一 留学生交流の量的拡充

 近年、我が国の国際化の進展や諸外国の日本に対する関心の高まりの状況の中で、我が国と諸外国の留学生交流が急速に拡大している。まず、外国人留学生の受入れについて見ると、平成三年にその数は四万五、〇〇〇人に達しているが、これは十年前の昭和五十六年の六倍以上であり、四十六年からの十年間の伸びがわずか一・六倍であったのに比べると著しい増加である。特にここ十年間の私費留学生数は際立った伸びを見せ、国費留学生が三・三倍であるのに対し、七・六倍にも増加している。出身地域は一〇八の国又は地域に広がっているが、地域別の割合を見ると、アジア地域からの留学生が九〇%以上を占めており、二十年前には八〇%程度であったのに比べ、一層集中の度合いが強まっている。また、留学生全体の在学段階別内訳については、二十年前には学部約六〇%、大学院約四〇%を占めていた在学者の割合は、それぞれ約四〇%及び三〇%に減少しているが、留学生の実学志向もあり、専修学校の在学者が三〇%を超えている。ただし、国費留学生だけについて見ると、国の政策を反映して、八三%が大学院レベルとなっている。

 一方、日本人学生の海外留学については、平成二年度の法務省出入国管理統計年報による「留学・研修・技術習得」を目的とする出国者数は、一二万人となっており、最近十年間で八倍を超える伸びを示している。このうち日本政府派遣留学生は二六〇人である。なお、一九九一年版ユネスコ統計年鑑等によれば、主要五〇か国の高等教育機関に在籍している日本人学生は三万七、〇〇〇人であり、このうち八五%がアメリカ合衆国となっている。

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