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二 OECD教育調査団報告「日本の教育政策」

 戦後の占領期には二度にわたり(昭和二十一年及び二十五年)「米国教育使節団報告書」が出されているが、四十六年十一月に発表されたOECDによる「日本の教育政策」は、戦後新しい教育制度が確立して初めての外国から見た日本の教育に関する公式の報告書である。四十年代に入り我が国の教育は、量的な拡大に対応するとともに今後の国家社会の進展に即応した教育の新しい展望が求められるようになり、四十二年には、「今後における学校教育の総合的な拡充整備のための基本的施策について」文部大臣から中央教育審議会に対し諮問がなされた。その最終答申が出されたのは、このOECDの報告書と同じ四十六年であった。このように我が国が教育の将来の展望を模索する中で、エドウィン・ライシャワー元駐日米国大使、エドガー・フォール元仏首相・国民教育相ら日本や教育について造詣の深い五名の有識者によって調査が行われた。したがって、その報告書は日本の教育の将来展望についての率直な提言という性格を持つものであった。

 このOECDの報告書は、日本の教育が経済成長に大きく貢献してきたことを認める一方、日本は大きな転換点を迎えており、その経済成長で得たものを社会がどう処理してゆくかが今後の日本の課題であると述べ、教育は、文化の継承と更新、職業への準備と人間的な豊かさの育成との間の調和のとれた発展を図ることが求められていると指摘している。そして調査団は、日本の教育全般にわたる問題として、1)教育の社会的選抜機能が過度に重視されていること、2)教育制度内部において「合意と協力」よりは「権力と威圧」の関係が強く見られること及び3)価値の教育において対立が見られることを挙げている。また、「世界参加のための教育」という名称で、この時期に既に教育の国際化の必要性が強調されている。

 また、個別の評価としては、初等教育についてはむしろ学ぶべき点が多いとして比較的高い評価を与えている反面、高等教育については、教育・研究体制が画一的で硬直化していること、財政基盤、教育水準、社会的威信などの面において、高等教育機関がピラミッド状に階層化されていることなどを指摘している。

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-- 登録:平成21年以前 --