四 多様な学習機会の整備

 生涯学習時代の到来とともに、多様化し、高度化、専門化した人々の学習要求にこたえ、また自己実現や生きがいを求める要請に対応して、社会教育活動は多角的展開を見るようになった。それらの中で、学級・講座については、従来から青年学級、家庭教育学級等の開設費に対して文部省は補助を行ってきたが、昭和四十六年度から婦人学級、四十八年度から高齢者教室、五十二年度から成人大学講座の補助事業等を加えて、年齢層別、学習関心別の学習機会の拡充に努めてきた。

 四十年代中ごろから登場してきた地域活動は、行うことによって学んだり、学んだことを社会で役立てるなど、新しい側面を持った社会教育活動である。文部省は、地域活動に関する実証的研究を委嘱後、五十一年度から青少年ふるさと運動、婦人ボランティア活動、五十二年度からPTA地域活動、五十三年度から高齢者人材活用、六十年度からいわゆる高校生ボランティア活動を助成し、奨励している。また、青少年科学活動や自然へのチャレンジ事業のような実践による学習形態も開発され、奨励、普及を見るようになった。

 一方、学習機会の選択を援助する学習情報提供事業が五十年代の初頭に創案され、また、社会通信教育、技能審査事業、視聴覚教育の事業なども時代の進展とともに着実な歩みを続け、大学の公開講座も拡充の道をたどっている。なお、五十三年には、いわゆるカルチャーセンターなどの民間学習事業の萌(ほう)芽を全国調査し、これを行政の視野に入れるようになった。

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