四 児童生徒の指導要録の改善

児童生徒の指導要録の改訂

 小学校児童指導要録及び中学校生徒指導要録等は、法令に基づく公簿であり学習指導要領の改訂に伴って改訂されてきた。昭和五十二年七月の小・中学校の学習指導要領の改訂に伴いその趣旨を生かすとともに、また、従来の児童生徒の指導要録の実施の経験や評価研究の動向等を踏まえて、五十五年二月にその様式等の改善が行われ、学習指導要領の実施の時期に合わせて小学校は五十五年度から、中学校は五十六年度から全学年同時に用いられることになった。この改訂においては、学習指導要領の改訂の趣旨の実現に役立つものとなるよう改めることを基本とし、「各教科の学習の記録」について、学習指導要領に示す目標の達成状況を観点ごとに評価する「観点別学習状況」の欄を設けるなどの改善を行った。

 その後、平成元年三月の小・中学校の学習指導要領の改訂に伴いその趣旨を生かすとともに、また、従来の指導要録の実施の経験等を踏まえ、三年三月に指導要録の様式等の改善が行われ、小学校は四年度から全学年同時に、中学校は三年度から学年進行で用いられることになった。

 この改訂においては、1)新学習指導要領が目指す学力観に立った教育の実践に役立つようにすること、2)児童生徒一人一人の可能性を積極的に評価し、豊かな自己実現に役立つようにすること、3)指導要録に記録する内容の精選やその保存期間の短縮を行うとともに、指導要録の保存管理の方法等の整備を図ること、の三つの点に留意して改善を行った。この改訂においては相対評価から絶対評価に重点を移し、児童生徒の学習状況の過程を的確に把握するようにした。なお、盲・聾・養護学校小・中学部の指導要録についても同様の改訂を行った。

高等学校生徒指導要録の改訂

 昭和五十三年八月の高等学校学習指導要領の改訂に伴い、五十六年十二月に指導要録の様式等の改善が行われ、五十七年度から学年進行で用いられることになった。この改訂では、高等学校の新教育課程の実施に即応して必要な改訂を行った。なお、平成元年の高等学校の学習指導要領の改訂に合わせて、この高等学校生徒指導要録の改訂を行うことになっている。また、盲・聾・養護学校高等部生徒指導要録についても同様の改訂を行うことになっている。

お問合せ先

学制百二十年史編集委員会

-- 登録:平成21年以前 --