八 地球環境科学

 昭和四十年代の後半になり、我が国においても人間の諸活動の加速度的な拡大が全地球的な規模の環境変化をもたらし、人類の生存の基盤をも揺るがしかねないという認識が徐々に定着し始めた。五十三年二月に学術審議会は環境科学研究の推進方策について建議し、文部省の科学研究費補助金に「環境科学特別研究」が設定された。また、近年、地球の温暖化、オゾン層の破壊等の地球的規模の環境問題が顕在化し、平成元年五月、地球環境保全に関する関係閣僚会議が設置され、政府全体として地球環境問題への取組を行っているが、文部省では、大気、海洋、生態系にわたる地球規模の環境変動を生じさせるメカニズム等について科学的知見を一層蓄積していくことが重要であるとの認識に立ち、大学等の研究体制の整備・充実、国際共同研究の推進等を図ってきている。

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学制百二十年史編集委員会

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