二 放送大学の充実

 放送大学には、平成三年十月現在、卒業を目的とする全科履修生、一年にわたり特定の科目群を履修する選科履修生、一学期間、希望する科目を履修する科目履修生など、約四万人の学生が学んでいる。年齢別構成でも二十代から四十代を中心に幅広く、職業別構成でも、会社員、主婦など多様な社会人が在学している。元年三月に初めての卒業生を送り出して以来、これまでに約二、〇〇〇人を超える学生が卒業し、教養学士の学位を取得している。三〇〇人を超える専任・客員の教授陣により、人文、社会、自然の各分野にわたり約三〇〇の授業科目が開設され、毎日、朝六時から夜十二時まで、テレビ及びラジオの二種類の放送授業を行っている。このように専用の放送局により長時間のテレビ・ラジオ放送を行っていることは、世界的に見ても我が国の放送大学の大きな特色となっている。なお、放送大学では、スクーリングも重視していることもあり、主として南関東地区にある六つの学習センターと二つの地区学習センターを設置している。既存の大学・短期大学においては、単位互換制度の活用により放送大学の授業科目を一般教育関係科目等の単位として認定するなど大学教育の改善に資するようにするため、新しい実践を積み重ねている。

 また、電波が届く南関東地区以外にも放送大学授業番組の視聴エリアを広げていき、全国をその対象地域とすることが大きな課題となっている。このため、電波が届かない地域にビデオ・オーディオ教材を活用して放送大学教育の受講機会を提供するビデオ学習センターを、三年度までに全国一〇か所に設置するとともに、放送大学の全国化のための将来構想の検討を進めている。

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-- 登録:平成21年以前 --