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二 高等教育計画

昭和五十一年度以降の高等教育計画

 高等教育懇談会は、昭和五十一年三月に、五十一年度から五十五年度までの五年間の高等教育計画(「昭和五十年代前期高等教育計画」)をまとめ、次いで五十四年十二月には、高等教育懇談会を引き継いだ大学設置審議会大学設置計画分科会が、五十六年度から六十一年度までの六年間の高等教育計画(「昭和五十年代後期高等教育計画」)をまとめた。

 五十年代は、十八歳人口がほぼ一六〇万人前後で横ばいで推移する期間であったので、両計画は、それまでに生じた幾つかの不均衡を是正し、同時に高等教育の構造の柔軟化、流動化を進め、質的な充実に努めることを重視した。具体的には、入学定員超過の現状の是正を図るとともに、大都市への大学の集中を抑制し地方の大学の計画的整備を進めることによって地方における高等教育への進学率の向上を目指したのである。

 計画期間中における国公私立の大学及び短期大学の入学定員の増は、前期においては、二万九、〇〇〇人、後期においては三万四、〇〇〇人とされたが、計画終了時には、それぞれ、六万九、二二二人、三万九、七六七人となった。

 これは、これまで定員を超過して入学を許可していた大学が、教育研究条件を勘案しながら、これら入学者の実数を順次正規の入学定員内に組み入れたため、見掛け上は、入学定員の増が当初計画を大幅に上回ることになったのである。この結果、計画期間中の進学率は横ばいで推移し、定員超過率の是正等教育研究条件の改善が進んだほか、地域間格差の是正がある程度図られたのである。

 なお、計画では、専修学校(専門課程)を高等教育機関として位置付けているが、その性格上自由な進展にゆだねるため、規模の想定の対象には含めていない。しかし、専修学校(専門課程)への進学は順調に伸び、五十年代に、大学、短期大学及び高等専門学校への進学率が三五%から三九%台で推移したのに対し、これらに専修学校(専門課程)を含めた場合の進学率は、五十三年度には五〇%台に達した。(専修学校については第二章第四節参照)

昭和六十一年度以降の高等教育計画

 昭和五十九年六月に大学設置審議会大学設置計画分科会は、六十一年度から平成四年度までの七年間の高等教育計画(「新高等教育計画」)を示した。

 この計画では、六十一年度以降の十八歳人口が平成四年度まで急増し、それ以後急減することから、五年度以降の急減も考慮しつつ、十八歳人口が二〇五万人に達する四年度までの間の量的整備をいかに図るかが焦点となり、このため、恒常的な定員のほかに期間を限った臨時的な定員の増を認めることとした。具体的には、四年までに、国公私立の大学、短期大学及び高等専門学校の入学定員を合計八万六、〇〇〇人(うち、四万四、〇〇〇人は、期間を限った定員)増加することを目途として整備を進めることとしたのである。

 この計画を踏まえ、その後、六十三年度までの三年間に約八万五、〇〇〇人の入学定員の増(うち約四万五、〇〇〇人は期間を限った定員増)が図られ、この時点で既に計画の目途をほぼ達成しつつあったが、一方で、入学定員超過率の改善が予想以上に進んだため、入学者の実数では計画の想定した規模に達しなかった。また、大学、短期大学への志願率、志願者数が予想を上回って大幅に増大したことともあいまって、多数の不合格者が生じることとなった。この事態に対して、平成元年二月、大学審議会において、現高等教育計画の運用に関して、期間を限った定員の増を含めて引き続き必要な定員整備を進めることとした。その結果、計画期間の最終年度に当たる平成四年度までに、恒常的な定員の増が七万八、一四八人、期間を限った定員の増が一一万二、五六八人、計一九万七一六人の入学定員の増が行われた。

 この計画の進行により、地域間格差の是正が更に進んだほか、高等教育の質的充実の面では、大学間の単位互換や社会人を受け入れる大学の増加等が見られ、また、時代の動向を反映して、情報科学・情報処理や国際文化・国際教養等今後の人材養成の需要の大きい分野の学部、学科の新増設が行われたのである。

 なお、昭和六十年代の大学、短期大学及び高等専門学校への進学率を男女別に見ると、近年、女子の進学率の上昇が目立ち、平成元年度には、男子の三六・八%に対し、女子は三六・九%で、女子が男子を上回っている。

平成五年度以降の高等教育計画

 平成三年五月に大学審議会がまとめた平成五年度から十二年度までの八年間の高等教育計画は、十二年度には一五一万人にまで減少することが見込まれる十八歳人口の急減に対応するため、今後の大学等の新増設を原則として抑制する方針を打ち出すとともに、このような状況を前提としつつ、大学等について、時代の変化に適切に対応し得る能力の育成等を図るための教育機能の一層の強化、世界的水準の教育研究の推進、履修形態の柔軟化等生涯学習への適切な対応を重視した提言となっている。

 そして、十二年度における高等教育の規模、すなわち、大学、短期大学及び高等専門学校への入学者数については、志願率の推移、社会人や外国人留学生の拡大幅など流動的な要素があり、その変化の方向も明確ではないことから、あえて具体的な整備目標を設定せず、三つのケース(ケース一…六四万九、〇〇〇人、ケース二…六六万七、〇〇〇人、ケース三…六八万二、〇〇〇人)を想定値として示し、そのうち、これまでの進学状況や現行計画との整合性等から、当面、ケース一を念頭に置いて整備を進めることが適当であるとしている。その場合の入学者数は、二年度の入学者の実数に比べ、八万九、〇〇〇人減少することが見込まれている。

 なお、この計画では、大学の地域配置について引き続き格差の是正を図ることや、情報関係、社会福祉関係、医療技術関係などの特定分野へのニーズの高まりや学術研究の進展に応じた人材養成に対する配慮を求めていることについては、これまでの計画を踏襲しているが、大学等が地域における文化の中核の一つとして地域の文化・産業の発展に寄与することなどにも配慮し、特に地方の中枢的都市及びその周辺地域における大学等の整備を重視している。

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