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一 国際共同研究

国際共同研究の拡大

 国際的な共同研究は年々多様化・活発化し、その数も増えている。これは、我が国に優れた研究者層あるいは研究施設が存在している分野、地域的に日本の役割が期待される分野、日本においてこれからの研究推進が必要とされる分野、そして「ビッグサイエンス」の研究で国際協力を必要とする分野においてその傾向が著しい。

 これらは、政府間協定等に基づく事業、国際学術連合会議(ICSU)、ユネスコの提唱により各国が実施する事業、大学・研究所等の機関が独自の協定により行う事業から、研究者個人あるいは研究者グループ間の合意で実施されるものまで、いろいろな形態で拡大が図られてきているが、文部省では、関係研究者間の企画、計画等に十分配慮しつつ、これらの実施又は助成に当たって努力を行っている。なお、これらの国際共同研究を推進するための経費は、「南極地域観測事業費」、「国際共同研究等経費(国立学校特別会計)」のほか、「科学研究費補助金(国際学術研究)」、「日本学術振興会事業費補助」等により措置されてきた。

政府間協定等による事業

 日米間では、新たに昭和五十四年に日米科学技術協力協定(エネルギー分野)が締結され、日本の大学による初めての本格的な国際共同研究が、核融合、高エネルギー物理学、光合成による太陽エネルギー転換の三分野で開始され、翌年には同協力協定(非エネルギー分野)の下で、宇宙科学、実験動物科学等の分野で共同研究が行われることになった。

 これより先、ドイツとの科学技術協力協定が四十九年に締結され、ドイツ電子シンクロトロン研究所(DESY)と東京大学理学部との間で高エネルギー物理学の共同研究が開始された。また、文部省と英国科学工学研究会議(SERC)間の協定(五十七年)に基づき、英国との宇宙科学、分子科学等の分野の共同研究も実施されている。

ICSU提唱/ユネスコ関連事業

 ICSU提唱の国際共同研究事業には、南極地域観測事業以後も参加してきているが、近年、異常気象、地球温暖化、オゾン層破壊等の地球環境問題が取り上げられ、これに対する地球的規模の国際共同研究が組織されるようになり、「太陽地球系国際協同研究計画(STEP)」(平成三年~)、「地球圏-生物圏国際協同研究計画(IGBP)」(二年~)でも我が国は積極的な役割を果たしている。

 我が国はまた、信託基金の拠出等により、ユネスコ関連の事業に協力してきた。天然産出物化学及び微生物分野での「東南アジア基礎科学ネットワーク」(昭和五十年~)、環境科学関連政府間共同調査事業である「政府間海洋学委員会(IOC)/西太平洋海域共同調査事業(WESTPAC)」(五十六年~)、「人間と生物圏計画(MAB)」(四十六年~)、「国際水文学計画(IHP)」(平成二年~)などである。これらの事業の下に実施されるセミナー・研修コース等を通じ、アジア・太平洋地域の途上国の人材養成に貢献してきている。

大学・研究所の間の協定による共同研究

 これは、大学・研究所等の機関が独自の判断で特定の研究分野において共同研究の協力協定を締結して行うもので、代表的なものとしては、高エネルギー物理学分野での欧州原子核研究機関(CERN)での実験への東京大学理学部素粒子物理国際センターの参加、地球科学分野での米国NSFと東京大学海洋研究所の国際深海掘削計画(ODP)の共同実施(昭和六十年~)及び中国黒河流域の半砂漠化防止等のための地空相互作用に関する中国科学院と京都大学防災研究所との共同研究(平成元年~)などが実施されている。

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学制百二十年史編集委員会

-- 登録:平成21年以前 --