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五 生命科学

 生命現象をDNAや蛋(たん)白質等の分子の物理的、化学的特性により解明しようとするバイオサイエンスは、組換えDNA実験や細胞融合等の新たな実験技術の開発により、飛躍的進歩を遂げてきた。文部省では、学術審議会建議を踏まえ、積極的にバイオサイエンス研究を推進するとともに、組換えDNA実験に当たっては生物的な安全性の確保が求められるところから、研究者サイドからの自主規制を基本思想とした組換えDNA実験指針を我が国で初めて昭和五十四年に制定した。これにより、組換えDNA実験により得られた生物は一定の物理的・生物学的封じ込めの措置がとられている。その後、これら組換え体の安全性が確認されるに従ってこの実験指針はその都度改正され、平成三年一月には第七回の改正が行われた。

 医学研究の分野にも分子生物学的研究手法は広く浸透し、特にがん研究に関しては科学研究費で重点的に推進され、多数の新しいがん遺伝子の発見、B型肝炎ウイルスの解析、プロテイン・キナーゼCの発見などによる発がんメカニズムの解明、診断のための基礎技術の開発等、多くの研究成果をこれまでにあげてきた。また、ヒトのDNAの全塩基配列を解析しようとする「ヒト・ゲノム解析研究」が平成三年度から本格的に開始され、遺伝性疾患の病因の解明や診断・治療、新薬の系統的開発、さらにはヒトの進化プロセスの解明等への幅広い応用が期待されている。

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学制百二十年史編集委員会

-- 登録:平成21年以前 --