二 青少年活動の促進

  青年学級は、戦後、勤労青年の学習機会として大きな役割を果たしてきたが、高等学校への進学率の上昇、第二次、第三次産業への就業青年の増加と技術革新等 に対処する企業内教育の強化などによってその基盤に大きな変化を生じた。このため、昭和四十年代に入ってからは、英会話やパソコンなどの特定の学習関心ご とに学ぶ方式の青年教室の開設を援助するなど、青年の学習機会の多面化が図られている。

  社会の変化に対する学習機会の多面化とともに、青年たちが自ら社会性を啓培する活動が生まれ、五十一年度からその活動の一環であるふるさと運動への補助を 始めた。この事業は青少年の地域活動と呼ばれ、その後、仲間づくり、奉仕活動の事業が加えられた。これらは五十八年度から始められた都道府県への青少年社 会参加促進事業への補助と併せて、青年の実践活動による研修機会の拡充をもたらした。また、六十年度からは青少年のボランティア参加促進事業に対する補助 を始めたが、これは高校生ボランティア活動とも称されるように、生涯学習理念に立脚した学社連携の具体的方策を求める試みであった。なお、学校、家庭及び 地域社会が一体となって、青少年の豊かな心を育てる施策を総合的に推進するため、五十七年一月に「豊かな心を育てる施策推進会議」を設置し、文部省の各局 課が行っている生徒指導、青少年教育、スポーツ活動奨励などの施策を総合的に実施することとし、地方教育委員会も一体になって、統合的展開を見た。

  一方、特定の興味や関心を自由に、かつ自主的、継続的に追及できる社会教育の特色を生かした活動を開発、推進するため、六十一年度から小・中学生を対象 に、博物館等の支援を受けて特定の科学テーマを追及する青少年科学活動促進事業を助成している。また、異年齢の青少年グループが山奥や無人島などで長期に わたる自然体験活動を実施する自然生活へのチャレンジ推進事業(フロンティア・アドベンチャー事業)に対する補助を六十三年度から始めた。さらには、学校 週五日制などを視野に入れ、平成四年度からは青少年が休日等において身近な地域で行う様々な活動を促進するため、新たに都道府県補助事業としての地域少年 少女サークル活動促進事業を発足させるなど、多様な活動の開発、普及が図られるようになった。

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