三 大学院修士課程の設置

 新制大学発足後しばらくの間、国立大学の大学院の設置についてはかなり制限的な方針が採られていたが、経済社会や職業分野の複雑高度化に伴い、昭和四十年代になって設置が次第に進められるようになった。国立の教員養成大学についても、優れた人材を教職に招致することを目的として、要件の整った大学から大学院修士課程を設置することとし、まず、四十一年度に東京学芸大学、四十三年度に大阪教育大学に設置し、しばらく間を置いて、五十三年度から愛知教育大学をはじめ、逐次設置を進めてきた。

 特に近年においては、臨時教育審議会や教育職員養成審議会の答申において、現職教員の再教育と教員養成大学・学部の教育・研究水準の向上を図る観点から、大学院修士課程の設置促進が指摘されていること、及び大学院修士課程修了程度を基礎資格とする「専修免許状」が平成元年度から新設されたこと等に対応するため、その設置を進めている。

 教員養成の大学院は、当面、設置の要件が整った大学に設置することとし、平成二年度及び三年度においては、それぞれ四大学に大学院修士課程を設置し、三年度現在、教員養成学部(四九学部)のうち三一学部に修士課程を設置している。これらの大学院においては、昼夜開講制の実施等、教育内容・方法に工夫を加え、教員の資質向上に大きな役割を果たしており、これらの大学院にも積極的な派遣が期待される。

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-- 登録:平成21年以前 --