帝国芸術院官制（昭和十二年六月二十四日勅令第二百七十九号）

　第一条　帝国芸術院ハ文部大臣ノ管理ニ属シ芸術ノ発達ヲ図リ文化ノ向上ニ資スルヲ以テ目的トス

　第二条　帝国芸術院ハ芸術ニ関スル重要ノ事項ヲ審議ス

　帝国芸術院ハ芸術ノ発達ニ資スル為必要ナル事業ヲ行フコトヲ得

　帝国芸術院ハ芸術ニ関スル重要ノ事項ニ付文部大臣ニ建議スルコトヲ得

　第三条　文部大臣ハ芸術ニ関スル重要ノ事項ニ付帝国芸術院ニ諮問スルコトヲ得

　第四条　帝国芸術院ハ院長一人及会員八十人以内ヲ以テ之ヲ組織ス

　第五条　院長及会員ハ芸術ニ関シ識見閲歴卓越スル者ノ中ヨリ文部大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ズ

　院長及会員ハ勅任官ノ待遇ヲ受ク

　第六条　院長ハ院務ヲ総理ス

　院長事故アルトキハ文部大臣ノ指名スル会員其ノ職務ヲ代理ス

　第七条　帝国芸術院ニ主事ヲ置ク文部部内ノ高等官ノ中ヨリ文部大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ズ

　主事ハ院長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理ス

　第八条　帝国芸術院ニ書記ヲ置ク文部部内ノ判任官ノ中ヨリ文部大臣之ヲ命ズ

　書記ハ上司ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス

附則

　本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス

　帝国美術院官制ハ之ヲ廃止ス

　本令施行ノ際現ニ帝国美術院長又ハ帝国美術院会員タル者別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ夫々帝国芸術院長又ハ帝国美術院会員ヲ命ゼラレタルモノトス