附属学校を置く各国立大学法人学長 殿 各都道府県知事 殿 各都道府県教育委員会 殿
文部科学省スポーツ・青少年局長 山中 伸一
特別支援学校の幼稚部及び高等部における学校給食実施基準の施行について(通知)
学校給食の適切な実施については、かねてから格別の御配慮をお願いしているところですが、このたび、学校保健法等の一部を改正する法律(平成20年法律第73号)により改正された特別支援学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律(昭和32年法律第118号。以下「法」という。)第6条の規定に基づき、別紙(下記参照)のとおり、「特別支援学校の幼稚部及び高等部における学校給食実施基準」(平成21年文部科学省告示第63号。以下「本基準」という。)が平成21年3月31日に公布され、平成21年4月1日から施行されました。
本基準の概要等については、下記のとおりですので、法第6条の趣旨を踏まえ、本基準に照らした適切な学校給食の実施をお願いします。
なお、各都道府県教育委員会におかれては、域内の市町村教育委員会及び所管の学校に対して、各都道府県知事におかれては、所轄の学校及び学校法人等に対して、国立大学法人学長におかれては、その管下の学校に対して周知を図るとともに、適切な対応が図られるよう配慮願います。
記
一 学校給食は、これを実施する学校においては、当該学校のすべての幼児又は生徒に対して実施されるものとすること(第1条関係)
二 学校給食は、年間を通じ、原則として毎週5回、授業日の昼食時に実施されるものとすること(第2条関係)
三 学校給食の実施に当たって、幼児又は生徒の個々の健康及び生活活動等並びに地域の実情等に配慮すべきものとすること(第3条関係)
四 学校給食に供する食物の栄養内容の基準(「学校給食摂取基準」)について定めたこと(第4条関係))
法の第6条において、学校給食を実施する特別支援学校の設置者は、本基準に照らして適切な学校給食の実施に努めることととされており、法の規定に基づき、学校給食の適切な実施に努められたいこと。(法第6条)
本基準は、学校給食法の改正に伴い、学校給食実施基準(昭和29年文部省告示第90号。以下「旧基準」という。)及び「学校給食における食事内容について」(文部科学省スポーツ・青少年局長通知20文科ス第754号)の内容を踏まえ、策定されたこと。
(1)学校給食における摂取基準(以下「学校給食摂取基準」という。)については、別表にそれぞれ掲げる基準によること。
(2)これらの学校給食摂取基準については厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2005年版)」(以下「食事摂取基準」という。)を参考とし、その考え方を踏まえるとともに、文部科学省が平成19年度に行った「児童生徒の食生活等の実態調査」(以下「食生活等実態調査」という。)結果を勘案し、生徒等の健康の増進及び食育の推進を図るために望ましい栄養量を算出したものである。したがって、本基準は生徒等の1人1回当たりの全国的な平均値を示したものであるから、適用に当たっては、個々の生徒等の健康状態及び生活活動の実態並びに地域の実情等に十分配慮し、弾力的に適用すること。
(3)学校給食摂取基準についての基本的な考え方は次のとおりである。
1 エネルギー
エネルギーについては、学校保健統計調査から生徒等の標準体重を求め、食生活等実態調査結果を参考として、身体活動レベル1.75を用いて算出した1日の必要量の33%とした。
2 たんぱく質
食事摂取基準においては、成長期のたんぱく質の算定方法が変更になったことから、たんぱく質の推奨量が「第6次改定日本人の栄養所要量」より低い値となっている。しかし、主菜の量、生徒等の嗜好及び学校給食においてカルシウムの供給源としての牛乳が通常毎日提供されていること及び食生活等実態調査結果などを勘案すると、基準値は現行程度が適切と考えられる。よって、食事摂取基準の推奨量(1日)の50%を基準値とした。また、高たんぱく質・高脂質の食事嗜好を助長しないよう食事摂取基準の推奨量(1日)の33%から食生活等実態調査結果の摂取量1日分の40%を範囲とした。
3 脂質
脂質の過剰摂取は、肥満並びに血中コレステロール値などの問題も指摘されることから、将来の生活習慣病予防の観点から、脂質の基準値は、現行同様に脂肪エネルギー比率で示し、総エネルギー摂取量の25~30%とした。
4 ナトリウム(食塩相当量)
ナトリウムについては食事摂取基準において、生活習慣病予防の目的から過剰摂取対策として、成人女性8g/日、男性は10g/日未満を目標量としている。1~11歳については、推定エネルギー必要量に応じて目標量を設定していることから、学校給食においては、その33%未満を基準値とした。
5 カルシウム
カルシウムについては、食生活等実態調査結果や平成14年に独立行政法人日本スポーツ振興センターが実施した「児童生徒の食事状況調査」の結果から、家庭において不足している実態を踏まえ、食事摂取基準の目標量(1日)の50%を基準値とした。
また、食事摂取基準においてはさらに摂取することが望まれるカルシウム量として目安量を示していることから、学校給食においては摂取することが望まれるカルシウム量を目標値として示したので、可能な限り目標値の摂取に努めること。
6 鉄
鉄については、食事摂取基準の推奨量(1日)の33%とした。鉄の摂取は、家庭はもとより学校給食においても容易でないことから、学校給食においては献立の創意工夫を行い、摂取の確保に努めること。
7 ビタミン類
ビタミンについては、基本的には食事摂取基準の推奨量(1日)の33%とした。ただし、日本人が欠乏しやすいビタミンB1は食事摂取基準(1日)の40%とし、ビタミンB2
についても牛乳1本(200ml)をつけると1日の推奨量の40%程度となることから、食事摂取基準(1日)の40%とした。なお、ビタミンAについては食品の選択の幅を確保するという観点から、1日の推奨量の33%を基準値とし、その3倍までを摂取範囲とした。
8 食物繊維
食物繊維については、食事摂取基準において、成長期の必要量は示されていないが、成人の場合、1,000kcal当たり10gが望ましいと規定されており、食生活等実態調査における排便に関する調査結果を踏まえ、現行より若干減じて基準値とした。
9 マグネシウム及び亜鉛
マグネシウムは食事摂取基準の推奨量(1日)の50%、亜鉛については、33%を望ましい数値とした。
食品構成については、学校給食摂取基準を踏まえつつ、多様な食品を適切に組み合わせて、食に関する指導や食事内容の充実を図ること。また、各地域の実情や家庭における食生活の実態把握の上、日本型食生活の実践、我が国の伝統的な食文化の継承について十分配慮すること。
さらに、独立行政法人日本スポーツ振興センターが実施した「児童生徒の食事状況調査」によれば、学校給食のない日はカルシウム不足が顕著であり、カルシウム摂取に効果的である牛乳等についての使用に配慮すること。なお、家庭の食事においてカルシウムの摂取が不足している地域にあっては、積極的に牛乳、調理用牛乳、乳製品、小魚等についての使用に配慮すること。
(1) 学校給食の食事内容については、学校における食育の推進を図る観点から、学級担任、栄養教諭等が給食時間はもとより各教科等における食に関する指導に学校給食を活用した指導が行えるよう配慮すること。
1 献立に使用する食品や献立のねらいを明確にした献立計画を示すこと。
2 各教科等の食に関する指導と意図的に関連させた献立作成とすること。
3 地場産物や郷土に伝わる料理を積極的に取り入れ、生徒等が郷土に関心を寄せる心を育むとともに、地域の食文化の継承につながるよう配慮すること。
4 生徒等が学校給食を通して、日常又は将来の食事作りにつなげることができるよう、献立名や食品名が明確な献立作成に努めること。
4 食物アレルギー等のある生徒等に対しては、校内において校長、学級担任、養護教諭、栄養教諭、学校医等による指導体制を整備し、保護者や主治医との連携を図りつつ、可能な限り、個々の生徒等の状況に応じた対応に努めること。なお、実施に当たっては財団法人日本学校保健会で取りまとめられた「アレルギー疾患対応の学校生活管理指導表」及び「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」を参考とすること。
(2) 献立作成に当たっては、常に食品の組み合わせ、調理方法等の改善を図るとともに、生徒等の嗜好の偏りをなくすよう配慮すること。
1 魅力あるおいしい給食となるよう、調理技術の向上に努めること。
2 食事は調理後できるだけ短時間に適温で提供すること。調理に当たっては、衛生・安全に十分配慮すること。
3 家庭における日常の食生活の指標になるように配慮すること。
(3) 食器具については、安全性が確保されたものであること。また、生徒等の望ましい食習慣の形成に資するため、料理形態に即した食器具の使用に配慮するとともに、食文化の継承や地元で生産される食器具の使用に配慮すること。
(4) 喫食の場所については、食事にふさわしいものとなるよう改善工夫を行うこと。
(5) 望ましい生活習慣を形成するため、適度な運動、調和のとれた食事、十分な休養・睡眠という生活習慣全体を視野に入れた指導に配慮すること。
(1) 特別支援学校の生徒等については、障害の種類と程度が多様であり、身体活動レベルも様々であることから、学校給食摂取基準の適用に当たっては、個々の生徒等の健康状態や生活活動の実態、地域の実情等に十分配慮し、弾力的に運用するとともに次の点に留意すること。
1 障害のある生徒等が無理なく食べられるような献立及び調理について十分配慮すること。
2 食に関する指導の教材として、障害に応じた効果的な教材となるよう創意工夫に努めること。
(2) 特別支援学校における生徒等に対する食事の管理については、家庭や寄宿舎における食生活や病院における食事と密接に関連していることから、学級担任、栄養教諭、学校栄養職員、養護教諭、学校医、主治医及び保護者等の関係者が連携し、共通理解を図りながら、生徒等の生活習慣全体を視野に入れた食事管理に努めること。
文部科学省に調査研究協力者会議を設置し、検討を行ったので、「学校給食における食事摂取基準等について(報告)」及び改訂に際し基礎資料として実施した「児童生徒の食生活等実態調査結果」を参考とされたいこと。
「学校給食における食事内容について」(文部科学省スポーツ・青少年局長通知20文科ス第754号)
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