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二 競技力向上への取組

選手強化の充実のための諸施策

 選手強化事業は、財団法人日本体育協会及び財団法人日本オリンピック委員会の統括の下で、各競技団体が行っている。文部省としても特に近年、世論にこたえて、ナショナルチームの強化合宿、対外試合の実施、専任コーチの設置、ジュニア育成、スポーツ科学調査研究、スポーツ国際交流等幅広く国庫補助制度を整備し、充実を図っている。さらに、平成二年十二月には、スポーツ界の懸案であったスポーツ振興基金を創設し、国庫補助とあいまって、競技水準の向上のための活動に対して、きめ細かい援助を行えるよう、支援体制を整えた。

 また、近年、オリンピックに向けた選手強化に対して、民間企業からの援助の導入も積極的に進められている。日本オリンピック委員会は昭和五十四年以来、「がんばれニッポン」オリンピック・キャンペーンを行い、選手強化費のために、企業から協賛スポンサーを募っている。さらには、オリンピック競技大会へのプロ選手の参加容認状況も踏まえて、アマスポーツとプロスポーツの連携・交流を深め、アマ、プロ一体となった選手強化の推進など、プロスポーツの健全な発展を助長するための施策について、文部省は新たに取組を始めた。

日本オリンピック委員会の独立

 明治四十四年に設立された日本体育協会は、我が国スポーツ界の統括団体としての地位を占めてきた。我が国を代表して国際オリンピック委員会に加盟する日本オリンピック委員会も、日本体育協会内の一委員会に位置付けられ、日本体育協会は国際競技力の向上と国民スポーツの振興の両面を永年にわたり担っていた。

 しかし、六十三年のソウルオリンピック競技大会で我が国の成績が不振に終わったこともきっかけとなり、我が国の競技水準の向上を図るための体制整備として、平成元年八月に日本オリンピック委員会が財団法人化された。これにより、国際競技力の向上は日本オリンピック委員会が、国民スポーツの振興は日本体育協会が担当する体制となった。今後は、我が国スポーツ界の発展のため、両団体が連携を取りつつ、リーダーシップを発揮していくことが望まれる。

国民体育大会の充実

 国民体育大会は終戦後間もない昭和二十一年に第一回大会が開催されて以来、各都道府県持ち回りで毎年開催され、国民の間にスポーツを普及させるとともに、地方スポーツの振興と地方文化の発展に大きく寄与してきた。六十二年の沖縄大会をもって全国を一巡し、翌年の京都大会から二巡目に入った。これを機に、1)総合成績採点方法を簡略化する、2)成年の部に一部と二部を設ける、3)デモンストレーションとして、スポーツ行事を実施できることとする、4)一部の競技に中学生の参加を認める等の改善を加え、広く国民各層を対象としたスポーツの祭典として、より充実が図られるようになった。

国立スポーツ科学センター(仮称)の設立準備

 我が国の国際競技力が相対的に低下した一因として、スポーツ科学の組織的・体系的な研究や、科学的研究の成果を踏まえた選手強化の面での立ち遅れが指摘されていた。文部省としては、保健体育審議会等の提言も踏まえて、調査研究を進め、国際競技力向上のためのスポーツ科学の研究、科学的トレーニング場の提供等を行う中核的機関として、国立スポーツ科学センター(仮称)を国立西が丘競技場の敷地内に設置するよう、諸準備を進めている。平成二年度には基本設計を完了し、三年度からは実施設計を開始しており、早期設立に向けて、逐次整備を進めていく予定である。

国際競技大会の開催に向けて

 平成六年に広島市でアジア競技大会、七年に福岡市でユニバーシアード大会、十年には長野市で我が国としては二十六年振りになるオリンピック冬季競技大会の開催が決定している。これらの国際競技大会は、日本オリンピック委員会と開催地方公共団体が中心となって開催するものであるが、文部省としてもその成功のために、協力、支援しているところである。今後、これらの大会に向けて、我が国の競技水準の一層の向上を図っていくとともに、冷戦構造が崩壊した世界情勢の中で、これらの大会が真の意味での国際友好、親善に大きな役割を果たすものとなるよう準備を進めていく必要がある。

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学制百二十年史編集委員会

-- 登録:平成21年以前 --