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一 国際交流の進展

 戦後日本が占領期を経て昭和二十七年の平和条約により独立を回復すると、国際社会の一員としてこれに積極的に貢献するとの観点から、徐々に様々な形の国際交流が展開されたが、国際交流が重要な文教政策の課題の一つとして強く認識され始めたのは、四十年代、特にその後半以降からである。三十年代中ごろからの経済の高度成長により、我が国が経済大国として発展するに伴って、国際的地位が向上しその役割も増大した反面、様々な分野において摩擦や軋轢(あつれき)が生じてきた時であった。四十九年には、中央教育審議会が「教育・学術・文化における国際交流について」答申を行っている。同答申は、国際化の要請にこたえるための人・物・情報の直接的な交流の拡大のための諸施策を提示したのに加え、国内の教育課題として初めて国際社会に生きる日本人の育成を指摘した。これとちょうど同じ年、ユネスコにおいて国際理解教育に関する勧告が採択されている。

 このころから社会の広い分野にわたる「国際化」の必要性が指摘され始める。近年、人、物、資本、情報等について各国間の接触・交流が増加するという現象が顕著になってきている。特に我が国では、経済の発展と国際的な地位の向上に伴ってこのような状況が極めて急速に展開し、かつ、これが外交や貿易のみならず、国民生活一般にも大きな影響を与えつつあるため、特に重要な課題として人々の注目を集めている。四十五年から平成二年までの二十年間に、我が国に入国した外国人は年間約八〇万人から約三五〇万人に、我が国から出国した日本人は約七〇万人から約一、〇〇〇万人にそれぞれ増加している。この間、貿易額も輸入が約五倍、輸出が約六倍に増えており、国を越えた直接投資も過去十年間で数倍に拡大している。教育や文化についても、過去二十年間に、留学生数は約四倍、海外に居住する学齢児童生徒数は約四・六倍の増加を見ており、国際化の進展は明らかである。

 このような留学生交流の活発化、海外子女の増加、我が国に居住する外国人の増加などの現象に対する政策は、社会の国際化に伴って生じた新たなニーズに対応していくという意義のほかに、諸国民との間の国際的相互理解を促進するとともに、国際社会における我が国の役割と責任を積極的に果たし、人類の進歩と平和に進んで貢献していくという、前向きで積極的な意義を有している。国際的な相互理解を推進するためには、言うまでもなく教育・文化交流や青少年交流事業等を通じた人と人との触れ合いが重要であり、また一方、近年特に、学術や高等教育を中心とする関係分野において、世界への貢献や開発援助への一層積極的な取組の必要性などが叫ばれている。

 このような中で、文部省ではユネスコ等の国際機関を通じた交流・協力、文化、スポーツの交流、留学生の受入れ、海外子女教育、外国人に対する日本語教育等を積極的に推進してきた。

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学制百二十年史編集委員会

-- 登録:平成21年以前 --