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実業補習学校規程(明治二十六年十一月二十二日文部省令第十六号)

 第一条 実業補習学校ハ諸般ノ実業ニ従事セントスル児童ニ小学校教育ノ補習ト同時ニ簡易ナル方法ヲ以テ其ノ職業ニ要スル知識技能ヲ授クル所トス

 第二条 実業補習学校入学者学力ノ程度ハ尋常小学校卒業以上ニ於テ之ヲ定ムヘシ但尋常小学校卒業ノ者ニアラサルモ学齢ヲ過キタル者ニ限リ実業補習学校ノ教科ノ全部又ハ一部ノ教授ヲ受クル為ニ特ニ学校長ノ許可ヲ得テ入学スルコトヲ得

 実業補習学校ニ於テハ男女ヲ混同スルコトヲ得ス

 第三条 実業補習学校ハ尋常小学校又ハ高等小学校ニ附設スルコトヲ得此ノ場合ニ於テ其ノ小学校ノ教授ヲ妨ケサル限ハ校舎及備品器具ヲ使用セシムルコトヲ得

 第四条 実業補習学校ノ教科目ハ修身、読書、習字、算術及実業ニ関スル科目トス但修身ハ読書ニ附帯シテ教授スルコトヲ得

 第五条 実業補習学校ノ実業ニ関スル教科目ハ左ニ掲クル事項ヨリ撰択シ又ハ便宜分合シテ之ヲ定ムヘシ

 一 工業地方ニ於テハ図画、模型、幾何、物理、化学、重学、工芸意匠、手工ノ類

 二 商業地方ニ於テハ商業書信、商業算術、商品、商業地理、簿記、商業ニ関スル習慣及法令ノ大略、商業経済、外国語ノ類

 三 農業地方ニ於テハ或ハ農業大意、或ハ耕耘、害虫、肥料、土壌、排水、灌漑、農具、樹芸、家畜、養蚕、森林、農業帳簿、丈量ノ類

 前項ノ外水産、機織、刺繍其ノ他或職業ノ為ニ便宜其ノ教科目ヲ定ムルコトヲ得

 第六条 読書、習字、算術ノ各教科目ハ其ノ学校ニ於テ授クル所ノ程度以上ノ学力ヲ有スル生徒ニ対シ之ヲ課セサルコトヲ得

 実業ニ関スル教科目ハ生徒各自ノ志望ニ依リ一科目若ハ数科目ヲ撰択専修セシムルコトヲ得

 第七条 実業補習学校ニ於ケル授業ハ総テ実業ニ適切ニシテ応用ニ便ナラシメンコトヲ要ス

 第八条 実業補習学校ノ修業年限ハ三箇年以内トス

 第九条 実業補習学校ハ日曜日又ハ夜間タリトモ便宜教授時間ヲ設クルコトヲ得

 第十条 実業補習学校ハ土地ノ情況ニ応シ季節ヲ限リ教授スルコトヲ得

 第十一条 実業補習学校ノ教員ハ小学校教員又ハ其ノ資格アル者又ハ相当ノ普通教育ヲ受ケ実業ノ知識又ハ経験ヲ有シ地方長官ノ許可ヲ得タル者ヲ以テ之ニ充ツヘシ

 第十二条 実業補習学校ノ教科目、修業年限、教授ノ時間及季節ヲ定ムルニハ市町村立ニ係ルモノハ市参事会町村長(又ハ之ニ準スヘキ者)ニ於テ、私立ニ係ルモノハ設立者ニ於テ地方長官ノ許可ヲ受クヘシ

 第十三条 市町村立実業補習学校ニ於テハ実業又ハ教育ニ経歴アル者及其ノ学校ノ設立維持ニ功労アル者ヲ以テ商議員トシ其ノ学校ニ関スル事件ヲ商議セシムルコトヲ得

 第十四条 市町村立実業補習学校ニ於テ授業料ヲ徴収スルト否トハ市町村ノ便宜タルヘシ

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