教育委員会法(昭和二十三年七月十五日法律第百七十号)

第一章 総則

 (この法律の目的)

 第一条 この法律は、教育が不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきであるという自覚のもとに、公正な民意により、地方の実情に即した教育行政を行うために、教育委員会を設け、教育本来の目的を達成することを目的とする。

 第二条 教育委員会の組織、権限及び職務は、この法律の定めるところによる。

 (設置)

 第三条 教育委員会は、都道府県及び市(特別区を含む。以下同じ。)町村にこれを設置する。但し、町村は、必要がある場合には、一部事務組合を設けて、その組合に教育委員会を設置することができる。

 2 前項の一部事務組合の教育委員会に関し必要な事項は、政令でこれを定めることができる。

 3 この法律で「都道府県教育委員会」とは、都道府県に設置する教育委員会を、「地方委員会」とは、市町村に設置する教育委員会をいう。

 (権限)

 第四条 教育委員会は、従来都道府県若しくは都道府県知事又は市町村若しくは市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の権限に属する教育、学術及び文化(教育という。以下同じ。)に関する事務、並びに将来法律又は政令により当該地方公共団体及び教育委員会の権限に属すべき教育事務を管理し、及び執行する。

 2 大学及び私立学校は、法律に別段の定がある場合を除いては、教育委員会の所管に属しない。

 (経費の負担)

 第五条 教育委員会に要する経費は、当該地方公共団体の負担とする。

 (経費の補助)

 第六条 教育委員会に要する経費及びその所掌に係る経費は、国庫からこれを補助することができる。

第二章 教育委員会の組織

第一節 教育委員会の委員

 (委員)

 第七条 都道府県委員会は七人の委員で、地方委員会は五人の委員で、これを組織する。

 2 第三項に規定する委員を除く委員は、日本国民たる都道府県又は市町村の住民が、これを選挙する。

 3 委員のうち一人は、当該地方公共団体の議会の議員のうちから、議会において、これを選挙する。

 (任期)

 第八条 選挙による委員の任期は四年とし、二年ごとにその半数を改選する。但し、補欠委員は、前任者の残任期間在任する。

 2 前項の任期は、通常選挙の日から、これを起算する。

 3 議会において選挙する委員の任期は、職員の任期中とする。

 (選挙)

 第九条 都道府県又は市町村の議会の議員の選挙権又は被選挙権を有する者は、都道府県委員会又は地方委員会の委員の選挙権又は被選挙権を有する。

 第十条 国会の議員、地方公共団体の議会の議員(第七条第三項の委員たる議員を除く。)、国家公務員及び地方公共団体の有給の職員は、教育委員会の委員を兼ねることができない。

 2 都道府県委員会の委員と、地方委員会の委員とは、これを兼ねることができない。

 第十一条 通常選挙は二年ごとに、選挙による委員の定数の半数についてこれを行う。

 第十二条 委員の選挙においては、選挙区を設けない。

 第十三条 委員の選挙に関する事務は、当該地方公共団体の選挙管理委員会が、これを管理する。

 第十四条 都道府県委員会の委員の選挙と、地方委員会の委員の選挙とは、これを同時に行うことができる。

 第十五条 委員の選挙は、市町村の議会の議員の選挙に関する選挙人名簿により、これを行う。

 第十六条 委員の候補者は、選挙人の推薦によるものでなければならない。

 2 前項の推薦は、選挙人が本人の承諾を得て、六十人以上の連署をもつて、その代表者から選挙長に届け出なければならない。

 第十七条 委員の被選挙権を有する者は、同時に二つの教育委員会の委員の候補者となることができない。

 第十八条 委員の候補者の届出には、供託金を要しない。

 第十九条 教育委員会の委員の選挙においては、有効投票の最多数を得た者をもつて当選人とする。

 2 当選人を定めるに当り得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長が、くじでこれを定める。

 第二十条 在任期間を異にする委員の選挙を合併して行った場合においては、得票数の多い者から、在任期間の長い当選人を選ばなければならない。

 2 得票数が同じである者のうち、任期の長短を定める必要がある場合には、選挙会において、選挙長が、くじでこれを定めなければならない。

 第二十一条 当選人が当選を辞したとき、死亡者であるとき、又は地方自治法

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